JP6353351B2 - 光増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、モード多重伝送における光増幅器に関する技術である。
近年、サービスの多様化によりインターネットトラヒックは未だ増加し続けており、伝送速度の高速化や波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)技術による波長多重数の増加により飛躍的に伝送容量を伸ばしてきた。また近年、検討が盛んに行われているデジタルコヒーレント技術によって更なる伝送容量の拡大が予想されている。デジタルコヒーレント伝送システムでは多値位相変調信号を用いることにより周波数利用効率を向上させてきたが、より高い信号雑音比が必要となってくる。しかし従来のシングルモードファイバ(Single mode fiber,SMF)を用いた伝送システムでは、理論的な限界に加え非線形効果に起因する入力パワー制限のため伝送容量は100Tbit/secを境に飽和することが予想されており、更なる大容量化は困難となってきている。
今後さらに伝送容量を増やしていくためには革新的な伝送容量拡大を実現する媒体が必要とされている。そこで、光ファイバ中の複数の伝搬モードをチャネルとして用いることで信号雑音比と空間利用効率の向上が期待できるマルチモードファイバ(Multi mode fiber,MMF)を用いたモード多重伝送が注目を集めている。これまでファイバ中を伝搬する高次のモードは信号劣化の要因であったが、デジタル信号処理や合分波技術などの発展で積極的な利用が検討されている。
またモード多重伝送の長距離化に向けた検討も行われており、Er3+添加型光増幅器を用いた基本モードのLP01モードと第四高次LPモードであるLP02モードの増幅に関する報告がなされている。
モード多重伝送の長距離化を行う上で、すべてのモードの伝送品質を保つためには光増幅器において伝搬モード依存利得(Mode dependent Gain,MDG)を小さくする必要性がある。しかしながらEDF(Erbium Doped Fiber)中を伝搬する光はモード毎に異なる電界分布を有するため一般的に異なる利得を得ることとなる。
各モードの利得は、増幅用光ファイバに入射する励起光の電界分布・希土類元素添加分布により決まる励起元素数分布と信号光の電界分布の重なりによって決定する。現在、増幅用光ファイバの希土類元素添加領域はコア全体に希土類元素を添加するステップインデックス型構造とコアの中心部のみに希土類元素を添加するセンタードープ型構造等が主な構造である。しかし高次モードの利得を考慮に入れる必要がある多モード伝送用の増幅用光ファイバでは希土類添加分布をファイバコアのエッジに多くドープするような構造も提案されている。
現状の報告では、空間光学素子を用いた光増幅器の構成が主流であり励起光を増幅用光ファイバへ入射する際に軸ずれ励振する方法(例えば非特許文献1)や位相フィルタを用いて励起光を任意のモードへ変換し増幅用光ファイバへ入射することで伝搬モード毎の利得調整をする方法が提案されている(例えば非特許文献2)。
また、モード多重伝送の伝送帯域の拡大に向けたL帯光増幅技術の検討も近年行われ始めている。従来のシングルモード伝送においてはC帯にて用いられるEDFと比べ長尺なものを利用することで実現してきた。一般的に、長尺なEDFを用いたL帯光増幅においては増幅の過程の一部において、一度吸収されたのちC帯の自然放出光(ASE:Amplified Spontaneous Emission)を用いてL帯の信号光が増幅される。
図1にマルチモード光増幅器にて発生するASEのモード比率を測定するための測定系を示す。励起光源111は1550nm光を用いており、励起光のモードはLP01もしくはLP11モードとする。励起光のモード変換器112には長周期グレーティング(LPG:Long Period Grating)を用いた。発生するASEはモード分波器113によって分離される。OSA(Optical Spectrum Analyzer)117は、LP11モードを縮退している二つのモードの和として求める。
