JP6353646B2 - 荷電粒子線装置及び当該装置を用いた試料の観察方法 - Google Patents

荷電粒子線装置及び当該装置を用いた試料の観察方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子線装置に関し、特に観察試料の良好な凍結状態を維持するのに好適な方法、及び装置に関する。
近年、微細な組織構造を持つ試料の観察や分析に、走査形電子顕微鏡( Scanning Electron Microscopy : 以下、SEMと称することがある )や透過形電子顕微鏡( Transmission Electron Microscopy: 以下、TEMと称することがある)、あるいは透過形走査電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscopy : 以下、STEMと称することがある)が多用されるようになった。
現在、電子顕微鏡を用いた生物試料の観察は、固定された試料を用いている。試料の固定には、グルタールアルデヒドなどの還元剤を固定液に用いる化学固定法と、急速凍結により瞬時に動きを停止させ、その時の構造を保持する物理固定法がある。化学固定法では、組織を重金属で染色するため、構造を明瞭なコントラストで観察することができるが、試料中に含まれる蛋白質が破壊されることもあり、生物組織本来の構造を捉えられないこともある。物理固定法は、特別な凍結装置が必要であるが、染色剤等によるアーティファクト形成はなく、生物組織本来の構造を保持することができる。
氷包埋法は、電子顕微鏡法の急速凍結の一種であり、試料を急速凍結し、固定や染色を行わずに、極低温で電子顕微鏡による観察を行う手法である。液体窒素で冷却した液化エタンに、組織内に水を含んだ生物や食品、高分子などの試料を投入し、104℃/sec以上の冷却速度で急速凍結し、非晶質氷に包埋された試料を観察する。薄膜状に形成された非晶質の氷を支持体として、固定や染色、乾燥もせず観察が可能である。
このような急速凍結法により作製した試料は、TEMやSTEMによって観察される。特許文献1には、食品など液状試料を本来の組織構造を正確に観察するため、急速凍結後、TEMを用いている。また氷包埋法を用いてTEMを行う手法については非特許文献1に記載されている。これらの文献に記載されているTEMやSTEMは加速電圧が80kV〜300kVの高加速電圧を使用している。その一方、最近では30kVの加速電圧を最高加速電圧とするSEMにSTEM検出器を取り付け、30kVでの透過像観察も可能になってきた。
特開2013−88328号公報 特開2004−214065号公報 特開平7−122220号公報
豊島 近: Ice Embedding法, 実験医学, Vol.8, No.5, 49(433)-57(441), 1990 木村 利昭:走査電子顕微鏡(4) 日本調理科学会誌,Vol.33, No.1, 86-93, (2000)
水を含む液体試料や生物細胞を荷電粒子線装置で観察する際は、急速凍結法などの前処理方法を用い試料を作製する。この時、試料は、凍結状態に維持できる試料ホルダーに載せ、荷電粒子線装置へ導入している。氷包埋法で作製された凍結試料や冷却された試料は特許文献1や非特許文献1に示すように、TEM観察専用装置もしくはSTEM観察専用装置を用いている。入射電子線と試料との相互作用により、様々な情報を持つ電子線やX線が試料から放出されるが、TEM像やSTEM像は、試料を透過した非弾性散乱電子もしくは弾性散乱電子を検出している。そのため、試料表面の情報は得られない。
図1を用いて、氷包埋法で作製した試料を観察する際の課題について説明する。図1(a)は正常な氷包埋試料の模式図と、その観察結果の模式図である。氷包埋法で作製された試料101では、非晶質氷102に構造物103が本来の構造を保ったまま内包されている。電子線104が試料101を走査すると、二次電子像(以下、SEと称することがある)105は非晶質氷の表面を示し、コントラスト変化として表される凹凸情報は得られない。一方、透過電子信号である明視野像(以下、BFと称することがある)106や暗視野像(以下、DFと称することがある)107では構造物103をコントラストの違いで確認できる。
氷包埋試料作製を誤ったり、氷包埋試料の観察に熱ダメージを与えると、非晶質氷が昇華や融解し、内包されるはずの構造物が表面に露出することがある(図1(b))。このような試料では、露出した部分の構造物に電子線が直接照射され、電子線ダメージが生じるため、氷包埋試料の観察には適さない。この場合、二次電子像105では、露出した構造物により、凹凸情報が検出され、コントラストの違いとして現れる。しかし、明視野像106や暗視野像107では、得られる情報は試料を透過してきた情報であり、正常な氷包埋試料と同様のコントラストで観察され、氷包埋試料の適不適を判断できない。
