JP6351524B2 - スピネル型結晶構造のLiaMxMnyO4粉末並びにその製造方法 - Google Patents

スピネル型結晶構造のLiaMxMnyO4粉末並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スピネル型結晶構造のLiMnに関する。
スピネル型結晶構造の化合物には、ニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの金属酸化物があり、これらの化合物は電子材料などに利用されている。特に、スピネル型結晶構造のLiMn(Mは金属、0.8≦a≦1.1、0≦x≦1、1≦y≦2.2、1.8≦x+y≦2.2)は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いられることが知られており、その製造方法についても知られている。
例えば、特許文献1には、炭酸リチウム、炭酸マンガン及び水酸化ニッケルを原料として用い、空気中、600℃で焼成した平均粒子径11μmのLiNi0.5Mn1.5が記載されており、また、炭酸リチウム及び炭酸マンガンを原料として用い、空気中、600℃で焼成した平均粒子径9μmのLiMnも記載されている。そして、同文献には、これらの金属酸化物を正極活物質として具備する二次電池が記載されている。
特許文献2には、炭酸リチウム及び酸化マンガンを原料として用い、空気中、1000℃で焼成したLiMnが記載されており、さらに、LiMnを正極活物質として具備する二次電池が記載されている。
特許文献3には、炭酸リチウム、二酸化マンガンなどを原料として用い、空気中、950℃で焼成した平均粒子径10μm程度のスピネル型リチウムマンガンニッケル酸化物が記載されており、当該酸化物を正極活物質として具備する二次電池が記載されている。
特許文献1〜3に記載されるように、スピネル型結晶構造のLiMnは、炭酸リチウムなどのLi源と炭酸マンガンなどのMMn源とを酸素雰囲気下で焼成することにより製造される。そして、この製造方法で得られるLiMnは、概ね平均粒子径10〜30μm程度である。
特開2014−241229号公報 特開2013−214489号公報 特許第5572268号
上述したように、従来のスピネル型結晶構造のLiMnは、概ね平均粒子径10〜30μm程度のものであった。そして、より細かい平均粒子径のものを得るために、さらなる粉砕を施しても、平均粒子径は0.6〜1μm程度の水準に留まっていた。そのため、より微細な粉末を得るためには、粉砕方法ではなく、製造方法自体に抜本的な変更が必要であった。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、新たなLiMn粉末の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、従来の製造方法とは全く異なる条件下でLiMn粉末を得ることを想起した。具体的には、温度10000℃程度となるプラズマ内に所望のLiMnの原料となり得る原料物質又は原料混合物を投入すること、気体又は液体状態で原料物質又は原料混合物を反応させること、プラズマ内外の極端な温度差を利用して、生成物を急冷し微細な粉末を得ることを想起した。そして、本発明者が、試行錯誤を繰り返して鋭意検討したところ、上記製造方法にて、非常に微細な粒子径のスピネル型結晶構造のLiMn粉末が得られたことを確認した。そして、本発明者はかかる発見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明のスピネル型結晶構造のLiMn(Mは金属、0.8≦a≦1.1、0≦x≦1、1≦y≦2.2、1.8≦x+y≦2.2)粉末(以下、本発明の粉末ということがある。)は、平均粒子径が10nm〜400nmの範囲内であることを特徴とする。
また、本発明のスピネル型結晶構造のLiMn(Mは金属、0.8≦a≦1.1、0≦x≦1、1≦y≦2.2、1.8≦x+y≦2.2)粉末の製造方法(以下、本発明の製造方法ということがある。)は、LiMn源及び酸素ガスを導入流にて、プラズマ内に導入する工程、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法は、微細な粒径のLiMn粉末を提供できる。
プラズマ発生装置の模式図である。 実施例1、実施例3、実施例6の粉末のX線回折チャートである。 実施例1の粉末の透過型電子顕微鏡像である。 実施例3の粉末の透過型電子顕微鏡像である。 実施例6の粉末の透過型電子顕微鏡像である。 実施例1の粉末の走査型電子顕微鏡像である。 実施例6の粉末の走査型電子顕微鏡像である。 市販のスピネル型結晶構造のLiMn粉末の走査型電子顕微鏡像である。 実施例10の粉末の透過型電子顕微鏡像である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
