JP6349252B2 - 油性化粧料及びその製造方法 - Google Patents

油性化粧料及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6349252B2
JP6349252B2 JP2014264862A JP2014264862A JP6349252B2 JP 6349252 B2 JP6349252 B2 JP 6349252B2 JP 2014264862 A JP2014264862 A JP 2014264862A JP 2014264862 A JP2014264862 A JP 2014264862A JP 6349252 B2 JP6349252 B2 JP 6349252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
oily
components
fluid
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014264862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016124796A (ja
Inventor
華緒梨 石田
華緒梨 石田
安藤 邦雄
邦雄 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2014264862A priority Critical patent/JP6349252B2/ja
Publication of JP2016124796A publication Critical patent/JP2016124796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6349252B2 publication Critical patent/JP6349252B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、油性化粧料及びその製造方法に関する。
本出願人は先に、油性成分を含む化粧料の製造方法として、25℃において固体の油性成分を1種以上含む配合原料を加熱下に混合させて流動体となし、得られた流動体を、振動式撹拌混合装置によって冷却する方法を提案した(特許文献1参照)。
また本出願人は先に、25℃において固体の油性成分を1種以上含む第1の配合原料及び1種以上の光輝性粉体を含む第2の配合原料を加熱下で混合させて流動体となし、得られた流動体を、振動式撹拌混合装置によって冷却する方法を提案した(特許文献2参照)。
特開2008−214212号公報 特開2010−053074号公報
上述の特許文献1及び2に記載の技術によれば、複数の油性成分を含む油性化粧料を首尾よく製造できる。しかし、構成成分中に相溶性の低い油性成分が含まれていると、他の油性成分との分離や、分離に起因する凝集などの分散不良が起こることがある。このため、使用する油性成分の組み合わせによっては、油性化粧料の保存安定性が低下したり使用感が悪化したりするという、品質の振れなどの問題が生じることがある。
したがって本発明の課題は、構成成分中に相溶性の低い油性成分が含まれている場合であっても、前述した従来技術よりも保存安定性や使用感が向上した油性化粧料を提供することにある。
本発明は、連続相と、コア−シェル構造を有するカプセル化物を含む分散相とからなり 、次の成分(A)ないし(C)を含み、
(A)前記化粧料において前記連続相を形成する、25℃において液体の1種又は複数の油性成分;
(B)前記カプセル化物において前記シェルを形成する、25℃において固体の1種又は複数の油性成分;及び
(C)前記カプセル化物において前記コアを形成する、25℃において液体又は固体の1種又は複数の油性成分;
成分(C)の固化温度は、成分(B)の固化温度より低いものであり、
成分(A)と(C)との相分離温度は、成分(B)の固化温度より高く、且つ成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高いものであり、
成分(A)/〔成分(A)+成分(B)+成分(C)〕の質量比が0.5以上である、油性化粧料を提供するものである。
また本発明は、前記の油性化粧料の好適な製造方法として、
連続相と、コア−シェル構造を有するカプセル化物を含む分散相とからなる油性化粧料の製造方法であって、
次の成分(A)ないし(C)を、成分(B)の固化温度より高い温度、且つ成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高い温度下に混合させて、流動体となし、
前記流動体を、2s−1以上100s−1以下の撹拌速度で且つ10℃/min以上1000℃/min以下の冷却速度で、成分(B)の固化温度以下まで冷却する、工程を有する化粧料の製造方法を提供するものである。
(A)前記化粧料において前記連続相を形成する、25℃において液体の1種又は複数の油性成分;
(B)前記カプセル化物において前記シェルを形成する、25℃において固体の1種又は複数の油性成分;及び
(C)前記カプセル化物において前記コアを形成する、25℃において液体又は固体の1種又は複数の油性成分;
ここで、成分(C)の固化温度は、成分(B)の固化温度より低いものであり、
成分(A)と(C)との相分離温度は、成分(B)の固化温度より高く、且つ成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高いものであり、
成分(A)/〔成分(A)+成分(B)+成分(C)〕の質量比が0.5以上である。
本発明によれば、構成成分中に相溶性の低い油性成分が含まれている場合であっても、保存安定性や使用感が向上した油性化粧料及びその製造方法が提供される。特に、連続相と、コア−シェル構造を有するカプセル化物を含む分散相とからなる油性化粧料及びその製造方法が提供される。
図1は、本発明に従い油性化粧料を製造する過程の一例を示す模式図である。 図2は、本発明に従い油性化粧料を製造する過程の別の例を示す模式図である。 図3は、比較例4における油性化粧料を製造する過程を示す模式図である。
I.本発明の油性化粧料
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。まず、本発明の油性化粧料について説明する。本発明の油性化粧料は、連続相と、該連続相中に分散した分散相とからなるものである。「油性化粧料」とは、化粧料を構成する成分として油性成分が含まれており、且つ水が含まれていないか、又は含まれていたとしても、水の割合が5質量%以下である化粧料のことをいう。また「油性成分」とは水と相溶性のない成分のことをいう。油性成分は室温(25℃)において液体又は固体であり得る。
連続相は25℃において液体である。連続相は油性成分を含んで構成されている。連続相中に分散した分散相は、コア−シェル構造を有するカプセル化物を含んでいる。このカプセル化物は、該カプセル化物の中央域に位置するコア(核)と、該コアの表面を被覆するシェル(殻)とを有している。コアの表面はその全域がシェルで被覆されており、コアの表面は、カプセル化物の表面に露出していない。シェルの表面は、カプセル化物の表面をなしている。コアは、25℃において液体又は固体である。コアは、油性成分を含んで構成されている。一方、シェルは25℃において固体である。シェルも、油性成分を含んで構成されている。
カプセル化物は、一般に球形であるが、本発明におけるカプセル化物は、これ以外の形状を有していてもよい。後述する方法に従い本発明の油性化粧料を製造すると、球状のカプセル化物が得られることが多い。カプセル化物が球形である場合、該カプセル化物を構成するコアは、カプセル化物の球形状と略相似形の球形状をしている。一方、該カプセル化物を構成するシェルは、該カプセル化物の直径と同じ直径を有する球殻の形状をしている。
