JP6349600B2 - 腹筋運動補助具 - Google Patents

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Description

本発明は腹筋運動を無理なく楽に行うための小型で軽量な腹筋運動補助具に関するものである。
従来から腹筋の強化には、器具を使わず、手を頭の後ろに置くか身体の前に抱えるなどの姿勢をとりながら上半身を起こす運動や、脚を挙げる運動などいわゆる腹筋運動が行われている。また、この運動の効果を高めるために傾斜台(ベンチ)を使い、より大きい負荷を掛ける方法も一般的に使われている。一方、ひと昔前までは一般的に行われていた上体起こし運動は、膝を伸ばしたまま行うと腰に過度の負担が掛り腰痛を引き起こす危険が指摘され、現在では膝を曲げた状態で行うことが奨励されるなど、運動を無理なく怪我のないように行うための配慮も求められている。
上記の理由から、腹筋運動の補助具が提案されている。例えば特開2009−254552号(特許文献1)は、使用する人の両膝の間に挟む中央部材と両大腿裏に位置させるベースバーと、中央部材に設けられたハンドルバーとを備えた構成で、ハンドルバーを両手で引くことにより腕の力を借りながら腹筋運動を行うものである。
しかしながら、普段あまり運動していない人や、筋力が十分でない女性や高齢者の中には、腹筋運動を行うと首の疲れや痛みを訴える人も多い。これは、腹筋運動を行う際に、手や腕などの力みによって首に負担が掛ることと、頭部の重さに対する負担があることによる。また腹筋運動を行う人に、過度に頚椎を屈曲する傾向がみられ、それもまた首の負担になる。従来技術(特許文献1)は、腕の力を借りて腹筋の筋力が十分でない人の腹筋運動を補助すると共に、腕や大腿の筋肉も鍛えることができるが、首に掛る負担の軽減は期待できない。
特開2009−254552号公報
本発明は、腹筋運動に伴う頭部を支える首への負荷を軽減させ、なお且つ持ち運びが容易な小型で軽量な腹筋運動補助具を提供することで上記の問題を解決することを課題としている。
上記のような従来の問題に鑑み、本発明は以下の構成を備えている。すなわち本発明は、使用者の身体に接する面にクッション層を設けて成る基板と、基板の左右両側に設けたベルトとで構成され、使用者がベルトを身体の前方に引っ張ることで上背部と後頭部に設置するように構成してなることを特徴とする腹筋運動補助具である。
本発明の基板の形状は、長方形、多角形状、楕円形状等が好ましく、人体の後頭部から上背部がカバーできるものが好ましく、大きさはA4からB4が好ましい。基板の材質は木質、樹脂製品、紙成型品、金属板、FRPなどが好ましく用いることができる。
本発明のクッション材は発泡樹脂、例えばポリウレタンであり、他素材としてポリシリコン樹脂、メラミン樹脂、セルロース樹脂、または綿などを袋体に封入したものを用いることができる。
本発明のベルトは布製、タオル地、皮革、合成皮革、ロープ状物の集合体などを用いることができ、使用時に身体の前方に伸ばした時の長さが基板の左右側からそれぞれ25〜40cmであることが好ましい。ベルトの太さは手で軽く握れることが好ましく、周囲が6〜12cmであることが好ましい。
運動者は左右ベルトを軽く引っ張り、上記補助具を上背部に固定しながら使用する。本発明の腹筋運動補助具はベルトが基板の左右両側ほぼ中央に設けたベルト通しを介して基板に連結した構造を特徴とすることが好ましい。ほぼ中央とは本発明の腹筋運動補助具の両側面にあり、人体の首部が位置する場所である。
本発明の腹筋運動補助具はベルトの両端部を折返して成る輪を有することを特徴とする腹筋運動補助具である。使用者は、ベルトの両端に設けた輪に手を通してベルトを身体の前方に軽く引っ張り、上記補助具を上背部に固定する構造であることが好ましい。
本発明の腹筋運動補助具は基板中央の厚さが下端より1.5〜3cm厚く、下端の厚さが0.1〜1cmであって、基板の外側中央から下端にかけて穏やかな湾曲面を有することを特徴とすることが好ましい。
また本発明の腹筋運動補助具クッション層の上半部が下半部より厚いことを特徴とする腹筋運動補助具であって、使用時には、上半部が後頭部に接し、下半部が上背部に接する構造であることが好ましい。後頭部は半球形に近く、大きさは上背部より小さいので、クッション層が薄いと不快感があり、位置が安定し難い。また、腹筋運動中の後頭部の位置は上背部に対してやや前傾する傾向にある。このような状態を考慮して上半部のクッション層を下半部より厚くすることにより補助具をより適切に設置することができる。
本発明は、上述のように構成されているので、次に列挙する効果が得られる。
