JP6342642B2 - 後部圧力隔壁面の凹型の空隙と、凹型の空隙の中へ後方に移動したことで、ギャレー前の床スペースが広がったギャレーを有する航空機 - Google Patents

Description

本発明は、航空機の客室の床スペースを広げるために再構成された航空機の客室に関するものである。具体的には、本発明は、機体後方のギャレーを有する航空機の客室と、ギャレーを後方に移動させて、客室内部の床スペースを広げることができるように変更された後方隔壁に関するものである。

乗客の輸送用に設定された民間航空機は通常、航空機の客室の長さに沿った座席の列と、座席の列の間の航空機の長さに延在する一又は複数の通路を備える。ある航空機は、航空機の後方に横の通路を有し、この横の通路は、航空機の対向する側の一対の搭乗口と、横の通路に隣接する航空機の後方にあるギャレーの間に延在する。航空機の客室における従来のギャレーの位置づけではしばしば、ギャレーの一部が航空機の客室の横の通路へ突き出る必要がある。このため、ギャレーは、乗客が航空機に搭乗する又は航空機を降りる際に横の通路に沿って楽に移動することの妨げになることが証明されている。

本発明の航空機は、上述したように横の通路に突き出たギャレーを有する従来技術の航空機につきものの不利な点を克服するものである。これは、航空機のギャレーを横の通路の後方に移動することができるように、航空機の後部圧力隔壁を再構成することによって実現される。これにより、航空機の床スペースが広がる。

本発明の航空機の後部圧力隔壁は、隔壁の中央エリアに凹型の空隙を有するように再設計される。この凹型の空隙は、航空機の客室のギャレーに合わせて位置調整され、ギャレーの一部を収容するように寸法設定される。これにより、ギャレーを横の通路の後方に位置づけし、また搭乗口の後方の、横の通路の側面に沿って反対端に位置づけすることが可能になる。ギャレーが横の通路の後方に移動することで、横の通路の反対端の２か所の搭乗口への障害物がなくなり、航空機の床スペースが広がる。

上述の特徴、機能及び利点は、様々な実施形態において独立に実現することが可能であり、また別の実施形態において組み合わせることも可能である。これらの実施形態について、以下の説明および添付図面を参照してさらに詳細に説明する。

本発明の再位置づけされたギャレーを有する、本発明の航空機の後方の平面図である。 本発明の後部圧力隔壁と、航空機の客室の床面の部分斜視図である。 図２と同様の図であるが、後部圧力隔壁の凹型の空隙内に差し込まれたギャレーのカートを示す図である。 本発明の後部圧力隔壁と、航空機の客室の床面の部分斜視図である。 航空機の床スペースを広げるために、後部圧力隔壁に凹型の空隙を設ける方法を示すフロー図である。

図１は、本発明の再位置づけされたギャレーを有する、本発明の航空機の後方の平面図である。航空機の客室は、客室の前方１４と、客室の後方１６との間に縦方向の長さを有する。この客室はまた、客室の対向する第１機外側壁１８と、第２機外側壁２２との間に横方向の幅を有する。

複数の座席の列２４、２６は、航空機の客室の床面２８に配置されている。座席の列２４、２６は、客室の側面に沿って対向する側に配置され、中央通路３２を画定している。通路３２は、客室の前方１４と後方１６との間、及び座席の列２４、２６の間の床面２８全体において、客室の中を通って長手方向に延在する。客室の長さを延在する通路は一つのみ示されているが、座席の列を分離し、客室の長さを延在する複数の通路があってもよい。

横の通路３６は、客室の後方１６全体に横方向に延在する。横の通路３６は、航空機の客室の第１側壁１８及び第２側壁２２それぞれの一対の最後部搭乗口３８、４２の間に延在する。座席の列２４、２６の間に延在する通路３２は、横の通路３６と交差する。したがって、後部搭乗口３８、４２を通って航空機に搭乗し、航空機から降りる乗客は、中央通路３２と横の通路３６の両方に沿って歩くことになる。

航空機には、変更された後部圧力隔壁４４が設けられている。この隔壁４４には、航空機の機体バレルに取り付けられる圧力壁と、相互接続された支持構造が含まれる。好ましい実施形態では、圧力壁面４６は連続的であり、航空機の客室の第１機外側壁１８と、第２機外側壁２２との間で、床面２８から上向きに垂直に、そして航空機の客室の後方全体に横方向に延在する。図２を参照すると、後部圧力隔壁４４は、航空機の機体の最上部及び底部に固定された、複数の垂直指向の支持部材又はビーム４８と、航空機の機体の反対側に固定された、複数の水平指向の支持部材又はビーム５２を備える。図２に示す相互接続ビーム４８、５２も共に固定され、後部圧力隔壁４４の堅い構造的枠組みを形成する。圧力壁４６は、堅い圧力壁構造を形成するために相互接続された支持構造に取り付けられることが好ましい。垂直指向のビーム４８は、互いにおおよそ１２インチの間隔を置いて配置される。下方ビームのすぐ上の下方水平ビーム５４と水平ビーム５６は、互いにおおよそ４０インチの間隔を置いて配置される。この垂直ビーム４８と底部の２つの水平ビーム５４、５６の間隔を置いた配置により、ビームとビームの間に、４つの直立長方形の隙間または容積が画定される。後部圧力隔壁の他の実施形態では、ビームとビームの間の間隔距離は変化してもよく、ビームとビームの間にできる隙間の数も変化しうる。

