JP6347305B1 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】初速および飛距離の向上を図る。【解決手段】基準状態に設置したゴルフクラブヘッド10の重心点を通るフェース面12Aの法線がフェース面12Aと交差する点をフェース面上重心点Pfgとする。水平面HPと平行しフェース面上重心点Pfgを通る平面を第1基準面P1とする。フェース部12のうち第1基準面P1から下方に位置する領域を下部領域32とし、フェース部12のうち第1基準面P1から上方に位置する領域を上部領域34とする。下部領域32は上部領域34よりも剛性が低い低剛性部36で構成されている。低剛性部36は、フェース面12Aのフェースバック側に位置するフェース裏面12Bのうちフェース部12の下部領域32の帯状領域24に対向する箇所に、トウヒール方向に延在する裏面溝部38が形成されることで構成されている。【選択図】図4

Description

本発明はアイアン型のゴルフクラブヘッドに関する。
アイアン型のゴルフクラブヘッドのスイートスポットは、フェース面上重心点と一致している。
ここで、フェース面上重心点とは、ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、ゴルフクラブヘッドの重心点を通るフェース面の法線がフェース面と交差する点である。
したがって、スイートスポット(フェース面上重心点)に近い箇所でボールを打撃することが初速および飛距離の向上を図る上で有利となる。
しかしながら、本発明者らの調査によれば、一般的なアイアンは、フェース面上重心点の水平面からの高さは21mm程度であるのに対して、実際にゴルファーがゴルフクラブヘッドを用いてボールを打撃する際の平均打点位置の水平面からの高さは17mm程度であり、平均打点位置はスイートスポットから離間していることがわかった。
そのため、初速および飛距離の向上を図る上で何らかの改善が必要である。
一方、スイートエリアの拡大を図るために、フェース部のフェース裏面のほぼ全域にトウヒール方向および上下(ブレードソール)方向に間隔をおいて複数の窪みを形成するアイアン型のゴルフクラブヘッドが提案されている(特許文献1参照)。
特許第3000909号公報
上記従来技術ではスイートエリアの拡大を図る上で一定の効果があるものの、平均打点位置がスイートスポットから離間していることから初速および飛距離の向上を図る上で不利がある。
また、スイートスポット(フェース面上重心点)を平均打点位置に近づけるために、フェース部の高さを低くすることが考えられるが、その場合、ゴルフクラブヘッドの形状が極端に扁平なものとなり、ゴルフクラブヘッドを見た際に違和感を感じさせるため、現実的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、初速および飛距離の向上を図る上で有利なアイアン型のゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、フェース面を有するフェース部を備えるアイアン型のゴルフクラブヘッドであって、前記フェース面に、トウヒール方向に延在しトウヒール方向と交差する方向に間隔をおいて互いに平行に形成された複数のスコアラインと、前記複数のスコアラインで挟まれ細長状にトウヒール方向に延在する前記フェース面の部分で形成された複数の帯状領域とが形成され、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、前記ゴルフクラブヘッドの重心点を通る前記フェース面の法線が前記フェース面と交差する点をフェース面上重心点とし、前記水平面と平行し前記フェース面上重心点を通る平面を第1基準面としたとき、前記フェース部のうち前記第1基準面から下方に位置する領域を下部領域とし、前記フェース部のうち前記第1基準面から上方に位置する領域を上部領域としたとき、前記下部領域は前記上部領域よりも剛性が低い低剛性部で構成され、前記低剛性部は、前記フェース面のフェースバック側に位置するフェース裏面のうち前記フェース部の前記下部領域の前記帯状領域に対向する箇所に、トウヒール方向に延在する裏面溝部が形成されることで構成され、前記裏面溝部は、前記帯状領域毎に1つずつ設けられ、複数の前記裏面溝部の延在方向の少なくとも一方の端部同士が前記裏面溝部の延在方向と交差する方向に延在する接続溝部によって接続され、前記フェース面から見て前記接続溝部の輪郭は前記スコアラインの輪郭と重ならないことを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記スコアラインの深さD1と、前記裏面溝部の深さD2との合計値は、前記フェース部のうち前記スコアラインおよび前記裏面溝部が形成されていない部分の肉厚tの10%以上35%以下であり、前記帯状領域の幅Lは、前記スコアラインの幅W1の3倍よりも大きく、かつ、前記裏面溝部の幅W2よりも大きく、前記フェース面から見て前記スコアラインの輪郭と前記裏面溝部の輪郭とが重ならないことを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記フェース部を前記裏面溝部の延在方向と直交する平面で破断した断面において、前記裏面溝部と前記フェース裏面との境の箇所、および、前記裏面溝部の底部の角部は曲率半径0.1mm以上の円弧で接続されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、フェース部の下部領域を上部領域よりも剛性が低い低剛性部で構成したので、フェース面上重心点よりも下方に位置する平均打点位置近傍におけるボール打撃時のたわみ量を大きく、かつ、たわみ領域の中心(最大たわみ点)を平均打点位置に近づける上で有利となる。