以下、本発明の製造方法に沿って、本発明を説明する。
本発明のスピネル型結晶構造のLiMn(Mは金属、0.8≦a≦1.1、0≦x≦1、1≦y≦2.2、1.8≦x+y≦2.2)粉末の製造方法は、LiMn源及び酸素ガスを導入流にて、プラズマ内に導入する工程、を含むことを特徴とする。
LiMn(Mは金属、0.8≦a≦1.1、0≦x≦1、1≦y≦2.2、1.8≦x+y≦2.2)におけるMは、原子価2〜4を取り得る金属元素である。好ましいMとして、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Laを例示できる。aは上記の範囲内であればよく、0.9≦a≦1.1の範囲内でもよい。xは上記の範囲内であればよく、0≦x≦0.6の範囲内でもよい。yは上記の範囲内であればよく、1≦y≦2.1の範囲内でもよい。x+yは上記の範囲内であればよく、1.9≦x+y≦2.1の範囲内でもよい。具体的なLiMnとしては、LiMn、LiNi0.5Mn1.5、LiAl0.1Mn1.9、LiCrMnO、LiCoMnO、LiFe0.5Mn1.5、LiLa0.05Mn1.95、Li0.91Mn2.09((Li0.91Mn0.09)Mnと同義とする。)を例示できる。
LiMn源としては、本発明の粉末の原料となり得る原料物質又は原料混合物であればよく、例えば、LiMnそのものでも良いし、また、Li源とMMn源とを併用してもよい。LiMn源は粉末状態のものが好ましい。
Li源としては、金属リチウムやリチウム化合物であればよい。リチウム化合物としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ハロゲン化リチウムを例示できる。Li源は、1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
Mn源としては、M、Mn、M化合物、Mn化合物を、所望とするMMnの割合となるように、採用すればよい。M化合物又はMn化合物としては、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン酸塩を例示できる。
Li源とMMn源との割合は、リチウムとMMnとの元素のモル比がa:x+y及びその近辺となるようにすればよく、具体的な数値で示すと、1:1.5〜1:2.5の範囲内にあるのが好ましく、特にモル比1:2近辺が好ましい。
本発明の製造方法は、プラズマ発生装置を用いて実施される。プラズマは、アーク放電、高周波電磁誘導、マイクロ波加熱放電などで発生させればよい。
高周波電磁誘導式のプラズマ発生装置の場合、その周波数は、例えば0.5〜400MHzの範囲内、好ましくは1〜80MHzの範囲内とすればよい。プラズマ出力は、例えば3〜300kWの範囲内、好ましくは5〜100kWの範囲内とすればよい。プラズマ発生装置内の圧力は適宜設定すればよく、例えば10kPa〜大気圧の範囲内を例示できる。プラズマ出力やプラズマ発生装置内の圧力を変動させることで、本発明の粉末の平均粒子径を変化させることができる。例えば、プラズマ出力を増加することで、本発明の粉末の平均粒子径を小さくすることができる。
導入流としては、プラズマの安定性を考慮して、プラズマ下で使用し得る気体を主流とするのが好ましい。上記気体としては、ヘリウム、アルゴンなどの希ガスが好ましい。導入ガス流量としては、20〜120L/min.を例示できる。
プラズマ発生装置の種類によるが、本発明の製造方法においては、導入流として、LiMn源を運搬するキャリヤーガス、キャリヤーガスとは別にコイル内に導入されるインナーガス、及び、プラズマ発生部位を不活性雰囲気下にするためのプロセスガスを採用するのが好ましい。
キャリヤーガスの流量としては、1〜10L/min.を例示できる。インナーガスの流量としては、1〜10L/min.を例示できる。プロセスガスの流量としては、15〜100L/min.を例示できる。
酸素ガスは、キャリヤーガス、インナーガス及び/又はプロセスガスの一部として、例えば、導入ガス全体の0.4〜20体積%で導入されればよい。プラズマ発生装置のガス配管の安定性、LiMn源及び酸素のプラズマ内での反応均一性などを考慮すると、酸素ガスはプロセスガスの一部として導入されるのが、酸素ガスを最も好適に希釈できる点から好ましい。酸素ガスの導入量は、例えば0.5〜10L/min.を例示できる。酸素ガス量を変動させることで本発明の粉末の平均粒子径を変化させることができ、酸素ガス量を増加することで本発明の粉末の平均粒子径を大きくすることができる。