カプセル化物におけるコア及びシェルが占める比率は、コア及びシェルを構成する油性成分の種類や、本発明の油性化粧料の製造方法等に応じて異なるが、本発明においては、カプセル化物に占めるコアの質量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、また90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。具体的には、カプセル化物に占めるコアの質量は、20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、30質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
一方、カプセル化物に占めるシェルの質量は、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、また80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。具体的には、カプセル化物に占めるシェルの質量は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、30質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の油性化粧料においては、カプセル化物の大きさも、コア及びシェルを構成する油性成分の種類や、本発明の油性化粧料の製造方法等に応じて異なるが、油性化粧料としての満足すべき性能を充分に発現させる観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることが更に好ましく、1.0μm以上であることが更に好ましく、また300μm以下であることが好ましく、100μm以下であることが更に好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。具体的には、カプセル化物の大きさは、0.1μm以上300μm以下であることが好ましく、0.3μm以上100μm以下であることが更に好ましく、1.0μm以上50μm以下であることが更に好ましい。カプセル化物の大きさは、後述する油性化粧料の製造方法における撹拌速度や冷却速度を調整することでコントロールすることができる。カプセル化物の大きさの測定方法は、後述する実施例において詳述する。
本発明の油性化粧料においては、分散相が前記のカプセル化物のみから構成されていてもよく、あるいは該カプセル化物に加えて無機粉体、樹脂粒子など、25℃において固体である成分が含まれていてもよい。この成分は、油性成分であってもよく、あるいは油性成分以外の成分であってもよい。前記のカプセル化物を含む分散相が、本発明の油性化粧料に占める割合は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましく、10質量%以上であることが更に好ましく、また50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることが更に好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。具体的には、本発明の油性化粧料において分散相が占める割合は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが更に好ましくい。
一方、本発明の油性化粧料において連続相が占める割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、70質量%以上であることが更に好ましく、また99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることが更に好ましく、90質量%以下であることが更に好ましい。具体的には、本発明の油性化粧料において連続相が占める割合は、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることが更に好ましく、70質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の油性化粧料は、次の成分(A)ないし(C)を含むものである。
(A)油性化粧料において連続相を形成する、25℃において液体の1種又は複数の油性成分。
(B)カプセル化物においてシェルを形成する、25℃において固体の1種又は複数の油性成分。
(C)カプセル化物においてコアを形成する、25℃において液体又は固体の1種又は複数の油性成分。
以下、これら各成分について説明する。
〔成分(A)〕
成分(A)は、本発明の油性化粧料において連続相を形成する油性成分である。成分(A)は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上の成分(A)を用いる場合には、各成分(A)が25℃において液体の性状を示す。
〔成分(B)〕
成分(B)は、本発明の油性化粧料において、カプセル化物のシェルを形成する油性成分である。成分(B)は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上の成分(B)を用いる場合には、各成分(B)が25℃において固体の性状を示す。
〔成分(C)〕
成分(C)は、本発明の油性化粧料において、カプセル化物のコアを形成する油性成分である。成分(C)は、25℃において液体であるか又は固体である。2種以上の成分(C)を用いる場合には、各成分(C)がそれぞれ独立して、25℃において液体の性状を示すか、又は固体の性状を示す。好ましくは、2種以上の成分(C)を用いる場合には、すべての成分(C)が25℃において液体の性状を示すか、又はすべての成分(C)が25℃において固体の性状を示す。
成分(C)は、コア−シェル構造のカプセル化物を容易に形成し得る点から、その固化温度が成分(B)の固化温度より低いものである。また、この観点から、成分(C)の固化温度をTCsとし、成分(B)の固化温度をTBsとしたとき、TCsはTBsに対して、10℃以上低いことが好ましく、15℃以上低いことが更に好ましく、20℃以上低いことがより更に好ましい。油性成分の固化温度とは、対象の油性成分について、示差走査熱量計(DSC)を用いた熱分析を行ったときの発熱ピークの立ち上がり位置での温度で定義される温度である。対象の油性成分が、複数の成分であるときは、最初に現れる発熱ピークの立ち上がり位置での温度で定義される温度である。熱分析の条件は、1℃/minの加熱速度で120℃まで昇温した後、1℃/minの冷却速度で降温させる条件とする。
また、25℃において固体の油性成分とは、固化温度が25℃より高い油性成分をいい、一方、25℃において液体の油性成分とは、固化温度が25℃以下の油性成分をいう。
成分(A)と(C)との相分離温度は、成分(B)の固化温度TBsより高いものである。また、成分(A)と(C)との相分離温度は、成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高いものである。このような関係を有する三成分を用いることで、目的とするコア−シェル構造を有するカプセル化物を首尾よく形成することができる。
ここで、相分離温度とは、二種以上の液体成分を含む流動体の状態について、互いに相溶する状態と相分離する状態とが可逆的に変化するときの温度をいう。すなわち、二種以上の液体成分を含む流動体は、相分離温度よりも高い温度で互いに相溶するが、相分離温度以下で、相分離状態となる。