したがって、実際にボールを打球する頻度が最も高い平均打点位置やその近傍でボールを打撃した際の打球の初速および飛距離の向上を図る上で有利となる。
また、裏面溝部はフェース裏面を加工することで容易に形成できるため、製造コストの抑制を図る上で有利となる。
請求項2、3記載の発明によれば、請求項1記載のゴルフクラブヘッドの効果を高める上で有利となる。
実施の形態におけるアイアン型のゴルフクラブヘッドの正面図である。 図1のA−A線断面図である。 フェース面を示す正面図である。 フェース裏面を示す背面図である。 フェース部の断面図である。 (A)は裏面溝部の一例を示す断面図、(B)は裏面溝部の他の例を示す断面図である。 (A)は裏面溝部の端部が接続溝部で接続されていない場合の説明図、(B)は裏面溝部の端部が接続溝部で接続されている場合の説明図である。 平均打点位置とフェース部の最大たわみ点との関係を示す説明図である。 (A)は従来のゴルフクラブヘッドのフェース面のたわみ量を示す説明図、(B)は実施の形態のゴルフクラブヘッドのフェース面のたわみ量を示す説明図である。 (A)は低剛性部をフェース部の肉厚を変化させることで構成した場合の模式図、(B)は低剛性部を弾性率を変化させることで構成した場合の模式図である。 実験例の評価結果を示す図である。 実験例の評価結果を示す図である。 実験例の評価結果を示す図である。 実験例の評価結果を示す図である。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1、図2に示すように、本実施の形態に係るアイアン型のゴルフクラブヘッド(以下単にゴルフクラブヘッドという)10は、フェース部12と、ソール部14と、ブレード部16と、キャビティ部18と、ホーゼル20とを備えている。
フェース部12は、上下の高さを有して左右に延在するボールを打撃するフェース面12Aと、フェース面12Aの後面であるフェース裏面12Bとを有している。
フェース面12Aには、複数のスコアライン22と、複数の帯状領域24とが形成されている。
複数のスコアライン22は、トウヒール方向に延在しトウヒール方向と交差する方向に間隔をおいて互いに平行に形成された溝部によって形成されている。
複数の帯状領域24は、複数のスコアライン22で挟まれ細長状にトウヒール方向に延在するフェース面12Aの部分で形成されている。
フェース裏面12Bの周囲に沿って膨出する周縁部26が設けられている。
ソール部14は、フェース部12の下部に接続する周縁部26の下部によって形成され、ソール部14の下面がソール面14Aとなっている。
ブレード部16は、フェース裏面12Bの上部に沿ってトウヒール方向に延在する周縁部26の部分で形成されている。
キャビティ部18は、フェース裏面12Bと周縁部26とで形成され、後方に開放状に形成されている。
図中、符号28はトウ、符号30はヒールを示す。
ホーゼル20は、フェース部12のヒール30側の箇所から起立され、ホーゼル20に不図示のシャフトの一端が挿入して取着されることでのシャフトがゴルフクラブヘッド10に連結される。
なお、ゴルフクラブヘッド10のうちフェース部12を除く部分は、チタン合金、ステンレス鋼、炭素鋼等の金属材料によって一体形成されている。
フェース部12は、チタン合金、ステンレス鋼、炭素鋼、マレージング鋼等の金属材料によって形成されている。
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド10がキャビティバック型である場合について説明するが、本発明は、マッスルバック型で、フェース部12の肉厚が比較的厚い5mm以下の物にも無論適用可能である。
次に、ゴルフクラブヘッド10の各部の規定について詳細に説明する。
図1、図2、図3、図4に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、ゴルフクラブヘッド10の重心点Gを通るフェース面12Aの法線Lgがフェース面12Aと交差する点をフェース面上重心点Pfgとする。
水平面HPと平行しフェース面上重心点Pfgを通る平面を第1基準面P1とする。
フェース部12のうち第1基準面P1から下方に位置する領域を下部領域32とし、フェース部12のうち第1基準面P1から上方に位置する領域を上部領域34とする。
下部領域32は上部領域34よりも剛性が低い低剛性部36で構成されている。
本実施の形態では、低剛性部36は、フェース裏面12Bのうちフェース部12の下部領域32の帯状領域24に対向する箇所に、トウヒール方向に延在する裏面溝部38が形成されることで構成されている。
なお、図2において、スコアライン22、裏面溝部38の図示は省略している。
裏面溝部38は、1つでも2つ以上であってもよい。
また、裏面溝部38は、帯状領域24毎に1つずつ設けられていても、帯状領域24毎に2つ以上設けられていてもよい。
なお、図中符号Paは、平均打点位置を示し、以下のように規定される。
ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、水平面HPと直交し、ゴルフクラブヘッド10の重心点Gを通るフェース面12Aの法線Lgを含む平面を第2の基準面P2とする。
この第2の基準面P2において水平面HPからの高さが17mmとなるフェース面12A上の位置が平均打点位置Paである。
(スコアライン22の深さD1、裏面溝部38の深さD2)
図5に示すように、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部38の深さD2との合計値D1+D2は、フェース部12のうちスコアライン22および裏面溝部38が形成されていない部分の肉厚tの10%以上35%以下である。
