JP6265863B2 - 光増幅器及び光増幅器の設計方法 - Google Patents

光増幅器及び光増幅器の設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、モード多重伝送における光増幅器及び光増幅器の設計方法に関する。
近年、サービスの多様化によりインターネットトラヒックは未だ増加し続けており、伝送速度の高速化や波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術による波長多重数の増加により飛躍的に伝送容量を伸ばしてきた。
また近年、検討が盛んに行われているデジタルコヒーレント技術によって更なる伝送容量の拡大が予想されている。デジタルコヒーレント伝送システムでは多値位相変調信号を用いることにより周波数利用効率を向上させてきたが、より高い信号雑音比が必要となってくる。
しかし関連技術に係るシングルモードファイバ(SMF:Single Mode Fiber)を用いた伝送システムでは、理論的な限界に加え非線形効果に起因する入力パワー制限のため伝送容量は100Tbit/secを境に飽和することが予想されており、更なる大容量化は困難となってきている。
今後さらに伝送容量を増やしていくためには革新的な伝送容量拡大を実現する媒体が必要とされている。そこで、光ファイバ中の複数の伝搬モードをチャネルとして用いることで信号雑音比と空間利用効率の向上が期待できるマルチモードファイバ(MMF:Multi Mode Fiber)を用いたモード多重伝送が注目を集めている。これまでファイバ中を伝搬する高次のモードは信号劣化の要因であったが、デジタル信号処理や合分波技術などの発展で積極的な利用が検討されている(例えば、非特許文献1,2参照。)。
MMFを用いた伝送容量の拡大はここ数年で目覚ましく、3モードファイバを用いたDP−16QAM方式で73.7Tbpsまで達している(例えば、非特許文献3参照。)。また、モード多重伝送の長距離化に向けた検討も行われており、Er3+添加型光増幅器を用いた基本モードのLP01モードと第4高次LPモードであるLP02モードの増幅に関する報告がなされている(例えば、非特許文献4参照。)。
モード多重伝送の長距離化を行う上で、すべてのモードの伝送品質を保つためには光増幅器において伝搬モード依存損失(MDL:Mode Dependent Loss)を補償する必要がある。高次のモードにおいては合分波器などモード多重伝送用デバイスの損失が基本モードに比べ大きくなることも懸念されるため少なくとも高次モードの利得は基本モード以上であることが求められる(例えば、非特許文献5参照。)。
各モードの利得は、増幅用光ファイバに入射する励起光の電界分布・希土類元素添加分布により決まる励起元素数分布と信号光の電界分布の重なりによって決定する。現在、増幅用光ファイバの希土類元素添加領域はコア全体に希土類元素を添加するステップインデックス型構造とコアの中心部のみに希土類元素を添加するセンタードープ型構造の2つが主な構造である。
しかし高次モードの利得を考慮に入れる必要がある多モード伝送用の増幅用光ファイバでは利得の調整のため異なる2本の添加ファイバ(EDF:Erbium doped fiber)を直列に接続し伝搬モード毎の利得調整を行う方法(例えば、非特許文献4参照。)や希土類添加分布をファイバコアのエッジに多くドープするような構造が提案されている(例えば、非特許文献6参照。)。
現状の報告では空間光学素子を用いた系が主流であり励起光を光増幅用光ファイバへ入射する際に軸ずれ励振する方法(例えば、非特許文献7参照。)や位相フィルタを用いて励起光を任意のモードへ変換し光増幅用光ファイバへ入射することで伝搬モード毎の利得調整をする方法が提案されている(例えば、非特許文献7参照。)。
しかしながら、上記非特許文献において光増幅器の構成はすべて空間光学系となっており、レンズ、ミラー、励起光を高次モードへ変換させるための位相マスクなどの素子に起因する損失が発生してしまう。また、各モードを一括で増幅する構成においては空間に出た光をファイバへ結合させる際に発生するモード間クロストーク量が懸念される(例えば、非特許文献6参照。)。
信号光のモード間クロストークはモード多重伝送を行う際に懸念事項となる。信号光と励起光の合波および励起光のモード変換に空間光学素子を用いない報告もされており(例えば非特許文献8)、非特許文献8においては励起光のモード変換に長周期ファイバグレーティング(LPFG:Long Period Fiber Grating)を用いている。
