JP6343276B2 - リチウムイオン二次電池用負極材及び負極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材及び負極 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極材に関し、特に高速で充放電をおこなう必要のあるハイブリッド電気自動車(HEV)、電動工具用電源、無停電電源(UPS)、自然エネルギー蓄電用定置型電源、ラジオコントロール用電源等の高入出力用途に有用な負極材に関する。
リチウムイオン二次電池は高容量、高電圧、小型軽量の二次電池として携帯電話、パソコン、PDA、ハンディビデオカメラ等の可搬型機器類に多く使用され、今後もその需要が更に高くなると予想されている。リチウムイオン二次電池の各種のパーツや材料の高性能化も活発に試みられ、中でも電池の性能を左右するものとして、負極材の開発は、重要度を増している。現在の負極材は、主に高容量を追求した黒鉛質が主力であるが、コスト低減の要求も強く、初期のメソフェーズピッチを原料とするタイプからコークスとバインダー(ピッチ若しくはフェノール樹脂等)を主原料とした人造黒鉛、更には天然黒鉛を基材とするタイプが開発され実用化に至っている。
一方、最近では、上記のような小型の可般型機器用途とは別に、高入出力型のリチウムイオン二次電池がハイブリッド電気自動車(HEV)や電動工具用電源、ラジオコントロール用の電源として利用され始めている。
特に自動車産業では環境問題から電気自動車、ニッケル水素電池とガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッド電気自動車(HEV)が開発され、販売台数を伸ばしている。このHEV用の電源としてニッケル水素電池に代わりリチウムイオン二次電池が注目されている。即ち、現在HEVに用いられているニッケル水素電池に比べ、高エネルギー密度、高電圧のリチウムイオン二次電池は、次代の電源として大きな期待がかけられている。HEVの普及に当たり、バッテリー価格を大きく低減することが課題であり、そのためリチウムイオン二次電池用の負極材も安価であることが要求されている。
これまでリチウムイオン二次電池の主な用途であった携帯機器においては、電池の充放電容量を高めるために、負極材として前述の黒鉛材が主として用いられている。
例えば、特開平7−249411には易黒鉛化材料を1500〜3300℃で炭素化して放電容量の大きな負極材を得ることが記載されている。(特許文献1)
同文献には、2800℃以上の高温で黒鉛化して得た高結晶の黒鉛質材を負極材として用いると、リチウムイオンの吸蔵量が増大し、放電容量を大幅に向上させることが開示されている。
しかし、HEVなどの高容量よりも高入出力が重視される用途では、HEVの急激な加減速に対応した充放電特性が要求されるが、従来の黒鉛質材はかかる特性に対応できる特性を有していなかった。
とりわけ高い入力特性を重視する場合は、黒鉛質材を使用することは困難となる。このためハードカーボンや比較的熱処理温度の低いソフトカーボン系の材料の利用が考えられる。しかし、ハードカーボンは、樹脂を基材とする場合は焼成得率の低さや原料価格が高価であることからコスト高は避けられず、また、コールタールのような瀝青物を出発物質とすると、晶質化を防ぐために焼成前の原料の調整にかなりの手間を要し、コスト高となり好ましくない。
一方比較的熱処理温度の低いソフトカーボン系の材料の利用としては、生コークス(ディレートコークス)や、仮焼コークス(カルサインコークス)を原料とすることがコスト面で好ましく、コストの面からは仮焼コークスが有利であるので、これを原料に利用することが望ましいが、仮焼コークスを直接粉砕したものは、メソフェーズが炭化したエッジやベーサル面が露出しており、電解液との長期的な反応性、充放電サイクル性能等解決すべき課題が残されている。
現在、リチウムイオン二次電池負極材の主流である黒鉛質材は、高容量の製品が得られ、小型携帯機器用としては優れた材料だが、HEV用等の高入出力特性に満足できる性能を発揮する安価な負極材は未だ得られていない。
特許文献2(特開2009−059676号公報)及び特許文献3(特開2011−258421号公報)に開示したように、出願人は先に、仮焼コークス粉末及び生コークス粉末に光学的等方性ピッチを加えて加熱混合し、焼成して得られる炭素粉末が、リチウムイオン二次電池用負極材の入出力特性が高いものであることを見出した。
これらの負極材を電池に組み込む場合、負極材は結着材と混合して銅箔上に塗布、乾燥、プレスして電極とするものであるが、銅箔との密着強度が低いという課題があった。
