JP6353317B2 - 建築物の壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の壁構造に関する。
建築物を構成する構造躯体では、屋根への積雪などにより鉛直方向成分を有する荷重が作用して、撓みなどの変形が生じる場合がある。例えば、特許文献1には、鉄骨構造の梁或いはルーフトラスに生じる撓みを吸収可能な間仕切り装置が記載されている。間仕切り装置は、間仕切りパネルと、間仕切りパネルの上縁に嵌め込まれる連結用型材と、間仕切りパネルの上縁及び連結用型材の間に詰め込まれたシール部材とを備えている。積雪荷重などにより梁に撓みが生じると、梁に連結された連結用型材が撓む。その撓みはシール部材の変形により吸収される。
特許3433398号
上記特許文献1に記載された間仕切り装置のように、構造躯体へ作用する荷重に対応するための壁構造は、荷重による変形を吸収する構造を要する。例えば、変形を吸収する構造には、一方の部材に対して他方の部材が相対的に移動可能とされた構造がある。しかし、このような構造は、壁構造を複雑化することになり、壁構造の施工性を向上させ難い。
本発明は、施工性を向上させつつ、構造躯体に生じた撓みに対応することが可能な建築物の壁構造を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、第1の部分と第1の部分より下方に位置する第2の部分を有する構造躯体に取り付けられた壁構造において、第1の部分から鉛直方向に沿って下向きに延在する第1の縦下地部と、水平方向に延在し、第1の縦下地部同士を連結する第1の横下地部と、第2の部分から鉛直方向に沿って上向きに延在し、上端が第1の縦下地部の下端と嵌合する第2の縦下地部と、第2の縦下地部同士を連結する第2の横下地部と、を備え、第1の横下地部と第2の横下地部との間には、鉛直方向に沿った所定の隙間が設けられ、第1の縦下地部は、第2の縦下地部に対して鉛直方向に沿って相対的に移動可能である。
この壁構造では、荷重が構造躯体に作用すると、第1の縦下地部が取り付けられた第1の部分、又は第2の縦下地部が取り付けられた第2の部分に撓みが生じる。ここで、第1の縦下地部の下端と第2の縦下地部の上端とは嵌合しているので、第1の縦下地部と第2の縦下地部とは、一方が他方に対して鉛直方向に沿って相対的に移動することができる。従って、この移動に伴って、第1の横下地部及び第2の横下地部は、一方が他方に当接するまで鉛直方向に沿って相対的に移動できる。これにより、構造躯体の第1の部分又は第2の部分に生じた撓みを吸収することができる。このように、互いに相対的に移動可能な構造は、第1の縦下地部と第2の縦下地部との嵌合により実現されている。これら第1の縦下地部と第2の縦下地部とによれば、壁構造の複雑化を抑制できる。更に、施工現場において第1の縦下地部と第2の縦下地部とを互いに組み合わせるだけで相対的な移動機構を実現できる。従って、この壁構造によれば、撓みを吸収可能な仕切り壁を容易に施工することができるので、施工性を向上させることができる。
また、第2の縦下地部は、上端側に設けられ鉛直方向に延在する第1の嵌合穴を有し、第1の縦下地部は、下端側に設けられ第1の嵌合穴に差し込まれる第1の嵌合部を有することとしてもよい。この第1の嵌合穴と第1の嵌合部とによれば、第1の縦下地部が第2の縦下地部に差し込まれる。従って、相対的な移動機構を容易に実現できる。また、第1の縦下地部が第2の縦下地部に差し込まれるので、第1の縦下地部が第2の縦下地部よりも細くなる。また、第1の縦下地部は、鉛直方向に沿って下向きに延在しているので、構造躯体に対して吊下っている。そうすると、構造躯体に吊下げられる部材が軽量化されるので、第1の縦下地部を構造躯体に対して容易に取り付けることができる。従って、施工性を向上させることができる。
また、第1の縦下地部は、第1の嵌合部に設けられ第1の嵌合穴の内壁面に接触するスペーサを更に有することとしてもよい。このスペーサによれば、第2の縦下地部の内壁面が第1の縦下地部の側面に直接に接触し難くなる。従って、第1の縦下地部を第2の縦下地部に対して滑らかに移動させることができるので、移動時に生じ得る軋み音の発生を抑制し得る。
