JP3804757B2 - 微小部分析装置及び分析方法 - Google Patents

微小部分析装置及び分析方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電子像(SEM像)及び走査透過電子像(STEM像)を観察する機能と試料から発生した特性X線を検出、分析する手段を備えた電子線装置に関し、特に試料の微小部に含まれる軽元素の特性X線を試料による吸収の影響無く検出可能な高精度微小部分析装置及び分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エネルギー分散型X線(energy dispersive X-ray:EDX)分析装置を搭載した透過電子顕微鏡(TEM)あるいは走査透過電子顕微鏡(STEM)で、薄膜試料を分析する場合、試料が薄膜であるため、試料による特性X線の吸収は無いものと見なしていた。すなわち通常、TEMあるいはSTEMでEDX分析する場合、分析対象物が、電子線の入射する面にあるのか透過した面にあるのか、すなわちEDX検出器側にあるのか否かは考慮せず、走査透過電子像(STEM像)で観察される分析対象物に電子線プローブを照射し、発生する特性X線強度で組成分析を行っていた。また、走査電子顕微鏡(SEM)だけでEDX分析をする場合、試料が電子線透過可能な薄膜であるかバルクであるかに関わらず分析を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、特性X線のエネルギーが低い軽元素において、分析対象物が試料の検出器側に存在するか、それとも反対側に存在するかで、試料自体により特性X線が吸収され、元来同じ組成のものが見かけ上異なる分析結果となり、判断を誤る恐れがある。例えば、金属薄膜に酸化物粒子が析出している場合、酸素の特性X線はエネルギーが低いため、金属薄膜に対し裏側、すなわち検出器側と反対側の酸化物粒子を分析すると、酸素の特性X線は吸収され、実際の量よりも減少する。このため、低エネルギー側に発生するX線については、定量的に測定することは困難である。
【0004】
また、SEM像観察のみでEDX分析する場合、分析対象物が試料表面、すなわちEDX検出器側にあるかどうかを確認することはできるが、分析対象物が電子線透過可能な薄膜上に存在するかどうかは確認できない。このため、仮に分析対象物が厚い試料の表面にあった場合、試料内での電子線の散乱によるバックグラウンド信号の増加により定量精度が低下する恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、従来は困難であった試料中の分析対象物のEDX検出器に対する位置の確認を容易に行うことのできる高精度微小部分析装置及び分析方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、従来は定量的な分析が困難であった軽元素の組成分析を高い精度で行うことのできる高精度微小部分析装置及び分析方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、EDX分析装置を装着した電子線装置によりSEM像及び暗視野透過像(Dark-Field STEM像/DF-STEM像)あるいは明視野透過像(Bright-Field STEM像/BF-STEM像)を同時に表示し、各像の各画素におけるSTEM信号量及びSEM信号量を記憶、比較する機能と、STEM信号量及びSEM信号量の差を検出、表示する機能を備えることにより達成される。また、SEM像と暗視野透過像又は明視野透過像を同時に表示し、それらの微分像を形成してSEM像とSTEM像の両方に分析対象物が明瞭に表示されているか否かを確認する機能を備えることにより達成される。
【0007】
すなわち、本発明による微小部分析装置は、電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、X線分析手段による分析指定箇所に対応する二次電子像の画素の二次電子信号量と走査透過電子像の画素の透過電子信号量とを比較する比較手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
