JP5364400B2 - 二重管の補修方法 - Google Patents
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本発明は、二重管の外管と内管間の空間にポリウレタン樹脂を充填する二重管の補修方法に関する。
コンクリート管等の外管の内部に鋼管等の内管が挿入され、外管と内管間に空間を有する二重管は、例えば大型プラントへの海水給水管として土中に埋設されて使用されている。このように使用される二重管は、長期使用により外管が老朽化して土の重みで破損するおそれがあり、また、内管についても腐食が進行して穴があくことがあるため、補修が必要になる。
二重管の補修方法としては、土を掘り起こし、周囲の土砂を取り除き、外管および内管を交換する方法がある。また、内管の内側をクリーニングし、エポキシ樹脂などで内管内面をコーティングした後に外管と内管間の空間にポリウレタン原料を吐出して発泡させることによりポリウレタン樹脂を形成し、このポリウレタン樹脂で外管と内管間の空間を充填する方法がある。
しかし、前者の方法は、外管を開削しなければならず、補修に膨大な費用がかかる問題がある。しかも、海岸堤防で、外管が海岸線の下を通過する場合、安全上の理由から開削が行われることはない。
一方、後者の方法は、樹脂のコーティングによる内管の補強では補強強度がそれほど高くないため、ポリウレタン原料の発泡圧で内管が変形あるいは破損するおそれがある。しかも、内管の破損した箇所からポリウレタン原料が内管内に侵入して発泡するようなことがあると、内管内の海水等の流れを阻害するおそれがある。
一方、後者の方法は、樹脂のコーティングによる内管の補強では補強強度がそれほど高くないため、ポリウレタン原料の発泡圧で内管が変形あるいは破損するおそれがある。しかも、内管の破損した箇所からポリウレタン原料が内管内に侵入して発泡するようなことがあると、内管内の海水等の流れを阻害するおそれがある。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、外管を開削する必要がなく、かつ補修時に内管の破損を生じ難く、しかも費用を抑えることができる二重管の補修方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、外管と内管間に空間を有する二重管の補修方法において、前記内管内に挿入したチューブに気体を圧入して前記チューブを膨張させることにより前記内管の内面に当接させ、前記膨張したチューブで前記内管を内側から支持しながら前記外管と前記内管間の空間にポリウレタン原料を吐出して発泡させ、前記発泡したポリウレタン樹脂で前記外管と前記内管間の空間を充填する二重管の補修方法に係る。さらに、前記チューブから気体を抜き、前記チューブを前記内管から抜き取ることが、現状を復帰させる意味で好ましい。しかし、場合によっては、チューブを内管に放置してもよい。なお、チューブの先端を破いて貫通させるのがより好ましい。
請求項2の発明は、請求項1において、前記チューブが一端で閉じ他端で開口したものからなり、加圧ケース内の回転軸に前記チューブを閉じた一端側から巻き取り、前記加圧ケースに形成されているチューブ送り出し用開口部に前記チューブの開口端の周縁を固定し、前記チューブ送り出し用開口部を前記チューブの開口端側で塞いだ状態とし、前記加圧ケース内に加圧気体を吹き込むことにより、前記チューブ送り出し用開口部から前記チューブを内外反転させ、かつ膨張させながら前記内管内に送り出して前記チューブを前記内管内に挿入すると共に、前記内管の内面に当接させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、内管内のチューブに圧入した気体により内管を内側から支持しながら外管と内管間の空間でポリウレタン原料を発泡させるため、発泡圧で内管が破損するのを防ぐことができる。しかも、外管を開削する必要がないため、補修作業が容易であり補修費用を抑えることができる。
請求項2の発明によれば、チューブを内外反転させ、かつ膨張させながら内管内に送り出してチューブを内管内に挿入すると共に内管の内面に当接させるため、二重管が長い場合にもチューブを内管の奥まで容易に挿入することができる。
