JP6355448B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ガス感応部と、前記ガス感応部に接続された検知電極と、前記ガス感応部を加熱するヒータとを備えたガス検知素子と、前記検知電極が検知した前記ガス感応部の抵抗値の変化に基づいて、被検知ガスを検知する検知回路を備えたガスセンサに関する。
従来より、水素は、常温で無色・無味・無臭で、ガスの中でも最も軽い気体であり、拡散性・還元性に優れる等の性質を持つことから、半導体産業、エレクトロニクス産業、化学産業等の分野や、宇宙ロケットの燃料用等の宇宙工学の分野で広く使用されている。
このような分野において、水素は、効率の観点から液化させた状態で輸送、貯蔵することが行われている。しかし、液体水素の沸点は−250℃以下と低いため、周囲環境の熱により容易に気化してしまう。これを防止するために、液体水素のタンクは、液体水素の容器の周囲に、真空断熱層を備えた構造となっている。また、さらに真空断熱層の外殻に窒素もしくは液体窒素が充填された三重殻構造のタンクもある。
水素は空気よりも熱伝導率が約7倍と高く、熱を伝え易いので、前記真空断熱層に前記容器内の液体水素が微量でも漏洩したら、気化した水素によって前記真空断熱層の断熱性能が低下し、前記容器に外部の熱が伝導されて、前記容器内の液体水素が気化(ボイルオフ)する虞がある。
このような虞を回避するために、前記真空断熱層への水素の漏洩を早期に検知して、水素の漏洩があった場合には前記真空断熱層の排気を行う等の手段を早急に講じる必要がある。
一方、前記真空断熱層にタンク外の空気等が流入した場合の対策はそれほど急を要さない。なぜなら前記容器の外壁は極低温であり、外部から微量の空気の流入があったとしても、前記外壁で液化されるので、前記真空断熱層の断熱性能が急激に低下することはないからである。
液体水素のボイルオフの危険を早期に回避する観点から前記真空断熱層内で、すなわち真空中で水素ガスを選択的に検知する技術が求められている。
また、宇宙輸送分野や有人宇宙飛行分野でも安全性を高めるために宇宙空間で、すなわち真空中で水素ガスを選択的に検知する技術が求められている。
なお、これらの用途では、大気圧から1×10-3Torrの圧力範囲で水素ガスを選択的に検知することを求められている。
一般的なガスセンサとしては、接触燃焼式ガスセンサ、半導体式ガスセンサ、MOSFET型ガスセンサ等がある。しかし、これらのガスセンサは、素子の表面での水素ガスのような還元性ガスの酸化反応を利用する原理であるため、真空中、すなわち低酸素分圧の環境下では機能しない。
その他のガスセンサとして、超音波式ガスセンサ、気体熱伝導式ガスセンサ、紫外線レーザーを光源に用いてラマン散乱を利用する方式のガスセンサがある。しかし、超音波式ガスセンサは、真空中では超音波が伝播しない。気体熱伝導式ガスセンサは、0.1Torr以下の圧力範囲では、気体分子の平均自由行程が素子サイズよりも大きくなってしまい、気体分子による素子の熱移動効率が低下してしまう。紫外線レーザーを光源に用いてラマン散乱を利用する方式のものでは、真空中は分子密度が低く、散乱強度が低下してしまう。つまり、いずれも真空中での使用に適したものではない。
一方、真空中の気体分子(ガス)を検知するものとして真空計がある。
真空計は、機械的な現象に基づいて圧力を測定する隔膜式真空計等、気体の輸送現象に基づいて圧力を測定するピラニ真空計、熱電対式真空計等、気体の電離現象に基づいて圧力を測定するペニング真空計、電離真空計、質量分析計等と、圧力を測定する原理によって分類されており、各真空計は、それぞれの原理に基づいて計測可能な圧力範囲が限定され、用途・目的に応じて使い分けられている。なお、各真空計の原理と特徴は一般的に良く知られた技術であるため、先行技術文献は記載しない。
しかし、これらの真空計は気相中のガス分子の密度を捕らえてはいるが、質量分析計を除けばガスの種類を区別して検知するものではない。また、質量分析計は、使用できる圧力範囲が、1×10-5Torr以下の高真空の圧力範囲に限定される。
以上説明のように、1台でさまざまな圧力範囲において被検知ガスを選択的に検知できるガスセンサは存在しない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、単純な構造でありながら、圧力に依存せずにさまざまな圧力範囲で、被検知ガスを高感度に選択的に検知可能なガスセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によるガスセンサの第一の特徴構成は、ガス感応部と、前記ガス感応部に接続された検知電極と、前記ガス感応部を加熱するヒータとを備えたガス検知素子と、前記検知電極が検知した前記ガス感応部の抵抗値の変化に基づいて、被検知ガスを検知する検知回路と、前記ヒータを制御するヒータ制御回路とを備えたガスセンサであって、前記ガス感応部は酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方を備える金属酸化物を主成分として構成してあり、前記検知回路は、前記ヒータ制御回路が前記ヒータの動作抵抗値が一定となるように印加する電流または電圧に基づいて、前記ガス検知素子の検知感度を制御する点にある。