走査透過電子像は暗視野走査透過電子像であっても明視野走査透過電子像であってもよいが、コントラストの点から暗視野走査透過電子像の方が有利な場合がある。分析指定箇所は点で指定してもよいし、ある大きさを持った領域で指定してもよい。試料上の分析しようとする位置(分析指定箇所)における二次電子信号量と透過電子信号量との差の大小により試料の二次電子像観察面に分析対象物が存在するか否かを把握することが可能であり、分析対象物が二次電子像観察面に存在する場合、すなわち分析対象物がX線分析手段のX線検出器側に存在する場合にX線分析を開始することにより、試料によるX線の吸収の影響の無い分析対象物の分析が可能となる。
【0009】
比較手段で比較した二次電子信号量と透過電子信号量との差が予め設定された値より小さいときX線分析手段による前記分析指定箇所の分析を許容するように装置を構成するのが好ましい。これは、例えば、比較手段で比較した二次電子信号量と透過電子信号量との差が予め設定された値より小さいときのみX線分析手段によるX線のカウントが開始されるように、比較手段の出力によってX線分析手段によるX線計測を制御するように制御系を構成することによって達成される。
【0010】
また、比較手段によって比較した二次電子信号量と透過電子信号量との差が予め定めた値を越えた画素にマーキングする手段を備えるのが好ましい。マーキングは走査透過電子像に対して行っても二次電子像に対して行ってもよい。あるいは、その両方に対して行ってもよい。高精度なX線分析結果が保証されないことが判明した対象物にマークを付けておくことにより、オペレータがその対象物に対して何度も分析を試みるような無駄な操作を避けることができる。
【0011】
また、X線分析装置からの信号を用いた組成マップ像を表示する組成マップ像表示手段を備え、組成マップ像表示手段に表示する組成マップ像の、比較手段で比較した二次電子信号量と走査電子信号量との差が予め定めた値を越えた画素には信号の表示をしないことが好ましい。このことにより、軽元素化合物などの分布を正確に把握することが可能になる。
【0012】
本発明による微小部分析装置は、また、電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、X線分析手段による分析指定箇所を囲む領域の二次電子像の微分像と走査透過電子像の微分像を形成する手段を備えることを特徴とする。
【0013】
走査透過電子像は暗視野走査透過電子像であっても明視野走査透過電子像であってもよいが、コントラストの点から暗視野走査透過電子像の方が有利な場合もある。微分像を形成することにより二次電子像と走査透過電子像の分析指定箇所近辺における像の輪郭を抽出することができ、二次電子像と走査透過電子像に表示されている像の比較を容易に行うことができるようになる。
【0014】
更に、二次電子像の微分像と走査透過電子像の微分像とを比較する像比較手段を備え、像比較手段で比較した2つの微分像が一致するときX線分析手段による分析指定箇所の分析を許容するようにするのが好ましい。像比較手段で比較した2つの微分像が一致するとき、二次電子像と走査透過像に分析対象物が表示されていること、すなわち試料のX線検出器側に分析対象物が存在することが確認される。
【0015】
以上説明した微小部分析装置において、X線分析手段による分析指定箇所を示すマーカを二次電子像表示手段と走査透過電子像表示手段の分析指定箇所に対応する座標に同時に表示するのが好ましい。これにより、オペレータは、分析指定箇所が二次電子像と走査透過電子像にどのように表示されているかを容易に確認することができる。
【0016】
本発明による分析方法は、電子線の照射によって試料の分析指定箇所から発生した特性X線を検出して分析する分析方法において、試料の二次電子像の分析指定箇所に対応する画素における二次電子信号量と、試料の走査透過電子像の分析指定箇所に対応する画素における透過電子信号量との差を検出し、差が予め定めた値より小さいとき前記分析指定箇所の分析を行うことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による高精度微小部分析装置の一例の概略構成図である。電子線装置1の鏡体は、電子銃2、コンデンサーレンズ3、対物レンズ4を備えている。