JP6345934B2 - 質量分析メソッドの自動生成方法 - Google Patents

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Description

本発明はプラズマイオン源質量分析装置における質量分析メソッドを自動生成する方法に関し、詳しくはICP(誘導結合プラズマ)質量分析装置のようなプラズマイオン源質量分析装置を用いて測定を行うに際して、被測定試料に適した質量分析メソッドを自動生成するための方法に関する。本発明の方法は、コンピュータプログラムに従って実行することができる。
プラズマイオン源を用いた質量分析法、例えばICP質量分析法は、無機元素、特に微量の金属を分析するために有用であり、半導体、地質及び環境産業を含む多くの分野で広く利用されている。ICP質量分析法によれば、周期律表の大半の元素について実質的に同時に多元素分析を行うことが可能であり、また元素濃度の定量を10億分の1(ppb)或いは1兆分の1(ppt)という優れた感度レベルで行うことができる。
ICP質量分析装置は、イオン化源として誘導結合アルゴンプラズマを使用し、プラズマで生成された被分析元素のイオンはビームとして質量分析計に導入され、質量電荷比(m/z)に応じて分離され、測定される。すなわち通常、被測定元素は試料溶液中に溶解され、内部標準として添加された元素と共にポンプにより、試料エアロゾルを発生するネブライザへと送られる。試料エアロゾルはプラズマに供給され、そこで脱溶媒化され、原子化され、イオン化される。その結果得られた元素イオンは、プラズマから、サンプリングコーン及びスキマーコーンとして知られる2つのオリフィスを有するインタフェース及びイオンレンズを介して質量分析計に移送されるが、干渉イオンの影響を排除するため、多くの場合にイオンレンズの後段にはコリジョン/リアクション(衝突/反応)セルが配置される。コリジョン/リアクションセルは、水素などの比較的分子量の小さい反応ガスや、ヘリウムのような不活性ガスを導入し、導入されるイオンビーム中の多原子分子イオンをガス分子と反応させて選択的に中和したり、衝突によって運動エネルギーを喪失させることによって、測定信号への干渉を防止しようとするものである。
ところでICP質量分析装置を用いて実際に測定を行うには、試料の取り込み/リンス時間、使用する内部標準元素の選択、プラズマ条件、コリジョン/リアクションセルのガス条件、質量分析計での積分時間などについて設定を行って、試料に適した分析メソッドを作成/決定しなければならない。従来のICP質量分析装置での測定メソッド作成においては、予め想定した条件用に作成したプリセットメソッドからユーザが選択する、という方法がある。この方法は、水道水の水質など法規制に関わる測定の様に、測定対象を想定しやすい試料に対しては便利な方法であるものの、プリセットメソッドの条件から外れた試料では、ユーザによる条件の最適化を必要とする。また共存マトリックスの影響でプラズマ条件やガス流量などの選択が難しい試料や、既存のメソッドが適用可能か否かがわからない未知の試料、ロットごとに異なるメソッドを用いるのが好ましい試料などの場合、いかに適切な条件の測定メソッドにするかは従来、ユーザが複数の測定結果から判断し決定してきたが、これはユーザの経験や勘に頼る部分も多く、手間も時間もかかる煩雑な作業となっている。
特許文献1は、エアロゾル中のキャリアガス流量、プラズマRF出力などの条件を、特定の金属イオンの感度とその金属イオンの酸化物イオンとの相関を用いて、コンピュータプログラムにより自動決定する技術を記載している。これは特に高マトリクス試料に応じてプラズマ条件を最適化するのに適しているが、ICP質量分析装置全体にわたって質量分析メソッドを自動生成可能なものではない。また特許文献2はICP質量分析装置の装置特性を診断及び補正するシステムを開示しているが、これも主としてプラズマに関するパラメータを校正することに係り、やはりICP質量分析装置全体にわたって質量分析メソッドを自動生成するようなものではない。
非特許文献1は、液体クロマトグラフィーに関するものではあるが、被測定試料に適した測定メソッドをコンピュータで自動生成することを記述している。しかしこの方法によれば、オフラインモードにおいて、クロマトグラフィーの保持時間をモデル化し、測定メソッドを生成している。そのため、測定方式の異なるICP質量分析装置では使用できない。
特許第4903515号 特許第4822346号
E. F. Hewitt, P. Lukulay, and S. Galushko, 貼ochImplementation of a rapid and automated high performance liquid chromatography method development strategy for pharmaceutical drug candidates,能och J. Chromatogr. A, 1107, 79-87, 2006.
