JP6349109B2 - 遊技システム - Google Patents

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本発明は、遊技機が設置された遊技場における不正行為の監視に役立つシステムに関する。
遊技機が設置された遊技場では、遊技機や計数機等の遊技設備に対して不正行為が行われることがある。そこで従来より、不正行為を抑制するための技術が各種提案されている。例えば特許文献1には、不正行為者の画像を予め登録可能であって、カメラにより撮像した遊技者の画像と、予め登録された不正行為者の画像と、を照合するシステムが提案されている。このシステムは、撮像した遊技者が不正行為者であるか否かの判定を行い、不正行為者と判定した場合に異常等の報知を実行する。
特開2003−926号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、未登録の人物により不正行為が行われる場合や、登録済の不正行為者であっても照合の際に同一人物と判定されない程度に容姿を変えて来場した場合には、不正行為者であると判定できなくなるという問題がある。特に、この文献の技術では、不正行為者が来場したことを特定できるのみであり、不正行為が実際に行われたことを特定することができないという問題がある。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者による不正行為を特定可能なシステムを提供しようとするものである。
本発明は、予め定められた条件が成立した場合に遊技結果を決定する遊技結果決定手段と、前記遊技結果決定手段が決定した遊技結果を報知する図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、を有した遊技機に対応して設けられ、当該遊技機に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置と、
前記遊技機に対応して設けられ、遊技者から貨幣の投入を受け付ける貨幣受付装置と、を備えた遊技システムにおいて、
遊技者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像結果に基づいて遊技機の前にいる遊技者の動作に対応した遊技者動作情報を特定する動作特定手段と、
遊技者が不正行為を実行している場合の動作に対応した不正動作情報として、前記図柄変動の実行中に、遊技者の目又は顔が前記図柄変動の実行部位とは異なる部位である特別部位に所定時間以上向いていることに加え、前記図柄変動が実行されていない場合に、遊技者の目又は顔が前記遊技機、前記遊技情報表示装置、及び前記貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に向いていることに対応した情報を記憶する不正動作情報記憶手段と、
前記動作特定手段が特定した前記遊技者動作情報と前記不正動作情報とを比較する動作情報比較手段と、
前記動作情報比較手段が前記遊技者動作情報と前記不正動作情報とを比較した結果、前記図柄変動の実行中に、遊技者の目又は顔が前記特別部位に所定時間以上向いており、かつ、前記図柄変動が実行されていない場合に、遊技者の目又は顔が前記遊技機、前記遊技情報表示装置、及び前記貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に向いていたことを条件に異常を報知する異常報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技システムにある(請求項1)。
本発明の遊技システムは、遊技者を撮像することで遊技者の動作に対応する遊技者動作情報を特定する一方、遊技者による不正行為に対応する不正動作情報を予め記憶している。この遊技システムは、遊技者動作情報と不正動作情報とを比較することで、遊技者が不正行為を実行しているか否かを特定できる。本発明の遊技システムによれば、不正行為を早期に発見する効果や、不正行為の発見率を高くするという効果を期待できる。
本発明の遊技機としては、遊技媒体(遊技価値)である玉を使用(発射)して遊技されるパチンコ遊技機や、所定の入賞図柄が停止表示されたときに入賞を発生させるスロットマシン等がある。パチンコ遊技機としては、入賞に応じて玉を払い出すタイプであっても良い。また、ポイントを使用して玉を発射し入賞に応じてポイントが付与される、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。封入式のパチンコ遊技機においては、ポイントが遊技価値として機能し、玉が遊技媒体として機能する。スロットマシンとしては、メダルやコイン等を遊技媒体(遊技価値)として利用して遊技されるタイプであっても良いが、メダル等を使用せず遊技価値としてのポイントを使用して(賭けて)遊技でき、入賞したときにポイントが付与される、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。遊技媒体として玉を使用するパロット(R)であっても良い。
本発明の好適な一態様の遊技システムでは、前記遊技機は、
予め定められた条件が成立した場合に遊技結果を決定する遊技結果決定手段と、
前記遊技結果決定手段が決定した遊技結果を報知する図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、を備え、
前記不正動作情報記憶手段は、前記不正動作情報として、遊技者の目又は顔が前記図柄変動の実行部位とは異なる部位である特別部位に所定時間以上向いていることに対応した情報を記憶する
図柄変動の実行部位とは異なる特別部位に遊技者の目又は顔が向いているような場合、つまり遊技とは関係が少ない部位に遊技者が集中しているような場合、不正行為が行われている可能性が高くなる。この場合に報知を行えば、不正行為を早期に発見する効果や、不正行為の発見率を高くするという本発明の効果を高めることができる。
本発明遊技システムにおける不正動作情報記憶手段は、前記不正動作情報として、前記図柄変動の実行中において、遊技者の目又は顔が前記特別部位に所定時間以上向いていることに対応した情報を記憶する
図柄変動が行われているにも関わらず、図柄変動とは異なる方向に遊技者が向いているような場合、遊技を行うことで不正行為を目立たないようにしている可能性がある。上記のように遊技者の目又は顔が図柄変動中に特別部位に所定時間以上向いていることに対応した情報を不正動作情報として記憶しておけば、遊技により目立たなくした不正行為の発見可能性を高めることができる。
本発明における遊技システムは、前記遊技機に対応して設けられ、当該遊技機に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置と、
前記遊技機に対応して設けられ、遊技者から貨幣の投入を受け付ける貨幣受付装置と、を備え、
前記不正動作情報記憶手段は、前記図柄変動の実行中に遊技者の目又は顔が前記特別部位に所定時間以上向いていることに加え、前記図柄変動が実行されていない場合に遊技者の目又は顔が、前記遊技機、前記遊技情報表示装置、及び前記貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に向いていることに対応した情報を前記不正動作情報として記憶する
例えば図柄変動の停止中において、遊技者の目又は顔が向いている方向が度々変動し、遊技とは関係ない様々な方向を彷徨っているような場合、不正行為がばれないように周囲を警戒しているような状況が想定される。図柄変動中に遊技者の目又は顔が特別部位に所定時間以上向いていることに加え、図柄変動の停止中において、遊技機や遊技情報表示装置や貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に遊技者の目又は顔が向いていることに対応した不正動作情報を記憶しておけば、一般の遊技者を装いつつ周囲を警戒する不正行為者を特定することができる。
遊技者を装う不正行為者の場合、図柄変動中では不正行為が目立ちにくいように遊技に集中するフリをすることが多いと考えられる。一方、図柄変動の停止中では、そのようなフリが必要ないことから周囲を警戒するような素振りを見せる可能性が高いと考えられる。このように善意の遊技者を装う不正行為者の場合、図柄変動の実行中か否かで動作が変化する可能性が高い。一方、単に遊技への集中力の低下により周囲をキョロキョロしているような遊技者の場合であれば、図柄変動の実行中か否かによる動作の変化が小さくなると予測される。
上記のように図柄変動の実行中と非実行中(停止中)の遊技者の目又は顔の向きの変化を反映した不正動作情報を利用すれば、図柄変動の実行中か否かで変化する不正行為者の動きに基づく異常の報知が可能になる。これにより、不正行為を発見できる可能性を高めつつ、不正行為を行っていない遊技者についての誤報知を抑制できる。
本発明における好適な一態様の遊技システムは、前記遊技機に対応して設けられ、当該遊技機に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置と、