コンデンサーレンズ3、対物レンズ4の間には、走査コイル5が配置されており、走査コイル5の下方に試料6が挿入される。試料6の上方かつ走査コイル5の下方の位置には、二次電子検出器7が組み込まれている。二次電子検出器7は、信号増幅器8を介しSEM像表示用CRT9に接続されている。対物レンズ4の下方には、暗視野STEM像観察用の円環状検出器13が配置されている。円環状検出器13は、信号増幅器14を介しSTEM像表示用CRT11に接続されている。円環状検出器13の下方には、明視野STEM像検出器15が配置されている。明視野STEM像検出器15は、信号増幅器16を介しSTEM像表示用CRT11に接続されている。走査コイル5には走査電源10が接続されており、走査電源10にはSEM/STEM像表示用CRT9,11及びCPU12が接続されている。
【0018】
試料6は、試料ホルダー17に装填されている。試料6の上方に、試料6から発生した特性X線を検出するためのEDX検出器18が取り付けられている。EDX検出器18には、検出されたX線の信号強度をエネルギー毎に測定するアナライザー19が接続されている。アナライザー19はCPU12に接続されている。また、アナライザー19にはEDXマッピング用CRT22は接続されている。
【0019】
電子銃2から放出された電子線20は、コンデンサーレンズ3により、試料6面上でスポット状に収束され、走査コイル5によって試料6面上を走査する。走査コイル5には、鋸歯状波電流が流される。電子線20の試料6面上での走査幅は、この電流の大きさによって変化させる。同期した鋸歯状波信号は、SEM/STEM像表示用CRT9,11の偏向コイルにも送られ、CRT9,11の電子線は、それぞれの画面を一杯に走査する。二次電子検出器7は、電子線20の照射によって試料6から放出される二次電子を検出して、信号増幅器8がその信号を増幅し、その信号でSEM像表示用CRT9の輝度変調をする。円環状検出器13についても同様であり、電子線20の照射によって試料からある角度をもって散乱した電子(非弾性散乱電子)を検出し、信号増幅器14がその信号を増幅し、その信号でSTEM像表示用CRT11を輝度変調して暗視野STEM像を表示をする。この場合、像は、試料6の平均原子番号を反映したコントラストをもつ。明視野STEM像検出器15についても同様で、試料6を透過した電子を検出し、信号増幅器16がその信号を増幅し、その信号でSTEM像表示用CRT11を輝度変調して明視野STEM像を表示する。
【0020】
図2は、本発明による分析手順の例を示すフローチャートである。
まず、分析対象物が含まれた試料視野のSEM像及び暗視野STEM像を画像表示用CRT9,11に同時に表示する(S11)。次に、視野内の分析箇所を指定する(S12)。分析箇所の指定はポイント指定であってもよいし、ある大きさをもつ領域を指定してもよい。これによって、分析対象物21が指定される。続いて、分析箇所を記憶し(S13)、SEM像表示用CRT9に分析箇所を表示する(S14)。次に、CPU12では、SEM像における分析箇所の画素の信号強度及びSTEM像における分析箇所の画素の信号強度を記憶し、両者の信号強度が予め設定された範囲内で一致するか否かを判定する(S15)。分析箇所に対応する画素間の信号強度差が小さければ、その分析箇所はEDX分析に適した分析箇所であるので、ステップ16に進んでEDX分析を行う。SEM像とSTEM像の分析箇所に対応する画素間の信号強度差が大きい場合、その分析箇所はEDX分析に適さないのでステップ12に戻って別の分析箇所を指定する。この処理を、全ての分析箇所に対するEDX分析が終了するまで反復する。なお、ステップ12で複数の分析箇所を指定しておくことにより、高精度なEDX分析を連続して自動的に行うことが可能となる。
【0021】
図3は、ステップ12における分析対象物の指定画面の一例の説明図である。一方の画面上、例えばSTEM用CRT11上でポインティングデバイス等によって分析対象物を指定する。このとき、分析対象物の位置には矢印等のマーク31が付される。また、同時に観察しているSEM用CRT9の同一座標に矢印等のマーク32が表示される。オペレータは、これによって見間違えることなく確実に同一位置のSEM像/STEM像を確認することができる。
【0022】
