JP6355589B2 - シリコーン粘着剤組成物および粘着テープ - Google Patents

シリコーン粘着剤組成物および粘着テープ Download PDF

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本発明は、シリコーン粘着剤組成物および粘着テープに関する。詳しくは、優れた帯電防止性能を有するシリコーン粘着剤組成物、及びこれを用いた粘着テープに関する。
近年、電子機器が薄く軽く小さくなっている。それに伴い、電子機器内に搭載される電子部品も小さくなっている。シリコーン粘着テープはその耐熱性の高さから工程用粘着テープや、再剥離性の良さから工程搬送用粘着テープとして広く用いられている。
しかし、シリコーン粘着剤はその電気絶縁性の高さから、薄く小さな電子部品を剥離する際に、剥離帯電を引き起こし、最悪の場合には電子部品の絶縁破壊を引き起こしてしまう可能性がある。そこで、剥離帯電を防止するために、帯電防止型シリコーン粘着剤の開発が必要となっている。
例えば、特許文献1及び2には、粘着テープ基材を帯電防止性にした帯電防止粘着テープが記載されている。しかし該粘着テープは使用できる基材が限られる上に、粘着剤が電気的絶縁性を有する場合には剥離帯電は防ぐことができないという問題を有する。また、特許文献3、4、及び5には、粘着剤層と粘着テープ基材の間に帯電防止層を設けた帯電防止粘着テープが記載されている。しかし該粘着テープは、粘着テープ製造時の工程が増えるため生産性において不利であり、また、上記と同様に、粘着剤が電気的絶縁性を有する場合には剥離帯電を防ぐことはできない。
特許文献6、7、8、及び9には、粘着剤を帯電防止性とした帯電防止粘着テープが記載されており、特許文献6にはカーボンブラックを配合した粘着剤が記載されており、特許文献7にはポリオールを配合した粘着剤が記載されており、特許文献8及び9には導電性微粒子を分散させた粘着剤が記載されている。
しかし、ポリオールを配合した粘着剤では、ポリエーテルポリオール系化合物がシリコーン粘着剤との相溶性が悪いため粘着剤に白濁が生じること、経時で粘着剤が分離することがある。さらには、該化合物は多量に添加することが必要なため、得られる粘着剤が所望の粘着力を得られないという問題がある。また、該粘着剤を使用して粘着テープを形成した場合、テープ基材への密着性が低下して、該粘着テープを被着体からはがす時に被着体に粘着物質が残るという不具合が生じる。また、カーボンブラックを配合した粘着剤は、粘着テープ製造時にカーボンにより粘着テープ装置の洗浄に多大な負担がかかる、得られる粘着テープの外観が黒色不透明になる、表面抵抗率が不安定である、工程終了後に粘着テープを剥がした後に素子などの被着体にカーボンが移行する、などという問題がある。また、導電性微粒子を配合した粘着剤は不透明となるほか、粘着剤組成物と導電性微粒子の比重差により導電性微粒子が分離してしまい、所定の性能が得られないという問題がある。
特許文献10には、リチウム塩であるイオン導電性帯電防止剤を含むシリコーン粘着剤組成物が記載されており、該粘着剤組成物を有するシリコーン粘着テープは帯電防止性能に優れ、長時間高温に曝されても該帯電防止性能を維持できると記載されている。また、該イオン導電性帯電防止剤を、オキシアルキレン基を持つ有機溶剤に溶解させた状態で添加することにより帯電防止性能が向上すると記載されている。特許文献10にはオキシアルキレン基を持つ有機溶剤として、
−(C=O)−O−(R−O)−R
(式中、Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、Rは、同一でも異なってもよい炭素原子数2〜8のポリメチレン基であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基であり、mは2〜50の整数である)及び
−(O−R−O−(C=O)−R−(C=O)−O−(R−O)−R
(式中、Rは、同一でも異なってもよく、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基であり、R及びRは、同一でも異なってもよいエチレン基又は炭素原子数3〜12のポリメチレン基であり、n及びpは、同一でも異なってもよい2〜50の整数である)が記載されている。
特開平4−216887号公報 特開2003−306654号公報 特開昭63−380号公報 特開平4−135791号公報 特開平6−220408号公報 特開昭61−136573号公報 特開2005−154491号公報 特開2004−091703号公報 特開2004−091750号公報 特許第5309714号
特許文献10に記載されているオキシアルキレン溶剤はシリコーン粘着剤との相溶性が良くないため、粘着剤層を硬化させた後でオキシアルキレン溶剤が粘着剤層から分離してしまい、硬化性が不十分となる問題がある。また、該粘着剤層を有する粘着テープでは分離したオキシアルキレン溶剤により基材密着性が悪くなるという問題がある。
また、特許文献10に記載のリチウム塩を帯電防止剤として添加すると、得られる粘着剤層は基材への密着性が悪くなる。そのため、該粘着剤層をテープ基材上に有する粘着テープを製造する場合、粘着層上に貼りつける剥離フィルムには、剥離のしやすいフッ素変性シリコーン剥離剤層を有するフィルムを使用する必要がある。また、該粘着テープを被着体に貼り付けると、粘着テープを被着体からはがす時に被着体上に粘着物質が残り綺麗に剥がせないという不具合が生じてしまう。
そこで本発明は、上記事情に鑑み、帯電防止性に優れる粘着剤層を与えるシリコーン粘着剤であり、且つ、基材への密着性に優れ、粘着剤層を備える粘着テープや粘着フィルムを被着体からはがした後に被着体上への粘着残渣が少ないシリコーン粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、付加硬化型シリコーン粘着剤組成物に、1分子内に2個以上の不飽和炭化水素基を有し且つ2個の(ポリ)オキシアルキレン残基を有する化合物と、リチウムを含まないイオン液体を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、
付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物であって、
(A)付加硬化型シリコーン、
(B)1分子内に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有し、2個の(ポリ)オキシアルキレン残基を有する化合物、及び
(C)リチウムを含まないイオン液体
を含有することを特徴とする、シリコーン粘着剤組成物を提供する。
また本発明は、シート状基材の少なくとも1面に上記シリコーン粘着剤組成物の硬化物層が積層されている粘着テープまたは粘着フィルムを提供する。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は帯電防止性能に優れ、基材への密着性が優れた粘着層を与える。該粘着層を有する粘着テープ及び粘着フィルムは、被着体からはがした後に被着体上への粘着残渣が少なく被着体を汚染しない。従って、該粘着テープ及び粘着フィルムは、電子部品マスキング用として、さらには静電気の発生が好ましくない環境下にて好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、付加反応硬化型シリコーン組成物であり(B)特定構造の(ポリ)オキシアルキレン化合物と(C)特定のイオン液体を含有することを特徴とする。付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物に含まれる(B)成分及び(C)成分以外の構成は特に制限されるものでない。(A)付加硬化型シリコーンは、従来公知のオルガノポリシロキサンであればよく、例えば、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、シリコーンレジン、及びオルガノハイドロジェンポリシロキサン等である。以下、先ず、本発明の特徴である(B)成分及び(C)成分について説明する。
(B)(ポリ)オキシアルキレン化合物
(B)成分は、1分子内に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有し、2個の(ポリ)オキシアルキレン残基を有する化合物である。該(ポリ)オキシアルキレン化合物の特徴の一つは、1分子内に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有することである。これにより(ポリ)オキシアルキレン化合物は付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物中に含まれるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと反応して、硬化物(粘着剤層)に強固に結合することができるため、経時で(ポリ)オキシアルキレン化合物が粘着剤層から分離することがなく、基材と粘着層の密着性を向上し、且つ、被着体汚染を低減することができる。
上記(ポリ)オキシアルキレン化合物の二つ目の特徴は、1分子中に2個の(ポリ)オキシアルキレンを有することである。該(ポリ)オキシアルキレンとは、少なくとも1のオキシアルキレン基からなる構造であり、好ましくは2以上のオキシアルキレン基が連なって成る骨格である。特に好ましくは2個の(ポリ)オキシアルキレン残基が夫々−(CO)−(CO)−で示される骨格であるのがよい(式中、mは0〜20の実数であり、nは0〜10の実数であり、m+nは1〜30である。CO)と(CO)の結合順序はランダムであってもよい)。本発明は該(ポリ)オキシアルキレン残基を1分子中に2個有することを特徴とする。該構造を有する化合物を後述する(C)イオン液体と併せてシリコーン粘着剤組成物に配合することにより、シリコーン粘着剤層の表面抵抗率を低下することができる。これはオキシアルキレンがイオン液体のイオンを捕捉して、該イオンを硬化物(粘着剤層)中で効率よく移動させるためと考えられる。表面抵抗率の低下についてより詳細に説明すると、イオン液体及び(ポリ)オキシアルキレン化合物を含まないシリコーン粘着剤組成物は1E+15Ω/sq.(1×1015Ω/sq.)を超える表面抵抗率を有し、イオン液体のみを配合したシリコーン粘着剤組成物は表面抵抗率1E+13〜1E+14Ω/sq.(1×1013〜1×1014Ω/sq.)を有するのに対し、イオン液体及び(ポリ)オキシアルキレン化合物を含有するシリコーン粘着剤組成物は表面抵抗率1E+9〜1E+13未満Ω/sq.(1×10〜1×1013未満Ω/sq.)、好ましくは1E+9〜9.9E+12Ω/sq.(1×10〜9.9×1012Ω/sq.)、特には1E+10〜9.9E+11Ω/sq.(1×1010〜9.9×1011Ω/sq.)となることができる。本発明における表面抵抗率はJIS K6911に準じて測定された値である。
