JP6342026B1 - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の広い運転領域で燃焼の有無を、イオン電流によって精度良く検出することを目的とする燃焼状態検出装置を提供する。【解決手段】点火プラグに前記火花放電が発生しているとき、一次巻線を短絡して一次巻線を含む環流経路を形成する環流装置と、環流経路を流れる環流電流を制御する環流電流制御装置とを備え、イオン電流検出装置により検出されたイオン電流に基づいて、可燃混合気の燃焼状態を検出するように構成される。【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の燃焼状態検出装置に係わり、より詳しくは、内燃機関の広い運転領域で燃焼の有無を精度良く検出できるようにした内燃機関の燃焼状態検出装置に関するものである。
内燃機関の運転に於いて、内燃機関の燃焼室内の燃焼に伴って燃焼室内の混合ガスの分子が電離(イオン化)し、電離状態にある燃焼室内に点火プラグを通じて電圧を印加すると発生する微小な電流が流れる。この微小な電流をイオン電流と称する。火花点火式の内燃機関に於いて、点火プラグを用いて点火した後に燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、検出したイオン電流の大きさやイオン電流が発生している時間等から、ノッキングやプリイグニッション、燃焼限界等の内燃機関の運転状態を検出し、その検出結果に基づいて点火時期を調整し、或いは燃料噴射量を補正することは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前述のように点火プラグをイオン電流検出プローブとして用いる場合、点火装置による点火プラグでの火花放電期間中は火花放電の電流によりイオン電流を用いた燃焼状態の検出ができない。更に、内燃機関の運転条件が高回転高負荷である等の気筒内の燃焼速度が早い場合には、点火時刻から燃焼によるイオン発生終了までの期間が短くなるため、特許文献2にも示されているように、気筒内の燃焼速度が速い場合には燃焼によるイオン発生期間の多くが火花放電期間内に隠れてしまい、イオン電流情報による燃焼状態の検出が困難となるという課題を有している。
この場合、電流遮断型点火装置の一次巻線を短絡させる等によって電流遮断型の点火装置の火花放電を放電途中で強制的に遮断し、運転条件に合わせて火花放電時間を短く調整するとよいとされる。従来から電流遮断型点火装置の火花放電途中で放電遮断する放電停止装置の提案がなされている(例えば、特許文献3参照)。このように運転条件に合わせて火花放電時間を短く調整すると、通常の点火では火花放電に隠れていたイオン電流を検出できるようになる。
特開2009−275625号公報 特開2006‐77762号公報 特開2001‐12338号公報
前述のように、従来、電流遮断型点火装置の火花放電の途中で放電遮断する放電停止装置の提案がなされており、特許文献3に開示された点火装置では、点火エネルギ制御用のサイリスタを点火巻線の一次巻線に対して並列に接続し、点火動作時に点火巻線の一次巻線に誘起する電圧がサイリスタのアノードとカソードとの間に順方向に印加されるようにし、点火時期に点火巻線の一次電流を遮断した後、適当なタイミングで前述のサイリスタをオン状態にして点火巻線の一次巻線を短絡することにより、点火出力を減衰させて火花放電を停止させている。
このような従来の放電停止装置に於いては、点火巻線の一次巻線に電流を流し、点火巻
線の鉄心内に残されている磁束に対応する磁界を発生させ放電を停止し、その後に一次巻線の電流を徐々に減らしていくことで、再放電させることなく内燃機関の次の点火サイクルが始まるまでに放電停止プロセスを終了するようにしているが、点火の間隔が短い内燃機関の高回転運転条件では、放電停止プロセスを終了するためには一次巻線を流れる電流を早く減少させる必要がある。しかるに、一次巻線に流れる電流を早く減少させると、二次巻線側では点火用高電圧と同極性の電圧が発生し点火プラグに印加される。このときの電圧は数百[V]程度であり放電維持電圧には満たないが、放電停止中の点火プラグに印可されることになる。
しかしながら、放電停止中に発生される点火用高電圧と同極性の電圧は、イオン電流検出装置によるイオン電流の検出に悪影響を及ぼし、イオン電流検出装置のイオン電流検出性が低下し、若しくはイオン電流の検出が不可能となることがある。そのため前述のような放電停止装置を備えた点火装置にイオン電流検出装置を単純に適用することは困難であると言う課題が存在する。
この発明は、従来の装置に於ける前述のような課題を解消するためになされたものであり、イオン電流の検出による燃焼状態の把握を、内燃機関の幅広い運転領域で精度よく行なうことができる内燃機関の燃焼状態検出装置を提供することを目的とする。
この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置は、
一次巻線と、前記一次巻線に磁気結合する二次巻線と、を含む点火巻線と、
前記一次巻線へ電流を供給する電源装置と、
前記一次巻線と前記電源装置との間に配置され、前記電流の通電及び遮断を制御するスイッチと、
内燃機関に設けられた点火プラグにより発生された火花放電により、前記内燃機関の燃焼室内の可燃混合気が点火されて燃焼により前記燃焼室内に生ずるイオンをイオン電流として検出するイオン電流検出装置と、
を備え、
前記点火巻線は、
前記スイッチが導通状態にあるとき、前記電源装置から前記一次巻線に電流が供給され、前記内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を燃焼させるための火花放電を前記内燃機関の点火プラグに発生させるエネルギを蓄積し、