密着強度が低いと、負極材を細長い連続した銅箔面に塗布し、電池の形状に合わせてカッティングする際に粉落ちしたり、搬送時及び捲回時に剥がれが生じるために、生産ラインのラインスピードが上げられず、生産得率が下がってしまうといった問題が起きる。
特許文献4(特許第3084256号)では2500℃〜3000℃で黒鉛化された人造黒鉛を粉砕して得られた大粒径黒鉛粉末と小粒径黒鉛粉末を混合することで充填率を上げ、電池容量を上げている。
黒鉛粉末は粒子が軟質であるため、プレスしたときに粒子の変形が起こり、粒子間の接触が強固なものとなる。
一方、低結晶炭素粉末は粒子が硬質であるため、プレスしたときの粒子の変形が起こらないので、単に大粒径粉末と小粒径粉末の低結晶炭素粉末を混合して粒度分布を広げただけでは粒子間接触は不十分であり、密着強度を向上させることができない。
特開平7−249411号 特開2009−059676号公報 特開2011−258421号公報 特許第3084256号
特許文献1〜3に開示された先行技術は、いずれもコークスを出発原料とする低結晶炭素粉末であり、黒鉛質粉末よりも高入出力特性に優れる負極材であり、HEV等の用途に適したものである。しかし、電極への密着強度が十分でなく、電極製造において粉末の脱落等が生じる問題がある。
上記の状況に鑑み、本発明は、結着材と混合し銅箔上に塗布、乾燥、プレス後の電極において密着強度が高く、急速充放電特性及び高入出力特性を備え更に長期間使用可能な負極材を低コストで提供できるようにするものである。
コークスを出発原料とする2種類の低結晶炭素粉末を混合することにより、前記課題を解決した。
炭素粉末A:コークス粉末を球形に造粒した球形炭素粉末。
炭素粉末B:破砕状のコークス粉末で、炭素粉末Aより小粒径の炭素粉末。
即ち、面間隔d002が0.344〜0.350nmであるコークス粉末を球形に造粒した球形炭素粉末Aとこの球形炭素粉末よりも小粒径の面間隔d002が0.344〜0.350nmである破砕状炭素粉末Bを所定の割合で混合した混合粉末が、電極への密着強度が高く、かつ高入出力特性や長寿命を兼ね備えた優れた負極材が得られることを見出して本発明を完成した。
本発明は、コークス粉末を球形に造粒し、低結晶炭素被膜を形成し、800〜1500℃で焼成した球形炭素粉末Aと、この球形炭素粉末Aより小粒径のコークス粉砕品若しくは小粒径コークス粉砕品に低結晶炭素被膜を形成し、800〜1500℃で焼成した小粒径炭素粉末Bを混合した混合物からなるリチウムイオン二次電池用負極材である。
本発明の出発物質のコークスは、仮焼コークス、生コークスどちらも用いることができる。
仮焼コークスは、熱膨張率0.95〜6.50×10-6/℃、仮焼温度800〜1500℃、好ましくは仮焼温度1200〜1400℃であることが好ましい。
仮焼温度が800℃以下の場合、充放電容量が大きくなるが、充放電における不可逆容量が大きく、好ましくないばかりか、表面が物理化学的に不安定で、長期保管において電気化学的特性が維持されず変化する。また、仮焼温度が1500℃を超えると放電容量が小さくなり好ましくない。
また、生コークスは石炭系コークス、石油系コークスのどちらを用いても良い。
原料のコークスを粉砕して平均粒径D50を3〜15μmとし、これを造粒材と共に造粒機で混合して球形に造粒する。
造粒機としては(株)パウレック製グラニュレーター、深江パウテック(株)製ハイスピードミキサー、杉山重工(株)製アキシャルミキサー、ヘミスフィアミキサー、日本コークス工業(株)製FMミキサー、(株)奈良機械製作所製ハイブリタイゼーション、ホソカワミクロン(株)製のメカノフュージョン等の装置を用いることでコークス粉末を球形に造粒できる。
造粒機を用いてコークス粉末を球形に造粒するには、粒子と粒子をつなぐ造粒材が必要であり、造粒材としては、室温で固体であり、造粒時に融解し、かつ800〜1500℃で焼成後、ほとんど残炭しないものが望ましい。例えばパラフィンワックスやポリエチレングリコール等が造粒材として用いることができる。
コークス粉末100重量部と造粒材7〜25重量部を造粒機に入れ、品温を70〜200℃の温度として造粒する。造粒材が7重量部より少ない場合は、球形にうまく造粒できず、造粒材が25重量部より多い場合、巨大粒子が発生するので好ましくなく、この巨大粒子は製造工程中で除去することになるので、製造得率が下がり、コスト高になる。品温が70℃以下では、造粒材が融解せず球形に造粒することができない。品温が200℃以上となると、揮発分が蒸発し始め、混合時に硬くなるため均一に混合することができないので好ましくない。
造粒後の粒度分布はD90/D10≦5であることが好ましい。D90/D10が5より大きいときは、造粒が不十分となり、密着度向上の効果が小さくなる。
