JP6344782B1 - 枕 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で高さ、硬さ、感触などを変更可能な枕を提供すること。【解決手段】長方形の本体カバー1と、本体カバー1の片面に形成され、ユニット6、7、8を収納可能な複数の袋部4a〜4cと、複数の袋部4a〜、4cのそれぞれに収納される、それぞれ異なる素材をカバー9a〜9cで覆った複数のユニット6、7、8と、を備え、本体カバー1には、袋部同士が隣接する隣接部において折り畳みを可能とする折り畳み部3a、3bが形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、高さ、硬さ、感触を変えることが可能な就寝時に使用する枕に関する。
枕の高さは安眠等の要請から適切な物が好ましく、近年では、睡眠の質や快適性を求めるため、枕の製造をオーダーメードで依頼する枕使用者(「ユーザ」とも称する)も多い。枕のオーダーメードの「製造の流れ」については、例えば、特許文献1に記載されている。この例では、枕製造メーカのスタッフがユーザに対して問診を行って、「身長、体重、性別、硬さ好み」等を聞き取った後、スタッフは、施術用ベッドに横臥して基本姿勢をとるユーザの画像を撮像する。
次いで、施術ベッドとユーザの頸椎等を固定する治具をあてがって、顎顔面角度、上顎突出度等の各種のデータを収集する。そして、このデータを基に枕を製造して、ユーザに実際に枕を使用してもらって微調整を行う。この微調整は、枕の開口部から高さ調整用パッドや角度調整用のパッドを入れて行う。しかし、このようにして製造されたオーダーメードの枕は一旦様々な微調整がされた後は、これを変更するには、再度、始めの問診から行わなければならない。
しかし、人間の首周りの筋肉や、体調等によってユーザが快適と感じる枕高さは変化する。枕が適切な高さでなければ、枕に後頭部を載せた状態で頸椎が理想的な湾曲をしなくなる。例えば、頸椎の湾曲が足りなかったり、湾曲し過ぎたりして偏頭痛、肩こり等の体調不良をきたしかねない。また、ユーザが快適と感じる枕の高さは、ユーザが使用する敷寝具の状態(敷寝具の反撥・へたり状態)等によっても変わる。
このため、高さ調整が可能な枕が多数提案されていた。
このため、高さ調整が可能な枕が多数提案されていた。
例えば、包布の一辺に繋ぎ代を設け、基本的には、平らな形状の複数の枕を、上述の繋ぎ代を揃えて重ね合わせ、その繋ぎ代の端を互いに結合してなる高さ調整可能な構成の枕が提案されていた(例えば、特許文献2参照。)。これによれば、繋ぎ代の端を互いに結合して、アルバムのように枕を開・畳可能とすることができる結果、高さが調整可能である。
しかしながら、上述した従来の技術によれば、アルバム状に枕を開・畳可能な構成となっているので、高さ調整としては大掛かりで不使用部分も多い。しかも、従来技術によれば、せいぜい高さを変えることが可能にすぎなかった。
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で高さ、硬さ、感触などを変更可能な枕を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の枕(10)は、
長方形の本体カバー(1)と、
前記本体カバーの片面に形成され、ユニットを収納可能な複数の袋部(4a、4b、4c)と、
前記複数の袋部のそれぞれに出し入れされる、それぞれ異なる素材をユニットカバーで覆った、直方体状の複数のユニット(6、7、8)と、を備え、
前記本体カバーには、前記袋部同士が隣接する隣接部において折り畳みを可能とする折り畳み部(3a、3b)が形成され、
前記複数の袋部(4a、4b、4c)の各々には、前記ユニット(6、7、8)を出し入れするための、常時枕外部に通じた、その周囲に厚手の布片を縫い付けたユニット挿入口(2a、2b、2c)が形成され、
前記複数のユニットの数が、前記複数の袋部の数よりも多い構成である。
長方形の本体カバー(1)と、
前記本体カバーの片面に形成され、ユニットを収納可能な複数の袋部(4a、4b、4c)と、
前記複数の袋部のそれぞれに出し入れされる、それぞれ異なる素材をユニットカバーで覆った、直方体状の複数のユニット(6、7、8)と、を備え、