前記エネルギが蓄積されている状態で前記スイッチが遮断状態になったとき、前記一次巻線に流れる電流が遮断され、前記点火プラグに前記火花放電を発生させる電圧を前記二次巻線に発生させる、
ように構成され、
前記イオン電流検出装置により検出されたイオン電流に基づいて、前記可燃混合気の燃焼状態を検出するように構成された内燃機関の燃焼状態検出装置であって、
前記点火プラグに前記火花放電が発生しているとき、前記一次巻線を短絡して前記一次巻線を含む環流経路を形成するように構成された環流装置と、
前記環流経路を流れる環流電流を制御するように構成された環流電流制御装置と、
を備え、
前記環流電流制御装置は、
所定の期間に於いて、電流の変化量を減少させ若しくは実質的に一定の電流値となるように前記環流電流を制御する、
ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
この発明による燃焼状態検出装置によれば、点火プラグに火花放電が発生しているとき、一次巻線を短絡して前記一次巻線を含む環流経路を形成するように構成された環流装置と、
前記環流経路を流れる環流電流を制御するように構成された環流電流制御装置を備えているので、環流装置により火花放電を停止させ、その火花放電の停止中に、前記環流電流制御装置により一次巻線に流れる電流値の変化量を減少させ若しくは実質的に一定の電流
値となるように環流電流を制御することで、イオン電流の検出による燃焼状態の把握を、内燃機関の幅広い運転領域で精度よく行なうことができる。
この発明の基礎となる内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の基礎となる内燃機関の燃焼状態検出装置に、通常の放電停止装置を組込んだ場合の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置の基本構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける、電子制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による内燃機関の燃焼状態検出装置の基本構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3、及び実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の基本構成例である。 この発明の実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける、電子制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作タイミングチャートである。 この発明の実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける、電子制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
発明の基礎となる技術
先ず、この発明の基礎となる技術について説明する。図1は、この発明の基礎となる内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートであって、Aは点火信号の波形、Bは点火巻線の一次電流I1の波形、Cは点火プラグの中心電極電の電位Vpの波形、Dは点火巻線の二次電流I2の波形、Eはイオン電流Iionの波形、をそれぞれ示している。
図1に於いて、時刻t11にて、点火信号が「Low」レベルから「Hi」レベルに変化すると、点火巻線の一次電流I1が「0」から漸次増大する。点火プラグの中心電極の電位Vpは、点火信号が「Hi」レベルになった時刻t11でイオン検出用バイアス電圧以上に立ち上がった後、漸次低下する。時刻t12に於いて点火信号が「Hi」レベルから「Low」レベルに変化すると、点火巻線の一次巻線に流れる一次電流I1が遮断され、点火巻線の二次巻線に高電圧が発生し、点火巻線の二次巻線に接続された点火プラグの中心電極に逆極性の火花放電電圧が印加される。
これにより点火プラグの電極間に火花放電が発生し、点火巻線の二次電流I2は、時刻t12に於いて瞬時に立ち上がり、以降、漸次減少して時刻t13に於いて「0」となる。又、点火プラグの中心電極の電位Vpは、時刻t12に於いて火花放電電圧に達した後、漸次低下して時刻t13に於いて点火プラグの電極間に印加されているイオン検出用バイアス電圧に戻る。周知のように、現在主流のイオン電流を検出するためのイオン電流検出装置としては、点火プラグによる火花放電の発生時に発生する火花放電電流としての二次電流I2によりコンデンサを一定電圧に充電し、火花放電後にこのコンデンサを放電することで、点火プラグの電極間に点火用高電圧とは逆極性のイオン検出用バイアス電圧(百〜数百[V]程度)を印加し、このときに流れるイオン電流を検出するように構成されている。
点火プラグの電極間の火花放電が発生することにより内燃機関の燃焼室内にイオンが発生し、前述のイオン電流検出用のバイアス電圧に基づいてイオン電流が点火プラグの電極間を介して流れる。イオン電流は、時刻t12に於ける火花放電の発生後、破線で示す波形で示されるように流れるが、点火プラグをイオン電流検出プローブとして用いる場合、点火プラグでの火花放電期間中は、イオン電流が火花放電による放電電流に隠れてしまうのでイオン電流を検出することができず、イオン電流を用いた燃焼状態の検出ができないこととなる。