合計値D1+D2が上記肉厚tの範囲内であると、平均打点位置Pa近傍の低剛性部36の剛性を低くしてたわみ量を確保できるので、平均打点位置Paおよびその近傍でボールを打撃した際の打球の初速および飛距離の向上を図れると共にゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する上で有利となる。
合計値D1+D2が上記肉厚tの範囲を上回る(35%超)と、フェース部12の肉厚が局所的に薄くなり過ぎるため耐久性を確保する効果が低下する。
合計値D1+D2が上記肉厚tの範囲を下回る(10%未満)と、平均打点位置Pa近傍の低剛性部36の剛性を低くしてたわみ量を確保する効果が低下し、打球の初速および飛距離の向上を図る効果が低下する。
なお、打球時には、フェース部12がフェースバック方向に凸状にたわむため、フェース裏面12Bに引張荷重が作用し、したがって、裏面溝部38にも引張荷重が作用することから、裏面溝部38に応力が集中しやすい。
このような応力集中を抑制するためスコアライン22の深さD1と裏面溝部38の深さD2の大小関係は、D1>D2が好ましい。
また、スコアライン22の深さD1は、フェース部12のうちスコアライン22および裏面溝部38が形成されていない部分の肉厚tの5%以上25%以下が好ましい。
スコアライン22の深さD1が上記範囲を下回ると、スコアライン22の視認性が低下し、ゴルファーが違和感を感じて打ちづらくなり、さらに、雨天時の水滴、ラフ時の芝噛みなどが発生した時に、バックスピン量が激減し、飛距離安定性に欠けてしまう。
スコアライン22の深さD1が上記範囲を上回ると、スコアライン22に応力が集中しやすく、耐久性確保が不利になるためである。
また、裏面溝部38の幅方向の中心位置は、帯状領域24の幅方向の中心位置に対して、Lの±10%の範囲内であることが好ましく、裏面溝部38の幅方向の中心位置は、帯状領域24の幅方向の中心位置と一致することがさらに好ましい。
これは、打球時の応力がスコアライン22および裏面溝部38に局所的に集中せず分散して作用するため、耐久性を確保する上で有利となるためである。
(帯状領域24の幅L)
帯状領域24の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部38の幅W2よりも大きい値である。
帯状領域24の幅Lが上記範囲を満たすと、フェース部12の肉厚を確保できるため耐久性を確保する効果を高める上で有利となる。
帯状領域24の幅Lが上記範囲を満たさないと、フェース部12の肉厚が局所的に薄くなり過ぎるため、ノッチ効果により耐久性を確保する効果が低下する。
なお、スコアライン22に関するルール上の規定から帯状領域24の幅Lの上限値は0.035inch(0.889mm)となる。
(スコアライン22と裏面溝部38の輪郭)
フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部38の輪郭とが重ならない。
この規定が満たされると、フェース部12の肉厚を確保できるため耐久性を確保する効果を高める上で有利となる。
この規定が満たされないと、フェース部12の肉厚が局所的に薄くなるため耐久性を確保する効果が低下する。
(裏面溝部38の箇所、角部の曲率半径)
図6(A)、(B)に示すように、フェース部12を裏面溝部38の延在方向と直交する平面で破断した断面において、裏面溝部38とフェース裏面12Bとの境の箇所40、および、裏面溝部38の底部の角部42は、曲率半径0.1mm以上の円弧で接続されている。
なお、図6(A)は、裏面溝部38の断面形状が台形であり、裏面溝部38の底部の角部42が2箇所である場合を示す。
また、図6(B)は、裏面溝部38の断面形状がV字状であり、裏面溝部38の底部の角部42が1箇所である場合を示す。
なお、裏面溝部38の断面形状は、矩形状、半円弧状など従来公知の様々な形状が採用可能である。
裏面溝部38とフェース裏面12Bとの境の箇所40、および、裏面溝部38の底部の角部42を接続する円弧の曲率半径が上記範囲を満たさないと、打球時の応力が裏面溝部38の箇所40、角部42に集中しやすく、耐久性を確保する効果が低下する。
なお、裏面溝部38の寸法上の制約から曲率半径の上限値は1.0mmとなる。
(接続溝部)
図4に示すように、裏面溝部38は、帯状領域24毎に1つずつ設けられ、複数の裏面溝部38の延在方向(トウヒール方向)の少なくとも一方の端部同士が裏面溝部38の延在方向と交差する方向に延在する接続溝部44によって接続され、フェース面12Aから見て接続溝部44の輪郭はスコアライン22に輪郭と重ならない。
なお、接続溝部44は設けなくても良いが、接続溝部44を設けると、図7(A)に示すように、フェース裏面12Bに裏面溝部38のみを形成した場合に比較し、図7(B)に示すように、フェース裏面12Bに裏面溝部38に加えて接続溝部44の分だけ溝部の面積が増えるため、平均打点位置Pa近傍の低剛性部36の剛性を低くしてたわみ量を確保する効果がより高まり、打球の初速および飛距離の向上を図る上でより有利となる。
次に、フェース部12の下部領域32を上部領域34よりも剛性が低い低剛性部36で構成したことによる効果について説明する。
図8は、フェース面上重心点Pfgと、平均打点位置Paと、フェース部12のたわみ量とを模式的に示した説明図である。
しかしながら、本発明者らの調査によれば、フェース面上重心点の水平面からの高さは21mm程度であるのに対して、実際にゴルファがゴルフクラブヘッドを用いてボールを打撃する際の平均打点位置Paの水平面HPからの高さは17mmであり、平均打点位置Paはスイートスポット(フェース面上重心点Pfg)から下方に離間していることがわかった。
図8では、フェース部12がブレード部16とソール部14との2点で支持されているものとして示している。
図中、実線で示す曲線C1は低剛性部36を有さないフェース部12の平均打点位置Paでボールを打撃した場合のたわみ量を表示し、D1は最大たわみ点を示す。