造粒後の球形粒子をそのまま焼成すると造粒材が消失し、造粒形状を維持できないので、造粒後の球形粒子をピッチ等の被覆材で被覆することで、焼成後も球形を維持することができる。
ピッチ等の被覆材による球形粒子の被覆方法は、造粒機から造粒物を取り出し、加熱混合機に造粒物とピッチを投入して加熱混合してもよく、また、造粒機で造粒後、造粒機にピッチを添加して更に混合処理をすることによって被覆しても良い。
炭素粉末の被膜材として用いるピッチは、光学的等方性であり、従来一般に製鋼用の人造黒鉛電極やルツボ、ヒーター、治具等に用いる等方性黒鉛材等を製造する場合に用いるバインダーピッチやこれら炭素素材の密度向上のために使われる含浸用ピッチであり、このピッチの軟化点は70〜150℃程度である。市販品の例としてはシーケム株式会社のIPシリーズやJFEケミカル株式会社のPKシリーズ等が挙げられる。
ピッチの配合割合は、コークス100重量部に対してピッチが5〜30重量部とするのが好ましい。ピッチの配合割合が5重量部より少ない場合は、形成される被膜厚さが薄すぎて被膜の効果がないか、被覆が不完全で効果が不十分である。また、30重量部より多い場合は形成された被膜厚さが厚すぎて充放電効率が悪化する。
形成される被膜の厚さは、基材である仮焼コークスの晶質面を完全に被覆し、負極材上で(負極材として使用した場合、)電解液の分解を抑えて充放電によるガス発生、電池のサイクル特性劣化等を抑制し、かつ、高い充放電効率が得られるに十分である厚さであることが望ましい。したがって、配合されるピッチの量はコークス100重量部に対して5〜30重量部好ましい範囲である。
ピッチで被覆された造粒物を焼成することで球形炭素粉末Aが得られる。被膜となるピッチの焼成温度は800〜1500℃、好ましくは950〜1200℃である。800℃より低い焼成温度では充放電における不可逆容量が大きくなり好ましくなく、1500℃より高い場合にはでは放電容量が低くなるので好ましくない。
焼成はリードハンマー炉、ロータリーキルン炉、ローラーハースキルン炉等いずれを用いても良い。
焼成後の球形炭素粉末Aの平均粒径D50は8〜30μmとするのが好ましい。D50が30μmより大きい場合は、電極にするときに均一に塗布することが難しい。D50が8μmより小さい場合は、嵩高くなり、粒子のつまり易さが向上しない。
また粒度分布D90/D10は5以下が好ましい。
90/D10が5より大きい場合は、造粒が不十分であり、粒子のつまり易さが向上せず、密着強度が向上しない。
前記の方法で得られた球形炭素粉末は、コークス粉砕品にピッチコートし焼成したものと比べ、嵩密度が上昇し、粒子のつまり易さが向上するが、前記球形炭素粉末Aだけでは電極とするときの電極板への密着強度は向上しない。これは球形炭素粉末Aの粒度分布がシャープであるために電極にしたときに、粒子間の空隙が多く、粒子間接点が少ないためである。
そこで粒子間の空隙を埋めるために球形粒子より小粒径で破砕状の低結晶炭素粉末Bを混合することで、粉体のつまり易さが更に向上し、加えて粒子間接点を多くすることができ、結果として、電極板への密着強度を上昇させることができる。
混合機としては、上記造粒に用いたハイスピードミキサー等の高速撹拌装置やナウターミキサー、Vブレンダー、リボンミキサー等を用いることができる。
焼成後の炭素粉末Bの平均粒径は、D50≦10μmが好ましい。D50が10μmより大きい場合は、混合後の粒子の詰まり易さが向上しない。
球形炭素粉末Aと炭素粉末Bの混合比は80/20〜60/40が好ましい。炭素粉末Bの混合割合が20%より小さい場合は、混合の効果は少なく、粒子間接点が少なく密着強度は上昇しない。
また、炭素粉末Bの混合割合が40%より大きい場合は、嵩高くなり、粉体が詰まりにくくなり、密着強度は低下する。
混合後の炭素粉末の平均粒径D50は8〜30μmが好ましい。D50が30μmより大きい場合は、電極にしたときに均一に塗布しにく、D50が8μmより小さい場合は、嵩高くなり、粒子の詰まり易さが向上しない。
また、粒度分布D90/D10は4〜13が好ましく、D90/D10が13より大きい場合は、小粒径炭素粉末の割合が多すぎるために嵩高くなってしまい、密着強度が向上しない。また、D90/D10が4より小さい場合は、小粒径炭素粉末の混合が不十分であり、粒子間接点が十分に取れず、密着強度が向上しない。
そして、SEM観察による最大粒子径は75μm以下であるのが好ましい。電極の導電性を確保し、出力特性を発現させるため、比較的薄く塗布するので粒子径が75μm以上の粒子が存在すると塗工時に筋を引くという不具合の発生が考えられるためである。平均粒子径が5μm以下では、比表面積が大きくなりすぎ、充放電における不可逆容量が大きくなり、ハンドリング性能が低下するなどの問題が生じるので好ましくない。