更に、内燃機関の運転条件が高回転高負荷であるなど気筒内の燃焼速度が早い場合には、点火時刻から燃焼によるイオン発生終了までの期間(時刻t12から時刻t13までの区間)が短くなるため、特許文献2に示されているように、燃焼によるイオン発生期間の多くが火花放電期間内に隠れてしまい、イオン電流情報による燃焼状態の検出が困難となる。
そこで、特許文献3に開示されているように、電流遮断型点火装置を採用し、点火巻線の一次巻線を短絡させることで電流遮断型の点火装置の火花放電を放電途中で強制的に遮断し、内燃機関の運転条件に合わせて火花放電時間を短く調整する技術が提案されている。この場合、内燃機関の運転条件に合わせて火花放電時間を短く調整することにより、火花放電による放電電流の消滅後にイオン電流が流れることとなり、火花放電による放電電流にイオン電流が隠れることがなくなり、イオン電流を検出することができる。
図2は、この発明の基礎となる内燃機関の燃焼状態検出装置に通常の放電停止装置を組込んだ場合の動作を示すタイミングチャートである。図2に於いて、Aは点火信号の波形、Bは点火巻線の一次側短絡信号の波形、Cは点火巻線の一次電流I1の波形、Dは点火プラグの中心電極の電位Vpの波形、Eは点火巻線の二次電流I2の波形、Fはイオン電流Iionの波形、をそれぞれ示している。
図2に於いて、時刻t21にて、点火信号が「Low」レベルから「Hi」レベルに変化すると、点火巻線の一次電流I1が「0」から漸次増大する。点火プラグの中心電極の電位Vpは、点火信号が「Hi」レベルになった時刻t21でイオン検出用バイアス電圧以上に立ち上がった後、漸次低下する。時刻t22に於いて点火信号が「Hi」レベルから「Low」レベルに変化すると、点火巻線の一次巻線に流れる一次電流I1が遮断され、点火巻線の二次巻線に高電圧が発生し、点火巻線の二次巻線に接続された点火プラグの中心電極に逆極性の火花放電電圧が印加される。
これにより点火プラグの電極間に火花放電が発生し、点火巻線の二次電流I2は、時刻t22に於いて瞬時に立ち上がり、時刻t23に至るまで漸次減少する。放電停止装置を備えた電流遮断型点火装置の場合、点火動作時に点火巻線の一次巻線に誘起する電圧がアノードカソード間に順方向に印加される向きの点火エネルギ制御用のサイリスタを備えており、このサイリスタが点火巻線の一次巻線に対して並列に接続されている。内燃機関の点火時点である時刻t22に於いて点火巻線の一次電流I1を遮断した後、適当なタイミングである時刻t23に於いて点火巻線の一次巻線を短絡するための一次側短絡信号が「Low」レベルから「Hi」レベルに変化する。これにより、点火エネルギ制御用のサイリスタは、時刻t23に於いてオン状態となり、点火巻線の一次巻線を短絡し、点火出力を減衰させて、火花放電を停止させる。
このような放電停止装置を備えた電流遮断型点火装置に於いては、一次電流I1を遮断した後、適当なタイミングである時刻t23に於いて一次巻線に電流を流し、点火巻線の鉄心内に残されている磁束に対応する磁界を発生させて火花放電を停止し、その後に一次巻線の電流を徐々に減少させていくことで、再放電させることなく内燃機関の次の点火サイクルが始まるまでに放電停止プロセスを終了させる。
点火の間隔が短い高回転運転条件に対応するには、一次巻線を流れる一次電流I1を早く減少させる必要があるが、この電流減少により二次巻線側では点火用高電圧と同極性の電圧が発生し、点火プラグに印加される。点火プラグでの火花放電が停止していることから明らかなようにこの電圧は放電維持電圧に満たないが、放電停止中に数百[V]程度の電圧が発生していることになる。
しかしながら、二次巻線に発生する点火用高電圧と同極性の電圧は、イオン電流検出を行う際には悪影響を及ぼす。何故ならば、通常のイオン電流を検出するためのイオン電流検出装置は、前述のように点火プラグによる火花放電の発生時に発生する火花放電電流としての二次電流I2によりコンデンサを一定電圧に充電し、火花放電後にこのコンデンサを放電することで、点火プラグの電極間に点火用高電圧とは逆極性のイオン検出用バイアス電圧(百〜数百[V]程度)を印加し、このときに流れるイオン電流を検出するものであり、このため、図2のt24からt25の期間に示すように、放電停止中に発生する点火用高電圧と同極性の電圧は、このイオン検出用バイアス電圧が点火プラグに印加されるのを阻害し、イオン電流検出能力を低下させ、又はイオン電流の検出を不可能にさせてしまうからである。
そこで、放電停止により二次巻線に発生する点火用高電圧と同極性の電圧数百[V]の電圧の影響に打ち勝つイオン検出用バイアス電圧を発生させるようにコンデンサを火花放電電流によってコンデンサを充電する対応策が考えられるが、その場合には点火巻線のエネルギが低下し燃焼が悪化する運転領域での点火性能を悪化させるだけでなく、イオン電流検出装置の耐久信頼性の観点からも現実的ではない。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置について説明する。図3は、この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置の基本構成を示す構成図である。この発明の実施の形態1では、単気筒の内燃機関について説明を行うが、この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置は、複数気筒を備える内燃機関についても適用できる。その場合、同様な基本構成のイオン電流検出装置を気筒毎に備えるようにしてもよいし、環流電流制御装置等の燃焼状態検出装置の一部構成要素を複数気筒で共有するようにしてもよい。