平均打点位置Paは、フェース面上重心点Pfgよりも下方にずれているので、最大たわみ点D1は、フェース面上重心点Pfgよりも平均打点位置Pa方向にずれる。
また、二点鎖線で示す曲線C2は低剛性部36を有するフェース部12の平均打点位置Paでボールを打撃した場合のたわみ量を表示し、D2は最大たわみ点を示す。
図8の矢印Fで示すように、低剛性部36を有さないフェース部12の最大たわみ点D1に比較して低剛性部36を有するフェース部12の最大たわみ点D2が下方に移動して平均打点位置Paに近づいていることがわかる。
図9(A)、(B)は、フェース部12の平均打点位置Paでボールを打撃した場合のたわみ領域の位置と面積を表示した図であり、ハッチングが濃いほどたわみ量が大きいことを示す。
図9(A)は低剛性部36を有さないゴルフクラブヘッド10を示し、(B)は低剛性部36を有するゴルフクラブヘッド10を示す。
図9(A)、(B)から明らかなように、低剛性部36を有さないフェース部12のたわみ量に比較してたわみ量を大きく、低剛性部36を有するフェース部12のたわみ量が大きく、かつ、たわみ領域の中心(最大たわみ点に相当)が平均打点位置Paに近づいていることがわかる。
図8、図9(A)、(B)から明らかなように、低剛性部36を有するフェース部12は、低剛性部36を有さないフェース部12に比較して、フェース部12の平均打点位置Paに最大たわみ点が近づくと共に、たわみ量が大きくなるため、平均打点位置Paでの打球の初速および飛距離の向上を図る上で有利となる。
言い換えると、フェース面上重心点Pfgよりも下方に位置する平均打点位置Pa近傍におけるボール打撃時のフェース部12のたわみ量を大きく、かつ、たわみ領域の中心(最大たわみ点)を平均打点位置Paに近づける上で有利となる。
したがって、実際にボールを打球する頻度が最も高い平均打点位置Paやその近傍でボールを打撃した際の打球の初速および飛距離の向上を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、低剛性部36は、フェース面12Aのフェースバック側に位置するフェース裏面12Bのうちフェース部12の下部領域32の帯状領域24に対向する箇所に、トウヒール方向に延在する裏面溝部38が形成されることで構成されている。
したがって、フェース面12Aから見てスコアライン22と裏面溝部38とが重ならないため、フェース部12の肉厚が局所的に薄くなり過ぎないため、耐久性を確保する上で有利となる。
また、裏面溝部38はフェース裏面12Bを加工することで容易に形成できるため、製造コストの抑制を図る上でも有利となる。
本実施の形態では、裏面溝部38がトウヒール方向に連続している場合について説明したが、裏面溝部38が点線のように延在方向に間隔をおいて断続的に形成されていてもよく、要するに裏面溝部38は低剛性部36を構成するものであればよい。
また、低剛性部36は、以下のようにして構成することもできる。
(1)フェース部12のうち下部領域32のフェース裏面12Bの全域に複数の窪みを形成する。
この場合、複数の窪みはフェース裏面12Bをプレス成形などで容易に形成できるため、製造コストの抑制を図る上で有利となる。
(2)図10(A)に示すように、フェース部12のうち下部領域32の加重平均肉厚を、上部領域34の加重平均肉厚よりも小さい値とする。
例えば、図10(A)に示すように、ブレード部16からソール部14に至るにつれてフェース部12の肉厚が次第に薄くなるようにしたり、下部領域32の肉厚を上部領域34の肉厚よりも薄くすると共に、下部領域32と上部領域34との間に肉厚が次第に変化する徐変部を設けるなど従来公知の様々な偏肉構造が採用可能である。
なお、加重平均肉厚とは、フェース部12の肉厚をフェース面12Aの面積で重み付けした加重平均である。
また、図1、図2に示すように、前述したようにゴルフクラブヘッド10を基準状態に設置した状態で定義される第2の基準面P2でゴルフクラブヘッド10を破断したときの断面における肉厚の加重平均を加重平均肉厚としてもよい。
この場合、簡単な構造で低剛性部36を構成でき製造の簡素化を図る上で有利となる。
(3)図10(B)に示すように、フェース部12のうち下部領域32の加重平均弾性率を、上部領域34の加重平均弾性率よりも小さい値とする。
具体的には、下部領域32を、弾性率が小さい部材と、弾性率が上部領域34と同じ部材とを貼り合わせて構成する。
なお、加重平均弾性率とは、フェース部12の弾性率をフェース面12Aの面積で重み付けした加重平均である。
また、前記の第2の基準面P2とフェース面12Aとが交差する線をフェースセンターラインとしたとき、フェースセンターラインにおける弾性率の加重平均を加重平均弾性率としてもよい。
この場合、簡単な構造で低剛性部36を構成でき製造の簡素化を図る上で有利となる。
これらの変形例においても、フェース部12に低剛性部36が構成されるため、上記実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
以下、本発明の実験例について説明する。
図11〜図14は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、以下の4つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、4つの指数の合計点を求めた。
なお、ゴルフクラブヘッド10の番手は、7番であり、ロフト角は28度であり、ライ角は62度とした。
(1)初速(平均打点位置Pa)
ゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブをスイングロボットに設置し、以下の条件で実打試験を行い初速の平均値を指数で評価した。比較例に相当する実験例の指数を100とし指数が大きいほど初速が速く、評価が良いことを示す。