発明者の鋭意研究によって、酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方の性質を持つ混合伝導性の金属酸化物と被検知ガスとの間では、前記金属酸化物のバルク中の格子酸素が被検知ガスに供給されるバルク制御型の反応が進行し、前記金属酸化物の抵抗値が低抵抗の状態となる特性が見出された。このような酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方の性質を持つ混合伝導性の金属酸化物として酸化セリウムやイットリア安定化ジルコニアが例示できる。
酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方の性質を持つ混合伝導性の金属酸化物の一例である酸化セリウムは、不定比化合物であり、周囲の酸素濃度(分圧)に応じて結晶格子内の酸素を吸蔵・放出する特性を持ち、検知空間中に酸素を放出することで生じる酸素空孔が酸化物イオンの移動を促して、電子伝導性が変化する。
このとき、検知空間に被検知ガスの一例として水素ガスのようにガス分子の結合解離エネルギーが酸素以下である還元性の高い物質が存在すると、水素ガスの吸着によって酸化セリウムの電荷移動が容易になって電子伝導性が飛躍的に変化する。酸化セリウムの表面に水素ガスが吸着すると水素ガスと酸化セリウムの結晶格子内の酸素空孔が酸素原子を引き合うことで見かけ上酸素空孔が増加して、電子の移動が容易となるからである。
このように、酸化セリウムのように酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方の性質を持つ混合伝導性の金属酸化物は、水素ガスのような還元性の高い被検知ガスとの接触によって生じた酸化物イオンの移動が電子伝導性に反映されるので、ガス検知素子のガス感応部として都合がよい。
つまり、前記金属酸化物を主成分としてガス感応部を構成したガス検知素子に検知回路を接続し、前記検知回路で、酸素分圧と水素分圧の分圧比の変化に応じて変化する前記ガス感応部の抵抗値の変化をモニタすることで、検知空間の被検知ガスを検知することができる。
ところで、検知空間の気圧に応じて、前記ガス感応部の抵抗値は変化する。例えば、大気中では、真空中であるときよりガス感応部の抵抗値は高くなる。従って、センサに直列に配置する負荷抵抗が同じ抵抗値であると、例えば電圧計によりモニタされる電圧の変化幅が異なり、被検知ガスの検知が困難になる。
このような気圧の変化は、ヒータ制御回路によって一定の動作抵抗値となるように制御されたヒータに印加される電流や電圧をモニタすることで検知できるので、前記電流や電圧に基づいて被検知ガスの検知感度を調整することで、常に最適な感度で被検知ガスの検知ができるようになる。
以上のように、単純な構造でありながら、圧力に依存せずにさまざまな圧力範囲で、被検知ガスを高感度に選択的に検知可能なガスセンサが実現できる。
なお、被検知ガスは水素ガスに限らず、ガス分子の結合解離エネルギーが酸素以下である還元性の高い物質であればよく、例えばメタンガス、ブタンガス等であってもよい。
同第二の特徴構成は、前記検知回路は、前記ガス検知素子と直列に接続された可変型負荷抵抗と、前記ガス検知素子と前記可変型負荷抵抗に電圧を印加する電源部と、前記可変型負荷抵抗に並列に接続され、前記可変型負荷抵抗に印加される電圧を検知する電圧計と、前記可変型負荷抵抗の抵抗値を切り替える抵抗切替部と、を備え、前記ヒータ制御回路は、前記ヒータに印加される電流または電圧を検知する検知部を備え、前記抵抗切替部は、検知空間に設置された温度センサが検知した前記検知空間の温度と、前記検知部が検知した前記ヒータに印加される電流または電圧に基づいて、前記可変型負荷抵抗の抵抗値を切り替える点にある。
可変型負荷抵抗の抵抗値の切替のトリガとなる気圧の変化は、ヒータに並列に接続された電圧計や、ヒータに直列に接続された電流計の変化を、別途設けた、検知空間の温度を計測する温度センサが検知した検知空間の温度によって補正することで、正しく検知でき、例えば真空中と大気中とで検知回路の可変型負荷抵抗の抵抗値を切り替えることで、電圧計によって検知する電圧の変化幅を変更することができる。
