JP6345055B2 - 電力管理システム及び電力管理方法 - Google Patents
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Description
また、電力管理システムとして、蓄電池の蓄電量を考慮しつつ、予測される発電電力と予測される消費電力とに基づいて、蓄電池に対する充電及び放電を制御し、エネルギーの有効活用が行われている(例えば、特許文献2参照)。
上記コミュニティにおける電力の融通処理が適切に行われていれば、コミュニティにおける電力の自立率が向上する。
しかしながら、特許文献3においては、需要家施設毎の自立率は計算できるが、コミュニティ全体における電力の融通を行った場合の自立率を求めることができない。コミュニティにおける自立率を算出することは、電力の融通処理の効率化を向上させるための指標として重要である。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による電力管理システムの構成例を示す図である。本実施形態における電力管理システムは、例えば、所定の地域範囲である電力管理地域(コミュニティ)における複数の需要家に対応する住宅、商業施設、産業施設などの需要家施設における電力を一括して管理するものである。このような電力管理システムは、例えばTEMS(Town Energy Management System)やCEMS(Community Energy Management System)などといわれるものに対応する。
蓄電池103は、充電制御された場合、太陽電池101の発電した電力、あるいは電力線13から供給される電力の一部が充電される。一方、蓄電池103は、放電制御された場合、電力線103に対して電力を供給する。
蓄電池電力量計104は、需要家施設10における蓄電池103に対して充放電される電力量を計測する。
ここで、蓄電池電力量計104が測定して供給する電力量が正の場合、この電力量は充電電力(後述する各邸充電電力Ci)となり、一方、蓄電池電力量計104が測定して供給する電力量が負の場合、この電力量は放電電力(後述する各邸放電電力Di)となる。
蓄電池制御部105は、需要家施設10における蓄電池103に対して充放電の制御を行う。
また、需要家施設10は、電力管理システムが管理する電力管理地域1の所定の地域に限定されたものでなくても良い。すなわち、電力管理システムは、自身の管理下の需要家施設10として登録され、後述するネットワーク300を利用して管理する情報の送受信が行うことができれば、異なる地域(例えば、北海道、本州、九州、四国などの各地域)において登録された複数の需要家施設10の集合体でも良い。この場合、共通の系統電源3は、需要家施設10の各々に接続される地域における電源線の集合体となる。
電力料金算出部12は、電力管理地域1の各需要家施設10における系統電力電力計102及び蓄電池電力量計104の各々の計測する電力量に基づき、各需要家施設10の電力料金を算出する。また、電力料金算出部12は、ネットワーク400により、電力管理地域1内の各需要家施設10に設けられている系統電力電力計102及び蓄電池電力量計104の各々の計測する電力量を、電力料金を算出するための電力量実績情報として収集する。
電力管理部111は、電力管理地域1に属する各需要家施設10の各々に対し、ぞれぞれ余剰電力を他の需要家施設10に対して供給させたり、あるいは不足電力を他の需要家施設10から受給させたりする制御を行う。ここで、余剰電力は、太陽電池101が発電した電力が、負荷が消費する電力と蓄電池103に対して充電する電力との合計値を上回った差分の電力を示している。不足電力は、太陽電池101が発電した電力及び蓄電池103が放電電力を加算した電力を消費電力が上回った差分の電力を示している。
また、上記電力管理部は、電力管理計画における翌日の消費電力と発電電力とに基づき、価格の安い夜間電力(夜間時間帯の系統電源からの購入電力)により、蓄電池103に対して翌日に必要となる電力を充電させておく。夜間時間帯以外は、系統電源の電力価格が夜間時間帯より高い中間時間帯となる。
電力管理部111は、各需要家施設10における余剰電力及び不足電力に基づき、余剰電力を有する需要家施設10から、不足電力を有する他の需要家施設10に対して、電力を融通する制御を行う。ここで、この電力を行う融通方式としては、いずれの方式を用いても良い。