以下、本発明の二重管の補修方法について、図面を用いて説明する。図1及び図2に示すように、まず二重管10の内管13内にチューブ反転送り出し装置50によってチューブ31を挿入する。その際、前記チューブ31に圧入した気体によりチューブ31を膨張させて内管13の内面に当接させ、前記内管13を内側から支持する。前記二重管10は、外管11がコンクリート管等からなり、一方、前記内管13が鋼管等からなり、前記外管11と内管13の間に空間15が形成されている。前記二重管10の寸法は、例えば外管11の内径が800mm、内管13の内径が500mmの場合を挙げる。
前記チューブ31は、図5に示すように一端33が閉じ、他端35が開口したものからなる。前記チューブ31は二重管10の補修範囲の長さに対応する長さを有し、且つ膨張した際の径が前記二重管10の内管13の内径と対応するものからなる。前記チューブ31の材質は、チューブ31内に気体を圧入することによりチューブ31が膨張可能な伸縮性を有する材質、例えばゴム等からなり、エア圧0.6〜0.8MPaに耐えることができ、且つ、耐熱温度が150℃以上のものが好ましい。前記チューブ31は、図6に示すように、チューブ反転送り出し装置50の加圧ケース51内に収容されている。
前記チューブ反転送り出し装置50の加圧ケース51は、内部に回転軸(回転ドラムとも称される)53が設けられ、壁面55には気体圧入口57とチューブ送り出し用開口部59が形成されている。前記回転軸53には前記チューブ31が閉じた一端33側から巻き取られている。前記気体圧入口57から送り込まれる気体が、加圧ケース51に充満し、さらに加圧されると、チューブ送り出し用開口部59から排出され、これに伴い前記チューブ31は、反転しながら開口端35側へ引っ張られ、前記回転軸53も回転し、チューブ31は、反転した状態で送り出される。これによってチューブ31はチューブ送り出し用開口部59から反転しながら全長送り出される。前記気体圧入口57には、図示しない気体供給装置(エアコンプレッサー等)が接続される。また、前記チューブ送り出し用開口部59は、前記二重管10における内管13の径より小さな穴形状で形成されている。前記チューブ送り出し用開口部59には前記チューブ31の開口端35周縁を拡径するようにして固定され、前記チューブの開口端35側で前記チューブ送り出し用開口部59が塞がれている。なお、前記チューブ反転送り出し装置50は、管内ライニング工法等として多用されているものであり(特開20094521号公報、実開平1−108719号公報等参照)、周知の構成である。
前記チューブ送り出し用開口部59を、図1の(1−A)のように、前記二重管10の一端の内管13内へ向けて位置させ、前記気体圧入口57から加圧ケース51内に加圧気体(圧搾空気等)を圧入する。前記加圧ケース51内への気体の圧入によって、図1の(1−B)のように、前記チューブ送り出し用開口部59では前記チューブ31の開口端35の付近が外方(送り出し方向、すなわち二重管10の内管13内方)へ押圧されてチューブ31の内外面が反転し、反転したチューブ31内に前記加圧ケース51から気体が圧入されることにより、図1の(1−C)、図2の(2−A)及び(2−B)のように、前記回転軸53からチューブ31が送り出されて内管13の奥まで挿入される。その際、前記チューブ31は、チューブ31内に圧入された気体により膨張(拡径)して前記内管13の内面に当接しながら内管13の奥まで挿入される。
次に、図3の拡大図に示すように、前記チューブ31に圧入した気体により前記二重管10の内管13を内側から支持した状態で、前記二重管10の一端側から外管11と内管13間の空間15にウレタン注入ノズル41を内管13内に挿入し、前記ウレタン注入ノズル41の先端43からポリウレタン原料Pを外管11と内管13間の空間15に吐出する。前記先端43は前記二重管10の空間15の奥まで挿入される。前記ウレタン注入ノズルの他端は、公知のポリウレタン原料注入装置(図示せず)に接続される。ポリウレタン原料Pは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなり、反応により発泡してポリウレタン発泡体を形成する公知の原料であり、硬質ポリウレタン発泡原料が好適である。