N.Hanzawa et al., "Demonstration of Mode−Division multiplexing Transmission Over 10 km Two−mode Fiber with Mode Coupler" OFC2011, paper OWA4, 2011. T.Sakamoto et al., "Modal Dispersion Compensation Technique for Long−haul Transmission over Few−mode Fiber with SIMO Configuration" ECOC2011, We.10.P1.82, 2011. V. Sleiffer et al, "73.7 Tb/s (96 x 3 x 256−Gb/s) mode−division multiplexed DP−16QAM transmission with inline MM−EDFA" OPT EXPRESS,vol.20, No.26 ,December 2012. M.Salsi et al., "A Six−Mode Erbium−Doped Fiber Amplifier" ECOC 2012 paper Th.3.A.6, 2012. A. Li et al. "Low−Loss Fused Mode Coupler for Few−Mode Transmission" OFC/NFOEC2013 OTu3G.4, 2013. M.Salsi et al. "In−line Few−Mode Optical Amplifier with Erbium Profile Tuned to Support LP01, LP11 and LP21 Mode Groups" ECOC 2012 Tu.3.F.1, 2012. Y.Yung et al. "First demonstration of multimode amplifier for spatial division multiplexed transmission systems" ECOC paper Th.13.K.4, 2011. 和田他、「PLC型合波器を用いた低損失マルチモード光増幅器に関する検討」、電子情報通信学会 総合大会2014 B−13−10 2014年 S. Savin, M. J. F. Digonnet, G. S. Kino, and H. J. Shaw, "Tunable mechanically induced long−period fiber gratings" OPTICS LETTERS, vol.25, No.10, May 15.2000.
励起光のモード変換にLPFGを用いる場合には、変換するモードに依って信号光へモード間クロストークを生じさせる可能性があり、実用の際には信号光へのモード間クロストークの影響を最小限に抑えるLPFGの設計技術が必須となる。
前記課題を解決するために、本発明は、励起光のモード変換時に信号光へのモード間クロストークや透過損失などの影響を無くすため、LPFGを形成する伝送光ファイバのパラメータを最適化する方法を示すことを目的とする。また、変換するモード毎にLPFGを形成することで複数のモードを任意の割合で増幅用光ファイバへ入射することが可能となる。
上記目的を達成するため、本発明では、多モード伝送用光増幅器において低損失な励起光のモード変換、および信号光のモード間クロストークの低減を実現する。
具体的には、本発明に係る光増幅器は、
増幅用光ファイバを励起する励起光を光合波器に出射する励起光源と、
外部から出射された信号光及び前記励起光を合波し、合波した前記信号光及び前記励起光を含む第1の入力信号を伝送光ファイバに出射する光合波器と、
前記伝送光ファイバに形成されたグレーティングを用いて前記第1の入力信号に含まれる励起光を所定のモードにモード変換し、前記信号光及び前記励起光を含む入力信号を第2の入力信号として増幅用光ファイバに送出するモード変換部と、
前記第2の入力信号増幅し、増幅した第2の入力信号をアイソレータに送出する増幅用光ファイバと、
前記増幅用光ファイバから送出された前記第2の入力信号を予め定められた方向にのみ通過させるアイソレータと、
を備え
前記モード変換部において励起光をモード変換する前記所定のモードは、前記第1の入力信号のうち信号光に対するモード間クロストーク及び透過損失を発生するモード以外のモードであり、
前記グレーティングが、モード間クロストークの生じる波長が信号帯域と重ならないコア半径及び比屈折率差を有する伝送光ファイバ上に形成されている
本発明に係る光増幅器では、前記モード変換部は、複数の前記グレーティング縦続に接続され複数の前記グレーティングに、コア半径及び比屈折率差の組み合わせの異なる伝送光ファイバが含まれていてもよい。