本発明のシリコーン粘着剤組成物において(ポリ)オキシアルキレン化合物が、不飽和炭化水素基を1個しか有さない場合、(ポリ)オキシアルキレン化合物と粘着層との結合が十分でなく、粘着層と基材の密着性が低下し、該粘着層を有する粘着テープを被着体から剥がした後に被着体上に粘着物質が残ってしまう(いわゆる、糊残りが生じる)。該糊残りは、粘着層と基材の密着性を向上する為にプライマー等で処理を行ったとしても生じることがあり、好ましくない。また、不飽和炭化水素基を2個以上有する(ポリ)オキシアルキレン化合物が、(ポリ)オキシアルキレンを1分子中に1個しか有さない場合、シリコーン粘着剤組成物の表面抵抗率を少ししか低下させることができず、十分な帯電防止性を粘着剤層に与えることができない。尚、不飽和炭化水素基を1個有し(ポリ)オキシアルキレンを1分子中に1個有するオキシアルキレン化合物は帯電防止性が良好になることがあるが、不飽和炭化水素基を1個しか有さないため粘着層と基材の密着性が劣り好ましくない。
上記不飽和炭化水素基は、好ましくは炭素原子数2〜12、好ましくは炭素原子数2〜10のアルケニル基であり、ビニル基及びアリル基が好ましい。上記(ポリ)オキシアルキレン化合物は、該不飽和炭化水素基を有する有機基を一分子中に少なくとも2個有する。該不飽和炭化水素基を有する有機基とは、好ましくは、酸素原子を有していてもよい、不飽和結合を有する脂肪族炭化水素基であり、特には炭素原子数2〜12、好ましくは炭素原子数2〜10の、酸素原子を有していてもよい、アルケニル基含有脂肪族炭化水素基が好ましい。例えば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基、アクリロキシプロピル基、アクリロキシメチル基、メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチル基、シクロヘキセニルエチル基、ビニルオキシプロピル基、アリルオキシ基、及びアリルオキシメチル基などが挙げられる。中でも、アリル基、ビニル基、アリルオキシ基、及びアリルオキシメチル基が好ましく、工業的な観点からはビニル基が好ましい。
上記(ポリ)オキシアルキレン化合物は、常圧において130℃以下でほとんど揮発しないことが好ましい。130℃以下で揮発する(ポリ)オキシアルキレン化合物は、粘着剤組成物を硬化する工程にて揮発してしまい、シリコーン粘着剤硬化物中に残存することができない。その為、十分な帯電防止効果を硬化物に与えることができないおそれがある。
上記(ポリ)オキシアルキレン化合物は、1分子内に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有し、2個の(ポリ)オキシアルキレンを有すればよく、従来公知の化合物であってよい。不飽和炭化水素基の個数は、好ましくは2〜4個、特には2個であるのがよい。特に好ましくは、(ポリ)オキシアルキレンとして−(CO)−(CO)−を有するのがよい。該(ポリ)オキシアルキレン化合物は、特には下記式(1)で示すことができる。尚、下記式(1)において(CO)と(CO)の結合順序はランダムであってもよい。下記式(1)は平均式であってもよい。
Figure 0006355589
上記式(1)中、Aは炭素数2〜22の4価の炭化水素基であり、Rは、互いに独立に、水素原子、アシル基、または炭素数1〜12の、不飽和結合を有していてよく、酸素原子を有してよい一価炭化水素基であり、Rのうち少なくとも2つは、炭素数2〜12の、酸素原子を有してよい不飽和結合を有する脂肪族炭化水素基である。
上記式(1)中、m及びmは、互いに独立に、0〜20の実数であり、n及びnは、互いに独立に、0〜10の実数であり、ただし、m+nは0でなく、m+nは0でない。m、m、n、及びnは平均値であってよい。、m+nは1〜30であり、m+nは1〜30であり、好ましくは、m+nは4〜20であり、m+nは4〜20であるのがよく、特には、m+n+m+nが40以下であるのが好ましい。m、m、n、及びnの値が上記上限値より大きいと、ポリオキシアルキレン化合物の粘度が上昇するため、分散性が悪くなり、シリコーン粘着剤組成物中に均一に混合することが困難になる恐れがある。
特には、酸素原子と酸素原子の間が短いほうがイオンを効果的に移動させることができ有利であることから、該(ポリ)オキシアルキレン化合物は、上記式(1)においてnおよびnが共に0である、即ちエチレンオキサイドのみを有する構造を有するのが好ましい。該(ポリ)オキシアルキレン化合物は、下記式(2)で表される。
Figure 0006355589
上記式(2)中、A及びRは上記の通りであり、m及びmは、互いに独立に、1〜20の実数であり、好ましくは1〜10の実数であり、さらに好ましくは2〜10の実数である。m及びmの数が上記上限値超では、ポリオキシアルキレン化合物の粘度が上昇するため、分散性が悪くなり、シリコーン粘着剤組成物中に均一に混合することが困難になる恐れがある。
上記式(1)及び(2)においてRは、互いに独立に、水素原子、アシル基、または炭素数1〜12の、不飽和結合を有していてよく、酸素原子を有してよい一価炭化水素基であり、Rのうち少なくとも2つは、炭素数2〜12の、酸素原子を有してよい不飽和結合を有する脂肪族炭化水素基である。該不飽和脂肪族炭化水素基としては上記したものが挙げられる。特には、アリル基、ビニル基、及びアリルオキシメチル基が好ましい。該不飽和脂肪族炭化水素基以外の基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基:及びベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換したもの、例えば、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化一価炭化水素基、3−メタクリルオキシプロピル基、3−グリシジルオキシプロピル基であってもよい。これらの中でも、メチル基が特に好ましい。アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びオクタノイル基等が挙げられる。不飽和脂肪族炭化水素基以外の基としては、水素原子が特に好ましい。
上記式(1)及び(2)においてAは炭素原子数2〜22の4価の炭化水素基である。該4価炭化水素基としては、炭素原子数2〜16、好ましくは炭素原子数2〜8の、鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素基、または、炭素原子数6〜22、好ましくは炭素数6〜14の、分岐鎖を有してよい環状炭化水素基がよい。4価の鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素基としては、例えば、下記に示される構造が挙げられる。
Figure 0006355589
上記式において、nは、互いに独立に、炭素数1〜8の整数である。
4価の環状炭化水素基としては、例えば、下記に示される構造が挙げられる。
Figure 0006355589
上記式において、nは、互いに独立に、炭素数1〜8の整数である。
上記(ポリ)オキシアルキレン化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物中の(B)成分量は、シリコーン粘着剤組成物中に含まれる付加硬化型シリコーンの合計100質量部に対し0.27〜3.3質量部となる量がよく、好ましくは0.3〜3質量部となる量であり、最も好ましくは0.6〜1.8質量部となる量である。(B)成分の量が上記下限値より少ないと、帯電防止性を与える効果が不十分となる。また、(B)成分の量が上記上限値より多いと、シリコーン粘着剤組成物の粘着力が低下する、硬化性が悪くなる、及び基材への密着性が悪くなるおそれがある。尚、上記付加硬化型シリコーンとは、例えば、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及びシリコーンレジンなど、従来公知のシリコーン粘着剤組成物中に含まれるシロキサンである。また、該(B)成分の配合量は、(B)成分及びシリコーン粘着剤組成物中に含まれる不飽和炭化水素基の合計個数に対するシリコーン粘着剤組成物中に含まれるSiH基の合計個数の比が1〜20、好ましくは1〜15となる量であるのがよい。これにより、(B)成分が粘着層に強固に結合することができ、上述した糊残りを防止することができる。
(C)イオン液体
イオン液体とはアニオンとカチオンから構成される塩であり、Zで示される(Zはカチオンであり、Yはアニオンである)。本発明における(C)成分としてはイオン液体として公知のものが使用できる。該イオン液体は一般的には常温溶融塩であるが、イオン液体として知られている常温固体の塩であってもよい。イオン液体は、本発明のシリコーン組成物を硬化して得られる硬化物(粘着剤層)中でイオンを移動させて表面抵抗率を低下させる、帯電防止剤として機能する。該帯電防止剤として特許文献10にはリチウム塩が記載されている。しかしシリコーン粘着剤組成物がリチウムを含むと、得られる粘着層が被着する被着体の腐食が大きくなり、また、プライマー等を用いても基材への密着性が不十分であり、さらに該粘着剤組成物から得られる粘着テープを被着体から剥離した際に被着体に粘着物質が残ってしまう、いわゆる糊移りが生じるため適切ではない。上記リチウム塩は、例えば、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiSOCF、LiN(SOCF、LiSO、LiC(SOCF、及びLiB(Cなどである。これらの中にはイオン液体として知られているものがある。従って、本発明の(C)成分はリチウムを含まないイオン液体であることを特徴とする。
本発明のイオン液体は、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、及びピロリジニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。即ち、上記カチオン(Z)が、第4級アンモニウムカチオン、第4級ホスホニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びピロリジニウムカチオンから選ばれるイオン液体である。特に好ましくは、第4級アンモニウム塩であるのがよい。これらイオン液体のアニオン(Y)は、特に限定されるものでなく公知のイオン液体であればよい。
上記アニオン(Y)としては、例えば、ハロゲン化物イオン、シアニドイオン、ジシアノアミンアニオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン、テトラフルオロエタンスルホン酸イオン、乳酸アニオン、サリチル酸イオン、チオサリチル酸イオン、ジブチルリン酸イオン、酢酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、テトラクロロアルミン酸イオン、チオシアン酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドイオン、アミノ酢酸イオン、アミノプロピオン酸イオン、ジエチルリン酸イオン、ジメチルリン酸イオン、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、水酸化物イオン、ビス(トリメチルペンチル)ホスフィン酸イオン、デカン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、鉄酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、スルホニルアミド、ブタンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、エチルスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、及びビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン等が挙げられる。中でも、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンが好ましい。
