JP6345102B2 - バイナリー発電システム - Google Patents
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Description
当該バイナリー発電システムでは、比較的低温の熱源流体を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる蒸発器と、当該蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動するタービンと、当該タービンを回転駆動した後の低沸点作動流体を冷媒との熱交換により液化する凝縮器と、タービンの回転軸に連結される発電機とを備えて構成されている。
そして、蒸発器と、タービンと、凝縮器とに、記載の順に低沸点作動流体を循環させる形態で、タービンの回転軸に連結される発電機を回転駆動して発電する(特許文献1を参照)。
しかしながら、数多くある日本の温泉源、あるいは工場排熱やコージェネレーションの熱源として、200℃程度の温度で十分な流量の熱源水を得られるところは多くない。
そして、熱源水の温度が低い場合にあっては、発電電力に対する自家消費電力の割合が大きくなるため、正味回収電力を十分に得られない場合があり、このような場合にあっては、投資に対する回収が十分に行えず、改善の余地があった。
また、低沸点作動流体の特性として、蒸発器における過熱度が低い場合、蒸発器にて蒸発した作動媒体の蒸気がタービン内で湿り域に入り、タービン翼に衝突することにより、タービン発電機の発電効率が低下する。このため、蒸発器において低沸点作動流体を飽和状態で蒸発させた後、更に熱源流体で設定された過熱度に高めて低沸点作動流体をタービンへ送るように、低沸点作動流体の流量を制御している。上記特許文献1に開示のバイナリー発電システムでも同様の制御形態を採用していた。
熱源流体を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる蒸発器と、当該蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動するタービンと、当該タービンを回転駆動した後の低沸点作動流体を冷媒との熱交換により液化する凝縮器とに、記載の順に低沸点作動流体を循環させて、前記タービンの回転軸に連結される発電機を回転駆動して発電するバイナリー発電システムであって、その特徴構成は、
低沸点作動流体がフッ素系炭化水素であり、
少なくとも、低沸点作動流体を圧送する作動流体圧送ポンプと、冷媒を圧送する冷媒圧送ポンプと、外気を利用して冷媒を冷却する冷却塔ファンと、熱源流体を圧送する熱源流体圧送ポンプとを、電力消費機器として備え、
前記タービンが自身に流入する低沸点作動流体の流量を調整する流量調整ノズルを有し、
前記蒸発器は、蒸発器筐体の内部に配設されて熱源流体を通流する伝熱管を備え、前記蒸発器筐体と前記伝熱管との間に前記低沸点作動流体を通流させる形態で、熱源流体と低沸点作動流体とを熱交換させるように構成され、
前記蒸発器に流入する低沸点作動流体の流量を測定する作動流体流量測定手段と、前記蒸発器に流入する熱源流体の流量を測定する熱源流体流量測定手段と、前記蒸発器に流入する低沸点作動流体の流量を調整可能な流量調整弁とを備え、
前記作動流体流量測定手段及び前記熱源流体流量測定手段の測定結果に基づいて前記流量調整弁の弁開度を、前記蒸発器筐体内における低沸点作動流体の液面が前記伝熱管の伝熱面よりも上方に位置する状態を維持する開度に制御する弁開度制御手段と、
前記流量調整ノズルにより調整される低沸点作動流体の流量を、前記発電機にて発電される発電電力から前記電力消費機器にて消費される自家消費電力を減算した正味の発電電力としての正味回収電力が最大となるように制御するノズル制御手段とを備える点にある。
