本発明の一実施形態に係る遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、遊技機1は、パチンコ遊技機であり、前面枠2の内側に取着された遊技盤3を備えている。遊技盤3には、ハンドル4の操作により発射された遊技球Bが流下可能な遊技領域5が、レール部材6で囲まれて形成されている。遊技領域5には、遊技球Bを誘導する誘導釘13(図2参照)が多数突設されている。前面枠2には、演出ボタン7、枠ランプ8及びスピーカ9が配設され、遊技盤3には、盤ランプ10(図7参照)が配設されている。
ここで、本明細書中、上下とは、遊技を行うために遊技機1を立設した状態における上下をいい、左右は、遊技盤3の遊技領域5に向かって左右をいうものとする。また、遊技盤3の表面側(遊技領域5側)を前方とし、遊技盤3の裏面側を後方とする。
遊技領域5の中央部には、画像表示器11の表示画面111が配置されている。画像表示器11は、客待ち用のデモ表示、装飾図柄変動などを表示画面111に表示する。装飾図柄変動は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の演出画像とにより構成されて、装飾図柄を変動させた後停止させ、その停止させた装飾図柄により、後述する普通図柄抽選の結果等を報知する演出である。
遊技領域5の下部の中央部には、中央ゲート装置17が設けられ、中央ゲート装置17は、遊技球Bが上下に通過可能な孔172(図4参照)を有している。中央ゲート装置17の下方には、遊技球Bが入球可能な普通入賞装置18が設けられて、中央ゲート装置17を通過した遊技球Bは、殆どの場合、普通入賞装置18に入球する。また、遊技領域5の下部の左側部にも、遊技球Bが入球可能な普通入賞装置18、18が設けられている。なお、中央ゲート装置17の下方に設けられた普通入賞装置18を、それ以外の普通入賞装置18と区別するときは、中央普通入賞装置18という。普通入賞装置18に入球した場合、入球数1個につき10個の賞球が払い出されるが、中央ゲート装置17の通過に対しては、賞球の払出しはない。
遊技盤3の中央部には、画像表示器11の表示画面111を囲繞するようにセンター役物装置12が配置されている。センター役物装置12の下枠部121には、上面を転動する遊技球Bを、中央ゲート装置17へと案内可能なステージ部20が形成されている。センター役物装置12の左枠部122には、ステージ部20へ遊技球を排出するワープ通路21が配設されている。したがって、ワープ通路21に進入した遊技球Bは、ステージ部20に排出される結果、中央ゲート装置17を通過し易く、中央普通入賞装置18に入球し易い。
遊技領域5の右側部(センター役物装置12の右枠部123とレール部材6とで挟まれた領域)には、始動入賞装置(特許請求の範囲の「入賞装置」に相当)15が設けられ、始動入賞装置15の下方には、遊技球が通過可能な右ゲート装置(特許請求の範囲の「ゲート装置」に相当)14が設けられている。
詳しくは、図2、3に示すように、始動入賞装置15は、遊技球Bが入球可能な始動口151(特許請求の範囲の「入球口」に相当)と、始動口151を開閉する開閉部材152とを備え、開閉部材152は始動口ソレノイド153(図7参照)により開閉動作を行う。開閉部材152が始動口151を開放しているとき、始動口151に遊技球Bが入球可能であり、開閉部材152が始動口151を閉塞しているとき、始動口151に遊技球Bは入球不能である。すなわち、開閉部材152は、始動口151に遊技球Bが入球し易い第1状態(本実施形態では、始動口151を開放している状態であり、以下、「開状態」ともいう。)と、始動口151に遊技球Bが入球し難い第2状態(本実施形態では、始動口151を閉塞している状態であり、以下、「閉状態」ともいう。)とに可変である。始動口151(より具体的には、始動口151の下端位置)は、右ゲート装置14が設けられている位置(より具体的には、右ゲート装置14の孔142の上端位置)を第1位置P1としたとき、第1位置よりも上流側の第2位置P2に設けられている。そして、始動入賞装置15は、開閉部材152が開状態にあるとき、始動口151の上流側の特定の遊技領域(以下、「特定遊技領域」という。)Aを流下してきた遊技球Bを受け止めて始動口151に誘導可能である。一方、開閉部材152が閉状態にあるとき、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bは始動口151に誘導されることなく開閉部材152の前面側を通過可能である。始動口151に入球した場合、入球1個につき10個の賞球が払い出されるが、右ゲート装置14の通過に対しては、賞球の払出しはない。
より詳しくは、図4、5に示すように、始動入賞装置15の開閉部材152は、矩形板状に形成されて、閉状態における前面が、遊技盤3の前面とほぼ面一になる平面状とされており、閉状態においては、遊技球Bが前面側を通過可能である(図4の遊技球B1参照)。開閉部材152は、左右方向に沿った下辺部を軸として、上下方向に回動可能に構成され、開状態のとき、開閉部材152の内側面152aは、遊技盤3の前面に対して90度よりも少し小さい角度をなして、始動口151に向かって若干傾斜している。したがって、開閉部材152は、開状態のとき、遊技球Bを受け止めて、始動口151に誘導可能である。開閉部材152の上方には、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球を開閉部材152に誘導可能な誘導釘13として、誘導釘13a、13bが配設されている。誘導釘13a、13bは、互いの間隔等を調整することにより、開閉部材152に向けて遊技球Bを誘導し易い状態、又は、開閉部材152に向けて遊技球Bを誘導し難い状態に調整可能である。