上記のように従来から、ICP質量分析装置の性能を上げるため、幾つかのアルゴリズムが開発されてきている。しかしながら、ICP質量分析全体にわたってユーザの質量分析メソッドを自動生成する方法はない。本発明の課題は、既知の試料であると未知の試料であるとを問わず、被測定元素のICP質量分析、或いは他のプラズマイオン源を用いる質量分析に適した測定メソッドを自動的に作成することを可能とする方法を提供することである。
本発明によれば、被測定試料をプラズマへと供給して試料中の元素をイオン化し、生成したイオンのビームをコリジョン/リアクションセルを介して質量分析計へと導入し、質量電荷比に応じてイオン化された元素を分離し検出するプラズマイオン源質量分析装置における質量分析メソッドの自動生成方法が提供され、この方法は、
被測定試料中の少なくとも測定条件決定に影響し得る全元素を半定量測定し、
半定量測定した元素の合計濃度に基づいてプラズマ条件を決定し、
半定量測定した元素の各々について被測定試料中
での元素及び干渉成分の信号強度を見積もり、その結果から元素濃度を見積もり、
見積もられた元素及び干渉成分の信号強度、及び元素濃度に基づいて、
(1)プラズマ条件
(2)測定対象元素定量時の補正に用いる、内部標準元素の組合せ、
(3)コリジョン/リアクションセルのチューン条件、
(4)質量分析計で用いる質量電荷比、及び
(5)質量分析計で用いる積分時間
の少なくとも一つを含む少なくとも一つの質量分析メソッドを生成することを含んでなる。ユーザは次いで、決定された少なくとも一つの質量分析メソッドに基づいて被測定試料を定量することができる。
また本発明の別の側面によれば、被測定試料の全元素を半定量測定するに先立って、被測定試料がバイアルからプラズマに取り込まれるまでの時間や、リンス液による導入経路の洗浄が行われるまでの時間が見積もられる。これは例えばブランク液導入状態から標準液などの液体に切替えてICP質量分析装置に導入して検出信号を測定し、測定値を微分して傾きの極値を検出後に傾きが0に近接したことを検出することによって行うことができる。この場合、導入する試料は液体試料だけでなく、ガス試料を用いてもよい。
さらに本発明は、上記の処理をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができ、例えば典型的には、被測定試料をプラズマへと供給して試料中の元素をイオン化し、生成したイオンのビームをコリジョン/リアクションセルを介して質量分析計へと導入し、質量電荷比に応じてイオン化された元素を分離し検出するプラズマイオン源質量分析装置を作動させるために用いられるコンピュータプログラムであって、
プラズマイオン源質量分析装置を用いて被測定試料中の測定条件決定に影響し得る全元素を半定量測定する手順、
半定量測定した元素の合計濃度に基づいてプラズマ条件を決定する手順、
半定量測定した元素の各々について被測定試料中での元素及び干渉成分の信号強度を見積もり、その結果から元素濃度を見積もる手段、
見積もられた元素及び干渉成分の信号強度、及び元素濃度に基づいて、
(1)プラズマ条件
(2)測定対象元素定量時の補正に用いる、内部標準元素の組合せ、
(3)コリジョン/リアクションセルのチューン条件、
(4)質量分析計で用いる質量電荷比、及び
(5)質量分析計で用いる積分時間
の少なくとも一つを含む少なくとも一つの質量分析メソッドを生成する手順をコンピュータに実行させる、質量分析メソッドの自動生成用プログラムとして実現される。
本発明は、プラズマイオン源で試料中の元素をイオン化し、質量測定する装置であれば、プラズマ条件、チューン条件、各干渉成分の生成比率、チューン条件優先順位、質量電荷比優先順位、半定量係数等を入れ替えることで、ICP質量分析装置以外のプラズマイオン源質量分析装置、例えばMIP(マイクロ波誘導プラズマ)、GD(グロー放電)などを用いる質量分析装置に同様の計算を適用可能である。
本発明によれば、被測定試料に適した質量分析メソッドに用いられる内部標準、質量電荷比、チューン条件、積分時間などを決定するのに、半定量測定の結果から誘導される見積もり値が使用され、これらの条件決定のための測定は行われない。従って測定条件の探索のために測定を繰返すといったことが無く、短時間で適切な質量分析メソッドの作成を自動的に終えられる。また測定試料に適した質量分析メソッドを複数生成することも可能であり、ユーザが両方を用いて定量値の確からしさを判断する材料とすることも可能である。即ち本発明によれば、一つのスペクトル測定結果から、予め想定したコリジョン/リアクションセルの全モードでの測定対象元素の信号、干渉成分の信号が推定され、これに基づいてその後の処理を、実際の測定を繰り返すことなしに決定できる利点がある。
本発明の質量分析メソッド自動生成方法が用いられる典型的なICP質量分析装置の概略図である。 本発明の方法の流れの一例を示すフローチャートである。 試料取り込み時の信号推移を示す例示的なグラフである。 図3のグラフの微分例を示すグラフである。 リンス時の信号推移を示す例示的なグラフである。 図5のグラフの微分例を示すグラフである。