図1(c)に示すように、非晶質氷に試料が内包されているが、表面に霜108が付着することがある。明視野像106や暗視野像107の観察では、表面の霜108はコントラストが変化して示されるため、明視野像および暗視野像の観察だけでは、霜が付着しているのか、試料中に本来存在する構造であるのかの判断が難しい。この様な場合にも、二次電子像による表面観察を行うことが望ましい。
凍結試料や氷包埋試料の観察において、霜の付着がないことや、非晶質氷の融解や昇華がないことで試料を良好な状態と判断することが重要であり、そのためには、同じ視野を透過電子像と二次電子像で同時に観察を行う必要がある。
特許文献2(特開2004−214065)には、SEMにおいて、検出が困難であった散乱角の大きな透過電子(暗視野信号)を検出するとともに、散乱角の範囲を選択可能である機構を持たせ、高コントラストのSTEM像を取得する方法が開示されている。しかし、観察視野から得られる信号は、任意に選択して一種類ずつ表示する機構になっている。そのため、例えば明視野像と暗視野像、二次電子像を取得する場合は、観察視野を3回電子線で走査し、信号を検出する必要がある。
特許文献3(特開平7−169429)は、SEMにおいて、明視野像用と暗視野像用の絞りを共通の絞り台に保持させ、この絞り位置を切り替えることによって一つの検出器で暗視野信号と明視野信号を切り替えて観察方法が開示されている。上記絞りが光軸上で出し入れすることで切り換えるため、明視野像と暗視野像を同時に観察することはできない。そのため、明視野像と暗視野像を取得するためには、2回の電子線の走査でそれぞれの信号を取得しなければならない。電子線起因の熱ダメージを考慮すると、凍結試料や氷包埋試料は、熱に弱いため、画像を取得するための電子線走査回数はより少ない方が望ましい。
本発明が解決しようとする課題は、生物試料や食品、含水材料などの凍結試料を、良好な凍結状態を保障しながら電子顕微鏡による観察が可能となる試料観察装置と、試料観察方法を提供することにある。
上記課題を解決するための一態様として、一次電子を試料に照射し、前記試料上で走査する光学系と、当該照射に基づいて得られる電子を検出する検出系と、真空室と、を備えた荷電粒子線装置において、前記検出系は、一次電子線の走査によって試料から発生する二次電子を検出する二次電子検出器と、前記一次電子線が前記試料内で散乱することによって発生する透過電子のうち、非散乱電子と、非弾性散乱電子と、を検出する明視野信号検出器と、当該透過電子のうち、非弾性散乱電子を検出する暗視野信号検出器と、から構成される透過電子検出器と、を有し、当該検出された電子に基づいて画像を形成し、記憶する制御装置と、前記試料を冷却する冷却源を有し、当該冷却した状態を保持する試料冷却手段と、前記試料冷却手段の温度を設定する温度設定手段と、前記真空室の水分を吸着するコールドトラップと、前記真空室の真空度を測定する真空計と、を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
本発明により、凍結された試料の観察に、二次電子像と、透過電子像である明視野像、及び暗視野像の少なくとも3種以上の信号を同時に観察できるようになるため、電子線による熱ダメージの影響を少なくすることができる。
また、少なくとも3種以上の信号を同時観察することで氷包埋法によって作製した試料が適正か否かを判別でき、良好な試料の凍結状態を保障することが可能となる。
また、氷包埋試料の表面に霜が付着した場合も、少なくとも3種以上の信号の同時観察によりこれが霜であることを特定できるので、コールドトラップ位置、真空度、ホルダー温度を調節することが可能である。
これらの機能により、氷包埋法などで作製した凍結試料に対し、良好な凍結状態を維持したまま、安定的に観察を行うことができる。
正常な氷包埋試料の模式図と、その観察結果の模式図。 構造物が氷表面に露出した試料の模式図と、その観察結果の模式図。 氷表面に霜が付着した試料の模式図と、その観察結果の模式図。 本発明の一実施例を示す構成概略図。 本発明による主操作および画像処理コントロール部の機能を示す図。 同時観察による試料の品質判定工程を説明するフローチャート。 氷包埋法によって作製された正常な試料の模式図。 霜の除去工程を説明するフローチャート。 本発明の実施の形態に係る証明書の例を示す図。 本発明の実施の形態に係る取得画像の表示例を示す図。 本発明の一実施例であるディスプレイへの表示を示す画面図。
以下、実施例について図面を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るSTEM像の観察が可能な走査電子顕微鏡装置の構成例を示す概略図である。
図2において、電圧が印加された引き出し電極203が形成する電界により、電界放出形電子銃201から放出された電子線202は、陽極204により加速され、第一の集束レンズ205によって集束され、対物レンズ絞り206でビームの不要な領域が除去される。対物レンズ絞り206を通過した電子線202は、第二の集束レンズ207と対物レンズ210によって細く絞られる。また、絞られた電子線202は、偏向コイル208により試料上を二次元的に走査される。