右ゲート装置14は、遊技球Bが上下に通過可能な孔142を有し、特定遊技領域Aを通過した遊技球Bは、右ゲート装置14を通過可能である。また、右ゲート装置14が配置されている第1位置P1は、開閉部材152が開状態にあるとき、特定遊技領域Aを流下してきた複数の遊技球B2、B3のうち、始動口151に入球しなかった遊技球B3が通過可能な位置とされている。図5の例では、遊技球B3は、開閉部材152に受け止められた遊技球B2に当接することにより開閉部材152の下流側に落下し、右ゲート装置14を通過している。かかる場合以外にも、例えば、図6に示すように、特定遊技領域Aを流下してきて、開状態にある開閉部材152に当接したが、その当接位置が開閉部材152の端部であったため、始動口151に誘導されずに開閉部材152の下流側に落下した遊技球B4は、右ゲート装置14を通過可能である。このように、遊技機1は、開閉部材152が開状態にあるとき、開閉部材152に乗った他の遊技球Bや開閉部材152自体に当接することにより、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bのうち始動口151に入球しなかった遊技球Bを、開閉部材152が閉状態にあるときよりも、右ゲート装置14に誘導し易い構成とされている。したがって、遊技機1では、開閉部材152が閉状態にあるときよりも開閉部材152が開状態にあるときの方が、遊技球Bが右ゲート装置14を通過し易い。換言すれば、遊技機1では、特定遊技領域Aを流下した遊技球Bのうち右ゲート装置14を通過する遊技球Bの割合(通過率)が、開閉部材152が閉状態にあるときよりも、開閉部材152が開状態にあるときの方が高くなっている。
具体的には、遊技機1では、右ゲート装置14は、始動口151の斜め下の位置(より具体的には、左斜め下の位置)に配置されており、かかる右ゲート装置14の配置位置、開閉部材152の形状や開放時の姿勢、及び、誘導釘13の有無やその位置等により、開閉部材152が開状態にあるとき、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bのうち、始動口151に入球しなかった遊技球Bが、右ゲート装置14を通過可能とされている。一方、遊技機1は、開閉部材152が閉状態にあるとき、開閉部材152の前面側を通過した遊技球Bは、右ゲート装置14を通過することなく、下流側に流下するように構成されている。したがって、開閉部材152が閉状態にあるとき、特定遊技領域Aを流下した遊技球Bは、右ゲート装置14を通過し難いこととなる。
右ゲート装置14の下流側には、大入賞装置16が設けられている。大入賞装置16は、遊技球が入球可能な大入賞口161と、大入賞口161を開閉する開閉部材162とを備え、開閉部材162は大入賞口ソレノイド163(図7参照)により開閉動作を行う。すなわち、大入賞装置16は、遊技球が入球可能な状態と入球不可能な状態とに可変である。なお、大入賞装置16に遊技球が入球したときも、入球1個につき所定個数の賞球が払い出されるが、遊技機1では、大入賞口161の開放時間は入球の可能性がほぼない極短時間(具体的には0.1秒間)とされているため、実際に大入賞装置16への入球に基づいて賞球が払い出されることは殆どない。
図1に示すように、遊技領域5の外側には、所謂7セグと称される特別図柄表示器22及び普通図柄表示器23、及び、複数のランプからなる普通図柄保留ランプ24が設けられている。特別図柄表示器22は、遊技球の始動口151への入球を契機として行われる特別図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された特別図柄により報知するものである。特別図柄表示器22に停止表示された図柄が大当り図柄であれば、大入賞口161を所定回数開閉する大当り遊技(特許請求の範囲の「特別遊技」に相当。)が行われる。但し、遊技機1では、大当り遊技を、1回の開放時間を0.1秒間として大入賞口161を2回開放するものとしているため、大当り遊技中に大入賞口161に遊技球が入球することは殆どない。また、始動口151への入球を契機として行われる特別図柄抽選は、始動口151の開放1回につき最初の入球による1回のみである。すなわち、始動口151への入球による特別図柄抽選の権利は保留されず、始動口151の1回の開放の間に複数の遊技球が入球したとしても、1個目に入球した遊技球に対しては特別図柄抽選が行われるが、2個目以降に入球した遊技球に対しては特別図柄抽選は行われない。
普通図柄表示器23は、中央ゲート装置17又は右ゲート装置14への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当り図柄であれば、所定期間及び所定回数、始動口151を開く補助遊技が行われる。遊技機1では、補助遊技は、1回の最大開放時間を6.0秒間として始動口151を1回開放するが、最大開放時間経過前に所定個数(ここでは10個)の遊技球Bが始動口151に入球した場合には、その所定個数目の遊技球の入球を検出した時点で、最大開放時間の経過を待たずに始動口151を閉鎖するものとしている。始動口151への入球に対しては、上述したように賞球が払い出されるので、始動口151の1回の開放により、遊技者は、1回の特別図柄抽選の権利を獲得可能であるとともに、賞球を獲得可能である。
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球が中央ゲート装置17又は右ゲート装置14を通過すると、メイン制御基板30は、その通過に対して所定個数を上限として普通図柄抽選の権利を保留する。具体的には、普通図柄抽選に用いる普図抽選乱数(ここでは、当り乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数のセット)を取得してRAMに記憶する。普通図柄保留ランプ24は、このように記憶されている普図抽選乱数の個数(セット数)を、点灯している普通図柄保留ランプ24の数により表示するものである。なお、記憶される普図抽選乱数は、中央ゲート装置17の通過に対して取得したものと右ゲート装置14の通過に対して取得したものとを合わせて4個(4セット)が上限とされているため、4個の普図抽選乱数が記憶されている状態で遊技球が中央ゲート装置17又は右ゲート装置14を通過しても、その通過に対する普図抽選乱数の取得は行われない。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態、すなわち、普通図柄の変動表示も補助遊技も行われていない状態になったときに、点灯している普通図柄保留ランプ24を1個消灯し、記憶しておいた普図抽選乱数のうちの当り乱数を用いて普通図柄抽選(すなわち、当り乱数が、予め定められている当りの乱数であるか否かの判定)を行い、普通図柄表示器23において普通図柄の変動表示を開始して、その抽選結果を示す普通図柄を停止表示する。