図3於いて、この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置は、イオン電流を検出するイオン電流検出回路11と、定電圧を出力する電源装置12と、内燃機関の気筒に設けられ、中心電極である第1の電極13aとこの第1の電極に対して所定の間隙を介して対向する第2の電極13bを備えた点火プラグ13と、一次巻線L1とこの一次巻線L1と鉄芯を介して磁気結合し点火用高電圧を発生する二次巻線L2とを有する点火巻線14と、一次巻線L1に並列接続され、この一次巻線L1の両端を短絡する環流装置を構成するためのダイオード15と、二次巻線L2の低圧側に接続された逆流防止用ダイオード16と、二次巻線L2と逆流防止用ダイオード16の間に挿入されたツェナーダイオード17と、ツェナーダイオード17に並列接続されたコンデンサ20と、例えばトランジスタにより構成され電源用スイッチとなる第1のスイッチSW1と、一次巻線L1と
直列接続された点火制御のための第2のスイッチSW2と、環流電流制御装置21と、電子制御装置(以下、ECUと称する)22とを備えている。
前述の環流電流制御装置21は、一端が一次巻線L1と第1のスイッチSW1との接続部に接続された抵抗素子18と、抵抗素子18と並列接続された第3のスイッチSW3とにより構成されている。環流電流制御装置21は、前述の環流装置を構成するダイオード15に直列に接続されている。ECU22は、第1のスイッチSW1への駆動信号S1と、第2のスイッチSW2への駆動信号S2と、第3のスイッチSW3への駆動信号S3とを出力する。
この実施の形態1では、一次巻線L1を短絡して一次巻線L1を含む環流経路を形成する環流装置は、ダイオード15と点火制御のための第2のスイッチSW2により構成されているが、一次巻線L1を短絡できれば任意の手段でよく、例えばサイリスタやトランジスタ等の任意のスイッチング素子を用いて一次巻線L1を短絡する構成としてもよい。
又、環流電流制御装置21は、第3のスイッチSW3と並列接続された、環流経路の抵抗値を調整する抵抗素子18により構成されているが、これは説明のための最も簡素な構成である。ここで環流電流制御装置21は、一次巻線L1の電流値を制御可能であれば任意の構成でよい。例えば、抵抗素子とスイッチング素子のセットを多数組み合わせることや可変抵抗等を用いて細かに環流経路の抵抗値を変更し電流制御できる構成でもよいし、スイッチング素子や電源等を用いた任意の定電流回路による電流制御の構成でもよい。
ECU22からの第1のスイッチSW1への駆動信号S1、第2のスイッチSW2への駆動信号S2、及び第3のスイッチSW3への駆動信号S3が「Hi」レベルの場合に、対応するスイッチはオン状態となって通電可能となり、ECU22からの第1のスイッチSW1への駆動信号S1、第2のスイッチSW2への駆動信号S2、及び第3のスイッチSW3への駆動信号S3が「Low」レベルの場合に、対応するスイッチはオフ状態となり電流は遮断される。ここで、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2、及び第3のスイッチSW3は、それぞれ絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor : IGBT)やトランジスタ等の任意のスイッチング手段を用いることができる。
従って、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとが対向する間隙に火花放電を発生させる場合、火花放電のための通電スイッチである第1のスイッチSW1への駆動信号S1を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えた後、第2スイッチへの駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることにより、点火巻線14の一次巻線L1への通電が開始され、火花放電の為の通電を十分に行った後、第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで点火巻線14の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、この電圧が点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に印加されることで、点火プラグ13の第1の電極13a−と第2の電極13bとの間に間隙に火花放電が発生する。
次に、第1のスイッチSW1の駆動信号S1が「Low」レベルであり、第2のスイッチSW2の駆動信号S2が「Hi」レベルであり、第3のスイッチSW3の駆動信号S3が「Hi」レベルである場合には、点火巻線14の一次巻線L1の両端がダイオード15により短絡されて、一次巻線L1とダイオード15による閉回路、つまり環流経路が形成される。このとき、ダイオード15により、一次巻線L1に流れる環流電流は、火花放電のための通電のときに流れる方向と同じ方向にのみ流れることが許容される。ここで、ダイオード15は、一次巻線L1と短絡し、一次巻線L1を含む環流装置を構成する。
次に、この第3のスイッチSW3の駆動信号S3を「Low」レベルにすることで、抵抗素子18を介して環流電流が流れるようになり、一次巻線L1の短絡経路の抵抗値が増大する。
図4は、この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートであって、Aは駆動信号S1の波形、Bは駆動信号S2の波形、Cは駆動信号S3の波形、Dは一次電流I1の波形、Eは点火プラグの中心電極の電位Vpの波形、Fは点火巻線の二次電流I2の波形、Gはイオン電流Iionの波形、をそれぞれ示している。