図1に示すICP質量分析装置100は、誘導結合プラズマイオン源130と、試料から生成された元素イオンをプラズマから引き出すインタフェース140と、引き出されたイオンを加速してイオンビームとして送り出すイオンレンズ150と、イオンレンズの背後に置かれたコリジョン/リアクションセル160と、元素イオンを質量に関して分離するための、質量フィルタ170及び検出器180とを有する。
試料採取部110において、バイアル中の試料112は蠕動ポンプ111に吸い上げられ、試料導入部120に設けられた温度制御されたスプレーチャンバ122の端部から突き出たネブライザ121中に送り込まれる。試料採取部110には複数のバイアルを備えることができ、それぞれに被測定試料や各種の標準液、チューニング液、校正液、リンス液などを収容して、自動的に切り替えを行うことができる。ネブライザ121は、高圧のアルゴン(Ar)ガスを用いて霧化することによって試料エアロゾルを形成し、このエアロゾルはスプレーチャンバ122を通過することによって大きい液滴を取り去られてから、イオン源130中に吹き込まれる。
イオン源130はICPトーチ131を具備し、このトーチはその中をArガスが流れる一連の同心状石英管で構成され、この石英管は高周波(RF)コイル132の内部に配置される。このコイルによって作り出される高周波磁界がトーチを通過するAr原子を励起させ、高エネルギープラズマを生成し維持することを可能にする。試料エアロゾルはプラズマ中に吹き込まれ、そこで脱溶媒化され、原子化され、イオン化される。
インタフェース140において、イオンはサンプリングコーン141及びスキマーコーン142を通してプラズマから引き出され、イオンレンズ150によって加速されてイオンビームとして後段のコリジョン/リアクションセル160に送り込まれる。イオンレンズ150は引出し電極151、一連の集束レンズ152及び軸をずらして取り付けられたオメガレンズ153を具備していてよい。コリジョン/リアクションセル160には、161で示すようにガスを導入可能である。こうしたセルは公知であり、導入されてきたイオンビームから、キャリアガスやプラズマガス、さらには補助ガスに由来する元素を含み、質量スペクトルに干渉を生じるような多原子分子イオンを、ガスの分子との衝突による電荷移動反応、運動エネルギーの低下等を生じさせることによって除去する。またセル160内には、四重極マスフィルタ162のような多重極電極等が含まれうる。
コリジョン/リアクションセルの後段は、質量フィルタ170及び検出器180より構成される。質量フィルタ170は、例示的に4本の平行ロッドで構成される四重極質量フィルタ171を具備し、これらのロッドには高周波及び直流電圧が印加される。印加される高周波電圧と直流電圧の任意の組合せに対して、質量フィルタは特定の質量/電荷比のイオンだけを検出器180へ通過させる。これによって、検出器180により異なる元素のイオンを分離し、測定することが可能になる。検出器180は、質量フィルタの直ぐ後に配置される電子増倍管型検出器181を含む。各質量のイオン信号は増幅された後、多チャンネル計数装置を用いて測定される。所与の質量、即ち元素の信号強度は、試料溶液中におけるその元素の濃度に正比例している。
試料採取部110、試料導入部120、誘導結合プラズマイオン源130、コリジョン/リアクションセル160、質量フィルタ170などは全て、ICP質量分析装置のシステムコントローラによって制御可能であり、またシステムコントローラはパーソナルコンピュータのようなコンピュータによって制御されうる。本発明の方法は、このコンピュータで実行されるプログラムとして実施可能であり、それによってICP質量分析装置100において用いられる適切な質量分析メソッドを、測定される試料に応じて自動的に決定することができる。
試料取り込み時間の決定
本発明によれば、質量分析メソッドの自動生成に必要な測定が行われるが、それに先立って試料112がプラズマに取り込まれるまでの時間や、試料112をリンス液に置き換えて洗浄操作を行う場合に必要なリンス時間を求めるための測定を行うことができる。従来は試料の取り込み時間を求めるために、例えば何らかの標準液を用いて行った測定により得られた検出信号の下限と、上限で安定した信号レベルとの間の移行時間を計算していた。しかしながらこの場合には、安定したか否かを判定できる程度の長い時間待つ必要があり、長い測定時間が必要となっていた。
本発明によれば、取り込み時間及びリンス時間は、液体試料またはガス試料をICP質量分析装置に導入して検出信号を測定し、測定値を微分して傾きの極値を検出後に傾き0に近接したのを検出することに基づいて見積もることができる。一つの実施形態によれば、ブランク液と標準液を用いて、最も簡易なメソッドを用いて測定を行う。得られた測定値を移動平均する等で雑音を除いた後、演算を行う。雑音除去後の測定値を微分して傾きを計算し、傾きが極値を過ぎてから0に近接する時点を求め、試料導入からこの時点までの時間を、取り込み時間(置換時間)とすることができる。ここで傾きが0に近接とは、傾きが0交差した時点、または、傾きの絶対値が極値の絶対値の例えば15%以下の範囲にあることをいうが、この値は結果を得るのに必要な時間が過大にならない範囲で、例えば10%以下や5%以下に設定することもできる。リンス時間は同様にして求めてもよいが、別法としてはリンス液を用いて同様の測定を行い、測定値の移動平均を微分して傾きを計算し、傾き極小点の手前で移動平均値が極大となる値を求め、リンス液導入後、この値の所定の割合まで移動平均信号が下がったところまでをリンス時間として求めることができる。求めた取り込み時間及びリンス時間はコンピュータのメモリ内に格納して、以後の操作に用いることができる。図2に示す例示的なフローチャートにおいては、このステップをS2で示している。