次に、図7に基づいて実施形態の遊技機1の電気系統について説明する。実施形態の遊技機1は、メイン制御基板30、払出制御基板31、サブ制御基板32を備え、サブ制御基板32は、演出制御基板33、画像制御基板34、及び、ランプ制御基板35を備えている。そして、払出制御基板31及び演出制御基板33はメイン制御基板30に接続され、画像制御基板34及びランプ制御基板35は演出制御基板33に接続されている。各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。
メイン制御基板30は、特別図柄抽選、普通図柄抽選、遊技状態の移行など、主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板30には、始動口151に入球した遊技球Bを検出する始動口スイッチ154、始動口151を開閉する始動口ソレノイド153、中央ゲート装置17を通過した遊技球Bを検出する第1ゲートスイッチ171、右ゲート装置14を通過した遊技球Bを検出する第2ゲートスイッチ141、大入賞口161に入球した遊技球Bを検出する大入賞口スイッチ164、大入賞口161を開閉する大入賞口ソレノイド163、普通入賞装置18に入球した遊技球Bを検出する普通入賞口スイッチ181、普通図柄保留ランプ24、特別図柄表示器22、普通図柄表示器23がそれぞれ接続され、図7に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板30に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板30から信号が出力される。なお、各普通入賞装置18に対して、それぞれ普通入賞口スイッチ181が設けられているが、図7では、1つのみ記載し、他を省略している。
また、メイン制御基板30は、払出制御基板31に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板31から信号を受信する。払出制御基板31には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ36が接続され、払出制御基板31は、メイン制御基板30から受信したコマンドに従って払出駆動モータ36を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、メイン制御基板30は、演出制御基板33に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板33は、画像制御基板34との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板34には画像表示器11及びスピーカ9が接続され、画像制御基板34は、演出制御基板33から受信したコマンドに従って、画像表示器11の表示画面111に装飾図柄等の画像を表示し、スピーカ9から音声を出力する。また、演出制御基板33は、ランプ制御基板35との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板35には、枠ランプ8及び盤ランプ10が接続され、ランプ制御基板35は、演出制御基板33から受信したコマンドに従って、枠ランプ8及び盤ランプ10を点灯・消灯する。
次に、遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態として、通常遊技状態、通常遊技状態よりも開閉部材152が開状態になり易い状態である時短遊技状態(特定遊技状態に相当)、及び、通常遊技状態よりも特別図柄抽選において大当りに当選し易い状態である確変遊技状態がある。時短遊技状態でない状態を非時短遊技状態、確変遊技状態でない状態を非確変遊技状態という。通常遊技状態は、非時短かつ非確変遊技状態といえる。また、時短遊技状態では、非時短遊技状態よりも、普通図柄抽選において当りに当選し易い。遊技機1は、電源投入時の初期状態においては通常遊技状態であるが、特別図柄抽選において大当りに当選すると、大当り遊技後、その大当りの種類に応じて、通常遊技状態から、確変かつ時短遊技状態、又は、非確変かつ時短遊技状態のいずれかに、遊技状態が遷移し得る。このように、大当り遊技を経なければ、始動口151に遊技球が入球し易く多数の賞球が得られる時短遊技状態には遷移しない。なお、後述するように、リミッタ到達時には、時短遊技状態から通常遊技状態に遷移する大当りに当選する場合がある。
詳しくは、図8に示すように、普通図柄抽選の当選確率が、非時短遊技状態では1/60であるのに対し、時短遊技状態ではほぼ1/1とされており、時短遊技状態では、中央ゲート装置17又は右ゲート装置14を遊技球が通過すると、ほぼ必ず当りとなって、始動入賞装置15の開閉部材152が開状態とされる。また、普通図柄変動時間(普通図柄の変動表示開始から停止表示までの時間)が、非時短遊技状態では例えば10秒、時短遊技状態では例えば1.5秒と、時短遊技状態では非時短遊技状態よりも短いため、普通図柄抽選の保留の消化が速く、中央ゲート装置17又は右ゲート装置14を通過した遊技球が、普通図柄抽選が行われない無駄球になり難い。
また、図9に示すように、特別図柄抽選の当選確率が、非確変遊技状態では1/4であるのに対し、確変遊技状態ではほぼ1/1とされており、確変遊技状態では、始動口151に遊技球が入球すると、ほぼ必ず大当りとなって、大当り遊技が行われる。
