JP6342962B2 - 鋏 - Google Patents

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Description

本発明は、刃部及び把持部を有する一対の鋏片を備える鋏に関する。
例えば、特許文献1に記載の鋏は、各鋏片に設けられた把持部が着脱自在な構成となっている。
実開昭63−175572号公報
特許文献1に記載の発明は、着脱自在な把持部が剛体製である。このため、特許文献1に記載の発明では、多種多様なサイズ等に対応可能とするには、右利き用及び左利き用に様々なサイズの把持部を必要とする。このため、特許文献1に記載の発明では、大きな製造原価上昇を招く等の問題がある。
本願は、上記点に鑑み、大きな製造原価上昇を抑制しながら、右利き用及び左利き用並びに様々なサイズの大きさの手に対応可能な鋏を提供することを目的とする。
本願では、刃部(6)及び把持部(7)を有する一対の鋏片(2、3)であって、一方の鋏片(2)が他方の鋏片(3)に対して揺動可能に組み付けられた一対の鋏片(2、3)と、一対の鋏片(2、3)のうち少なくとも一方の鋏片(2)に着脱自在に組み付けられ、把持部(7)の一部を構成する環状の指掛部(8)であって、弾性変形可能な弾性材製の指掛部(8)と、一方の鋏片(2)のうち指掛部(8)が装着される部位に設けられ、指掛部(8)と共に把持部(7)の一部を構成するとともに、指掛部(8)より曲げ剛性が大きく、かつ、指掛部(8)を介して当該一方の鋏片(2)に作用する押圧力を受ける受圧部(9)とを備える。
これにより、指掛部(8)が弾性変形することにより、様々なサイズの把持部を用意することなく、右利き用及び左利き用並びに様々なサイズの大きさの手に対応可能となる。
また、受圧部(9)は指掛部(8)より曲げ剛性が大きいので、指掛部(8)をシリコン等の弾性変形可能な材質で構成しても一対の鋏片(2、3)に確実に押圧力を作用させることができる。
つまり、本願に係る鋏では、指掛部(8)を弾性変形可能な柔軟な材質として様々なサイズの大きさの手に対応可能とするとともに、受圧部(9)の曲げ剛性を指掛部(8)より大きくすることにより一対の鋏片(2、3)に確実に押圧力を作用させることが可能な構造となっている。
したがって、大きな製造原価上昇を抑制しながら、右利き用及び左利き用並びに様々なサイズの大きさの手に対応可能な鋏を得ることが可能となる。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る鋏を示す図である。 本発明の実施形態に係る鋏を示す図である。 A及びBは、本発明の実施形態に係る鋏の把持部7の拡大図である。 本発明の実施形態に係る組付部10の拡大図である。 A及びBは、本発明の実施形態に係る指掛部8を示す図である。
以下に説明する「発明の実施形態」は、本願発明の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。
(第1実施形態)
1.鋏の概略構造
本実施形態に係る鋏1は、図1及び図2に示すように、第1鋏片2及び第2鋏片3を有している。第1鋏片2は、軸部5により第2鋏片3に対して揺動可能に組み付けられている。
第1鋏片2及び第2鋏片3それぞれは、図2に示すように、刃部6及び把持部7を有している。本実施形態では、刃部6と把持部7とは、金属又は硬質な非金属(例えば、セラミック等)による一体成形品である。
なお、本実施形態では、第1鋏片2と第2鋏片3とは、図1に示すように、略対称形状である。つまり、第1鋏片2と第2鋏片3とは、紙面左右上の違いを除き、その構成は同一である。以下、第2鋏片3の把持部7を例に本実施形態に係る把持部7の構造を説明する。
把持部7は、指掛部8及び受圧部9等を有して構成されている。指掛部8は受圧部9に着脱自在に組み付けられ、把持部7の一部を構成する環状の部材である。当該指掛部8は、弾性変形可能な弾性材製である。