相溶とは、二種以上の液体成分を含む流動体において、二種以上の液体成分が互いに溶け合う現象をいう。一方、相分離とは、二種以上の液体成分を含む流動体において、これらの液体成分のうちの一種以上が、他の液体成分と混ざり合わなくなり、分離する現象をいう。二種以上の液体成分を含む流動体が相溶状態にあるか相分離状態にあるかは、温調ステージを備えた光学顕微鏡観察で確認できる。また、相分離温度は、互いに相溶する二種以上の液体成分を含む流動体を1℃/minの冷却速度冷却していったときに、温調ステージを備えた光学顕微鏡観察で相分離状態を初めて確認できるときの温度として測定できる。
成分(A)ないし成分(C)としては、油性化粧料の具体的な用途に応じて適切なものを選択する。油性化粧料が例えば液状口紅、油性マスカラ、アイシャドウ、サンスクリーン製剤、及びスキンケア化粧料である場合には、成分(A)として、フッ素油、炭化水素油、エステル油及びシリコーン油からなる群から選択される一種の油性成分を用いることが好ましい。これらの油性成分は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記のフッ素油は、分子中にフッ素を含む炭化水素化合物であり、その例としては、フッ素エーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素変性シリコーンなどが挙げられる。炭化水素油は、炭化水素からなる化合物であり、その例としては、スクワラン、ワセリン、流動パラフィンなどが挙げられる。エステル油は分子中にエステル結合を含む有機化合物であり、その例としては、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。シリコーン油は、シロキサン結合を有する有機化合物でありその例としては、鎖状又は環状のシリコーン油などが挙げられ、より具体的には、ジメチルポリシロキサン、ジメチコノール(末端にヒドロキシル基を有するジメチルポリシロキサン)、及びアミノ変性シリコーン(分子内にアミノ基を有するジメチルポリシロキサン)、ポリエーテル変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、アミノ誘導体シリコーン、シリコーンワックス、シリコーンエラストマー、メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ウンデシルグリセリルエーテル)シロキサン共重合体などが挙げられる。
成分(A)として上述の油性成分を用いる場合には、成分(C)として、上述したフッ素油、炭化水素油、エステル油及びシリコーン油からなる群から選択される一種の油性成分を用いることが好ましい。ただし、成分(A)と成分(C)とが、同一の油性成分の組み合わせになることはない。また、成分(A)と成分(C)とが炭化水素油とエステル油との組み合わせになることもない。炭化水素油及びエステル油は、これらが液体の状態において相分離しないので、目的とするカプセル化物を、成分(A)を含む連続相中に、カプセル化物を分散させることができないからである。
成分(A)と成分(C)との好ましい組み合わせとしては、例えば以下の(イ)ないし(ホ)が挙げられる
(イ)フッ素油と炭化水素油との組み合わせ
(ロ)フッ素油とエステル油との組み合わせ
(ハ)フッ素油とシリコーン油との組み合わせ
(ニ)炭化水素油とシリコーン油との組み合わせ
(ホ)エステル油とシリコーン油との組み合わせ
一方、成分(B)として用いられる具体的な化合物は、その液体状態での相溶性が、液体状態での成分(A)及び成分(C)との関係で、上述の関係を満たすように選択される。成分(B)として好ましく用いられる油性成分としては、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、セレシン、カルナウバロウ、ライスワックス、ホホバワックス、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、雪ロウ、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、フッ素変性シリコーンワックスなどが挙げられる。
成分(B)として好ましく用いられる上述した油性成分のうち、成分(A)と成分(C)とが前記の(イ)の組み合わせである場合、成分(B)としては、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、セレシン、カルナウバロウ、ライスワックス、ホホバワックス、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、雪ロウ、フッ素変性シリコーンワックスが好適に用いられる。
成分(A)と成分(C)とが前記の(ロ)の組み合わせである場合、成分(B)としては、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、セレシン、カルナウバロウ、ライスワックス、ホホバワックス、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、雪ロウ、フッ素変性シリコーンワックスが好適に用いられる。
成分(A)と成分(C)とが前記の(ハ)の組み合わせである場合、成分(B)としては、例えばシリコーンワックス、フッ素変性シリコーンワックスが好適に用いられる。
成分(A)と成分(C)とが前記の(ニ)の組み合わせである場合、成分(B)としては、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、セレシン、カルナウバロウ、ライスワックス、ホホバワックス、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、雪ロウ、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好適に用いられる。
成分(A)と成分(C)とが前記の(ホ)の組み合わせである場合、成分(B)としては、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、セレシン、カルナウバロウ、ライスワックス、ホホバワックス、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、雪ロウ、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好適に用いられる。
本発明の油性化粧料において、成分(A)/〔成分(A)+成分(B)+成分(C)〕の質量比は、0.5以上であることが好ましく、0.55以上であることが更に好ましく、また0.9以下であることが好ましく、0.85以下であることが更に好ましい。また、成分(B)/〔成分(A)+成分(B)+成分(C)〕の質量比は、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることが更に好ましく、また0.45以下であることが好ましく、0.4以下であることが更に好ましい。また、成分(C)/〔成分(A)+成分(B)+成分(C)〕の質量比は、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることが更に好ましく、また0.45以下であることが好ましく、0.4以下であることが更に好ましい。