前記遊技機に対応して設けられ、遊技者から貨幣の投入を受け付ける貨幣受付装置と、を備え、
前記不正動作情報記憶手段は、前記遊技機、前記遊技情報表示装置、及び前記貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に遊技者の目又は顔が向いていることに対応した情報を前記不正動作情報として記憶する
例えば遊技者の目又は顔が向いている方向が度々変動し、遊技とは関係ない様々な方向を彷徨っているような場合、不正行為がばれないように周囲を警戒しているような状況が想定される。遊技機や遊技情報表示装置や貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に遊技者の目又は顔が向いていることに対応した不正動作情報を記憶しておけば、周囲を警戒する不正行為者を特定できる可能性が高くなる。
本発明における好適な一態様の遊技システムは、遊技価値が賭けられた状態で図柄変動を開始するために遊技者が操作する開始操作手段と、
遊技者が前記図柄変動を停止するために操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作された場合に前記図柄変動を停止する停止制御手段と、を備え、
前記遊技結果決定手段は、前記開始操作手段が操作された場合に遊技結果を決定する
この場合には、スロットマシンである遊技機において、一般の遊技者を装う不正行為者を特定できるようになる。
以上のように、本発明に係る遊技システムは、遊技者による不正行為を特定可能な有用なシステムとなっている。これらの遊技システムのほか、以下に示すように構成された遊技機あるいは遊技システムも有効である。本発明に係る遊技システムに対して、以下の遊技機あるいは遊技システムの構成の全部あるいは一部を適宜組み合わせることも良い。さらには、以下の遊技機あるいは遊技システムに対して、本願発明に係る遊技システムの構成の全部あるいは一部を適宜組み合わせることもできる。
遊技者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像結果に対応した撮像結果情報を特定する撮像結果情報特定手段と、
遊技者が予め定められた部位である第1基準部位を見ている場合の目又は顔の向きに対応した情報である第1基準情報を記憶する第1基準情報記憶手段と、
遊技者が前記第1基準部位とは異なる第2基準部位を見ている場合の目又は顔の向きに対応した情報である第2基準情報を記憶する第2基準情報記憶手段と、
前記撮像結果情報、前記第1基準情報、及び前記第2基準情報に基づいて、現在の遊技者の目又は顔の向きに対応した情報である方向情報を特定する方向情報特定手段と、
前記方向情報に応じて演出を実行する演出実行手段と、
遊技者が前記第1基準部位を見て操作を行うものとして設定された第1操作手段の操作である第1操作が行われたことを特定する第1操作特定手段と、
遊技者が前記第2基準部位を見て操作を行うものとして設定された第2操作手段の操作である第2操作が行われたことを特定する第2操作特定手段と、
前記第1操作が行われたことを特定した場合の前記撮像結果情報を、前記第1基準情報として前記第1基準情報記憶手段に記憶させると共に、前記第2操作が行われたことを特定した場合の前記撮像結果情報を、前記第2基準情報として前記第2基準情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、を備えた遊技機であっても良い。
この遊技機は、第1操作手段の操作及び第2操作手段の操作に応じて第1基準部位、第2基準部位の方向に遊技者が向いているものとして基準情報を特定する。これにより、遊技者によって顔の高さや目の動きが異なっていても、遊技者の動きをより正確に特定することができる。
特に遊技者の操作に応じて基準情報を特定することにより、動画が単に再生されているなど遊技者の意図とは関わらず自動で情報を表示する部位を基準部位とした構成に比べ、基準情報を特定する際に遊技者が基準部位を見ている可能性を高くすることができる。したがって、遊技者の動きを誤って特定してしまうことを抑制できる。さらに、複数の基準情報に基づいて遊技者の動きを特定するので、遊技者の動きを一層正確に特定することが可能になっている。
この遊技機における第1基準部位あるいは第2基準部位としては、遊技機がスロットマシンの場合であれば、図柄を変動表示する表示部や、図柄を停止させるための操作部や、図柄変動を開始させるための操作部等を設定できる。さらに、メダルやコイン等を遊技媒体としたスロットマシンの場合であれば、遊技媒体の投入口を第1基準部位あるいは第2基準部位に設定することも良い。
また、図柄変動が複数個所(例えば、複数列)で行われるパチンコ遊技機の場合には、図柄変動の箇所を基準部位に設定し、各箇所の図柄変動が停止する場合にその図柄変動を遊技者が見ているものとして目線に対応する基準情報を記憶すれば良い。また、玉を発射するために遊技者が操作する操作部や、玉の貸出を行うための貸出ボタン等の操作部を基準部位として設定することも良い。
この遊技機における記憶制御手段は、前記第1基準情報を記憶することに対応した報知を遊技者に実行することなく前記第1基準情報を記憶させるものであっても良い。
この場合には、第1基準情報を自動的に記憶できるので、第1基準情報を記憶するための動作を遊技者にわざわざ行わせる必要がない。基準情報を記憶するための動作を遊技者にわざわざ行わせる必要性を解消できれば、遊技者が煩わしく感じるおそれを抑制できる。
この遊技機としては、遊技者が交替したことを特定する遊技者交替特定手段を備え、
前記記憶制御手段は、基準情報を記憶している状況において、前記遊技者交替特定手段が遊技者の交替を特定した場合、各基準情報を記憶させ直すものであっても良い。
遊技者が交替した場合には、既に記憶している第1基準情報及び第2記憶情報を記憶し直して更新ができる。そのため、遊技者の交替が発生したにも関わらず、交替前の元の遊技者の第1基準情報及び第2基準情報のままで遊技が継続される状況に陥るおそれを抑制できる。
この遊技機における第1基準部位及び第2基準部位は、遊技機水平方向の中心を挟むようにして両側に設けられていることも良い。
遊技機の水平方向における中心を基準として、第1基準部位及び第2基準部位を左右両側に設ける場合には、遊技者が遊技機の左側を見ているときの基準情報と、右側を見ているときの基準情報と、を記憶できるようになる。左右の同じ側に第1基準部位及び第2基準部位を設けた場合と比べ、第1基準情報と第2基準情報との違いを拡大でき、複数の基準情報を利用することで方向情報の特定精度を向上できるという効果を一層高めることができる。
この遊技機においては、停止した図柄によって遊技者に遊技結果を報知するための図柄変動を前記第1基準部位及び前記第2基準部位のそれぞれで実行し、前記第1操作手段が操作された場合に前記第1基準部位の図柄変動を停止すると共に、前記第2操作手段が操作された場合に前記第2基準部位の図柄変動を停止する図柄変動実行手段を備え、前記第1基準部位及び前記第2基準部位は、遊技機水平方向の中心を挟むようにして両側に設けられていることも良い。
図柄変動が停止する際には、その図柄変動が行われている場所を遊技者が見ている可能性が高いと推定できる。基準部位で図柄変動を実行すれば、基準部位を遊技者が見ていないにも関わらず対応する基準情報を誤って記憶してしまうおそれを抑制できる。さらに、遊技機の水平方向における中心を基準として、第1基準部位及び第2基準部位を左右両側に設ければ、対応する第1基準情報と第2基準情報との違いを拡大でき、複数の基準情報を利用することで方向情報の特定精度を向上できるという効果を高めることができる。
遊技機としては、遊技者が交替したことを特定する遊技者交替特定手段と、
停止した図柄によって遊技者に遊技結果を報知するための図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、
前記第1基準部位として設定され、遊技を行うために使用する遊技価値を遊技者から受け付ける遊技価値受付手段と、
前記第2基準部位として設定され、前記図柄変動を開始させるために遊技者が操作する開始操作手段と、を備え、
前記遊技価値受付手段が遊技機水平方向における一端側に設けられ、前記開始操作手段が他端側に設けられ、
前記記憶制御手段は、前記遊技者交替特定手段が遊技者の交替を特定した状況において、前記遊技価値を遊技者から受け付けた場合に遊技者の目又は顔が前記遊技価値受付手段を向いているものとして前記第1基準情報を特定すると共に、前記開始操作手段を遊技者が操作した場合に遊技者の目又は顔が前記開始操作手段を向いているものとして前記第2基準情報を特定して記憶させる遊技機であっても良い。
遊技者が新たに遊技を開始する場合、遊技価値を投入してから開始操作手段を操作するという遊技の流れになる。上記のような構成であれば、遊技者の交替が発生した後、遊技価値の受け付けに応じて第1基準情報を記憶でき、図柄変動を実行させるための操作に応じて第2基準情報を記憶できる。これにより、客交替の発生後、最初の図柄変動が開始されるまでの間に新たな遊技者に関する第1基準情報及び第2基準情報を記憶できるようになる。