図4の時刻t30に於いて、第1のスイッチSW1への駆動信号S1を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えた後、時刻t31に於いて第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、点火巻線14の一次巻線L1に一次電流I1を流す。その後、予め設定された通電時間が経過した時刻t32にて、駆動信号S1、及び駆動信号S2をそれぞれ「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることにより、点火巻線14の一次巻線L1への一次電流I1を遮断すると、点火プラグ13の中心電極である第1の電極13aに負の点火用高電圧が印加されて、中心電極の電位Vpが急峻に低下し、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間の間隙に火花放電が発生する。
点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間の間隙に火花放電が発生してから、時刻t33にて第3のスイッチSW3への駆動信号S3を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えた後、内燃機関の運転状態に基づいて算出された火花放電持続時間が経過した時刻t34にて、再び第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替える。
これにより、一次巻線L1に一次電流I1が再び流れはじめ、時刻t35にて点火巻線14の鉄芯に残されている磁束に対応する磁界を発生する電流値にまで再通電の一次電流I1が達すると、火花放電時に二次巻線L2に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線L2に誘導され、第1の電極13aと第2の電極13bとの間の電圧が放電維持電圧を下回り、点火プラグ13での火花放電が強制的に遮断される。
時刻t34に於いて第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、第3のスイッチSW3への駆動信号S3の「Hi」レベルを維持することにより、点火巻線14の一次巻線L1とダイオード15とからなる環流経路としての閉回路が形成され、閉回路に電流が流れ始める。点火巻線14に残されていた磁束が一次巻線L1とダイオード15により形成される閉回路により消費されていくが、これは抵抗成分の小さい閉回路による環流であり点火巻線14内の磁束消費速度が遅いため、一次巻線L1を通る電流値変化が小さくなり、放電停止中に二次巻線L2側で発生する電圧レベルが低く抑えられる。これにより、点火プラグ13に印加されるイオン検出用バイアス電圧への影響が小さくなる。
時刻t35から時刻t36までの期間がイオン電流検出期間である。イオン電流検出期間が終了する時刻t36に於いて、第3のスイッチSW3への駆動信号S3を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで、一次巻線L1とダイオード15により形成される閉回路に抵抗素子18が挿入されることになり、環流経路の抵抗成分が上昇する。これにより点火巻線14内の磁束消費速度を早くすることができ、無駄な巻線発熱と放電停止サイクルの長期化を抑制することができる。
一次巻線L1を流れる電流値変化が大きくなるため放電停止中に二次巻線L2側で発生
する電圧レベルが高くなるが、このとき発生する電圧(数百[V]程度)に比べて再絶縁破壊電圧は圧倒的に高電圧(数[kV]から数十[kV])であるため点火プラグ電極間での再度の火花放電は発生しない。例えば、再絶縁破壊することなく磁束消費速度を早くするには閉回路の抵抗成分を0.1[Ω]から10[Ω]程度に調整するとよい。
又、時刻t36は任意に決定可能であるが、点火巻線14の発熱を最小限に抑制するには、内燃機関の運転状態に合わせて逐次算出、又はマップを作成し、或いはイオン電流検出回路11によるイオン電流検出の結果により算出すればよい。例えば、内燃機関の運転状態やマップにより予め設定したイオン電流検出期間終了時刻までに、イオン電流による気筒内の燃焼状態判断が完了された場合は、その判断完了時刻をもって時刻t36とすればよい。
時刻t37に於いて、第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで、一次巻線L1とダイオード15により形成される閉回路が解放され、内燃機関の1燃焼サイクルに於ける放電停止動作が終了する。
このように、イオン電流検出期間である時刻t35から時刻t36までの期間で、一次巻線L1に流れる電流の変化が小さくなるように制御されることで、二次巻線L2側で発生する電圧レベルが低く抑えられる。これにより、点火プラグ13に印加されるイオン電流検出用のバイアス電圧への影響が低く抑えられ、バイアス電圧発生用のコンデンサ充電電圧を大きく上げることなく、イオン電流検出用のバイアス電圧を点火プラグ13に安定して印加することが可能となる。そのため、放電停止中もイオン電流検出性が低下またはイオン電流検出不可能とならずに燃焼状態を精度よく検出できる。
更に、放電停止中の一次巻線L1に流れる電流値の変化が小さくなるように、若しくは電流値が一定になるように制御する期間をイオン電流検出期間のみとすることで、一次巻線L1の無駄な発熱を抑制することや、放電停止の1サイクルに要する期間の長期化を最小限に抑えることができ、機関の高回転時にも対応できる。例えば、上記の期間を、火花放電遮断完了時刻(たとえばBTDC10°)から排気工程に入るまでのATDC90°の期間内にすることができる。