ヘッドスピード:40m/s
ボール:株式会社プロギア製プロギアTRスピン(商品名)
打点位置は、図2に示すように平均打点位置Pa(水平面HPから高さ17mm)とし、5回ボールを打撃した。
(2)平均初速(スイートエリア)
上記初速(平均打点位置Pa)と同様の条件で測定を行なうが、スイートエリアの平均初速を測定するために、打点を以下の3点として、それぞれ5回ずつボールを打撃し3点における初速の平均値を指数で評価した。比較例に相当する実験例の指数を100とし指数が大きいほど平均初速が速く、評価が良いことを示す。
1)平均打点位置Pa(水平面HPから高さ17mm)
2)中間打点位置Pb(水平面HPから高さ19mm)
3)フェース面上重心点Pfg(水平面HPから高さ21mm)
なお、中間打点位置Pbは、第2基準面P2上において平均打点位置Paとフェース面上重心点Pfgとの中間に位置する。
(3)飛距離(平均打点位置Pa)
上記(1)の初速の試験における平均打点位置Paでの実打試験で得られた飛距離を測定した。
5回の飛距離の平均値を求め、比較例に相当する実験例の指数を100とし指数が大きいほど飛距離が長く、評価が良いことを示す。
(4)耐久性
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面12Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部12の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは40m/sとした。打点位置は平均打点位置Paとした。
この場合、比較例に相当する実験例のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
(5)合計点
上述した初速、平均初速、飛距離、耐久性の4つの指数を合計したものを合計点とした。
比較例に相当する実験例の合計点を400とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
また、以下の条件で実験を行った。
(条件1)
請求項1、2で規定する条件を変更する。
ただし、何れの実験例も請求項3、4、5は規定の範囲外で一定条件とした。
(条件2)
請求項1、2の規定を満足し、請求項3で規定する条件を変更する。
ただし、何れの実験例も請求項4、5は規定の範囲外で一定条件とした。
(条件3)
請求項1、2、3の規定を満足し、請求項4で規定する条件を変更する。
ただし、何れの実験例も請求項5は規定の範囲外で一定条件とした。
(条件4)
請求項1、2、3、4の規定を満たし、請求項5で規定する条件を変更する。
(条件1)
次に、条件1における実験例について説明する。
図11に示すように、実験例1は、フェース裏面12Bの全域に窪みを設けた従来技術(特許第3000909号公報)と同様に構成したものであって比較例に相当するものであり、本発明の請求項1〜5の全ての規定を満たさないものである。
実験例2は、上部領域34にだけ裏面溝部36に相当する溝部を4つ形成した点で請求項1〜5の全ての規定を満たしていない。
実験例3は、下部領域32にだけ裏面溝部36を4つ形成したものであり、請求項1、2の規定を満たし、請求項3〜5の規定を満たしていない。
なお、下部領域32にだけ裏面溝部36を形成した実施例3〜実験例13については、裏面溝部36の数は4つであり、裏面溝部36の断面形状は、図6(A)に示すような台形形状を呈している点は全て共通である。
実験例2、3は、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36または溝部の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの36%であり、請求項3の10%以上35%の範囲外である。
また、実験例2、3は、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の2倍であり、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36または溝部の幅W2よりも大きいという規定を満たしていない。
また、実験例2、3は、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36または溝部の輪郭とが重なっており、請求項3の規定を満たしていない。
また、実験例2、3は、図6(A)に示す裏面溝部36とフェース裏面12Bとの境の箇所40、および、裏面溝部36の底部の角部42を接続する円弧の曲率半径が0.07mmであり、請求項4の曲率半径0.1mm以上の規定を満たしていない。
また、実験例2、3は、接続溝部44が形成されておらず、請求項5の規定を満たしていない。
実験例2は、上部領域34にだけ裏面溝部36に相当する溝部を4つ形成したものであり、請求項1、2の規定を満たしておらず本発明の範囲外である。
したがって、初速94、平均初速97、飛距離94、耐久性119、合計404であり、耐久性以外の評価が実験例1より低下している。
これは、下部領域32が低剛性部36で構成されていないため、平均打点位置Paやその近傍でのボール打撃時のたわみ量を確保することができないためである。
実験例3は、下部領域32にだけ裏面溝部36を4つ形成したものであり、請求項1、2の規定を満たしている。
したがって、初速110、平均初速111、飛距離111、耐久性100、合計432であり、耐久性以外の評価が実験例1に比較して改善されている。
これは、下部領域32が低剛性部36で構成されているため、平均打点位置Paでのボール打撃時のたわみ量を確保することができるためである。
したがって、請求項1、2の規定を満たすものは、請求項1、2を満たさない実験例1、2に対して初速、平均初速、飛距離、合計点の向上を図る効果が優れており、耐久性については実験例1と同等である。