図4を用いて、図1に示した高精度微小部分析装置の動作を説明する。図4(a)(c)(e)はSEM用CRT9とSTEM用CRT11に表示されたSEM像とSTEM像の表示例を示し、図4(b)(d)(f)は、それぞれ図4(a)(c)(e)の場合に対応する試料の状態を示す模式図である。以下ではSTEM像は暗視野STEM像であるとして説明するが、暗視野STEM像に代えて明視野STEM像を用いても状況はほぼ同じである。
【0023】
指定座標の画素の信号強度の差がある一定値よりも大の場合、分析対象物21は、図4(a)に示すようにSEM像で観察可能で、暗視野STEM像で観察不可能な状態、又は図4(c)に示すようにその逆に暗視野STEM像で観察可能でSEM像で観察不可能な状態が考えられる。前者の場合、図4(b)に示すように、分析対象物はSEM検出器7側、すなわちEDX検出器18側にあるが、試料6全体が厚く電子線20が透過できない場合が考えられる。一方、後者の場合には、図4(d)に示すように、試料6は電子線20が透過できる薄さであるが、分析対象物はEDX検出器18側にない。例えば試料6が重金属にSiOのような酸化物粒子が付着しており、SiO粒子の分布や組成のゆらぎを調べたい場合、前者の図4(b)の場合には、厚い重金属からのX線が多量に検出器18に入り、バックグラウンドが増加してしまい高精度EDX分析はできない。また、後者の図4(d)の場合には、SiOのOの特性X線はエネルギーが低いために、重金属に吸収され、Siのみが検出され精度が低下する。
【0024】
このように指定座標の信号強度の差がある一定値よりも大の場合は高精度EDX分析は不可能なので、CPU12はアナライザー19に分析を停止するように指示する。アナライザー19はCPU12の指示を受け分析を停止する、すなわちX線のカウントを停止する。
【0025】
また、この時、表示画面9,11にマーキングするように指示し、次回分析時にその対象物を分析対象から除外するようにしてもよい。図5は、このマーキングの一例を示す概略図である。図示した例の場合、STEM像表示用CRT11に表示されているがSEM像表示用CRT9に表示されない分析対象物21に十字マークなどのマーク41,42,43を付けることによって、オペレータがその分析対象物21に対して二重に分析を試みることを避けている。分析対象物は試料上に規則正しく配列しておらず、アットランダムに分布しているため、一度その対象物が分析対象外であることが判明してもオペレータは再び同じ位置を分析しようとすることがある。従って、このようにEDX分析の分析対象外であることが判明した対象物にマーキングしておくことは、無駄な操作を無くし分析効率を向上する上で有用である。
【0026】
図4に戻って、指定座標の信号強度の差がある一定値よりも小さい場合、図4(e)に示すように、分析対象物はSEM像及び暗視野STEM像で観察可能であり、この場合、図4(f)に示すように分析対象物は試料6のEDX検出器18側にあり、かつ試料6は電子線20が透過できる薄さであり、試料内での電子線の散乱の影響も少ないと考えられるので、CPU12は分析を開始するようアナライザー19に指示する。アナライザー19はCPU12の指示を受け分析を開始する。
【0027】
図6は、本発明によるEDX分析結果の一例を示す説明図である。EDX分析では、試料に直径数nm以下に絞った電子線を照射した際に発生する特性X線を、半導体検出器で受けて、入射X線のエネルギーに比例するように信号強度を変換する。図6(a)(b)に示すように、データは各エネルギー値別に信号強度としてプロットする。EDXマッピング像は、試料面上を電子線が走査する際、同時に信号を検出し、あるエネルギー幅のX線が検出された時のみ、走査像用CRTと同期させたEDXマッピング用CRT22を光らせる。
【0028】
図6(c)は、試料と分析対象物A,Bの関係を示す模式図である。分析対象物はSiO触媒微粒子であり、分析対象物Aは試料6のEDX検出器18側の表面に存在し、分析対象物AはEDX検出器18と反対側の試料表面に存在するものとする。前述の図6(a)は図6(c)に示した分析対象物Aの分析結果、図6(b)は図6(c)に示した分析対象物Bの分析結果である。
【0029】