遊技機としては、図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、
遊技価値が賭けられた状態で図柄変動を開始するために遊技者が操作する開始操作手段と、
前記開始操作手段が操作されたときに、予め定められた役の中から内部当選役を決定するための内部抽選を実行する内部抽選手段と、
前記図柄変動を停止させるために遊技者が操作する停止操作手段と、
前記停止操作手段が操作された場合に前記内部抽選の結果に対応した図柄を停止するよう停止制御を実行する停止制御手段と、を備える遊技機であっても良い。
この場合には、スロットマシンの遊技機について、遊技者の目又は顔の向きに対応する方向情報を精度高く特定できる。
遊技者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像結果に対応した撮像結果情報を特定する撮像結果情報特定手段と、
遊技結果を報知するための図柄変動を複数の部位にてそれぞれ行う図柄変動実行手段と、
複数の図柄変動のうち一部の図柄変動が行われている部位である第1基準部位を遊技者が見ている場合の目又は顔の向きに対応した情報である第1基準情報を記憶する第1基準情報記憶手段と、
前記撮像結果情報、及び前記第1基準情報に基づいて、遊技者の目又は顔の向きの情報である方向情報を特定する方向情報特定手段と、
前記方向情報に応じて演出を実行する演出実行手段と、
前記第1基準部位における図柄変動が終了した場合の前記撮像結果情報を、前記第1基準情報として前記第1基準情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、を備えた遊技機も有効である。
この遊技機は、第1基準部位における図柄変動が終了したときに遊技者の目又は顔が第1基準部位に向いているものとして対応する第1基準情報を記憶する。このように記憶した第1基準情報は、遊技者によって目や顔の位置等が異なっていても、第1基準部位に遊技者の目又は顔が向かっている状態に精度高く対応するものとなる。図柄変動の終了時点というタイミングであれば、遊技者が停止する図柄の種類に注目して図柄変動を見ている可能性が非常に高いので、第1基準情報を特定するタイミングとして好適である。
特に、この遊技機では、遊技の進行に応じて第1基準情報が記憶される。仮に遊技者の意図とは関わらず自動で進行する部位を基準部位とした場合の構成に比べ、第1基準部位を遊技者が見ている可能性が高い状況で第1基準情報を記憶できる。すなわち、この遊技機では、第1基準部位を遊技者が見ていないのにも関わらず、遊技者の目又は顔の向きに対応する第1基準情報が誤って記憶されてしまうおそれが少なくなっている。
遊技者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像結果に対応した撮像結果情報を特定する撮像結果情報特定手段と、
遊技者が第1基準部位を見ている場合の目又は顔の向きに対応した情報である第1基準情報を記憶する第1基準情報記憶手段と、
前記撮像結果情報、及び前記第1基準情報に基づいて、現在の遊技者の目又は顔の向きの情報である方向情報を特定する方向情報特定手段と、
前記方向情報に応じて演出を実行する演出実行手段と、
遊技者が第1基準部位を見て操作を行うものとして設定された第1操作手段の操作である第1操作が行われたことを特定する第1操作特定手段と、
前記第1操作が行われたことを特定した場合の前記撮像結果情報を、前記第1基準情報として前記第1基準情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、を備えた遊技システムも有効である。
この遊技システムは、第1操作が行われたときに遊技者の目又は顔が第1基準部位に向いているものとして対応する第1基準情報を特定する。このように特定した第1基準情報は、遊技者によって目や顔の位置等が異なっていても、第1基準部位に遊技者の目又は顔が向かっている状態に精度高く対応するものとなる。
特に、この遊技システムでは、遊技者の操作に応じて第1基準情報が特定される。動画が単に再生されているなど遊技者の意図とは関わらず自動で情報を表示する部位を基準部位とした場合の構成に比べ、第1基準部位を遊技者が見ている可能性が高い状況で第1基準情報を特定できる。遊技者が第1基準部位を見て操作を行うものとして設定された第1操作手段の操作タイミングであれば、遊技者が第1規準部位を見ながら操作する可能性が非常に高いので、第1基準情報を特定するタイミングとして好適である。すなわち、この遊技システムでは、第1基準部位を遊技者が見ていないのにも関わらず、遊技者の目又は顔の向きに対応する第1基準情報が誤って特定されてしまうおそれが少なくなっている。
以上のような遊技機及び遊技システムであれば、遊技者が見ている場所を精度高く特定可能である。
実施例1における、遊技場の機器構成を示すシステム図。 実施例1における、スロットマシンを示す正面図。 実施例1における、入賞ラインが設定された図柄表示窓の正面図。 実施例1における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。 実施例1における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。 実施例1における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。 実施例1における、各役の当選乱数の個数を例示する説明図。 実施例1における、キャリブレーション処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、不正動作特定処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、演出画面を例示する図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技場に設置された遊技機、及び遊技機を含む遊技システム1Sに関する例である。遊技機であるスロットマシン1は、遊技者を撮像する撮像カメラ28を備え、遊技者の目の向き(目線)を利用した演出を実行可能である。また、スロットマシン1を含む遊技システム1Sは、遊技中の遊技者の目の向きに基づいて不正行為が疑われる遊技者を特定可能である。この内容について、図1〜図10を参照して説明する。
遊技場では、スロットマシン1を含む各種の遊技機が複数設置されている。各遊技機は、遊技場に設置された管理装置5によって管理されている。遊技場では、遊技機と管理装置5との間のデータ通信等を実現するための場内ネットワーク555が構築され、管理装置5による各遊技機の管理は、この場内ネットワーク555を利用して実現されている。
場内ネットワーク555には、管理装置5のほか、2台の遊技機毎に設置された中継装置50、図示しない計数装置や精算装置等が接続されている。中継装置50には、スロットマシン1等の遊技機のほか、遊技機毎に個別に付設された遊技情報表示装置51及び貸出機(貨幣受付装置)52が通信可能な状態で接続されている。スロットマシン1等の遊技機は、中継装置50を介して場内ネットワーク555に接続されている。
管理装置5は、遊技場内に設置される遊技機、貸出機52、計数装置、精算装置等の稼動状況を管理する装置である。
管理装置5は、液晶ディスプレイや図示しないプリンタ等を含む出力部と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部と、を備えている。装置本体は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を中心とした制御機能、ハードディスクドライブ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を利用する記憶機能、及び各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
管理装置5は、ハードディスクから読み出したプログラムをCPUが実行することで、各種の機能を実現する。特に、本例の管理装置5は、遊技機側で不正動作が特定された旨を管理者等に向けて報知する異常報知手段としての機能を備えている。異常報知手段としての管理装置5は、不正行為が行われている可能性がある旨を、遊技機を特定可能な台番と共に報知する。
貸出機52は、遊技用のメダルを貸し出すための装置であり、各スロットマシン1に対応して個別に設置される。この貸出機52は、隣り合うスロットマシン1の隙間のスペースに配設可能なように縦長形状をなし、対応するスロットマシン1に対して向かって右側に配置されている。
貸出機52の前面では、貸玉代金となる紙幣を投入する紙幣挿入口522、図示しない遊技コインを投入するコイン投入口523が上側に配設され、貸出用のメダルをスロットマシン1に供給する供給ノズル528が下側に設けられている。中段には、貸出ボタン526及び返却ボタン525が配置され、貸出ボタン526の下側には、遊技コインを返却する返却口527が配設されている。