図5は、この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける、電子制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。ECU22は、内燃機関の火花放電発生時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものであり、以下に説明する点火制御処理のために、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力)、回転速度、スロットル開度、冷却水温、吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理を行っている。
図5に於いて、先ず、ステップ(以下、STと称する)00に於いて、運転状態の読み込みを開始し、ST01では読み込んだ運転状態を基に火花放電発生時刻と火花放電維持時間とを設定する。
次に、ST02にて火花放電発生時刻と火花放電維持時間と機関運転状態を基に、点火プラグ13の火花放電の為の一次巻線L1の初期通電期間(駆動信号S1の「Hi」レベル期間)と、一次巻線L1の両端を短絡し環流経路を形成して一次巻線L1に於ける一次電流の環流期間(駆動信号S2の「Hi」レベル期間)と、イオン電流検出期間(駆動信号S3の「Hi」レベル期間)と、を設定する。なお、各駆動信号S1、S2、S3の初期値は「Low」レベルである。
ST03では、設定された一次電流の初期通電期間に基づき初期通電期間開始時期に達
したか否かを判断し、否定された場合(No)は、ST03を繰り返して待機する。初期通電期間開始時期に達したと判断されると(Yes)、ST04に移行する。
ST04で駆動信号S1が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられ、ST05にて駆動信号S2が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられる。これにより点火巻線14の一次巻線L1に通電が開始される。
次に、ST06にて点火巻線14の一次巻線L1への初期通電期間が事前に設定した時間に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機する。設定した時間に達したと判断されると(Yes)、ST07に移行する。
ST07にて、駆動信号S1及び駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替える。これにより、点火巻線14の一次巻線L1に流れていた一次電流I1が遮断され、点火巻線14の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
ST07での火花放電後、ST08にて駆動信号S3を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、点火巻線14の一次巻線L1の両端を短絡させて放電を停止すための準備をする。駆動信号S2が「Low」レベルのため、このとき点で点火巻線14の一次巻線L1の両端が短絡することはない。
次に、ST09では事前に設定された一次巻線環流期間の開始時期に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機し、肯定されると(Yes)ST10に移行する。
ST10にて駆動信号S2が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられ、点火巻線14の一次巻線L1の両端が短絡されることで一次巻線L1に電流が流れはじめ、火花放電が強制的に遮断される。放電停止後は環流電流制御装置21により一次巻線L1を流れる一次電流I1の電流変化が小さくなるように制御される。
ST10にて火花放電が遮断された後、ST11ではイオン電流検出回路11によって検出されたイオン電流情報の読み込みを開始する。
次に、ST12では事前に設定されたイオン電流検出期間の終了時刻に達したか否かを判断し、否定される(No)とST13に移動し、肯定される(Yes)とST14に移動する。
ST13では、イオン電流検出情報に基づいてECU22による燃焼状態判断が完了したか判断する。否定される(No)と再びST12に戻り、完了したと判断される(Yes)と、事前に設定されたイオン電流検出期間の終了時刻を待たずにST14に移動する。
ST14ではイオン電流検出情報の読み込みを終了し、ST15で駆動信号S3が「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えられ、抵抗成分の大きな閉回路での環流により点火巻線内に残されている磁気エネルギが積極的に消費される。
次に、ST16にて、事前に設定された一次巻線環流期間の終了時刻に達したか否かを判断し、否定される(No)と同ステップを繰りかえし、肯定される(Yes)とST17に移動する。
ST17では、駆動信号S2が「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えられ、一次巻線L1の短絡経路が解放され、ECU22に於いて実行されるイオン電流検出処理を終了する。このようにイオン電流検出期間のみで一次巻線L1に流れる電流値変化が小さくなるように若しくは電流値が一定になるように制御することで、一次巻線L1への余分な通電をできる限り短くし、点火巻線14の無駄な発熱を抑制することができる。