本発明の油性化粧料には、上述した成分の他に、必要に応じて他の成分を配合してもよい。例えば連続相に、成分(A)に加えて、香料、染料、エキス、防腐剤などを配合することができる。また分散相に香料、染料、エキス、防腐剤などを配合することができる。更にカプセル化物におけるシェルに、成分(B)に加えて、パルミチン酸デキストリン等の結晶成長抑制剤などを配合することができる。更にカプセル化物におけるコアに、成分(C)に加えて、香料、染料、エキス、防腐剤などを配合することができる。また、本発明の油性化粧料は、好適には後述する方法によって製造される。
II.本発明の油性化粧料の製造方法
次に、本発明の油性化粧料の好適な製造方法について説明する。本製造方法においては、前記の成分(A)ないし成分(C)を特定の温度下に混合させて、成分(B)と、成分(A)及び(C)の少なくとも一方とが相溶する状態の流動体を調製し、この状態の流動体を冷却することで、目的とする油性化粧料を得る。
流動体の調製時に用いる混合装置の形態は特に制限はなく、一般的に用いられる混合撹拌装置を使用することができる。例えば、撹拌羽根やマグネティックスターラー等による撹拌を用いることができる。撹拌羽根に関しては、公知のものを使用でき、例えばタービン翼、プロペラ翼、スクリュー翼、ディスクタービン翼、ファウドラー翼、マックスブレンド翼、フルゾーン翼などである。
流動体の調製時において、前記の成分(A)ないし成分(C)は、成分(B)の固化温度より高い温度、且つ成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高い温度で混合される。また、成分(A)が複数成分であるとき、複数成分が互いに相溶する温度で混合されることが好ましい。成分(B)が複数成分であるとき、複数成分が互いに相溶する温度で混合されることが好ましい。成分(C)が複数成分であるとき、複数成分が互いに相溶する温度で混合されることが好ましい。
前記の温度で混合されることにより、成分(B)と、成分(A)及び(C)の少なくとも一方とが相溶する状態の流動体が調製される。成分(B)と、成分(A)及び(C)の少なくとも一方とが相溶する状態の流動体を調製し、この状態から冷却を開始することより、微細なカプセル化物を容易に形成し得る。
成分(B)と、成分(A)及び(C)の少なくとも一方とが相溶する状態とは、成分(A)ないし成分(C)の種類及び流動体の温度により異なるが、例えば以下の(ア)ないし(ウ)の状態が挙げられる:
(ア)図1(a)又は図2(a)に示すとおり、成分(A)ないし成分(C)の三者が互いに相溶する状態;
(イ)図1(b)に示すとおり、成分(A)ないし成分(C)がすべて液体状態であり、且つ液体状態の成分(B)と液体状態の成分(A)とが相溶しているが、液体状態の成分(C)がこれら二成分と相分離の状態;及び
(ウ)図2(b)に示すとおり、成分(A)ないし成分(C)がすべて液体状態であり、且つ液体状態の成分(B)及び(C)は互いに相溶しているが、液体状態の成分(A)はこれら二成分と相分離する状態。
特に、微細なカプセル化物を容易に形成し得る観点からは、前記(ア)の成分(A)ないし成分(C)の三者が互いに相溶する状態の流動体を調製し、この状態から冷却を開始することが好ましい。
前記の流動体においては、成分(A)ないし成分(C)が液体状態にあればよく、該流動体中にこれらの成分以外の他の成分が含まれている場合、他の成分は、液体状態でなくてもよい。また、他の成分が液体状態である場合、該他の成分は、液体状態にある成分(A)ないし成分(C)と相溶していなくてもよい。
本発明においては、成分(A)ないし成分(C)の種類及び成分(A)ないし成分(C)を含む流動体の冷却開始時点の温度等に応じて、該流動体の冷却の態様が相違する。以下、代表例として、図1(a)に示す状態から図1(c)に示す状態まで冷却する態様及び図2(a)に示す状態から図2(c)に示す状態まで冷却する態様について説明する。しかしこれらの他にも例えば、図1(b)に示す状態から図1(c)に示す状態まで冷却する態様や、図2(b)に示す状態から図2(c)に示す状態まで冷却する態様が挙げられる。
〔図1(a)に示す状態から図1(c)に示す状態まで冷却する態様〕
図1(a)に示す状態から流動体の冷却を開始する場合、液体状態にある成分(A)ないし(C)の三者が互いに相溶していても、同図に示す状態よりも低い温度に冷却されると、これら三者の相溶性の程度が温度低下に連れて変化して、図1(b)に示すとおり、液体状態の成分(A)及び(B)は互いに相溶しているが、液体状態の成分(C)はこれら二成分と相分離する状態が出現する。この場合、液体状態の成分(A)及び(B)の体積が、液体状態の成分(C)よりも多ければ、相分離した液体状態の成分(C)は、連続相M1としての液体状態の成分(A)及び(B)中に、液滴状態の分散相D1として存在することになる。
そして、図1(b)に示す状態から冷却が更に進行すると、成分(C)が液体から固体に変化する前に、成分(B)が液体から固体へ変化する。なお、成分(A)は25℃において液体であり、成分(B)よりも固化温度が低いので、成分(B)が液体から固体へ変化する時点では、該成分(A)は液体の状態を保っている。そして成分(B)が液体から固体へ変化するときには、図1(b)に示す連続相M1と分散相D2との界面において、該成分(B)が固体として析出する。つまり成分(B)は、液滴状態になっている分散相D1としての成分(C)を包囲するように固体として析出する。更に、成分(C)の固化温度以下まで冷却が進行した場合は、成分(B)に包囲された成分(C)が固体として析出する。
以上の結果、図1(c)に示すとおり、成分(C)を含むコアと、該コアの表面を被覆し且つ成分(B)を含むシェルとからなるカプセル化物Eからなる分散相D2が、液体状態の成分(A)を含む連続相M2中に分散した状態となる。冷却は一般に周囲温度、例えば室温(25℃)まで行う。このようにして、目的とする油性化粧料が得られる。冷却が完了して室温(25℃)の状態になっている油性化粧料においては、カプセル化物Eにおけるコアである成分(C)は、その固化温度に応じて液体状態のままになっているか、又は固化して固体状態になっている。
図1(a)に示す状態から図1(c)に示す状態まで冷却する場合、冷却対象である流動体における〔成分(A)+成分(B)〕/成分(C)の質量比は、1以上であることが好ましく、2以上であることが更に好ましく、20以下であることが好ましく、15以下であることが更に好ましい。具体的には、〔成分(A)+成分(B)〕/成分(C)の質量比は、1以上20以下であることが好ましく、2以上15以下であることが更に好ましい。また成分(A)/成分(B)の質量比は、1以上であることが好ましく、2以上であることが更に好ましく、また20以下であることが好ましく、15以下であることが更に好ましい。具体的には、成分(A)/成分(B)の質量比は、1以上20以下であることが好ましく、2以上15以下であることが更に好ましい。
また、前記の態様以外でも、図1(b)に示す状態を経由して図1(c)に示す状態まで冷却する態様においては、冷却対象である流動体における〔成分(A)+成分(B)〕/成分(C)の質量比及び成分(A)/成分(B)の質量比が、図1(a)に示す状態から図1(c)に示す状態まで冷却する態様と同様に、これらの数値を満たすことが好ましい。
〔図2(a)に示す状態から図2(c)に示す状態まで冷却する態様〕
図2(a)に示す状態は、図1(a)に示す状態と同じであり、液体状態にある成分(A)ないし(C)の三者が互いに相溶している流動体を調製する。
この状態から流動体の冷却を開始すると、図2(b)に示すとおり、液体状態の成分(B)及び(C)は互いに相溶しているが、液体状態の成分(A)はこれら二成分と相分離する状態が出現する。この場合、液体状態の成分(A)の体積が、液体状態の(B)及び成分(C)よりも多ければ、相分離した液体状態の成分(B)及び(C)は、連続相M1’としての液体状態の成分(A)中に、液滴状態の分散相D1’として存在することになる。