図３に示すように、隔壁の圧力壁面４６は、壁面の平面を通って後方に延在する大型の凹型チャンバまたは空隙を有するように変更されている。空隙５８、６２、６４、６６は、前部壁面４６の平面を通って空隙のそれぞれの後壁６８、７２、７４、７６まで後方に延在する。各空隙５８、６２、６４、６６は、後部圧力隔壁４４のビーム４８とビーム５２の間に、おおよそ直立長方形指向の隙間を有する。空隙５８、６２、６４、６６の側面側は、隔壁４４の垂直ビーム４８の一部からなる垂直指向のギャレー壁７８、８２、８４、８６、８８によって画定される。したがって、空隙５８、６２、６４、６６により後部圧力隔壁の構造的完全性が損なわれることなく、後部圧力隔壁４４が前部壁面４６に形成される。

空隙５８、６２、６４、６６は、航空機の客室の床面２８のすぐ上の壁面４６の中央エリアに形成される。図２に示すように、水平ビーム５６のうちの一つを備える上端パネル９０は空隙の上に延在し、床面９２の一部は、壁面４６の後方へ、空隙５８、６２、６４、６６の中へ延在する。このため、空隙５８、６２、６４、６６により、航空機の床面が広がる。

図２を参照すると、空隙５８、６２、６４、６６は航空機の客室のギャレー９２に合わせて、縦方向に位置調整されている。空隙５８、６２、６４、６６の寸法は、ギャレー９２のギャレーカートコンパートメント９４、９６、９８、１０２の寸法に対応している。図３に示すように、空隙５８、６２、６４、６６は、床面２８、９０の上を空隙の中まで転がる４つのギャレーカート１０４、１０６、１０８、１１２の後方部分を収容するように寸法調整される。これにより、ギャレー９２を航空機の客室後方１６の後方へ移動して、ギャレー前の床スペースを広げることが可能になる。このギャレー９２は、横の通路３６の全体的に後方に、横の通路の側面に沿って反対端の最後部搭乗口３８、４２に位置づけされる。

ギャレー９２が後方の変更された後部圧力隔壁４４の空隙５８、６２、６４、６６の中に延在することで、航空機の客室の床スペース２８が広がり、航空機の最後部搭乗口３８、４８への乗客のアクセスが容易になる。ギャレーはさらに、後部隔壁に隣接して延在し、隔壁の空隙の中に延在する壁を備えうる。

図４に示す後部圧力隔壁の別の実施形態では、壁面は、垂直指向のビームと水平指向のビームの後ろで、隔壁ビーム４８、５２上に支持された後方壁面であってよい。この構成では、壁は実質的に平らで隔壁エリア全体に連続しており、その一方で、ビームは間隔を置いて配置されたままであり、これにより床スペースを延長し、ギャレーカートを位置づけするために必要な容積が得られる。

本明細書に記載され説明された本発明の構造物において、本発明の範囲を逸脱せずに様々な変更を行うことができ、前述の説明に含まれる、又は添付の図面に示すすべての事柄は実例的なものであり、限定的と解釈すべきではない。したがって、本発明の幅及び範囲は、上に記載した例示的な実施形態のいずれかによっても限定されるべきではなく、本明細書に添付の下記請求項の範囲、及びこれらの同等物にしたがってのみ定義されるべきである。

本発明の一態様によれば、航空機が提供されており、この航空機は、航空機の客室を含み且つ航空機の機体の前方と航空機の機体の後方との間に縦方向の長さを有する航空機の機体と、航空機の客室の前方と航空機の客室の後方との間に縦方向の長さを有し、側面に沿って対向する航空機の客室の第１機外側壁と第２機外側壁との間に横方向の幅を有する航空機の客室と、航空機の客室の床面と、航空機の客室の後方のギャレーと、航空機の客室の後方の後部圧力隔壁であって、航空機の客室の方に向いた、航空機の客室の第１機外側壁と第２機外側壁との間の航空機の客室の後方全体に横方向に延在している前部壁面を備える後部圧力隔壁を備え、前部壁面は、前部壁面の中央エリアの床面の上に凹型の空隙を有し、空隙は前部壁面の後方に延在し、ギャレーの一部を形成する。