(条件2)
次に、条件2における実験例について説明する。
図12に示すように、実験例4、5、8、9は、請求項1、2の規定を満たすが、請求項3〜5の規定は満たさない。
実験例6、7は、請求項1、2、3の規定を満たすが、請求項4、5の規定は満たさない。
実験例4〜9において、請求項2の規定は以下の通りである。
下部領域32にだけ裏面溝部36を4つ形成し請求項2の規定を満たしている。
実験例4〜9において、請求項4の規定は以下の通りである。
図6(A)に示す裏面溝部36とフェース裏面12Bとの境の箇所40、および、裏面溝部36の底部の角部42を接続する円弧の曲率半径が0.07mmであり、請求項4の曲率半径0.1mm以上の規定を満たしていない。
実験例4〜9において、請求項5の規定は以下の通りである。
接続溝部44が形成されておらず、請求項5の規定を満たしていない。
実験例4は、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの8%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲を下回っており、この点で請求項3の規定を満たしていない。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3.2倍であり、裏面溝部36の幅W2よりも大きく、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36の幅W2よりも大きいという規定を満たしている。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっておらず、請求項3の規定を満たしている。
したがって、初速112、平均初速112、飛距離111、耐久性116、合計点451であり、請求項3の規定を満たす実験例6、7に比較すると、全ての評価が若干低下している。
これは、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの8%であり、請求項3の10%以上35%の範囲を下回っているため、平均打点位置Pa近傍のフェース部のたわみ量を確保する効果が低下するためである。
実験例5は、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの37%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲を上回っており、この点で請求項3の規定を満たしていない。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3.2倍であり、裏面溝部36の幅W2よりも大きく、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36の幅W2よりも大きいという規定を満たしている。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっておらず、請求項3の規定を満たしている。
したがって、初速117、平均初速114、飛距離116、耐久性105、合計点452であり、実験例4に比較すると、耐久性以外の評価が向上しているが耐久性の評価が低下している。
これは、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの37%であり、請求項3の10%以上35%の範囲を上回っているため、平均打点位置Pa近傍のフェース部のたわみ量を確保する効果が確保できるものの、スコアライン22および裏面溝部36の箇所に応力が集中するためである。
実験例6は、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの11%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲内であり、請求項3の規定を満たしている。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3.2倍であり、裏面溝部36の幅W2よりも大きく、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36の幅W2よりも大きいという規定を満たしている。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっておらず、請求項3の規定を満たしている。
したがって、初速114、平均初速114、飛距離114、耐久性117、合計点459であり、請求項3を満たさない実験例4、5、8、9に比較すると、全ての評価が向上している。
実験例7は、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの34%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲内であり、請求項3の規定を満たしている。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3.2倍であり、裏面溝部36の幅W2よりも大きく、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36の幅W2よりも大きいという規定を満たしている。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっておらず、請求項3の規定を満たしている。
したがって、初速116、平均初速115、飛距離115、耐久性115、合計点461であり、請求項3を満たさない実験例4、5、8、9に比較すると、全ての評価が向上している。