また、構造躯体、第1の縦下地部及び第1の横下地部により囲まれた領域を塞ぐように配置された第1の壁パネルと、構造躯体、第2の縦下地部及び第2の横下地部により囲まれた領域を塞ぐように配置された第2の壁パネルと、第1の壁パネルと第2の壁パネルとを跨ぐように配置され、第1の横下地部及び第2の横下地部に固定された耐火被覆材を更に備えることとしてもよい。この構成によれば、第1の壁パネルと第2の壁パネルとが鉛直方向に相対的に移動可能である。そして、これら壁パネル間を跨ぐように耐火被覆材が配置されている。従って、壁構造に、撓みの吸収性を持たせつつ、耐火性を持たせることが可能になる。
本発明によれば、施工性を向上させつつ、構造躯体に生じた撓みに対応することが可能な建築物の壁構造が提供される。
本発明の一形態の壁構造を備える建築物の主要な構造を示す斜視図である。 図1に示された壁構造の内部構造を示す正面図である。 図2に示された壁構造の主要部を拡大して示す側面図である。 図2に示された壁構造の主要部を拡大して示す正面図である。 (a)は、荷重が作用した状態における構造躯体を示す側面図である。(b)は、荷重が作用した状態における壁構造を示す正面図である。 (a)は、荷重が作用していない状態における壁構造の主要部を拡大して示す正面図である。(b)は、荷重が作用した状態における壁構造の主要部を拡大して示す正面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、一般家屋や工場等といった建築物1は、構造躯体2と、屋根材3と、区画壁(壁構造)4と、を備えている。構造躯体2は、建築物1の主要な構造をなす骨組みである。本実施形態に係る構造躯体2は、柱6と、柱6の間に掛け渡された大梁7と、大梁7の間に掛け渡された小梁8と、コンクリート床9とを有している。柱6、大梁7及び小梁8には、H鋼などの形鋼や一般構造用角型鋼管といった鋼材が用いられている。大梁7には、屋根材3が固定されている。すなわち、屋根材3は大梁7と柱6とにより支持されている。
区画壁4は、小梁8とコンクリート床9との間に配置されている。本実施形態の区画壁4は、防火区画を形成するための防火性能を有する区画壁である。区画壁4は、可動下地11と、可動壁パネル(第1の壁パネル)12と、固定下地13と、固定壁パネル(第2の壁パネル)14と、耐火被覆材16とを有している。
図2に示されるように、可動下地11は、縦可動下地部(第1の縦下地部)17と横可動下地部(第1の横下地部)18とを有している。縦可動下地部17は、小梁(第1の部分)8から鉛直方向D1に沿って下向きに延在している。横可動下地部18は、水平方向D2に延在し縦可動下地部17同士を連結している。これら縦可動下地部17及び横可動下地部18には、断面矩形状の一般構造用角型鋼管が用いられている。
縦可動下地部17は、一例として、一辺が90mm程度の正方形断面をなし、板厚が2mm程度である。縦可動下地部17は、L字金具19によって小梁8に対して固定されている。L字金具19は、一片が小梁8の下面8aに溶接され、他片が縦可動下地部17の側面17aに溶接されている。縦可動下地部17は、小梁8が延在する水平方向D2に沿って所定の間隔で配置されている。この間隔は、全ての縦可動下地部17間で同一であってもよいし、区画壁4に設けられる窓枠等により異なっていてもよい。横可動下地部18は、L字金具21によって、その両端が互いに隣接する縦可動下地部17の側面17aに固定されている。L字金具21は、一片が横可動下地部18の上面18aに溶接され、他片が縦可動下地部17の側面17aに溶接されている。可動壁パネル12は、縦可動下地部17と、横可動下地部18と、小梁8とに囲まれた領域を覆うように配置されている。可動壁パネル12は、縦可動下地部17、横可動下地部18、及び小梁8に対してビス止め等により固定されている。