上記イオン液体としては、例えば、下記に示す塩が挙げられる。
ブチルトリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
エチルジメチルプロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
2-ヒドロキシメチル-トリメチルアンモニウムL-(+)-ラクテート、
メチルトリオクチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
メチルトリオクチルアンモニウム チオサリチル酸塩、
テトラブチルアンモニウム ノナフロロブタンスルホネート、
テトラエチルアンモニウム トリフロロメタンスルホネート、
テトラヘプチルアンモニウム クロライド、
トリブチルメチルアンモニウム ジブチルホスフェート、
トリブチルメチルアンモニウム メチルサルフェイト、
トリエチルメチルアンモニウム ジブチルホスフェート、
トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム メチルサルフェイト、
1-アリル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-アリル-3-メチルイミダゾリウムブロマイド、
1-アリル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、
1-アリル-3-メチルイミダゾリウムジシアナミド、
1-アリル-3-メチルイミダゾリウムアイオダイド、
1-ベンジル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、
1-ベンジル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ベンジル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1,3-ビス(シアノメチル)イミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,3-ビス(シアノメチル)イミダゾリウム クロライド、
1,3-ビス(シアノメチル)イミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,3-ビス(シアノプロピル)イミダゾリウム クロライド、
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムクロライド、
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
4-(3-ブチル-1-イミダゾイリオ)-1-ブタンスルホネート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムブロマイド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムジブチルホスフェート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムジシアナミド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフロロアンチモン塩、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロゲンサルフェイト、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアイオダイド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムナイトレート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムオクチルサルフェート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミニウム、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアネイト、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトリフロロメタンスルホネート、
1-(3-シアノプロピル)-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフロロメタルンスルホニル) アミド、
1-(3-シアノプロピル)-3-メチルイミダゾリウムジシアナミド、
1-デチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、
1-デチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1,3-ジエトキシイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,3-ジエトキシイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェイト、
1,3-ジジヒドロキシイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,3-ジヒドロキシ-2-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1、3-ジメトキシイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1、3-ジメトキシイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1、3-ジメトキシ-2-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、
1、3-ジメトキシ-2-メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェイト、
1、3-ジメチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、
1、3-ジメチルイミダゾリウムメタンスルホネート、
1、3-ジメチルイミダゾリウムメチルサルフェイト、
1、2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1、2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウム トリス(トリフルオロメチルスルホニル) メチド、
1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウムアイオダイド、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムクロライド、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリフロロメタンスルホネート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアミノアセテート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム (S)-2-アミノプロピオン酸塩、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ペンタフロロエチルスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブロマイド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジブチルホスフェート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジシアナミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジメチルホスフェート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムエチル サルフェイト、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロゲンサルフェイト、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム水酸化物溶液、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアイオダイド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムL-(+)-ラクテート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメチル サルフェイト、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムナイトレート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミニウム、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム 1,1,2,2-テトラフロロエタンスルホネート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアネイト、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフロロメタンスルホネート、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムアイオダイド、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムトリフロロメタンスルホネート、
1-(2-ヒドロキシエチル)-3-メチルイミダゾリウムジシアナミド、
1-メチルイミダゾリウム クロライド、
1-メチルイミダゾリウム ハイドロゲンサルフェイト、
1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムクロライド、
1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムトリフロロメタンスルホネート、
1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムアイオダイド、
1-プロピル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1、2、3-トリメチルイミダゾリウム メチルサルフェイト、
1、2、3-トリメチルイミダゾリウム トリフロロメタンスルホネート、
テトラブチルホスホニウム メタンスルホネート、
トリブチルメチルホスホニウム ジブチル ホスフェイト、
トリブチルメチルホスホニウム メチルサルフェイト、
トリエチルメチルホスホニウム ジブチルホスフェート、
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム ビス(トリフロロメチルスルホニル)アミド、
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム ビス(2,4,4-トリメチルペンチル) ホスフィナート、
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム ブロマイド、
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム クロライド、
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム デカノエイト、
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム ジシアナミド、
3-(トリフェニルホスフィナート)プロパン-1-スルホネート、
1-ブチル-4-メチルピリジニウムブロマイド、
1-ブチル-4-メチルピリジニウムクロライド、
1-ブチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ブチル-4-メチルピリジニウムアイオダイド、
1-ブチル-4-メチルピリジニウムテトラフルオロボレイト、
1-ブチルピリジニウム ブロマイド、
1-(3-シアノプロピル)ピリジニウムクロライド、
1-エチルピリジニウム テトラフルオロボレイト、
3-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフロロメチルスルホル)イミド、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムブロマイド、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムジシアナミド、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムアイオダイド、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムテトラフルオロボレイト、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムトリフロロメタンスルホネート、
1-エチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-エチル-1-メチルピロリジニウムブロマイド、
1-エチル-1-メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-エチル-1-メチルピロリジニウムテトラフルオロボレイト、
1-ブチル-1-メチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-1-メチルピペリジニウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ブチル-1-メチルピペリジニウムテトラフルオロボレイト、
トリエチルスルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、
メチル-トリ-n-ブチルアンモニウムメチルサルフェイト、
1,2,4-トリメチルピラゾリウム メチルサルフェイト、
1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムエチルサルフェイト、
メチルイミダゾリウム クロライド、
メチルイミダゾリウム ハイドロゲンサルフェイト、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミニウム、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムエチルサルフェイト、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメチルサルフェイト、
コリン アセテート、
コリン サリチル酸、
メチルトリオクチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェイト、
テトラブチルホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
トリブチルドデシルホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
トリメチルヘキシルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
トリメチルプロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ヘキシル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ヘキシル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1、2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウム アイオダイド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロ鉄(III)、
1-メチル-1-プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-メチル-1-ピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウムクロライド、
1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレイト、
1-ブチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェイト、
1-ブチル-3-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェイト、
1-ブチルピリジニウム テトラフルオロボレイト、
1-ブチル-3-メチルピリジニウムテトラフルオロボレイト、
1-ブチルピリジニウム クロライド、
トリブチルメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
テトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェイト、
テトラブチルアンモニウム ブロマイド、
テトラペンチルアンモニウム ブロマイド、
テトラブチルホスホニウム ヘキサフルオロホスフェイト、及び
トリブチルメチルホスホニウム アイオダイド。
上記の中でも、特に好ましいのは、アニオンがビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンであるイオン液体である。ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンを有することにより、付加硬化型シリコーン粘着剤の硬化阻害が発生しにくくなる。
さらには、4級アンモニウムカチオンとビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンから構成される塩が好ましく、最も硬化阻害が起こりにくい。該イオン液体としては、下記に示す塩が挙げられる。
ブチルトリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
エチルジメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
トリメチルヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、及び
トリブチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
上記イオン液体は、そのままの状態でシリコーン粘着剤組成物に配合しても良いし、予め有機溶剤に希釈した状態あるいはシリコーンオイルに分散させてペースト状にした状態で配合してもよく、これらに限定されるものでない。
(C)成分の量は、シリコーン粘着剤組成物中の付加硬化型シリコーンの合計100質量部に対し0.003〜1.5質量部であるのがよく、好ましくは0.006〜1.2質量部であり、さらに好ましくは0.06〜1.2質量部、特に好ましくは0.06〜0.6質量部である。(C)成分の量が上記下限値より少ないと、帯電防止性を与える効果が不十分となる。(C)成分の量が上記上限値より多いと、シリコーン粘着剤組成物の粘着力が低下する、硬化性が悪くなる、基材との密着性が悪くなるといった問題が生じるおそれがある。
付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物
本発明の付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物に含まれる上記(B)成分及び(C)成分以外の成分は、上記の通り従来公知の付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物に含まれる成分であればよい。例えば(A)付加硬化型シリコーンが下記(a)〜(c)成分であり、さらに下記(d)及び(e)成分を含むものが挙げられる。
(a)1分子中に2個以上のアルケニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン、 (b)R SiO0.5単位およびSiO単位を含有し、R SiO0.5単位/SiO単位のモル比が0.6〜1.7であるオルガノポリシロキサン(Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基)
(c)1分子中に2個以上のSiH基を含有するオルガノポリシロキサン
(d)任意成分として反応制御剤
(e)付加反応触媒
以下、(a)成分〜(e)成分についてさらに詳しく説明する。
(a)アルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサン
アルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のアルケニル基を有すればよく、特に限定されるものでない。