電子の持つエネルギーに対し、試料が十分に薄い場合、電子は試料211を透過する。試料を透過する電子は、試料内でも非散乱もしくは非弾性散乱した明視野信号電子214と弾性散乱した暗視野信号電子212に分けられる。
明視野信号電子214は、明視野絞り215により散乱角が制限され、絞りを透過した明視野信号電子のみが明視野信号検出器216で検出される。一方、暗視野信号電子212は試料内で散乱されるため、ある角度を持って試料を透過し、対物レンズ下方に配置された暗視野信号検出器213によって検出される。暗視野信号検出器213は、試料と明視野絞り215のある上下方向で、適切なコントラストが得られるように動作する。暗視野信号検出器213は、例えば、ユーザーがディスプレイ218上で暗視野像を確認しながら、適切なコントラストが得られるように、図8において示す暗視野信号検出器制御ボタン815を選択すると、制御装置217に位置制御信号が伝達され、暗視野信号検出器213が可動する。
また、試料を電子線202が走査する時、入射電子の非弾性散乱によって、試料内の電子が励起され、真空中に放出された電子を二次電子と呼ぶ。二次電子を検出する二次電子検出器209を備えることにより、二次電子像として試料の表面形状の観察を行うことができる。ここで、二次電子には、試料の組成情報を持つ反射電子も含まれている。
二次電子検出器209と、明視野信号検出器216、暗視野検出器213などから得られた信号は、制御装置217が備える画像処理コントロール部225へ送られ、画像処理を行い、画像表示指示により、ディスプレイ218に表示される。
また、真空の試料室には、コールドトラップ220と、コールドトラップの先端位置を移動させるための位置調節機構219が付いており、真空度や凍結試料に付着した霜の状態により、先端位置の調節が可能となっている。
試料室には真空度を計測するための真空計221が備わっており、測定した真空度は制御装置217が備える画像処理コントロール部225へ送られる。
試料冷却ホルダー222は、液体ヘリウムや液体窒素、スラッシュ窒素など極低温の冷却源を保存する冷却源容器223を備え、熱伝導によってホルダー先端に固定された試料を凍結させた状態に保持できる。一定の温度に保持したり、凍結試料をさらに冷却させたり、霜を昇華させるためにホルダー温度を任意の温度に設定できるヒーターを備え、温度調節は温度調節機構224によって変更できる。試料冷却ホルダー222の温度は制御装置217が備える画像処理コントロール部225へ送られる。送られた測定結果は、ディスプレイ218に表示される。
図3は、図2の画像処理コントロール部225の機能および処理について説明した図である。画像処理コントロール部225では、凍結試料が適正な凍結状態にあるかを判断し、凍結試料の安定した観察のために真空雰囲気をコントロールする。
氷包埋試料などの凍結試料が試料冷却ホルダー222に固定され、凍結状態を維持できる温度、例えば、−90℃から−170℃の間で走査電子顕微鏡に導入される。試料冷却ホルダー222導入後、ホルダー温度と真空度とコールドトラップ先端の現在位置が測定され、その結果が画像処理コントロール部225へ入力される。例えば、ホルダー温度、真空度、コールドトラップ位置はそれぞれホルダー温度調節部301、真空度測定部302、コールドトラップ位置調節部303に測定結果が入力され、測定結果を元に最適条件演算部305で計算される。最適条件演算部305では、適正な真空度と試料温度を維持するためのホルダー設定温度、真空度、及びコールドトラップ位置の条件を求める。例えば、非特許文献2において説明される水の飽和蒸気圧曲線に沿い、試料温度が−100℃の時は、真空度は1×10-5Torrに設定される。
最適条件演算部305で得られた演算結果は、再びホルダー温度調節部301、真空度測定部302、コールドトラップ位置調節部303に入力される。演算結果が入力されたホルダー温度調節部301から、ホルダーの温度調節機構224へ新たな設定温度が伝達され、試料冷却ホルダー温度が適切な温度に再設定される。同様に、演算結果が入力されたコールドトラップ位置調節部303から、コールドトラップ位置調節機構219へ新たな設定位置が伝達され、コールドトラップ先端が適切な位置に設定される。ステージ位置設定部304ではコールドトラップ位置と試料が干渉しないよう、ステージ位置を計測し、干渉する場合は、ディスプレイ表示設定部312を経て、ディスプレイ218に警告表示される。

また、少なくとも3つの検出信号から形成される画像の観察から、種々の処理を行うための基準となる判定も画像処理コントロール部225で行う。
たとえば、二次電子画像演算部306では、二次電子検出器209で得られた信号が入力され、明視野画像演算部307には、明視野信号検出器216で得られた信号が入力される。同様に暗視野画像演算部308では、暗視野信号検出器213で得られた信号が入力される。これらの画像は画像取得切替部309により、1種類の信号のみを選択して検出したり、もしくは二次電子信号、明視野信号および暗視野信号など複数の信号を同時に取得する切り替えが可能である。