受圧部9は、第2鋏片3のうち指掛部8が装着される部位に設けられ、当該指掛部8と共に把持部7の一部を構成する。そして、受圧部9は、指掛部8より曲げ剛性が大きく、かつ、指掛部8を介して第2鋏片3に作用する押圧力を受ける。
つまり、鋏1を利用する利用者は、鋏1にて切断対象物を切断する際に、第1鋏片2の把持部7と第2鋏片3の把持部7とを離間させるように鋏1を開く(図2参照)。その後、利用者は、第1鋏片2の把持部7と第2鋏片3の把持部7とが近づくように、指掛部8を介して各把持部7に押圧力を作用させる。
なお、本実施形態に係る受圧部9は各鋏片2、3と共に一体形成された一体成形品でる。つまり、本実施形態では、指掛部8より縦弾性係数等が大きい材料にて受圧部9が構成されることにより、受圧部9の曲げ剛性が指掛部8より大きくなっている。
受圧部9は、図3A及び図3Bに示すように、指掛部8側に曲率中心を有する円孤状に形成されている。本実施形態に係る受圧部9は、少なくとも指掛部8と接触可能な内周面7Aが一定の曲率半径となる円弧状に構成されている。
各受圧部9の外周面のうち、鋏1が閉じられたときに互いに対向する部位には(図3A参照)、凸部9Bが設けられている。各凸部9Bは、他方側の受圧部9に向けて突出している。
これにより、各凸部9Bは、鋏1が閉じられたときに、一対の受圧部9間に隙間を発生させる。したがって、鋏1が閉じられたときに、一対の受圧部9間に指が挟まれることを抑制するとともに、鋏1が閉じられたときの衝撃を緩和することが可能となる。
2.指掛部の取付構造
各受圧部9には、図3Bに示すように、組付部10が設けられている。各組付部10は、指掛部8を各受圧部9に組み付けるための部位である。当該組付部10は、受圧部9から指掛部8側に突出している。
具体的には、各組付部10は、図4に示すように、第1突起部10A及び傘部10B等を有している。第1突起部10Aは、指掛部8が装着された状態において、指掛部8に設けられた穴部8A(図5A及び図5B参照)を貫通する部位である。
なお、本実施形態に係る第1突起部10Aは、円弧状の受圧部9と鋏片2、3との連結部11に対応する部位に設けられている。つまり、連結部11から指掛部8側に向かう延長線Lo上に第1突起部10Aが設けられている。
傘部10Bは、第1突起部10Aの先端側において突出方向と交差する方向に広がる部位である。本実施形態に係る傘部10Bは、指掛部8側に曲率中心を有する円弧状に形成されている。
そして、傘部10Bの先端のうち少なくとも一方(本実施形態では両側)の先端には、第2突起部10Cが設けられている。それら第2突起部10Cは、傘部10Bの先端から受圧部9側に突出している。なお、本実施形態に係る組付部10は、受圧部9に一体形成された一体成形品である。
3.本実施形態に係る鋏の特徴
本実施形態では、指掛部8が弾性変形することにより、様々なサイズの把持部を用意することなく、右利き用及び左利き用並びに様々なサイズの大きさの手に対応可能となる。
また、受圧部9は指掛部8より曲げ剛性が大きいので、指掛部8をシリコン等の弾性変形可能な材質で構成しても一対の鋏片2、3に確実に押圧力を作用させることができる。
つまり、本実施形態に係る鋏1では、指掛部8を弾性変形可能な柔軟な材質として様々なサイズの大きさの手に対応可能とするとともに、受圧部9の曲げ剛性を指掛部8より大きくすることにより一対の鋏片2、3に確実に押圧力を作用させることが可能な構造となっている。
したがって、大きな製造原価上昇を抑制しながら、右利き用及び左利き用並びに様々なサイズの大きさの手に対応可能な鋏1を得ることが可能となる。
本実施形態に係る受圧部9は、指掛部8側に曲率中心を有する円弧状に形成されている。これにより、受圧部9が指の形状に沿うような形状となるので、押圧力を確実に一対の鋏片2、3に伝達させることができる。
本実施形態に係る傘部10Bは、指掛部8側に曲率中心を有する円弧状に形成されている。これにより、指掛部8が受圧部9から外れること及び指が痛くなることを抑制できる。