そこで、上述した本発明にあっては、まずもって、蒸発器に流入する低沸点作動流体の流量を測定する作動流体流量測定手段と、蒸発器に流入する熱源流体の流量を測定する熱源流体流量測定手段と、蒸発器に流入する低沸点作動流体の流量を調整可能な流量調整弁とを備え、弁開度制御手段が、作動流体流量測定手段及び熱源流体流量測定手段の測定結果に基づいて流量調整弁の弁開度を、蒸発器筐体内における低沸点作動流体の液面が熱源流体を通流する伝熱管の伝熱面よりも上方に位置する状態を維持する開度に制御する、即ち、蒸発器筐体内で蒸発した低沸点作動流体が蒸発した後で更に過熱されないように、当該低沸点作動流体の流量を制御する。
これにより、蒸発器において低沸点流体の過熱度の上昇を防止して、蒸発器とタービンと凝縮器とを記載の順に通流する低沸点作動流体の流量を増加させ、タービン発電機での発電量を増加させ、発電効率を高めることができる。
尚、本発明にあっては、熱源流体としては、大気圧において液体状態であり、例えば、工場排熱やコージェネレーションの排温水あるいは、温泉を熱源とする地熱水を想定しており、その温度は略一定(例えば、80℃〜98℃程度)に保たれていることを前提としている。
本発明にあっては、タービン発電機における発電電力は、タービンに流入する低沸点作動流体の流量が特定の値に達するまで増加し、当該特定の値に達した後は低下する。一方で、バイナリー発電システムに備えられる電力消費機器による自家消費電力は、電力消費機器が流体を圧送するポンプや冷却のためのファンが主であることから、タービンへ流入する低沸点作動流体の流量の増加に伴って増加する。
つまり、本願の発明者らは、低沸点作動流体の流量において、正味回収電力が変化し、当該正味回収電力は、低沸点作動流体の流量が特定の流量であるときに、最大となることを見出した。
そこで、上述の特徴構成においては、ノズル制御手段が、流量調整ノズルにより調整される低沸点作動流体の流量を、発電機にて発電される発電電力から電力消費器機器にて消費される自家消費電力を減算した正味の発電電力としての正味回収電力が最大となるように制御している。これにより、例えば、確保できる熱源流体の流量が小さく、且つその温度も高くないような状況においても、正味回収電力を高めることができるバイナリー発電システムを実現できる。
前記蒸発器は、熱源から圧送された熱源流体を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる高温側蒸発器と、当該高温側蒸発器を通過した後の熱源流体を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる低温側蒸発器とからなり、
前記タービンは、前記高温側蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動する高圧タービンと、前記低温側蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動する低圧タービンとからなり、
前記高圧タービンが自身に流入する低沸点作動流体の流量を調整する第1流量調整ノズルを有すると共に、前記低圧タービンが自身に流入する低沸点作動流体の流量を調整する第2流量調整ノズルを有し、
前記ノズル制御手段は、前記第2流量調整ノズルにて調整される低沸点作動流体の流量に対する、前記第1流量調整ノズルにて調整される低沸点作動流体の流量の比である流量比を1以上1.85以下に設定する点にある。
このように、低沸点作動流体の流量を増加し、増加した低沸点作動流体にて、効率よく発電する意味からは、上述の特徴構成の如く、熱源から圧送された熱源流体(高温側の熱源流体)を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる高温側蒸発器と、高温側蒸発器を通過した後の熱源流体(低温側の熱源流体)を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる低温側蒸発器とを備えると共に、高温側蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動する高圧タービンと、低温側蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動する低圧タービンとを備える構成を採用することが好ましい。
