JP2014202092A - 蒸気タービン - Google Patents

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佑介 高橋
Yusuke Takahashi
佑介 高橋
康二 緒方
Koji Ogata
康二 緒方
建樹 中村
Kenju Nakamura
建樹 中村
望 小笠原
Nozomi Ogasawara
望 小笠原
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Abstract

【課題】発電出力重視の安定した運用と、発電効率重視の安定した運用とを切り替えることができる蒸気タービンを提供すること。【解決手段】内輪35に設けられた内輪溝36と、静翼31に設けられ、内輪溝36に嵌合される植込み部32と、外輪33に設けられた外輪溝34と、静翼31に設けられ、外輪溝34に嵌合される植込み部32とを備え、内輪溝36および外輪溝34は、それぞれ、タービン径方向から見たとき、タービン軸方向に円弧状に延びており、内輪溝36および外輪溝34に沿って静翼31をスライドさせると、静翼31の迎角が変更されるものとする。【選択図】図2

Description

本発明は蒸気タービンに関する。
蒸気タービンを備える火力発電プラントでは、化石燃料の燃焼エネルギを利用してボイラで発生させた蒸気を、ケーシング内でダイヤフラム内輪と外輪に支持された静翼と、タービンロータ(ロータと称することがある)に固定された動翼に交互に通過させることで発電機を回転させて出力を得ている。
ボイラ(化石燃料)の代わりに地熱エネルギの熱水をフラッシュして発生させた蒸気を利用する地熱蒸気タービンには、地熱蒸気の熱エネルギを出力として取り出すタービンノズル(静翼)とタービン動翼とを組合せたタービン段落を複数段に形成しており、そのタービン段落のうち、初段ノズル、或は初段ノズルと2段ノズルにおけるノズル板の取付角度を変更調節可能としたものがある(特開2001−221009号公報参照)。当該技術は、このように蒸気タービンを構成し、地熱蒸気をエネルギ源とした蒸気タービンに特有な出力を低下させる要因が生じた場合、初段ノズル板の取付角度θをタービン外部より変更することにより、その蒸気タービンの出力を可能な限り増加させ安定な運転を行わせることを図っている。
特開2001−221009号公報
昨今、コンバインドサイクル発電プラントを含む火力発電プラントの発電出力または発電効率を、社会的・経済的要因に応じて当初の設計値から変更することが望まれる場面が現れてきている。たとえば、電力需要が逼迫した場合(例えば、原子力発電プラントを停止して、主として火力発電プラントのみで電力需要に対応している場合)には、発電効率を抑えつつ発電出力を向上することが重要となることがある。これに対し、化石燃料価格が高騰した場合には、発電出力を抑えつつ発電効率を向上することが重要となることがある。
しかし、既存の火力発電プラントの運用を変更することで発電出力または発電効率を当初設計値から大幅に変更することは難しく限界がある。この点、特開2001−221009号公報は、ダイヤフラム外輪とダイヤフラム内輪の間で中心軸を介して回動可能に支持されたノズル板を回動してスロート面積を拡大することで出力の増加を図っている。しかし、このように中心軸を介してノズル板を支持するだけでは剛性が低いため、スロート面積が変化しやすく不安定である。この課題は、蒸気が高圧の場合に特に顕著になる。なお、上記文献の技術が中心軸を介してノズル板を支持するだけ足りるのは、地熱蒸気タービンに導入される蒸気(地熱蒸気)は低圧蒸気で、一般火力でいうところの低圧タービンの入口蒸気に相当し、高圧タービンや中圧タービンと比較してノズル板に剛性が要求される程度が低いためである。
本発明の目的は、このような事情に鑑みてなされたもので、発電出力重視の安定した運用と、発電効率重視の安定した運用とを切り替えることができる蒸気タービンを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、内輪および外輪の間に位置し、タービン軸方向に延びる円弧状の軌道に沿って前記内輪および前記外輪上をスライド可能に保持された静翼を備えるものとする。