図6(d)(e)に、分析対象物A,Bの酸素OのEDXマッピング像例を示す。分析対象物Aは試料表面に存在し、Bは試料裏面に存在する。そのため、図6(a)(b)に現れているように、分析対象物Aからの酸素Oの方が分析対象物Bの酸素Oに対して強度が高く検出される。通常の方法でこのEDXマッピングを行うと、図6(d)に示すように、試料位置(試料の表面、裏面)と無関係に信号が検出されるため、表面に分析対象物A,Bが2つ存在し、その2つの分析対象物A,Bには組成の揺らぎがあると取り違える可能性がある。これに対し、本発明では、図6(e)のように、表面に存在する分析対象物Aのみを検出するので、試料表面における分析対象物の分布状態及び組成を正しく把握することが出来る。
【0030】
上記実施の形態では、SEM像とSTEM像の比較に当たって各画素の信号量の差を検出したが、SEM像とSTEM像の信号量を比較する代わりに、SEM像とSTEM像を微分像に変換、二値化し分析対象物のエッジを強調した像を比較するようにしても良い。図7は、分析対象物のエッジを強調した像を比較する場合の動作手順例を示すフローチャートである。
【0031】
まず、分析対象物が含まれる分析視野のSEM像とSTEM像を同時に表示する(S21)。次に、オペレータが、STEM像表示用CRT11で分析対象物21及びその分析対象物21を含む領域を指定する(S22)。CPU12では、上記分析対象物の座標及び領域を記憶する(S23)。CPU12は、SEM像用表示CRT9においても指定された分析箇所を表示する(S24)。次に、CPU12は、指定された領域のSEM像及びSTEM像を微分像に変換し(S25)、各微分像を二値化処理する(S26)。
【0032】
次に、CPU12で、微分されたSEM像とSTEM像の各画素を比較し、分析対象物のエッジが両方の像で一致するか否かを判断する(S27)。一致した場合は、EDX検出器18側に分析対象物が存在することになるので分析を開始し、一致しない場合は分析をせずに次の領域に移る。また、ステップ27の判定で一致の場合、ステップ27に続いて、図2のステップ15のように、分析箇所に対応する画素でのSEM像とSTEM像の信号強度を比較するステップを加えてもよい。なお、ステップ22で複数の分析対象物及びその分析対象物を含む領域を指定しておくことにより、高精度なEDX分析を連続して自動で行うことが可能となる。
【0033】
上記実施の形態ではSTEM像として暗視野STEM像を用いたが、暗視野STEM像に代えて明視野STEM像を用いても良い。また、上記実施の形態では、SEM像とSTEM像を別々の画面9,11で一つずつ観察しているが、同一画面でSEM像とSTEM像の表示を切り替え、それぞれの像を記憶し微分像を比較する手段を設けるようにしても良い。また、上記実施の形態では、CPUに比較させているが、2種の像表示画面9,11において、分析位置マーカが両画面の同一座標に同時に表示されるようにし、オペレータが2つの画面上で分析対象物の像を確認し、両方の画面に分析対象物が表示されていることを確認してEDX分析を開始させるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、試料の微小部に含まれる軽元素を試料による特性X線の吸収なく高精度で分析することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高精度微小部分析装置の一例の概略構成図。
【図2】本発明による分析手順の例を示すフローチャート。
【図3】分析対象物の指定画面の一例の説明図。
【図4】本発明による高精度微小部分析装置の動作を説明する図。
【図5】分析対象から除外する分析対象物へのマーキング例を示す概略図。
【図6】本発明によるEDX分析結果の一例を示す説明図。
【図7】分析対象物のエッジを強調した像を比較する場合の動作手順例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…電子線装置、2…電子銃、3…コンデンサーレンズ、4…対物レンズ、5…走査コイル、6…試料、7…二次電子検出器、8…信号増幅器、9…SEM像表示用CRT、10…走査電源、11…STEM像表示用CRT、12…CPU、13…円環状検出器、14…信号増幅器、15…明視野STEM像検出器、16…信号増幅器、17…試料ホルダ、18…EDX検出器、19…アナライザー、20…電子線、21…分析対象物、22…EDXマッピング用CRT