図3から図6には、試料取り込み時及びリンス時の信号推移、並びにこれらの信号推移の微分値のグラフが例示的に示されている。図3では、標準液がプラズマへと取り込まれて測定が行われ、移動平均された信号が増大していく様子がグラフで示されている。図4はこのグラフの微分例であり、極値の検出後約5秒後に0交差したことが示されている。置換時間は、標準液導入からこの0交差までの時間として求めてもよく、また極値の検出から約2秒程度後に、傾きの絶対値が極値の絶対値の15%以下となった時点までの時間として求めてよい。図5はリンス時の信号推移を移動平均して示したグラフであり、図6はその傾きを上下反転させて示している。リンス液を導入して測定を行い、図6のように極値が検出された時点から数秒前を信号の最大値として見積もり、その数%まで信号が低下した時点をリンス終了として見積もることができる。見積もられた試料取り込み時間(置換時間)及びリンス時間は、質量分析メソッドに含めることができる。
被測定試料の半定量
次いで、上記のようにして求めた試料取り込み時間を用いて、被測定試料の半定量を行う。しかしながら勿論、別の基準を用いて求めた取り込み時間を用いて、或いは用いることなしに半定量を行うことも可能である。半定量は標準物質を用いずに被測定試料中の元素の大まかな定量を行うものである。例えば各元素の感度特性を予めインプットしておき、これを参照して半定量を行う。より正確な半定量値を後の計算に用いたい場合には、例えばICP質量分析装置のチューニング液、校正標準液、又は元素濃度か既知の溶液などを用いて実行して感度を校正することができる。図2のS1で示されているように、生成される質量分析メソッドで用いる、測定対象となる元素などに関するパラメータを予め設定しておく。こうしたパラメータには例えば測定対象元素名、使用する内部標準中の元素名と濃度などが含まれうる。半定量に用いるプラズマ条件としては、未知試料の濃度が高い可能性を配慮して、高マトリックスモードを用いるのが好ましく、被測定試料に含まれ測定条件決定に影響し得る全ての元素を半定量するために、その半定量に必要な全ての質量電荷比を用いてスキャンを行う。このステップを図2のS3で示す。
プラズマ条件の選択
周知のように、低温プラズマの場合にはキャリアガスのイオン化が抑制され、バックグラウンドノイズが低くなり、また軽元素に対する感度が上昇するといった利点がある反面、高マトリックスのサンプルではマトリックス効果の影響が増大したり、イオン化ポテンシャルの高い元素がイオン化しにくいといった問題がある。本発明においては半定量測定により得られた元素の濃度を合計し、合計濃度に応じてプラズマ条件を選択する。この場合、合計濃度の計算結果に応じてプラズマの電圧、導入されるエアロゾル量などを制御することも可能ではあるが、予め合計濃度に応じて設定された幾つかの選択肢の中からプラズマ条件を決定することが望ましい。このように限られた選択肢の中から選択しても誤差は少なく、結果である設定値への影響は無いと考えられる。選択肢としては、低マトリックスモードから高マトリックスモードまで、合計濃度に応じて幾つかの段階に分けて設定したモードを用意することができ、例えば合計濃度が2%程度であれば、プラズマ条件として高マトリックスモードを選択し、合計濃度がより希薄であれば、低マトリックスモードを選択するように設定できる。しかしながらこの選択肢は離散的に設定する他に、連続的に設定することも可能であることは理解されるであろう。予め用意した選択肢はテーブルとしてコンピュータのメモリ内に格納することができ、選択したプラズマ条件もまた記憶される。このステップを図2で例示的にS4として示す。
表1は、半定量結果に基づいて半定量濃度の合計を求める一例を概略的に示している。表2は、このようにして得られる半定量濃度の合計とプラズマ条件の対応付けを示すテーブルの一例である。表3は、半定量濃度の合計に基づくプラズマモードの選択を示す一例である。
Figure 0006345934
Figure 0006345934
Figure 0006345934
被測定試料中の元素及び干渉成分の信号強度の見積もり
本発明の方法によれば、試料の半定量測定によって検出された元素の各々について、半定量された濃度をもとに、各元素を示す信号、及び干渉成分を示す信号を見積もる。これは、予め用意しておいた各プラズマ条件、コリジョン/リアクションセルで用いられる各チューン条件(例えばガスなしモード、ヘリウムガスモード、高エネルギーヘリウムガスモード、及び水素ガスモード)の各々について、各元素の信号、干渉成分の信号の見積もり値を得るものである。しかしながら半定量測定に際して用いた高マトリックスモードで十分な精度の半定量結果を得られなかったような場合には、プラズマ条件を変えて、例えばより低マトリックスのモードで再度半定量測定を行ってもよい。