嵩密度は0.8g/cm3以上が好ましい。嵩密度が0.8g/cm3より小さい場合は、嵩高くなってしまい、密着強度が向上しない。
本発明の負極材の構造は、基材である仮焼コークスの構造、性質を決定するX線広角回折で得られる結晶面の面間隔d002 によって規定することができる。即ち、本発明の負極材の面間隔d002 は0.344〜0.350nmである。
本発明の負極材について、粒度分布、広角X線回折、タップ密度及び電気化学的な充放電試験を実施した。詳細な試験条件を以下に示す。
平均粒子径及び粒度分布の測定は、株式会社セイシン企業製のLMS−30システムを用いて、水を分散媒として微量の界面活性剤を分散剤にして、超音波分散をさせた状態で測定した。
タップ密度は、100mlのメスシリンダーに試料を50±0.1g投入し、内部にカムを備えた自製のタップ密度測定器にセットし、ストローク13mmにて700回タッピングした後の試料の体積から算出した。
X線広角回折は、株式会社リガク製のX線回折装置RINT−UltimAIIIを用いて、金属珪素を内部標準とし、人造炭素材料の結晶子サイズ・網面サイズなどの構造解析をおこなう方法を規定した学振法に基づいて実施した。
電気化学的な充放電試験は、負極材100重量部に対して結着剤としてSBR2重量部、分散剤としてCMC2重量部を混合し、蒸留水を加えて希釈したスラリーを調整し、銅箔上にドクターブレードを用いて塗布し、120℃で乾燥し、ロールプレスをかけた後、Φ12に打ち抜いて電極とした。プレス後の負極は、厚さが40μmであった。
これに対極としてリチウム金属を用い、セパレーターを介し対向させて電極群とした後、1M LiPF6/EC:MEC(1:2)の電解液を加えてコインセルを形成し、充放電試験に供した。
充放電条件は、まず電流値0.5mA/cm2で定電流充電をおこない、電圧値が0.01Vになった後定電圧充電に切り替え、電流値が0.01mA/cm2に下がるまで充電を行った。充電終了後、電流値0.5mA/cm2で定電流放電をおこない、電圧値が1.5Vとなったところで放電終了した。
密着強度の測定には、株式会社イマダ社製の剥離試験機IPT200−5Nを用いた。
銅箔上に塗布した負極材を所定の電極密度、電極厚になるようにロールプレスし、電極幅1.2cmにカットして試験体とした。試験体を10cm幅の両面テープに貼り付けてある試験機の台の上に貼り付け、試験体を300mm/minの速度で引っ張り、密着強度を測定する。
本発明によれば、低結晶炭素負極において負極材同士及び負極材と集電金属箔との密着性が向上するので電極が長寿命となりHEV等に最適である。
また、高入出力特性を有し、高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池用負極材を低コストで得ることができる。
形状及び粒径の異なる2種類の低結晶炭素粉末を混合することにより、粒子間の空隙を埋め、粒子間接点を多くすることができたので、負極材同士及び負極材と電極金属箔との密着強度が向上した負極材が得られる。
本発明のリチウムイオン負極材は、優れた高入出力特性等を有し、同時に電極への密着強度も高いものである。
炭素粉末Aと炭素粉末Bの混合物のSEM写真。 炭素粉末A単独と炭素粉末B単独のSEM写真。 本発明の実施例3と比較例7(黒鉛材)の急速充電特性を比較したグラフ。
次に本発明の実施例を示して説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
炭素粉末A−1
熱膨張係数が5.3×10-6/℃の石炭系仮焼コークス(仮焼温度:1300℃)をジェットミルで平均粒子径D50=9.20μmに粉砕した。この仮焼コークスの面間隔はd002=0.346nmであった。粉砕した仮焼コークス100重量部と造粒材としてパラフィンワックス10重量部をハイスピードミキサーで加温しながら高速撹拌して球形に造粒した。更に、球形造粒物に軟化点80℃のバインダーピッチ(QI成分:0.3%)10重量部を加え、ハイスピードミキサーで加温しながら高速撹拌し、球形造粒物にピッチの被膜を形成した。このピッチの被膜形成した球形造粒物を窒素雰囲気下で1000℃で焼成し炭素粉末A−1を得た。
炭素粉末A−1は、D50=16.11μm、D90/D10=2.90、d002=0.346nmであった。
炭素粉末B−1
石炭系生コークスをジェットミルで平均粒子径D50=4.91μmに粉砕した。この粉砕物の面間隔はd002=0.347mであった。粉砕した生コークスを窒素雰囲気下で1000℃で焼成し、炭素粉末B−1を得た。