このような構成において、更に、本発明の発明者らは、高圧タービンに導かれる低沸点作動流体の流量と、低圧タービンに導かれる低沸点作動流体の流量との比が、特定の比であるときに、正味回収電力が高くなることを見出した。
即ち、上記特徴構成を有するバイナリー発電システムにあっては、ノズル制御手段が、第2流量調整ノズルにて調整される低沸点作動流体の流量に対する、第1流量調整ノズルにて調整される高圧タービンへ流入する低沸点作動流体の流量の比である流量比を1以上1.85以下に設定することで、正味回収電力を高く設定しているのである。
前記低温側蒸発器を通過した後の熱源流体と前記凝縮器を通過した後の低沸点作動流体とを熱交換する形態で、前記低沸点作動流体を予熱する予熱器を備えている点にある。
前記高温側蒸発器を通流する熱源流体の温度と低沸点作動流体の温度とが当該高温側蒸発器内にて最近接するときの温度差と、前記低温側蒸発器を通流する熱源流体の温度と低沸点作動流体の温度とが当該低温側蒸発器内にて最近接するときの温度差と、前記予熱器を通流する熱源流体の温度と低沸点作動流体の温度とが当該予熱器内にて最近接するときの温度差と、の夫々が2℃以内となるように、前記ノズル制御手段が前記第1流量調整ノズルと前記第2流量調整ノズルとを制御する点にある。
つまり、上記特徴構成を有するバイナリー発電システムにあっては、ノズル制御手段が、高温側蒸発器と低温側蒸発器と予熱器との夫々におけるピンチポイントが2℃以内となるように、第1流量調整ノズルと第2流量調整ノズルとを制御することで、このような制御をしない場合に比べて、正味回収電力を44%増加できることを、後述するシミュレーションにて確認している。
前記高温側蒸発器に流入する熱源流体は、温度が80〜98℃で、且つ流量が20〜100t/hの地熱水あるいは工場排熱やコージェネレーションの排温水である点にある。
以下、図1に基づいて、本発明の実施形態に係るバイナリー発電システム100の第1実施形態について説明する。
第1実施形態に係るバイナリー発電システム100は、温泉から沸き出る地熱水あるいは工場排熱やコージェネレーションの排温水等の熱源流体HWを加熱源として、比較的沸点の低い低沸点作動流体LWを蒸発させる蒸発器HX1と、当該蒸発器HX1にて蒸発した低沸点作動流体LWにて回転駆動するタービンT1と、当該タービンT1を回転駆動した後の低沸点作動流体LWを水等の冷媒CWとの熱交換により液化する凝縮器HX4と、凝縮器HX4にて凝縮した低沸点作動流体LWを蒸発器HX1を通過した後の熱源流体HWと熱交換する形態で予熱する予熱器HX3とに、記載の順に低沸点作動流体LWを循環させて、タービンT1の回転軸に連結される発電機G1を回転駆動して発電するものである。
詳細については後述するが、当該蒸発器HX1では、蒸発器筐体HX1bの内部において低沸点作動流体LWの液面が伝熱管HX1aの伝熱面よりも上方にくるように、即ち、伝熱管HX1aの伝熱面のすべてに低沸点作動流体LWが接触するように、低沸点作動流体LWの流量が制御されている。これにより、熱源流体HWの保有する熱が、蒸発器筐体HX1bの内部にて蒸発した低沸点作動流体LWの過熱に用いられることを防止している。
当該タービンT1の回転軸には発電機G1が連結されており、タービンT1の軸出力にて回転駆動して発電される。図示は省略するが、発電機G1は、分電盤等を介する形態で、電力線により商用電力系統に接続されており、発電機G1にて発電した電力を商用電力系統へ逆潮流可能に構成されている。また、発電機G1にて発電された電力の一部は、当該バイナリー発電システム100にて電力消費するポンプ等の電力消費機器へ給電可能に構成されている。
ここで、冷媒CWに係る回路について説明を追加すると、凝縮器HX4を出た冷媒CWには、外気Aに補給水Wが追加されて混合器M1にて混合され、冷却塔CTにて外気と積極的に接触させられる形態で、気化潜熱が奪われて降温し、飽和状態となった外気VEはファンCPにより大気に放散される。その後、冷媒圧送ポンプP2により、再度、凝縮器HX4へ導かれる形態で、循環されるように構成されている。