本条件下におけるASEのモード比率差LP11−LP01の波長依存性を図2に示す。発生するASEは長波長側にシフトするにつれて励起光のモードへの依存が小さくなっていく様子が分かる。これにより、これまでC帯において報告されてきた励起モードの変換による伝搬モード依存利得の低減が長波長側になるほど困難となることが予想される。
本発明は、マルチモードL帯光増幅における伝搬モード依存利得の低減を実現することを目的とする。
具体的には、本発明に係る光増幅器は、
信号光の伝搬モード以上の複数の伝搬モードを伝搬可能な増幅用光ファイバと、
前記増幅用光ファイバにおいて前記信号光を励起可能な波長を有する励起光を発生する励起光源と、
前記励起光源からの励起光を、前記複数の伝搬モードに含まれる少なくともいずれかの伝搬モードへ変換するモード変換器と、
前記モード変換器で伝搬モードを変換後の励起光を前記信号光と合波する信号光励起光合波器と、
前記複数の伝搬モードの利得を等化する利得等化器と、
を備え
前記利得等化器は、後述する式(1)で定められる周期を有する長周期グレーティングを用い、前記利得等化器の損失スペクトルが伝搬モードごとに異なる
本発明に係る光増幅器
信号光の伝搬モード以上の複数の伝搬モードを伝搬可能な増幅用光ファイバと、
前記増幅用光ファイバにおいて前記信号光を励起可能な波長を有する励起光を発生する励起光源と、
前記励起光源からの励起光を、前記複数の伝搬モードに含まれる少なくともいずれかの伝搬モードへ変換するモード変換器と、
前記モード変換器で伝搬モードを変換後の励起光を前記信号光と合波する信号光励起光合波器と、
を備え、
前記増幅用光ファイバは、
比屈折率差が0でありかつコア中心からの距離がa1である内環部と、
比屈折率差がΔ1でありかつコア中心からの距離a2の外環部と、
を備え、
前記励起光のモードは、前記信号光の基本モード又は前記増幅用光ファイバを伝搬する最高次のモードであり、
前記信号光における最高次―基本モード間の帯域利得偏差が予め定められた値以下になるように、Δ1、a1及びa2が定められている
本発明に係る光増幅器では、前記増幅用光ファイバは、エルビウム添加ファイバであり、前記信号光の波長は、1565nm以上1625nm以下であり、前記励起光の波長は、1530nm以上1565nm以下であってもよい。
本発明に係る光増幅器では、前記信号光励起光合波器を複数備え、一方の前記信号光励起光合波器は、前記増幅用光ファイバの前段で前記励起光を前記信号光と合波し、当該励起光を前記増幅用光ファイバに入射させ、他方の前記信号光励起光合波器は、前記増幅用光ファイバの後段で前記励起光を前記信号光と合波し、当該励起光を前記増幅用光ファイバに入射させてもよい。
本発明に係る光増幅器では、前記増幅用光ファイバの伝搬可能な最高次モードが、前記信号光の最高次モードよりも高くてもよい。
本発明に係る光増幅器では、前記増幅用光ファイバの発生する自然放出光に、前記信号光の最高次モードよりも高い伝搬モードが含まれうる。
本発明に係る光増幅器では、前記増幅用光ファイバは、比屈折率差が0でありかつコア中心からの距離がa1である内環部と、比屈折率差がΔ1でありかつコア中心からの距離a2の外環部と、を備えるエルビウム添加ファイバであってもよい。この場合、LP01モード及びLP11モードを伝搬しかつ0.4≦Δ1≦1及びΔ1≧(−240×(a1/a2)+41.04)を満たすか、或いは、LP01モード、LP11モード及びLP21モードを伝搬しかつ0.4≦Δ1≦1及びΔ1≧(−678.0×(a1/a2)+31.47)を満たすか、或いは、LP01モード、LP11モード、LP21モード及びLP31モードを伝搬しかつ0.4≦Δ1≦1、Δ1≧(−56.2×(a1/a2)+135.32)及びΔ1≧(−20.66×(a1/a2)−14.55)を満たす。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、マルチモードL帯光増幅器における伝搬モード依存利得を低減し、これによってモード多重伝送の更なる広帯域化に貢献する。