同第三の特徴構成は、前記抵抗切替部は、前記ヒータに印加される電流または電圧に対応する気圧が、所定の気圧閾値未満であると前記抵抗値を下げ、所定の気圧閾値以上であると前記抵抗値を上げる点にある。
予め、気圧に応じて好ましい抵抗値を算出しておき、検知空間の気圧に応じて、前記抵抗値を変化させることで、常に被検知ガスの検知感度を最適なものに調整することができる。なお、所定の気圧閾値は、一つでもよいし、複数であってもよい。
なお、前記検知空間に設置された温度センサが検知した前記検知空間の温度と、前記ヒータに印加される電流または電圧の変化に基づいて、前記検知空間の気圧の変化を算出する気圧算出部を設けて、前記抵抗切替部は、前記気圧算出部により算出された気圧に応じて、前記可変型負荷抵抗の抵抗値を切り替える構成であってもよいし、前記ヒータに印加される電流または電圧に、所定の閾値を設定しておき、前記所定の閾値以上であるか未満であるかに基づいて、前記抵抗値を変化させる構成であってもよい。
同第四の特徴構成は、前記所定の気圧閾値が、大気圧である点にある。
特に、検知空間が、大気圧であるか、真空であるかで、ガス感応部の抵抗値が大きく変化するため、前記所定の気圧閾値を大気圧に設定することで、大気圧中であっても新空中であっても、常に被検知ガスの検知感度を最適なものに調整することができる。
同第五の特徴構成は、前記ヒータ制御回路は、前記ヒータの動作温度を摂氏400度から650度の範囲に維持するように構成されている点にある。
ヒータの動作温度を摂氏400度から650度の範囲に維持することが、電子伝導性を良好にする観点からも、寿命の観点からも好ましい。
ガス検知素子の説明図 ガスセンサの説明図 ヒータ制御回路の説明図 真空中のセンサ温度とセンサ抵抗値との関係を示すグラフ 気圧とヒータ電流値及びヒータ温度との関係を示すグラフ 実験装置の説明図 各気体の気圧とセンサ抵抗との関係を示すグラフ 各気圧における水素分圧とセンサ抵抗値との関係を示すグラフ 各酸素分圧における水素分圧とセンサ抵抗値との関係を示すグラフ 各酸素分圧における水素分圧と酸素分圧の分圧比とセンサ抵抗値との関係を示すグラフ 大気圧下で酸素濃度が異なる場合の水素濃度とセンサ抵抗値との関係を示すグラフ 大気圧下で酸素濃度が0.1%一定場合の各種ガス濃度とセンサ抵抗値との関係を示すグラフ
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明によるガスセンサ100が備えるガス検知素子1の概略図である。
ガス検知素子1は、絶縁基板3の上面に形成された一対の検知電極4a、4bと、検知電極4a、4bを被覆するように設けられた酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方を備える金属酸化物の一例である酸化セリウムを主成分として構成されるガス感応層2と、絶縁基板3の下面には薄膜ヒータ5を備え、検知電極4が検知したガス感応層2の抵抗値の変化に基づいて、被検知ガスを検知するものである。
絶縁基板3は、従来の基板型のガス検知素子に用いられるものが好ましく適用でき、その大きさ、形状等は特に限定されない。また、絶縁基板3の材質は、絶縁体であればよく、例えば、アルミナ、シリカ、ガラス等が適用できる。中でもアルミナを絶縁基板3として用いることは、その表面は完全な平滑ではなく、ナノオーダーの凹凸を有するため、アンカー効果により検知電極4a、4bや薄膜ヒータ5との接合を強固にすることができ、好ましい。
検知電極4a、4bは、従来のガス検知素子に用いられるものが好ましく適用できる。検知電極4a、4bの形状は特に限定されない。図1には一対の櫛型検知電極4a、4bを設けた例を図示したが、これ以外にも平行平板型、螺旋型等の任意の形状を採用することができる。また、検知電極4a、4bの材質についても、特に制限されるものではなく、例えば、白金や金等の貴金属、白金パラジウム合金等を蒸着等によって設けることができる。特に白金は非常に耐久性に優れた材料であり、検知電極4a、4bに好ましく適用することができる。
本実施形態において、一対の検知電極4a、4bの間の電極間距離は、5から100μmとされる。ガス感応層2を構成する酸化セリウムは、高抵抗な材料であるので、従来のガス検知素子1に比べて電極間距離が短く設定されている。
ガス感応層2は、酸化セリウムを主成分として構成され、一対の検知電極4a、4bを被覆するように設けられている。
ガス感応層2の厚みは、10から100μmの範囲に設定されている。ガス感応層2の厚みが薄い方が、被検知ガスとガス感応層2を構成する金属酸化物との間の反応に伴うガス感応層2の抵抗値の変化が、より検知電極に近い位置で起こるため、被検知ガスに対する感度を高くすることができるが、ガス感応層2の厚みを10μmより薄くしすぎると、均一な膜形成が困難となる。一方、ガス感応層2の厚みを100μmより厚くすると、膜中の内部応力の偏在と加熱ストレスによりクラックなどが発生しやすくなり、ガス感応層2内での導電性が低下するという問題が生じ得る虞がある。従って、ガス感応層の厚みを10から100μmとすることにより、感度及び耐久性のいずれをも向上させることができる。