貸出ボタン526は、入金済みの現金(クレジット)を対価として遊技用のメダルを貸出させるための操作ボタンである。なお、千円札、1万円札等の貨幣が投入された場合には、貸出ボタン526の操作によらずメダルが50枚貸し出される。残金が生じた場合には、クレジットに加算される。返却ボタン525は、遊技コインを発行等させるための操作ボタンである。クレジットが残っている状態で、返却ボタン525を操作すれば、そのクレジットが記録された遊技コインが発行される。
次に、スロットマシン1(図1及び図2)は、図柄変動の実行部位としてのリール12を3つ備える遊技機である。このスロットマシン1の遊技では、図柄変動の停止に応じて入賞図柄が表示されると入賞が発生し、遊技媒体であると共に遊技価値でもあるメダルの払出等の特典を受けることができる。特に、本例のスロットマシン1は、遊技者を撮像することで不正行為の可能性がある不正動作を特定し、管理装置5に通報する機能等を備えている。
スロットマシン1の前面部分は、図柄表示窓11を略中央に設けた前面枠体10によって形成されている。前面枠体10は、向かって左側に設けられた図示しないヒンジを介して回動可能な状態で台枠(図示略)に固定されている。前面枠体10は、遊技場の管理者等が管理するカギを用いて施錠可能である。
前面枠体10では、図柄表示窓11の上側に、液晶表示部238、左右一対のスピーカ239S及び装飾ランプ部236が配置されている。装飾ランプ部236の中央部分に、遊技者(特に顔)を撮像するための撮像カメラ(撮像手段)28のレンズ281が配設されている。前面部分が透光レンズにより形成された装飾ランプ部236であれば、透明樹脂製のレンズ281を比較的目立たないように配設可能である。
図柄表示窓11の下側には、スロットマシン1の基部をなすベース部100が形成されている。図柄表示窓11の右側には、メダルの付与数を表示する付与数表示部151、及びクレジット数を表示するクレジット表示部152が配置されている。
ベース部100は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓11に相対して張り出すように形成されている。ベース部100は、図柄表示窓11に隣り合う上端部に棚面状の操作面14を有し、下端部にメダルの受け皿15を有している。操作面14の下側に隣接する部分には、操作パネル13が設けられている。
操作面14には、クレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン24と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン25と、メダルを直接投入するためのメダル投入口(遊技価値受付手段)230と、が配置されている。操作パネル13には、リール12の図柄変動を開始させるためのスタートレバー(開始操作手段)22、図柄変動を停止させるためのストップボタン(停止操作手段)21が配置されている。
図柄表示窓11は、図2及び図3のごとく、図柄表示領域110L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域110L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓11全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄125が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン111〜115が5本設定されている(図3)。入賞ラインとしては、水平方向の3本の入賞ライン111〜113のほか、対角方向の入賞ライン114、115が設定されている。
各図柄表示領域110L、C、Rの裏側には、図柄変動を実行するリール12L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール12L、C、Rは、図4のごとく、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄125が配置された回転式のリールである。リール12L、C、Rに対しては、それぞれを個別に停止させるためのストップボタン21として、左ストップボタン21L、中ストップボタン21C、右ストップボタン21R(図2)が設けられている。
なお、本例のスロットマシン1では、遊技者の目線(視線の方向)に対応する基準情報を特定するための基準部位、及びその基準部位に対応する操作手段の組合せとして、図柄表示領域110のリール12及びストップボタン21の組合せが設定されている。左図柄表示領域110Lの左リール12Lが第1基準部位として設定されていると共に、対応する左ストップボタン21Lが第1操作手段として設定されている。また、右図柄表示領域110Rの右リール12Rが第2基準部位として設定されていると共に、対応する右ストップボタン21Rが第2操作手段として設定されている。
液晶表示部238は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部238は、遊技を演出するための各種の演出画面等を表示可能である。本例の液晶表示部238は、遊技者の目の向きに対応する目線に応じた演出を実行する演出実行手段としての機能を備えている。演出実行手段としての液晶表示部238では、詳しくは図10を参照して後述する通り、遊技者の目線を利用した演出が実行される。
スロットマシン1では、図5のごとく、ボーナス役(BB役、RB役)のほか、複数種類の小役、リプレイ役が設定されている。通常状態下では、ボーナス役及びリプレイ役のほか、3種類の小役(7枚役、5枚役、2枚役)が入賞可能である一方、ボーナス状態では、通常状態下の5枚役と入賞図柄が共通する15枚役のみが入賞可能役として設定されている。
図5では、各役の名称を左列に、各役に対応する図柄の組合せである入賞図柄を中列に、入賞に応じた利益を右列に、それぞれ示してある。例えば、BB役が入賞すれば、メダルを300枚払い出すまで継続するBB状態が発生し、RB役が入賞すれば、8回の入賞発生に応じて終了するRB状態が発生する。また、例えば、7枚役が入賞すればメダルが7枚払い出され、リプレイ役が入賞すればメダルの払出に代えてリプレイゲームが付与される。
スロットマシン1の電気的な構成は、図6に示す通りである。スロットマシン1の全体動作を制御する制御部18に対しては、既出の構成のほか、投入メダルを検知する投入メダル検知部23、リール12と共に図柄変動実行手段を構成するリール駆動部121、リール12の回転位置を検知する基準位置検知部232、メダルを受け皿15に払い出すメダル払出部233、液晶表示部238や音声出力部239(スピーカ239S)等を制御する表示制御部19、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部27、遊技者を撮像するための撮像カメラ28等が電気的に接続されている。
投入メダル検知部23は、メダル投入口230から投入されたメダルの検知部である。投入メダル検知部23は、メダル投入口230から延設されたメダル経路(図示略)の途中に設けられている。投入メダル検知部23は、メダル経路を形成する隙間を介して対面する発光体及び光センサを含んで構成されている。投入メダル検知部23は、発光体及び光センサが対面する隙間をメダルが通過したときの光の遮断を検知する毎に、投入メダルを1枚ずつ検知する。
リール駆動部121は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール12を回転駆動する駆動部である。
基準位置検知部232は、各リール12L、C、Rについて基準位置片の通過を検知する毎に検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部27は、図示しない設定キーを利用して、ボーナス役等の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
制御部18は、図6のごとく、CPU181と、メモリ手段であるROM183・RAM184と、入出力インターフェースとしてのI/O部182と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部185と、乱数を発生する乱数発生部186と、を有している。 ROM183は、ソフトウェアプログラムを記憶しているほか、内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図示略)、リール12の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)等を記憶している。
リール制御テーブルは、入賞ライン111〜115上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