干渉成分としては、他の元素の同重体、他の元素に起因する多原子(分子)イオン、他の元素の多価イオンなどが考えられる。各質量数の1価イオン(M+)に干渉するイオンとしては、通常M++、MO+、MH+、MAr+、MM+、MOH+などの種が知られている。またこれらの干渉イオンの生成比は、予め既知濃度試料の信号とそれによって発生する干渉イオンの信号の比を計算する事で得られる。そこで半定量質量電荷比の濃度、例えば検出信号として得られたCPS(カウント毎秒)にこれらの干渉イオンの生成比を掛けて、それぞれの干渉イオンの見積りCPS値とすることができる。また、各質量数の元素について同重体の種類及びそれらの同位体比が知られているから、同重体となっている元素半定量時CPSに同位体比を掛け、同重体のCPSを見積もることができる。そして当該質量電荷比について実測された半定量CPSからこの干渉イオンCPSと同重体CPSの合計を減算して、M+のCPS値とすることができる。干渉イオンの種類及び生成比、同重体の種類及び同位体比は、各元素について予めリストを作成し、テーブルとしてコンピュータのメモリ内に格納して参照することができる。このようにして、元素及び干渉成分について見積もられた信号から、元素濃度が見積もられる。これらのステップを図2では概括的にS5として示している。
下記の表4は、アルミニウムを例にとって、干渉成分を見積もり、それに基づいて元素濃度を示すCPSを見積もる一例を示している。この例に示すように半定量測定によってAlと共にBe、B、Mg、Cr、Feなどが測定されたとすると、それらの特定の同位体、例えばBに基づく干渉イオンであるBO+について予め求めた生成比を用いて、BO+による干渉CPSは3.6であると見積もられる。同様にして27Alに対する多原子イオンや多価イオンによる干渉信号見積もり値の合計を求めると10となり、その結果正味の27Alの濃度を示す信号は1080−10=1070と見積もられる。
Figure 0006345934
半定量測定に用いたコリジョン/リアクションセルのチューン条件と異なるチューン条件についての元素及び干渉成分の信号見積もりは、半定量により見積もられた結果を他のチューン条件に変換することによって行う。この変換は、各チューン条件について予め単元素試料や混合元素試料などを用いて別に求めた半定量係数の比、及び干渉イオン生成率の比に基づいて行うことができ、これらの比もまた例えばコンピュータのメモリテーブル内に格納される。例えば半定量をヘリウムガスモードで行った場合に、他のモードへの変換は、[変換先モードでの対象元素のCPS]=[ヘリウムガスモードでの対象元素のCPS]×[変換先モードでの対象元素の半定量係数]/[ヘリウムガスモードでの対象元素の半定量係数]によって行うことができる。
また上記のように半定量は高マトリックスモードで好ましく行われるが、選択されたプラズマモードが異なる場合には、選択されたプラズマモードを用いて再度半定量を行うことができる。しかしながら、測定対象元素について十分な信号カウントが得られる等の場合、高マトリックスモードで得られた元素及び干渉成分の信号強度見積もりを、選択されたプラズマモードでの元素及び干渉成分の信号強度へと変換することもできる。十分な信号カウントが得られたか否かは、例えば[ブランク液中の測定対象元素の信号]/[試料中の測定対象元素の信号]が所定の閾値以下で[試料中の測定対象元素の信号カウント]が所定値以上であるといった基準によって判定することができる。例えば十分な信号カウントが得られなかったような場合、図2のステップS6での判断に基づいて半定量測定のプラズマ条件を変更し(S8)、再度半定量を行うことができる。なおステップS5とS6は順序を変えて行ってもよい。
下記の表5は、表4の半定量をヘリウムガスモードで行った場合に、各マトリックスモードについて求めた半定量係数の比を用いて、ガスなしモード(No Gas)、高エネルギーヘリウムガスモード(HEHe)、及び水素ガスモード(H2)への変換がどのように行われるかを示す一例である。
Figure 0006345934
内部標準の選択
被測定試料について決定される質量分析メソッドには、選択された内部標準(ISTD)を含めることができる。これは、質量分析で内部標準として使用されうる元素、例えばLi、Sc、Ge、Y、Rh、Inなどの元素について、被測定試料の定量値補正に適した元素の組み合わせを選択するものである。これらの元素は内部標準として使用するために、予め被測定試料に自動導入されていてよい。例えばこれらの元素の各々について優先指数を求め、指数の数値が低いほうから、例えば4番目までを選択して、内部標準として用い得る元素の組を決定することができる。ある元素についての優先指数は例えば、被分析元素と当該元素の間の第一イオン化エネルギー差、質量数差、周期律表での族の同一性や特性の類似性、沸点差及び経験則などの少なくとも一つに基づいて定めることができる。優先順位を決定する手順はプログラムしておくことができ、本発明の方法の実施に際してコンピュータにより実行可能である。