また、他の方式としては、各需要家施設10の電力管理部が制御周期毎に次の制御周期における余剰電力あるいは不足電力を推定し、推定された余剰電力、不足電力の情報を電力管理部111に対して通知する。これにより、電力管理部111は、通知された推定された余剰電力及び不足電力の情報により、次の制御周期における余剰電力を有すると推定された需要家施設10から、不足電力を有すると推定された他の需要家施設10に対して、電力を融通する制御を行う。
図3において、自立率評価部112は、制御部201、全邸購入電力算出部202、全邸売電電力算出部203、全邸発電電力算出部204、全邸充電電力算出部205、全邸放電電力算出部206、全邸消費電力算出部207、融通電力量算出部208、蓄電池系統充電分算出部209、蓄電池PV(photovoltaics)充電分算出部210、蓄電池誤差電力算出部211、エリア購入電力算出部212、エリア売電電力算出部213、自立率算出部214、及びデータベース215の各々を備えている。また、融通電力量算出部208、蓄電池系統充電分算出部209、蓄電池PV(photovoltaics)充電分算出部210、蓄電池誤差電力算出部211、エリア購入電力算出部212、エリア売電電力算出部213、自立率算出部214、及びデータベース215の各々は、自立率演算部200を構成している。
図4は、電力管理地域1の各需要家施設10における電力量の測定値を測定する測定箇所を説明する図である。以下、需要家施設10は、例えばn個あるとして説明する。図4(a)は、需要電力を各需要家施設10間において相互に融通し合う際の自立率を求めるための測定値を測定する測定箇所を示している。図4(b)は、後述する需要電力を各需要家施設10間において相互に融通しない際の自立率を求めるための測定値を測定する測定箇所を示している。
融通エリア需要家出入点jti(1≦i≦n)は、各需要家施設10に対して電力線13供給される、あるいは各需要家施設10から電力線13に供給(供出)される電力量を測定する測定点である。本実施形態においては、融通エリア需要家出入点jtiには系統電力電力計102が設置されている。
蓄電池出入点bi(1≦i≦n)は、蓄電池103に対して行う充放電における電力量を測定する測定点である。本実施形態においては、蓄電池出入点biには蓄電池電力量計104が設置されている。
各邸電力出入点Li(1≦i≦n)は、電力線13及び太陽電池101から各邸に供給される電力量、すなわち需要家施設10が消費する消費電力を測定する測定点である。
各邸購入電力Ki(1≦i≦n)は、系統電力電力計102により測定された数値であり、電力線13から各需要家施設10に対して供給された電力を示している。
各邸売電電力Si(1≦i≦n)は、各需要家施設10から電力線13に対して供給された電力を示している。
各邸発電電力Pi(1≦i≦n)は、太陽電池101の電力を出力する端子に設けられた発電電力電力計(不図示)により測定された数値であり、各需要家施設10から電力線13に対して供給された電力を示している。
各邸放電電力Di(1≦i≦n)は、蓄電池電力量計104により測定された数値であり、蓄電池103から放電された電力を示している。
各邸消費電力Li(1≦i≦n)は、系統電力電力計102及び太陽電池101と需要家施設10の電力線との間に設けられた消費電力電力量計(不図示)により測定された数値であり、電力線13及び太陽電池101から各邸に供給される電力量、すなわち需要家施設10が消費する消費電力を示している。
全邸売電電力算出部203は、各需要家施設10の系統電力電力計102から供給される各邸売電電力Siを積算し、すなわち各邸売電電力S1から各邸売電電力Snの各々を積算し、積算結果として全邸売電電力SUM(Si)を算出する。全邸売電電力算出部203は、算出した全邸売電電力SUM(Si)をデータベース215の計算値テーブルに、測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
全邸放電電力算出部206は、各需要家施設10の蓄電池電力量計104から供給される各邸放電電力Diを積算し、すなわち各邸放電電力D1から各邸放電電力Dnの各々を積算し、積算結果として全邸放電電力SUM(Di)を算出する。全邸放電電力算出部206は、算出した全邸放電電力SUM(Di)をデータベース215の計算値テーブルに、測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
この計算値テーブルには、全邸購入電力算出部202、全邸売電電力算出部203、全邸発電電力算出部204、全邸充電電力算出部205、全邸放電電力算出部206、全邸消費電力算出部207の各々が算出した、全邸購入電力(SUM(Ki))、全邸売電電力(SUM(Si))、全邸発電電力(SUM(Pi))、全邸充電電力(SUM(Ci))、全邸充電電力(SUM(Di))、全邸消費電力(SUM(Li))のそれぞれが書き込まれて記憶されている。また、この計算値テーブルは、1分毎にタイムスタンプが付与されて設けられており、1日分(1分毎なのでテーブル数は1440個)が生成される。