炭素粉末B−1は、D50=4.91μm、D90/D10=4.34、結晶面の面間隔d002=0.347nmであった。
前記炭素粉末A−1と炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=10.06μm、D90/D10=6.49、d002=0.346nmであった。
実施例2
炭素粉末A−2
バインダーピッチ量を15重量部とした以外は炭素粉末A−1と同様の方法で作製し、炭素粉末A−2を得た。炭素粉末A−2は、D50=16.69μm、D90/D10=2.77、d002=0.347nmであった。
炭素粉末A−2と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=11.35μm、D90/D10=6.91、d002=0.349nmであった。
実施例3
炭素粉末A−3
バインダーピッチ量を20重量部とした以外は炭素粉末A−1と同様の方法で作製し、炭素粉末A−3を得た。炭素粉末A−3は、D50=19.40μm、D90/D10=2.92、d002=0.347nmであった。
炭素粉末A−3と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合して目的物を得た。得られた混合物は、D50=11.49μm、D90/D10=8.17、d002=0.346nmであった。
実施例4
実施例3で使用した炭素粉末A−3と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比8:2で混合した。得られた混合物は、D50=15.70μm、D90/D10=5.32、d002=0.349nmであった。
実施例5
実施例3で使用した炭素粉末A−3と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比6:4で混合した。得られた混合物は、D50=9.88μm、D90/D10=8.55、d002=0.346nmであった。
実施例6
炭素粉末A−4
焼成温度を1100℃とした以外は炭素粉末A−3と同様の方法で作製した。炭素粉末A−4は、D50=19.25μm、D90/D10=2.90、d002=0.346nmであった。
炭素粉末B−2
焼成温度を1100℃とした以外は炭素粉末B−1と同様の方法で作製した。炭素粉末B−2は、D50=5.25μm、D90/D10=4.15、d002=0.348nmであった。
炭素粉末A−4と炭素粉末B−2を重量比7:3で混合して目的物を得た。得られた混合物は、D50=12.22μm、D90/D10=7.76、d002=0.347nmであった。
実施例7
炭素粉末A−5
焼成温度を1200℃とした以外は炭素粉末A−3と同様の方法で作製した。炭素粉末A−5は、D50=19.10μm、D90/D10=2.87、d002=0.346nmであった。
炭素粉末B−3
焼成温度を1200℃とした以外は炭素粉末B−1と同様の方法で作製した。炭素粉末B−3は、D50=5.34μm、D90/D10=3.94、d002=0.347nmであった。
炭素粉末A−5と炭素粉末B−3を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=12.94μm、D90/D10=7.36、結晶面の面間隔d002=0.346nmであった。
実施例8
炭素粉末B−4
炭素粉末B−1で用いた石炭系生コークス粉砕品100重量部と軟化点105℃のバインダーピッチ(QI成分:12%)5重量部を加熱混合し、これを窒素雰囲気下で1000℃で焼成し、炭素粉末B−4を得た。炭素粉末B−4は、D50=5.46μm、D90/D10=3.88 、d002=0.347nmであった。
実施例3で使用した炭素粉末A−3と炭素粉末B−4を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=12.80μm、D90/D10=6.45 、結晶面の面間隔d002=0.347nmであった。
実施例9
炭素粉末A−6
バインダーピッチを軟化点105℃のバインダーピッチ(QI成分:12%)とした以外は炭素粉末A−3と同様の方法で行った。炭素粉末A−6は、D50=21.44μm、D90/D10=3.90、d002=0.347nmであった。
炭素粉末A−6と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=12.58μm、D90/D10=6.45、結晶面の面間隔d002=0.347nmであった。
実施例10
炭素粉末A−7