画像処理コントロール部225には、得られたそれぞれの画像から、凍結試料が正常に凍結されているかを判断するための画像処理を行う、取得画像演算部310を備えている。取得画像演算部310は、同時に得た二次電子像や透過電子像から画像処理と比較を行う。例えば、両画像にエッジ検出処理を行い、凹凸情報を抽出し、抽出した位置が両画像で一致する量を計算し、その大小により試料が非晶質氷から露出しているかどうかを判断する。他には、正規化相関法や位相限定相関法など、テンプレートマッチングの技術を使用し、両画像の類似度を評価し、試料の適否判断に適用することができる。
荷電粒子線照射量演算部311では、ステージ移動を行った後に、観察倍率の変化無く同一視野を観察し続けた間の電子線照射量を測定する。例えば、同一視野の観察を続け、ある時点で、試料状態が非晶質氷の昇華や融解により適正ではなくなった時の電子線照射量を記憶し、観察可能な時間を算出することができる。観察可能時間はディスプレイ表示設定部313を経て、ディスプレイ218へ表示される。
画像取得切替部309によって、2種以上の信号を同時に取得する場合は、同時取得をしたことが認識できるよう、画像上、あるいはディスプレイ上に表示されるか、記録部314に記録、あるいは証明書等のデータとして発行される。ここで、異なる種類の信号を同時に取得したことを示す証明書は、証明書発行設定部312によって、図示しない出力手段を介して発行される。この証明書は、取得した画像が記録部314に保存されるのと同時に保存される。
取得した二次電子信号や透過電子信号は、ディスプレイ表示設定部313により、ディスプレイ218に同時表示される。取得信号以外に、真空度や、試料冷却ホルダー温度、コールドトラップ温度、試料が正常かどうかの判定結果をディスプレイ表示設定部313によりディスプレイ218に表示可能となる。
記録部314には、同時取得画像や証明書、画像取得時のコールドトラップ及びステージ位置、計測した真空度と試料冷却ホルダー温度が記録される。
図4は、二次電子信号と明視野信号および暗視野信号を同時取得して、氷包埋試料もしくは凍結試料の品質が適正であるかを判別する工程を示す。
開始後、凍結試料は試料冷却ホルダーによって凍結状態を維持できる温度、例えば、−90℃から−170℃の間で固定され、電子顕微鏡に導入される。その後、任意の試料位置に視野を動かすため、ステージ移動を行う(ステップ401)。次に、一次電子線を試料上で走査して、二次電子像と明視野像、暗視野像を同時に取得する(ステップ402)。得られた3種類の信号は、図3の画像処理コントロール部225に送られ、ディスプレイ218に表示されると同時に、画像処理(ステップ403)により適正な氷包埋状態にあるかどうかを判断される(ステップ404)。ここで、試料が適正な氷包埋状態にあるかどうかを判断する手法の詳細については、実施例4において図5を用いて後述する。画像処理(ステップ403)により、試料が正常に氷包埋されていると判断された場合は、引き続き一次電子線の走査を行い、3種の信号を同時に取り込み(ステップ405)、画像へ変換され、ディスプレイに表示される。また、この時の画像は保存される(ステップ406)。ここで、異なる種類の信号を同時に取り込んだ場合には、同時取得をしたことが認識できるよう、画像上、あるいはディスプレイ上に表示されるか、記録部314に記録、あるいは証明書等のデータとして発行される。
一方、試料が正常に氷包埋されていると判断されなかった場合には、ステップ401に戻り、ステージ移動を行う等により、画像を取得する条件を調整する。
次に、撮影者が観察を続ける場合は、同じ視野、もしくは別な視野での撮影を続けることができる。観察を続けない場合は、工程が終了となる(ステップ407)。
図5に氷包埋法によって作製された試料の模式図を示す。
例えば、細胞や細菌、高分子や食品などの構造物503が水等の溶媒に溶けている液状試料を用いた場合、急速凍結などの手法により、非晶質の氷502に凍結される。周りが非晶質の氷に覆われた構造物503は、表面には露出せず、非晶質氷502の内部に存在する(図5上図)。
この状態の凍結試料501は、電子線504が表面を走査すると、二次電子信号や明視野信号、暗視野信号が得られる。二次電子信号を検出器によって取得し、画像へ変換されると、表面は非晶質の氷におおわれているため凹凸が無く、比較的均一なコントラストの二次電子像505が得られる。一方、明視野信号や暗視野信号を画像に変換すると、非晶質氷内部の構造物のコントラストが画像として得られる。明視野像506では、試料を透過した電子のうち、散乱されずに透過した電子や、小さい角度で散乱した電子を検出して結像され、細胞や食品など非晶質な材料の場合、明るいコントラストで見え、回折を引き起こす部分は暗いコントラストで観察される。また、暗視野像507では、透過した電子のうち、ある特定の回折波だけを透過させて検出するので、回折を引き起こす部分は明るく、回折を引き起こす部分以外と非晶質の部分はそれに比べて暗く見える。一般的には、明視野像は構造物が存在する部分は暗く観察され、非晶質氷部分は明るく見えるのに対し、暗視野像では構造物が存在する部分は明るく見え、非晶質氷部分は暗く見えることが多い。