図3に戻り、TEMSまたはCEMSを用いて、電力管理地域1の各需要家施設10が余剰電力の融通を行った場合における融通電力量算出部208から自立率算出部214の各々の処理の説明を行う。融通電力量算出部208から自立率算出部214の各々は、予め設定された時間帯と、処理に用いる測定値とを用いた計算処理の場合分けにより、それぞれの場合分けに対応したルール及び算出式によって電力量の算出を行う。また、融通電力量算出部208からエリア売電電力算出部213の各々は、1分毎の測定周期において、それぞれの電力量の計算の処理を行う。自立率算出部214は、1日(例えば、22:00から次の日の21:59までの時間)の単位で電力管理地域1の自立率の算出を行う。
ここで、融通電力量算出部208は、発電直接融通分電力量と、発電充電融通分電力量と、放電融通分電力量との各々の電力量を以下のように求める。
融通電力量算出部208は、全邸購入電力SUM(Ki)が全邸売電電力SUM(Si)未満である場合、全邸購入電力SUM(Ki)を発電直接融通分電力量とする。一方、融通電力量算出部208は、全邸購入電力SUM(Ki)が全邸売電電力SUM(Si)を超える場合、全邸売電電力SUM(Si)を発電直接融通分電力量とする。
融通電力量算出部208は、算出した放電融通分電力量をデータベース215の電力量テーブルに、算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
ここで、蓄電池系統充電分算出部209は、蓄電池系統充電分電力量を以下のように求める。
蓄電池系統充電分算出部209は、予め設定された夜間時間帯(例えば、22:00〜7:59)の場合、全邸充電電力SUM(Ci)を蓄電池系統充電分電力量とする。
また、蓄電池系統充電分算出部209は、予め設定された日中時間帯の場合であり、かつ全邸充電電力SUM(Ci)が全邸売電電力SUM(Si)未満の場合、「0」を蓄電池系統充電分電力量とする。
蓄電池系統充電分算出部209は、算出した蓄電池系統充電分電力量をデータベース215の電力量テーブルに、算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
ここで、蓄電池PV充電分算出部210は、蓄電池PV充電分電力量を以下のように求める。
蓄電池PV充電分算出部210は、予め設定された夜間時間帯の場合、「0」を蓄電池PV充電分電力量とする。
また、蓄電池PV充電分算出部210は、予め設定された日中時間帯の場合であり、かつ全邸売電電力SUM(Si)が全邸充電電力SUM(Ci)未満の場合、全邸売電電力SUM(Si)を蓄電池PV充電分電力量とする。
蓄電池PV充電分算出部210は、算出した蓄電池PV充電分電力量をデータベース215の電力量テーブルに、算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
蓄電池誤差電力算出部211は、予め設定された夜間時間帯の場合、「0」を充電誤差電力量とする。
蓄電池誤差電力算出部211は、予め設定された日中時間帯の場合、蓄電池系統充電分電力量を充電誤差電力量とする。
また、蓄電池誤差電力算出部211は、全邸購入電力SUM(Ki)が全邸売電電力SUM(Si)を超えており、かつ全邸購入電力SUM(Ki)から全邸売電電力SUM(Si)を減算した結果が全邸放電電力SUM(Di)未満の場合、「全邸放電電力SUM(Di)から、全邸売電電力SUM(Si)を減算した結果」を全邸購入電力SUM(Ki)から減算した結果を逆潮流誤差電力量とする。
蓄電池誤差電力算出部211は、算出した逆潮流誤差電力量をデータベース215の電力量テーブルに、算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
また、エリア購入電力算出部212は、求めたエリア購入電力から充電誤差電力量を減算し、融通制御が理想的に行われて、余分に系統電力を需給しなかった場合の理想エリア購入電力を求める。
このエリア購入電力の計算において、蓄電池系統充電分電力量、発電直接融通分電力量、放電融通分電力量及び充電誤差電力量の各々は、すでに述べた場合分けされた演算結果の数値が使用される。