実験例8は、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの30%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲内であり請求項3の規定を満たしている。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の2.2倍であり、裏面溝部36の幅W2よりも大きいものの、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36の幅W2よりも大きいという規定を満たしていない。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっておらず、請求項3の規定を満たしている。
したがって、初速112、平均初速113、飛距離112、耐久性112、合計点449であり、実験例4に比較すると、耐久性以外の評価が同等であるが耐久性の評価が低下している。
これは、帯状領域の幅Lが請求項3の規定を下回っているため、フェース部12の肉厚が局所的に薄くなりすぎ耐久性を確保する効果が若干低下するためである。
実験例9は、スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの30%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲内であり請求項3の規定を満たしている。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3.2倍であるものの、裏面溝部36の幅W2よりも小さく、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36の幅W2よりも大きいという規定を満たしていない。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっており、請求項3の規定を満たしていない。
したがって、初速113、平均初速114、飛距離114、耐久性113、合計点454であり、実験例4に比較すると、耐久性以外の評価が同等であるが耐久性の評価が低下している。
これは、帯状領域の幅Lが請求項3の規定を下回っており、また、スコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっているため、フェース部12の肉厚が局所的に薄くなりすぎ耐久性を確保する効果が若干低下するためである。
したがって、請求項1、2、3の全ての規定を満たす実験例6、7は、請求項1、2を満たすが請求項3を満たさない実験例4、5、8、9に対して初速、平均初速、飛距離、耐久性、合計点の向上を図る効果が優れている。
(条件3)
次に、条件3における実験例について説明する。
図13に示すように、実験例10は、請求項1、2、3の規定を満たすが、請求項4、5の規定は満たさない。
実験例11は、請求項1、2、4の規定を満たすが、請求項5の規定は満たさない。
実験例10、11において、請求項2の規定は以下の通りである。
下部領域32にだけ裏面溝部36を4つ形成し請求項2の規定を満たしている。
実験例10、11において、請求項3の規定は以下の通りである。
スコアライン22の深さD1と、裏面溝部36の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの30%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲内であり、請求項3の規定を満たしている。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3.2倍であり、裏面溝部36の幅W2よりも大きく、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部36の幅W2よりも大きいという規定を満たしている。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部36の輪郭とが重なっておらず、請求項3の規定を満たしている。
実験例10、11において、請求項5の規定は以下の通りである。
接続溝部44が形成されておらず、請求項5の規定を満たしていない。
実験例10は、図6(A)に示す裏面溝部36とフェース裏面12Bとの境の箇所40、および、裏面溝部36の底部の角部42を接続する円弧の曲率半径が0.07mmであり、請求項4の曲率半径0.1mm以上の規定を満たしていない。
したがって、初速115、平均初速116、飛距離114、耐久性113、合計点458であり、請求項4の規定を満たす実験例11に比較すると、耐久性以外の評価が同等であるが、耐久性の評価が若干低下している。
これは、請求項4の規定を満たさないため、打球時の応力が裏面溝部38の箇所40、角部42に集中しやすく、耐久性を確保する効果が低下するためである。
実験例11は、図6(A)に示す裏面溝部38とフェース裏面12Bとの境の箇所40、および、裏面溝部38の底部の角部42を接続する円弧の曲率半径が0.15mmであり、請求項4の曲率半径0.1mm以上の規定を満たしている。
したがって、初速115、平均初速115、飛距離115、耐久性124、合計点469であり、請求項4の規定を満たさない実験例10に比較すると、耐久性以外の評価が同等であるが、耐久性の評価が若干向上している。
これは、請求項4の規定を満たしているため、打球時の応力が裏面溝部38の箇所40、角部42に集中しにくく、耐久性を確保する効果が向上するためである。
したがって、請求項1、2、3、4の全ての規定を満たす実験例11は、請求項1、2、3を満たすが請求項4を満たさない実験例10に対して特に耐久性、合計点の向上を図る効果が優れている。
(条件4)
次に、条件4における実験例について説明する。