大当りの種類としては、図10に示すように、確変付き・次回大当りまで時短付きの大当り、すなわち、大当り遊技後、確変遊技状態になるとともに、次回の大当りまで時短遊技状態が継続される大当りと、確変無し・100回まで時短付きの大当り、すなわち、大当り遊技後、非確変遊技状態になるとともに、途中で大当りが発生しなければ100回特別図柄抽選が行われるまで時短遊技状態が継続される大当りと、確変無し・時短無しの大当り、すなわち、大当たり遊技後、通常遊技状態になる大当りとがある。そして、後述するリミッタ到達前の大当りでは、確変付き・次回大当りまで時短付きの大当りが96%、確変無し・100回まで時短付きの大当りが4%であり、したがって、大当り遊技後必ず時短遊技状態となるが、リミッタ到達時の大当りでは、確変無し・100回まで時短付きの大当りが53%、確変無し・時短無しの大当りが47%である。以下、確変付きの大当りを「確変大当たり」、確変無しの大当たりを「非確変大当り」という。
遊技機1では、所定の規定回数確変大当たりに連続して当選すると次の大当りは必ず非確変大当りになるように構成されている。この規定回数は11回とされている。すなわち、確変大当りに連続して当選できる回数に11回という制限があり、この制限を「リミッタ」という。以下、確変大当りの連続当選回数を「確変連続回数」という。図10におけるリミッタ到達前とは、確変連続回数が11回未満であるとき、リミッタ到達時とは、確変連続回数が11回であるときの意である。また、規定回数に達する前に、非確変大当りに当選すると、確変連続回数が0にリセットされる。なお、確変連続回数をカウントしている状態において、特別図柄抽選でハズレになったとしても、確変連続回数は変わらない。
次に、図11に基づいてメイン制御基板30の動作について説明する。メイン制御基板30は、図11に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間周期で繰り返す。
まず、メイン制御基板30は、乱数更新処理を行う(ステップS101)。乱数更新処理では、メイン制御基板30は、特別図柄抽選に用いる大当り乱数、大当りの種類を決めるための大当り図柄乱数、装飾図柄変動においてリーチ演出を行うか否かを決めるためのリーチ乱数、変動時間を含む変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる当り乱数等を更新する。
次に、メイン制御基板30は、始動口スイッチ処理を行う(S102)。始動口スイッチ処理では、メイン制御基板30は、始動口スイッチ154が遊技球Bを検出したか否かを判定する。そして、検出していなければ、始動口スイッチ処理を終えて、次のゲートスイッチ処理(S103)に進むが、始動口スイッチ154が遊技球Bを検出していれば、始動口に入球した遊技球Bの個数を数える始動口カウンタの値に1を加算する。そして、始動口スイッチ154が遊技球Bを検出し、かつ、始動入賞フラグがオフであれば、特別図柄抽選に用いる特図抽選乱数(ここでは、大当り乱数及び大当り図柄乱数のセット)を取得してRAMに記憶し、始動入賞フラグをオンにする。一方、始動口スイッチ154が遊技球Bを検出したが、始動入賞フラグがオンであれば、特図抽選乱数の取得は行わず、始動口スイッチ処理を終えて、次のゲートスイッチ処理(S103)に進む。始動入賞フラグは、遊技機1の初期状態ではオフであり、特図抽選乱数を取得したときにオンとされ、始動入賞装置15の開閉部材152が閉状態となったときにオフとされる。この始動入賞フラグにより、開閉部材152の1回の開放(本実施形態では、1回の補助遊技に相当)において最初に始動口151に入球した遊技球Bに対してのみ、特図抽選乱数が取得される。
次に、メイン制御基板30は、ゲートスイッチ処理を行う(S103)。ゲートスイッチ処理では、メイン制御基板30は、第1ゲートスイッチ171又は第2ゲートスイッチ141が遊技球Bを検出したか否かを判定する。そして、検出していなければ、ゲートスイッチ処理を終えて、次の大入賞口スイッチ処理(S104)に進むが、検出していれば、すでに記憶されている普図抽選乱数(ここでは、当り乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数のセット)が4個未満であることを条件に、普図抽選乱数を取得してRAMに記憶する。すでに4個の普図抽選乱数が記憶されていれば、普図抽選乱数の取得は行なわず、ゲートスイッチ処理を終えて、次の大入賞口スイッチ処理(S104)に進む。
大入賞口スイッチ処理(S104)では、メイン制御基板30は、大入賞口スイッチ164が遊技球Bを検出したか否かを判定する。そして、検出していなければ、大入賞口スイッチ処理を終えて、次の普通入賞口スイッチ処理(S105)に進むが、検出していれば、大当り遊技中か否かを判定して、大当り遊技中であれば、大入賞口161の1回の開放中に入球した遊技球Bの個数を数える入賞個数カウンタの値に1を加算するとともに、1回の大当り遊技中に大入賞口161に入球した遊技球Bの個数を数える大入賞口カウンタの値に1を加算し、大入賞口スイッチ処理を終えて、次の普通入賞口スイッチ処理(S105)に進む。但し、上述したように、大当り遊技中に大入賞口161に遊技球Bが入球することは、まずない。
次に、メイン制御基板30は、普通入賞口スイッチ処理を行う(S105)。普通入賞口スイッチ処理では、メイン制御基板30は、普通入賞口スイッチ181が遊技球Bを検出したか否かを判定する。そして、検出していなければ、普通入賞口スイッチ処理を終えて、次の特別図柄処理(S106)に進むが、検出していれば、普通入賞装置18に入球した遊技球Bの個数を数える普通入賞口カウンタの値に1を加算し、普通入賞口スイッチ処理を終えて、次の特別図柄処理(S106)に進む。