本発明に係る光増幅器では、
前記モード変換部は、
前記第1の入力信号に含まれる励起光を前記所定のモードに変換するグレーティング周期で、前記伝送光ファイバに対して押圧する押圧部と、
前記押圧部が前記伝送光ファイバを押圧する圧力を調整する圧力調整部と、
を備え、
前記圧力調整部は、モード間クロストークの生じる波長が信号帯域と重ならないコア半径及び比屈折率差を有する伝送光ファイバに、前記押圧部を押し当ててもよい。
本発明に係る光増幅器では、前記グレーティングのグレーティング周期は、前記モード変換部におけるモード変換前の励起光のモードの実効屈折率、前記モード変換部におけるモード変換後の励起光のモードの実効屈折率、及び当該励起光の波長によって定められている。
本発明に係る光増幅器では、前記グレーティングのグレーティング長さは、モード群遅延差(DMD:Differential Mode Delay)が予め定められた値を満たすように定められていてもよい。
本発明に係る光増幅器では、
前記モード変換部は、
前記光合波器から入射された前記第1の入力信号のうち前記励起光のモード変換を行うグレーティング周期Λpにおいてλ以外の波長で異なるモードに変換する波長をλとして、
前記λから使用する信号帯域までの波長差をλとした場合、前記グレーティングが前記λを中心に有する反応帯域幅Δλが以下の(C1)式を満たすこととしてもよい。
Δλ=0.8・λ /(c・DMD・L) (C1)
ただし、c:光速、DMD:モード群遅延差、L:グレーティング長さ
本発明に係る光増幅器では、
前記モード変換部は、
信号帯域と前記λが重なっていない場合、伝送光ファイバに形成されるグレーティングのDMDは以下の(C2)式を満たすこととしてもよい。
|DMD|≦(0.4・λ )/(c・λ・L) (C2)
ただし、c:光速、DMD:モード群遅延差、L:グレーティング長さ
具体的には、本発明に係る光増幅器の設計方法は、
信号帯域と励起光の波長を設定する帯域波長設定手順と、
前記励起光をモード変換するためのグレーティング周期をモードの実効屈折率に応じて設定するグレーティング周期設定手順と、
モード間クロストークの生じる波長が前記信号帯域と重ならないようにグレーティングの形成に用いる伝送光ファイバのコア半径及び比屈折率差を設定し、モード群遅延差が予め定められた値を満たすようにグレーティング長さを設定する調整値設定手順と、を順に行う。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、励起光のモード変換時に信号光へのモード間クロストークや透過損失などの影響を無くすため、LPFGを形成する伝送光ファイバのパラメータを最適化することで、信号光に対してモード間クロストークや透過損失等の影響を与えることなく励起光をモード変換することができる。
本実施形態に係る多モード伝送用光増幅器の構成の一例を示す。 本実施形態に係るLPFGを多段に設置した多モード伝送用光増幅器の構成の一例を示す。 本実施形態に係るLPFGの形成工程の一例を示す。 本実施形態に係る励起光980nmにおけるΛpのa−Δ依存性の一例を示す。 本実施形態に係る波長1550nmにおけるLP01モードとLP11モードのDMDの一例を示す。 本実施形態に係るλ=1500nmにおけるΔλの一例を示す。 本実施形態に係るλ=1510nmにおけるΔλ=40nm以下の領域の一例を示す。 本実施形態に係るλ=1520nmの領域の一例を示す。 本実施形態に係るλ=1575nmの領域の一例を示す。 本実施形態に係るλ=1585nmにおけるΔλ=40nm以下の領域の一例を示す。 本実施形態に係るλ=1595nmにおけるΔλ=60nm以下の領域の一例を示す。 本実施形態に係るLPFGの設計手順
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
本実施形態に係る光増幅器は、励起光源と、光合波器と、モード変換部と、増幅用光ファイバと、アイソレータと、を備える。また、光増幅器の設計方法は、帯域波長設定手順と、グレーティング周期設定手順と、調整値設定手順と、を順に行う。光増幅器において、光合波器は信号光励起光合波用カプラ11として機能し、モード変換部は伝送光ファイバとして機能する光ファイバに形成されたグレーティングを有し、増幅用光ファイバはEDFとして機能する。
以下に、励起光のモード変換における損失を低減し、かつ信号のモード間クロストークを低減するための光増幅器の構成および設計手法を示す。図1は提案する光増幅器10の形態の概略図である。本光増幅器10は、信号光励起光合波用カプラ11と、励起光源12と、光ファイバ20に形成されたLPFG13と、EDF14と、アイソレータ15と、を備える。光増幅器10において、多モードファイバ中を伝搬されてきたNモードを有する信号光は、波長選択合波器として機能する信号光励起光合波用カプラ11により励起光源12から出射される励起光と合波される。