ASEに含まれるモード比率の測定系の一例を示す。 ASEに含まれるモード比率の測定結果例の一例を示す。 本発明の実施形態に係るL帯用光増幅器の構成の一例を示す。 波長1580nmにおける利得の励起波長依存性の測定例を示す。 波長1600nmにおける利得の励起波長依存性の測定例を示す。 双方向励起としたときのL帯用光増幅器の構成の一例を示す。 双方向励起時におけるMDGの波長依存性の測定例を示す。 モード利得等化器を有する光増幅器の構成の一例を示す。 モード利得等化器をEDF中段に設置する構成の一例を示す。 2モードにおけるASEのモード比と信号光LP01モード及びLP11モードとの重なりの大きさの関係の一例を示す。 3モードにおけるASEのモード比と信号光LP01モード及びLP11モードとの重なりの大きさの関係の一例を示す。 EDFの構造の一例を示す。 励起光がLP01モードである場合におけるMDGの一例を示す。 励起光がLP11モードである場合におけるMDGの一例を示す。 励起光がLP01モードである場合におけるMDGの一例を示す。 励起光がLP21モードである場合におけるMDGの一例を示す。 励起光がLP01モードである場合におけるMDGの一例を示す。 励起光がLP31モードである場合におけるMDGの一例を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
本発明では、L帯信号光に近い波長(例えばC帯)を励起光としモード変換した光を増幅用光ファイバに入射することでL帯光増幅器におけるMDGの低減を行う。或いは、光増幅器の増幅媒体を二分してその中間、もしくは後段にモード毎の利得を等化するための利得等化器を用いることで行う。或いは、増幅用光ファイバ中を伝搬する信号光より高次のモードの伝搬する増幅用光ファイバを用いることでMDGの低減を行う。或いは、励起光のモードに依存しない増幅用光ファイバの設計を行うことでL帯におけるMDGの低減を行う。以下に、マルチモードL帯光増幅におけるMDGの低減を実現するための光増幅器の構成および設計手法を示す。
図3は、本発明の実施形態に係る光増幅器の第1形態の概略図である。本光増幅器は、励起光源11と、モード変換器12と、信号光励起光合波器13と、増幅用光ファイバ14と、アイソレータ15を備える。信号光励起光合波器13、増幅用光ファイバ14及びアイソレータ15は、共通の多モードファイバに順に接続される。
励起光源11は、励起光を発生する。モード変換器12は、励起光のモードを変換する。信号光励起光合波器13は、信号光と励起光を合波する。増幅用光ファイバ14は、例えばEDFであり、信号光を増幅する。アイソレータ15は、信号光が信号光励起光合波器13へ戻ることを防ぐ。
信号光励起光合波器13は、多モードファイバ中を伝搬されてきたN(Nは任意の2以上の正数)モードを有する信号光と励起光とを合波する。信号光励起光合波器13は波長選択合波器であることが好ましい。モード変換器12は、必要に応じて、励起光をモード変換する。合波された信号光と励起光は、増幅用光ファイバ14へと入射する。入射された信号光は励起光により反転分布状態になったEr3+を媒体に誘導放出を起こし、光増幅後出射される。また必要に応じて増幅器での発振を防ぐためアイソレータ15を挿入する。
励起モードの変換による伝搬モード依存利得の低減が長波長側になるほど困難となるため、本実施形態では、励起光の波長としてASEを介さない波長を選択する。例えば、信号光の波長は、エルビウムの13/215/2準位間において誘導放出を起こす波長であるとする。この場合、増幅用光ファイバ14がエルビウム添加ファイバの場合、L帯信号光に近い波長(例えばC帯)を励起光としモード変換した光を増幅用光ファイバ14に入射することが好ましい。例えば、信号光の波長を1565nm以上1625nm以下とし、励起光の波長を1530nm以上1565nm以下とする。