特別図柄処理(S106)では、図12に示すように、メイン制御基板30は、大当り遊技中か否かを示す大当り遊技フラグがオンか否かを判定し(S201)、オンであれば特別図柄処理を終えて、次の普通図柄処理(S107)に進むが、オンでなければ特別図柄の変動中か否かを判定する(S202)。そして、変動中であればステップS207に進み、変動中でなければ、特図抽選乱数がRAMに記憶されているか否かを判定し(S203)、記憶されていなければ、特別図柄処理を終えて、次の普通図柄処理(S107)に進むが、記憶されていれば、その特図抽選乱数中の大当り乱数が大当りか否かの判定を行う(S204)。ここで、図9に基づいて上述したように、大当りとなる確率は、非確変遊技状態では1/4、確変遊技状態ではほぼ1/1であり、メイン制御基板30は、遊技状態が確変遊技状態か否かを示す確変遊技フラグを参照して判定を行う。そして、メイン制御基板30は、大当り乱数が大当りであれば、大当り図柄乱数がどの大当り図柄を示すものかを判定し、その大当り図柄を停止表示する特別図柄としてセットする。なお、大当り図柄によって、大当りの種類が決まる。図10に基づいて上述したように、リミッタ到達前は、確変付き・次回大当りまで時短付きの大当りとなる確率が96%、確変無し・100回まで時短付きの大当りとなる確率が4%であり、リミッタ到達時は、確変無し・100回まで時短付きの大当りとなる確率が53%、確変無し・時短無しの大当りとなる確率が47%である。また、メイン制御基板30は、確変連続回数をカウントするが、このカウントについては後述する。メイン制御基板30は、大当り乱数が大当りでなければ、停止表示する特別図柄としてハズレ図柄をセットする。そして、メイン制御基板30は、判定に用いた特図抽選乱数をRAMから消去して(S205)、特別図柄の変動を開始する(S206)。
次に、メイン制御基板30は、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S207)、経過していなければ特別図柄処理を終えて、次の普通図柄処理(S107)に進むが、経過していれば、特別図柄の変動を停止して(S208)、セットした図柄で特別図柄を停止表示し、停止中処理(S209)を行う。停止中処理では、メイン制御基板30は、停止表示した特別図柄が大当り図柄であれば、大当り遊技フラグをオンして、時短遊技フラグ及び確変遊技フラグをオフする。なお、大当り遊技フラグは大当り遊技中であるか否か、時短遊技フラグは時短遊技状態であるか否か、確変遊技フラグは確変遊技状態であるか否かを示すものである。また、確変無し・100回まで時短付きの大当り後に大当りになることなく特別図柄変動が100回行われたときには、その100回目の特別図柄変動の停止中処理において時短遊技フラグをオフする。そして、メイン制御基板30は、オープニングを開始する。オープニングとは、大当たり遊技の開始から第1ラウンドの開始までの期間をいう。メイン制御基板30は、かかる停止中処理を行った後、特別図柄処理を終えて、次の普通図柄処理(S107)に進む。
普通図柄処理(S107)では、図13に示すように、メイン制御基板30は、補助遊技中か否かを示す補助遊技フラグがオンか否かを判定し(S301)、オンであれば普通図柄処理を終え、オンでなければ普通図柄の変動中か否かを判定する(S302)。そして、変動中であればステップS309に進み、変動中でなければ、普図抽選乱数がRAMに記憶されているか否かを判定し(S303)、記憶されていなければ、普通図柄処理を終えて、次の大入賞口処理(S108)に進むが、記憶されていれば、最先に記憶された普図抽選乱数中の当り乱数を用いて、その当り乱数が当りか否かの判定を行う(S304)。ここで、図8に基づいて上述したように、当り乱数が当りとなる確率は、非時短遊技状態では1/60、時短遊技状態ではほぼ1/1とされており、メイン制御基板30は、時短遊技フラグを参照して判定を行う。メイン制御基板30は、停止表示する普通図柄として、当り乱数が当りであれば当り図柄をセットし、ハズレであればハズレ図柄をセットする(S305)。また、メイン制御基板30は、最先に記憶された普図抽選乱数中のリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、普通図柄の変動表示に並行して行う装飾図柄変動においてリーチ演出を行うか否かを決定するとともに、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(S306)。上述したように、時短遊技状態では、普通図柄の変動時間は非時短遊技状態のときよりも短くされる。そして、メイン制御基板30は、判定に用いた普図抽選乱数をRAMから消去して(S307)、普通図柄の変動を開始する(S308)。次に、メイン制御基板30は、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S309)、経過していなければ普通図柄処理を終えて、次の大入賞口処理(S108)に進むが、経過していれば、普通図柄の変動を停止して(S310)、セットした図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した普通図柄が当り図柄であれば補助遊技フラグをオンして(S311,312)、普通図柄処理を終え、次の大入賞口処理(S108)に進む。
大入賞口処理(S108)では、図14に示すように、メイン制御基板30は、まず、大当り遊技フラグがオンか否かを判定し(S401)、オンでなければ大入賞口処理を終える。なお、大入賞口処理を終えた場合には、次の電チュー処理(S109)に進む。一方、大当り遊技フラグがオンであれば、オープニング中であるか否かを判定する(S402)。メイン制御基板30は、オープニング中と判定した場合には、オープニング時間が経過したか否かを判定し(S403)、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば、大当たりの種類に応じた最大R数(ラウンド数)と作動パターン(作動時間)とを設定する(S404)。そして、入賞個数カウンタの値Cをゼロクリアし(S405)、ラウンドカウンタの値Rに1を加算し(S406)、大入賞口161の作動(開放)を開始する(S407)。なお、本実施形態では、いずれの種類の大当たりであっても、最大R数は2回、作動時間(開放時間)は0.1秒とする。