そして、図2(b)に示す状態から冷却が更に進行すると、成分(C)が液体から固体に変化する前に、成分(B)が液体から固体へ変化する。そして成分(B)が液体から固体へ変化するときには、図2(b)に示す連続相M1’と分散相D1’との界面において、該成分(B)が固体として析出する。成分(B)は、液滴状態になっている分散相としての成分(C)を包囲するように固体として析出する。
以上の結果、図2(c)に示すとおり、成分(C)を含むコアと、該コアの表面を被覆し且つ成分(B)を含むシェルとからなるカプセル化物Eからなる分散相D2’が、液体状態の成分(A)を含む連続相M2’中に分散した状態となる。冷却は一般に周囲温度、例えば室温(25℃)まで行う。このようにして、目的とする油性化粧料が得られる。冷却が完了して室温(25℃)の状態になっている油性化粧料においては、カプセル化物Eにおけるコアである成分(C)は、その固化温度に応じて液体状態のままになっているか、又は固化して固体状態になっている。
図2(a)に示す状態から図2(c)に示す冷却過程を経る場合、冷却対象である流動体における〔成分(B)+成分(C)〕/成分(A)の質量比は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることが更に好ましく、1以下であることが好ましく、0.8以下であることが更に好ましい。具体的には、〔成分(B)+成分(C)〕/成分(A)の質量比は、0.1以上1以下であることが好ましく、0.2以上0.8以下であることが更に好ましい。また成分(B)/成分(C)の質量比は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることが更に好ましく、また3以下であることが好ましく、2以下であることが更に好ましい。具体的には、成分(B)/成分(C)の質量比は、0.1以上3以下であることが好ましく、0.2以上2以下であることが更に好ましい。
また、前記の態様以外でも、図2(b)に示す状態を経由して図2(c)に示す状態まで冷却する態様においては、冷却対象である流動体における〔成分(B)+成分(C)〕/成分(A)の質量比及び成分(B)/成分(C)の質量比が、図2(a)に示す状態から図2(c)に示す状態まで冷却する態様と同様に、これらの数値を満たすことが好ましい。
以上のとおり、図1(a)に示す状態から図1(c)に示す冷却過程は、いずれも液体状態にある成分(A)ないし(C)のうち、成分(A)と成分(B)とが相溶し、且つ成分(C)がこれら二成分と非相溶である場合に生じるものである。一方、図2(a)に示す状態から図2(c)に示す冷却過程は、いずれも液体状態にある成分(A)ないし(C)のうち、成分(B)と成分(C)とが相溶し、且つ成分(A)がこれら二成分と非相溶である場合に生じるものである。そして、いずれの冷却過程を経る場合であっても、成分(B)の固化温度において成分(A)と成分(C)とは相分離する。また、いずれの冷却過程を経る場合であっても、流動体を冷却するときの撹拌速度及び冷却温度を特定の条件に設定することが重要である。
すなわち、撹拌速度に関しては、液体状態にある成分(A)ないし(C)を含む流動体を2s−1以上で撹拌することが好ましく、3s−1以上で撹拌することが更に好ましく、5s−1以上で撹拌することがより更に好ましく、また100s−1以下で撹拌することが好ましく、30s−1以下で撹拌することが更に好ましく、20s−1以下で撹拌することがより更に好ましい。具体的には、流動体を2s−1以上100s−1以下で撹拌することが好ましく、3s−1以上30s−1以下で撹拌することが更に好ましく、5s−1以上20s−1以下で撹拌することがより更に好ましい。この撹拌条件を採用することで、目的とするコア−シェル構造を有するカプセル化物を首尾よく生成させることができる。
一方、冷却速度に関しては、液体状態にある成分(A)ないし(C)を含む流動体を10℃/min以上で冷却することが好ましく、20℃/min以上の冷却速度で冷却することが更に好ましく、40℃/min以上の冷却速度で冷却することが一層好ましく、80℃/min以上の冷却速度で冷却することがより更に一層好ましい。また、上限は特に限定されるものでないが、例えば、1000℃/min以下で冷却することが好ましく、500℃/min以下の冷却速度で冷却することが更に好ましく、300℃/min以下の冷却速度で冷却することが一層好ましく、200℃/min以下の冷却速度で冷却することがより更に一層好ましい。具体的には、流動体を10℃/min以上1000℃/min以下の冷却速度で冷却することが好ましく、20℃/min以上500℃/min以下の冷却速度で冷却することが更に好ましく、40℃/min以上300℃/min以下の冷却速度で冷却することが一層好ましく、80℃/min以上200℃/min以下の冷却速度で冷却することが更に一層好ましい。この冷却条件を採用することで、目的とするコア−シェル構造を有するカプセル化物を首尾よく生成させることができる。また、カプセル化物の大きさを調整することができる。
流動体の冷却には撹拌機構を備えた冷却装置又は冷却機構を備えた撹拌装置を用いることができる。特に低剪断力を加えることができ、且つ急冷可能な装置を用いることが好ましい。そのような装置としては、例えば管状のケーシング内に、駆動軸と、該駆動軸に取り付けられた撹拌羽根とからなる撹拌体を備え、該駆動軸が軸方向に振動するようになされている振動式撹拌混合装置を用い、流動体を、該振動式撹拌混合装置を通過させることで冷却することができる。振動式撹拌混合装置の具体例は、例えば特開平4−235729号公報、特開2008−214212、特開2010−053074号公報、特開2011−116687号公報、特開2012−017262号公報などに記載されている。また、振動式撹拌混合装置として、冷化工業(株)製のバイブロミキサー(登録商標)を用いることもできる。流動体の冷却に用いられる別の装置として、混合槽と撹拌翼を備えた混合撹拌装置も挙げられる。混合撹拌装置として、櫻製作所(株)製の掻取り式熱交換機オンレーター(登録商標)を用いることもできる。
流動体の冷却に前記の振動式撹拌混合装置を用いる場合、流動体の撹拌速度とは、撹拌翼の振動数で定義される。また冷却速度とは、振動式撹拌混合装置への供給温度と振動式撹拌混合装置からの吐出温度の差分を振動式撹拌混合装置内の滞留時間で除した平均的な冷却速度で定義される。一方、流動体の冷却に前記の混合撹拌装置を用いる場合、流動体の撹拌速度とは、撹拌翼の回転数で定義される。撹拌翼の回転数は一般に「rpm(revolution per minute)」で表されるところ、1rpm=(1/60)s−1である。また冷却速度とは、冷却開始温度と冷却終了温度の差分を冷却時間で除した平均的な冷却速度で定義される。
本製造方法においては、流動体の冷却に前記の振動式撹拌混合装置を用いると、目的とするコア−シェル構造を有するカプセル化物を首尾よく生成させることができ、且つ生成したカプセル化物の破壊を効果的に防止し得る点から好ましい。振動式撹拌混合装置を用いる場合、その振動数を2ストローク/sec以上に設定することが好ましく、3ストローク/sec以上に設定することが更に好ましく、5ストローク/sec以上に設定することがより更に好ましく、また100ストローク/sec以下に設定することが好ましく、30ストローク/sec以下に設定することが更に好ましく、20ストローク/sec以下に設定することがより更に好ましい。具体的には、振動数を2ストローク/sec以上100ストローク/sec以下に設定することが好ましく、3ストローク/sec以上30ストローク/sec以下に設定することが更に好ましく、5ストローク/sec以上20ストローク/sec以下に設定することがより更に好ましい。なお、この振動数の単位は「ストローク/sec」であるところ、この単位は上述したs−1と同義である。