以下、光ファイバ20中を伝搬するモードは弱導波近似によるLPモードを用いる。信号光励起光合波用カプラ11で合波された信号光と励起光は、外力を用いて形成されたLPFG13を通過後、増幅用光ファイバとして機能するEDF14へと入射する。ここでグレーティングの形成手法において形成されるLPFG13は、励起光に関して任意のモードへ変換するが、信号光に関してはモード間クロストークとなるモード変換が起きないことが、LPFG13の特性として求められる。所望の利得を得るために複数の励起光のモード変換が必要な場合、図2に示すように光増幅器10では、多段に複数のLPFG13を縦続接続し、励起光のモード変換を行うことで増幅用光ファイバに入射するモードを複数かつ任意の割合で変換することが出来る。
以下、本LPFG13の設計手法について具体例を元に示す。LPFG13の形成手段としてグレーティング板を光ファイバ20へ押し当てる手法を用いることとする。信号光LP01モードと第一高次モードのLP11モードにおける適用について記述するが、さらに高次のモードにおいても同様の構成、設計手法を用いることで同様に課題解決を行うことが出来る。
本シミュレーションで用いた増幅用光ファイバはEr3+添加ファイバ(EDF14:Erbium Doped Fiber)とし、コア半径がaであり、コアとクラッドの比屈折率差をΔとしたステップ型を仮定し、増幅波長をC+L帯の1530nmから1625nm、伝搬モードはLP01モード、LP11モードを想定している。EDF14の励起光は一般的に980nm帯、1480nm帯が用いられる。ここでは励起光λは980nmを例に用いるが1480nmにおいても同様に検討可能である。ここで比屈折率差Δは以下の式1であらわされる。
(数1)
Figure 0006265863
本実施形態に係る光増幅器10の構成においては、励起光λを任意のモードへ変換する際に、信号光の帯域も併せてモード変換を起こさないことが求められる。また増幅用光ファイバへ入射する励起光のモードを任意に変えるため、本LPFG13は紫外線や放電による光ファイバ20への書き込みではない。
例えば、本実施形態では、図3に示すように光ファイバ20に外力を与えることによりLPFG13を形成する。本手法では図3において、グレーティング周期に合わせたグレーティング板として機能する押圧部21及び平面板22を用意し、平面板22に配置した光ファイバ20に押圧部21を押し当てることでモード変換を行う。ここで、光ファイバ20に対し押圧部21を押し当てる圧力を調整する圧力調整部(不図示)は、光ファイバ20へ与える外力を調整することでモードの変換比率を調整することが出来る。また、グレーティング周期Λpの調整パラメータとして、押圧部21のグレーティング間隔lを可変してもよい。
LPFG13では特定の波長λにおいて2つのモード間の実効屈折率差に応じた屈折率揺らぎによって伝搬してきた励起光を異なる伝搬モードへ変換することが出来る。LPFG13の帯域に信号光の波長が重なってしまう際にはモード間クロストークとなるため本構成を用いることは出来ない。
外力を用いて形成するLPFG13において、励起光がモード変換するグレーティングの周期Λpは以下の式2で表せる。式2のn 1,p 、n 2,p 、励起光における変換する前のモードの実効屈折率と変換後のモードの実効屈折率を示している。この実効屈折率は光ファイバ20の構造パラメータ、波長、モードの次数により決定する
(数2)
Figure 0006265863
図4に光ファイバパラメータによるグレーティング周期Λpの値の違いをコア半径a−比屈折率差Δ図上に示す。グレーティング周期Λpの単位はμmである。図4では、980nmの励起光の伝搬モードはLP11モード、LP21モードの2つのモードを用いている。次に、励起光の波長を示すλがLP11モードからLP21モードへ変換されるグレーティング周期Λpにおいて、信号光に使用されるモードであるLP01からLP11モードへ変換される波長λ について、このλ が信号光帯域に重ならないための光ファイバ20のコア半径a及び比屈折率差Δの条件について考える。
LPFG13を形成する際にはこのλが信号光帯域に重ならないよう留意する必要がある。また、LPFG13により発生するλを中心とする帯域幅Δλについても信号光帯域に重ならないように設計を行う必要がある。グレーティングの帯域幅Δλに関しては以下の式3で表すことが出来る。cは光速、DMDはLP11モードとLP01モードのモード群遅延差(DMD:Differential Mode Delay)、Lは用いるグレーティングの長さを表している。