本実施形態では、ガス検知素子1は、アルミナセラミックス製の絶縁基板3の上面に白金薄膜製の櫛型検知電極4a、4bを、下面に薄膜ヒータ5をスパッタ法で成膜し、検知電極4a、4b上に酸化セリウムを塗布・焼結することで一体的に製造される。
このように製造されたガス検知素子1は小型・低消費電力であり、同一空間にガス検知素子1を複数備える冗長設計が可能となる。例えば、複数のガス検知素子1のうち、一つをメインのガス検知素子1とし、他をメインのガス検知素子1の健全性を評価するために用いることができる。また、このようなガス検知素子1を真空断熱層等の真空中に設置する場合は、ガス検知素子1の故障時の取替えが困難であるため、ガス検知素子1を、予めスペアとして複数個設置することもできる。
酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方を備える金属酸化物である酸化セリウムは、不定比化合物であり、周囲の酸素濃度(分圧)に応じて結晶格子内の酸素を吸蔵・放出する特性を持ち、検知空間中に酸素を放出することで生じる酸素空孔が酸化物イオンの移動を促して、電子伝導性が変化する。
このとき、検知空間に被検知ガスとして水素ガス、メタンガス、ブタンガス(以下では、単に「被検知ガス」という場合がある。)のようにガス分子の結合解離エネルギーが酸素以下である還元性の高い物質が存在した場合、ガス感応層2に被検知ガスが到達すると酸化セリウムの電荷移動が容易になって電子伝導性が飛躍的に変化する。
酸化セリウムと被検知ガスとの間の反応は、いわゆるバルク制御型と言われる反応機構で進行する。このバルク制御型の反応機構によれば、被検知ガスとの反応がガス感応層2の表面にとどまらず、バルクにまで及ぶ。つまり、従来のガスセンサとしてよく知られている半導体式ガスセンサのように被検知ガスがガス感応層2の表面に存在する吸着酸素と反応するのではなく、被検知ガスが酸化セリウムを主成分とするガス感応層2のバルク中に存在する格子酸素と反応する。この反応でバルク中に生じる酸素欠陥が拡散することにより、ガス感応層2の中を電子が流れる。
酸化セリウム表面に被検知ガスが吸着すると被検知ガスと酸化セリウムの結晶格子内の酸素空孔が酸素原子を引き合うことで見かけ上酸素空孔が増加して、ガス感応層2の中で電子の移動が容易となり、つまりガス感応層2の抵抗値が低抵抗の状態となる。
上記のような特性に基づくと、酸化セリウムの酸化物イオン伝導性と電子伝導性は、被検知ガスとの接触によって生じた酸化物イオンの移動が電子伝導性に反映されるので、ガス検知素子1の材料として都合がよい。このように、単純な構造でありながら、さまざまな圧力範囲で、被検知ガスを高感度に選択的に検知可能なガス検知素子1が実現できる。
なお、ガス感応層2は、酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方の性質を持つ混合伝導性の金属酸化物であるイットリア安定化ジルコニアを主成分として構成してもよい。
ガス感応層2は、酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方の性質を持つ混合伝導性の金属酸化物のみを成分として構成することもできるし、さらに、白金等の貴金属触媒を担持することもできる。ガス感応層2に貴金属触媒を担持することで、被検知ガスが水素のように還元性の高いガスではない場合であっても上述と同じように検知することができる。
図2は、ガス検知素子1、検知回路10及びヒータ制御回路20を備えたガスセンサ100を示している。
検知回路10は、ガス検知素子1と直列に接続された可変型負荷抵抗R0と、ガス検知素子1と可変型負荷抵抗R0に所定の動作電圧を印加する電源部Eと、可変型負荷抵抗R0に並列に接続され、可変型負荷抵抗R0に印加される動作電圧を検知する電圧計Vとを備えている。
上述のように、ガス検知素子1は、検知空間に被検知ガスが存在すると、抵抗値が低抵抗となる。従って、電圧計Vによって、可変型負荷抵抗R0に印加される動作電圧を検知することで、ガス検知素子1の抵抗値、または出力の変化を間接的に算出することができる。
薄膜ヒータ5は、ガス検知素子1の動作温度を維持するために設けられている。
薄膜ヒータ5の材質は、特に制限されるものではなく、例えば、白金や金等の貴金属、白金パラジウム合金等を蒸着等によって設けることができる。特に白金は非常に耐久性に優れた材料であり、薄膜ヒータ5に好ましく適用することができる。