このように、正常な状態の氷包埋試料において、二次電子信号は凹凸が無いため、均一なコントラストを持つ画像が得られ、暗視野像や明視野像では、内包する構造物のコントラストがついた画像が得られる。このときの画像処理を画像処理コントロール部225で行う。その結果、この場合は、正常な凍結試料として判断され、観察を続行することができる。二次電子信号を含む複数の信号を同時に取得した場合は証明書が発行され、画像やテキストデータとして保存される。また、ディスプレイ218は、試料状態が適正であるという表示がなされる。
図6は、凍結試料を電子顕微鏡に導入後、試料表面に霜が付着した場合の対処方法を示したフローチャートである。
電子顕微鏡へ試料を導入後、試料室内の微量の水蒸気が、冷却された試料やホルダーへ霜となって付着することがある。また、氷包埋法などで作製した試料は、−170℃近傍にホルダーによって保持されることが多い。そのため、コールドトラップの冷却温度では、水分(霜)をコールドトラップに集めることが難しい。そこで、本実施の形態では、図6のようなフローチャートに従って処理を行うことで、霜を除去する。
凍結試料は試料冷却ホルダーによって凍結状態を維持できる温度に固定され、電子顕微鏡に導入される。その後、任意の試料位置に視野を動かすため、ステージ移動を行う(ステップ601)。次に、試料状態を確認するため、二次電子像と明視野像、暗視野像を同時に取得する(ステップ602)。得られた3種類の信号は、図3の画像処理コントロール部225に送られ、ディスプレイ218に表示されると同時に、画像処理(ステップ603)により霜が付着しているかを判断される(ステップ604)。
霜の付着が無いと判断された場合は、3種の信号の同時観察および撮影を行う(ステップ610)。複数の信号を撮影した場合は、画像保存と合わせて異なる信号を同時に取得したしたことが認識できるよう、画像上、あるいはディスプレイ上に表示するか、記録部に記録、あるいは証明書等のデータとして発行される(ステップ611)。その後、観察者が撮影を続行する場合は、ステージ移動(ステップ601)を行い、別な視野で観察を続けてもよい。撮影を続行しない場合はそのまま終了となり、試料冷却ホルダーの取り外しなどを行う。
一方、霜の付着があると判断された場合は、水の蒸気圧曲線に従い、測定した真空度で霜が昇華する温度まで、試料冷却ホルダー222(28)の温度を上昇させる(ステップ605)。ここで、水の蒸気圧曲線の一例としては、上述の通り非特許文献2等において説明されており、本実施の形態では、制御装置217に当該曲線が記憶され、自動的に設定温度を求めるように構成することもできるし、あるいはユーザが当該曲線に基づいて設定温度を入力することもできる。例えば、試料室の真空度が1×10-5Torrで試料冷却ホルダーは−170℃に冷却されていたとき、試料表面に付着していた霜は、試料冷却ホルダー温度を約−90℃に上昇させることにより昇華する。その結果、試料室内の真空度は低下するため、この値を検知する(ステップ606)。次に、コールドトラップ220の先端位置を移動させる(ステップ607)。コールドトラップ220は試料室内雰囲気中に残留する水蒸気や、昇華により試料から発生する水蒸気を、冷却した金属に吸着してトラップするものである。先端位置をより試料に近づけることで、試料から昇華した水分を効率よく吸着させる。その後、真空度を再び検知し(ステップ608)、試料温度上昇(ステップ605)前の真空度に戻っていれば、観察に適した試料温度になるよう、試料冷却ホルダー222の温度を低下させる。再度、試料表面確認用の画像を取得し(ステップ602)、霜が付着していれば、ステップ602からステップ609の工程を実施する。
図7(a)の証明書701は図3において示した証明書発行設定部312により発行される証明書の一例を示した模式図である。上述の通り、証明書を発行しなくても、同内容を画像上やディスプレイ上に表示し、記録することもできる。
画像処理コントロール部225のシステムのバージョンや、電子顕微鏡の機種名、電子顕微鏡の製品番号の他、画像のシリアル番号として機種や撮影日時、同時に撮影した一組の画像に与えられる番号を示す。また、撮影者の氏名が発行者欄に記載される。その他、撮影日時や撮影地域などが記載可能となる。この証明書は、発行後は編集や追記ができないよう読み取り専用機能などが付加してある。撮影者の氏名は、電子顕微鏡起動時に、ユーザーそれぞれの氏名や、パスワードによりログインした個別のシステムにより、区別され記入される。画像シリアル番号は、これまで撮影してきた同時観察像を連番で記録され、変更できないようになっている。
また図7(b)の取得画像702には取得した画像に情報として記号が付加された一例を示す。
検出した信号を画像表示すると、画像の下部に機種名や、観察条件である加速電圧や、観察倍率、検出信号と、情報703が記録される。
例えば3種類の信号を同時に取得し画像保存した場合は、画像の一部分に、3枚中の1枚(1/3)というような一組であることを示す文字列や画像、記号等の情報を記録する。