固定下地13は、縦固定下地部(第2の縦下地部)22と、横固定下地部(第2の横下地部)23と、スタッド20とを有している。縦固定下地部22は、コンクリート床(第2の部分)9から鉛直方向D1に沿って上向きに延在している。横固定下地部23は、水平方向D2に延在し縦固定下地部22同士を連結している。スタッド20は、横固定下地部23とコンクリート床9との間に配置されている。これら縦固定下地部22及び横固定下地部23には、断面矩形状の一般構造用角型鋼管が用いられている。
縦固定下地部22は、一例として、一辺が100mm程度の正方形断面をなし、板厚が2mm程度である。縦固定下地部22は、L字金具24によって、コンクリート床9に対して固定されている。L字金具24は、一片が縦固定下地部22の側面22aに溶接され、他片がコンクリート床9の床面9aに埋め込まれたアンカーにボルト固定されている。縦固定下地部22は、縦可動下地部17の直下に配置されている。すなわち、縦固定下地部22の水平方向D2に沿った配置間隔は、縦可動下地部17の水平方向D2に沿った配置間隔と同じである。横固定下地部23は、横可動下地部18の下方に配置されると共に、横可動下地部18に対して略平行に配置されている。横固定下地部23は、その両端が互いに隣接する縦固定下地部22の側面22aに固定されている。横固定下地部23は、L字金具26によって縦固定下地部22に対して固定されている。L字金具26は、一片が横固定下地部23の下面23aに溶接され、他片が縦固定下地部22の側面22aに溶接されている。スタッド20は、横固定下地部23、コンクリート床9、及び縦固定下地部22に囲まれた空間に配置されている。このスタッド20は、大面積の固定壁パネル14を取り付ける下地である。従って、区画壁4の厚さ方向D3において、スタッド20と縦固定下地部22とは面一である。
固定壁パネル14は、縦固定下地部22と、横固定下地部23と、スタッド20とを覆うように配置されている。固定壁パネル14は、縦固定下地部22、横固定下地部23、及びスタッド20に対してビス止め等により固定されている。固定壁パネル14の上端と、可動壁パネル12の下端との間には隙間S1が形成されている。図3に示されるように、この隙間S1を塞ぐように、耐火被覆材16が配置されている。耐火被覆材16は、耐熱ロックウール等の耐火材を用いた巻き付け型の被覆材である。耐火被覆材16は、横可動下地部18と横固定下地部23とに対して固定されている。この固定形態は、特に限定されるものではないが、例えば、ビスB(図3参照)や、ピンを利用した形態とすることができる。ビスBによれば、耐火被覆材16を貫通し、横可動下地部18及び横固定下地部23に端部がねじ込まれることにより耐火被覆材16が固定される。また、ピンによれば、耐火被覆材16を貫通し、横可動下地部18及び横固定下地部23に端部が溶接されることにより耐火被覆材16が固定される。この耐火被覆材16は、柔軟性を有するものであり、可動下地11の動きを阻害するものではない。
次に、図4を参照しつつ、縦可動下地部17と縦固定下地部22との嵌合部分について詳細に説明する。縦可動下地部17の下端17eは、縦固定下地部22の貫通孔22Hに差し込まれている。つまり、縦固定下地部22に差し込まれた縦可動下地部17の下端部が、嵌合部(第1の嵌合部)17bである。また、嵌合部17bを収容した貫通孔22Hの上端側が、嵌合穴部(第1の嵌合穴)22bである。
この嵌合穴部22bは、中空の角パイプである縦固定下地部22が有する貫通孔22Hの一部である。嵌合穴部22bは、一例として一辺95mm程度の正方形状であり、縦可動下地部17の外形寸法(一辺が90mm程度)よりも大きい。また、縦可動下地部17の長さL1(図2参照)と、縦固定下地部22の長さL2とを足し合わせた合計長さ(L1+L2)は、小梁8の下面8aからコンクリート床9の床面9aまでの高さL3よりも長い。従って、縦可動下地部17の下端17eは、長さL4だけ縦固定下地部22の上端側に差し込まれている。また、縦可動下地部17が縦固定下地部22に差し込まれた位置は、区画壁4において屋根側に位置している。縦可動下地部17の側面17aと、縦固定下地部22の内壁面22cと、の間には隙間S2が形成されている。すなわち、縦可動下地部17と縦固定下地部22との嵌合は、具体的には隙間嵌めである。この隙間S2により縦可動下地部17を縦固定下地部22に対して鉛直方向D1に沿って上下に移動させることができる。