造粒材のパラフィンワックス量を15重量部とした以外は炭素粉末A−2と同様の方法で作製した。炭素粉末A−7は、D50=19.60μm、D90/D10=3.33、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−7と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=15.50μm、D90/D10=8.58、結晶面の面間隔d002=0.346nmであった。
実施例11
炭素粉末A−8
コークス粉砕品の平均粒径をD50=12.06μmとした以外は炭素粉末A−2と同様の方法で作製した。炭素粉末A−8は、D50=25.05μm、D90/D10=3.16、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−8と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=13.82μm、D90/D10=11.74、結晶面の面間隔d002=0.346nmであった。
実施例12
炭素粉末A−9
熱膨張係数が1.1×10-6/℃の石炭系仮焼コークス(仮焼温度:1300℃)をジェットミルにて平均粒子径D50=7.26μmに粉砕した。この面間隔はd002=0.346nmであった。粉砕した仮焼コークス100重量部とパラフィンワックス10重量部をハイスピードミキサーにて加温しながら高速撹拌し、造粒した。更に、この造粒物と軟化点80℃のバインダーピッチ(QI成分:0.3%)15重量部を加熱混合しピッチコートした。これを窒素雰囲気下で1000℃で焼成し、炭素粉末A−9を得た。炭素粉末A−9は、D50=15.45μm、D90/D10=2.82、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−9と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=12.45μm、D90/D10=6.46、d002=0.346nmであった。
実施例13
炭素粉末A−10
コークス粉砕品の平均粒子径をD50=11.15μmとした以外は炭素粉末A−9と同様の方法で作製した。炭素粉末A−10は、D50=23.40μm、D90/D10=2.95、結晶面の面間隔d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−10と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=18.31μm、D90/D10=9.89、結晶面の面間隔d002=0.346nmであった。
実施例14
炭素粉末A−11
石炭系生コークスをジェットミルにて平均粒子径D50=3.97μmに粉砕した。この面間隔はd002=0.345nmであった。粉砕した生コークス100重量部とパラフィンワックス20重量部をハイスピードミキサーにて加温しながら高速撹拌し、造粒した。更に、これと軟化点80℃のバインダーピッチ(QI成分:0.3%)15重量部を加熱混合しピッチコートした。これを窒素雰囲気下で1000℃で焼成し炭素粉末A−11を得た。炭素粉末A−11は、D50=11.93μm、D90/D10=4.19、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−11と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=9.93μm、D90/D10=4.79、結晶面の面間隔d002=0.346nmであった。
実施例15
炭素粉末A−12
コークス粉砕品の平均粒子径をD50=4.91μmとした以外は炭素粉末A−11と同様の方法で作製した。炭素粉末A−12は、D50=13.30μm、D90/D10=2.94、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−12と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=10.08μm、D90/D10=5.45、d002=0.346nmであった。
実施例16
炭素粉末A−13
コークス粉砕品の平均粒子径をD50=8.91μmとした以外は炭素粉末A−11と同様の方法で作製した。炭素粉末A−13は、D50=19.58μm、D90/D10=3.46、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−13と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=14.90μm、D90/D10=8.93、d002=0.346nmであった。