ここで、冷媒圧送ポンプP2は、例えば、外気が20℃、相対湿度75%の場合、冷却塔CTにて冷媒CWが24℃から20℃まで降温すると共に、凝縮器HX4にて冷媒CWが24℃まで昇温するように、その回転数がインバータ制御される。
当該予熱器HX3にて予熱された低沸点作動流体LWを蒸発器HX1まで導く流路には、当該流路を通流する低沸点作動流体LWの流量を計測する作動流体流量センサF2(作動流体流量測定手段の一例)と、当該流路を通流する低沸点作動流体LWの流量を調整する流量調整弁V1とが設けられている。
制御装置10(弁開度制御手段の一例)は、作動流体流量センサF2及び熱源流体流量センサF1の測定結果に基づいて、流量調整弁V1の開度を、蒸発器HX1の蒸発器筐体HX1b内における低沸点作動流体LWの液面が伝熱管HX1aの伝熱面よりも上方に位置する状態を維持する開度に制御する。
これにより、蒸発器HX1の蒸発器筐体HX1bでの低沸点作動流体LWの過熱を防止し、低沸点作動流体LWの流量を増加させ、タービンT1にて回転駆動される発電機G1による発電出力を増加させている。
そして、制御装置10は、タービンT1の流量調整ノズル(図示せず)により調整される低沸点作動流体LWの流量を、発電電力から自家消費電力を減算した正味の発電電力としての正味回収電力が最大となるように制御する形態で、ノズル制御手段として機能する。
尚、当該シミュレーションの条件としては、外気の温度20℃、相対湿度75%とし、熱源流体圧送ポンプP1、冷媒圧送ポンプP2、作動流体圧送ポンプP3の断熱効率を夫々75%、及び冷却塔CTのファンの断熱効率を70%で各モータ効率90%とし、タービンT1の断熱効率75%、機械損失5%とし、発電機G1の発電効率を90%としている。また蒸発器HX1と予熱器HX3との夫々におけるピンチポイントを5℃、凝縮器HX4におけるピンチポイントを7℃としている。
一方、タービンT1の出力(発電電力)は、低沸点作動流体LWの流量の増加に伴い、特定の流量(図2のグラフ図では、80t/hを超える程度の流量)までは、徐々に増加し、当該特定の流量を超えた後は、徐々に減少している。
結果、当該発電電力から自家消費電力を減算した値である正味回収電力は、当該第1実施形態に係る構成で、上述した条件の場合には、低沸点作動流体LWの流量が、60t/h〜70t/hの間で最大となる。
第2実施形態に係るバイナリー発電システム100は、図3に示すように、第1実施形態に係る構成に加えて、タービン、発電機、蒸発器、流量調整弁、作動流体流量センサの夫々を、二つ設けている点が異なる。
以下では、第1実施形態に対して異なる点について、重点的に説明をすることとし、それ以外の構成については、第1実施形態と同一の符号を付すこととし、説明を割愛することがある。
当該第2実施形態に係るバイナリー発電システム100では、熱源から圧送された熱源流体HWを加熱源として低沸点作動流体LWを蒸発させる高温側蒸発器HX1に加えて、当該高温側蒸発器HX1を通過した後の熱源流体HWを加熱源として低沸点作動流体LWを蒸発させる低温側蒸発器HX2が設けられており、熱源流体HWは当該低温側蒸発器HX2を通過した後に予熱器HX3へ導かれるように構成されている。
低温側蒸発器HX2は、高温側蒸発器HX1と同様に、低温側蒸発器筐体HX2bの内部に配設されて熱源流体HWを通流する伝熱管HX2aを備え、低温側蒸発器筐体HX2bと低温側伝熱管HX2aとの間に低沸点作動流体LWを通流させる形態で、熱源流体HWと低沸点作動流体LWとを熱交換させるように構成されている。
ここで、低圧タービンT2には、当該低圧タービンT2に流入する低沸点作動流体LWの流量を調整する第2流量調整ノズル(図示せず)が設けられている。
高圧タービンT1を通過した後の低沸点作動流体LWと低圧タービンT2を通過した後の低沸点作動流体LWとは、同じタービン出口圧力にて混合器M2で混合された後、凝縮器HX4にて、冷却・凝縮・過冷却され、予熱器HX3にて予熱された後、分岐SP1にて分離される形態で、高温側蒸発器HX1の側と低温側蒸発器HX2の側とに、各別に導かれる。