次いで、このようにして求めて定義しておいた元素又は元素の組み合わせについて、被測定試料中の被分析元素と質量電荷比が重なる元素を含むか否か、また半定量によって見積もられた被測定試料中での当該内標準元素の含有量が混合後の内標準元素の濃度に対して無視できるレベルで所定の基準値以下であるか否かが判定される。ここで無視できるレベルとは、最終分析結果に与える誤差が所定の閾値以下であるような場合をいう。被分析元素との重複や基準値以上の含有量であることが判定された場合には、次の候補の元素又は元素の組み合わせについて同様の判定が繰り返される。なお内部標準として用いる元素の組み合わせについては、予め選択可能な組み合わせをメモリテーブルに格納しておき、それらについて上記の判定を行うようにしてもよい。最適な組み合わせが見出されない場合には、最も誤差が小さくなる組み合わせが選択される。これらのステップを図2のS9で示す。例示的な内部標準の組み合わせを表6に示す。
Figure 0006345934
質量電荷比の選択
被測定試料に用いる質量分析メソッドでは、被分析元素を測定する質量電荷比を指定することができる。質量電荷比(m/z)は通常1価イオンM+を想定しているが、意図的に水素、酸素、アンモニア等と反応させ、生成される多原子イオンを測定する場合などでは、測定対象元素に由来するこれらの多原子イオン、多価イオンの質量電荷比を用いることになる。質量電荷比についても、被分析元素の各々について優先順位を定め、優先順位に従って選択を行うのが有利であるが、選択可能な質量電荷比が限られている場合など、このような優先順位付けが必要でない場合もありうる。優先順位は例えば、当該元素についての同位体の存在比や、同重体との重なりが生ずる可能性、経験則などを考慮して、各元素について予め決定してメモリテーブル(質量電荷比テーブル)に格納しておくことが好ましい。例えばCdについては、質量電荷比111、114、112といった順序で優先順位をつけることができる。次いで選択された質量電荷比について、当該質量電荷比を用いた場合の評価を行うことができる。評価は例えば、被分析元素について見積もられた元素及び干渉成分の信号強度に基づいて、当該質量電荷比について見積もられる誤差が所定の判定閾値以下であるか否かに基づいて行うことができるが、積分時間やブランクノイズなどを加味してより厳格な判定を行うことも可能である。誤差の見積もりは評価関数を用いて行うことができ、評価関数は例えば当該質量電荷比について見積もられる干渉信号の見積もり値、及び検出限界見積もり値の少なくとも一つとすることができる。一例としては評価のための閾値は、[閾値]=MAX([半定量濃度]×[期待RSD%],[期待定量下限])、質量電荷比の判定は、[検出限界見積もり値]+[干渉の濃度換算値]≦[閾値]によって求められるであろう。これによって、各チューン条件ごとに適切な質量電荷比を選択することができる。最適な質量電荷比が得られない場合は、第1優先順位の質量電荷比、あるいは、誤差が最も小さくなる質量電荷比が選択される。
コリジョン/リアクションセルのチューン条件の選択
被測定試料について決定される質量分析メソッドには、コリジョン/リアクションセルについて選択されたチューン条件(モード)を含めることができる。この場合にも、被分析元素の各々について、測定の容易性などの考慮のもとにチューンモードの優先順位付けを行い、優先順位の先頭から選択が可能なようにメモリテーブルに格納しておくことができる。例えば水素ガスオプションを含む装置での分析については水素ガスモードが好ましく選択され、水素ガスオプションを含まない場合や測定時間を短縮したい場合についてはヘリウムガスモードが好ましく選択されるといった具合である。しかしながら勿論、こうした順位付けを用いずにチューン条件を選択することも可能であり、また選択肢を用いずにチューン条件を生成させることも可能であるが、少数の選択肢を準備しておくことは設定値を決定する上で考慮すべき条件数や計算量を減らすため有利である。また離散的な選択肢の場合には数値丸めを生じるので、同じ数値丸め範囲内の誤差があっても、同じ設定値に判定されるため、選択間違いも少ないと考えられる。表7にはこのようにして設定したチューンモードの優先順位の一例をアルミニウムについて示す。
Figure 0006345934
いったんチューン条件が選択されると、先に決定された質量電荷比などを一緒に用いて、被分析元素について見積もられた元素及び干渉成分の信号強度に基づき、当該チューン条件について見積もられる誤差が所定の判定閾値以下であるか否かの判定を行うことができる。判定は例えば、被分析元素について見積もられた元素及び干渉成分の信号強度に基づいて、当該チューン条件について見積もられる誤差が所定の判定閾値以下であるか否かに基づいて行うことができるが、質量電荷比の見積もりの場合と同様に、積分時間やブランクノイズなどを加味してより厳格な判定を行うことも可能である。誤差の見積もりは評価関数を用いて行うことができ、評価関数は例えば当該質量電荷比について見積もられる干渉信号の見積もり値、及び検出限界見積もり値の少なくとも一つとすることができる。具体的な評価及び判定は、上記した質量電荷比の見積もりの場合と同様に行うことかできる。この判定結果が否定的である場合には、次に優先順位の高いチューン条件が選択され、最後まで誤差の見積もり値が判定閾値を下回らない場合には、第1優先順位のチューン条件、あるいは、最小の誤差見積もりのチューン条件を用いることができる。従来、こうした測定条件の決定にあたっては、経験的に使われてきた質量電荷比を用いて複数のチューンモードで試料を実測し、その結果を用いて適切な測定条件を選択する事が行われてきたが、本発明によれば半定量に基づいて順次条件選択を行うことにより、実測を繰り返すことなしに適切な質量分析メソッドを確立できる。チューン条件及び質量電荷比の選択ステップを図2のS7に示す。なお、ステップS7、S9及びS10の実行順序は限定されたものではなく、場合に応じて適宜変更可能である。