図3は、薄膜ヒータ5のヒータ制御回路20を示している。ヒータ制御回路20は、ガス検知素子1の温度が200℃から1000℃の範囲、好ましくは、400℃から650℃の範囲の所定温度となるように薄膜ヒータ5を制御する。
ガス感応層2を構成する酸化セリウムの電子易動度はガス検知素子1の動作温度に依存し、ガス検知素子1を高温で動作させるほど、動作抵抗値は下がり電子伝導性は上がる。
しかし、ガス検知素子1の動作温度が1000℃より高いと、酸化物イオンの易動度が上がりすぎ、電子伝導性が良くなりすぎて、水素を検知したときの変化幅が十分でなくなるから好ましくない。
一方、ガス感応層2を構成する酸化セリウムの耐熱性を考慮すると、ガス検知素子1を低温で動作させるほど、動作抵抗値は上がり電子伝導性は下がるが、寿命は延びる。しかし、ガス検知素子1の動作温度が200℃より低いと、酸化物イオンの易動度が制限され、電子伝導性が低下しすぎてしまうので好ましくない。
図4は、1.2×10-4Torrの真空中において、水素ガスが存在する場合と、存在しない場合のガス検知素子1の動作温度と動作抵抗値との関係を示している。
図4からわかるように、水素ガスが存在する場合では、動作抵抗値の変化比は、動作温度が低いほど大きくなる傾向がある。また、寿命の観点からも、上記のように400℃から650℃の温度範囲が好ましく採用される。
ところで、検知空間の気圧が変化すると、気体の熱伝導効果が変化するため、ガス検知素子1の温度は変化する。
図5は、気圧とヒータ電流及びヒータ温度との関係を示している。
図5に示されるように、検知空間の気圧が下がると、薄膜ヒータ5の動作温度は上がる。これは、圧力が低いほど熱移動の媒体となる気体分子が減るからである。逆に、検知空間の気圧が上がると、薄膜ヒータ5の動作温度は下がる。これは、圧力が高いほど熱移動の媒体となる気体分子が増えるからである。従って、薄膜ヒータ5の動作温度をモニタすることで検知空間の気圧変化が検知できる。
換言すると、気圧の変化に応じて薄膜ヒータ5の動作温度が変化しないように、薄膜ヒータ5の動作抵抗値が一定となるように動作させるとすると、検知空間の気圧が下がると、薄膜ヒータ5の動作電流は少なくてよい。逆に、検知空間の気圧が上がると、薄膜ヒータ5の動作電流は増える。つまり、薄膜ヒータ5の動作電流値の変化をモニタし、別途設けた、検知空間の温度を計測する温度センサと併用して環境温度の補正を行うことで、検知空間の気圧の変化が検知できることになる。なお、薄膜ヒータ5に印加される動作電圧値をモニタしてもよい。
なお、別途併用する温度センサには、サーミスタや測温抵抗体のほか、ガス検知素子1の絶縁基板3と、同じ絶縁基板3を密閉容器内に空気または不活性ガスなどと封入したものも適用することができる。この場合、ガス検知素子1と温度センサの温度特性が近くなるため、補正が容易となる。
図3に戻り、ヒータ制御回路20には、薄膜ヒータ5の動作抵抗値を一定に保つために、ホイートストンブリッジを備えたフィードバック回路が用いられる。
ホイートストンブリッジを構成する抵抗R1と抵抗R3とは同じ抵抗値であり、抵抗R2と薄膜ヒータ5とは同じ抵抗値である。
これら抵抗の両端の非平衡電圧をオペアンプA1に差動入力し、出力をパワートランジスタTR1のエミッタフォロワで受け、薄膜ヒータ5の抵抗値が常に抵抗R2と同じ値になるようにホイートストンブリッジに印加する動作電圧を自動的に調節する。
なお、薄膜ヒータ5に印加される動作電流または動作電圧値をモニタするモニタ部としては、薄膜ヒータ5に並列に接続された電圧計や、薄膜ヒータ5に直列に接続された電流計が用いられる。
以上のように構成された、ガス検知素子1、検知回路10、ヒータ制御回路20を備えたガスセンサ100を用いて、真空中での被検知ガスの検知に関する各種実験を行った。
実験にあたり、図6に示すような、真空チャンバ30を用意した。
真空チャンバ30は約30Lの容量を有し、周囲には水素、酸素、窒素を夫々真空チャンバ30内に供給するためのリークバルブ31,32、ベントバルブ33、真空チャンバ30内を真空にするための真空ポンプ34が備えられ、内部にガス検知素子1が設置されている。
まず、真空中に被検知ガスが存在する場合と存在しない場合のガス検知素子1の抵抗値の様子を確認する実験を行った。
該実験では、真空チャンバ30内に空気を供給した後に、真空ポンプ34を起動し約1×102Torrから1×10-5Torrまで減圧したときのガス検知素子1の抵抗値RAと、真空チャンバ30内に窒素を供給した後に、真空ポンプ34を起動し約1Torrから1×10-5Torrまで減圧したときのガス検知素子1の抵抗値RNと、真空チャンバ30内に水素ガスを供給した後に、真空ポンプ34を起動し約1Torrから1×10-5Torrまで減圧したときのガス検知素子1の抵抗値RHを取得した。また、メタンガス、ブタンガスについてもそれぞれ水素ガスの場合と同様に、真空チャンバ30内に供給した後に、真空ポンプ34を起動し約1Torrから1×10-5Torrまで減圧したときのガス検知素子1の抵抗値RM、抵抗値RBを取得した。その結果を図7に示す。