エリア購入電力算出部212は、算出したエリア購入電力、理想エリア購入電力及び蓄電池無しエリア購入電力をデータベース215の電力量テーブルに、算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
また、エリア売電電力算出部213は、求めたエリア売電電力から逆潮流誤差電力量を減算し、融通制御が理想的に行われて、余分に系統電力に対して逆潮流を行わなかった場合の理想エリア売電電力を求める。
このエリア購入電力の計算において、融通電力量、放電融通分電力量、逆潮流誤差電力量及び蓄電池PV充電分電力量の各々は、すでに述べた場合分けされた演算結果の数値が使用される。
エリア購入電力算出部212は、算出したエリア売電電力、理想エリア売電電力及び蓄電池無しエリア売電電力をデータベース215の電力量テーブルに、算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
この電力量テーブルには、融通電力量算出部208、蓄電池系統充電分算出部209、蓄電池PV充電分算出部210、蓄電池誤差電力算出部211、エリア購入電力算出部212、エリア売電電力算出部213の各々が算出した、融通電力量、放電融通分電力量、蓄電池系統充電分電力量、蓄電池PV充電分電力量、充電誤差電力量、逆潮流誤差電力量、エリア購入電力量、理想エリア購入電力量、蓄電池無しエリア購入電力、エリア売電電力、理想エリア売電電力、及び蓄電池無しエリア売電電力のそれぞれが書き込まれて記憶されている。また、この電力量テーブルは、1分毎にタイムスタンプが付与されて設けられており、1日分(1分毎なのでテーブル数は1440個)が生成される。
そして、自立率算出部214は、1日エリア購入電力を1日全邸消費電力で除算し、この除算結果を「1」から減算することにより、電力管理地域1の自立率を算出する。
また、自立率算出部214は、1分毎の電力の積算値である全邸発電電力SUM(Pi)を、測定した測定周期の1日分を積算し、積算結果を1日全邸発電電力とする。自立率算出部214は、1分毎の電力の積算値である全邸売電電力SUM(Si)を、測定した測定周期の1日分を積算し、積算結果を1日全邸売電電力とする。
また、自立率算出部214は、1日全邸発電電力から1日全邸売電電力を減算し、この減算結果を1日全邸消費電力で除算し、電力管理地域1の需要家施設10の各々が剰余電力の融通をしない場合の融通無し自立率を求める。
ステップS0:
制御部201は、自立率の計算を開始する際、図示しないタイマーを「22:00(22時00分)」にセットして時刻設定を行い、タイマーの初期化を行う。そして、制御部201は、上記タイマーに対して計時の稼働を開始させる。
制御部201は、タイマーの計時が1分経過したか否かの判定を行う。このとき、制御部201は、タイマーの計時が1分経過した場合、処理をステップS2へ進める。一方、制御部201は、タイマーの計時が1分経過していない場合、1分経過するまでステップS1の処理を繰り返す。
制御部201は、電力管理地域1の各需要家施設10の各々の電力計から供給される各邸購入電力Ki、各邸売電電力Si、各邸太陽光発電力Pi、各邸充電電力Ci、各邸放電電力Di、各邸消費電力Liの各々の測定値を、供給した需要家施設10を識別する識別情報である邸番号とともに、データベース215の測定値テーブルに書き込んで記憶させる。このときに取得される測定値の各々は、各電力計が測定した1分間の積算値である。
制御部201は、融通エリア内電力管理部11の各部に対して、処理の開始を示す制御信号を出力する。
全邸購入電力算出部202は、データベース215の測定値テーブルから、全ての需要家施設10の各邸購入電力Kiを読み出す。
そして、全邸購入電力算出部202は、各邸購入電力K0から各邸購入電力Knを積算して全邸購入電力SUM(Ki)を求める。全邸購入電力算出部202は、求めた邸購入電力SUM(Ki)を、データベース215における測定値を測定した時間を示すタイムスタンプを付与された計算値テーブルに対して書き込んで記憶させる。
そして、全邸売電電力算出部203から全邸消費電力算出部207の各々は、求めた全邸売電電力SUM(Si)、全邸発電電力SUM(Pi)、全邸充電電力SUM(Ci)、全邸放電電力SUM(Di)、全邸消費電力SUM(Li)それぞれを、データベース215における測定値を測定した時間を示すタイムスタンプを付与された計算値テーブルに対して書き込んで記憶させる。
そして、融通電力量算出部208は、すでに述べたように、所定のルールの場合分けにより、発電直接融通分電力量と、発電充電融通分電力量と、放電融通分電力量との各々を求める。融通電力量算出部208は、求めた発電直接融通分電力量と、発電充電融通分電力量と、放電融通分電力量とを加算して融通電力量を算出する。融通電力量算出部208は、求めた融通電力量を、データベース215における測定値を測定した時間を示すタイムスタンプを付与された電力量テーブルに対して書き込んで記憶させる。