尚、この実施の形態1では一次巻線環流期間の終了時刻を内燃機関の運転状態から事前に設定したが、センス抵抗等の任意の電流検出手段を用いて一次巻線L1の電流値を計測し、リアルタイムに一次巻線環流期間の終了時刻を決定するようにしてもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による内燃機関の燃焼状態検出装置について述べる。前述の実施の形態1では、一次巻線L1を短絡させる閉回路の抵抗値を調整することで一次巻線L1を通る電流変化を小さくするように制御していた。しかしながら、一次巻線L1の巻線抵抗やスイッチング素子のオン抵抗等の抵抗成分をゼロにすることはできず、鉄心内の磁束が徐々に消費され起電力が低下していくため、放電停止中の電流減少が少なからず起こる。従って、環流中に二次巻線L2側で発生する点火用高電圧と同極性の電圧発生を完全に無くすことはできない。そのため図4の中心電極電位のようにイオン検出期間中のイオン検出用バイアス電圧は少なからず低下することとなる。イオン検出用バイアス電圧が低下すると、内燃機関の高いEGR(排気ガス環流)率の条件やリーン燃焼条件等の燃焼によるイオン発生量が少ない条件でイオン電流検出レベルが下がり、燃焼状態の検出が困難になる可能性がある。
そのような場合、実施の形態1でも一部述べたように、環流電流制御装置はスイッチング素子や電源等を用いた任意の定電流回路による電流制御の構成によって、イオン電流検出期間の一次巻線L1を通る電流値が一定になるように電流制御するとよい。一次巻線L1の電流変化によって発生する二次巻線L2側の電圧変化は一次巻線L1と二次巻線L2の巻き数比等の点火巻線の特性によって決まるが、この電流変化を無くすことで二次巻線L2側が放電停止動作の影響を受けなくなる。よって、イオン電流検出用バイアス電圧が低下することなくプラグに印加し、より安定した高精度なイオン電流検出を行うことができる。
図6は、この発明の実施の形態2による内燃機関の燃焼状態検出装置の基本構成を示す構成図である。図6に示す実施の形態2は、定電流電源によって一次巻線を流れる電流が一定になるように積極的に制御するようにしたものであり、イオン電流検出性向上を図るための最も単純な例である。以下の説明では単気筒の内燃機関について説明を行うが、この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置は、複数気筒を備える内燃機関についても適用できる。その場合、同様な基本構成のイオン電流検出装置を気筒毎に備えるようにしてもよいし、環流電流制御装置等の燃焼状態検出装置の一部構成要素を複数気筒で共有するようにしてもよい。
図6に於いて、この発明の実施の形態2による内燃機関の燃焼状態検出装置は、イオン電流を検出するイオン電流検出装置としてのイオン電流検出回路11と、定電圧を出力する電源装置12と、内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1と二次巻線L2とからなり点火用高電圧を発生する点火巻線14と、一次巻線L1の両端を短絡する環流装置を構成するための一次巻線L1と並列接続されたダイオード15と、二次巻線L2の低圧側に接続された逆流防止用ダイオード16と、二次巻線L2と逆流防止用ダイオード16の間に挿入されたツェナーダイオード17と、ツェナーダイオード17に並列接続されたコンデンサ20と、電源用スイッチ(例えばトランジスタ)となる第1のスイッチSW1と、一次巻線L1と直列接続された点火制御のための第2のスイッチSW2
と、環流電流制御装置21内の磁束消費素子としての抵抗素子18と、定電流制限部23を構成する抵抗素子19と第4のスイッチSW4と、電子制御装置(以下、ECUと称する)22とを備えている。
前述の環流電流制御装置21に於いて、抵抗素子18は、一端が一次巻線L1と第1のスイッチSW1との接続部に接続され、他端はダイオード15に接続されている。抵抗素子19は、一端が一次巻線L1と第1のスイッチSW1との接続部に接続され、他端が第4のスイッチSW4に接続されている。第4のスイッチSW4は、抵抗素子19と電源装置12との間に接続されている。ECU22は、第1のスイッチSW1への駆動信号S1と、第2のスイッチSW2への駆動信号S2と、第4のスイッチSW4への駆動信号S4とを出力する。
この実施の形態2では、環流装置はダイオード15と点火制御のための第2のスイッチSW2により構成されているが、一次巻線L1を短絡できれば他の任意の手段でよく、例えばサイリスタやトランジスタ等の任意のスイッチング素子を用いて一次巻線L1を短絡する構成としてもよい。
説明のため、環流電流制御装置21に於ける定電流制限部23は、簡易とするために第4のスイッチSW4と抵抗素子19により構成しているが、これは説明のための最も単純な構成例であり、一次巻線L1を流れる電流を一定に制御できればよく、他の構成としてもよい。例えば、抵抗素子とスイッチング素子のセットを多数組み合わせることや、可変抵抗等を用いることや、トランジスタのベース電流を制御する等で、電流を精密に制御できるようにすることができる。又、磁束消費用の抵抗素子18も可変抵抗等の任意の負荷素子を用いることができる。
ECU22からの第1のスイッチSW1への駆動信号S1、第2のスイッチSW2への駆動信号S2、及び第4のスイッチSW4への駆動信号S4が「Hi」レベルの場合に、各スイッチはON状態となり、通電可能となる。ここで、各スイッチはIGBTやトランジスタ等の任意のスイッチング手段を用いることができる。