前記本体カバーには、前記袋部同士が隣接する隣接部において折り畳みを可能とする折り畳み部(3a、3b)が形成され、
前記複数の袋部(4a、4b、4c)の各々には、前記ユニット(6、7、8)を出し入れするための、常時枕外部に通じた、その周囲に厚手の布片を縫い付けたユニット挿入口(2a、2b、2c)が形成され、
前記複数のユニットの数が、前記複数の袋部の数よりも多い構成である。
本発明によれば、本体カバーの片面に形成された複数の袋部のそれぞれに、それぞれ異なる素材をカバーで覆った、直方体状の複数のユニットが出し入れされる。しかも、各々の袋部には、常時枕外部に通じたユニット挿入口が設けられているため、袋部へのユニットの出し入れが容易となる。また、ユニットの数が、袋部の数よりも多いので、ユニット交換を行って、枕の高さ、硬さ、感触などを細やかに調整できる。さらに、折り畳み部により、袋部同士が隣接する隣接部において折り畳みが可能であるので、多数パターンの折り畳みが可能になる。
この結果、ユーザの後頭部に当接する素材を異なるものとすることなどによって、高さ、硬さ、感触が変更可能となる。
上記した枕の一態様として、本体カバー(1)に3個の袋部(4a、4b、4c)を形成し、この3個の袋部に、ポリエチレンチップをカバーで覆った第1のユニット(6)と、高反発性樹脂をカバーで覆った第2ユニット(7)と、粒綿素材をカバーで覆った第3のユニット(8)の3個のユニットを収納させた構成が挙げられる。
なお、この「課題を解決するための手段」等において、発明特定事項に対して符号を付したのは実施形態との整合性を明確にするためであり、権利範囲の広さを限定的にしたもので無い。
本発明によれば、簡易な構成で高さ、硬さ、感触などを変更可能な枕を提供することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例の枕10として、本体カバー1の片面に3個の袋部4a、4b、4cを形成した例について説明する。
(枕10)
図1(a)は、枕10の模式的な平面図、図1(b)は、枕10の模式的な側面図、図1(c)は、枕10の斜視図である。図1(a)、図1(b)、図1(c)に示すように、枕10は、外形が長方形状の布体でなっていて、その片面には、3つの袋部4a、4b、4cが形成されている。各袋部4a〜4cは、後に説明する略直方体状のユニットを収納可能に構成されている。
図1(a)は、枕10の模式的な平面図、図1(b)は、枕10の模式的な側面図、図1(c)は、枕10の斜視図である。図1(a)、図1(b)、図1(c)に示すように、枕10は、外形が長方形状の布体でなっていて、その片面には、3つの袋部4a、4b、4cが形成されている。各袋部4a〜4cは、後に説明する略直方体状のユニットを収納可能に構成されている。
袋部4a、4b、4cのそれぞれは、2枚の布で成る本体カバー1の適宜の箇所を縫い付けることによって形成される。適宜の箇所とは、例えば、袋部同士が隣接する隣接部において折り畳みを可能とする折り畳み部3a、3bや本体カバー1の縁等である。本実施形態においては、折り畳み部3a、3bは、本体カバー1の短手方向の直線状の縫い込み線となっている。
また、ポケット状の部材を、本体カバー1の片面に縫い付けて袋部4を形成することもできる。要するに、後に説明するユニットが収納可能であれば、いかなる構成でも構わない。なお、袋部4a、4b、4cを伸縮性に富む素材を採用して形成することで、ユニットの出し入れ操作等の向上を図ることができる。
かくして、袋部4a、4b、4cはそれぞれ、ユニットを収納可能なポケット状に形成され、このポケット状の袋部4a、4b、4cのそれぞれに対して、ユニットを挿入するためのユニット挿入口2a、2b、2cが形成される。ユニット挿入口2a、2b、2cに、ファスナー、面チャック等の開閉部材を設けてユニットの収納を確実にすることも可能である。また、ユニット挿入口2a、2b、2cの周囲に、厚手の布片等を縫い付けて、ユニットの出し入れを繰り返しても、本体カバー1に綻びが生じないようにすることもできる。
(ユニット)