制御部201は、全邸購入電力算出部202からエリア売電電力算出部213の各々がそれぞれの計算値を求めると、タイマーを参照して計時を始めてから一日が経過したか否かの判定を行う。すなわち、制御部201は、タイマーの計時している時間が予め設定されている時間(例えば、21:59)となったか否かの判定を行う。
そして、制御部201は、タイマーが計時を開始してから一日経過している場合、処置をステップS5へ進める。一方、制御部201は、タイマーが計時を開始してから一日経過していない場合、処理をステップS1へ進める。
自立率算出部214は、データベース215の1日分の電力量テーブルから、エリア購入電力及び蓄電池無しエリア購入電力を読み出す。自立率算出部214は、データベース215の計算値テーブルの各々から、1日分のエリア購入電力、蓄電池無しエリア購入電力を読み出し、それぞれを積算することにより、1日エリア購入電力、1日蓄電池無しエリア購入電力それぞれを算出する。
同様に、自立率算出部214は、データベース215の計算値テーブルの各々から、1日分の全邸消費電力SUM(Li)、全邸発電電力SUM(Pi)及び全邸売電電力SUM(Si)を読み出し、それぞれを積算することにより、1日全邸消費電力、1日全邸発電電力及び1日全邸売電電力を算出する。
このとき、制御部201は、例えば、全邸購入電力算出部202から自立率算出部214の各々の算出した算出値を、図示しない表示部の表示画面に対して表示し、ユーザに対して通知する。
次に、TEMS及びCEMSのいずれも用いず、電力管理地域1の各需要家施設10が余剰電力の融通を行わない場合における融通電力量算出部208から自立率算出部214の各々の処理の説明を行う。以下、余剰電力を融通する場合と異なる自立率を算出するために用いる測定値と、それぞれの測定値の測定箇所の説明を行う。
図4(b)において、融通エリア受電点Jは、電力管理地域1に系統電力から供給される、あるいは電力管理地域1から系統電力に逆流する電力量の基準となる測定点である。ji(0≦i≦n)は、各需要家施設10における需要家受電点である。ここには、系統電力電力計102が設置されている。他の測定点及び測定値については、図4(a)の場合と同様である。
ここで、蓄電池系統充電分算出部209は、各需要家施設10の各邸蓄電池系統充電分電力量を以下のように求める。
蓄電池系統充電分算出部209は、予め設定された夜間時間帯(例えば、22:00〜7:59)の場合、各邸充電電力Ciを各邸蓄電池系統充電分電力量とする。
また、蓄電池系統充電分算出部209は、予め設定された日中時間帯の場合であり、かつ各邸充電電力Ciが各売電電力Si未満の場合、「0」を各邸蓄電池系統充電分電力量とする。
蓄電池系統充電分算出部209は、算出した各邸蓄電池系統充電分電力量をデータベース215の各邸電力量テーブルに、邸番号及び算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
ここで、蓄電池PV充電分算出部210は、各需要家施設10の各邸蓄電池PV充電分電力量を以下のように求める。
蓄電池PV充電分算出部210は、予め設定された夜間時間帯の場合、「0」を各邸蓄電池PV充電分電力量とする。
また、蓄電池PV充電分算出部210は、予め設定された日中時間帯の場合であり、かつ各邸売電電力Siが各邸充電電力Ci未満の場合、各邸売電電力Siを各邸蓄電池PV充電分電力量とする。
蓄電池PV充電分算出部210は、算出した各邸蓄電池PV充電分電力量をデータベース215の各邸電力量テーブルに、邸番号及び算出に用いた測定値を測定した時刻を示すタイムスタンプを付与して書き込んで記憶させる。
また、エリア購入電力算出部212は、各邸売電電力Si)に対して各邸蓄電池PV充電分電力量を加算し、各邸蓄電池無し売電電力を求める。各邸蓄電池無し売電電力は、電力管理地域1の需要家施設10の各々に蓄電池103が設けられていない場合の各邸単位の系統電源に対して逆潮流する電力である。
この各邸電力量テーブルには、蓄電池系統充電分算出部209及びエリア購入電力算出部212の各々が算出した、各邸蓄電池系統充電分電力量、各邸蓄電池PV充電分電力量のそれぞれが需要家施設10の邸番号に対応して書き込まれて記憶されている。また、この各邸電力量テーブルは、1分毎にタイムスタンプが付与されて設けられており、1日分(1分毎なので各邸テーブル数は1440個)が生成される。
