JP6355991B2 - ゲート開閉設備 - Google Patents

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本発明は、ゲートを水平移動させて開閉するゲート開閉設備に関する。
図6に示すように、防水や防潮を目的として、ゲート100を水平に移動して開閉を行うゲート開閉設備101が用いられている。ゲート開閉設備101は、ゲート100に固定されたピンラック102に対し、スプロケット103を介してモータ104の駆動力を与え、ピンラック102と共にゲート100を移動させる。
また、ゲートを水平移動させるタイプではないが、特許文献1には、モータの駆動力をピンラックを介してゲートに与え、ゲートを昇降させる設備が記載されている。
特開2007−224658号公報
しかしながら、ゲートを停止させた状態から上昇させた後に、水平移動させようとすると、スプロケットとピンラックの位置関係が変わり、スプロケットとピンラックが噛み合った状態を維持できないという課題があった。
なお、ゲートを上昇させて水平移動することにより、ゲートとゲートの設置面との間の摩擦抵抗を小さくでき、ゲートの摩耗等に有効である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、上昇した状態で水平移動するゲートに対し、スプロケットとピンラックが噛み合った状態を維持するゲート開閉設備を提供することを目的とする。
前記目的に沿う発明に係るゲート開閉設備は、複数のピンを有し、水平に配されてゲートに固定されたピンラックと、上昇した前記ゲートを、前記複数のピンに噛み合う複数の歯を有するスプロケットを回転させて、水平移動させる駆動装置とを備えるゲート開閉設備において、前記スプロケットは、鉛直軸にスプライン接続されて、該鉛直軸に対し昇降自在で、該鉛直軸を中心に回転可能に設けられ、前記複数の歯がそれぞれ、該スプロケットの径方向外側に向かって水平に突出し、前記ピンラックは、前記ゲートと共に上昇幅Hの上昇を行い、前記複数のピンが、それぞれ鉛直に配置され、前記複数のピンそれぞれの前記歯が噛み合う噛合領域には、前記ゲートが最下位置に配された状態で、前記ピンに噛み合った前記歯より下側に、少なくとも、前記上昇幅Hの長さが確保される。
発明に係るゲート開閉設備において、前記スプロケットは、前記ピンラックが上昇する際に、回転自在の状態にされるのが好ましい。
発明に係るゲート開閉設備において、記複数のピンは、それぞれ回転自在に設けられているのが好ましい。
発明に係るゲート開閉設備は、複数のピンがそれぞれ鉛直に配置されたピンラックが、ゲートと共に上昇幅Hの上昇を行い、複数のピンそれぞれの歯が噛み合う噛合領域には、ゲートが最下位置に配された状態で、ピンに噛み合った歯より下側に、少なくとも、上昇幅Hの長さが確保される。
従って、発明に係るゲート開閉設備は、持ち上げられて水平移動するゲートに対し、スプロケットとピンラックが噛み合った状態を維持可能である。
(A)、(B)はそれぞれ、本発明の一実施の形態に係るゲート開閉設備が取り付けられたゲートが閉まった状態、水平移動中の状態の説明図である。 同ゲート開閉設備の正面図である。 同ゲート開閉設備の側面図である。 ピンとスプロケットの位置関係を示す説明図である。 変形例に係るゲート開閉設備の説明図である。 従来例に係るゲート開閉設備の説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)、図2、図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るゲート開閉設備10は、複数のピン11を有し、水平に配されてゲート12に固定されたピンラック13と、上昇したゲート12を、複数のピン11に噛み合う複数の歯14を有するスプロケット15を回転させて、水平移動させる駆動装置16とを備える設備である。以下、詳細に説明する。
ゲート12は、図1(A)に示すように、壁体22、22aに近接して配置されている。壁体22、22aは間隔を空けて設置面Gに固定され、ゲート12は、下部全体に、シール部材17を備え、降下してシール部材17を設置面Gに押し付けた状態で、壁体22、22aの間を閉じる。ゲート12は、左右にもそれぞれ図示しないシール部材を備え、左右のシール部材はそれぞれ、ゲート12が壁体22、22aの間を閉じた際に、壁体22、22aに接触してシールする。
ゲート12には、図1(B)に示すように、設置面Gに当接する複数の車輪18が取り付けられている。ゲート12は、図示しないジャッキアップ機構によって最下位置(降下位置)から最上位置(上昇位置)に持ち上げられて上昇し、シール部材17が設置面Gから離れた状態(即ち、設置面Gに対する摩擦抵抗が小さくなった状態)となった後、ゲート開閉設備10から駆動力を与えられて水平移動する。車輪18は、ゲート12に対して昇降可能に取り付けられ、ゲート12が上昇した状態においても、設置面Gに当接した状態を維持し、設置面G上を転動して、ゲート12を水平移動させる。