ここで、縦可動下地部17及び縦固定下地部22は金属製の部材であるため、縦可動下地部17の側面17aと縦固定下地部22の内壁面22cとが接触すると軋み音などが生じる虞がある。また、隙間S2が大きい場合には、区画壁4にがたつきが生じることもあり得る。そこで、縦可動下地部17の嵌合部17bには、スペーサ27が形成されている。このスペーサ27は、縦可動下地部17の側面17aと、縦固定下地部22の内壁面22cと、の間の隙間S2を埋めると共に、縦可動下地部17と縦固定下地部22との直接の接触を防止する。スペーサ27は、隙間S2を調整する板材と、板材を縦可動下地部17に対して固定するテープとを有している。スペーサ27は、縦可動下地部17の内壁面22cと接触している。
図5(a)に示されるように、例えば、屋根材3上に積雪があるといった状態では、構造躯体2に対して鉛直方向D1に沿って下向きの荷重Fが作用する。この荷重Fによれば、柱6はほとんど縮むことはない。しかし、両端支持構造の大梁7は、荷重Fが作用していない状態(大梁7A)に対して、数センチ程度の撓みを生じることがある。撓みには、荷重Fの大きさ、柱6間隔(即ち大梁7の長さ)、大梁7の断面性能等が影響する。この撓みが生じたとき、大梁7間に掛け渡された小梁8も鉛直方向D1に沿って下向きに移動する。ここで、図5(b)に示されるように、区画壁4によれば、小梁8の移動に対応して、可動下地11が固定下地13に対して鉛直方向D1に沿って下向きに移動することができる。そうすると、小梁8の移動に起因して区画壁4において内部応力の発生が抑制される。
また、図6(a)に示されるように、横可動下地部18の下面18bと、横固定下地部23の上面23bと、の間には、鉛直方向D1に沿った所定の隙間S3が形成されている。
この隙間S3は、横可動下地部18の下面18bから横固定下地部23の上面23bまでの最短の長さをもって規定される。隙間S3は、固定下地13に対する可動下地11の可動範囲を規定する。すなわち、可動下地11は、横可動下地部18が横固定下地部23に当接するまで鉛直方向D1に沿って下向きに移動することができる(図6(b)参照)。そこで、この横可動下地部18の鉛直方向D1に沿った取付位置を適宜調整することにより、可動下地11の可動範囲を所望の範囲に調整することができる。なお、上述した可動壁パネル12と固定壁パネル14との間の隙間S1は、この隙間S3よりも大きい。
この区画壁4では、構造躯体2に鉛直方向D1に沿って下向きの荷重Fが作用すると、縦可動下地部17が取り付けられた小梁8に撓みが生じる。ここで、縦可動下地部17の下端17eは、縦固定下地部22に差し込まれているので、縦可動下地部17は縦固定下地部22に対して鉛直方向D1に沿って下向きに移動することができる。この移動に伴って、横可動下地部18も鉛直方向D1に沿って下向きに移動した後に、横固定下地部23に当接する。これにより、縦可動下地部17と横可動下地部18とは、横可動下地部18が横固定下地部23に当接するまで鉛直方向D1に沿って下方へ移動できる。このため、構造躯体2の小梁8に撓みが生じた場合であっても、その撓みを吸収し得る。従って、構造躯体2に生じた撓みに対応することができる。
ここで、建築物1が工場等の大規模建築物である場合、広大な空間スペースの確保が要求されるため、柱6の設置間隔が長くなることがある。そうすると、柱6の間に掛け渡される大梁7も長くなるので、下向きの荷重Fに対する撓みが大きくなり易い。本実施形態の区画壁4によれば、下向きの荷重Fにより生じる構造躯体2の撓みに対応することができる。従って、上述した広大な空間スペースの確保が要求されるような建築物への適用は特に有効である。