該ジオルガノポリシロキサンはオイル状又は生ゴム状であってよい。オイル状であるジオルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において、1000mPa・s以上、特には10、000mPa・s以上が好ましい。粘度が上記下限値未満では粘着剤組成物の硬化性が低下したり、凝集力(基材の保持力)が低下するため不適である。生ゴム状であるジオルガノポリシロキサンの粘度は、30%の濃度となるようにトルエンで溶解したときの粘度が25℃において100、000mPa・s以下であるのが好ましい。100、000mPa・sを越えると、組成物が高粘度となりすぎるため、該組成物を製造する時の撹拌が困難になる。上記粘度はBM型回転粘度計を用いて測定することができる。上記ジオルガノポリシロキサンは2種以上の併用であってもよい。
該アルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、例えば、下記式(3)又は(4)で示される。
Figure 0006355589

Figure 0006355589
上記式中、Rは、互いに独立に、脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基含有有機基であり、aは0〜3の整数であり、好ましくは1であり、pは0以上の整数であり、qは100以上の整数であり、但しaとpは同時に0にならない。p+qは、上記ジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が1,000mPa・s以上となる値である。
としては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜7の、脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;及びフェニル基、及びトリル基などのアリール基などが挙げられる。特には、メチル基又はフェニル基が好ましい。
Xとしては、炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基が好ましい。例えば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基、アクリロキシプロピル基、アクリロキシメチル基、メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチル基、シクロヘキセニルエチル基、及びビニルオキシプロピル基などが挙げられる。中でも工業的観点からビニル基が好ましい。
(b)M単位およびQ単位を含有するオルガノポリシロキサン
該オルガノポリシロキサンは、R SiO0.5単位およびSiO単位を有するオルガノポリシロキサンであり、従来公知のものを使用できる。該オルガノポリシロキサンは、R SiO0.5単位およびSiO単位を、R SiO0.5単位/SiO単位のモル比:0.6〜1.7、好ましくは0.7〜1.3で含有するのがよい。Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、上記Rの為に例示したものが挙げられる。R SiO0.5単位/SiO単位のモル比が上記下限値未満では、得られる粘着剤層の粘着力やタックが低下することがあり、また上記上限値を超えると、得られる粘着剤層の粘着力や保持力が低下することがある。該オルガノポリシロキサンはOH基を有していてもよい。その場合、OH基の含有量は、該オルガノポリシロキサンの総質量に対して4.0質量%以下であるのが好ましい。OH基が上記上限値を超えると粘着剤の硬化性が低下するおそれがあるため好ましくない。
上記オルガノポリシロキサンは2種以上の併用であってもよい。また、本発明の特性を損なわない範囲でRSiO1.5単位及び/又はR SiO単位を有していても良い。
上記(a)成分と(b)成分は単純に混合して使用してもよいし、(a)成分として上記式(4)で示されるオルガノポリシロキサンを含有する場合には(a)成分及び(b)成分を予め反応させて得られる縮合反応物として使用してもよい。縮合反応は、(a)及び(b)成分の混合物をトルエンなどの溶剤に溶解し、アルカリ性触媒を用いて室温乃至還流下で反応させればよい。
(a)及び(b)成分の質量比は、20/80〜100/0であればよく、好ましくは30/70〜95/5である。(a)成分の量が上記下限値より少ないと、得られる粘着剤層の粘着力や保持力が低下する。
(c)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤であり、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上有する。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、又は環状であってよい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃における粘度1〜5,000mPa・sを有することが好ましく、さらに好ましくは5〜500mPa・sがよい。上記粘度はBM型回転粘度計を用いて測定することができる。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、従来公知のものを使用することができる。
該オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記式(6)で示す直鎖状シロキサン、及び下記式(7)で示す環状シロキサンが挙げられる。
Figure 0006355589
Figure 0006355589
式中、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、bは0または1であり、r及びsは整数であり、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が1〜5、000mPa・s、好ましくは5〜500mPa・sとなる値である。tは2以上の整数であり、vは0以上の整数であり、かつt+v≧3であり、好ましくは8≧t+v≧3である。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは2種以上の混合物であってもよい。
は、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜7の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;及びフェニル基、及びトリル基などのアリール基、ビニル基及びアリル基などのアルケニル基が挙げられる。特には、メチル基又はフェニル基が好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(a)成分中のアルケニル基の個数に対する(c)成分中のSiH基の個数の比が1〜20となる量が好ましく、特に好ましくは1〜15となる量である。上記下限値未満では、得られる硬化物の架橋密度が低くなるため、粘着剤層が基材を保持する力が低くなるおそれがある。上記上限値を超えると得られる硬化物の架橋密度が高くなり過ぎ、粘着剤層は十分な粘着力及びタックが得られないおそれがある。また、上記上限値を超えると粘着剤組成物(処理液)の使用可能時間が短くなる場合がある。また、上記の通り、本発明のシリコーン粘着剤組成物は、不飽和炭化水素基を有する(ポリ)オキシアルキレン化合物(B)を含有するため、(B)成分及び(a)成分が有する不飽和炭化水素基の合計個数に対する(c)成分中のSiH基の個数の比が1〜20、好ましくは1〜15となるのがよい。これにより、(B)成分が粘着層に強固に結合することができ、上述した糊残りを防止することができる。
(d)反応制御剤
上記シリコーン粘着剤組成物は任意成分として反応制御剤を含有することができる。反応制御剤は、シリコーン粘着剤組成物を調合して基材に塗工する際に、加熱硬化する前に組成物が増粘したりゲル化しないようにするために機能するものであり、従来公知の反応制御剤を使用することができる。例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3、5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、3、5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、ビス(2、2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、1、3、5、7−テトラメチル−1、3、5、7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、及び1、1、3、3−テトラメチル−1、3−ジビニルジシロキサンなどが挙げられる。
反応制御剤の量は(a)成分及び(b)成分の合計100質量部に対して0〜8質量部であればよく、好ましくは0.01〜8質量部であり、特には0.05〜2質量部が好ましい。反応制御剤の量が上記上限値を超えると硬化性が低下することがある。
(e)付加反応触媒
付加反応触媒は、上記(a)成分及び(B)成分と(c)成分を付加反応させる触媒であり、従来公知のものであってよく、白金族金属系触媒を使用することが好ましい。該白金族金属系触媒としては、例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等の触媒が挙げられる。中でも、特に白金系触媒が好ましく用いられる。該白金系触媒としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、及び塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物などが挙げられる。特には、保存安定性の点から、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物及び塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物が好ましい。
触媒の添加量は触媒量であればよい。触媒量とは上記(a)成分及び(B)成分と(c)成分との付加反応を進行させるための有効量である。特には、(a)成分及び(B)成分及び(b)成分の合計質量部に対し、白金族金属分として1〜5,000ppm、特には5〜1,000ppmとすることが好ましい。上記下限値未満では、シリコーン粘着剤組成物の硬化性が低下し、得られる硬化物は架橋密度が低くなり、基材を保持する力(粘着強度)が低下することがある。上記上限値超では処理浴の使用可能時間が短くなる場合がある。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、市販の付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物に上記(B)成分及び(C)成分を添加して得ることもできる。該市販の付加硬化型シリコーン粘着剤としては、KR−3700、KR−3701、KR−3704、X−40−3237、KR−3706(信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。(B)成分及び(C)成分を該市販品のシリコーン粘着剤組成物に配合すると、シリコーン粘着剤組成物中に含まれるSiH基の合計個数と不飽和炭化水素基の合計個数の比率が上記範囲内とならない場合がある。このような場合には、上述した(c)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンをさらに添加して比率を調整すればよい。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、塗工の際の粘度を下げるために、さらに有機溶剤を含有してもよい。該有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1、4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、又はこれらの混合溶剤などが使用される。