本発明によれば、電力需要や燃料価格等の変動にあわせ、発電出力を重視した運用と発電効率を重視した運用とを切り替えることができる。
本発明の実施の形態であるに係る蒸気タービン設備の全体構成を表す概略図。 本発明の第1の実施の形態に係る高圧タービンの初段静翼ダイヤフラムの構成例を表す斜視図。 図2中のIII-III面による初段静翼ダイヤフラムの一部の断面図。 図3と同じ方向からダイヤフラム内輪35のみを見た図。 本発明の第1の実施の形態において、静翼31を図3に示した位置から時計回りに溝34,36に沿って移動回転させた状態を二点鎖線で示した図。 本発明の第2の実施の形態に係る蒸気タービンの静翼の構成例を表す側面図。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置20によって制御される静翼間の流路面積と電力需要量の関係を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置20によって制御される静翼間の流路面積と燃料価格の関係を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態であるに係る蒸気タービン設備(火力発電プラント)の全体構成を表す概略図である。この図に示した蒸気タービン設備は、ボイラ1、高圧タービン3、中圧タービン6、低圧タービン9、復水器11、発電機13を備えている。
ボイラ1は化石燃料焚きボイラであって蒸気発生源の一例である。ボイラ1で化石燃料を燃焼することで復水器11から供給された復水を加熱し、高温高圧の蒸気を発生させる。ボイラ1で発生した蒸気は主蒸気管2を介して高圧タービン3に導かれ、高圧タービン3を駆動する。高圧タービン3を駆動して減圧した蒸気は、高圧タービン排気管4を流下してボイラ1に導かれ、再度加熱されて再熱蒸気となる。
ボイラ1で加熱された再熱蒸気は、高温再熱蒸気管5を介して中圧タービン6に導かれて中圧タービン6を駆動する。中圧タービン6を駆動して減圧した蒸気は、中圧タービン排気管7を介して低圧タービン9に導かれ、低圧タービン9を駆動する。低圧タービン9を駆動して減圧した蒸気は、低圧タービン排気管10を介して復水器11に導かれる。復水器11は冷却水配管(図示せず)を備えており、復水器11に導かれた蒸気と冷却水配管内を流れる冷却水とを熱交換させて蒸気を復水する。復水器11で復水された復水は再びボイラ1に送られる。
図1に示した高圧タービン3、中圧タービン6及び低圧タービン9は、タービンロータ12によって同軸上に連結されている。また、タービンロータ12には発電機13が連結されていて、高圧タービン3、中圧タービン6及び低圧タービン9の回転動力によって発電機13が駆動し、高圧タービン3、中圧タービン6及び低圧タービン9の出力が電力(電気エネルギー)として取り出される。なお、図1では、連結された高圧タービン3、中圧タービン6及び低圧タービン9が発電機13を駆動する場合について例示したが、各タービン3,6,9のシャフトに発電機を連結して個別に発電しても良いし、3つのタービン3,6,9のうち任意の2つを連結したもので発電機を駆動しても良い。
本実施の形態に係る蒸気タービン設備の大きな特徴は、高圧タービン3が静翼角度変更機構を備えていることにある。静翼角度変更機構とは、作動流体の流通方向であるタービン中心線に対する静翼の角度(図2のθ、θ'参照)、すなわち迎角を変更する機構をいう。
図2は本発明の第1の実施の形態に係る高圧タービンの初段静翼ダイヤフラムの構成例を表す斜視図である。同図は、タービン周方向に所定の間隔を介して配列された複数の初段静翼のうち一部(初段静翼ダイヤフラムの一部)を蒸気流通方向(図2中の矢印参照)の下流側から見た斜視図である。図3は図2中のIII-III面による初段静翼ダイヤフラムの一部の断面図(ダイヤフラム内輪35側の植え込み部32及びスペーサ37をタービン径方向外側から見た図)であり、図4は図3と同じ方向からダイヤフラム内輪35のみを見た図である。