表8には、前述したようにアルミニウムを例にとって、各チューン条件について誤差見積もりを計算した例を示している。判定閾値は0.3であるから、優先順位が図7のようであれば、第1優先順位のガスなしモード(No Gas)が選択される。
Figure 0006345934
積分時間の選択
被測定試料について決定される質量分析メソッドには、質量分析計における被分析元素の積分時間を含めることができる。積分時間は半定量測定結果とユーザの入力、或いは入力値から導かれる目標カウントを用いて計算することができるが、幾つかの選択肢の中から絞り込んで選択するように構成することも可能ある。例えば積分時間は、0.1秒、0.3秒、1秒、3秒、10秒といった離散的な値の中から選択するように構成してよい。これらの選択肢もメモリテーブルに格納できる。
積分時間を計算によって求める場合には、例えばブランク試料の標準偏差、被測定試料について見積もられた元素濃度、CPS値、期待定量下限値などに基づき、1試料当たりの測定目標値から、積分時間を求めることができる。より詳しくは、選択された測定条件のモードに従い、測定時に目標とするカウント数を計算し、質量電荷比毎の積分時間を計算し、積分時間の合計を計算するものである。これらはソフトウェアによって容易に実現することができる。積分時間の合計が目標値を超えた場合には、選択された測定条件のモードに応じて積分時間を減ずることができる。なお選択されたプラズマモードやコリジョン/リアクションセルのチューン条件が半定量測定と同じ場合には、積分時間はCPSの実測値を用いて決定してよい。積分時間の選択ステップを図2のS10に示す。表9には、幾つかの元素のそれぞれについ積分時間を求める例を示している。
Figure 0006345934
質量分析の実行
以上のように本発明によれば、半定量測定した元素の各々について見積もられた、被測定試料中での元素及び干渉成分の信号強度、及び元素濃度に基づいて、プラズマ条件、被測定試料に添加する内部標準、コリジョン/リアクションセルのチューン条件、質量分析計で用いる質量電荷比、及び質量分析計で用いる積分時間の少なくとも一つを含む少なくとも一つの質量分析メソッドが生成される。好ましくは質量分析メソッドは、内部標準、チューン条件、質量電荷比、及び積分時間の全てを含む。また質量分析メソッドには、半定量前に決定した試料取り込み時間及びリンス時間を含めることができる。
生成された質量分析メソッドは次いで、被測定試料を定量、即ち被分析元素について所望とする測定値を得るためにICP質量分析装置において定量分析を行うために用いられる。これは例えば生成した質量分析メソッドをバッチファイルとして作成し、コンピュータ上で実行させることによって行うことができる。
100 ICP質量分析装置
110 試料採取部
120 試料導入部
130 誘導結合プラズマイオン源
140 インタフェース
150 イオンレンズ
160 コリジョン/リアクションセル
170 質量フィルタ
180 検出器

Claims (22)

  1. 被測定試料をプラズマへと供給して試料中の元素をイオン化し、生成したイオンのビームをコリジョン/リアクションセルを介して質量分析計へと導入し、質量電荷比に応じてイオン化された元素を分離し検出するプラズマイオン源質量分析装置において用いられる方法であって、
    被測定試料中の少なくとも測定条件の設定に影響する全元素を半定量測定し、
    半定量測定した元素の合計濃度に基づいてプラズマ条件を決定し、
    半定量測定した元素の各々について被測定試料中での元素及び干渉成分の信号強度を見積もり、その結果から元素濃度を見積もり、
    これらの見積もられた元素及び干渉成分の信号強度、及び元素濃度に基づいて、
    (1)プラズマ条件、
    (2)測定対象元素定量時の補正に用いる、内部標準元素の組合せ、
    (3)コリジョン/リアクションセルのチューン条件、
    (4)質量分析計で用いる質量電荷比、及び
    (5)質量分析計で用いる積分時間
    の少なくとも一つを含む少なくとも一つの質量分析メソッドを生成する、質量分析メソッドの自動生成方法。
  2. 被測定試料の全元素を半定量測定するに先立って、液体試料またはガス試料をプラズマイオン源質量分析装置に導入して検出信号を測定し、測定値を微分して傾きの極値を検出後に傾きが0に近接した事を検出することにより、被測定試料のプラズマへの取り込み時間及び/又はリンス液による導入経路洗浄時間が見積もられ、質量分析メソッドに含められる、請求項1記載の方法。
  3. 被測定試料の取込み時間及び/又はリンス液による導入経路洗浄時間の見積もりに先立って、試料の検出信号に対して雑音除去をした後に取込み時間/洗浄時間を見積もる、請求項2記載の方法。
  4. プラズマ条件の決定が、予め定義された複数の離散的なプラズマ条件又は連続的に設定されたプラズマ条件の中からの選択によって行われる、請求項1から3のいずれか記載の方法。