そして、自立率算出部214は、1日各邸購入電力を1日各邸消費電力で除算し、この除算結果を「1」から減算することにより、電力管理地域1の各々の需要家施設10の自立率を算出する。自立率算出部214は、求めた各需要家施設10の自立率を、電力管理地域1の需要家施設10にて平均し、平均した自立率を電力管理地域1の需要家施設10の各邸自立率とする。
また、自立率算出部214は、各邸自立率から各邸蓄電池無し自立率を減算し、各邸自立率と各邸蓄電池無し自立率との差分である各邸蓄電池自立率差分を求める。この各邸蓄電池自立率差分は、蓄電池103がない場合に各邸自立率が低下する指標として用いられる。
また、本実施形態は、TEMSやCEMSが省エネルギーの観点から、各需要家施設10単体で電力制御を行うより優位であることを示すことができるため、各需要家施設10における電力消費のより省エネルギー化を促進することに寄与できる。
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図11は、本発明の第2の実施形態による電力管理システムの構成例を示す図である。本実施形態における電力管理システムは、第1の実施形態と同様に、所定の地域範囲である電力管理地域における複数の需要家に対応する住宅、商業施設、産業施設などの需要家施設における電力を、TEMSやCEMSなどにより一括して管理するものである。図11において、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。以下、第1の実施形態と異なる構成及び動作についてのみ説明する。
第2の実施形態における電力管理システムが第1の実施形態と異なる点は、各需要家施設10’における蓄電池103が電力線13と対して直接に電力の供給及び逆潮流を行う構成である。
図12は、第2の実施形態における融通エリア内電力管理部11’の構成例を示す図である。
この図12において、融通エリア内電力管理部11’における電力管理部111’は、各需要家施設10’に設けられた蓄電池103を、あたかも電力管理地域1’内に設けられた一つの蓄電池として制御する点が第1の実施形態と異なる。
また、この電力管理地域1’における自立率の算出は、自立率評価部112が第1の実施形態と同様に行う。
この図13における測定箇所、この測定箇所に設置される各電力計及びこの電力計にて測定される測定値については、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。
上述したように、本実施形態によれば、電力管理地域1’における各需要家施設10’で余剰電力の融通を行うTEMSまたはCEMSのシステムの評価を行う指標である自立率を、自立率の測定を行う電力計を新たに設けることなく、すでにある電力計の測定値により容易に求めることができる。これにより、TEMSまたはCEMSのシステムの開発を行う際、融通のアルゴリズムにおける余剰電力の各需要家施設10間における分配の精度を容易に行うことが可能となる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
10…需要家施設
11,11’…融通エリア内電力管理部
12…電力料金算出部
13…電力線
101…太陽電池
102…系統電力電力計
103…蓄電池
104…蓄電池電力量計
105…蓄電池制御部
111,111’…電力管理部
112…自立率評価部
201…制御部
202…全邸購入電力算出部
203…全邸売電電力算出部
204…全邸発電電力算出部
205…全邸充電電力算出部
206…全邸放電電力算出部
207…全邸消費電力算出部
208…融通電力量算出部
209…蓄電池系統充電分算出部
210…蓄電池PV充電分算出部
211…蓄電池誤差電力算出部
212…エリア購入電力算出部
213…エリア売電電力算出部
214…自立率算出部
215…データベース
300,400…ネットワーク
Claims (7)
- 電力管理地域において、電気設備として蓄電池及び発電装置を備える需要家施設を含む複数の需要家施設を共通の電源線に接続し、余剰電力を前記需要家施設間において融通し合う電力管理システムにおいて、
前記電力管理地域内の前記需要家施設が前記電源線から供給される各邸購入電力を積算し、全邸購入電力を算出する全邸購入電力算出部と、
前記電力管理地域内の前記需要家施設が前記電源線に供出する各邸売電電力を積算し、全邸売電電力を算出する全邸売電電力算出部と、
前記電力管理地域内の前記需要家施設の前記蓄電池が前記電源線に放電する各邸放電電力を積算し、全邸放電電力を算出する全邸放電電力算出部と、