これらの図に示した高圧タービン3の初段静翼ダイヤフラムは、ダイヤフラム外輪(外輪)33と、ダイヤフラム内輪(内輪)35と、内輪35と外輪33の間に位置する静翼(初段静翼)31と、複数のスペーサ37を備えており、これらが全体として静翼角度変更機構を構成している。静翼31は、タービン軸方向Cに延びる円弧状の軌道に沿って内輪35および外輪33上をスライド可能に保持されており、その迎角および流路面積が変更可能に構成されている。以下、本実施の形態に係る各部の構成について説明する。
静翼31は、翼部30と、翼部31の根本(タービン径方向の外側部分(外輪側端部))及び先端(タービン径方向の内側部分(内輪側端部))に位置する植込み部32を備えている。当該2つの植込み部32は、それぞれダイヤフラム外輪33及びダイヤフラム内輪35に静翼31を連結するためのものである。図中にはダイヤフラム内輪35側の植込み部(内輪側植込み部)32のみが見えているが、ダイヤフラム外輪33側にも同様の植込み部32(外輪側植込み部)が存在する。内輪35側の植込み部32には、内輪35の外周部に設けられた内輪溝(内側凹部)36に嵌合される凸部32a(内側凸部)が設けられており、外輪側33の植込み部32には、外輪33の内周部に設けられた外輪溝(外側凹部)34に嵌合される凸部(外側凸部)を備えている。なお、本実施の形態では、タービン周方向に所定の間隔で配置される複数の静翼31の形状はそれぞれ同じとする。
図4に示すように、内輪35における内輪溝36は、タービン径方向から見たとき、タービン軸方向Cにおける蒸気流通方向の上流側から下流側に向かって円弧状に延びるように形成されている。本実施の形態では内輪35上に複数の内輪溝36が配されているが、各内輪溝36はタービン周方向に等間隔で配置されており、各内輪溝36の形状は同じである。
また、本実施の形態に係る内輪溝36は、翼部30の負圧面側(背側)(またはタービンの逆回転方向)に凸となる円弧を描くように形成されている。タービン周方向に所定の間隔で配置される複数の静翼31のそれぞれがスライド可能なように、当該円弧の中心は静翼31の外側に位置している。
なお、図示は省略するが、外輪33にも内輪35と同様に外輪溝34が設けられている。さらに、内輪溝35と外輪溝34に嵌合される植込み部32の凸部32aも、タービン径方向から見ると、内輪溝35と外輪溝34と同様にタービン軸方向Cに円弧状に延びている。
タービン中心軸に直交する面でダイヤフラム外輪33及びダイヤフラム内輪35を切断した断面において、外輪溝34及び内輪溝36の外形線(輪郭)と、植え込み部32及びスペーサ37の凸部の外形線(輪郭)とは雄雌関係の形状をしている。本実施の形態に係る植込み部32及びスペーサ37の凸部は、図2中に示すようにくびれ部37aを有しており、これに対応する形状のくびれ部を外輪溝34及び内輪溝36は有している。
したがって、植え込み部32は、外輪溝34及び内輪溝36に対してタービン軸方向から挿入・嵌合されることで、外輪溝34及び内輪溝36の延在方向である円弧状の軌道に沿ってスライド可能である。こうして静翼31に係る2つの植え込み部32の凸部32aが外輪溝34及び内輪溝36に嵌合されることで、当該静翼31はダイヤフラム外輪33及びダイヤフラム内輪35に対して連結固定される。
図5は、本発明の第1の実施の形態において、静翼31を図3に示した位置から時計回りに溝34,36に沿って移動回転させた状態を二点鎖線で示した図である。前述したように植え込み部32は外輪溝34及び内輪溝36によって規定される円弧状の軌道に沿ってスライド可能である。したがって、例えば、図5に示したように、実線で示した植え込み部32を、外輪溝34及び内輪溝36に沿って移動させ、二点鎖線で示した位置に移動させることができる。図5において植え込み部32が二点鎖線で示した位置にあるときは、植え込み部32が実線で示した位置にあるときに比べて、静翼31が翼部30の後縁側(蒸気流通方向の下流側)に移動して、静翼31(翼部30)の迎角が大きくなり(θ<θ')、周方向に隣接する静翼31(翼部30)の間の最小間隙(スロート)が減少する(S>S’)。このように周方向に隣接する静翼31の間隔を狭めて流路面積を狭めると、初段における圧力降下が相対的に増大し、発電出力が相対的に向上する。すなわち、発電効率よりも発電出力を優先させることができる。一方、上記とは反対に、反時計回りに静翼31をスライドさせた場合には、迎角が小さくなり流路面積が拡がるので、発電出力よりも発電効率が優先されることになる。