これにより、高温側蒸発器HX1及び低温側蒸発器HX2での低沸点作動流体LWの過熱を防止し、高圧タービンT1及び低圧タービンT2へ導かれる低沸点作動流体LWの流量を増加させ、第1発電機G1及び第2発電機G2による発電出力を増加させている。
そして、制御装置10(ノズル制御手段)は、高圧タービンT1の第1流量調整ノズル(図示せず)により調整される低沸点作動流体LWの流量と、低圧タービンT2の第2流量調整ノズル(図示せず)により調整される低沸点作動流体LWの流量との合計流量を、発電電力から自家消費電力を減算した正味の発電電力としての正味回収電力が最大となるように制御する。
ここで、シミュレーションの条件は、上記第1実施形態に示したものに関しては、上記第1実施形態に示したものと同一であるとし、低圧タービンT2の断熱効率75%、機械損失5%とし、第2発電機G2の発電効率を90%としている。また、高圧タービンT1と低圧タービンT2、第1発電機G1と第2発電機G2、高温側蒸発器HX1と低温側蒸発器HX2は、同一の機能を有するものとする。
図4のグラフ図に示すように、制御装置10が、第1流量調整ノズル及び第2流量調整ノズルを、高圧タービンT1及び低圧タービンT2へ流入する低沸点作動流体LWの流量を徐々に増加する形態で制御する場合、第1実施形態の場合と同様に、自家使用電力は、低沸点作動流体LWの流量の増加に伴って徐々に増加し、高圧タービンT1及び低圧タービンT2の合計出力(発電電力)は、低沸点作動流体LWの流量の増加に伴い、特定の流量(図4のグラフ図では、90t/h程度の流量)までは、徐々に増加し、当該特定の流量を超えた後は、徐々に減少している。
結果、当該発電電力から自家消費電力を減算した値である正味回収電力は、当該第2実施形態に係る構成で、上述した条件の場合には、低沸点作動流体LWの流量が、70t/h〜80t/hの間で最大となる。
当該構成によれば、図4のグラフ図に比べ、正味回収電力を44%増加できており、電力回収効率を向上する意味で有効であることがわかる。
(1)上記実施形態では、高圧タービンT1と低圧タービンT2の二段式の発電システムを示したが、二段より多い多段式の発電システムであっても本発明の目的を良好に達成し得るバイナリー発電システムを提供できる。また、第2実施形態では、それぞれの高温タービンT1及び低温タービンT2により第1発電機G1及び第2発電機G2が駆動されるとしたが、直結もしくは多軸の減速機を用いて一台の発電機を駆動することもできる。
しかしながら、当該蒸発器HX1、HX2の蒸発器筐体HX1b、HX2b内の低温作動流体の液面は、伝熱管HX1a、HX2aを通流する熱源流体HWの温度、流量にも依存するものである。
そこで、制御装置10は、流量調整弁V1、V2の開度を、熱源流体HWの温度、流量にも基づいて、制御するように構成しても構わない。
更に、図1又は図3に示すように、蒸発器HX1、HX2の蒸発器筐体HX1b、HX2b内の液面を直接測定する液面センサWS1、WS2の測定結果にも基づいて、流量調整弁V1、V2の開度を制御するように構成しても構わない。
しかしながら、当該熱源流体HWの温度が大きく変動する場合、熱源から凝縮器HX4へ供給される熱源流体HWの温度を測定する熱源流体温度センサを備える構成を採用すると共に、制御装置10は、当該熱源流体温度センサの測定結果をも考慮して、流量調整弁V1、V2の弁開度、及び流量調整ノズルにより調整される低沸点作動流体LWの流量を、制御するように構成しても構わない。
100 :バイナリー発電システム
CP :送風ファン
F1 :熱源流体流量センサ
F2 :第1作動流体流量センサ
F3 :第2作動流体流量センサ
G1 :第1発電機
G2 :第2発電機
HW :熱源流体
HX1 :蒸発器
HX1a :伝熱管
HX1b :蒸発器筐体
HX2 :低温側蒸発器
HX3 :予熱器
HX4 :凝縮器
LW :低沸点作動流体
P1 :熱源流体圧送ポンプ
P2 :冷媒圧送ポンプ
P3 :作動流体圧送ポンプ
SP1 :分岐
T1 :高圧タービン
T2 :低圧タービン
V1 :第1流量調整弁
V2 :第2流量調整弁
Claims (5)