ここで、LiMn源としてLi源とMMn源を用いた場合の本発明の粉末の生成機構について考察する。プラズマ内の温度は、8000〜20000℃程度である。Li源とMMn源はプラズマ内で気化又は分解状態となる。プラズマ内にLi源及びMMn源とともに酸素ガスを導入することで、Li源はLiO等のリチウム酸化物に、MMn源はMnO等のマンガン酸化物又はマンガン−M複合酸化物に変換され得る。なお、LiOはLi単体よりも融点が高く、また、MnOはMn単体及びMnO、Mn、Mnなどのマンガン酸化物の中で最も融点が高いため、高温のプラズマ内から放出されて冷却される過程において、LiOとMnOは冷却初期段階で核生成しやすい化合物といえる。そして、LiOとMnOの融点を比較するとMnOの融点の方が高いため、MnOの核生成が先に生じると考えられる。
ここで、例えば、融点が1705Kであり沸点が2873KであるLiOと、融点が2113Kであり沸点が3400KであるMnOとは、融点と沸点の間の温度範囲が、共に2200〜2800K程度の範囲で重複している。したがって、液体状態のLiOとMnOは酸素存在下で冷却されて核を生成し、これらが凝集することで、LiMnが生成されると推定される。この反応を反応式で示すと、以下のとおりとなる。
2LiO(liq.)+ 8MnO(liq.)+ 3O(gas)→ 4LiMn
さらに、生じたLiMn結晶核は、さらなる急速冷却により、結晶構造及び結晶成長が制御され、その結果、微細なLiMn粒子が得られると推定される。
本発明の製造方法で得られるLiMn粒子(以下、本発明の粒子という。)は、高温状態から室温付近にまで、急激に冷却されるため、結晶成長する期間がほとんどない。そのため、本発明の粒子は、一般的な製造方法で得られるような、特定の軸が成長した針状結晶となることが妨げられている。その結果、本発明の粉末に含まれる本発明の粒子は、各軸の結晶成長速度にムラの無い形状となっている。そして、本発明の粒子の一態様として、多数の平面で構成される多面体形状のものが観察された。多面体の具体例として、三角形及び四角形の平面を含むもの、四角形及び六角形の平面を含むもの、又は、三角形、四角形及び六角形の平面を含むものを例示できる。さらに、多面体の具体例として、8つの三角形よりなる八面体から該八面体の頂点を頭頂点とする6つの四角錐を除去した切頂八面体を例示できる。
本発明の粉末は、その平均粒子径が10nm〜400nmの範囲内であるのが好ましく、30nm〜150nmの範囲内がより好ましい。ここでの平均粒子径とは、本発明の粉末を走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡などの電子顕微鏡で観察した場合における、観察された粒子像の外接円の直径の算術平均値を意味する。例えば、六角形の粒子像が観察されたら、その外接円を作成し、該外接円の直径を測定する。そのようにして、例えば200個の粒子につき、各外接円の直径を測定して、その算術平均値を算出する。この値が平均粒子径である。
本発明の製造方法において、LiMnを含むガス流の冷却速度が増加すれば、LiMn結晶核の結晶成長が初期段階で中断されるため、より微細であり、かつ形状が均一なLiMn粒子が得られるといえる。
したがって、本発明の製造方法において、導入流がプラズマ内を通過した後の通過流を当該通過流に対向する冷却ガス流で冷却する工程を有すると、より微細なLiMn粒子が得られるため、より好ましい。
冷却ガス流のガスとしては、ヘリウム、アルゴンなどの希ガスや、酸素、空気が好ましく、これらを混合して用いてもよい。冷却ガス流の温度は室温でもよいし、室温以下でもよい。冷却ガスの流量としては、導入流よりも小さい流量であればよく、例えば1〜30L/min.の範囲内を例示できる。
なお、微細なLiMn粉末が電池の正極活物質として使用された場合、例えば、電池の反応抵抗を低減できる、高速の充放電でも十分な容量を示すことができるなどの効果が期待される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。なお、本発明の粉末には、不純物が含まれるものもある。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すプラズマ発生装置を用いて、実施例1の粉末を製造した。図1に示すプラズマ発生装置において黒塗り矢印は冷却水を表す。
Li源として炭酸リチウム、MMn源として二酸化マンガンを準備し、これらをモル比1:4で混合して混合粉体とした。そして、混合粉体を粉体供給器に配置した。なお、当該混合粉体におけるリチウムとマンガンの元素モル比は1:2である。
プラズマ発生装置内に、プロセスガスとしてアルゴンと酸素の体積比59:1の混合ガスを60L/min.で供給し、インナーガスとしてアルゴンを5L/min.で供給し、キャリヤーガスとしてアルゴンを3L/min.で供給した。電力供給装置から電力を供給し、周波数4MHzの磁場をコイルに印加して、出力20kWのプラズマを発生させた。なお、プラズマ発生装置内の圧力は大気圧とした。