また、縦固定下地部22及び横固定下地部23に対し、縦可動下地部17及び横可動下地部18が相対的に移動可能な構造は、縦可動下地部17と縦固定下地部22との嵌合により実現されている。これによれば、相対的な移動機構において、縦可動下地部17及び縦固定下地部22の他に別の部材を準備する必要がない。また、縦可動下地部17及び縦固定下地部22に対して特殊な加工を施す必要もない。従って、区画壁4の構造の複雑化を抑制できる。更に、施工現場において縦可動下地部17を縦固定下地部22に差し込むだけで相対的な移動機構を実現できる。従って、この区画壁4によれば、撓みを吸収可能な壁構造を容易に施工することができるので、施工性を向上させることができる。
また、縦可動下地部17が縦固定下地部22に差し込まれるので、縦可動下地部17が縦固定下地部22よりも細く、軽くなる。また、縦可動下地部17は、鉛直方向D1に沿って下向きに延在しているので、構造躯体2の小梁8に対して吊下っている。そうすると、構造躯体2に吊下げられる部材が軽量化されるので、縦可動下地部17を構造躯体2に対して容易に取り付けることができる。従って、施工性を向上させることができる。
また、本実施形態の区画壁4では、縦固定下地部22に対して一定長さ以上の縦可動下地部17が差し込まれている。これによれば、縦可動下地部17及び縦固定下地部22を切断加工するときに、高い加工精度が要求されない。従って、縦可動下地部17及び縦固定下地部22の加工が容易になるので、施工性を向上させることができる。
また、スペーサ27によれば、縦可動下地部17の側面17aが縦固定下地部22の内壁面22cに直接に接触し難くなる。従って、縦可動下地部17を縦固定下地部22に対して滑らかに移動させることができるので、軋み音の発生を抑制し得る。また、耐火被覆材16によれば、区画壁4に、撓みの吸収性を持たせつつ耐火性を持たせることができる。
また、差込み構造による縦可動下地部17と縦固定下地部22との連結によれば、区画壁4に面外方向の耐力を付与することもできる。区画壁4に面外荷重が作用した場合には、縦可動下地部17及び縦固定下地部22に曲げ荷重が作用すると予想される。これら縦可動下地部17及び縦固定下地部22は、断面正方形状の角パイプであるので、曲げに対して比較的高い耐力を発揮できる。
また、縦可動下地部17と縦固定下地部22との間には、隙間S2が形成され、この隙間S2にスペーサ27が配置されている。従って、面外方向に周期的に作用する振動をこの隙間S2及びスペーサ27により緩衝又は吸収し、区画壁4において繰り返し応力の発生を抑制することもできる。
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、防火区画を形成する区画壁4への壁構造の適用を例示した。本発明に係る壁構造は、区画壁だけでなく、単に空間を仕切るだけの間仕切り壁へ適用されてもよい。間仕切り壁へ適用される場合には、例えば、固定下地13に対して固定壁パネル14が取り付けられる一方、可動下地11に対して可動壁パネル12が取り付けられていなくてもよい。この場合には、可動下地11よりも下方に天井パネルが配置されていてもよい。
上記実施形態では、構造躯体2の第1の部分は小梁8として説明したが、第1の部分は小梁8でなくてもよい。例えば、第1の部分は、大梁7であってもよいし、小梁8の間に架け渡された孫梁(不図示)でもよい。また、構造躯体2の第2の部分はコンクリート床9として説明したが、第2の部分は、壁を支持できるものであれば、コンクリート床9でなくてもよい。例えば、第2の部分は、木造床であってもよい。また、第2の部分は、二重床構造において、仕上げ床よりも下方に位置するコンクリート製の床構造物であってもよいし、コンクリート製の床構造物上に配置された下地鋼材であってもよい。
また、上記実施形態では、縦可動下地部が縦固定下地部に挿入されていた。本発明に係る区画壁4は、上記実施形態とは逆に、縦固定下地部が縦可動下地部に挿入されていてもよい。この場合には、縦固定下地部が嵌合部(第2の嵌合部)を有し、縦可動下地部が嵌合穴(第2の嵌合穴)を有している。このような構成によっても、固定下地と可動下地との間の相対的な移動機構を実現できる。