- 熱源流体を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる蒸発器と、当該蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動するタービンと、当該タービンを回転駆動した後の低沸点作動流体を冷媒との熱交換により液化する凝縮器とに、記載の順に低沸点作動流体を循環させて、前記タービンの回転軸に連結される発電機を回転駆動して発電するバイナリー発電システムであって、
低沸点作動流体がフッ素系炭化水素であり、
少なくとも、低沸点作動流体を圧送する作動流体圧送ポンプと、冷媒を圧送する冷媒圧送ポンプと、外気を利用して冷媒を冷却する冷却塔ファンと、熱源流体を圧送する熱源流体圧送ポンプとを、電力消費機器として備え、
前記タービンが自身に流入する低沸点作動流体の流量を調整する流量調整ノズルを有し、
前記蒸発器は、蒸発器筐体の内部に配設されて熱源流体を通流する伝熱管を備え、前記蒸発器筐体と前記伝熱管との間に低沸点作動流体を通流させる形態で、熱源流体と低沸点作動流体とを熱交換させるように構成され、
前記蒸発器に流入する低沸点作動流体の流量を測定する作動流体流量測定手段と、前記蒸発器に流入する熱源流体の流量を測定する熱源流体流量測定手段と、前記蒸発器に流入する低沸点作動流体の流量を調整可能な流量調整弁とを備え、
前記作動流体流量測定手段及び前記熱源流体流量測定手段の測定結果に基づいて前記流量調整弁の弁開度を、前記蒸発器筐体内における低沸点作動流体の液面が前記伝熱管の伝熱面よりも上方に位置する状態を維持する開度に制御する弁開度制御手段と、
前記流量調整ノズルにより調整される低沸点作動流体の流量を、前記発電機にて発電される発電電力から前記電力消費機器にて消費される自家消費電力を減算した正味の発電電力としての正味回収電力が最大となるように制御するノズル制御手段とを備えるバイナリー発電システム。 - 前記蒸発器は、熱源から圧送された熱源流体を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる高温側蒸発器と、当該高温側蒸発器を通過した後の熱源流体を加熱源として低沸点作動流体を蒸発させる低温側蒸発器とからなり、
前記タービンは、前記高温側蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動する高圧タービンと、前記低温側蒸発器にて蒸発した低沸点作動流体にて回転駆動する低圧タービンとからなり、
前記高圧タービンが自身に流入する低沸点作動流体の流量を調整する第1流量調整ノズルを有すると共に、前記低圧タービンが自身に流入する低沸点作動流体の流量を調整する第2流量調整ノズルを有し、
前記ノズル制御手段は、前記第2流量調整ノズルにて調整される低沸点作動流体の流量に対する、前記第1流量調整ノズルにて調整される低沸点作動流体の流量の比である流量比を1以上1.85以下に設定する請求項1に記載のバイナリー発電システム。 - 前記低温側蒸発器を通過した後の熱源流体と前記凝縮器を通過した後の低沸点作動流体とを熱交換する形態で、低沸点作動流体を予熱する予熱器を備えている請求項2に記載のバイナリー発電システム。
- 前記高温側蒸発器を通流する熱源流体の温度と低沸点作動流体の温度とが当該高温側蒸発器内にて最近接するときの温度差と、前記低温側蒸発器を通流する熱源流体の温度と低沸点作動流体の温度とが当該低温側蒸発器内にて最近接するときの温度差と、前記予熱器を通流する熱源流体の温度と低沸点作動流体の温度とが当該予熱器内にて最近接するときの温度差と、の夫々が2℃以内となるように、前記ノズル制御手段が前記第1流量調整ノズルと前記第2流量調整ノズルとを制御する請求項3に記載のバイナリー発電システム。
- 前記高温側蒸発器に流入する熱源流体は、温度が80〜98℃で、且つ流量が20〜100t/hの地熱水あるいは工場排熱やコージェネレーションの排温水である請求項2〜4の何れか一項に記載のバイナリー発電システム。
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