前記ポリウレタン原料Pを二重管10の外管11と内管13間の空間15に吐出しながら、前記ウレタン注入ノズル41を後退させて最終的に前記二重管10から抜き取る。なお、前記ウレタン注入ノズル41を二重管10の外管11と内管13間の空間15へ挿入する作業は、ノズルの種類により使い分ける。硬質のノズル、塩ビパイプ等であれば、作業者が、手作業で挿入し、リール状に巻き取ることのできる軟質のノズル、ゴム製チューブ等であれば、リール状に巻いた状態で、ノズルの一端から空気を挿入して空間15に向かってチューブ等を送り出し(巻き出し)ながらリール状の中心側を走らす(転がす)ことで、ノズル先端(リール状に巻いた中心側の先端に相当)を空間15の奥に位置させる。また、二重管10から後退させて抜き取る作業は、手作業でたぐりよせるか、リール状の巻き取り機械で巻き取ることで行われる。
前記二重管10の外管11と内管13間の空間15に吐出されたポリウレタン原料Pは、発泡してポリウレタン樹脂(硬質ポリウレタン発泡体)P1(図4に示す)となり、前記外管11と内管13間の空間15に充填される。その際、前記内管内13のチューブ31に圧入された気体により、前回内管13が内側から支持されているため、ポリウレタン原料Pの発泡圧によって内管13が破損することを防ぐことができ、内管13の破損によってポリウレタン原料Pが内管13内に侵入して発泡することも防ぐことができる。
前記外管11と内管13間の空間15でポリウレタン原料Pの発泡が終了することにより、前記外管11と内管13間の空間15にウレタン樹脂P1を充填した後、図4の(4−A)及び(4−B)に示すように、前記チューブ31から気体を抜いて、前記チューブ31の径を収縮させ、前記チューブ31を前記二重管10の内管13から抜き取る。前記チューブ31を内管13から抜き取る作業は、前記加圧ケース51のチューブ送り出し用開口部59に固定されているチューブ31の端部を加圧ケース51から外し、外したチューブ31の端部を巻き取り装置(図示せず)の巻き取り軸に固定し、該巻き取り装置の回転軸を回転させることにより容易に行うことができる。
このように、本発明によれば、二重管の内管内に挿入したチューブに気体を圧入して内管を内側から支持した状態で、外管と内管間の空間でポリウレタン原料を発泡させるため、発泡圧で内管が破損するのを防ぐことができる。しかも、二重管の外管を開削する必要がないため、補修作業が容易であり補修費用を抑えることができる。
10 二重管
11 外管
13 内管
15 外管と内管間の空間
31 チューブ
41 ウレタン注入ノズル
50 チューブ反転送り出し装置
51 加圧ケース
53 回転軸
59 チューブ送り出し用開口部
P ポリウレタン原料
P1 ポリウレタン樹脂
11 外管
13 内管
15 外管と内管間の空間
31 チューブ
41 ウレタン注入ノズル
50 チューブ反転送り出し装置
51 加圧ケース
53 回転軸
59 チューブ送り出し用開口部
P ポリウレタン原料
P1 ポリウレタン樹脂
Claims (2)
- 外管と内管間に空間を有する二重管の補修方法において、
前記内管内に挿入したチューブに気体を圧入して前記チューブを膨張させることにより前記内管の内面に当接させ、
前記膨張したチューブで前記内管を内側から支持しながら前記外管と前記内管間の空間にポリウレタン原料を吐出して発泡させ、
前記発泡したポリウレタン樹脂で前記外管と前記内管間の空間を充填することを特徴とする二重管の補修方法。 - 前記チューブが一端で閉じ他端で開口したものからなり、
加圧ケース内の回転軸に前記チューブを閉じた一端側から巻き取り、前記加圧ケースに形成されているチューブ送り出し用開口部に前記チューブの開口端の周縁を固定し、前記チューブ送り出し用開口部を前記チューブの開口端側で塞いだ状態とし、
前記加圧ケース内に加圧気体を吹き込むことにより、前記チューブ送り出し用開口部から前記チューブを内外反転させ、かつ膨張させながら前記内管内に送り出して前記チューブを前記内管内に挿入すると共に、前記内管の内面に当接させることを特徴とする請求項1に記載の二重管の補修方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009052900A JP5364400B2 (ja) | 2009-03-06 | 2009-03-06 | 二重管の補修方法 |
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JP2010201891A JP2010201891A (ja) | 2010-09-16 |
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