本実施形態に係る傘部10Bの先端側には、受圧部9側に突出した第2突起部10Cが設けられている。これにより、第2突起部10Cが弾性材料に構成された指掛部8に食い込むので、指掛部8の受圧部9に対する位置を保持できるとともに、指掛部8が受圧部9から外れることを確実に抑制できる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る指掛部8は円環状であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば楕円状の環状であってもよい。
上述の実施形態では、刃部6及び把持部7(受圧部9も含む。)が一体形成されたものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、刃部6と把持部7とを別々に製造した後、刃部6と把持部7とを組み付けて一体化する、又は刃部6と把持部7とを着脱自在に組み付けてもよい。
上述の実施形態に係る受圧部9及び傘部10Bは、曲率一定の円弧状であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、受圧部9又は傘部10Bを、例えば、複数の曲率中心を有するとともに、それらの曲率が異なる円弧状、又は略直線状としてもよい。
上述の実施形態では、傘部10Bの先端側に第2突起部10Cが設けられていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の第2突起部10Cのいずれか又は全てを廃止してもよい。
上述の実施形態では、突起部10A及び傘部10Bにて組付部10が構成されていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、その他形状であってもよい。
上述の実施形態に係る指掛部8は、シリコン製であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の樹脂等であってもよい。
上述の実施形態では、指掛部8より縦弾性係数等が大きい材料にて受圧部9を構成することにより、受圧部9の曲げ剛性を指掛部8より大きくした。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、断面二次モーメントを大きくすることにより、曲げ剛性を大きくしてもよい。
1…鋏
2…第1鋏片
3…第2鋏片
5…軸部
6…刃部
7…把持部
7A…内周面
8…指掛部
8A…穴部
9…受圧部
9B…凸部
10…組付部
10A…第1突起部
10B…傘部
10C…第2突起部

Claims (2)

  1. 刃部(6)及び把持部(7)を有する一対の鋏片(2、3)であって、一方の鋏片(2)が他方の鋏片(3)に対して揺動可能に組み付けられた一対の鋏片(2、3)と、
    前記一対の鋏片(2、3)のうち少なくとも一方の鋏片(2)に着脱自在に組み付けられ、前記把持部(7)の一部を構成する環状の指掛部(8)であって、弾性変形可能な弾性材製の指掛部(8)と、
    前記一方の鋏片(2)のうち前記指掛部(8)が装着される部位に設けられ、前記指掛部(8)と共に前記把持部(7)の一部を構成するとともに、前記指掛部(8)より曲げ剛性が大きく、かつ、前記指掛部(8)を介して当該一方の鋏片(2)に作用する押圧力を受ける受圧部(9)とを備え
    前記受圧部(9)は、前記指掛部(8)側に曲率中心を有する円弧状に形成され、
    前記受圧部(9)から前記指掛部(8)側に突出し、前記指掛部(8)を前記受圧部(9)に組み付けるための組付部(10)を備え、
    前記組付部(10)は、前記指掛部(8)に設けられた穴部(8A)を貫通した突起部(10A)、及び当該突起部(10A)の先端側において突出方向と交差する方向に広がる傘部(10B)を有し、
    さらに、前記傘部(10B)は、前記指掛部(8)側に曲率中心を有する円弧状に形成されていることを特徴とする鋏。
  2. 前記傘部(10B)の先端側には、前記受圧部(9)側に突出した第2の突起部(10C)が設けられていることを特徴とする請求項に記載の鋏。
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