プラズマの安定後、粉体供給器を作動させ、混合粉体を400mg/min.の供給量で、キャリヤーガスとともに、プラズマ内へ導入した。プラズマ内を通過した後の通過流とともに放出された粉末を収集し、実施例1の粉末とした。
なお、実施例1においては、冷却ガスを使用しなかった。
(実施例2)
プロセスガスとしてアルゴンと酸素の体積比57.5:2.5の混合ガスを60L/min.で供給した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の粉末を製造した。
(実施例3)
プロセスガスとしてアルゴンと酸素の体積比55:5の混合ガスを60L/min.で供給した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の粉末を製造した。
(実施例4)
プロセスガスとしてアルゴンと酸素の体積比52.5:7.5の混合ガスを60L/min.で供給した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の粉末を製造した。
(実施例5)
導入流がプラズマ内を通過した後の通過流を当該通過流に対向する冷却ガス流で冷却する工程を実施するために、冷却ガスとして室温のアルゴンを10L/min.で供給した以外は、実施例3と同様の方法で、実施例5の粉末を製造した。
(実施例6)
冷却ガスとして室温のアルゴンを20L/min.で供給した以外は、実施例5と同様の方法で、実施例6の粉末を製造した。
(実施例7)
プラズマの出力を25kWとした以外は、実施例3と同様の方法で、実施例7の粉末を製造した。
(実施例8)
プラズマの出力を30kWとした以外は、実施例3と同様の方法で、実施例8の粉末を製造した。
(比較例1)
プロセスガスとしてアルゴンを60L/min.で供給した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の粉末を製造した。
実施例1〜8、比較例1の粉末の製造方法の一覧表を表1に示す。
(評価例1)
粉末X線回折装置にて、実施例1〜8の粉末及び比較例1の粉末のX線回折を測定した。実施例1〜8の粉末から得られたX線回折チャートにおいては、いずれもスピネル型結晶構造のLiMn及び(Li0.91Mn0.09)Mnに特有の回折パターンが観察された。また、実施例1〜8の粉末から得られたX線回折チャートにおいては、不純物であるMnに該当する回折ピークも観察された。ここで、各X線回折チャートの比較から、プロセスガスにおける酸素量が増加するに従い、Mnが減少することが確認できた。さらに、冷却ガスの存在により、Mnが減少することも確認できた。実施例1、実施例3、実施例6の粉末のX線回折チャートを図2に示し、これらのX線回折チャートから算出された各粉末に含まれる成分の質量%を、表2に示す。
他方、比較例1の粉末から得られたX線回折チャートにおいては、主にMnとスピネル型結晶構造ではないLiMnOに特有の回折パターンが観察された。
本発明の製造方法においては、酸素ガスの存在に因り、好適にスピネル型結晶構造のLiMn(Mは金属、0.8≦a≦1.1、0≦x≦1、1≦y≦2.2、1.8≦x+y≦2.2)粉末が製造されることが裏付けられた。
(評価例2)
実施例1〜8の粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。得られた各TEM像において、粒子200個につき、各粒子像の外接円の直径を測定し、その算術平均値である平均粒子径を算出した。結果を表3に示す。また、実施例1、実施例3、実施例6の粉末のTEM像を図3〜5に示す。
実施例1〜4の結果から、酸素ガス量を増加することで、本発明の粉末の平均粒子径は大きくなる傾向にあるといえる。実施例3、実施例5〜6の結果から、冷却ガス量を増加することで、本発明の粉末の平均粒子径は小さくなるといえる。また、実施例3、実施例7〜8の結果から、プラズマ出力を増加することで、本発明の粉末の平均粒子径は小さくなるといえる。
また、実施例1及び実施例6の粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。実施例1、実施例6の粉末のSEM像を図6〜7に示す。図6〜7のSEM像から、本発明の粉末には、針状などではなく、多面体形状の粒子が存在することがわかる。図6〜7のSEM像には、切頂八面体形状の粒子も観察された。観察された切頂八面体は六角形の{111面}×8面、四角形の{100面}×6面で構成されている。{100面}があることによって、八面体の頂点の応力集中(ヤーン・テラー効果)を緩和することが出来、Liの出入りがしやすくなり、二次電池の入出力特性が向上すると考えられる。切頂八面体形状の粒子につき、四角形と六角形とで共有する辺の長さaと、該六角形と他の六角形とで共有する辺の長さbとを測定した。実施例1及び実施例6の粉末について、切頂八面体形状の粒子の200箇所につき測定したaとbの算術平均値を表4に示す。なお、各六角形それぞれのaとbの関係は、いずれもb≦1.5aを満足していた。