実施例17
炭素粉末A−14
用いたコークス粉末が炭素粉末A−1で用いた仮焼コークスとA−11で用いた生コークスの1:1混合品であること以外は、炭素粉末A−3と同様の方法で作製した。炭素粉末A−14は、D50=17.00μm、D90/D10=3.03、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−14と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=13.38μm、D90/D10=7.25、d002=0.346nmであった。
実施例18
炭素粉末A−15
バインダーピッチ量を15重量部とした以外は炭粉末A−12と同様の方法で作製した。炭素粉末A−15は、D50=16.68μm、D90/D10=3.05、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−15と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=14.13μm、D90/D10=7.04、d002=0.346nmであった。
実施例19
炭素粉末A−16
炭素粉末A−1で用いた仮焼コークスと炭素粉末A−11で用いた生コークスの2:1混合品であること以外は、炭素粉末A−15と同様の方法で作製した。炭素粉末A−16は、D50=17.11μm、D90/D10=2.80、d002=0.346nmであった。
炭素粉末A−16と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=13.68μm、D90/D10=7.02、d002=0.346nmであった。
実施例20
炭素粉末B−5
熱膨張係数が5.3×10-6/℃の石炭系仮焼コークス(仮焼温度:1300℃)をジェットミルにて粉砕し、そのまま用いた。炭素粉末B−5は平均粒子径D50=6.19μm、D90/D10=6.71、d002=0.347nmであった。
実施例3で使用した炭素粉末A−3と炭素粉末B−5を重量比7:3で混合した。得られた混合物は、D50=12.13μm、D90/D10=9.18、結晶面の面間隔d002=0.347nmであった。
比較例1
石炭系生コークスをジェットミルにて平均粒子径D50=8.91μmに粉砕した。この面間隔はd002=0.345nmであった。
粉砕した生コークス100重量部と軟化点105℃のバインダーピッチ(QI成分:12%)20重量部を加熱混合し、これを窒素雰囲気下において1000℃で焼成した。得られた炭素粉末は、D50=10.64μm、D90/D10=3.26、面間隔d002=0.346nmであった。
比較例2
熱膨張係数が1.1×10-6/℃の石炭系仮焼コークス(仮焼温度:1300℃)を粉砕し、平均粒子径D50=7.26μmとした。この面間隔はd002=0.345nmであった。
粉砕した仮焼コークス100重量部と軟化点105℃のバインダーピッチ(QI成分:12%)20重量部を加熱混合し、これを窒素雰囲気下で1000℃で焼成した。得られた炭素粉末は、D50=10.69μm、D90/D10=3.59、d002=0.346nmであった。
比較例3
比較例1に使用した炭素粉末と比較例2に使用した炭素粉末を重量比1:1で混合した。得られた炭素粉末は、D50=10.47μm、D90/D10=3.39、d002=0.346nmであった。
比較例4
比較例1に使用した炭素粉末と比較例2に使用した炭素粉末の焼成温度を1100℃とした以外は比較例3と同様の方法で作製した。得られた炭素粉末は、D50=11.49μm、D90/D10=3.34、d002=0.346nmであった。
比較例5
比較例1に使用した炭素粉末と比較例2に使用した炭素粉末の焼成温度を1200℃とした以外は比較例3と同様の方法で作製した。得られた炭素粉末は、D50=11.65μm、D90/D10=3.56、d002=0.346nmであった。
比較例6
比較例3で用いた炭素粉末をアルゴン雰囲気下で2000℃で熱処理した。得られた炭素粉末、D50=10.79μm、D90/D10=3.35、d002=0.343nmであった。
比較例7
比較例3で用いた炭素粉末をアルゴン雰囲気下で3000℃で黒鉛化した。得られた炭素粉末は、D50=10.74μm、D90/D10=3.40、d002=0.336nmであった。
比較例8
熱膨張係数が5.3×10-6/℃の石炭系仮焼コークス(仮焼温度:1300℃)を平均粒子径D50=9.20μmに粉砕した。このコークスの面間隔はd002=0.347nmであった。