ゲート12は、壁体22、22aの間を完全に開いた位置まで水平移動して停止した後、最下位置まで降下して、シール部材17を設置面Gに当接する。
ピンラック13は、図1(A)、(B)、図2、図3に示すように、水平に配置され、複数の支持部材19によって、ゲート12の上端に固定されている。ピンラック13は、それぞれ鉛直に配置された複数のピン11を備えている。所定のピッチで配された複数のピン11はそれぞれ、上下が、水平配置された上側長尺部材20と、同じく水平配置された下側長尺部材21によってそれぞれ回転自在に支持されている(即ち、複数のピン11は、それぞれ回転自在に設けられている)。
上側長尺部材20は、下側長尺部材21の直上にあって、上側長尺部材20及び下側長尺部材21は、平行に配置されている。
ピンラック13は、ゲート12に固定されているため、ゲート12と共に昇降する。即ち、複数のピン11は、ゲート12と共に上昇し、ゲート12と共に降下する。なお、図1(A)、(B)においては、支持部材19が省略されている。
駆動装置16は、図3に示すように、壁体22aの上部に、ベース部材23を介して固定されている。
駆動装置16は、図2、図3に示すように、電動モータ(駆動源の一例)24、電動モータ24の駆動力を伝える動力伝達機構25、及び、電動モータ24の駆動力を動力伝達機構25を介して与えられて回転するスプロケット15を備えている。スプロケット15は、電動モータ24の回転方向の切り替えに合わせて、時計回り、あるいは、反時計回りのいずれかに回転する。
電動モータ24の図示しない出力軸に連結された動力伝達機構25は、クラッチ、減速用の歯車等に加え、電動モータ24の作動により回転する鉛直軸26を備えている。
スプロケット15は、図2〜図4に示すように、中心に鉛直軸26が連結されて水平に配置され、鉛直軸26を中心に、鉛直軸26と共に回転する(即ち、スプロケット15は、鉛直軸26を中心に回転可能に設けられている)。スプロケット15は、外周部に複数の歯14を備え、所定のピッチで設けられた複数の歯14は、それぞれスプロケット15の径方向外側に向かって水平に突出している。
また、スプロケット15の複数の歯14は、一部が、常時、ピン11に噛み合った状態を維持している。なお、図3、図4においては、スプロケット15の複数の歯14の一部のみを記載している。
各ピン11は、上側長尺部材20に回転自在に支持された上部と下側長尺部材21に回転自在に支持された下部の間の領域が、スプロケット15の複数の歯14が噛み合う領域(以下、「噛合領域」とも言う)である。
そして、ピンラック13は、スプロケット15の回転により、水平方向に力を与えられ、この力をゲート12に伝えて、ゲート12と一体的に水平移動する。
ピン11は、上下がそれぞれ回転自在に上側長尺部材20及び下側長尺部材21によって支持されているので、スプロケット15の歯14は、ピン11の噛合領域の周方向の任意の場所に接触し、ピン11の噛合領域の一部のみが摩耗するのを抑制している。
スプロケット15の回転方向及び回転数は、駆動装置16の図示しない演算器によって、計測され、演算器は、スプロケット15の回転方向及び回転数を基に、ゲート12の水平位置を算出する。演算器は、例えば、エンコーダを有して構成することができる。
ここで、図4に示すように、スプロケット15の複数の歯14それぞれの上下方向の厚みを厚みD、ゲート12と共に上昇するピンラック13の上昇幅(即ち、複数のピン11の上昇幅)を上昇幅Hとして、複数のピン11の噛合領域は、上下方向に、少なくとも、厚みDに上昇幅Hを加算した長さ(D+Hの長さ)をそれぞれ有している。
本実施の形態では、各ピン11の噛合領域は、D+Hの長さの105〜120%の長さを備えているが、これに限定されない。
そして、ピンラック13は、スプロケット15の歯14が噛み合ったピン11の噛合領域において、ゲート12が最下位置に配された状態で、ピン11に噛み合ったスプロケット15の歯14より下側に、少なくとも、上昇幅Hの長さが確保される高さに配されている。これは、ゲート12が最上位置に配された状態で、スプロケット15の歯14が噛み合ったピン11の噛合領域において、ピン11に噛み合ったスプロケット15の歯14より上側に、少なくとも、上昇幅Hの長さが確保されることも意味する。
ここで、ゲート12が最下位置に配された状態で、ピン11の噛合領域において、ピン11に噛み合ったスプロケット15の歯14より下側に確保される上下方向の長さを長さLとして、LとHの関係は、L≧Hとなる。
従って、ピンラック13は、スプロケット15の複数の歯14の一部が複数のピン11の一部に噛み合った状態を維持しつつ、ゲート12と共に昇降することができる。