以上の方法によれば、目的とする油性化粧料を容易に得ることができる。また得られた油性化粧料は、構成成分中に相溶性の低い油性成分が含まれているが、保存安定性や使用感に優れる。
このようにして得られた油性化粧料は、例えば液状口紅、油性マスカラ、アイシャドウ、サンスクリーン製剤、スキンケア化粧料として好適に用いられる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記の振動式撹拌混合装置を用いて流動体の冷却を行う場合には、複数の振動式撹拌混合装置を直列に接続して用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1ないし7及び比較例1〕
成分(A)ないし(C)として、以下の表1に示すものを用いた。成分(A)及び(C)は25℃において液体であり、成分(B)は25℃において固体である。
Figure 0006349252
表1に示す成分を用い、成分(A)ないし(C)を、以下の表2に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。この流動体を、振動式撹拌混合装置である冷化工業(株)製のバイブロミキサー(登録商標)へ定量ポンプで供給し、表2に示す流動体供給温度の流動体を、表2に示す流動体吐出温度まで冷却した。冷却条件は以下の表2に示すとおりとした。実施例1ないし5では、流動体の冷却開始時(流動体温度:85℃)に成分(A)と成分(C)とが相分離し、成分(B)と成分(C)とが相分離していた。成分(B)は成分(A)と相溶していた。実施例6及び7では、流動体の冷却開始時(流動体温度:120℃及び100℃)に成分(A)ないし成分(C)の三者が互いに相溶していた。比較例1では、流動体の冷却開始時(流動体温度:65℃)に成分(B)が固化していた。このようにして得られた油性化粧料について、以下に述べる方法で、カプセル化物の形成性、その粒径、油性化粧料の保存安定性、及びその使用感を評価した。それらの結果を、以下の表2に示す。
〔カプセル化物の形成性〕
室温下、油性化粧料を光学顕微鏡で観察し、カプセル化物の存在割合で評価した。評価基準は以下のとおりである。
形成:カプセル化物の数/(カプセル化物の数+カプセル化不良粒子の数)が0.8以上。
一部形成:カプセル化物の数/(カプセル化物の数+カプセル化不良粒子の数)が0.2以上0.8未満。
不形成:カプセル化物の数/(カプセル化物の数+カプセル化不良粒子の数)が0.2未満。
ここで、カプセル化物とは、光学顕微鏡の偏光観察において、粒子界面のみが光って、中心部分が光らない球状粒子をいう。一方、カプセル不良物とは、粒子全体が光る粒子をいう。
〔カプセル化物の粒径〕
室温下、油性化粧料を光学顕微鏡で観察し、任意に300個のカプセル化物を選定し、モニター上で粒径を測定し、その平均値とした。ここでいう粒径とは、カプセル化物の二次元投影像での最大横断長のことである。
〔油性化粧料の保存安定性〕
油性化粧料を、40℃環境で1ヶ月静置保存後の外観を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:分離発生なし
△:油浮きが若干あり
×:明らかな分離発生
〔油性化粧料の使用感〕
10人の専門パネラーに、油性化粧料を塗布させ(塗布部位:腕)、該油性化粧料の伸び馴染みを評価させ、平均値を算出し、小数点第一位を四捨五入した。評価基準は以下のとおりである。
4:非常によい
3:ややよい
2:普通
1:悪い
〔実施例8〕
本実施例は、冷却装置として、実施例3において用いた振動式撹拌混合装置に代えて、櫻製作所(株)掻取り式熱交換機オンレーター(登録商標)を用いた以外は、同実施例と同じ条件で流動体を調製して冷却した。その結果を表2に示す。
〔比較例2〕
表1に示す成分(A)ないし(C)を、以下の表2に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。この流動体を、振動式撹拌混合装置として冷化工業(株)製のバイブロミキサー(登録商標)を用いてバッチ冷却を行った。冷却速度は1℃/minとし、冷却条件は以下の表2に示すとおりとした。流動体の冷却開始時(流動体温度:100℃)に成分(A)ないし成分(C)の三者が互いに相溶していた。このようにして得られた油性化粧料について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
〔比較例3〕
表1に示す成分(A)ないし(C)を、以下の表2に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。この流動体を、ホモミキサーを用いてバッチ冷却を行った。冷却速度は1℃/minとし、冷却条件は以下の表2に示すとおりとした。実施例7と同様に、流動体の冷却開始時(流動体温度:100℃)に成分(A)ないし成分(C)の三者が互いに相溶していた。このようにして得られた油性化粧料について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
〔比較例4〕
本比較例は、流動体を静置冷却した例である。すなわち、表1に示す成分を用い、以下の表2に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。この流動体を撹拌しないで静置冷却した。冷却速度は1℃/minとし、冷却条件は以下の表2に示すとおりとした。実施例7と同様に、流動体の冷却開始時(流動体温度:100℃)に成分(A)ないし成分(C)の三者が互いに相溶していた。このようにして得られた油性化粧料について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0006349252
表2に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた油性化粧料は、微粒のカプセル化物が首尾よく形成され、その保存安定性及び使用感が良好であることが判る。これに対して、比較例1では、成分(B)が固化している状態から冷却を開始したことに起因してカプセル化物が形成されず、また油性化粧料の保存安定性及び使用感が低いことが判る。バッチ冷却を行った比較例2及び3においては、ワックス成分である成分(B)が凝集してしまい、カプセル化物が形成されなかった。静置冷却を行った比較例4においては、カードハウス構造の固体が生成してしまい、カプセル化物が形成されなかった。
〔比較例5〕
成分(A)ないし(C)として、以下の表3に示すものを用いた。成分(A)及び(C)は25℃において液体であり、成分(B)は25℃において固体である。これらの成分を含む流動体は、冷却開始時(流動体温度:120℃)で三者が互いに相溶しており、95℃未満で、成分(C)が成分(A)及び成分(B)から相分離するものであった。
Figure 0006349252
表3に示す成分を用い、以下の表4に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。また振動式撹拌混合装置として冷化工業(株)製のバイブロミキサー(登録商標)を用いて流動体の冷却を行った。冷却条件は以下の表4に示すとおりとした。
Figure 0006349252