前記電力管理地域内の前記需要家施設の前記蓄電池が前記電源線から充電する各邸充電電力を積算し、全邸充電電力を算出する全邸充電電力算出部と、
前記全邸購入電力、前記全邸売電電力、前記全邸放電電力、前記各邸充電電力及び全邸消費電力の各々から、予め設定したルールに従い、前記電力管理地域の前記需要家施設全てが系統電源から購入するエリア購入電力を求め、前記エリア購入電力を前記全邸消費電力により除算し、除算結果から自立率を求める自立率演算部と
を備えることを特徴とする電力管理システム。 - 前記自立率演算部が、
前記ルールにおいて予め設定された、所定の時間帯と前記全邸充電電力及び前記全邸売電電力間の比較とにより、蓄電池系統充電分電力量を求め、
前記ルールにおいて予め設定された前記全邸購入電力及び前記全邸売電電力の比較により、発電直接融通分電力量を求め、
前記ルールにおいて予め設定された、前記全邸購入電力から前記発電直接融通分電力量を減算した結果と、前記全邸放電電力との比較により、放電融通分電力量を求め、
前記全邸購入電力、前記蓄電池系統充電分電力量とを加算し、加算結果から前記発電直接融通分電力量と前記放電融通分電力量とを減算して前記エリア購入電力を求める
ことを特徴とする請求項1記載の電力管理システム。 - 前記自立率演算部が、
夜間として設定された時間帯の際、前記全邸充電電力を前記蓄電池系統充電分電力量とし、一方、昼間として設定された時間帯の際、前記全邸充電電力が前記全邸売電電力を超えている場合、前記全邸充電電力から前記全邸売電電力を減算した結果を前記蓄電池系統充電分電力量とし、前記全邸充電電力が前記全邸売電電力未満である場合、前記蓄電池系統充電分電力量を「0」とし、
前記全邸購入電力及び前記全邸売電電力の比較を行い、前記全邸購入電力及び前記全邸売電電力のいずれか小さい方を発電直接融通分電力量とし、
前記全邸購入電力から前記発電直接融通分電力量を減算した結果と、前記全邸放電電力との比較を行い、いずれか小さい方を前記放電融通分電力量とする
ことを特徴とする請求項2に記載の電力管理システム。 - 前記自立率演算部が、
前記電力管理地域内における前記需要家施設毎の自立率を、前記各邸購入電力を前記各邸消費電力で除算した除算結果から算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力管理システム。 - 前記自立率演算部が、
前記蓄電池が設けられていない場合の前記電力管理地域内の自立率を、前記エリア購入電力に全邸放電電力を加算し、加算結果から前記蓄電池系統充電分電力量を減算し、この減算結果を全邸消費電力で除算して求める
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電力管理システム。 - 前記自立率演算部が、
前記蓄電池が設けられておらず、前記発電装置からの融通がない場合の前記電力管理地域内の自立率を、前記発電装置の各々が発電した電力の積算値である全邸発電電力から前記全邸売電電力を減算し、この減算結果を前記全邸消費電力で除算して求める
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電力管理システム。 - 電力管理地域において、電気設備として蓄電池及び発電装置を備える需要家施設を含む複数の需要家施設を共通の電源線に接続し、余剰電力を前記需要家施設間において融通し合う電力管理方法において、
全邸購入電力算出部が、前記電力管理地域内の前記需要家施設が前記電源線から供給される各邸購入電力を積算し、全邸購入電力を算出する全邸購入電力算出過程と、
全邸売電電力算出部が、前記電力管理地域内の前記需要家施設が前記電源線に供出する各邸売電電力を積算し、全邸売電電力を算出する全邸売電電力算出過程と、
全邸放電電力算出部が、前記電力管理地域内の前記需要家施設の前記蓄電池が前記電源線に放電する各邸放電電力を積算し、全邸放電電力を算出する全邸放電電力算出過程と、
全邸充電電力算出部が、前記電力管理地域内の前記需要家施設の前記蓄電池が前記電源線から充電する各邸充電電力を積算し、全邸充電電力を算出する全邸充電電力算出過程と、
自立率演算部が、前記全邸購入電力、前記全邸売電電力、前記全邸放電電力、前記各邸充電電力及び全邸消費電力の各々から、予め設定したルールに従い、前記電力管理地域の前記需要家施設全てが系統電源から購入するエリア購入電力を求め、前記エリア購入電力を前記全邸消費電力により除算し、除算結果から自立率を求める自立率演算過程と
を備えることを特徴とする電力管理方法。
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