図4に信号光1580nm、図5に信号光1600nmにおけるLP01モードとLP11モードの励起波長依存性の測定例を示す。本測定に用いた増幅用光ファイバ14はC及びL帯において2LPモードを伝搬する構造である。信号光の入力強度は−25dBmとし、励起光の波長は1480、1530、1540、1550nmとしている。測定条件として信号光1580nmのLP01モードの利得が20dBとなる条件下で測定をするものとする。図4及び図5から、L帯の短波長側である1580nmにおいてLP11モードとLP01モードのMDGが4dBから2dBまで減少していることが確認できる。したがって、信号光の波長を1565nm以上1625nm以下とし、励起光の波長を1530nm以上1565nm以下とすることで、マルチモードL帯光増幅器における伝搬モード依存利得を低減することができる。
図6は、本発明の実施形態に係る光増幅器の第2形態の概略図である。光増幅器の第2形態は、図3に示す光増幅器の第1形態に加えてさらに励起光源11−2、モード変換器12−2及び信号光励起光合波器13−2を備える。信号光励起光合波器13−1、増幅用光ファイバ14、信号光励起光合波器13−2及びアイソレータ15は、共通の多モードファイバに順に接続される。信号光励起光合波器13−1は増幅用光ファイバ14の前段で励起光を信号光と合波し、信号光励起光合波器13−2は増幅用光ファイバ14の後段で励起光を信号光と合波する。
図6に示すような増幅用光ファイバ14の前方及び後方の双方向励起の系を用いることによるMDGの低減について測定例を示す。図6の系において前方および後方から入射する励起光は、モード変換器12−1及び12−2においてLP11モードへ変換された後、増幅用光ファイバ14へ入射される。
図7に、前方励起時及び双方向励起時のMDGの波長依存性測定結果の一例を示す。信号光の波長が1590nm以下では、前方励起よりも双方向励起の値が低くなっている。このように、前方及び後方の双方向励起によるL帯短波長側のMDG低減の効果を有することを確認した。したがって、増幅用光ファイバ14の双方向励起の系を用いることで、マルチモードL帯光増幅器における伝搬モード依存利得を低減することができる。
なお、図6では、個別のモード変換器12−1及び12−2が共通のLP11モードへ励起光を変換する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、モード変換器12−1及び12−2は異なるモードへ励起光を変換してもよい。また、励起光源11−1及び11−2は、共通の波長の励起光を発生してもよいし、異なる波長を発生してもよい。
モード利得等化器を用いたMDGの低減について述べる。シングルモードにおける利得等化器としては長周期グレーティング(LPG)やPLC型マッハツエンダを用いた構成がある。その中で、LPGを用いる等化器においては従来LP01モードへの適用であったが、マルチモード光増幅器においては、高次モードへの適用が求められる。LPGはファイバ中を伝搬するモードが、クラッドモードへ結合する周期で作製され、周期は、
Figure 0006353351
により決まる。
βmlはファイバを伝搬するモードの伝搬定数、βcl はn次のクラッドモードの伝搬定数、ΛはLPGのピッチを表す。βml−βcl は一般にモード毎に異なる値を取るため、モード毎に異なるLPGを作製することにより、モード毎に異なる損失スペクトルを発生する。βml−βcl の領域が重なるモードがあった場合には、重ならない光ファイバを接続し、LPGを作製することで回避することが出来る。
図8は、本発明の実施形態に係る光増幅器の第3形態の概略図である。光増幅器の第3形態は、図3に示す光増幅器の第1形態アイソレータ15に代えて、モード利得等化器16A〜16Cを備える。多モードファイバ中を伝搬するモードがモードA、モードB、モードCであったとき、モード利得等化器16A〜16Cは、モードA、モードB及びモードCの利得を等しくする。モード利得等化器16A〜16CにLPGを用いた場合、伝搬モード毎に異なる周期を有する。これにより、複数の伝搬モードの利得を等化するための利得等化器をさらに備えることで、マルチモードL帯光増幅器における伝搬モード依存利得を低減することができる。