また、本発明においては、上記成分以外のイオン導電性物質(但し、リチウム塩は除く)やその他の有機高分子系の帯電防止剤などを本シリコーン粘着剤組成物の性能を損なわない範囲で併用することもできる。
本発明のシリコーン粘着剤組成物には、上記した各成分以外にさらに任意成分を添加することができる。例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサンなどの非反応性のポリオルガノシロキサン;フェノール系、キノン系、アミン系、リン系、ホスファイト系、イオウ系、チオエーテル系などの酸化防止剤;トリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤;リン酸エステル系、ハロゲン系、リン系、アンチモン系などの難燃剤;カチオン活性剤、アニオン活性剤、非イオン系活性剤などの帯電防止剤が挙げられる。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、上記した各成分を混合、溶解することにより調製される。調製方法は従来公知の方法に従えばよい。混合は、上記した(B)成分及び(C)成分以外の成分を予め混合しておいた混合物に、(B)成分及び(C)成分を添加し、混合してもよいし、全ての成分を一段階で混合してもよい。特には、上述した(a)〜(d)成分を先ず混合し、該混合物に(B)成分及び(C)成分を添加し、任意でさらに(c)成分を添加し、均一になるように混合し、次いで、付加反応触媒を加え、任意で溶剤を加えて混合することで、本発明のシリコーン粘着剤組成物が調製される。
該シリコーン粘着剤組成物を種々のシート状基材に塗工し、所定の条件にて硬化させることにより、粘着剤層を有する粘着テープ又は粘着フィルムを得ることができる。シリコーン粘着剤組成物を塗工する基材は、特に制限されるものでない。例えば、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム;アルミニウム箔、銅箔などの金属箔;和紙、合成紙、ポリエチレンラミネート紙などの紙;布;ガラス繊維;これらのうちの複数を積層してなる複合基材等のシート状基材が挙げられる。シリコーン粘着剤層とこれらの基材との密着性を向上させるために、基材に予めプライマー処理、コロナ処理、エッチング処理、又はプラズマ処理してもよい。
本発明のシリコーン粘着剤組成物から得られる粘着剤層(硬化物)は表面抵抗率が低く、帯電防止性に優れる。該表面抵抗率は帯電防止用途として適用できればいかなる範囲の抵抗率でもよいが、好ましくは1E+9〜1E+13未満Ω/sq.(1×10〜1×1013未満Ω/sq.)、より好ましくは1E+9〜9.9E+12Ω/sq.(1×10〜9.9×1012Ω/sq.)を有する粘着剤層、さらには1E+9〜1E+12未満Ω/sq.(1×10〜1×1012未満Ω/sq.)、特には1E+10〜9.9E+11Ω/sq.(1×1010〜9.9×1011Ω/sq.)を有する粘着剤層を提供することができる。本発明における表面抵抗率はJIS K6911に準じて測定された値である。
シリコーン粘着剤組成物の塗工方法は、従来公知の方法に従えばよい。例えば、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、スクリーン塗工、浸漬塗工、及びキャスト塗工などが使用できる。組成物の塗工量は、硬化したあとの粘着剤層の厚みが2〜200μm、特に3〜100μmとする量であるのが好ましい。組成物の硬化条件は、特に制限されるものでなく80〜150℃で30秒〜5分であればよい。
粘着テープの製造方法は従来公知の方法に従えばよい。例えば、上記のように基材に粘着剤組成物を直接塗工し、硬化して製造することができる。また、剥離コーティングを行った剥離フィルムや剥離紙に粘着剤組成物を塗工し、硬化を行った後、上記基材に該フィルムの粘着層面を貼り合わせること(所謂、転写法)により製造することもできる。
本発明の粘着テープは上記の通り優れた帯電防止性を有し、且つ、被着体から該粘着テープをはがす際に糊残りを生じない。従って、帯電防止性粘着テープとして各種基材に好適に使用することができる。本発明の粘着テープを施与される被着体は特に限定されないが、例えば、ステンレス、銅、鉄などの金属;表面がメッキ処理や防錆処理されたこれらの金属;ガラス、陶磁器等のセラミックス;ポリテトラフロロエチレン、ポリイミド、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂などの樹脂、さらにこれらのうちの複数が複合されて構成された基材が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
下記実施例及び比較例にて使用した各成分は、以下の通りである。下記において、粘度はブルックフィールド回転粘度計(BM型粘度計)を用いて測定された25℃での値である。
(A)付加硬化型シリコーン
・ポリシロキサン(a1):分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基(SiMeVi基)で封鎖されたビニル基含有ポリジメチルシロキサン 30%トルエン溶液での粘度27000mPa・sを有し、ビニル基含有量0.075モル%を有する
・ポリシロキサン(a2):分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基(SiMeVi基)で封鎖されたビニル基含有ポリジメチルシロキサン 30%トルエン溶液での粘度27000mPa・sを有し、ビニル基含有量が0.15モル%を有する
・ポリシロキサン(b):MeSiO0.5単位及びSiO単位からなるポリシロキサン(MeSiO0.5単位/SiO単位=0.82)の60%トルエン溶液
・ポリシロキサン(c1):下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0006355589
・ポリシロキサン(c2):下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0006355589
(B)成分:下記式で表されるポリオキシアルキレン化合物:
Figure 0006355589
式中、m及びnの値は、(m,n)=(2,0)、(8,0)、(12,0)、(18,0)、(0,8)、(6,2)のいずれかである。各実施例及び比較例で使用した(B)成分のm及びnの値を表中に記載する。
(C)成分
イオン液体A:トリメチルプロピルアンモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
イオン液体B:ブチルトリメチルアンモニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド
イオン液体C:エチルジメチルプロピルアンモニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド
比較例用ポリオキシアルキレン化合物(1):下記式で表されるポリオキシアルキレン化合物
Figure 0006355589
式中、m及びnの値は、(m,n)=(22,0)、(0,12)のいずれかである。各比較例で使用したポリオキシアルキレン化合物のm及びnの値を表中に記載する。
比較例用ポリオキシアルキレン化合物(2):下記式(a)または(b)で表される、1分子内に不飽和炭化水素基を1個有し、ポリオキシアルキレンを1個有するポリオキシアルキレン化合物
(a) CH=CH−CH−O−(CO)−H
(b) CH=CH−CH−O−(CO)−CH
比較例用ポリオキシアルキレン化合物(3):下記式(c)または(d)で表される1分子内にポリオキシアルキレンを1個有し、不飽和炭化水素基を2個有する、ポリオキシアルキレン化合物
(c) CH=CH−CH−O−(CO)−CH−CH=CH
(d) CH=CH−CH−O−(CO)16−CH−CH=CH
比較例用ポリオキシアルキレン化合物(4):下記式(e)で表される1分子内にポリオキシアルキレンを2個有し、不飽和炭化水素基を含まない、ポリオキシアルキレン化合物
Figure 0006355589
比較例用リチウム塩:リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
[調製例1]
シリコーン粘着剤組成物(α)の調製
ポリシロキサン(a1)を40質量部、ポリシロキサン(b)を83.3質量部、ポリシロキサン(c1)を0.4質量部、及びトルエン33.3質量部を混合してなる溶液に、1−エチニルシクロヘキサノール0.2質量部を添加して混合し、シロキサン分約60質量%の混合物を得た((a2)成分中のアルケニル基の個数に対する(c1)成分中のSiH基の個数の比は15であった)。該混合物100質量部に下記表に示す(ポリ)オキシアルキレン化合物、同表に示すイオン液体またはリチウム塩、及びポリシロキサン(c2)を、同表に示す組成および添加量(質量部)で添加し、均一になるように撹拌した。該混合物100質量部にトルエン50質量部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40質量%である混合物を調製した。さらに塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物(錯体)を白金原子の質量が(a)成分と(b)成分の合計質量に対して250ppmとなるように添加し、十分に撹拌混合して、シリコーン粘着剤組成物(α)を得た。尚、ポリシロキサン(c2)は、(B)成分又は比較例用ポリオキシアルキレン化合物中のアルケニル基の個数に対するポリシロキサン(c2)中のSiH基の個数の比が1となる量で添加されたものである。
[調製例2]
シリコーン粘着剤組成物(β)の調製