なお、外輪溝34及び内輪溝36に沿って植え込み部32を移動するにあたって、タービン周方向に隣接する他の静翼31に係る植え込み部32と干渉して移動を阻害されるような場合には、隣接する植え込み部32同士の間に若干の間隙を適宜設けることもできる。
スペーサ37は、静翼31(植込み部32)を嵌合した後の外輪溝34または内輪溝36の空きスペースに挿入・嵌合され、自己の側面を植込み部32の側面に接触することで静翼31のスライドを拘束し、外輪33または内輪35に固定するものである。スペーサ37には、外輪溝34に嵌合される外側スペーサと、内輪溝36に嵌合される内側スペーサがある。なお、ここで言う「空きスペース」とは、静翼31の植え込み部32が占めるスペースを除く外輪溝34または内輪溝36内のスペースである。
本実施の形態においては、空きスペースは、植え込み部32の位置によらず、静翼31の前縁側及び後縁側の双方に存在する。したがって、本実施の形態の場合、植え込み部32に接触して空きスペースを埋める形状に構成した前縁側及び後縁側のスペーサ37が、外輪溝34または内輪溝36内の植え込み部32の位置に応じて複数組用意されている。例えば、図5のように植え込み部32(静翼31)を移動させる場合には、まず、スペーサ37(実線)を外輪溝34及び内輪溝36から抜き取り、外輪溝34及び内輪溝36の内部で植え込み部32を実線の位置から二点鎖線の位置までスライドさせた後に、スペーサ37’(二点鎖線)を外輪溝34及び内輪溝36に挿入して植え込み部32(静翼31)を固定することになる。このように2つのスペーサ37で植込み部32を前縁側と後縁側から拘束すると静翼31を強固に固定できる。
ここで、上記のように構成される本実施の形態に係る蒸気タービンの作用効果について説明する。
(1)電力需要の増大への対策
電力需要が逼迫した場合や、原子力発電所を停止する必要がある場合には、蒸気発生のための熱源として化石燃料を用いる火力発電用蒸気タービン設備において、発電出力を向上することが重要である。この点に関し、本実施の形態によれば、外輪溝34及び内輪溝36内で植え込み部32をスライドさせ、周方向に隣接する静翼31の間の間隙を狭めて高圧タービン3の初段静翼ダイヤフラムの流路面積を狭めることによって、初段ダイヤフラムでの圧力降下を増大させ、高圧タービン3の発電出力を向上させることができる。
(2)化石燃料価格高騰への対策
化石燃料価格が高騰した場合には、蒸気発生のための熱源として化石燃料を用いる火力発電用蒸気タービン設備において、発電出力を抑えるとともに、発電効率を向上することが重要である。この点に関し、本実施の形態によれば、外輪溝34及び内輪溝36内で植え込み部32をスライドさせ、タービン周方向に隣接する静翼31の間の間隙を広げて高圧タービン3の初段静翼ダイヤフラムの流路面積を広げることによって、初段ダイヤフラムでの圧力降下を低減させ、高圧タービン3の発電出力を抑えるとともに、高圧タービン3の発電効率を向上させることができる。
(3)迎角変更時の作業負担の抑制
本実施の形態によれば、静翼31を移動させてスペーサ37を交換すれば静翼31の迎角を変更することができるため、静翼31、ダイヤフラム外輪33及びダイヤフラム内輪35を交換する必要がなく、作業負担を軽減できる。
(4)高剛性