図9は、本発明の実施形態に係る光増幅器の第4形態の概略図である。光増幅器の第4形態は、多モードファイバに増幅用光ファイバ14−1及び14−2が接続されている。このような構成の場合、増幅用光ファイバ14−1及び14−2の中断にモード利得等化器16を配置してもよいし、増幅用光ファイバ14−2の後段にモード利得等化器16を配置してもよい。モード毎に設置する等化器群は、光増幅器に求められる特性に応じて、増幅用光ファイバ14の中断又は後段などの任意の位置に設置することが好ましい。
信号光の波長と励起光の波長を近づけることによるMDGの低減効果は確認できたがL帯の短波長側に限定されたものであった。その原因として、長波長側ではLP11モードとして入射した励起光のモードの情報が、ASEを介することでLP01モードへ変換してしまいASE中のLP11モードが減衰してしまっていることが要因と考えられる。そこで、信号光よりさらに高次のモードのASEが伝搬可能な増幅用光ファイバを用いることで解決する。本検討では、増幅用光ファイバがLP01モードからLP21モードまで伝搬可能なEDFである例を示す。
マルチモードのEDFにおいて、各モードの利得は信号光と励起光の電界強度の重なり積分の大きさで決定することが出来る。信号光と励起光の重なりの大きさは数式(2)の様に示すことが出来る。
Figure 0006353351
ここで、S(x,y)は信号光、P(x,y)は励起光強度分布を表している。
C帯ASEとしてLP01とLP11モードだけでなく、LP21モードが存在するEDFを用いることによるMDGの調整効果を検討する。図10、図11にASEのモード比と信号光LP01、LP11モードとの重なり積分の大きさの関係を示す。ASEに含まれるモードは、図10は2モード(LP01,LP11モード)、図11は3モード(LP01,LP11,LP21モード)の例を示している。図10は全励起光強度に対するLP11モードの強度比を変数とし、図11は全励起光強度に対するLP21モードの強度比(LP01とLP11は等強度とする)を変数としている。ASEにLP21モードを含むことにより、信号光LP11モードとLP01モードの重なり積分の大きさを、より柔軟に調整することができ、L帯においてもMDGの調整を見込むことが出来る。このように伝搬する信号光のさらに高次のモードを用いることによりMDGの低減を行うことが出来る。EDFにおいては誘導放出を発生する波長域が1450nm程度より長波であるため、所望の高次モードのカットオフ波長も、1450nm以下であることが望ましい。
次に、増幅用光ファイバの構造パラメータを変えることによるMDG調整の例を示す。L帯の増幅においてはこれまで示したように、吸収された励起光がASEを介することによって、モードの情報を維持することが困難となることを示した。そこで励起光のモードがMDGに影響を与えにくいEDFとすることでL帯におけるMDGの低減を実現する。
図12にEDFの構造を示す。比屈折率差0、コア中心からの距離a1の内環部と比屈折率差Δ1、コア中心からの距離a2の外環部を有する。本構造を用いて励起光のモードに依存の小さくなる領域を求める。本例では、a2は12μmと設定し、a1を0.5から10μm、Δ1を0.4から1%まで変化させて計算を行った。信号光、励起光の伝搬モードについてはLP01、LP11、LP21、LP31モードについて議論を行う。
MGDの小さくなる領域に関して、以下の様に求める。例えば、信号光LP01、LP11、LP21モードを伝搬するEDFであったとき、基本モードであるLP01モードと最高次モードであるLP21モードの強度分布が異なるため、EDF中で得られる利得の差も大きくなる。つまり、信号光LP01モードにおいては励起光LP01のとき最も大きな利得となり、励起光LP21モードのとき最も小さな利得となる。また信号光LP21モードは励起光LP01モードのとき最も小さな利得、励起光LP21モードのとき最も大きな利得となる。このように、励起光のモードを基本モードもしくは伝搬する最高次のモードとした時、信号光の最高次―基本モード間のMDGが小さくなるようEDFの設計を行う。