図7からわかるように、真空中では、抵抗値RAは徐々に低下していることがわかる。
これは、周囲の酸素濃度(分圧)に応じてガス感応層2を構成する酸化セリウムの結晶格内の酸素が放出され、その結果生じる酸素空孔が酸化物イオンの移動が促された結果だと考えられる。
同様の傾向は、真空チャンバ30内に窒素を供給したときの抵抗値RNでも確認できた。なお、抵抗値RA、抵抗値RNの比較から、ガス感応層2は酸素にも応答していることがわかる。また、1×102〜1×10-3Torrの範囲で抵抗値RAと抵抗値RNには酸素分圧に対応した差が認められ、1×10-5Torr付近では抵抗値RAと抵抗値RNの差が小さくなった。これは高真空中では酸化セリウムから酸素が放出され酸素空孔が増加して酸化物イオンの易動度が高くなったためだと考えられる。
一方、真空チャンバ30内に水素ガスを供給したときの抵抗値RHは、抵抗値RA、抵抗値RNに比べて、約1/100以下まで大きく低下し、この傾向は、真空チャンバ30内が1×10-5Torrまで減圧するまで維持されることが確認できた。
これは、ガス感応層2を構成する酸化セリウムの表面で水素ガスが酸化しているのではなく、酸化セリウムへの水素ガスの吸着によって格子内酸素が引き付けられて、酸素空孔の移動が容易になった結果だと考えられる。この結果より、ガス感応層2に酸化セリウムを用いたガス検知素子1によると、約1×10-5Torrまでの任意の圧力下で水素ガスを検知可能であることがわかる。
なお、この状態で窒素を約1×102Torrまで導入するとセンサ抵抗値は60kΩ程度まで増加した。これは、ガス感応層2の酸化セリウムが水素ガス中で金属にまで還元されたのではなく、酸化セリウムの表面に水素ガスが吸着することで、酸化物イオン伝導性が高くなったためであると考えられる。メタンガスとブタンガスについても水素ガスと同様の結果が確認された。
上述のようにガス感応層2を構成する酸化セリウムの電子伝導性は、環境中の酸素に影響される。そこで、水素分圧に対する抵抗値特性の酸素の影響評価を目的として、真空チャンバ30内に窒素を供給し、無酸素下で水素分圧比を変化させたときの電気抵抗値の傾向を確認する実験を行った。
該実験では、真空ポンプ34を起動しながら真空チャンバ30内にリークバルブ31から窒素を供給し、所定の平衡圧力(1×10-2Torr)に調整した。
次に、リークバルブ32から水素ガスを段階的に所定の条件(水素分圧比約1%、約4%、51%、83%)となるように供給し、圧力が安定したときの抵抗値を取得した。
異なる圧力条件(1×10-3Torr、1×10-4Torr)についても夫々同様の実験を行った。なお、平衡圧力が1×10-3Torrであるときは、リークバルブ32から水素ガスを段階的に所定の条件(水素分圧比3.8%、35%、66%、83%)となるように供給し、圧力が安定したときの抵抗値を取得した。また、平衡圧力が1×104Torrであるときは、リークバルブ32から水素ガスを段階的に所定の条件(水素分圧比9%、33%、53%、68%、80%)となるように供給し、圧力が安定したときの抵抗値を取得した。その結果を図8に示す。
図8からわかるように、無酸素状態である窒素バランス環境下では、水位分圧比が低くても、水素ガスが存在しない場合に比べて、抵抗値の大きな変化が確認される。そして、水素分圧比に対する抵抗値は、1×10-2Torr、1×10-3Torr、1×10-4Torrの各圧力条件にかかわらず略一致し、酸素が存在しなければ、高感度に水素ガスに反応していることがわかる。
なお、1×10-3Torrの圧力条件のデータをもとに近似式で外挿により求めた水素ガスの検知限界濃度は、1000ppm以下と見積もられる。
酸化セリウムを主成分として構成されたガス感応層2を備えるガス検知素子1では、真空中では、水素ガスの吸着に伴う電子伝導度変化を利用するため、高感度に水素ガスを検知することができる。
次に、一定の真空環境下での、酸素分圧比の違いが、水素ガスの検知に与える影響を確認する実験を行った。
抵抗値への酸素分圧比の影響評価を目的として、真空チャンバ30内に窒素と異なる分圧比となるように酸素を供給し、各酸素分圧比において水素分圧比を変化させたときの電気抵抗値の傾向を確認する実験を行った。
該実験では、真空ポンプ34を起動しながら真空チャンバ30内にリークバルブ31から各酸素濃度(酸素分圧比1%、5%、10%、50%)の窒素を供給して、所定の平衡圧力(1×10-3Torr)に調整した。
次に、リークバルブ32から水素ガスを段階的に所定の条件となるように供給し、圧力が安定したときの抵抗値を取得した。その結果を図9に示す。