図2は、ユニット例の模式的な斜視図である。ユニットは略直方体状であり、その外面を袋状のカバー9(ユニットカバー)が覆う構成である。ポリエチレンチップユニット6は、ポリエチレンを素材とする多数のチップをカバー9a内に収納したものである。ポリエチレンチップは、例えば、ポリエチレンで製造された中空の円筒型の極小さな部材であることが例示されるが、形状はこの例に限られない。
図2は、ユニット例の模式的な斜視図である。ユニットは略直方体状であり、その外面を袋状のカバー9(ユニットカバー)が覆う構成である。ポリエチレンチップユニット6は、ポリエチレンを素材とする多数のチップをカバー9a内に収納したものである。ポリエチレンチップは、例えば、ポリエチレンで製造された中空の円筒型の極小さな部材であることが例示されるが、形状はこの例に限られない。
ポリエチレンをチップ型にすることで、通気性や防虫性を向上させるとともに、水洗いもできるという利点がある。したがって、ポリエチレンチップユニット6、ひいては、枕10を清潔に保つことも可能となる。また、ポリエチレンチップユニット6は、適宜の短手方向間隔で長手方向を線状に縫って、ポリエチレンチップを均等に収納できるように構成している。
また、高反発樹脂ユニット7は、高反発性の素材をカバー9bで覆ったものである。「高反発性」とは、圧力が加わるとこれに対し反発する力が強い性質のことである。高反発性素材をカバー9bで覆って構成した高反発樹脂ユニット7を使用すると、後頭部により圧力が加わっても後頭部が沈み込み難く、圧力を分散し、後頭部が痛くなるのを緩和できる等の利点を有する。また、高反発性ユニット7は、通気性に優れているため、夏場に涼しいという利点も有する。なお、高反発性素材の例としては、例えば、ウレタン系の素材等が挙げられる。ウレタン系の素材は低反発性素材ともなる。
また、粒綿ユニット8は、粒綿(「つぶわた」)をカバー9cで覆ったものである。粒綿は、例えば、ポリエステル綿を粒状にした素材であり、従来のポリエステル素材よりも反発性が少なく、柔らかさを有する。粒綿は、保温性に富んでおり、特に冬場に使用するのに適するが季節にこだわらずに使用できる。
以上説明したような、ポリエチレンチップユニット6、高反発樹脂ユニット7、および、粒綿ユニット8をユニット挿入口2a、2b、2cから挿入して、対応する袋体4a、4b、4cに収納することにより、ユーザが欲するユニットを上側にしてユーザの後頭部を載置することができる。つまり、ポリエチレンチップユニット6、高反発樹脂ユニット7、および、粒綿ユニット8のそれぞれのユニットは、3個の袋部4a〜4cの内でユーザの望む袋部4に入れたり、そこから出したりすることができる。
(畳み方パターン)
次に、図3を参照して、折り畳み部3a、3bによって折り畳む折り畳みパターンについて説明する。ポリエチレンチップユニット6、高反発樹脂ユニット7、および、粒綿ユニット8のそれぞれを袋部4a、4b、4cに収納した例について具体的に説明する。また、説明の簡略化のため、ポリエチレンチップユニット6を「A」、高反発樹脂ユニット7を「B」、粒綿ユニット8を「C」とする。
次に、図3を参照して、折り畳み部3a、3bによって折り畳む折り畳みパターンについて説明する。ポリエチレンチップユニット6、高反発樹脂ユニット7、および、粒綿ユニット8のそれぞれを袋部4a、4b、4cに収納した例について具体的に説明する。また、説明の簡略化のため、ポリエチレンチップユニット6を「A」、高反発樹脂ユニット7を「B」、粒綿ユニット8を「C」とする。
まず、Bを最下面とすれば、図3(a)、および、図3(b)の2通りの折り畳みパターンがある。図3(a)では、折り畳み部3bを利用してBの上にCを載せるように畳み、次いで、折り畳み部3aを利用してCの上にAを載せるように畳んでいる。同様に、図3(b)では、折り畳み部3aを利用してBの上にAを載せるように畳み、次いで、折り畳み部3bを利用してAの上にCを載せるように畳み込む。
次に、Cを最下面とすれば、図3(c)、および、図3(d)の2通りの折り畳みパターンがある。図3(c)では、折り畳み部3bを利用して、Cの上にBを載せるように畳み、次いで、折り畳み部3aを利用してBの上にAを載せるように畳み込む。また、図3(d)では、先ず、折り畳み部3aを利用してBの上にAを載せるように畳み、次いで、Bの上にAを載せたものを、折り畳み部3bを利用して、Cの上に載せるように畳み込む。