内部当選役抽選テーブルは、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態用のテーブルと、ボーナス状態(BB状態、RB状態)用のテーブルと、が用意されている。通常状態用の内部当選役抽選テーブルとしては、1〜6の設定値毎に用意され、設定値5や6等の高設定に対応する内部当選役抽選テーブルでは、ボーナス役の当選乱数の個数が他の設定値のテーブルよりも多く設定されている。例えば、ある設定値に対応する内部当選役抽選テーブルでは、各役の当選乱数の数が図7に例示するように設定されている。一方、1〜6の設定値について共通のボーナス状態用の内部当選役抽選テーブルでは、0〜65535の取得乱数の全てが15枚役(入賞図柄が通常状態下の5枚役と共通)の当選乱数となっている。したがって、ボーナス状態下のボーナスゲームでは、15枚役が100%の確率で内部当選する。
制御部18では、ROM183から読み込みしたソフトウェアプログラムをCPU181が実行することにより、以下の各手段としての機能が実現される。なお、第1基準情報記憶手段等の記憶手段については、RAM184の記憶領域を利用して構成されている。
(1)撮像結果情報特定手段:撮像カメラ28による撮像画像から遊技者画像(撮像結果情報)を特定する手段。本例では、遊技者の顔を含めて胸から上を撮像できるように撮像カメラ28の撮像範囲(バストショットの範囲)が設定されている。
(2)第1操作特定手段:第1操作手段に設定した左ストップボタン21Lが操作されたこと(第1操作)を特定する手段。
(3)第2操作特定手段:第2操作手段に設定した右ストップボタン21Rが操作されたこと(第2操作)を特定する手段。
(4)第1基準情報記憶手段:第1基準部位である左リール12Lを見ているときの遊技者画像を第1基準情報として記憶する手段。本例では第1操作手段である左ストップボタン21Lの操作時に遊技者が左リール12Lを見ているものとして、その際の遊技者画像が第1基準情報として特定される。
(5)第2基準情報記憶手段:第2基準部位である右リール12Rを見ているときの遊技者画像を第2基準情報として記憶する手段。本例では第2操作手段である右ストップボタン21Rの操作時に遊技者が右リール12Rを見ているものとして、その際の遊技者画像が第2基準情報として特定される。
(6)方向情報特定手段(動作特定手段):遊技者画像、第1基準情報、及び第2基準情報に基づいて、現在(その時)の遊技者画像中の遊技者の目の向きに対応した目線(視線の方向を表す方向情報、遊技者動作情報)を特定する手段。つまり、方向情報特定手段は、所定周期毎にリアルタイムで遊技者の目線を特定している。なお、遊技者の目線を特定する方法については後で概説する。
(7)不正動作情報記憶手段:遊技者が不正行為を行う場合の動作に対応した不正動作情報を記憶する手段。本例では、不正行為に対応する不正動作が、図柄変動中と図柄停止中とで区別してそれぞれ設定されている。図柄変動中の不正動作としては、図柄変動中の特別部位として設定されたメダル投入口230を見る動作が設定されている。一方、図柄停止中の不正動作としては、遊技機や遊技情報表示装置51や貸出機52の設置位置とは異なる方向に当たる様々な部位が、図柄停止中の特別部位として設定されている。そして、これらの特別部位を見るときの遊技者の目の向きに対応した目線が、遊技者画像中の目の位置等に基づいて特定され、不正動作情報として記憶される。特に、図柄停止中の場合の不正動作情報には、上記のような様々な特別部位の間で遊技者の目線が変動している旨の情報等が含められる。
(8)遊技動作情報記憶手段:遊技者が適正に遊技を行っている場合の動作に対応した遊技中動作情報を記憶する手段。本例の場合、遊技機、遊技情報表示装置51、貸出機52の紙幣挿入口522を見る各目線が特定され、遊技中動作情報として記憶される。
(9)動作情報比較手段:方向情報特定手段(動作特定手段)が特定した目線(視線の方向を表す方向情報、遊技者動作情報)と、不正動作情報記憶手段が特定した目線(不正動作情報)等あるいは遊技動作情報記憶手段が特定した目線(遊技中動作情報)と、を比較する手段。
(10)不正動作特定手段:遊技者の不正動作を特定する手段。不正動作を特定するための検出フラグとして第1異常フラグ、第2異常フラグが設けられている。第1異常フラグは、図柄変動中(ゲーム中)の不正動作に対応する検出フラグであり、第2異常フラグは、図柄停止中(非ゲーム中)の不正動作に対応する検出フラグである。各異常フラグに対しては、それぞれ、異常フラグ消去タイマが対応付けされている。各異常フラグ消去タイマは、対応する異常フラグの成立後、10分間に渡って不正動作が特定されなかった場合にその異常フラグを消去(リセット)するための計時タイマである。本例の不正動作特定手段は、第1異常フラグと第2異常フラグの両方が設定されたときに不正動作を特定する。
(11)記憶制御手段:第1操作(左ストップボタン21Lの操作)が特定された際の遊技者画像を第1基準情報として第1基準情報記憶手段に記憶させると共に、第2操作(右ストップボタン21Rの操作)が特定された際の遊技者画像を第2基準情報として第2基準情報記憶手段に記憶させる手段。なお、記憶制御手段は、第1基準情報等を記憶することに対応した報知を遊技者に実行することなく第1基準情報等を記憶させる制御を実行する。
(12)遊技者交替特定手段:遊技者の交替(客交替)を特定する手段。客交替は、撮像カメラ28による遊技者画像を利用した顔認証、あるいは稼動状況に関する判断により特定される。顔認証の場合、特定済みの遊技者画像と、新たに特定した遊技者画像と、の類似度が所定の閾値以下のとき客交替が特定される。また、稼動状況に関する判断の場合、クレジット表示部152に表示されたクレジット数がゼロになった後に遊技が再開されたとき、及び10分以上の非稼動時間が経過した後に遊技が再開されたとき、客交替が特定される。なお、客交替が特定された際には、記憶制御手段により、新たな遊技者に対応する新しい基準情報が記憶されて各基準情報が更新される。
(13)異常通報手段:不正動作が特定されたとき、対応する遊技機を特定してその旨を管理装置5に通報する手段。
(14)演出抽選手段:遊技者の目線を利用した演出を実行するか否かを抽選により決定する手段。演出抽選手段は、通常状態において毎ゲームこの抽選を実行する。
(15)内部抽選手段(遊技結果決定手段):規定数のメダルが賭けられた状態で有効にスタートレバー22が操作されたこと(予め定められた条件)を契機として、内部抽選を実行して内部当選役等の遊技結果を決定する手段。なお、規定数は、通常状態下のゲームでは3枚、ボーナス状態下のボーナスゲームでは2枚となっている。
(16)停止制御手段:リール駆動部121を制御し、各リール12の回転を制御する手段。停止制御手段は、図柄変動中のリール12に対応するストップボタン21が操作されたとき、そのリール12の回転(図柄変動)を停止させる制御を実行する。
(17)入賞図柄判定手段:入賞ライン111〜115に沿って停止表示された図柄125の種類を判定する手段。
(18)利益付与手段:いずれかの役の入賞図柄が入賞ライン111〜115のいずれかに停止表示されて入賞が発生したとき、その役に対応する利益を付与する手段。
(19)特別遊技状態発生手段:ボーナス役の入賞に応じて、次のゲームからボーナス状態(特別遊技状態)を発生させる手段。
(20)特別遊技状態終了手段:所定の終了条件が満たされたときボーナス状態を終了させる手段。BB状態についてはメダルの払出数が300枚に到達したことが終了条件として設定され、RB状態については入賞が8回に達したことが終了条件として設定されている。
ここで、遊技者の目線(視線の方向)を特定する方法について概説する。目線を特定するアイトラッキングの方法としては、従来より、リンバストラッキング方法や、角膜反射法や、サーチコイル法など各種の方法が提案されているが、本例では、遊技者画像に基づく画像解析によるアイトラッキングを実行している。この方法では、遊技者画像を画像処理することで目の位置を特定し、さらに瞳孔の中心位置を特定することで目線を特定している。このような画像解析による方法を利用すれば、特殊なメガネを遊技者に装着させる必要がないので、遊技者側に負担をかけることなく目線を特定できる。
以上のような構成のスロットマシン1の基本動作について説明する。
制御部18は、ベットボタン24の操作あるいはメダル投入口230へのメダル投入に応じて規定数のメダルがゲームに賭けられたときにゲームの開始を許可する。ゲーム開始が許可された状態でスタートレバー22が操作されたとき、乱数発生部186による発生乱数(0〜65535)の中から乱数抽出部185が内部当選役抽選用の乱数を抽出する。
制御部18は、このように抽出された内部当選役抽選用の乱数を内部当選役抽選テーブルと照合することにより内部抽選を実行し、内部当選役を決定する。いずれかの役を内部当選役として決定した場合には、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる。内部当選フラグが成立すると対応する役が入賞可能になり、対応する入賞図柄が図柄表示窓11に停止するとその役が入賞する。
なお、ボーナス役以外の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットされる。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、そのボーナス役が入賞するまで順次、次回のゲームに持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