参考として、市販のスピネル型結晶構造のLiMn粉末(株式会社豊島製作所)を走査型電子顕微鏡で観察したSEM像を図8に示す。
(実施例9)
図1に示すプラズマ発生装置を用いて、実施例9の粉末を製造した。
Li源として炭酸リチウム、MMn源として二酸化マンガン及びNi粉末を準備し、これらをモル比1:3:1で混合して混合粉体とした。そして、混合粉体を粉体供給器に配置した。なお、当該混合粉体におけるリチウム、マンガン、ニッケルの元素モル比は2:3:1であり、リチウムと、マンガン及びニッケルとの元素モル比は1:2である。
プラズマ発生装置内に、プロセスガスとしてアルゴンと酸素の体積比57.5:2.5の混合ガスを60L/min.で供給し、インナーガスとしてアルゴンを5L/min.で供給し、キャリヤーガスとしてアルゴンを3L/min.で供給した。電力供給装置から電力を供給し、周波数4MHzの磁場をコイルに印加して、出力20kWのプラズマを発生させた。なお、プラズマ発生装置内の圧力は大気圧とした。
プラズマの安定後、粉体供給器を作動させ、混合粉体を400mg/min.の供給量で、キャリヤーガスとともに、プラズマ内へ導入した。プラズマ内を通過した後の通過流とともに放出された粉末を収集し、実施例9の粉末とした。
なお、実施例9においては、冷却ガスを使用しなかった。
(実施例10)
プロセスガスとしてアルゴンと酸素の体積比55:5の混合ガスを60L/min.で供給した以外は、実施例9と同様の方法で、実施例10の粉末を製造した。
(実施例11)
導入流がプラズマ内を通過した後の通過流を当該通過流に対向する冷却ガス流で冷却する工程を実施するために、冷却ガスとして室温のアルゴンを10L/min.で供給した以外は、実施例9と同様の方法で、実施例11の粉末を製造した。
(実施例12)
冷却ガスとして室温のアルゴンを20L/min.で供給した以外は、実施例11と同様の方法で、実施例12の粉末を製造した。
(評価例3)
粉末X線回折装置にて、実施例9〜12の粉末のX線回折を測定した。実施例9〜12の粉末から得られたX線回折チャートにおいては、いずれもスピネル型結晶構造のLiNi0.5Mn1.5に特有の回折パターンが観察された。
(評価例4)
実施例10の粉末をTEMで観察した。実施例10の粉末のTEM像を図9に示す。TEM像から微細な粒径の粒子が観察された。

Claims (5)

  1. LiMn源及び酸素ガスを導入流にて、プラズマ内に導入する工程、
    を含むことを特徴とする、平均粒子径が10nm〜400nmの範囲内であり、スピネル型結晶構造のLiMn(Mは金属、0.8≦a≦1.1、0≦x≦1、1≦y≦2.2、1.8≦x+y≦2.2)粉末の製造方法であって、
    前記Li Mn 源は、Li Mn 、及び/又は、Li源とM Mn 源との併用であり、
    前記Li源は、金属リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、ハロゲン化リチウムから選択され、
    前記M Mn 源は、M、Mの酸化物、Mの水酸化物、Mの炭酸塩、Mの硝酸塩、Mの硫酸塩、Mの酢酸塩、Mのシュウ酸塩、Mのハロゲン酸塩、Mn、Mnの酸化物、Mnの水酸化物、Mnの炭酸塩、Mnの硝酸塩、Mnの硫酸塩、Mnの酢酸塩、Mnのシュウ酸塩、Mnのハロゲン酸塩から選択され、
    前記平均粒子径は、Li Mn 粉末を電子顕微鏡で観察した場合における、観察された粒子像の外接円の直径の算術平均値を意味する、Li Mn 粉末の製造方法
  2. 前記LiMn粉末は、多面体形状の粒子を含む請求項1に記載のLiMn粉末の製造方法。
  3. 前記導入流がプラズマ内を通過した後の通過流を、当該通過流に対向する冷却ガス流で冷却する工程、
    を含む請求項1又は2に記載のLiMn粉末の製造方法。
  4. 前記LiMn粉末は、六角形の{111面}が8面、及び、四角形の{100面}が6面で構成された切頂八面体形状の粒子を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のLiMn粉末の製造方法
  5. 前記粒子の切頂八面体形状において、四角形と六角形とで共有する辺の長さaと、該六角形と他の六角形とで共有する辺の長さbが、b≦1.5aを満足する請求項4に記載のLiMn粉末の製造方法
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