また、ピンラック13がゲート12と共に上昇する際、及び、ピンラック13がゲート12と共に降下する際、スプロケット15は、回転自在の状態(フリーの状態)にされている。このため、スプロケット15は、昇降するピンラック13のピン11に歯14が接触していることによりピン11から与えられる力を、回動することによって抑制でき、駆動装置16に大きな力が作用するのを防止可能である。
更に、スプロケット15は、鉛直軸26に対してスプライン接続されて、鉛直軸26に対し昇降自在な状態が確保されている。従って、スプロケット15は、スプロケット15自体がピンラック13と同じ方向に昇降することによって、ピンラック13のピン11から受ける力を抑制することもできる。
なお、本実施の形態では、鉛直軸26は、昇降しない設計がなされているが、これに限定されない。例えば、鉛直軸がピンラックと一体となって昇降自在に設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、ピン11を、噛合領域の長さに余裕を持たせて設計することによって、ピンラック13が歯14をピン11に噛み合わせた状態でゲート12と共に昇降できるようにしているが、その代わりに、スプロケット15を昇降自在に設けて、ピンラック13が歯14をピン11に噛み合わせた状態で昇降するようにしてもよい。
ゲート開閉設備10の変形例であるゲート開閉設備30は、図5に示すように、スプロケット31が昇降自在に設けられることによって、ピンラック32が歯33をピン35に噛み合わせた状態で昇降するように設計されている。
以下、ゲート開閉設備30について、説明する。なお、ゲート開閉設備30において、ゲート開閉設備10と同様の構成については、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
スプロケット31は、中心が鉛直軸26に連結されて、鉛直軸26を中心に回転可能に設けられ、外周部に設けられた複数の歯33がそれぞれ径方向外側に向かって水平に突出している。
スプロケット31は、鉛直軸26にスプライン接続されて、鉛直軸26に対して昇降自在に連結されている。
ゲート12の上端に支持部材34によって固定されたピンラック32は、スプロケット31の複数の歯33が噛み合う複数のピン35を有し、各ピン35は、上下がそれぞれ上側長尺部材20及び下側長尺部材21によって回転自在に支持されて、鉛直に配置されている。
各ピン35のスプロケット31の歯33が噛み合う噛合領域の上下方向の長さは、ゲート12と共に昇降するピンラック32の昇降幅にスプロケット31の歯33の厚みを加えたものより短い。
スプロケット31は、ゲート12が昇降する際、ゲート12と一体的に昇降する複数のピン35と共に昇降して、スプロケット31の歯33がピン35に噛み合った状態を維持する。
ゲート開閉設備30において、スプロケット31が、ピンラック32が昇降する際に、回転自在の状態にされる点、及び、スプロケット31が鉛直軸26に対して昇降自在である代わりに、スプロケットが鉛直軸と共に昇降自在であってもよい点は、ゲート開閉設備10と同じである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、スプロケットは、ピンラックが昇降する際に、回転自在の状態でなくてもよく、ピンラックのピンは回転自在に設けられていなくてもよい。
10:ゲート開閉設備、11:ピン、12:ゲート、13:ピンラック、14:歯、15:スプロケット、16:駆動装置、17:シール部材、18:車輪、19:支持部材、20:上側長尺部材、21:下側長尺部材、22、22a:壁体、23:ベース部材、24:電動モータ、25:動力伝達機構、26:鉛直軸、30:ゲート開閉設備、31:スプロケット、32:ピンラック、33:歯、34:支持部材、35:ピン、G:設置面

Claims (3)

  1. 複数のピンを有し、水平に配されてゲートに固定されたピンラックと、上昇した前記ゲートを、前記複数のピンに噛み合う複数の歯を有するスプロケットを回転させて、水平移動させる駆動装置とを備えるゲート開閉設備において、
    前記スプロケットは、鉛直軸にスプライン接続されて、該鉛直軸に対し昇降自在で、該鉛直軸を中心に回転可能に設けられ、前記複数の歯がそれぞれ、該スプロケットの径方向外側に向かって水平に突出し、前記ピンラックは、前記ゲートと共に上昇幅Hの上昇を行い、前記複数のピンが、それぞれ鉛直に配置され、
    前記複数のピンそれぞれの前記歯が噛み合う噛合領域には、前記ゲートが最下位置に配された状態で、前記ピンに噛み合った前記歯より下側に、少なくとも、前記上昇幅Hの長さが確保されることを特徴とするゲート開閉設備。
  2. 請求項記載のゲート開閉設備において、前記スプロケットは、前記ピンラックが上昇する際に、回転自在の状態にされることを特徴とするゲート開閉設備。
  3. 請求項1又は2に記載のゲート開閉設備において、前記複数のピンは、それぞれ回転自在に設けられていることを特徴とするゲート開閉設備。
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