二次電子信号を含んだ透過電子信号を同時に取得し、画像保存した際に、証明書701を発行することで、適正な凍結状態にある氷包埋試料を観察した結果であることを示す証拠となる。さらに、氷包埋試料の観察は、特許文献1に記載されているように、透過電子像を観察してきたが、二次電子像の観察も同時に取り込んだことを示す証明書を発行することで、氷包埋試料観察における観察基準の標準化を図ることができる。
図8は、3種の信号を取得する際のディスプレイ表示の一例を示した図である。
ディスプレイ218のスクリーン801には、二次電子像802、明視野像803および暗視野像804を同時に表示する領域がある。
条件表示部805には、図2の試料冷却ホルダー222の冷却温度とコールドトラップ220の先端位置、真空計221で検知した真空度の値が表示される。設定部806では、試料冷却ホルダー温度を任意の温度に設定した値が設定温度ボタン807に表示される。コールドトラップ位置も任意の位置に設定した場合は、その入力値位置設定ボタン808に表示される。
操作指示部809には、試料凍結状態を判断する試料凍結状態判断指示部810と、霜付着を判断する霜付着判断指示部811が表示される。試料凍結状態判断指示部810を選択すると、図4のフローチャートが実施できる。フローチャート実施後、試料凍結状態が適正出なかった場合、警告表示に切り替わる。
霜付着判断指示部811を選択すると、図6に示したフローチャートが実施され、霜は付着していると判断された場合は、霜付着が改善するまで霜付着ボタンが警告表示に切り替わる。
試料位置ボタン812は、霜付着判断指示部811を選択し、判定の結果、コールドトラップ先端位置が試料に近づいた際、試料とコールドトラップ先端が干渉するという結果が得られた場合、警告表示に切り替わる。
画像取得指示部813を選択すると、3種類の信号を同時に取り込んだり、1種のみ、もしくは4種類の画像を任意に取り込むことができる。画像取得指示部813で選んだ信号の指示は画像取得切替部309に伝達され実行される。4種類の信号を取り込む場合は、現在条件表示部805や設定部806、操作指示部809の画面領域が画像表示に切り替わり、4種同時表示が可能となる。終了ボタン814は、一連のクライオ観察を終了する場合に選択する。
薄い膜状の試料から含まれる構造物の三次元構造を理解するため、トモグラフィー法が知られている。この手法は、試料を高角度(最大傾斜角度:60°〜80°)に傾斜させながら、連続的にTEM像やSTEM像を撮影し、得られた一連の連続傾斜像から薄膜試料の三次元情報を再構築する手法である。連続した傾斜像は数十枚以上取得することになるが、その枚数が多いほど、試料は電子線による熱ダメージを受けることになる。しかし、通常はTEM像やSTEM像など透過像観察によるものであるため、試料表面の熱ダメージによる変形や変質は捉えづらい。そこで、二次電子信号を利用して、試料の変形や変質が無いかモニタリングしながらトモグラフィーを行う手法を提案する。
本発明では、透過像以外に二次電子信号も一度の電子線走査で同時に取得することができる。例えば、各角度で少なくとも3種類の信号を同時取得していくが、試料が非晶質氷に包埋されていれば、試料を傾斜して得られた二次電子信号は、どの角度でも凹凸情報は観察されない。連続傾斜像取得中に、凍結試料が熱により変形すると、二次電子信号に変形した部分の凹凸情報が含まれるようになり、試料が変形したことが分かる。連続傾斜像取得と同時に得た二次電子像は、画像取得前後の画像と比較することによっても、試料表面の変形や変質を認めることができる。
連続傾斜像の取得中に、試料が変形したことが認められた場合は、ディスプレイ218の試料凍結状態が警告表示に切り替わる。このような、試料品質の判定には、図8の試料凍結状態判断指示部810において、判定を行うこともできる。このような機構により、凍結試料や氷包埋試料のトモグラフィー実施中においても、試料の品質を適切に維持した観察を行うことができる。
電子線ダメージを受けることにより、凍結試料や氷包埋試料は変形したり、変質することがある。観察して画像を得たい視野を探している間の電子線照射のため、観察を行う時にはすでに試料が変形していることもある。そこで、視野探しをしている間から同時観察を行い、取得される画像データを連続的に取得、記録し、動画として保存する。これにより、試料変形以前の正常試料の観察画像を観察終了後に抽出することができる。
101、211、501・・・試料
102、502・・・非晶質氷
103、503・・・構造物
104、202、504・・・電子線
105、505、802・・・二次電子像
106、506、803・・・明視野像
107、507、804・・・暗視野像
108・・・霜
201・・・電界放出形電子銃
203・・・引き出し電極
204・・・陽極
205・・・集束レンズ
206・・・対物レンズ絞り
207・・・集束レンズ
208・・・偏向コイル
209・・・二次電子検出器
210・・・対物レンズ