次に、メイン制御基板30は、大入賞口161の作動時間が経過したか否かを判定し(S408)、経過していれば大入賞口161を閉口し(S410)、経過していなければ、入賞個数カウンタの値Cが規定個数であるか否かを判定して(S409)、規定個数でなければ大入賞口処理を終え、規定個数であれば大入賞口161を閉口する(S410)。なお、本実施形態では、規定個数を10個とするが、大入賞口161の作動時間が極短時間であるため、入賞個数カウンタの値Cが規定個数となることは正常状態においてはない。メイン制御基板30は、ラウンドカウンタの値Rが最大R数であるか否かを判定し(S411)、最大R数でなければ大入賞口処理を終え、最大R数であれば、エンディングを開始して(S412)、ラウンドカウンタの値Rをゼロクリアして(S413)、ステップS416に進む。なお、エンディングとは、最終ラウンドの終了から大当たり遊技の終了までの期間をいう。
また、メイン制御基板30は、ステップS402においてオープニング中でないと判定したときは、エンディング中であるか否かを判定し(S414)、エンディング中でなければ、大入賞口161の作動中か否かを判定する(S415)。そして、作動中でなければ、次のラウンド(大入賞口161の開放)を開始するためにステップS405に進み、作動中であればステップS408に進む。一方、ステップS414において、エンディング中であると判定したときは、ステップS416に進む。ステップS416においては、メイン制御基板30は、エンディング時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば遊技状態設定処理を行う(S417)。
遊技状態設定処理では、メイン制御基板30は、今終了した大当り遊技が、確変付き・次回大当りまで時短付きの大当りに当選したことによるものであれば、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグをオンする。また、確変無し・100回まで時短付きの大当りに当選したことによるものであれば、確変遊技フラグはオフのままとして時短遊技フラグをオンするとともに、特別図柄変動の回数を数えるカウンタの値を100にセットする。なお、このカウンタの値は、100にセットされた後、特別図柄抽選において大当りになることなくハズレになる度に、1ずつ減少され、上述した停止中処理では、このカウンタが参照される。また、確変無し・時短無し大当りに当選したことによるものであれば、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグをオフのままとする。かかる遊技状態設定処理後、メイン制御基板30は、大当り遊技フラグをオフし(S418)、大入賞口処理を終える。
電チュー処理(S109)では、図15に示すように、メイン制御基板30は、補助遊技フラグがオンか否かを判定し(S501)、オンでないと判定すれば電チュー処理を終えて、次の賞球処理(S110)に進む。一方、オンであると判定すれば、開閉部材152が作動中(開状態中)か否かを判定し(S502)、作動中でなければ、作動パターン(本実施形態では、時短遊技状態及び非時短遊技状態のいずれであっても、6.0秒の開放を1回)を設定して(S503)、その作動パターンに則った作動を開始する(S504)。次に、メイン制御基板30は、開閉部材152の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定し(S505)、経過していなければ電チュー処理を終え、経過していれば補助遊技フラグをオフしてから(S506)、電チュー処理を終えて、次の賞球処理(S110)に進む。
メイン制御基板30は、賞球処理(S110)では、始動口カウンタの値に応じた数の賞球、大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球、及び、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球を払い出すためのコマンドをセットして、それらのカウンタをゼロクリアする。そして、以上の各処理においてセットしたコマンドを払出制御基板31及び演出制御基板33に出力する出力処理(S111)を行う。
次に、遊技機1における遊技の流れの一部を、図16〜18に基づいて説明する。遊技が開始された状態では通常遊技状態であるため、遊技者は、通常、中央ゲート装置17を狙って、遊技領域5の左側部に遊技球Bを打ち込むいわゆる左打ちを行う。これは、中央ゲート装置17を遊技球Bが通過することにより、普通図柄抽選の権利を獲得可能であるとともに、中央ゲート装置17を通過した遊技球Bが、中央普通入賞装置18に入球することにより、賞球を獲得可能であるからである。なお、右ゲート装置14を遊技球Bが通過することによっても、普通図柄抽選の権利を獲得可能であるが、遊技機1では、右ゲート装置14を通過した遊技球Bが、普通入賞装置18に入球することはないように構成されている。また、遊技機1では、左打ちでなければ、中央ゲート装置17を遊技球Bが通過することはないように構成されている。また、ワープ通路21を通過した遊技球Bは、中央ゲート装置17を通過し易いため、遊技者は、通常、ワープ通路21の入口を狙って遊技球Bを発射する。ワープ通路21に入らなかった遊技球Bは、中央普通入賞装置18以外の普通入賞装置18に入球する場合があり、かかる場合にも遊技者は賞球を獲得可能である。通常遊技状態のときの普通図柄抽選の当選確率は、1/60であるので、通常、遊技者は遊技開始からしばらくの間は左打ちを続けることとなる。
遊技球Bが中央ゲート装置17を通過すると(図16のステップS601でYES)、遊技機1は普通図柄抽選を行い(S602)、普通図柄表示器23において普通図柄変動を行って抽選結果を示す図柄を停止表示する。そして、普通図柄抽選が当りでなければ(S603でNO)、ステップS601に戻るが、当りであれば(S603でYES)、遊技機1は、表示画面111における表示及びスピーカ9からの音声出力により、遊技者に右打ちすべきことを報知してから、始動口151を開放する補助遊技を行う(S604)。遊技者は、始動口151を狙って(すなわち、始動口151の上流側の特定遊技領域Aを狙って)、遊技領域5の右側部に遊技球Bを打ち込むいわゆる右打ちを開始する。