次に、Aを最下面とすれば、図3(e)、および、図3(f)の2通りの折り畳みパターンがある。図3(e)では、先ず、折り畳み部3bを利用して、Bの上にCを載せるように畳み、次いで、Bの上にCを載せたものを、折り畳み部3aを利用して、Aの上に載せるように畳み込む。また、図3(f)では、先ず、折り畳み部3aを利用してA上にBを載せるように畳み、次いで、折り畳み部3bを利用してBの上にCを載せるように畳み込む。
以上のように6通りの畳み方が存在するので、硬さ、高さ、感触の変化を実現できる。高反発樹脂ユニット7が最も下側の場合には、後頭部が最も沈み易い反面、高反発樹脂ユニット7が最も上側の場合には、後頭部が最も沈み難くなること等により高さが変化する。また、この他に、ポリエチレンチップユニット6に収容させるポリエチレンチップの量を調整したりすることで、枕10の高さを変化させることができる。
以上説明してきた実施形態によれば、本体カバー1の片面に形成された複数の袋部4a、4b、4cのそれぞれに、それぞれ異なる素材で形成された複数のユニット6、7、8が収納され、折り畳み部3a、3bにより、袋部同士が隣接する隣接部において折り畳みが可能であるので、多数パターンの折り畳みが可能になる。この結果、ユーザの後頭部に当接する素材を異なるものとすることなどにより、簡素な構成で、高さ、硬さ、感触を変更可能とすることができる。
また、粒綿ユニット8は保温性に優れ、一方、ポリエチレンチップユニット6、高反発樹脂ユニット7は、通気性に優れているので、例えば、冬場には粒綿ユニット8が最上になるように折り畳み、夏場にはポリエチレンチップユニット6や高反発樹脂ユニット7が最上になるように折り畳めば、冬暖かく夏涼しくすることができる。
また、以上の説明においては、袋部4を3個としたが、袋部4を2個、あるいは、4個以上とすることも可能である。また、ユニットの種類は、図2を参照して説明した3種類に限らない。例えば、羽毛をカバー9で覆った羽毛ユニット、備長炭チップをカバー9で覆った備長炭ユニット等、様々な素材をカバー9で覆ったユニットを使用することが提案される。また、本体カバー1、袋部4の布体の材質は特に限定されない。また、カバー9内に自分好みの素材を収納させたオリジナルユニットを作ることも可能である。
また、袋部4の数とユーザが所有するユニットの数とは必ずしも合致していなくても良く、例えば、袋部4の数よりも所有するユニットの数が多い場合には、適宜使用するユニットを交換して、最適な眠りを得ることができるような感触、硬さ、高さ等を思考錯誤して決定することができる。また、袋部4を2個とすることも可能である。かくして、簡素な構成で、所謂「セルフメイドピロー(Self Made−Pillow)」を実現することができる。
以上説明してきたように、高さ、硬さ、感触を変えることが可能な枕に適用可能である。
1 本体カバー
2(2a、2b、2c) ユニット挿入口
3(3a、3b、3c) 折り畳み部
4(4a、4b、4c) 袋部
6 ポリエチレンチップユニット
7 高反発樹脂ユニット
8 粒綿ユニット
9(9a、9b、9c) カバー
10 枕
2(2a、2b、2c) ユニット挿入口
3(3a、3b、3c) 折り畳み部
4(4a、4b、4c) 袋部
6 ポリエチレンチップユニット
7 高反発樹脂ユニット
8 粒綿ユニット
9(9a、9b、9c) カバー
10 枕
Claims (1)
- 長方形の本体カバーと、
前記本体カバーの片面に形成され、ユニットを収納可能な複数の袋部と、
前記複数の袋部のそれぞれに出し入れされる、それぞれ異なる素材をユニットカバーで覆った、直方体状の複数のユニットと、を備え、
前記本体カバーには、前記袋部同士が隣接する隣接部において折り畳みを可能とする折り畳み部が形成され、
前記複数の袋部の各々には、前記ユニットを出し入れするための、常時枕外部に通じた、その周囲に厚手の布片を縫い付けたユニット挿入口が形成され、
前記複数のユニットの数が、前記複数の袋部の数よりも多い枕。
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