図9からわかるように、各酸素分圧比の環境下での水素ガスに対する抵抗値を比較した結果、水素分圧比に対する抵抗値の傾きは、酸素分圧比の影響を受けることが確認された。
そこで、図10に示すように、抵抗値と、水素分圧/酸素分圧との相関を確認すると、両者は比例関係にあることが確認された。つまり、抵抗値は、水素分圧と酸素分圧の分圧比に依存することがわかる。
図9と図10に示した結果から、一定温度に保たれたガス感応層2の抵抗値は、全圧には依存せずに酸素分圧と水素分圧によって決まることがわかる。全圧に依存しないのであれば、大気圧下でも同様の抵抗変化が得られることになる。そこで、大気圧下での抵抗値と水素濃度の関係を確認する実験を行った。実験方法は、窒素バランス中で酸素濃度(分圧)が0.1%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%になるように調整し、そこに水素を所定量ずつ注入して水素濃度(分圧)を変化させたときの抵抗値を取得した。その結果を図11に示す。なお、図11の横軸は、水素濃度C(H2)と酸素濃度C(O2)の比で整理した。
図11からわかるように、水素濃度と抵抗値との関係は、水素濃度がある閾値を境に急激に変化する特性を持ち、C(H2)/C(O2)=0.5〜1.0を境に抵抗値が大きく変化することがわかる。
また、水素濃度に対する抵抗値が大きくなる変極点は酸素濃度の影響を受けることを確認した。酸素濃度が高い方が抵抗値が急激に低下するときの水素濃度も高くなることがわかる。この結果より、抵抗値が大きく変化する変極点は酸素と水素の濃度比(分圧比)で決まると考えられる。
水素と酸素の濃度比が、C(H2)<C(O2)のエリアでは、水素に比べて酸素の吸着が優位となっており、水素は酸化セリウム表面の吸着酸素を消費し、バルク内の酸素空孔が僅かに増加するが、電子伝導性への寄与は弱い。センサ温度が高いと酸化物イオン伝導性が良くなるので、気相中の酸素を速やかに吸蔵し、酸化セリウム表面での水素酸化による酸素消費をキャンセルする。このため水素濃度に対する抵抗変化の傾きは、センサ温度が高い方が小となる。
水素と酸素の濃度比が、C(H2)≒C(O2)のエリアでは、酸化セリウム表面への水素と酸素の吸着が均衡し、水素の吸着が優位になれば、バルク内の酸素空孔が増大し、抵抗値が大きく低下する。
水素と酸素の濃度比が、C(H2)>C(O2)のエリアでは、酸素よりも水素の吸着が優位となっており、水素が酸化セリウム表面に解離吸着し、バルク内の酸素原子を引き付けるので、見かけ酸素空孔が増加して酸化物イオンの易動度が増す。高温側では水素吸脱着平衡が脱着側にシフトするので、抵抗変化は水素濃度に対して傾きを持つ。
なお、抵抗値が急激に低下して以降の水素濃度が高い領域の特性は、1×10-2Torrの真空中で確認した傾向と一致しており、大気圧でも同様の特性を示すことの裏づけとなる。この結果より抵抗値は、環境中の酸素分圧(濃度)と水素分圧(濃度)によって決まり、全圧には依存しないことがわかる。
ところで、水素ガスが酸化セリウム表面に解離吸着するのであれば、他の還元性ガスについても同様の現象が起こると考えられる。
そこで、窒素バランス中で酸素濃度(分圧)が0.1%になるように調整し、そこに水素ガス、メタンガス、ブタンガスをそれぞれ所定量ずつ注入してそれぞれ濃度(分圧)を変化させたときの各抵抗値を取得した。その結果を図12に示す。
図12からわかるように、メタンガスでは0.14%以上、ブタンガスでは0.035%以上で抵抗値が急激に変化する変極点が確認された。
被検知ガスの種類によって変極点の濃度が異なるのは、ガス分子の解離のし易さと関係があると考えられる。
解離結合エネルギーは、酸素は493kJ/mol、水素が432J/mol、メタンが434±6J/mol、ブタンが346±8J/mol、窒素が942J/molであることから、解離結合エネルギーは、ブタン<水素≒メタン<酸素<<窒素の順に大きい。これは、図12の結果と一致する。
酸化セリウムの酸素吸蔵は気相の酸素が解離してバルク内に取り込まれる反応であるので、酸素よりも解離結合エネルギーが低い水素ガス、メタンガス、ブタンガスも酸化セリウム表面に解離吸着すると考えられる。
水素ガス、メタンガス、ブタンガスが解離して水素イオンが酸化セリウム表面に吸着すると、バルク内の酸素原子が引き付けられて、見かけ酸素空孔が増加する。その結果、還元性ガスの吸着が酸素より優位な環境下では電子伝導性が著しく向上する。
検知回路10に備えた電圧計Vをモニタすることによって、酸素分圧と水素分圧の分圧比の変化に応じて変化するガス感応層2の抵抗値の変化に基づいて水素ガスを検知することができる。即ち電圧計Vが検知部を構成する。