ポリシロキサン(a2)を95質量部、ポリシロキサン(b)を8.3質量部、ポリシロキサン(c1)を0.6質量部、及びトルエン33.3質量部を混合してなる溶液に、1−エチニルシクロヘキサノール0.2質量部を添加して混合し、シロキサン分約60質量%の混合物を得た((a2)成分中のアルケニル基の個数に対する(c1)成分中のSiH基の個数の比は5であった)。該混合物100質量部に下記表に示す(ポリ)オキシアルキレン化合物、同表に示すイオン液体またはリチウム塩、及びポリシロキサン(c2)を、同表に示す組成および添加量(質量部)で添加し、均一になるように撹拌した。該混合物100質量部にトルエン50質量部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40質量%である混合物を調製した。さらに塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物(錯体)を白金原子の質量が(a)成分と(b)成分の合計質量に対して250ppmとなるように添加し、十分に撹拌混合して、シリコーン粘着剤組成物(β)を得た。尚、ポリシロキサン(c2)は、(B)成分又は比較例用ポリオキシアルキレン化合物中のアルケニル基の個数に対するポリシロキサン(c2)中のSiH基の個数の比が1となる量で添加されたものである。
得られた各シリコーン粘着剤組成物について、以下の試験を行った。
硬化性
シリコーン粘着剤組成物を、厚み25μm、110mm角のポリイミドフィルムに硬化後の厚みが30μmとなるようにアプリケータを用いて塗工した後、130℃、5分の条件で加熱し硬化させ、粘着シートを作成した。この粘着シートを#280の紙やすりで磨いたSUS304の表面に貼り合せたのち、2kgのローラーで1往復させ、粘着した後、粘着シートを剥離して硬化性を評価した。粘着シートを剥離した際に、SUS表面に粘着物質が残っていない場合(即ち、硬化が十分に完了しているため粘着物質が被着体に移行しない)をOKと評価し、SUS表面に粘着剤が残っている場合(即ち、硬化が不十分であり粘着物質が被着体に移行する)をNGと評価した。
基材との密着性
帯電防止シリコーン粘着剤組成物溶液を、厚み25μm、110mm角のポリイミドフィルムに硬化後の厚みが30μmとなるようにアプリケータを用いて塗工した後、130℃、5分の条件で加熱し硬化させ、粘着シートを作成した。粘着シートを#280の紙やすりで磨いたSUS304の表面に貼り合せたのち、2kgのローラーで1往復させ粘着した。粘着シートをSUS表面から剥離して、粘着剤と基材(ポリイミドフィルム)との密着性を評価した。粘着剤が基材から浮き上がる、または、基材から剥がれてSUS面にすべて移行する場合をNGと評価し、粘着剤が基材から浮き上がらずSUS面に粘着物質が残らない場合をOKと評価した。尚、上記硬化性試験において結果がNGであった組成物については、本試験においても基材との密着性は当然に悪い為、密着性試験は行っていない(表中に「−」で示す)。
表面抵抗率
シリコーン粘着剤組成物溶液を、厚み25μm、110mm角のポリイミドフィルムに硬化後の厚みが30μmとなるようにアプリケータを用いて塗工した後、130℃、5分の条件で加熱し硬化させ、粘着シートを作成した。この粘着シートの表面抵抗率をJIS−K6911に基づきハイレスタ−UP MCT−UP450(株式会社ダイヤインスツルメンツ製)を用い、印加電圧を500Vとして測定した。複数回測定を行い,表面抵抗率が1E+9〜5E+9Ω/sq.(1×10〜5×10Ω/sq.)の範囲にあった場合を9乗前半、5E+9超〜9.9E+9Ω/sq.(5×10超〜9.9×10Ω/sq.)の場合を9乗後半として表中に記載した。
以下、同様に、下記の通り表中に記載した。
1E+10〜5E+10Ω/sq.(1×1010〜5×1010Ω/sq.):10乗前半、
5E+10超〜9.9E+10Ω/sq.(5×1010超〜9.9×1010Ω/sq.):10乗後半、
1E+11〜5E+11Ω/sq.(1×1011〜5×1011Ω/sq.):11乗前半、
5E+11超〜9.9E+11Ω/sq.(5×1011超〜9.9×1011Ω/sq.):11乗後半、
1E+12〜5E+12Ω/sq.(1×1012〜5×1012Ω/sq.):12乗前半、
5E+12超〜9.9E+12Ω/sq.(5×1012超〜9.9×1012Ω/sq.):12乗後半、
1E+13〜5E+13Ω/sq.(1×1013〜5×1013Ω/sq.):13乗前半、
5E+13超〜9.9E+13Ω/sq.(5×1013超〜9.9×1013Ω/sq.):13乗後半、
1E+14〜5E+14Ω/sq.(1×1014〜5×1014Ω/sq.):14乗前半、
5E+14超〜9.9E+14Ω/sq.(5×1014超〜9.9×1014Ω/sq.):14乗後半、
1E+15Ω/sq.以上(1×1015Ω/sq.以上):15乗以上
上記シリコーン粘着剤組成物αについてオキシアルキレン化合物とイオン液体の組成を変えて評価した結果を下記表1〜14に示す。シリコーン粘着剤組成物βについてオキシアルキレン化合物とイオン液体の組成を変えて評価した結果を下記表15〜28に示す。また、シリコーン粘着剤組成物αおよびβについて、不飽和炭化水素基を持たない上記式(e)で表されるポリオキシアルキレン化合物を上記(B)成分に変えて使用して評価した結果を下記表29及び30に示す。
シリコーン粘着剤組成物α
実施例1〜4及び比較例1及び2ではポリオキシアルキレン化合物(m=2、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表1に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
実施例5〜8及び比較例3及び4ではポリオキシアルキレン化合物(m=8、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表2に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
実施例9〜12及び比較例5及び6ではポリオキシアルキレン化合物(m=12、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表3に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
実施例13〜16及び比較例7及び8ではポリオキシアルキレン化合物(m=18、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表4に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
実施例17〜20及び比較例9及び10ではポリオキシアルキレン化合物(m=0、n=8)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。また、実施例21〜23ではポリオキシアルキレン化合物(m=6、n=2)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表5に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
実施例24〜27及び比較例11及び12ではポリオキシアルキレン化合物(m=2、n=0)を使用し、イオン液体Bを使用した。実施例28〜31及び比較例13及び14ではポリオキシアルキレン化合物(m=8、n=0)を使用し、イオン液体Bを使用した。ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表6に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
実施例32〜35及び比較例15及び16ではポリオキシアルキレン化合物(m=2、n=0)を使用し、イオン液体Cを使用した。実施例36〜39及び比較例17及び18ではポリオキシアルキレン化合物(m=8、n=0)を使用し、イオン液体Cを使用した。ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表7に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
実施例40〜47ではイオン液体Aの量を0.01質量部とし、実施例48〜55ではイオン液体Aの量を2質量部とした。結果を下記表8に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
比較例19〜27ではイオン液体Aの量を3質量部とした。また、比較例28〜30ではイオン液体を使用しなかった。結果を下記表9に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
比較例31〜34ではポリオキシアルキレン化合物を配合しなかった。また、比較例35ではポリオキシアルキレン化合物及びイオン液体を配合しなかった。結果を下記表10に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
比較例36〜46では(C)成分に替えてリチウム塩を使用した。結果を下記表11に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
比較例47及び48では、ポリオキシアルキレン化合物(m=0、n=12)を使用した。また、比較例49及び比較例50では、ポリオキシアルキレン化合物(m=22、n=0)を使用した。結果を下記表12に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
比較例51〜56では、1分子内に不飽和炭化水素基を1個しか有さず、ポリオキシアルキレンを1個しか有さないポリオキシアルキレン化合物(a)又は(b)を使用した。結果を下記表13に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物α
比較例57〜56では、1分子内にポリオキシアルキレンを1個しか有さないポリオキシアルキレン化合物(c)又は(d)を使用した。結果を下記表14に示す。
Figure 0006355589

シリコーン粘着剤組成物β
実施例56〜59及び比較例63及び64ではポリオキシアルキレン化合物(m=2、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表15に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
実施例60〜63及び比較例65及び66ではポリオキシアルキレン化合物(m=8、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表16に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
実施例64〜67及び比較例67及び68ではポリオキシアルキレン化合物(m=12、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表17に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
実施例68〜71及び比較例69及び70ではポリオキシアルキレン化合物(m=18、n=0)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表18に示す。
Figure 0006355589

シリコーン粘着剤組成物β