例えば、特開2001−221009号公報における静翼(ノズル板)は中心軸を介して回動可能に支持されているが、このように中心軸を介してノズル板を支持するだけでは剛性が低く、高圧タービンの初段静翼に適用することが難しい。この点に関し、本実施の形態に係る植え込み部32は、ダイヤフラム33,35の前後端面間に延びる外輪溝34及び内輪溝36に係合しており、これにより静翼31の中心線(静翼31の翼型を通ってタービン径方向に延びる線とする)を中心とした回転方向への動きと、タービン回転方向への動きが拘束されている。また、植え込み部32と同じく外輪溝34及び内輪溝36に挿入したスペーサ37によって、植え込み部32のタービン軸方向への動作も拘束されている。しかも、植え込み部32は、隣接する植え込み部32やスペーサ37と接触し合って拘束されている。したがって、タービン軸方向、タービン回転方向、及び自己の回転方向の動きが強固に拘束されていて剛性に優れており、高圧タービンの初段静翼にも適用できる。
(5)構造の簡素性
本実施の形態では、ダイヤフラム外輪33及びダイヤフラム内輪35に対して植え込み部32(静翼31)を軸方向に組み入れる方式のものを基礎にして、外輪溝34及び内輪溝36を円弧状に形成し、同溝34,36内における植え込み部32の位置に応じた複数のスペーサ37を用意するだけで構成できるので、静翼31の迎角変更に際して大掛かりな装置を追加する必要がなく、構成が簡素であることも大きなメリットである。
(6)コストの低廉性
大掛かりな装置を追加する必要がなく構成が簡素であるので、コスト増大を抑えることができる。
(7)低出力運用への適正
単に発電出力を変更できれば良いだけであれば、例えば蒸気加減弁を使って蒸気流量を調整するなどして、運転中でも発電出力が変更可能な構成とすることも考えられる。この点に関し、本実施の形態は、静翼31の迎角を変更するに際して、高圧タービン3を停止させてスペーサ37を交換する等の作業者による作業を要する。しかし、蒸気加減弁を使って蒸気流量を低下させた場合、蒸気加減弁と蒸気との摩擦による圧力損失が大きくなり、発電出力の低減とともに発電効率も低下してしまうおそれがある。したがって、発電出力の変更の容易性を重視して蒸気加減弁で蒸気流量を調整する構成とするよりは、低出力時の発電効率に優れる本実施の形態は、化石燃料価格の変動が運用コストに大きな影響を与える火力発電用蒸気タービンに好適である。
なお、上記の実施の形態では、外輪33および内輪35と静翼31との嵌合構造として、外輪33および内輪35に凹部(溝34,35)を設け、静翼31の植込み部32に凸部32aを設ける場合について説明したが、両者を逆転させ、外輪33および内輪35に凸部を設け、静翼31に凹部(溝)を設ける構造を採用しても良い。また、上記の実施の形態では凹部と凸部の形状としてくびれ部37aを有するものを例に挙げたが、タービン軸方向から静翼を挿入可能な雄雌嵌合するものであれば他の形状でも良い。すなわち、いわゆるクリスマスツリー型のものや、複数のダブテールを備えるものでも良い。
また、上記の実施の形態では、高圧タービン3の初段に静翼角度変更機構を設けた場合を例に挙げて説明したが、初段のみならず、初段を含む複数段落に本発明を適用しても良い。
ところで、上記の第1の実施の形態では、充分な剛性が必要な場合の構成について説明してきたが、それほど剛性が必要とされない場合(例えば、低圧タービンに適用する場合)には、次に示す第2の実施の形態のように蒸気タービンを構成しても良い。図6は本発明の第2の実施の形態に係る低圧タービン9の初段静翼の構成例を表す側面図である。この図ではダイヤフラム外輪とダイヤフラム内輪とをタービン中心軸を含む面で切断した断面で表してある。
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は静翼角度変更機構の構成にある。本実施の形態の静翼角度変更機構は、静翼に回転軸を設け、当該回転軸を中心にして静翼を回転させて静翼の迎角を変更するものであり、ダイヤフラム外輪133と、ダイヤフラム内輪135と、ダイヤフラム外輪133及びダイヤフラム内輪135に軸支された回転軸134、136を有する静翼131とを備えている。
回転軸134は、静翼131のタービン径方向外側の端部(静翼131の根本側)に設けられている。回転軸134は、ダイヤフラム外輪133に設けた孔118を貫通して、タービン周方向に配置される他の静翼131の回転軸134とともにリンク機構(図示せず)を介して静翼駆動装置(例えば、油圧シリンダやモータ)15に機械的に接続されている。