212・・・暗視野信号電子
213・・・暗視野信号検出器
214・・・明視野信号電子
215・・・明視野絞り
216・・・明視野信号検出器
217・・・制御装置
218・・・ディスプレイ
219・・・コールドトラップ位置調節機構
220・・・コールドトラップ
221・・・真空計
222・・・試料冷却ホルダー
223・・・冷却源容器
224・・・温度調節機構
225・・・画像処理コントロール部
301・・・ホルダー温度調節部
302・・・真空度測定部
303・・・コールドトラップ位置調整部
304・・・ステージ位置調整部
305・・・最適条件演算部
306・・・二次電子画像演算部
307・・・明視野画像演算部
308・・・暗視野画像演算部
309・・・画像取得切替部
310・・・取得画像演算部
311・・・荷電粒子線照射量演算部
312・・・証明書発行設定部
313・・・ディスプレイ表示設定部
314・・・記録部
701・・・異なる種類の信号を同時取得したことを示す証明書の一例
702・・・取得画像の一例
703・・・取得画像中に表示される情報の一例
801・・・スクリーン
805・・・条件表示部
806・・・設定部
807・・・設定温度ボタン
808・・・入力値位置設定ボタン
809・・・操作指示部
810・・・試料凍結状態判断指示部
811・・・霜付着判断指示部
812・・・試料位置ボタン
813・・・画像取得指示部
814・・・終了ボタン
815・・・暗視野信号検出器制御ボタン

Claims (24)

  1. 一次電子を試料に照射し、前記試料上で走査する光学系と、
    当該照射に基づいて得られる電子を検出する検出系と、
    真空室と、を備えた荷電粒子線装置において、
    前記検出系は、一次電子線の走査によって前記試料から発生する二次電子を検出する二次電子検出器と、前記一次電子線が前記試料内で散乱することによって発生する透過電子のうち、非散乱電子と、非弾性散乱電子と、を検出する明視野信号検出器と、当該透過電子のうち、非弾性散乱電子を検出する暗視野信号検出器と、から構成される透過電子検出器と、を有し、
    記二次電子検出器により検出された二次電子、及び、前記透過電子検出器により検出された透過電子に基づいて、前記試料に霜が付着しているか否かを判定する制御装置を更に備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 記試料を冷却する冷却源を有し、当該冷却した状態を保持する試料冷却手段と、
    前記試料冷却手段の温度を設定する温度設定手段と、
    前記真空室の水分を吸着するコールドトラップと、
    前記真空室の真空度を測定する真空計と、を更に備えることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記制御装置は、前記一次電子線を、前記試料上の所定の領域において、所定の回数走
    査することにより得られる二次電子を前記二次電子検出器で検出し、当該検出された二次
    電子に基づいて二次電子像を形成するとともに、当該走査により得られる透過電子を前記
    透過電子検出器で検出し、当該検出された透過電子に基づいて透過電子像を形成することを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記明視野信号検出器、前記暗視野信号検出器は、各々の検出器の位置を移動する移動
    機構を備え、
    前記制御装置は、当該形成された二次電子像又は透過電子像のコントラストに基づいて、前記明視野信号検出器、前記暗視野信号検出器の少なくとも一方を移動するように前記移動機構を制御することを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  5. 前記制御装置は、当該形成された二次電子像と、前記二次電子像とともに形成された透
    過電子像と、に基づいて、前記試料冷却手段によって冷却された前記試料の状態を判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  6. 前記制御装置は、当該形成された二次電子像と、前記二次電子像とともに形成された透
    過電子像と、に基づいて、前記試料の表面状態、及び内部状態の変化を判定する判定手段
    を備えることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  7. 前記制御装置は、当該二次電子像とともに、透過電子像を形成した場合には、当該透過電子像を形成する際の条件を記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  8. 前記制御装置は、当該記憶部に記憶された条件を出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項7記載の荷電粒子線装置。
  9. 前記制御装置は、当該記憶部に記憶された条件を、編集不可能に加工することを特徴とする請求項7記載の荷電粒子線装置。