さらに、検知回路10に、予め前記分圧比に対応する水素ガス濃度テーブルが格納された濃度記憶部と、前記分圧比に基づいて水素ガス濃度を算出する濃度算出部を備えておくと、前記分圧比に基づいて水素ガス濃度を算出することができる。
ところで、検知空間の気圧に応じて、ガス感応層2の抵抗値は変化する。例えば、大気中では、真空中であるときよりガス感応層2の抵抗値は高い。従って、センサに直列に配置する負荷抵抗が同じ抵抗値であると、電圧計Vによりモニタされる電圧の変化幅が異なり、水素ガスの検知が困難になる。
そこで、真空中と大気中とで検知回路10の可変型負荷抵抗R0の抵抗値を切り替えることで、電圧計Vによって検知する電圧の変化幅を変更することができる。
例えば、真空中であるときは可変型負荷抵抗R0の抵抗値を1kΩに変更し、大気中であるときは可変型負荷抵抗R0の抵抗値を500kΩに変更することで、0から4%vol%の範囲で水素を精度良く検知することができる。
可変型負荷抵抗R0の抵抗値の切替のトリガとなる気圧の変化は、薄膜ヒータ5のヒータ制御回路20に連動させることができる。
つまり、薄膜ヒータ5に並列に接続された電圧計や、薄膜ヒータ5に直列に接続された電流計をモニタすることで、気圧の変化が検知できる。このように検知された気圧の変化に基づいて、可変型負荷抵抗の抵抗値を切り替える抵抗切替部を備え、該抵抗切替部によって、可変型負荷抵抗R0の抵抗値の切替のトリガとなる所定の気圧閾値、例えば1Torrに対応する電流値や電圧値を予め設定しておき、前記電流値や電圧値が、気圧が前記所定の気圧閾値未満であることを示すと抵抗値を下げ、所定の気圧閾値以上であることを示すと抵抗値を上げるように制御すればよい。なお、所定の気圧閾値は一つでもよいし、複数であってもよい。気圧に応じて好ましい抵抗値を算出しておき、検知空間の気圧に応じて、前記抵抗値を変化させることで、常に被検知ガスの検知感度を最適なものに調整することができる。
以上のように、単純な構造でありながら、圧力に依存せずにさまざまな圧力範囲で、被検知ガスを高感度に選択的に検知可能なガスセンサが実現できる。
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1 ガス検知素子
2 ガス感応層(ガス感応部)
3 絶縁基板
4 検知電極
10 ガス検知回路
20 ヒータ制御回路
100 ガスセンサ

Claims (5)

  1. ガス感応部と、前記ガス感応部に接続された検知電極と、前記ガス感応部を加熱するヒータとを備えたガス検知素子と、
    前記検知電極が検知した前記ガス感応部の抵抗値の変化に基づいて、被検知ガスを検知する検知回路と、前記ヒータを制御するヒータ制御回路とを備えたガスセンサであって、
    前記ガス感応部は酸化物イオン伝導性と電子伝導性の両方を備える金属酸化物を主成分として構成してあり、
    前記検知回路は、前記ヒータ制御回路が前記ヒータの動作抵抗値が一定となるように印加する電流または電圧に基づいて、前記ガス検知素子の検知感度を制御することを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記検知回路は、
    前記ガス検知素子と直列に接続された可変型負荷抵抗と、
    前記ガス検知素子と前記可変型負荷抵抗に電圧を印加する電源部と、
    前記可変型負荷抵抗に並列に接続され、前記可変型負荷抵抗に印加される電圧を検知する電圧計と、前記可変型負荷抵抗の抵抗値を切り替える抵抗切替部と、を備え、
    前記ヒータ制御回路は、
    前記ヒータに印加される電流または電圧を検知する検知部を備え、
    前記抵抗切替部は、
    検知空間に設置された温度センサが検知した前記検知空間の温度と、前記検知部が検知した前記ヒータに印加される電流または電圧に基づいて、前記可変型負荷抵抗の抵抗値を切り替えることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記抵抗切替部は、前記ヒータに印加される電流または電圧に対応する気圧が、
    所定の気圧閾値未満であると前記抵抗値を下げ、
    所定の気圧閾値以上であると前記抵抗値を上げることを特徴とする請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記所定の気圧閾値が、大気圧であることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 前記ヒータ制御回路は、前記ヒータの動作温度を摂氏400度から650度の範囲に維持するように構成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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