１４ 客室の前方
１６ 客室の後方
１８ 第１機外側壁
２２ 第２機外側壁
２４ 座席の列
２６ 座席の列
２８ 客室の床面
３２ 中央通路
３６ 横の通路
３８ 最後部搭乗口
４２ 最後部搭乗口
４４ 後部圧力隔壁
４６ 圧力壁面
４８ 垂直面指向の支持部材又はビーム
５２ 水平面指向の支持部材又はビーム
５４ 下方水平ビーム
５６ 水平ビーム
５８ 空隙
６２ 空隙
６４ 空隙
６６ 空隙
６８ 空隙の後壁
７２ 空隙の後壁
７４ 空隙の後壁
７６ 空隙の後壁
７８ 垂直面指向のギャレー壁
８２ 垂直面指向のギャレー壁
８４ 垂直面指向のギャレー壁
８６ 垂直面指向のギャレー壁
８８ 垂直面指向のギャレー壁
９０ 上端パネル
９２ 床面
９４ ギャレーカートコンパートメント
９６ ギャレーカートコンパートメント
９８ ギャレーカートコンパートメント
１０２ ギャレーカートコンパートメント
１０４ ギャレーカート
１０６ ギャレーカート
１０８ ギャレーカート
１１２ ギャレーカート

Claims (13)

1. 航空機であって、
   機体と、
   機体の内側にあって床面を有する客室と、
   前記客室の後方のギャレーと、
   前記航空機の機体の後方の後部圧力隔壁と
   を備え、前記後部圧力隔壁は前記航空機の機体の後方で横方向にわたって延在し、前記後部圧力隔壁は機体の最上部と底部の間に延在する第１及び第２の垂直ビームを有し、前記後部圧力隔壁は機体の左側部と右側部の間に延在する水平ビームを有し、第１及び第２の垂直ビームと水平ビームとは相互接続されて枠組を形成し、前記後部圧力隔壁はさらに前記枠組の機体前側の面に取り付けられた圧力壁を有し、
   前記第１及び第２の垂直ビーム及び水平ビームは、ギャレーカートの一部を受け入れるための凹型の空隙を前記圧力壁の客室の床面に隣接した部分に画定する、航空機。
2. 前記凹型の空隙が後壁を有する、請求項１に記載の航空機。
3. 前記圧力壁が実質的に平坦である、請求項１又は２に記載の航空機。
4. 前記第１及び第２の垂直ビームの間の凹型の空隙に、及び前記第１及び第２の垂直ビームの間に延在する前記床面上に位置決めされたギャレーカートをさらに備える、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の航空機。
5. 前記圧力壁が前記第１及び第２の垂直ビームの間の容積を画定する空隙を有する連続的な壁面を備え、前記連続的な壁面が前記ギャレーに隣接して位置づけされる、請求項１乃至４のいずれか１項に記載の航空機。
6. 前記凹型の空隙の中に延在する床面を有するギャレーをさらに備える、請求項１乃至５のいずれか１項に記載の航空機。
7. 航空機の機体後方の側面に沿って対向する側にある一対の最後部搭乗口と、
   前記一対の最後部搭乗口の全体的に後方に位置づけされているギャレーカートコンパートメントと
   をさらに備える、請求項１乃至６のいずれか１項に記載の航空機。
8. 前記第１及び第２の垂直ビームが少なくとも３０．５ｃｍ（１２インチ）の間隔を置いて配置され、前記水平ビームが少なくとも１０１．６ｃｍ（４０インチ）の間隔を置いて配置されている、
   請求項１乃至７のいずれか１項に記載の航空機。
9. 前記凹型の空隙が、横方向に対向する一対のギャレー壁を有する、請求項１乃至８のいずれか１項に記載の航空機。
10. 航空機の客室の床スペースを広げる方法であって、
    後部圧力隔壁であって、前記後部圧力隔壁は前記航空機の機体の後方で横方向にわたって延在し、前記後部圧力隔壁は機体の最上部と底部の間に延在する第１及び第２の垂直ビームを有し、前記後部圧力隔壁は機体の左側部と右側部の間に延在する水平ビームを有し、第１及び第２の垂直ビームと水平ビームとは相互接続されて枠組を形成し、前記後部圧力隔壁はさらに前記枠組の機体前側の面に取り付けられた圧力壁を有し、前記第１及び第２の垂直ビーム及び水平ビームは、ギャレーカートの一部を受け入れるための凹型の空隙を前記圧力壁の客室の床面に隣接した部分に画定する、後部圧力隔壁を前記航空機の客室の後方に位置づけすることと、
    前記凹型の空隙の中に前記床面を位置づけすること
    とを含む方法。
11. 前記床スペースを前記後部圧力隔壁の壁面の後方へ延在させること
    をさらに含む、請求項１０に記載の方法。
12. 前記ギャレーカートの一部が前記後部圧力隔壁の壁面の後方に延在するように、前記凹型の空隙にギャレーカートを仮位置づけすること
    をさらに含む、請求項１０又は１１の方法。
13. 垂直ビームで前記後部圧力隔壁の壁面を支持し、前記凹型の空隙を一対の垂直ビームの間に位置づけすること
    をさらに含む、請求項１０乃至１２のいずれか１項に記載の方法。

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