制御部18は、内部抽選を実行した後、リール12による図柄変動を開始させる。制御部18は、リール駆動部121を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。制御部18は、ステッピングモータが回転している間、リール駆動部121に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。このステップ数のカウンタ値は、各リール12の基準位置片の検知信号の取り込み毎にゼロリセットされる。したがって、このカウンタ値は、直近の検知信号の後に生じたステップ数を示すことになる。
制御部18は、ストップボタン21が操作されたとき、対応するリール12の回転を停止し図柄変動を停止させる。制御部18は、リール12を停止させるに当たって、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。引込制御では、前記リール制御テーブルに対してストップボタン21が操作された時のステップ数が照合され、停止位置が決定される。引込範囲内に内部当選フラグに対応する図柄125があれば、その図柄125が停止位置として決定される。
制御部18は、リール12が停止した後、対応するステッピングモータ(リール駆動部121)のステップ数に基づいて入賞ライン111〜115に沿って停止した図柄125の種類を特定する。全てのリール12が停止した後、制御部18は、3基のリール12L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン111〜115(図3参照。)上に停止した図柄125の組合せが所定の入賞図柄(図5)であるか否かに応じて入賞役を判定する。
制御部18は、入賞役に対応する利益を付与する。例えば、7枚役が入賞役である場合には7枚のメダルを付与する。ボーナス役が入賞役である場合には、ボーナス状態を発生させる。ボーナス状態下のボーナスゲームでは、投入メダルの規定数が2枚となる。上記のごとく、ボーナスゲームでは、15枚役(入賞図柄が通常状態下の5枚役と共通)の内部当選確率が100%となり遊技者側に非常に有利となる。特に、BB状態は、メダルの払出数が300枚に到達するまで継続する最も有利な遊技状態となっている。
以上のように遊技されるスロットマシン1に対する不正行為として、投入メダル検知部23の構成を悪用した不正行為が知られている。この手口の不正行為に用いられる道具として、従来より、クレマン等と呼ばれる不正器具が知られている。この不正器具は、投入メダル検知部23による誤検知を誘発し、クレジット表示部152のクレジット数を満タンに設定させることからクレジット満タンを略してクレマン等と呼ばれている。
図示は省略するがクレマンは、メダル投入口230から挿入可能なようにメダルと同程度の厚さに形成された短冊状の器具である。後端部分を少しだけ残してメダル投入口230からクレマンを挿入すると、その先端が光センサの位置に到達するようになっている。クレマンの先端には、発光体が仕込まれており、その発光体を高速で点滅させるスイッチが後端側に設けられている。メダル投入口230からクレマンを挿入した状態で後端側のスイッチを操作すれば、先端部分を点滅させることで光センサの誤検知を誘発できる。このような光センサの誤検知が発生すると、投入メダルの検知と判断されてクレジット数が一気に加算されることになる。
本例のスロットマシン1は、遊技者の目線を利用して上記のような不正動作を特定する遊技システム1Sを構成するほか、遊技者の目線を利用した演出を実行可能である。
次に各遊技者の目線の特定精度を高めるキャリブレーション処理(図8)について説明し、その後、遊技者の目線に基づく不正動作特定処理(図9)、及び遊技者の目線を利用した演出の内容(図10)について説明する。
図8のキャリブレーション処理は、前記第1基準情報及び第2基準情報に係る遊技者画像を記憶する処理であり、1ゲームの間に実行可能である。
同図のように、キャリブレーション処理では、まず客交替の有無が判断される(S101)。なお、客交替は、上記の通り、顔認証あるいは稼動状況に関する判断によって特定される。
客交替が発生するまでの間は、そのままリターンして客交替が待機される(S101:NO→リターン→S101)。客交替が発生した後(S101:YES)、ゲームが開始された場合には(S102:YES)、左リール12L又は右リール12Rの停止操作が待機される(S103、S114、S105)。左リール12Lを停止させるために左ストップボタン21Lが操作(第1操作)された場合には(S103:YES)、そのときの撮像カメラ28により取得された遊技者画像が、左リール12L(第1基準部位)を見ている場合の目の位置を表す第1基準情報として記憶される(S104)。
右リール12Rを停止させるために右ストップボタン21Rが操作(第2操作)された場合には(S103:NO→S114:YES)、そのときの撮像カメラ28により取得された遊技者画像が、右リール12R(第2基準部位)を見ている場合の目の位置を表す第2基準情報として記憶される(S115)。その後、全てのリール12が停止されると(S105:YES)、キャリブレーション処理が完了する。
特に、本例では、スロットマシン1の水平方向中心を挟んで両側に位置する左リール12L及び右リール12Rに第1基準部位あるいは第2基準部位を設定してキャリブレーション処理を行っている。このように遊技機の水平方向中心を挟んで両側に基準部位を設定すれば、各基準部位に遊技者の目線があるときの目の位置の違いを拡大できるので、左右に対する遊技者の目の位置のキャリブレーションに好適である。
図9の不正動作特定処理は、上記のキャリブレーション処理の結果等を利用して実行される処理である。この不正動作特定処理は、リール12による図柄変動が開始されてから停止するまでのゲーム中(図柄変動中)に実行される処理ルーチン(S201:YESに続く処理ルーチン)と、図柄変動の停止後、再度図柄変動が開始されるまでの非ゲーム中(図柄停止中)に実行される処理ルーチン(S201:NOに続く処理ルーチン)とにより構成されている。各処理ルーチンでは、撮像カメラ28による直近の遊技者画像、上記の第1基準情報に係る撮像者画像、及び上記の第2基準情報に係る撮像者画像に基づき、直近の遊技者画像中の遊技者の目の向きに対応した目線等が特定される。
ゲーム中の場合(S201:YES)、遊技者の目線が10秒以上に渡ってメダル投入口230に向かっているかどうかが判断される(S202)。遊技者の目線が10秒以上に渡ってメダル投入口230に向いている場合(S202:YES)、第1異常フラグが未設定であれば(S203:YES)、第1異常フラグが設定されると共に、対応する第1異常フラグ消去タイマによる計時が開始される(S204)。その後、不正動作と特定されずに第1異常フラグ消去タイマの計時時間が10分間に到達したときに異常フラグ消去タイミングとなり(S205)、第1異常フラグが消去される(S206)。
一方、非ゲーム中の場合(S201:NO)、落ち着きなく絶えず辺りを見回す不審な遊技者の動作を特定するために、前回のゲームが終了してからの遊技者の目線の変動状況が判断される(S212)。具体的には、前回のゲームが終了してから新たなゲームが開始されるまでの間に、遊技機(スロットマシン1)、遊技情報表示装置(図中では単に表示装置)51、及び貸出機52の紙幣挿入口522以外の異なった方向に、遊技者の目線が変動した回数が5回以上に達したか否かが判断される(S212)。なお、遊技情報表示装置51、貸出機52、紙幣挿入口522に対応した目線は、第1基準位置、第2基準位置から算出可能に予め設定されている。より詳細には、スロットマシン1では、遊技場の管理者がメンテナンスモードを設定することが可能になっており、このメンテナンスモードにおいて、第1基準位置及び第2基準位置のキャリブレーションを行った後に、遊技情報表示装置51、貸出機52、紙幣挿入口522を見ている場合の目線を登録する。これにより、スロットマシン1は、基準位置、遊技情報表示装置51、貸出機52、及び紙幣挿入口522の位置関係を特定できる。
遊技者の目線の変動が5回以上に達した場合(S212:YES)、第2異常フラグが未設定であれば(S213:YES)、第2異常フラグが設定されると共に、対応する第2異常フラグ消去タイマによる計時が開始される(S214)。その後、不正動作と特定されずに第2異常フラグ消去タイマの計時時間が10分間に到達したときに異常フラグ消去タイミングとなり(S205)、第2異常フラグが消去される(S206)。
不正動作の特定は、第1異常フラグと第2異常フラグの両方がオン状態に設定されたかどうかの判断結果に応じて実行される(S207)。第1異常フラグと第2異常フラグの両方が設定された場合(S207:YES)、不正動作と特定され、管理装置5に向けて異常信号が外部出力される(S208)。異常信号は、遊技機を特定するID情報と共に管理装置5に送信され、管理装置5側では、不正行為が行われているおそれがある遊技機を特定して異常を報知する。