(数3)
Figure 0006265863
波長1550nmにおいて、コア半径aと比屈折率差Δを変えた場合、有限要素法に基づいて計算したモード群遅延差DMDの変化を図5に示す。モード群遅延差DMDはLP11モードの群遅延からLP01モードの群遅延を引いた値で示している。斜線の領域は1625nmにおけるLP11モードのカットオフ領域を表している。DMDの単位はps/mで表している。図5より光ファイバ20のコア半径aのパラメータによりDMDの値が変わりΔλに影響を与えることが分かる。
これより、信号光の帯域をC帯(1530から1565nm)、グレーティングの長さLを3cmとしたときのLPFG11の設計について図6に示す。図6では、a‐Δ上にλ3=1500nm及びΔλを一例として図示し、λが実線に示した1500nmであるとき、Δλは60nm以下(Δλ/2=30nm)であれば1530nmに影響を与えることはないことを表している。
図5の通り、光ファイバ20のパラメータによりΔλが異なり、λ=1500nmにおいては、図6中○点で示したΔλ=60nm以下の矢印方向の領域の光ファイバ20を用いたLPFG13であれば信号光へ与えるモード間クロストークの影響は小さく、本手法を用いることが可能である。λを同様に評価していくことで用いることの出来るLPFG13のパラメータが決定する。
同様にλ=1510、1520、1575、1585、1595nmについて計算を行った結果を図7、図8、図9、図10、図11にそれぞれ示す。図7では、a‐Δ上にλ=1510nm及びΔλを一例として図示し、λが実線に示した1510nmであるとき、Δλは40nm以下(Δλ/2=20nm)であれば1530nmに影響を与えることはないことを表している。
図7と同様に、信号光が1530nmの場合、影響のないパラメータを図10及び11を用いて以下に示す。図10では、a‐Δ上にλ=1585nmを一例として図示し、λが実線に示した1585nmであるとき、Δλは40nm以下(Δλ/2=20nm)となる。図11では、a‐Δ上にλ=1595nmを一例として図示し、λが実線に示した1595nmであるとき、Δλは60nm以下(Δλ/2=30nm)となる。
なお、本実施形態では、λからC帯端(1530もしくは1565nm)までの波長差λとなるΔλを併せて図示している。この場合、図8及び9では、λの値によってLPFG13として用いることが出来る光ファイバパラメータが異なるため、本計算領域(a=4.0〜7.5μm、Δ=0.3〜1.0%)においては図8に示すλ=1520及び図9に示す1575nmには、要件を満たす領域が無いことがわかる。
本光増幅器10に用いられるLPFG13に求められる特性として、励起光がモード変換するΛpにおいて共鳴するλを中心に発生する帯域幅Δλが使用する信号光の帯域と重なっていないことが求められる。本光増幅器として機能するEDFA(Erbium−Doped Fiber Amplifier)に用いられるLPFG13は、以下の式4を満たす。
(数4)
Figure 0006265863
つまり、式3と式4より光ファイバ20のパラメータであるモード群遅延差DMDが、以下の関係式5を満たす光ファイバ20を用いたLPFG13の形成が必要となる。
(数5)
Figure 0006265863
伝送に用いる帯域、励起光の波長とLPFG13に用いる光ファイバ20を決定することで、DMD、λとλが決定する。その後、グレーティング長さLが式5を満たすように調整することで本LPFG13を有する光増幅器10となる。
ここで、図12を用いて本光増幅器10に必要なLPFG13の設計手順を以下に示す。帯域波長設定手順では、信号光の帯域と励起光の波長を決定する(ステップS110)。グレーティング周期設定手順では、励起光をモード変換するためのグレーティング周期Λpをモードの実効屈折率から決定する(ステップS111)。調整値設定手順では、LPFG13に用いる光ファイバ20のDMD、及びグレーティング長Lを調整する(ステップS112)。
本発明は、光増幅器10であり、複数のモードを用いた伝送において伝搬モード毎の利得調整および伝送距離の長延化を実現するため情報通信産業に適用することができる。
10:光増幅器
11:信号光励起光合波用カプラ
12:励起光源
13、13−1、13−2、13−n:LPFG
14:EDF
15:アイソレータ
20:光ファイバ
21:押圧部
22:平面板

Claims (8)

  1. 増幅用光ファイバを励起する励起光を光合波器に出射する励起光源と、