静翼131の先端側に設けられた回転軸136は、ダイヤフラム内輪135の内周部に設けた凹部137内に挿入されている。このように、静翼131は、回転軸134,136により、内輪135と外輪133の間において、タービン径方向に延びる軸心を中心に回動可能に支持されている。
静翼131の根本側に位置するプラットフォーム部109は、外輪133の内周部に設けられた凹部122内に収容されており、凹部122内で回転軸134を中心に回転するようになっている。凹部122の形状に特に限定はないが、プラットフォーム部109の回動動作を許容するようにプラットフォーム部109の回動軌跡に干渉しない形状とする。
上記構成により、静翼駆動装置15により駆動されると、静翼131が回転軸134を中心にして回動し、蒸気に対する静翼131の迎角が変わる。このとき、低圧タービン9の初段の全ての静翼131はリンク機構を介して連結されていて一斉に同じように動作する。
静翼駆動装置15には、制御装置20から動力指令値が入力されており、駆動装置15の動力は当該動力指令値によって制御されている。
制御装置20は、発電に伴う電力需要量または燃料価格に基づいて静翼131の回動量を変更し、静翼131に係る迎角および静翼131間の流路面積を制御する。なお、図6中に示して説明しないが、制御装置20は、各種プログラムを実行するための演算手段としての演算処理装置(例えば、CPU)と、当該プログラムをはじめ各種データを記憶するための記憶手段としての記憶装置(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ等の半導体メモリや、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置)と、演算処理装置の処理結果等を表示するための表示装置(例えば、液晶モニタ等)と、各装置へのデータ及び指示等の入出力制御を行うための入出力演算処理装置を備えている。
制御装置20には、蒸気タービン設備(火力発電プラント)に要求される電力需要量と、ボイラ1で消費される化石燃料の価格(例えば、発電出力当たりの燃料価格)が入力されており、本実施の形態に係る制御装置20は、図7,8に示したテーブルに基づいて静翼間の流路面積を制御する。
図7は制御装置20によって制御される静翼間の流路面積と電力需要量の関係を示す図である。この図に示すように電力需要量の増加に伴い流路面積は単調減少する(迎角は単調増加する)ように設定されている。また、図8は制御装置20によって制御される静翼間の流路面積と燃料価格の関係を示す図である。この図に示すように燃料価格の増加に伴い流路面積は単調増加する(迎角は単調減少する)ように設定されている。
図7において、例えば、電力需要量がW1のときには、制御装置20は流路面積がS1に保持されるように静翼駆動装置15に指令値を出力する。これにより、電力需要量が相対的に多いときには出力優先の運転が自動的にされ、電力需要量が相対的に少ないときには効率優先の運転が自動的になされる。図8の場合についても同様であり、燃料価格が相対的に高いときには効率優先の運転が自動的にされ、燃料価格が相対的に安いときには出力優先の運転が自動的になされる。
したがって、本実施の形態によれば、電力需要量または燃料価格に応じて最適な効率および出力で蒸気タービン設備を運用することができる。なお、図7,8に示したテーブルに基づく制御は、いずれか一方のみを行っても良いし、両者を組み合わせて利用しても良いまた、図7,8に示した例では、電力需要量または燃料価格の増加に応じて流路面積が直線的に増加する場合を例に挙げて説明したが、他の単調増加関数を利用しても良いことはいうまでもない。