表4に示す結果から明らかなとおり、比較例5では、図3(a)に示すとおり、成分(A)と成分(C)とが相分離する前に成分(B)の固化が開始してしまい、その後に図3(b)に示すとおり、成分(A)と成分(C)とが相分離するので、カプセル化物が形成されなかった。
〔実施例9〕
成分(A)ないし(C)として、以下の表5に示すものを用いた。成分(A)は25℃において液体であり、成分(B)及び(C)は25℃において固体である。これらの成分を含む流動体は、冷却開始時(流動体温度:120℃)から完了時(流動体温度:30℃)までにわたり、成分(C)が成分(A)及び成分(B)から相分離するものであった。
Figure 0006349252
表5に示す成分を用い、以下の表6に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。また振動式撹拌混合装置として冷化工業(株)製のバイブロミキサー(登録商標)を用いて流動体の冷却を行った。冷却条件は以下の表6に示すとおりとした。このようにして得られた油性化粧料について、実施例1と同様の方法で、カプセル化物の形成性、その粒径、油性化粧料の保存安定性、及びその使用感を評価した。それらの結果を、以下の表6に示す。
Figure 0006349252
〔実施例10ないし12〕
成分(A)ないし(C)として、以下の表7に示すものを用いた。成分(A)及び(C)は25℃において液体であり、成分(B)は25℃において固体である。これらの成分を含む流動体は、冷却開始時(流動体温度:120℃)から完了時(流動体温度:30℃)までにわたり、成分(C)が成分(A)及び成分(B)から相分離するものであった。
Figure 0006349252
表7に示す成分を用い、以下の表8に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。また振動式撹拌混合装置として冷化工業(株)製のバイブロミキサー(登録商標)を用いて流動体の冷却を行った。冷却条件は以下の表8に示すとおりとした。このようにして得られた油性化粧料について、実施例1と同様の方法で、カプセル化物の形成性、その粒径、油性化粧料の保存安定性、及びその使用感を評価した。それらの結果を、以下の表8に示す。
Figure 0006349252
〔実施例13ないし15〕
成分(A)ないし(C)として、以下の表9に示すものを用いた。成分(A)及び(C)は25℃において液体であり、成分(B)は25℃において固体である。これらの成分を含む流動体は、冷却開始時(流動体温度:120℃)から完了時(流動体温度:30℃)までにわたり、成分(A)が成分(B)及び成分(C)から相分離するものであった。また、冷却開始時において成分(B)と成分(C)とは相溶していた。
Figure 0006349252
表9に示す成分を用い、以下の表10に示す流動体供給温度下で、プロペラ翼を用いて120rpmで混合分散して流動体を調製した。また振動式撹拌混合装置として冷化工業(株)製のバイブロミキサー(登録商標)を用いて流動体の冷却を行った。冷却条件は以下の表10に示すとおりとした。このようにして得られた油性化粧料について、実施例1と同様の方法で、カプセル化物の形成性、その粒径、油性化粧料の保存安定性、及びその使用感を評価した。それらの結果を、以下の表10に示す。
Figure 0006349252
〔参考例1〕
以下の表11は、特開2008−214212号公報(特許文献1)の表3を示す。
表11における液状油(5〜9の成分)は、いずれの固体脂(1〜4の成分)の固化温度において、互いに相溶するものである。また、固体脂(1〜4の成分)のいずれも、加熱溶融後は、固化する直前まで、液状油(5〜9の成分)と相溶するものである。すなわち、表11における油性成分1〜9を加熱下で混合し流動体となし、前記流動体を冷却しても、いずれの固体脂が固化する前に、連続相中に液滴状態の分散相が存在することはないため、得られる油性化粧料中にはカプセルは形成されない。
Figure 0006349252
〔参考例2〕
以下の表12は、特開2010−053074号公報(特許文献2)の表1を示す。
表12における液状油(4〜10の成分)は、いずれの固体脂(1〜3の成分)の固化温度において、互いに相溶するものである。また、固体脂(1〜3の成分)のいずれも、加熱溶融後は、固化する直前まで、液状油(4〜10の成分)と相溶するものである。すなわち、表12における油性成分1〜10を加熱下で混合し流動体となし、前記流動体を冷却しても、いずれの固体脂が固化する前に、連続相中に液滴状態の分散相が存在することはないため、得られる油性化粧料中にはカプセルは形成されない。
Figure 0006349252
〔参考例3〕
表13は、特開2010−053074号公報の表3(特許文献2)を示す。
表13における液状油(4〜7の成分)は、いずれの固体脂(1〜3の成分)の固化温度において、互いに相溶するものである。また、固体脂(1〜3の成分)のいずれも、加熱溶融後は、固化する直前まで、液状油(4〜7の成分)と相溶するものである。すなわち、表13における油性成分1〜7を加熱下で混合し流動体となし、前記流動体を冷却しても、いずれの固体脂が固化する前に、連続相中に液滴状態の分散相が存在することはないため、得られる油性化粧料中にはカプセルは形成されない。
Figure 0006349252
M1,M2,M1’,M2’ 連続相
D1,D2,D1’,D2’ 分散相
E カプセル化物

Claims (9)

  1. 連続相と、コア−シェル構造を有するカプセル化物を含む分散相とからなり 、次の成分(A)ないし(C)を含み、
    (A)前記化粧料において前記連続相を形成する、25℃において液体の1種又は複数の油性成分;
    (B)前記カプセル化物において前記シェルを形成する、25℃において固体の1種又は複数の油性成分;及び
    (C)前記カプセル化物において前記コアを形成する、25℃において液体又は固体の1種又は複数の油性成分;
    成分(C)の固化温度は、成分(B)の固化温度より低いものであり、
    成分(A)と(C)との相分離温度は、成分(B)の固化温度より高く、且つ成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高いものであり、
    成分(A)/〔成分(A)+成分(B)+成分(C)〕の質量比が0.5以上である、油性化粧料。
  2. 成分(A)及び(C)の一方が、フッ素油、炭化水素油、エステル油及びシリコーン油からなる群から選択される一種の油性成分を含む、請求項1に記載の油性化粧料。
  3. 成分(A)及び(C)のもう一方が、フッ素油、炭化水素油、エステル油及びシリコーン油からなる群から選択される一種の油性成分を含む(ただし成分(A)と成分(C)とが、同一の油性成分の組み合わせ、又は炭化水素油とエステル油との組み合わせになることはない。)、請求項1又は2に記載の油性化粧料。
  4. 連続相と、コア−シェル構造を有するカプセル化物を含む分散相とからなる油性化粧料の製造方法であって、
    次の成分(A)ないし(C)を、成分(B)の固化温度より高い温度、且つ成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高い温度下に混合させて、流動体となし、
    前記流動体を、2s−1以上100s−1以下の撹拌速度で且つ10℃/min以上1000℃/min以下の冷却速度で、成分(B)の固化温度以下まで冷却する、工程を有する化粧料の製造方法:
    (A)前記化粧料において前記連続相を形成する、25℃において液体の1種又は複数の油性成分;
    (B)前記カプセル化物において前記シェルを形成する、25℃において固体の1種又は複数の油性成分;及び