これより利得の計算に用いる増幅の基本理論を述べたのち、各励起条件におけるMDGの結果をシミュレーションにより示す。
Er3+を3準位系と考えた際のレート方程式を解き、EDFの伝搬方程式は下記数式3の様に表せる。
Figure 0006353351
ここでPs,iはiモード目の信号光および自然放出光の強度、zはEDFにおける位置、νは光の波長である。位置zは光の伝搬方向における位置を示す。iモード目の信号光利得係数γe,i(z,ν)と吸収係数γa,i(z,ν)は、各モードの規格化電界分布ψS,i(ν,r,θ)、信号光に対する放出断面積σes,i 及び励起光に対する放出断面積吸収断面積σas,i を用いてそれぞれ以下のように表せる。
Figure 0006353351
Figure 0006353351
(r,θ,z)及びN(r,θ,z)は、それぞれ位置zにおけるファイバ断面の1点を動径rと偏角θで表した時のEr3+励起準位と基底準位のイオン密度を表す。各伝搬モードにおいて数式(1)の伝搬方程式を解くことにより励起光のモードの違いによる信号光の利得がわかる。
Er添加ファイバ(EDF)の励起光源は980nm帯、1480nm帯が一般的に用いられているが、L帯においてはEDF中にて発生するC帯のASEを介して増幅されるため、本シミュレーションでは1550nmとする。また信号光波長は1600nmとし、入力パワーは−10dBmとする。
これまでのシングルモードL帯光増幅器においては、帯域利得偏差が1dB以下となっているため、MGDにおいても1dB以下となる領域を指標とする。また、本実施形態に係る光増幅器においてはEDF長さや励起光強度の調整により波長範囲1565から1600nmにおいてMDG1dB以下を満たすことが可能である。
図13及び図14に、増幅用光ファイバ14として用いるEDFの伝搬モードをLP01及びLP11モードとしたときのMDGの計算例を示す。図13は励起光をLP01モードとし、図14は励起光をLP11モードとした結果である。MDGの値はa1/a2とΔ1上に等高線で示している。この結果より、LP01及びLP11モードにおいては、0.4≦Δ1≦1の領域、かつΔ1≧−240×(a1/a2)+41.04となる範囲でMDGが1以下を満たす。
図15及び図16に、増幅用光ファイバ14として用いるEDFの伝搬モードをLP01及びLP21モードとしたときのMDGの計算例を示す。図15は励起光をLP01モードとし、図16は励起光をLP21モードとした結果である。この結果より、LP01及びLP21モードにおいては、0.4≦Δ1≦1の領域、かつΔ1≧−678.0x(a1/a2)+31.47、となる範囲でMDGが1以下を満たす。
図17及び図18に、増幅用光ファイバ14として用いるEDFの伝搬モードをLP01及びLP31モードとしたときのMDGの計算例を示す。図17は励起光をLP01モードとし、図15は励起光をLP31モードとした結果である。この結果より、LP01及びLP31モードにおいては、0.4≦Δ1≦1の領域、かつΔ1≧−56.2x(a1/a2)+135.32かつΔ1≧−20.66x(a1/a2)−14.55となる範囲でMDGが1以下を満たす。
本発明は、光増幅器であり、複数のモードを用いた伝送において伝搬モード毎の利得調整および伝送距離の長延化を実現する。
11−1、11−2、111:励起光源
12−1、12−2、112:モード変換器
13−1、13−2:信号光励起光合波器
14、114:増幅用光ファイバ
15:アイソレータ
16A、16B、16C:モード利得等化器
113:モード分波器
117:OSA

Claims (7)

  1. 信号光の伝搬モード以上の複数の伝搬モードを伝搬可能な増幅用光ファイバと、