Claims (7)

  1. 電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、前記X線分析手段による分析指定箇所に対応する前記二次電子像の画素の二次電子信号量と前記走査透過電子像の画素の透過電子信号量とを比較する比較手段とを備え、
    前記比較手段で比較した二次電子信号量と透過電子信号量との差が予め設定された値より小さいとき前記X線分析手段による前記分析指定箇所の分析を許容することを特徴とする微小部分析装置。
  2. 電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、前記X線分析手段による分析指定箇所に対応する前記二次電子像の画素の二次電子信号量と前記走査透過電子像の画素の透過電子信号量とを比較する比較手段と、前記比較手段によって比較した二次電子信号量と透過電子信号量との差が予め定めた値を越えた画素にマーキングする手段とを備えることを特徴とする微小部分析装置。
  3. 電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、前記X線分析手段による分析指定箇所に対応する前記二次電子像の画素の二次電子信号量と前記走査透過電子像の画素の透過電子信号量とを比較する比較手段と、前記X線分析装置からの信号を用いた組成マップ像を表示する組成マップ像表示手段とを備え、
    前記組成マップ像表示手段に表示する組成マップ像の、前記比較手段で比較した二次電子信号量と透過電子信号量との差が予め定めた値を越えた画素には信号の表示をしないことを特徴とする微小部分析装置。
  4. 電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、前記X線分析手段による分析指定箇所に対応する前記二次電子像の画素の二次電子信号量と前記走査透過電子像の画素の透過電子信号量とを比較する比較手段と前記X線分析手段による分析指定箇所を示すマーカを前記二次電子像表示手段と前記走査透過電子像表示手段の前記分析指定箇所に対応する座標に同時に表示する手段とを備え、前記比較手段で比較した二次電子信号量と透過電子信号量との差が予め設定された値より小さいとき前記X線分析手段による前記分析指定箇所の分析を許容することを特徴とする微小部分析装置。
  5. 電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、前記X線分析手段による分析指定箇所を囲む領域の前記二次電子像の微分像と前記走査透過電子像の微分像を形成する手段と、前記二次電子像の微分像と前記走査透過電子像の微分像とを比較する像比較手段とを備え、
    前記像比較手段で比較した2つの微分像が一致するとき前記X線分析手段による前記分析指定箇所の分析を許容することを特徴とする微小部分析装置。
  6. 電子銃から発生した電子線を試料面上で走査させる手段と、試料から発生した二次電子により形成される二次電子像を表示する二次電子像表示手段と、試料を透過した電子線により形成される走査透過電子像を表示する走査透過電子像表示手段と、試料から発生した特性X線を検出し分析するX線分析手段と、前記X線分析手段による分析指定箇所を囲む領域の前記二次電子像の微分像と前記走査透過電子像の微分像を形成し比較する手段と、前記X線分析手段による分析指定箇所を示すマーカを前記二次電子像表示手段と前記走査透過電子像表示手段の前記分析指定箇所に対応する座標に同時に表示する手段とを備え、
    前記比較した2つの微分像が一致するとき前記X線分析手段による前記分析指定箇所の分析を許容することを特徴とする微小部分析装置。
  7. 電子線の照射によって試料の分析指定箇所から発生した特性X線を検出して分析する分析方法において、
    試料の二次電子像の前記分析指定箇所に対応する画素における二次電子信号量と、試料の走査透過電子像の前記分析指定箇所に対応する画素における透過電子信号量との差を検出し、前記差が予め定めた値より小さいとき前記分析指定箇所の分析を行うことを特徴とする分析方法。
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