次に、遊技者の目線を利用してスロットマシン1が実行する演出の内容について、図10を参照して説明する。この演出についても図9の不正動作特定処理と同様、上記のキャリブレーション処理(図8)によって目線の特定精度を確保することで、演出の間違いが抑制される。
図10の演出は、液晶表示部238による表示を利用した演出であり、ゲーム毎の所定の演出抽選に当選した際、ゲーム中(リール12による図柄変動中)に実行される。同図上段の液晶表示部238の表示画面の通り、図柄変動中に、「進みたい方向を見ろ」という文字表示と共に、左ルート、右ルートの表示がなされ画面が左右に分割される。
左側の左ルートに2秒以上、遊技者の目線が向かった場合には、2段目に例示されるように、内部当選役の種類を報知する演出画面が液晶表示部238に表示される。一方、右側の右ルートに2秒以上、遊技者の目線が向かった場合には、最下段に例示されるように、ボーナス役が内部当選している期待度を報知する期待度報知画面が液晶表示部238に表示される。
以上の通り、本例のスロットマシン1は、遊技者の目の向きに関する情報を利用し、不正動作の特定や、遊技者が関与できる演出等を実行する遊技機である。このスロットマシン1を利用すれば、精度高く不正行為等の異常を報知可能な遊技システム1Sを構築できる。不正行為の報知については、本例のように管理装置5が実行するシステムとしても良いし、遊技機自体が不正行為の報知を実行するシステムとしても良い。
このスロットマシン1は、左ストップボタン21Lに対する停止操作(第1操作)が行われたときに遊技者の目(目線)が左リール12L(第1基準部位)に向いているものとし、そのときの遊技者画像を第1基準情報として特定する。このように特定した第1基準情報は、遊技者の個人差によって目の位置等が異なっていても、左リール12Lに遊技者の目が向かっている状態に精度高く対応するものとなる。
特に、スロットマシン1では、遊技者の第1操作に応じて第1基準情報となる遊技者画像を特定している。遊技者の操作等とは無関係な特定の部位を基準部位に設定する場合には、その部位を遊技者が見ていない状況下で、その基準部位に対応する基準情報を特定してしまうおそれが生じる。一方、左ストップボタン21Lの操作に応じて基準情報を特定すれば、左リール12Lを遊技者が見ている可能性が極めて高い状況で確実性高く第1基準情報を特定できる。すなわち、このスロットマシン1では、左リール12Lを遊技者が見ていないのにも関わらず、第1基準情報が誤って特定されるおそれが少なくなっている。このように精度高く特定した基準情報は、遊技者の目線を高精度に特定する際の有効な情報となる。
さらに、このスロットマシン1は、第1基準情報を特定するのに加えて、右ストップボタン21Rに対する停止操作(第2操作)が行われたときに遊技者の目(目線)が右リール12R(第2基準部位)に向いているものとし、そのときの遊技者画像を第2基準情報として特定する。この第2基準情報についても、上記の第1基準情報と同様、遊技者に応じた目の位置等の個人差が抑制されて精度の高い情報となっている。複数の高精度の基準情報に基づけば、遊技者が見ている場所や目線等を一層正確に特定できる。
なお、基準情報を特定するために設定する基準部位としては、スロットマシン1の場合であれば、リール12のほか、図柄125を停止させるためのストップボタン21や、図柄変動を開始させるためのスタートレバー22等を設定できる。さらに、本例のようにメダルを利用するスロットマシン1の場合であれば、メダル投入口230を基準部位に設定することも良い。
本例のスロットマシン1では、対応する報知を遊技者に実行することなく、基準情報となる遊技者画像を記憶する。このように遊技者に報知することなく自動で基準情報を特定可能であれば、基準情報を特定するための動作を遊技者にわざわざ行わせる必要がなくなる。基準情報を特定するための動作を遊技者に行わせる必要性を解消できれば、遊技者に煩わしさを感じさせるおそれもない。
スロットマシン1は、客交替を特定するための手段を備えており、客交替が特定されたときに各基準情報を更新する。このように客交替が発生したときに基準情報を更新すれば、客交替が生じたにも関わらず、交替前の元の遊技者の基準情報のまま遊技が継続される状況を回避できる。客交替に応じて基準情報を更新すれば、新たな遊技者についても、見ている場所や目線等を精度高く特定できるようになる。
このスロットマシン1では、基準情報となる遊技者画像を特定するための基準部位として左リール12L及び右リール12Rが設定されている。このように遊技機の鉛直方向の中心線(遊技機の水平方向の中心が位置する線)を挟むようにして両側に基準部位を設ければ、遊技者が遊技機の左側を見ているときの基準情報、及び右側を見ているときの基準情報を特定できる。左右の同じ側に2箇所の基準部位を設けた場合と比べ、第1基準情報と第2基準情報との違いを拡大でき、複数の基準情報を利用することで遊技者の見ている場所や目線等の特定精度を向上するという効果を一層高めることができる。
特に、本例では、図柄変動を表示するリール12を基準部位に設定している。一般的に、図柄変動を停止させる際には、その図柄変動が行われているリール12を遊技者が見ている可能性が高いと推定できる。図柄変動を実行するリール12を基準部位に設定すれば、基準部位を遊技者が見ていないにも関わらず対応する基準情報が誤って特定されてしまうおそれを抑制できる。
なお、客交替が発生した場合には、メダルが投入された際に遊技者がメダル投入口230を見ているものとして第1基準情報を特定すると共に、スタートレバー22を遊技者が操作した際には、遊技者がスタートレバー22を見ているものとして第2基準情報を特定して記憶させることも良い。遊技者が新たに遊技を開始する場合、メダルを投入してからスタートレバー22を操作するという遊技の流れになる。上記のような構成であれば、客交替が発生した後、メダルの受け付けに応じて第1基準情報を特定でき、図柄変動を実行させるためのスタートレバー22の操作に応じて第2基準情報を特定できる。このように客交替が発生したとき、最初の図柄変動が開始されるまでの間に新たな遊技者に関する第1基準情報及び第2基準情報を記憶できるようになる。
本例では、上記のように構成されたスロットマシン1を中心として不正動作を特定するための遊技システム1Sを構築している。この遊技システム1Sは、スロットマシン1が遊技者を撮像することで、遊技者の目の向きに対応した目線(方向情報、遊技者動作情報)を特定する。
一般的に、図柄125の変動表示中では、図柄変動の実行部位であるリール12に遊技者の目が向いている可能性が高くなる。一方、図柄変動中であるにも関わらず、リール12以外の部位に遊技者の目が向いているような場合、つまり、遊技に関係が少ない部位に遊技者が集中している場合、不正行為が行われている可能性が高くなる。
本例の遊技システム1Sでは、正当な遊技者であれば見る可能性が少なく、不正行為が疑われる特別部位として、メダル投入口230が設定されている。そして、遊技者画像に基づいてメダル投入口230を見る目線が特定され、不正動作情報として記憶される。遊技システム1Sは、遊技者を撮像して特定された目線と、不正動作情報に係る目線と、を比較することで、不正行為を実行している可能性がある遊技者を特定する。この遊技システム1Sを導入すれば、不正行為の早期発見や、不正行為の発見率の向上を図ることができる。当然ながら、特別部位としては、不正行為を行おうとする遊技者が注目する他の部位を設定することも可能である。
図柄変動が行われているにも関わらず、図柄変動の実行部位とは異なる部位に遊技者の目が向いている場合、遊技を行うことで不正行為を目立たないようにしている遊技者である可能性が高い。本例では、図柄変動中に遊技者の目がメダル投入口230等の特別部位に所定時間以上向いていることに対応した情報を不正動作情報として記憶する。これにより、遊技によりカモフラージュした不正行為の発見可能性を高めることができる。
一方、図柄変動の停止中、すなわちゲームが終了してから新たなゲームが開始されるまでの間において、遊技者の目が向いている方向が頻繁に変動し、遊技とは関係ない様々な方向を彷徨っているような場合、不正行為がばれないように周囲を警戒しているような状況が想定される。図柄変動中に遊技者の目が特別部位に所定時間以上向いていることに加え、図柄変動の停止中において、遊技機や遊技情報表示装置51や貸出機52の設置位置とは異なる方向に遊技者の目が向いていることに対応した不正動作情報を記憶しておくことで、遊技者を装いつつ周囲を警戒する不正行為者の特定を可能としている。
ここで、遊技者を装う不正行為者の場合、図柄変動中では不正行為が目立ちにくいように遊技に集中するフリをする一方、図柄変動の停止中では、そのようなフリが必要ないことから周囲を警戒するような素振りを見せる可能性が高いと考えられる。一方、単に遊技への集中力が低下し周囲の様子を伺っている正当な遊技者の場合であれば、図柄変動の実行中か否かによる動作の変化が小さくなると予測でき、このような点に着目すれば不正行為者との区別が可能である。