    前記増幅用光ファイバにおいて前記信号光を励起可能な波長を有する励起光を発生する励起光源と、
    前記励起光源からの励起光を、前記複数の伝搬モードに含まれる少なくともいずれかの伝搬モードへ変換するモード変換器と、
    前記モード変換器で伝搬モードを変換後の励起光を前記信号光と合波する信号光励起光合波器と、
    前記複数の伝搬モードの利得を等化する利得等化器と、
    を備え、
    前記利得等化器は、次式で定められる周期を有する長周期グレーティングを用い、
    前記利得等化器の損失スペクトルが伝搬モードごとに異なる、
    光増幅器。
    (式C1)
    Figure 0006353351
    ただし、β ml は伝搬モードの伝搬定数、β cl は当該伝搬モードが結合するn次のクラッドモードの伝搬定数、Λは長周期グレーティングの周期を表す。
  2. 信号光の伝搬モード以上の複数の伝搬モードを伝搬可能な増幅用光ファイバと、
    前記増幅用光ファイバにおいて前記信号光を励起可能な波長を有する励起光を発生する励起光源と、
    前記励起光源からの励起光を、前記複数の伝搬モードに含まれる少なくともいずれかの伝搬モードへ変換するモード変換器と、
    前記モード変換器で伝搬モードを変換後の励起光を前記信号光と合波する信号光励起光合波器と、
    を備え、
    前記増幅用光ファイバは、
    比屈折率差が0でありかつコア中心からの距離がa1である内環部と、
    比屈折率差がΔ1でありかつコア中心からの距離a2の外環部と、
    を備え
    前記励起光のモードは、前記信号光の基本モード又は前記増幅用光ファイバを伝搬する最高次のモードであり、
    前記信号光における最高次―基本モード間の帯域利得偏差が予め定められた値以下になるように、Δ1、a1及びa2が定められている、
    光増幅器。
  3. 前記増幅用光ファイバは、エルビウム添加ファイバであり、
    前記信号光の波長は、1565nm以上1625nm以下であり、
    前記励起光の波長は、1530nm以上1565nm以下である、
    請求項1又は2に記載の光増幅器。
  4. 前記信号光励起光合波器を複数備え、
    一方の前記信号光励起光合波器は、前記増幅用光ファイバの前段で前記励起光を前記信号光と合波し、当該励起光を前記増幅用光ファイバに入射させ、
    他方の前記信号光励起光合波器は、前記増幅用光ファイバの後段で前記励起光を前記信号光と合波し、当該励起光を前記増幅用光ファイバに入射させる、
    請求項1又は2に記載の光増幅器。
  5. 前記増幅用光ファイバの伝搬可能な最高次モードが、前記信号光の最高次モードよりも高い、
    請求項1又は2に記載の光増幅器。
  6. 前記増幅用光ファイバの発生する自然放出光に、前記信号光の最高次モードよりも高い伝搬モードが含まれる、
    請求項1又は2に記載の光増幅器。
  7. 前記増幅用光ファイバは、
    比屈折率差が0でありかつコア中心からの距離がa1である内環部と、
    比屈折率差がΔ1でありかつコア中心からの距離a2の外環部と、
    を備えるエルビウム添加ファイバであり、
    LP01モード及びLP11モードを伝搬しかつ0.4≦Δ1≦1及びΔ1≧(−240×(a1/a2)+41.04)を満たすか、或いは、
    LP01モード、LP11モード及びLP21モードを伝搬しかつ0.4≦Δ1≦1及びΔ1≧(−678.0×(a1/a2)+31.47)を満たすか、或いは、
    LP01モード、LP11モード、LP21モード及びLP31モードを伝搬しかつ0.4≦Δ1≦1、Δ1≧(−56.2×(a1/a2)+135.32)及びΔ1≧(−20.66×(a1/a2)−14.55)を満たす、
    請求項1又は2に記載の光増幅器。
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