  5. 干渉成分の信号強度が、半定量測定された各々の元素について、同時に測定された他の元素に起因する少なくとも一つの干渉イオンの種及びその生成比、及び/又は同時に測定された他の元素の同重体及びその同位体比を用いて見積もられる、請求項1から4のいずれか記載の方法。
  6. 半定量測定した元素の被測定試料中での各々の元素濃度が、半定量測定された信号強度から前記見積もられた干渉成分の信号強度を減算することによって見積もられる、請求項1から5のいずれか記載の方法。
  7. 被測定試料中での見積もられた元素濃度に基づいて再度プラズマ条件を決定する、請求項1から6のいずれか記載の方法。
  8. 決定されたプラズマ条件を用いて再度半定量測定を行う、請求項1から7のいずれか記載の方法。
  9. 内部標準が、被分析元素と内部標準元素の組合せの複数の候補を予め定義し、その中から、被測定試料中の被分析元素と質量電荷比が重なる元素を含まず、且つ内部標準として
    用いられる元素の被測定試料中での含有量が所定の閾値以下であって、混合後の内部標準元素濃度に対して最終分析結果に与える誤差が所定の閾値以下であるように選択される、請求項1から8のいずれか記載の方法。
  10. 前記元素の複数の組み合わせが、被分析元素と内部標準元素の間の第一イオン化エネルギー差、質量数差、族の同一性、及び沸点差少なくとも一つに基づいて定められる、請求項9記載の方法。
  11. コリジョン/リアクションセルのチューン条件が、予め選択された複数のチューン条件の中から、被分析元素について見積もられた元素及び干渉成分の信号強度に基づいて当該チューン条件について見積もられる干渉信号の見積もり値、及び検出限界見積もり値の少なくとも一つからなる評価関数が所定の判定閾値以下であるかに基づいて選択される、請求項1から10のいずれか記載の方法。
  12. 前記複数のチューン条件が、ガスなしモード、ヘリウムガスモード、高エネルギーヘリウムガスモード、及び水素ガスモードの少なくとも一つを含む、請求項11記載の方法。
  13. 質量分析計で用いる質量電荷比が、各元素について質量電荷比を優先順位付けした質量電荷比テーブルから、被分析元素について見積もられた元素及び干渉成分の信号強度に基づいて当該質量電荷比について見積もられる干渉信号の見積もり値、及び検出限界見積もり値の少なくとも一つからなる評価関数が所定の判定閾値以下であるかに基づいて選択される、請求項1から12のいずれか記載の方法。
  14. 前記質量電荷比テーブルが同位体の存在比、及び/又は同重体の重なりの可能性基づいて生成される、請求項13記載の方法。
  15. 積分時間が、見積もられた元素濃度または見積もられたCPS値、または実測値を用いて決定される、請求項1から14のいずれか記載の方法。
  16. 前記半定量測定が、プラズマイオン源質量分析装置のチューニング液、校正標準液、または元素濃度が既知の溶液を用いて感度を校正する、請求項1から15のいずれか記載の方法。
  17. プラズマイオン源質量分析装置がICP質量分析装置である、請求項1から16のいずれか記載の方法。
  18. コンピュータプログラムにより実行される、請求項1から17のいずれか記載の方法。
  19. 被測定試料をプラズマへと供給して試料中の元素をイオン化し、生成したイオンのビームをコリジョン/リアクションセルを介して質量分析計へと導入し、質量電荷比に応じてイオン化された元素を分離し検出するプラズマイオン源質量分析装置を作動させるために用いられるコンピュータプログラムであって、
    プラズマイオン源質量分析装置を用いて被測定試料中の少なくとも測定条件の設定に影響する全元素を半定量測定する手順、
    半定量測定した元素の合計濃度に基づいてプラズマ条件を決定する手順、
    半定量測定した元素の各々について被測定試料中での元素及び干渉成分の信号強度を見積もり、その結果から元素濃度を見積もる手順、
    見積もられた元素及び干渉成分の信号強度、及び元素濃度に基づいて、
    (1)プラズマ条件
    (2)測定対象元素定量時の補正に用いる、内部標準元素の組合せ、
    (3)コリジョン/リアクションセルのチューン条件、
    (4)質量分析計で用いる質量電荷比、及び
    (5)質量分析計で用いる積分時間
    の少なくとも一つを含む少なくとも一つの質量分析メソッドを決定する手順をコンピュータに実行させる、質量分析メソッドの自動生成用プログラム。
  20. 被測定試料の全元素を半定量測定するに先立って、液体試料またはガス試料をプラズマイオン源質量分析装置に導入して検出信号を測定する手順、測定値を微分して傾きの極値を検出後に傾き0に近接した事を検出することにより、被測定試料のプラズマへの取り込み時間及び/又はリンス液による導入経路洗浄時間を見積もる手順をコンピュータに実行させる、請求項19記載のプログラム。
  21. プラズマイオン源質量分析装置がICP質量分析装置である、請求項19又は20記載のプログラム。
  22. 請求項1から18のいずれか記載の方法によって決定された少なくとも一つの質量分析メソッドに基づいて、前記プラズマイオン源質量分析装置において被測定試料中の被分析元素を定量する、質量分析方法。
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