始動口151の開放中、すなわち、開閉部材152が開状態にあるとき、特定遊技領域Aを流下した遊技球Bの大部分は、開閉部材152に受け止められて始動口151に誘導され、始動口151に入球する。1回の補助遊技で始動口151は、10個以上の遊技球Bが入球しない限り6.0秒間開放されるので、遊技者が右打ちを継続することにより、複数の遊技球Bが始動口151に入球することとなる。また、特定遊技領域Aを流下した遊技球Bのうち、始動口151に入球しなかった遊技球Bは、右ゲート装置14を通過可能である。特に、図5、6に示すように、特定遊技領域Aを流下した遊技球Bは、開閉部材152が開状態にあるとき、開閉部材152上に乗った遊技球Bあるいは開閉部材152自体に当接することにより、開閉部材152が閉状態にあるときよりも、右ゲート装置14を通過し易い。遊技機1は、補助遊技開始後、最初の始動口151への入球を検出すると(S605)、特別図柄抽選を行い(S606)、特別図柄表示器22において特別図柄動を行って抽選結果を示す図柄を停止表示する。すなわち、1回の補助遊技においては、特別図柄抽選は、始動口151への1個目の入球に対してしか行われないが、1回の補助遊技における始動口151の開放時間が長く、上限個数である10個に近い入球が可能であるので、遊技者は多数の賞球を獲得可能である。なお、通常遊技状態では、特別図柄抽選の当選確率は、1/4である。特別図柄抽選が大当りでなければ(S607でNO)、遊技者は再び中央ゲート装置17を狙って左打ちを行うこととなる。一方、特別図柄抽選が大当りであれば(S607でYES)、遊技機1は、大入賞口161を開放する大当り遊技を行う(S608)。但し、上述したように、大入賞口161の開放時間は極短時間であるため、遊技球Bが大入賞口161に入球することは殆どない。
遊技機1は、大当り遊技後、その大当りの種類に応じて遊技状態を遷移させるとともに、確変大当りであれば(S609でYES)、確変連続回数をカウントするためのカウンタに、「10回」をセットする(S610)。このカウンタが示す回数を、以下、「リミッタ回数」という。確変大当たりに当選した場合に、確変連続回数の規定回数である11回よりも1回少ない回数をセットするのは、今当選した確変大当たりを含めて確変大当たりの連続当選を最大11回までとするためである。なお、このときの大当りの振分け率は、リミッタ到達前であるので、確変付き・次回大当りまで時短付きの大当りが96%、確変無し・100回まで時短付きの大当りが4%であり、したがって、大当り遊技後必ず時短遊技状態となり、しかも、大抵の場合、確変遊技状態となる。一方、ステップS609で非確変大当りと判定された場合には、ステップS601に戻るが、時短遊技状態になっているため、普通図柄抽選にほぼ当選し、特別図柄抽選が頻繁に行われることとなって、いずれは、確変大当たりに当選して、リミッタ回数として「10回」がセットされる(S610)。
時短遊技状態では、普通図柄当選確率がほぼ1/1となり、右ゲート装置14を遊技球Bが通過するとほぼ必ず始動口151が開放されるため、遊技者は右打ちを継続することとなる。上述したように、開閉部材152が開状態にあるとき、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bは、始動口151に入球しなかった場合、右ゲート装置14を通過し易い。右ゲート装置14を遊技球Bが通過すると(図17のステップS612でYES)、遊技機1は普通図柄抽選を行い(S613)、この場合殆ど当りとなって(S614でYES)、始動口151が開放される(S615)。時短遊技状態では、上述したように普通図柄変動時間が短いため、遊技球Bの右ゲート装置14通過から短時間で始動口151が開放されることとなる。
遊技機1は、始動口151への1個目の入球を検出すると(S616)、特別図柄抽選を行う(S617)。なお、特別図柄当選確率は、確変遊技状態ではほぼ1/1、非確変遊技状態では1/4であり、リミッタ回数が「10回」にセットされている場合には、確変遊技状態になっているため、ほぼ大当りとなる。また、特別図柄抽選がハズレとなっても(S618でNO)、次の大当りまであるいは特別図柄変動100回まで、時短遊技状態は継続されるので、遊技者は右ゲート装置14を狙って右打ちを継続することとなる。特別図柄抽選が大当りであれば(S618でYES)、遊技機1は、大当り遊技を行い(S619)、大当り遊技後、その大当りの種類に応じて遊技状態を遷移させるとともに、確変大当りであれば(S620でYES)、リミッタ回数を1回減算し(S622)、非確変大当りであれば(S620でNO)、リミッタ回数を11回にリセットする(S621)。このときの大当りの振分け率は、リミッタ到達前であるので、確変付き・次回大当りまで時短付きの大当りが96%、確変無し・100回まで時短付きの大当りが4%である。このように、遊技機1は、リミッタ到達前は、非確変大当りには当選し難いが、非確変大当りに当選すれば、リミッタ回数がリセットされ、確変大当たりを獲得できる回数が増加する。そして、非確変遊技状態では特別図柄当選確率は1/4であるが、特別図柄変動が100回行われるまでに大当りに当選する確率は高いため、大当りに当選して、時短遊技状態が継続される可能性は高い。したがって、始動入賞装置15において多数の賞球を獲得可能な遊技機1においては、一旦、確変大当りに当選した後、リミッタ到達前に非確変大当たりに当選することは、遊技者にとって有利であるといえる。
遊技機1は、リミッタ回数が0になれば(S623でYES)、リミッタ到達であるので、次の特別図柄抽選においては、リミッタ到達時の大当り振分率を用いる。すなわち、次に、遊技球Bが右ゲート装置14を通過し(S624でYES)、普通図柄抽選において当選し(S625、S626でYES)、補助遊技において始動口151に遊技球Bが入球して(S627、S628)、特別図柄抽選において大当りとなったとき(S629、S630でYES)、確変無し・100回まで時短付きの大当りを53%、確変無し・時短無しの大当りを47%とする。すなわち、必ず非確変大当りとする。そして、時短無しの大当りの場合には(S632でNO)、遊技状態を通常遊技状態に戻すが、時短付きの大当りの場合には(S632でYES)、時短遊技状態が延長されるため、リミッタ回数を11回にリセットする。すなわち、リミッタ到達時においても、確変無し・100回まで時短付きの大当りを引くことにより、時短遊技状態が延長されるとともに、リミッタ回数がリセットされるため、遊技者は、右打ちを継続することにより、多数の賞球を獲得可能であるとともに、かなりの確率で大当りに当選できることとなる。