1…建築物、2…構造躯体、3…屋根材、4…区画壁(壁構造)、6…柱、7…大梁、8…小梁、9…コンクリート床、11…可動下地、12…可動壁パネル(第1の壁パネル)、13…固定下地、14…固定壁パネル(第2の壁パネル)、16…耐火被覆材、17…縦可動下地部(第1の縦下地部)、17b…嵌合部、18…横可動下地部(第1の横下地部)、20…スタッド、22…縦固定下地部(第2の縦下地部)、22b…嵌合穴部、23…横固定下地部(第2の横下地部)、27…スペーサ、B…ビス、S1,S2,S3…隙間。

Claims (6)

  1. 第1の部分と前記第1の部分より下方に位置する第2の部分を有する構造躯体に取り付けられた壁構造において、
    前記第1の部分から鉛直方向に沿って下向きに延在する第1の縦下地部と、
    水平方向に延在し、前記第1の縦下地部同士を連結する第1の横下地部と、
    前記第2の部分から鉛直方向に沿って上向きに延在し、上端が前記第1の縦下地部の下端と嵌合する第2の縦下地部と、
    前記第2の縦下地部同士を連結する第2の横下地部と、を備え、
    前記第1の横下地部と前記第2の横下地部との間には、鉛直方向に沿った所定の隙間が設けられ、
    前記第1の縦下地部は、前記第2の縦下地部に対して鉛直方向に沿って相対的に移動可能であり、
    前記第1の縦下地部及び前記第2の縦下地部は、一方の縦下地部の端部に対して、他方の縦下地部の端部が差し込まれ、
    前記一方の縦下地部は、中空のパイプである、建築物の壁構造。
  2. 前記第1の横下地部は、前記第1の縦下地部の移動に伴って鉛直方向に沿って前記第2の横下地部に向かって移動可能であり、
    前記第1の横下地部と前記第2の横下地部との間の前記隙間は、前記第1の横下地部の可動範囲を規定する、請求項1に記載の建築物の壁構造。
  3. 第1の部分と前記第1の部分より下方に位置する第2の部分を有する構造躯体に取り付けられた壁構造において、
    前記第1の部分から鉛直方向に沿って下向きに延在する第1の縦下地部と、
    水平方向に延在し、前記第1の縦下地部同士を連結する第1の横下地部と、
    前記第2の部分から鉛直方向に沿って上向きに延在し、上端が前記第1の縦下地部の下端と嵌合する第2の縦下地部と、
    前記第2の縦下地部同士を連結する第2の横下地部と、を備え、
    前記第1の横下地部と前記第2の横下地部との間には、鉛直方向に沿った所定の隙間が設けられ、
    前記第1の縦下地部は、前記第2の縦下地部に対して鉛直方向に沿って相対的に移動可能であり、
    前記第1の縦下地部及び前記第2の縦下地部は、一方の縦下地部の端部に対して、他方の縦下地部の端部が差し込まれ、
    前記第1の横下地部は、前記第1の縦下地部の移動に伴って鉛直方向に沿って前記第2の横下地部に向かって移動可能であり、
    前記第1の横下地部と前記第2の横下地部との間の前記隙間は、前記第1の横下地部の可動範囲を規定する、建築物の壁構造。
  4. 前記第2の縦下地部は、上端側に設けられ鉛直方向に延在する第1の嵌合穴を有し、
    前記第1の縦下地部は、下端側に設けられ前記第1の嵌合穴に差し込まれる第1の嵌合部を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の建築物の壁構造。
  5. 前記第1の縦下地部は、前記第1の嵌合部に設けられ前記第1の嵌合穴の内壁面に接触するスペーサを更に有する、請求項に記載の建築物の壁構造。
  6. 前記構造躯体、前記第1の縦下地部及び前記第1の横下地部により囲まれた領域を塞ぐように配置された第1の壁パネルと、
    前記構造躯体、前記第2の縦下地部及び前記第2の横下地部により囲まれた領域を塞ぐように配置された第2の壁パネルと、
    前記第1の壁パネルと前記第2の壁パネルとを跨ぐように配置され、前記第1の横下地部及び前記第2の横下地部に固定された耐火被覆材を更に備える、請求項1〜の何れか一項に記載の建築物の壁構造。
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