図14に示すように、実験例12は、請求項1、2、3、4の規定を満たすが、請求項5の規定は満たさない。
実験例13は、請求項1、2、3、4、5の全ての規定を満たす。
実験例12、13において、請求項2の規定は以下の通りである。
下部領域32にだけ裏面溝部38を4つ形成し請求項2の規定を満たしている。
実験例12、13において、請求項3の規定は以下の通りである。
スコアライン22の深さD1と、裏面溝部38の深さD2との合計値がフェース部の肉厚tの30%であり、請求項3の10%以上35%以下の範囲内であり、請求項3の規定を満たしている。
また、帯状領域の幅Lは、スコアライン22の幅W1の3.2倍であり、裏面溝部38の幅W2よりも大きく、請求項3のスコアライン22の幅W1の3倍よりも大きく、かつ、裏面溝部38の幅W2よりも大きいという規定を満たしている。
また、フェース面12Aから見てスコアライン22の輪郭と裏面溝部38の輪郭とが重なっておらず、請求項3の規定を満たしている。
実験例12、13において、請求項4の規定は以下の通りである。
図6(A)に示す裏面溝部38とフェース裏面12Bとの境の箇所40、および、裏面溝部38の底部の角部42を接続する円弧の曲率半径が0.15mmであり、請求項4の曲率半径0.1mm以上の規定を満たしている。
実験例12は、接続溝部44が形成されておらず、請求項5の規定を満たしていない。
したがって、初速115、平均初速115、飛距離115、耐久性124、合計点469であり、請求項5の規定を満たす実験例13に比較すると、耐久性以外の評価が低下している。
これは、請求項5の規定を満たさないため、平均打点位置Pa近傍のフェース部12の部分のたわみ量を確保する効果が低下するためである。
実験例13は、接続溝部44が形成されており、請求項5の規定を満たしており、接続溝部44は、複数の裏面溝部38の両端のうちトウ側の端部同士を接続している。
したがって、初速120、平均初速122、飛距離122、耐久性124、合計点488であり、請求項5の規定を満たさない実験例13に比較すると、耐久性以外の評価が向上している。
これは、請求項5の規定を満たしているため、平均打点位置Pa近傍のフェース部12の部分のたわみ量を確保する効果が向上するためである。
したがって、請求項1、2、3、4、5の全ての規定を満たす実験例13は、請求項1、2、3、4を満たすが請求項5を満たさない実験例12に対して特に初速、平均初速、飛距離、合計点の向上を図る効果が優れている。
10 ゴルフクラブヘッド
12 フェース部
12A フェース面
12B フェース裏面
22 スコアライン
24 帯状領域
28 トウ
30 ヒール
32 下部領域
34 上部領域
36 低剛性部
38 裏面溝部
40 裏面溝部38とフェース裏面12Bとの境の箇所
42 裏面溝部38の底部の角部
44 接続溝部44
46 弾性率が小さい部材
48 弾性率が上部領域34と同じ部材
HP 水平面
P1 第1基準面
Pfg フェース面上重心点
Pa 平均打点位置

Claims (3)

  1. フェース面を有するフェース部を備えるアイアン型のゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース面に、トウヒール方向に延在しトウヒール方向と交差する方向に間隔をおいて互いに平行に形成された複数のスコアラインと、前記複数のスコアラインで挟まれ細長状にトウヒール方向に延在する前記フェース面の部分で形成された複数の帯状領域とが形成され、
    前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、前記ゴルフクラブヘッドの重心点を通る前記フェース面の法線が前記フェース面と交差する点をフェース面上重心点とし、
    前記水平面と平行し前記フェース面上重心点を通る平面を第1基準面としたとき、
    前記フェース部のうち前記第1基準面から下方に位置する領域を下部領域とし、前記フェース部のうち前記第1基準面から上方に位置する領域を上部領域としたとき、前記下部領域は前記上部領域よりも剛性が低い低剛性部で構成され
    前記低剛性部は、前記フェース面のフェースバック側に位置するフェース裏面のうち前記フェース部の前記下部領域の前記帯状領域に対向する箇所に、トウヒール方向に延在する裏面溝部が形成されることで構成され、
    前記裏面溝部は、前記帯状領域毎に1つずつ設けられ、
    複数の前記裏面溝部の延在方向の少なくとも一方の端部同士が前記裏面溝部の延在方向と交差する方向に延在する接続溝部によって接続され、
    前記フェース面から見て前記接続溝部の輪郭は前記スコアラインの輪郭と重ならない、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記スコアラインの深さD1と、前記裏面溝部の深さD2との合計値は、前記フェース部のうち前記スコアラインおよび前記裏面溝部が形成されていない部分の肉厚tの10%以上35%以下であり、
    前記帯状領域の幅Lは、前記スコアラインの幅W1の3倍よりも大きく、かつ、前記裏面溝部の幅W2よりも大きく、
    前記フェース面から見て前記スコアラインの輪郭と前記裏面溝部の輪郭とが重ならない、
    ことを特徴とする請求項記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記フェース部を前記裏面溝部の延在方向と直交する平面で破断した断面において、前記裏面溝部と前記フェース裏面との境の箇所、および、前記裏面溝部の底部の角部は曲率半径0.1mm以上の円弧で接続されている、
    ことを特徴とする請求項または記載のゴルフクラブヘッド。
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