以上説明したように、遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域5の第1位置P1に設けられ、遊技球Bが通過可能な右ゲート装置14と、遊技球Bが入球可能な始動口151と、始動口151に遊技球Bが入球し易い第1状態(開状態)と入球し難い第2状態(閉状態)とに可変な開閉部材152とを有して、第1位置P1よりも上流側の第2位置P2に始動口151が設けられた始動入賞装置15と、右ゲート装置14への遊技球Bの通過を契機として、開閉部材152を所定期間第1状態に変化させる補助遊技を行うことが可能な補助遊技実行手段(メイン制御基板30)と、始動口151への遊技球Bの入球を契機として、所定の特別遊技(大当り遊技)を行うことが可能な特別遊技実行手段(メイン制御基板30)と、特別遊技実行手段による特別遊技の実行終了後、開閉部材152が第1状態になり易い特定遊技状態(時短遊技状態)で遊技を制御することが可能な特定遊技状態制御手段(メイン制御基板30)と、を備え、始動入賞装置15は、開閉部材152が第1状態にあるときには、始動口151の上流側の特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bを受け止めて始動口151に誘導可能であり、開閉部材152が第2状態にあるときには、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bが始動口151に誘導されることなく開閉部材152の前面側を通過可能であり、第1位置P1が、開閉部材152が第1状態にあるときに特定遊技領域Aを流下してきた複数の遊技球Bのうち始動口151に入球しなかった遊技球Bが、通過可能な位置とされている。
すなわち、開閉部材152が入球し易い第1状態にあるとき、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bは、開閉部材152に受け止められて始動口151に入球可能であり、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bのうち始動口151に入球しなかった遊技球Bは、右ゲート装置14を通過可能である。したがって、遊技機1は、始動口151が開放されているときに、始動口151に入球しなかった遊技球Bが右ゲート装置14を通過し易く、始動入賞装置15と右ゲート装置14とに遊技球Bを効率よく入球・通過させることが可能である。
以下、変形例について、上記実施形態の構成要素と対応する構成要素については同じ符号を付して、その説明を適宜省略しつつ説明する。
上記実施形態では、遊技領域5の右側部に配置されるゲート装置として、右ゲート装置14を1つのみ設けたが、図19に示すように、右ゲート装置14を複数(ここでは、2つ)配置してもよい。区別のために、右ゲート装置14a、14bと表記すれば、右ゲート装置14a、14bは、始動入賞装置15の開閉部材152の左右方向における中心線Lを挟んで、左右に配置されている。そして、右ゲート装置14bは、開閉部材152が閉状態である場合には、遊技球Bが殆ど通過しない位置に配置されている。図19の例では、特定遊技領域Aを流下した遊技球Bは、誘導釘13により、遊技領域5の開閉部材152が配置されている部分、及び、それより左側の部分には誘導されるが、遊技領域5の開閉部材152が配置されている部分より右側の部分には、誘導されない。したがって、開閉部材152の斜め右下に配置されている右ゲート装置14bに、遊技球Bが入球するのは、開閉部材152が開状態のときが殆どである。すなわち、開閉部材152が開状態のときは、開閉部材152が閉状態のときよりも、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bのうちの始動口151に入球しなかった遊技球Bが右ゲート装置14bを通過する率が高くなり、延いては、特定遊技領域Aを流下してきた遊技球Bのうちの始動口151に入球しなかった遊技球Bが右ゲート装置14a、14bのいずれかを通過する率が高くなる。このように、始動口151の下流側にゲート装置を複数設けた場合には、開閉部材152が開状態のときは、開閉部材152が閉状態のときよりも、それら複数のゲート装置を合わせた通過率(技領域Aを流下してきた遊技球Bのうちの始動口151に入球しなかった遊技球Bの通過率)が高くなるように構成すればよい。例えば、開閉部材152が開状態のとき、開閉部材152が閉状態のときよりも、右ゲート装置14aの通過率は低くなったとしても、右ゲート装置14bの通過率が高くなることにより、右ゲート装置14a、14bを合わせた通過率が高くなるように構成すればよい。
また、図20に示すように、始動入賞装置15の他に始動入賞装置19を設けることとしてもよい。始動入賞装置19は、常時遊技球Bが入球可能であって、入球のし易さが変わらない構成とされ、遊技領域5の中央部の下部であって、ステージ部20の下方に設けられており、ステージ部20に乗った遊技球Bは、始動入賞装置19に入球し易い。なお、始動入賞装置19の下方に普通入賞装置18は設けられていない。かかるタイプの遊技機にも、本発明は適用可能である。さらに、いわゆるV入賞口を有するタイプの遊技機にも、本発明は適用可能である。
また、開閉部材152の端部に当接した遊技球Bが、右ゲート装置14を通過し易いように、開閉部材152の端部に右ゲート装置14に向けて斜め下方に傾斜する傾斜面を設ける等、開閉部材152の端部を、右ゲート装置14に向けて遊技球Bを誘導可能な形状としてもよい。
さらに、右ゲート装置14や中央ゲート装置17を遊技球Bが通過すると賞球が得られるようにしたり、始動入賞装置15,19において特別図柄抽選の権利を保留可能としたり、右ゲート装置14や中央ゲート装置17において普通図柄抽選の権利を保留しないようにしたり、大入賞装置16の開放時間を長くして賞球を獲得可能としたりすることも可能である。