実施例72〜75及び比較例71及び72ではポリオキシアルキレン化合物(m=0、n=8)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。また、実施例76〜78ではポリオキシアルキレン化合物(m=6、n=2)及びイオン液体Aを使用し、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表19に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
実施例79〜82及び比較例73及び74ではポリオキシアルキレン化合物(m=2、n=0)を使用し、イオン液体Bを使用した。実施例83〜86及び比較例75及び76ではポリオキシアルキレン化合物(m=8、n=0)を使用し、イオン液体Bを使用した。ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表20に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
実施例87〜90及び比較例77及び78ではポリオキシアルキレン化合物(m=2、n=0)を使用し、イオン液体Cを使用した。実施例91〜94及び比較例79及び80ではポリオキシアルキレン化合物(m=8、n=0)を使用し、イオン液体Cを使用した。ポリオキシアルキレン化合物の添加量を変化させた。結果を下記表21に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
実施例95〜102ではイオン液体Aの量を0.01質量部とし、実施例103〜110ではイオン液体Aの量を2質量部とした。結果を下記表22に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
比較例81〜89ではイオン液体Aの量を3質量部とした。また、比較例90〜92ではイオン液体を使用しなかった。結果を下記表23に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
比較例93〜96ではポリオキシアルキレン化合物を配合しなかった。また、比較例97ではポリオキシアルキレン化合物及びイオン液体を配合しなかった。結果を下記表24に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
比較例98〜108では(C)成分に替えてリチウム塩を使用した。結果を下記表25に示す。
Figure 0006355589

シリコーン粘着剤組成物β
比較例109及び110では、ポリオキシアルキレン化合物(m=0、n=12)を使用した。また、比較例111及び比較例112では、ポリオキシアルキレン化合物(m=22、n=0)を使用した。結果を下記表26に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
比較例113〜118では、1分子内に不飽和炭化水素基を1個しか有さず、ポリオキシアルキレンを1個しか有さないポリオキシアルキレン化合物(a)又は(b)を使用した。結果を下記表27に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
比較例119〜124では、1分子内にポリオキシアルキレンを1個しか有さないポリオキシアルキレン化合物(c)又は(d)を使用した。結果を下記表28に示す。
Figure 0006355589
比較例125〜132では、シリコーン粘着剤組成物αについて、1分子内にポリオキシアルキレンを2個有し、不飽和基を有さないポリオキシアルキレン化合物(e)を使用した。結果を下記表29に示す。
Figure 0006355589
シリコーン粘着剤組成物β
比較例133〜140では、シリコーン粘着剤組成物βについて、1分子内にポリオキシアルキレンを2個有し、不飽和基を有さないポリオキシアルキレン化合物(e)を使用した。結果を下記表30に示す。
Figure 0006355589
上記表11及び表25に示す通り、リチウム塩を含有するシリコーン粘着剤組成物は、基材との密着性が悪く、被着体上に糊残りを生じる。これに対し、本発明のイオン液体及びオキシアルキレン化合物を含む粘着剤組成物は、基材との密着性が良好であり、被着体上に糊残りを生じない。また、表10及び表24に示す通り、イオン液体及びオキシアルキレン化合物を含まないシリコーン粘着剤組成物の硬化物は表面抵抗率が15乗以上:1E+15Ω/sq.以上(1×1015Ω/sq.以上)と高く、オキシアルキレン化合物を含まずイオン液体のみを含む組成物の硬化物は表面抵抗率13乗前半:1E+13〜5E+13Ω/sq.(1×1013〜5×1013Ω/sq.)と表面抵抗率の低下度は低い。これに対し実施例に示す通り、本発明のオキシアルキレン化合物とイオン液体を組合せて含有する組成物の硬化物はいずれも、表面抵抗率10乗前半〜12乗後半:1E+10〜9.9E+12Ω/sq.(1×1010〜9.9×1012Ω/sq.)を有し、表面抵抗率が低く、帯電防止性に優れる。
表29及び30に示す通り、不飽和炭化水素基を有さないオキシアルキレン化合物を含む組成物は硬化性に劣る。これはオキシアルキレン化合物とシリコーン組成物との相溶性が良くないためである。さらに、表13及び表27に示すようにポリオキシアルキレンを1個のみ有し不飽和炭化水素基を1個のみ有するオキシアルキレン化合物を含む組成物の硬化物は、表面抵抗率は低いが基材密着性に劣る。表14及び表28に示すようにポリオキシアルキレンを1個のみ有し不飽和炭化水素基を2個有するオキシアルキレン化合物を含む組成物の硬化物は、基材密着性は良いが表面抵抗率が高い。これに対し、本発明のオキシアルキレン化合物を含む粘着剤組成物は、基材との密着性が良好であり、且つ表面抵抗率が低い。即ち、帯電防止性に優れ且つ基材密着性に優れる粘着層を提供するためにはポリオキシアルキレンを2個有し且つ不飽和炭化水素基を2個有することが重要である。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、帯電防止性能に優れ、且つ各種基材への密着性に優れる粘着層を与える。該粘着層を有する粘着テープは、電子部品マスキング用として、さらには静電気の発生が好ましくない環境下にて好適に使用することができる。

Claims (13)

  1. 付加反応硬化型シリコーン粘着剤組成物であって、
    (A)付加硬化型シリコーン、
    (B)1分子内に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有し、2個の(ポリ)オキシアルキレン残基を有する化合物、及び
    (C)リチウムを含まないイオン液体
    を含有することを特徴とする、シリコーン粘着剤組成物。
  2. 2個の(ポリ)オキシアルキレン残基が夫々−(CO)−(CO)−で示される(式中、mは0〜20の実数であり、nは0〜10の実数であり、m+nは1〜30であり、(CO)と(CO)の結合順序はランダムであってもよい)、請求項1記載のシリコーン粘着剤組成物。
  3. (B)成分が下記式(1)で表される、請求項2記載のシリコーン粘着剤組成物
    Figure 0006355589
    (式中、Aは炭素数2〜22の4価の炭化水素基であり、Rは、互いに独立に、水素原子、アシル基、または炭素数1〜12の、不飽和結合を有していてよく、酸素原子を有してよい一価炭化水素基であり、Rのうち少なくとも2つは、炭素数2〜12の、酸素原子を有してよい不飽和結合を有する脂肪族炭化水素基であり、m及びmは、互いに独立に、0〜20の実数であり、n及びnは、互いに独立に、0〜10の実数であり、ただし、m+nは0でなく、m+nは0でなく、(CO)と(CO)の結合順序はランダムであってもよい)。
  4. (B)成分が下記式(2)で表される、請求項3記載のシリコーン粘着剤組成物。
    Figure 0006355589
    (A及びRは上記の通りであり、m及びmは、互いに独立に、1〜20の実数である)
  5. (C)イオン液体が、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、及びピロリジニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
  6. (C)イオン液体が、第4級アンモニウムカチオンとビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンから構成される第4級アンモニウム塩である、請求項5記載のシリコーン粘着剤組成物。
  7. 式(1)又は(2)において、Aが、炭素数2〜16の、鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素基、又は炭素数6〜22の環状炭化水素基である、請求項3〜6のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
  8. (A)付加硬化型シリコーンの合計100質量部に対して、(B)成分の量が0.27〜3.3質量部であり、(C)成分の量が0.003〜1.5質量部である、請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
  9. (A)付加硬化型シリコーンが下記(a)〜(c)成分であり、
    (a)1分子中に2個以上のアルケニル基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン 20〜100質量部、
    (b)(RSiO0.5単位およびSiO単位を有し、(RSiO0.5単位/SiO単位のモル比が0.6〜1.7であるオルガノポリシロキサン(Rは炭素原子数1〜10の1価炭化水素基) 0〜80質量部、ただし(a)成分と(b)成分の合計質量は100質量部である、及び
    (c)1分子中に2個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    上記(a)成分と前記(B)成分が有する不飽和炭化水素基の合計個数に対する該(c)成分が有するSiH基の個数の比が1〜20となる量
    更に
    (d)反応制御剤 (a)成分及び(b)成分の合計100質量部に対して0〜8質量部、及び
    (e)付加反応触媒 触媒量を含み、
    前記(B)成分を上記(a)、(b)及び(c)成分の合計100質量部に対して0.27〜3.3質量部となる量で含み、前記(C)成分を上記(a)、(b)及び(c)成分の合計100質量部に対して0.003〜1.5質量部となる量で含む、請求項1〜8のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
  10. さらに有機溶剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物の硬化物。
  12. シート状基材と、該基材の少なくとも1面に積層されている請求項11記載の硬化物からなる層とを有する、粘着テープ。
  13. シート状基材と、該基材の少なくとも1面に積層されている請求項11記載の硬化物からなる層とを有する、粘着フィルム。
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