上記のように図柄変動の実行中と図柄停止中の遊技者の目の向きの変化を反映した不正動作情報を利用すれば、図柄変動の実行中か否かで変化する不正行為者の動作に対応して適切に異常を報知できるようになる。これにより、不正行為を発見できる可能性を高めつつ、不正行為を行っていない遊技者についての誤報知を抑制できる。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、遊技者を撮像する撮像カメラ28で遊技者の目線を特定する構成を例示しているが、遊技者の目線や目の動き等を検知するものであっても遊技者を撮像することに該当する。例えば、赤外線等を用いて目線や目の動きを特定する構成が考えられる。また、撮像範囲を遊技者の正面全体(バストショット)としたが、遊技者の目が存在すると想定される範囲のみを撮像範囲に設定しても良い。
本例では、撮像カメラ28を遊技機に設ける構成としたが、遊技機外部の撮像カメラを用いる構成としても良い。例えば、遊技情報表示装置51及び貸出機52の一方又は両方に撮像カメラを設けて遊技者を撮像する構成等が考えられる。
本例では、第1基準部位及び第2基準部位として左リール12Lあるいは右リール12Rを設定しているが、基準部位は任意に変更しても良い。この場合、遊技機の鉛直方向の中心線を挟んで左右に設ける必要はなく、左側のみに基準部位を設ける構成や、右側のみに基準部位を設ける構成を採用することも可能であるし、図柄表示窓11を挟むようにその上下に基準部位を設けても良い。また、基準部位の数を変更しても良く、1か所のみとすることや3か所以上の基準部位を設けることも可能である。
本例に代えて、例えば、メダル投入口230を第1基準部位に設定し、メダルを投入している場合にメダル投入口230を見ているものとして、その際の遊技者画像を第1基準情報として記憶することも良い。また、スタートレバー22を第2基準部位として設定し、スタートレバー22が操作された場合にスタートレバー22を見ているものとして、その際の遊技者画像を第2基準情報として記憶することも良い。この構成を採用すれば、1ゲームがスタートされるまでの間に、遊技者の目線を特定する際に必要な基準情報を記憶できるようになる。
遊技者の目線を特定する構成に加え、又は代えて、遊技者の顔の向きを特定することで演出や不正動作の特定を実行するようにしても良い。
遊技者の目線に基づいた演出の内容を変更しても良く、例えば、遊技者の目線が左上から右下に移動した場合に、斜めに目線が移動したことに対応した演出を実行するようにしても良い。
本例では、基準情報を記憶することを遊技者に報知しない構成としたが、複数の基準情報のうち一部又は全部の基準情報を記憶する際にその旨の報知を実行しても良い。
本例では、クレジットゼロ及び非稼動時間10分経過により遊技者の交替(客交替)を特定したが、客交替を特定する構成については適宜変更しても良く、例えば、遊技カードを受け付け可能な貸出機が受け付けているカードIDを特定し、カードIDの変更に応じて客交替を特定しても良い。
本例では、基準情報を記憶する構成としたが、基準情報を記憶するタイミングを任意に変更しても良い。例えば、客交替が発生したことに加え、又は代えて所定周期(例えば10分毎)で記憶し直すことも可能である。
撮像カメラ28、撮像結果から遊技者の目線や目の動きを特定するプログラム、不正行為を行っていないか否か動作を監視するプログラム等の各構成を遊技機に設ける構成としたが、一部の機能を遊技機の外部に設けることも可能である。例えば、撮像結果を管理装置5や貸出機52に送信し、管理装置5や貸出機52で遊技者の目の動き等を特定しても良い。また、管理装置5や貸出機52で基準情報を記憶することも可能である。また、不正動作を特定した場合、管理装置5で報知を行う構成としたが、遊技機や遊技情報表示装置51において異常を報知する構成としても良い。
本例はスロットマシン1に関する例であるが、その他の遊技機に適用しても良く、例えば玉を発射することで遊技が進行するパチンコ遊技機に本願発明を適用することも可能である。この場合、図柄変動が複数個所(例えば、複数列)で行われる場合には、各箇所の図柄変動が停止する場合にその図柄変動を遊技者が見ているものとして目線に対応する基準情報を記憶すれば良い。また、玉を発射するために遊技者が操作する操作部や、玉の貸出を行うための貸出ボタン等の操作部を基準部位として設定することもできる。この構成の場合、操作手段の操作を特定することなく基準情報を記憶することになる。
不正行為を行っているものとして特定する不正動作については任意に変更しても良い。本例では、図柄変動の実行中にメダル投入口230を見ていると不正行為が行われていると判定したが、図柄変動が実行されているか否かに関わらずメダル投入口230を見ている場合に不正行為が行われていると判定しても良い。つまり、本例では、図柄変動の実行中か否かで異なる動作を監視する構成としたが、図柄変動の実行中か否かに関わらず同じ動作を監視するようにしても良い。また、図柄変動の実行中、非実行中のうち、一方の期間のみ所定の動作を監視する構成としても良い。例えば、図柄の実行中、非実行中のうち、一方の期間において、遊技機枠の隙間(遊技機端部における部材の繋ぎ目の隙間)を遊技者が見ているか否かを監視し、遊技機枠の隙間を遊技者が見ていると不正行為が行われているものとして異常を報知する構成としても良い。
不正動作を特定したときに遊技者に警告する不正動作警告手段としての機能をスロットマシン1の液晶表示部238に具備させることも良い。不正動作の警告を行えば、不正動作と特定されるような行動をとらないように遊技者に注意を促すことができ、不正行為を抑制できるという効果が得られる。本例では、前記第1異常フラグと前記第2異常フラグの両方がオン状態に設定されたときに不正動作を特定しているが、前記第1異常フラグ及び前記第2異常フラグのいずれか一方が設定されたときに遊技者に対する不正動作の警告を行うことも良い。この場合には、紛らわしい動作を行なっていることを遊技者に知らしめることができる。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 スロットマシン(遊技機)
1S 遊技システム
12L 左リール(第1基準部位、図柄変動実行手段)
12R 右リール(第2基準部位、図柄変動実行手段)
18 制御部(撮像結果情報特定手段、第1操作特定手段、第2操作特定手段、方向情報特定手段、動作情報比較手段、不正動作特定手段、記憶制御手段、遊技者交替特定手段、異常通報手段、演出抽選手段、内部抽選手段、停止制御手段、入賞図柄判定手段、利益付与手段、特別遊技状態発生手段、特別遊技状態終了手段)
184 RAM(第1基準情報記憶手段、第2基準情報記憶手段、不正動作情報記憶手段、遊技動作情報記憶手段)
21L 左ストップボタン(第1操作手段、停止操作手段)
21R 右ストップボタン(第2操作手段、停止操作手段)
22 スタートレバー(開始操作手段)
230 メダル投入口(遊技価値受付手段、特別部位)
238 液晶表示部(演出実行手段、不正動作警告手段)
28 撮像カメラ(撮像手段)
5 管理装置(異常報知手段)
51 遊技情報表示装置
52 貸出機(貨幣受付装置)

Claims (1)

  1. 予め定められた条件が成立した場合に遊技結果を決定する遊技結果決定手段と、前記遊技結果決定手段が決定した遊技結果を報知する図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、を有した遊技機に対応して設けられ、当該遊技機に関する遊技情報を表示する遊技情報表示装置と、
    前記遊技機に対応して設けられ、遊技者から貨幣の投入を受け付ける貨幣受付装置と、を備えた遊技システムにおいて、
    遊技者を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の撮像結果に基づいて遊技機の前にいる遊技者の動作に対応した遊技者動作情報を特定する動作特定手段と、
    遊技者が不正行為を実行している場合の動作に対応した不正動作情報として、前記図柄変動の実行中に、遊技者の目又は顔が前記図柄変動の実行部位とは異なる部位である特別部位に所定時間以上向いていることに加え、前記図柄変動が実行されていない場合に、遊技者の目又は顔が前記遊技機、前記遊技情報表示装置、及び前記貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に向いていることに対応した情報を記憶する不正動作情報記憶手段と、
    前記動作特定手段が特定した前記遊技者動作情報と前記不正動作情報とを比較する動作情報比較手段と、
    前記動作情報比較手段が前記遊技者動作情報と前記不正動作情報とを比較した結果、前記図柄変動の実行中に、遊技者の目又は顔が前記特別部位に所定時間以上向いており、かつ、前記図柄変動が実行されていない場合に、遊技者の目又は顔が前記遊技機、前記遊技情報表示装置、及び前記貨幣受付装置の設置位置とは異なる複数の方向に向いていたことを条件に異常を報知する異常報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技システム。
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