ところで、上記の各実施の形態では、高圧タービン3、中圧タービン6及び低圧タービン9を有する蒸気タービン設備に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、例えば中圧タービンを備えずタービン部として高圧タービン及び低圧タービンのみしか備えない蒸気タービン設備にも本発明は適用可能である。また、蒸気発生源としてボイラ1を備えた場合を例に挙げて説明したが、例えばコンバインドサイクルに本発明を適用する場合には、ガスタービンからの排気ガスを熱源とする再熱器が蒸気発生源を構成することになる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
1…ボイラ(蒸気発生源)、3…高圧タービン、6…中圧タービン、9…低圧タービン、31…静翼、32…植え込み部、32a…凸部、33…ダイヤフラム外輪、34…外輪溝、35…ダイヤフラム内輪、36…内輪溝、37…スペーサ、131…静翼、133…ダイヤフラム外輪、134…回転軸、135…ダイヤフラム内輪、θ,θ’…迎角

Claims (8)

  1. 内輪および外輪の間に位置し、タービン軸方向に延びる円弧状の軌道に沿って前記内輪および前記外輪上をスライド可能に保持された静翼を備えることを特徴とする蒸気タービン。
  2. 請求項1に記載の蒸気タービンにおいて、
    前記静翼及び前記内輪の一方に設けられた内側凹部と、
    前記静翼及び前記内輪の他方に設けられ、前記内側凹部に嵌合される内側凸部と、
    前記静翼及び前記外輪の一方に設けられた外側凹部と、
    前記静翼及び前記外輪の他方に設けられ、前記外側凹部に嵌合される外側凸部とを備え、
    前記静翼は、前記内側凹部と前記内側凸部を嵌合することで前記内輪に固定され、前記外側凹部と前記外側凸部を嵌合することで前記外輪に固定されており、
    前記内側凹部、前記内側凸部、前記外側凹部および前記外側凸部は、それぞれ、タービン径方向から見たとき、タービン軸方向に円弧状に延びており、
    前記内側凹部、前記内側凸部、前記外側凹部および前記外側凸部に沿って前記静翼をスライドさせると、当該静翼の迎角が変更されることを特徴とする蒸気タービン。
  3. 請求項2に記載の蒸気タービンにおいて、
    前記内輪における前記内側凹部または前記内側凸部に前記静翼を嵌合した後の空きスペースに嵌合され、前記静翼を固定する内側スペーサと、
    前記外輪における前記外側凹部または前記外側凸部に前記静翼を嵌合した後の空きスペースに嵌合され、前記静翼を固定する外側スペーサとをさらに備えることを特徴とする蒸気タービン。
  4. 請求項2に記載の蒸気タービンにおいて、
    前記内輪には、前記内側凹部である内輪溝が設けられており、
    前記外輪には、前記外側凹部である外輪溝が設けられており、
    前記静翼における内輪側端部には、前記内側凸部である内輪側植込み部が設けられており、
    前記静翼における外輪側端部には、前記外側凸部である外輪側植込み部が設けられていることを特徴とする蒸気タービン。
  5. 請求項2に記載の蒸気タービンにおいて、
    前記静翼は、高圧タービンの初段静翼であることを特徴とする蒸気タービン。
  6. 請求項5に記載の蒸気タービンと、
    当該蒸気タービンを駆動した蒸気で駆動される中圧タービンと、
    当該中圧タービンを駆動した蒸気で駆動される低圧タービンとを備えることを特徴とする蒸気タービン設備。
  7. 内輪と外輪の間において、タービン径方向に延びる軸心を中心に回動可能に支持された静翼と、
    発電に伴う燃料価格又は電力需要量に基づいて前記静翼の回動量を変更し、当該静翼に係る迎角を制御する制御装置とを備えることを特徴とする蒸気タービン設備。
  8. 請求項7に記載の蒸気タービン設備において、
    前記静翼は、前記内輪および前記外輪に支持された回転軸を備えることを特徴とする蒸気タービン設備。
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JP2017057831A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 株式会社東芝 組立式ノズルダイヤフラム及び蒸気タービン

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