請求項1に記載の発明は、基板に、使用者の身体に接する面にクッション層を設けて成る基板とベルトとで構成されている腹筋運動補助具なので、腹筋運動中、クッション層の面を使用者の後頭部と上背部に橋渡しするようにあてがい、左右の手でベルトを軽く身体の前方に引っ張ることで上背部に補助具が固定され、首と上背部に一体感を与える。これにより、頭部を支える首の筋肉及び腱に余計な負荷が掛り難く、その部分に疲労感や痛みがでることを減らすことができる。従って、体力の弱い人でも首が楽に腹筋運動ができる。又、複雑な構造ではなく、小型で軽量な持ち運びが容易な補助具である。
請求項2に記載の発明は、基板の左右両側にベルト通しを設け、これにベルトを通すことによって、使用中はベルトが外側から基板を包み込むようにして身体側に引っ張られるので、ベルトを身体の前に引っ張る力が弱くても補助具を上背部に適切に固定することができ、首に余計な負荷が掛るのを避けることができる。さらに、ベルトはベルト通しを介して基板と連結しているので、使用時以外は脱着することができ、運動による汗などの汚れを除去するのも容易である。
請求項3に記載の発明は、ベルトの両端を折返して成る輪を有する構造であり、使用時はこれに手を入れて軽く握ることで、僅かな力でベルトを身体の前に引っ張ることができるので、手や腕が力むことなく楽に腹筋運動ができる。さらに、上記の折返しを解除すれば、ベルト通しからベルトを容易に外すことができる利点がある。
請求項4に記載の発明は、基板の外側、即ち身体に接しない面に穏やかな湾曲面を有し、下端部の厚さが薄い構造である。従って、使用中に床の上に仰向けの姿勢になっても背中と床に挟まれた補助具は上記の構造を有しているので、背中に違和感がなく、また痛みも感じさせないので楽に腹筋運動ができる。
請求項5に記載の発明は、後頭部に接する部分のクッション層が、上背部に接する部分のクッション層より厚い構造となっており、クッションが後頭部を曲面で捉えるので後頭部と上背部の位置が好適に保持され、頸の角度が一定化する。従って、首周りの力みがとれ、首の疲労や痛みを軽減し、首が楽に腹筋運動ができる。
本発明を実施するための補助具の形態を示す斜視図 本発明を実際に使用して腹筋運動をする時の身体の姿勢と補助具の関係を示す図
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例の斜視図であって、縦30cm、横20cm、中央部の厚さ2.5cmの長方形板に、その外側面、即ち身体に接しない面に、中央から下端に向かって徐々に厚さを薄くして下段の厚さを0.5cmとした穏やかな湾曲面を有する基板1に、内側面、即ち身体に接する面の上半部の厚さが2cm、下半部の厚さが1cmのクッション層2を設け、さらに、基板1の左右側面の中央付近にベルト通し3を設け、これに長さ90cmのベルト4を通し、左右それぞれの長さが同様になるように伸ばし、さらにベルトの両端部を折返して握りのための輪5を設ける。なお、使用者の後頭部に設置する方を上、上背部に接する方を下と表している。
図2は、本発明実施例の補助具を使用している時の身体との関係を示し、腹筋運動で上体を起しつつある時の姿勢を示している。クッション層2の、クッション層の厚い部分を後頭部に、薄い部分を上背部にと橋渡しする様にあてがい、ベルト4の両端部の握り5に手を入れて軽く握りながら身体の前方に軽く引っ張る。運動中の腕は肘を折り畳んだまま保持され、これによって上背部に補助具が一定した力で固定され、首と背中の一体感を与えている。
1 基板
2 クッション層
3 ベルト通し
4 ベルト
5 握り用の輪

Claims (5)

  1. 使用者の上背部と後頭部に接する面にクッション層を設けて成る木質、樹脂製品、紙成形品、金属板、又はFRPからなる材質の基板と、基板の左右両側に設けたベルトとで構成され、使用者がベルトを握り身体の前方に引っ張ることで上背部と後頭部とに接し、当該上背部と後頭部との間に橋渡しするように構成してなることを特徴とする腹筋運動補助具。
  2. 基板の左右両面ほぼ中央にベルト通しを有し、ベルトがベルト通しを介して基板と連結した構造を特徴とする請求項1に記載の腹筋運動補助具。
  3. ベルトの両端部を折返してなる輪を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の腹筋運動補助具。
  4. 基板中央の厚さが下端より1.5〜3cm厚く、下端の厚さが0.1〜1cmであって、基板の外側の中央から下端にかけて緩やかな湾曲面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の腹筋運動補助具。
  5. クッション層の上半部が下半部より厚いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の腹筋運動補助具。
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