    (C)前記カプセル化物において前記コアを形成する、25℃において液体又は固体の1種又は複数の油性成分;
    ここで、成分(C)の固化温度は、成分(B)の固化温度より低いものであり、
    成分(A)と(C)との相分離温度は、成分(B)の固化温度より高く、且つ成分(A)と成分(B)との相分離温度及び成分(B)と成分(C)との相分離温度の少なくとも一方より高いものであり、
    成分(A)/〔成分(A)+成分(B)+成分(C)〕の質量比が0.5以上である。
  5. 成分(A)と成分(B)と成分(C)とが相溶している状態の前記流動体を冷却する請求項4に記載の油性化粧料の製造方法。
  6. 成分(B)と成分(A)とが相溶しており且つ成分(C)がこれらの成分と相分離の状態になっている前記流動体を冷却する請求項4に記載の油性化粧料の製造方法。
  7. 成分(B)と成分(C)とが相溶しており且つ成分(A)がこれらの成分と相分離の状態になっている前記流動体を冷却する請求項4に記載の油性化粧料の製造方法。
  8. 前記流動体を、振動式撹拌混合装置内を通過させることで冷却する請求項4ないし7のいずれか一項に記載の油性化粧料の製造方法。
  9. 前記振動式撹拌混合装置の振動数が、2ストローク/sec以上100ストローク/sec以下である請求項4ないし8のいずれか一項に記載の油性化粧料の製造方法。
JP2014264862A 2014-12-26 2014-12-26 油性化粧料及びその製造方法 Active JP6349252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014264862A JP6349252B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 油性化粧料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014264862A JP6349252B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 油性化粧料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016124796A JP2016124796A (ja) 2016-07-11
JP6349252B2 true JP6349252B2 (ja) 2018-06-27

Family

ID=56358828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014264862A Active JP6349252B2 (ja) 2014-12-26 2014-12-26 油性化粧料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6349252B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3108108B2 (ja) * 1991-01-17 2000-11-13 冷化工業株式会社 混合反応装置
JPH04300811A (ja) * 1991-03-28 1992-10-23 Shiseido Co Ltd 油性化粧料
JP2008214279A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Kenji Nakamura 紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセル
JP4964739B2 (ja) * 2007-10-31 2012-07-04 株式会社 資生堂 毛髪化粧料
JP5622384B2 (ja) * 2009-12-02 2014-11-12 花王株式会社 化粧料の製造方法
JP5676162B2 (ja) * 2010-07-06 2015-02-25 花王株式会社 化粧料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016124796A (ja) 2016-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4517000B2 (ja) 粉末化粧料の製造方法
JPS6056914A (ja) ワツクスを含有する一相のシリコ−ン・ベ−スの化粧品
JP5357660B2 (ja) 油中水型乳化化粧料の製造方法
JP3933805B2 (ja) 粘性または、固形水系化粧料
JP2018510181A (ja) ラメラ液晶構造を持つ多重エマルジョン剤形の化粧料組成物
WO2009126854A2 (en) Ternary and quaternary wax-resin composites for use in cosmetic and pharmaceutical preparations
Saffold et al. Development of novel rice bran wax/gelatin-based biphasic edible gels and characterization of their microstructural, thermal, and mechanical properties
KR20170008728A (ko) α겔 중간체 조성물 및 상기 조성물을 사용한 α겔 함유 O/W 유화화장료의 제조방법
TW201841616A (zh) 化粧品
JP5622384B2 (ja) 化粧料の製造方法
JP4859708B2 (ja) 乳化化粧料又は油性化粧料の製造方法
Delgado-Sánchez et al. Formulation and processing of novel non-aqueous polyethylene glycol-in-silicone oil (o/o) phase change emulsions
EP1400233A1 (en) Cosmetic
CN107001774B (zh) 正球形单分散性聚酯树脂水系分散体及制造方法、正球形单分散性聚酯树脂颗粒及化妆品
JP6349252B2 (ja) 油性化粧料及びその製造方法
JP5676162B2 (ja) 化粧料の製造方法
US6740328B2 (en) Solid cosmetics
TW201703758A (zh) 紫外線防禦化妝料
JP6421028B2 (ja) 微細粒子分散物の製造方法
JP5221253B2 (ja) 油性化粧料の製造方法
JP2012531395A (ja) ワックス状材料及びオルガノポリシロキサンを含むパーソナルケアエマルジョン
JP2003063927A (ja) 非水系化粧料
JP7057695B2 (ja) 二重乳化油脂組成物及びその製造方法
JP5334292B2 (ja) 複合粒子の製造方法
CN112969511B (zh) 液态化妆品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170906

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170906

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180604

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6349252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250