粉砕した仮焼コークス100重量部と軟化点105℃のバインダーピッチ(QI成分:12%)15重量部を加熱混合し、これを窒素雰囲気下において1000℃で焼成した。得られた炭素粉末は、D50=11.30μm、D90/D10=5.18、d002=0.349nmであった。
比較例9
熱膨張係数が5.3×10-6/℃の石炭系仮焼コークス(仮焼温度:1300℃)を平均粒子径D50=6.19μmに粉砕した。この面間隔はd002=0.348nmであった。
粉砕した仮焼コークス100重量部と軟化点105℃のバインダーピッチ(QI成分:12%)15重量部を加熱混合し、これを窒素雰囲気下で1000℃で焼成した。得られた炭素粉末は、D50=7.51μm、D90/D10=4.55、d002=0.349nmであった。
比較例10
実施例12の炭素粉末A−9を単独使用した。
比較例11
実施例3の炭素粉末A−3を単独使用した。
比較例12
実施例3で使用した炭素粉末A−3と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比9:1で混合した。得られた炭素粉末は、D50=18.27μm、D90/D10=3.39、d002=0.346nmであった。
比較例13
実施例3で使用した炭素粉末A−3と実施例1で使用した炭素粉末B−1を重量比1:1で混合した。得られた炭素粉末は、D50=7.93μm、D90/D10=8.53、d002=0.346nmであった。
比較例14
比較例3の炭素粉末と平均粒径D50=16.44μm、d002=0.335nmの人造黒鉛を8:2で混合した。得られた炭素粉末は、D50=13.28μm、D90/D10=3.78であった。
比較例15
比較例3で使用した炭素粉末と炭素粉末B−1を8:2で混合した。得られた炭素粉末は、D50=10.19μm、D90/D10=4.78、d002=0.346nmであった。
比較例16
実施例3で使用した炭素粉末A−3と比較例1で使用した炭素粉末を7:3で混合した。得られた炭素粉末は、D50=15.92μm、D90/D10=3.59、結晶面の面間隔d002=0.346nmであった。
表1に炭素粉末A及び炭素粉末Bの特性、表2に炭素粉末Aと炭素粉末Bを混合した本発明の実施例のリチウムイオン二次電池用負極材の特性、表3に比較例の炭素粉末の特性をそれぞれ示す。
表2から明らかなように、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材の電極への付着力は、比較例に比べて約2倍の密着強度を示している。
本発明は、造粒した球形のコークスを粉砕した低結晶炭素粒子である球形炭素粒子Aを主体とし、これに破砕して炭素の小粒子とした炭素粒子Bを混合して混在させることによって、炭素粒子の充填度の高いものとし、粒子間の接点が多くなるようにし、密着強度の向上を可能とした。
図1に球形炭素粒子Aと炭素粒子BのSEM写真(15Kv、×1000)、図2に炭素粒子Aと炭素粒子Bを混合して混在させた状態のSEM写真(15Kv、×350及び×1000)を示す。
図3は、本発明の実施例3と比較例としての黒鉛の定電流充電率を示すグラフであり、このグラフから本発明の性能が優れていることが明らかである。

Claims (4)

  1. 面間隔d002が0.344〜0.350nm、平均粒径D50が3〜15μmのコークス粉末が球形に造粒されたものであり、平均粒径D50が8〜30μm、粒度分布D90/D10≦5である球形炭素粉末Aと、球形炭素粉末Aより小粒径で面間隔d002が0.344〜0.350nm、平均粒径D50≦10μmの破砕状炭素粉末Bの混合比が6:4〜8:2(重量)の混合物であって、この混合物の平均粒径D50が8〜30μm、粒度分布D90/D10=4〜13、嵩密度0.8g/cm以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材。
  2. 請求項1記載の球形炭素粉末Aの製造法であって、コークス粉砕品に造粒材を加えて球形に造粒し、更にピッチで被覆した後、800〜1500℃で焼成する球形炭素粉末の製造方法。
  3. 請求項2において、コークス粉砕品の平均粒径D50が3〜15μmであり、造粒材がパラフィンワックスまたはポリエチレングリコールのいずれかであり、ピッチの添加量がコークス100重量部に対して5〜30重量部である球形炭素粉末の製造方法。
  4. 請求項1のリチウムイオン二次電池用負極材とバインダーの混合物が導電性の電極板に密着成型してあるリチウムイオン二次電池の負極。
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