    外部から出射された信号光及び前記励起光を合波し、合波した前記信号光及び前記励起光を含む第1の入力信号を伝送光ファイバに出射する光合波器と、
    前記伝送光ファイバに形成されたグレーティングを用いて前記第1の入力信号に含まれる励起光を所定のモードにモード変換し、前記信号光及び前記励起光を含む入力信号を第2の入力信号として増幅用光ファイバに送出するモード変換部と、
    前記第2の入力信号増幅し、増幅した第2の入力信号をアイソレータに送出する増幅用光ファイバと、
    前記増幅用光ファイバから送出された前記第2の入力信号を予め定められた方向にのみ通過させるアイソレータと、
    を備え
    前記モード変換部において励起光をモード変換する前記所定のモードは、前記第1の入力信号のうち信号光に対するモード間クロストーク及び透過損失を発生するモード以外のモードであり、
    前記グレーティングが、モード間クロストークの生じる波長が信号帯域と重ならないコア半径及び比屈折率差を有する伝送光ファイバ上に形成されている、
    光増幅器。
  2. 前記モード変換部は、複数の前記グレーティング縦続に接続され
    複数の前記グレーティングに、コア半径及び比屈折率差の組み合わせの異なる伝送光ファイバが含まれている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
  3. 前記モード変換部は、
    前記第1の入力信号に含まれる励起光を前記所定のモードに変換するグレーティング周期で、前記伝送光ファイバに対して押圧する押圧部と、
    前記押圧部が前記伝送光ファイバを押圧する圧力を調整する圧力調整部と、
    を備え、
    前記圧力調整部は、モード間クロストークの生じる波長が信号帯域と重ならないコア半径及び比屈折率差を有する伝送光ファイバに、前記押圧部を押し当てる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光増幅器。
  4. 前記グレーティングのグレーティング周期は、前記モード変換部におけるモード変換前の励起光のモードの実効屈折率、前記モード変換部におけるモード変換後の励起光のモードの実効屈折率、及び当該励起光の波長によって定められる、
    ことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の光増幅器。
  5. 前記グレーティングのグレーティング長さは、モード群遅延差(DMD:Differential Mode Delay)が予め定められた値を満たすように定められている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光増幅器。
  6. 前記モード変換部は、
    前記光合波器から入射された前記第1の入力信号のうち前記励起光のモード変換を行うグレーティング周期Λpにおいてλ以外の波長で異なるモードに変換する波長をλとして、
    前記λから使用する信号帯域までの波長差をλとした場合、前記グレーティングが前記λを中心に有する反応帯域幅Δλが以下の(C1)式を満たすことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光増幅器。
    Δλ=0.8・λ /(c・DMD・L) (C1)
    ただし、c:光速、DMD:モード群遅延差、L:グレーティング長さ
  7. 前記モード変換部は、
    信号帯域と前記λが重なっていない場合、伝送光ファイバに形成されるグレーティングのDMDは以下の(C2)式を満たすことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光増幅器。
    |DMD|≦(0.4・λ )/(c・λ・L) (C2)
    ただし、c:光速、DMD:モード群遅延差、L:グレーティング長さ
  8. 信号帯域と励起光の波長を設定する帯域波長設定手順と、
    前記励起光をモード変換するためのグレーティング周期をモードの実効屈折率に応じて設定するグレーティング周期設定手順と、
    モード間クロストークの生じる波長が前記信号帯域と重ならないようにグレーティングの形成に用いる伝送光ファイバのコア半径及び比屈折率差を設定し、モード群遅延差が予め定められた値を満たすようにグレーティング長さを設定する調整値設定手順と、
    を順に行うことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光増幅器の設計方法。
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