  10. 前記制御装置は、当該形成された二次電子像と、前記二次電子像とともに形成された透
    過電子像と、に基づいて、前記試料冷却手段によって冷却された前記試料の状態が良好であるか否かを判定し、前記試料の状態が良好であると判定された場合には、前記一次電子線の走査を継続し、前記試料の状態が良好であると判定されなかった場合には、画像の取得条件を変更することを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  11. 前記コールドトラップは、先端位置が前記試料近傍の任意の位置に移動できる移動機構を備えることを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線装置。
  12. 前記コールドトラップは、先端位置が前記試料の近傍の任意の位置に移動できる移動機構を備え、前記制御装置は、前記真空計によって真空度を計測した結果と、当該形成された二次電子像と、前記二次電子像とともに形成された透過電子像と、を比較した結果と、に基づいて、当該コールドトラップの前記移動機構を移動するように制御することを特徴とする請求項記載の荷電粒子線装置。
  13. 当該形成された二次電子像と、前記二次電子像とともに形成された透過電子像とを、共
    に表示させる表示手段を備えることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  14. 前記表示手段は、前記二次電子像及び前記透過電子像に基づいて、前記試料冷却手段に
    よって冷却された前記試料の状態の判定を行うことを指示する判定指示領域を表示することを特徴とする請求項13記載の荷電粒子線装置。
  15. 前記表示手段は、前記二次電子像及び前記透過電子像に基づいて、前記試料に霜が付着
    しているか否かの判定を行うことを指示する判定指示領域を表示することを特徴とする請求項13記載の荷電粒子線装置。
  16. 前記試料冷却手段は試料を冷却する試料冷却ホルダーを備え、前記制御装置は、前記判定手段が前記試料に霜が付着していると判断した場合、前記試料冷却ホルダーの温度を所定値まで上昇させ、前記コールドトラップの先端位置を前記試料に近付けることを特徴とする求項記載の荷電粒子線装置。
  17. 一次電子を試料に照射し当該試料上で走査する光学系と、当該照射に基づいて得られる
    電子を検出する検出系と、真空室と、を備えた荷電粒子線装置における試料状態判定方法
    において、
    一次電子線の走査によって前記試料から発生する二次電子を検出するステップと、
    前記一次電子線が前記試料内で散乱することによって発生する透過電子のうち、非散乱
    電子と、非弾性散乱電子と、を明視野信号として検出するステップと、
    前記透過電子のうち、非弾性散乱電子を暗視野信号として検出するステップと、
    前記二次電子、及び、前記透過電子に基づいて、前記試料に霜が付着しているか否かを
    判定するステップと、を備えることを特徴とする試料状態判定方法。
  18. 一次電子線を試料上で走査する光学系と、
    二次電子検出器と、
    前記試料を透過する電子を検出する透過電子検出器と、
    像を出力するユーザインタフェースと、を有し、
    前記ユーザインタフェースには、前記試料に霜が付着しているか否かの判定を行うことを指示する判定指示領域が表示されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  19. 請求項18に記載された荷電粒子線装置において、
    前記二次電子検出器は、前記試料からの二次電子と反射電子とを検出することを特徴とする荷電粒子線装置。
  20. 請求項18に記載された荷電粒子線装置において、
    前記透過電子検出器には、明視野信号検出器と、暗視野信号検出器と、が含まれることを特徴とする荷電粒子線装置。
  21. 請求項18に記載された荷電粒子線装置において、
    前記光学系による走査に対応する各検出器の出力に基づく像を前記ユーザインタフェースに出力することを特徴とする荷電粒子線装置。
  22. 一次電子線を試料上で走査する光学系と、
    二次電子検出器と、
    前記試料を透過する電子を検出する透過電子検出器と、を有し、
    前記二次電子検出器および前記透過電子検出器の前記光学系による走査に対応する出力に基づいて、前記試料に霜が付着しているか否かを判定することを特徴とする荷電粒子線装置。
  23. 請求項22に記載された荷電粒子線装置において、
    前記二次電子検出器は、前記試料からの二次電子と反射電子とを検出することを特徴とする荷電粒子線装置。
  24. 請求項22に記載された荷電粒子線装置において、
    前記透過電子検出器には、明視野信号検出器と、暗視野信号検出器と、が含まれることを特徴とする荷電粒子線装置。
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