従って、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電を発生させる場合、火花放電のための通電スイッチである第1のスイッチSW1への駆動信号S1を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えた後、第2のスイッチへの駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることにより点火巻線14の一次巻線L1への通電が開始され、火花放電の為の通電を十分に行った後、第2のスイッチSW2の駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで点火巻線14の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、これが点火プラグ13に印加されることで、点火プラグの第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
次に、第1のスイッチSW1の駆動信号S1が「Low」レベルであり、第2のスイッチSW2の駆動信号S2が「Hi」レベルであり、第4のスイッチSW4の駆動信号S4が「Hi」レベルである場合には、点火巻線14の一次巻線L1と定電流制限部23による閉回路が形成される。
次に、第1のスイッチSW1の駆動信号S1が「Low」レベルであり、第2のスイッチSW2の駆動信号S2が「Hi」レベルであり、第4スイッチの駆動信号S4が「Low」レベルである場合には、点火巻線14の一次巻線L1の両端がダイオード15により短絡されて、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18による閉回路が形成される。このとき、ダイオード15により、一次巻線L1に流れる電流は前述の火花放電の為の通電の時に流れる方向と同じ方向にのみ流れることが許容される。
図7は、この発明の実施の形態2による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートであって、Aは駆動信号S1の波形、Bは駆動信号S2の波形、Cは駆動信号S4の波形、Dは一次電流I1の波形、Eは点火プラグの中心電極の電位Vpの波形、Fは点火巻線の二次電流I2の波形、Gはイオン電流Iionの波形、をそれぞれ示している。
図7に於いて、時刻t40に於いて、第1のスイッチSW1への駆動信号S1を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えた後、時刻t41に於いて第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、点火巻線14の一次巻線L1に一次電流I1を流す。その後、予め設定された通電時間が経過した時刻t42にて、駆動信号S1、S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることにより、点火巻線14の一次巻線L1への一次電流I1を遮断すると、点火プラグ13の中心電極としての第1の電極13aに負の点火用高電圧が印加されて、その電位Vpが急峻に低下し、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
そして、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生し、時刻t43にて第4のスイッチSW4への駆動信号S4を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替える。その後、内燃機関の運転状態に基づいて算出された火花放電持続時間が経過した時刻t44にて再び第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることで、定電流制限部23を介して一次巻線L1に電流が再び流れはじめる。
そして、時刻t45にて、点火巻線14の鉄芯に残されている磁束に対応する磁界を発生する電流値にまで再通電の一次電流I1が達すると、火花放電時に二次巻線L2に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線L2に誘導され、第1の電極13aと第2の電極13bとの間の電圧が放電維持電圧を下回ると、点火プラグ13での火花放電が強制的に遮断される。ここで、定電流制限部23を構成する抵抗素子19の抵抗値は、放電停止に要する電流に過不足の無い電流値で一定電流になるように調整されている。
時刻t45に於いて点火巻線14の一次巻線L1側に定電流制限部23と電源装置12とによる閉回路が形成され、この閉回路に一定の一次電流I1が流れ始める。放電停止中の電流変化が無くなるため放電停止による二次巻線L2側での電圧が発生せず、イオン検出用バイアス電圧は放電停止の影響を受けずにコンデンサ20からの安定した電圧が点火プラグ電極に印加されることとなる。
イオン電流検出期間である時刻t45から時刻t46までの期間が終了する時刻t46に於いて、第4のスイッチSW4への駆動信号S4を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで、一次巻線L1側と定電流制限部23とにより形成される閉回路が解放される。
その後、点火巻線14の一次巻線L1の両端がダイオード15により短絡されて、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18による抵抗成分の大きな閉回路が形成される。これにより点火巻線14内の磁束消費速度を早くすることができ、無駄な点火巻線14の発熱と放電停止サイクルの長期化を抑制することができる。一次巻線L1を流れる電流値の変化が大きくなるため、放電停止中に二次巻線L2側に発生する電圧レベルが高くなるが、このとき発生する電圧(数百[V]程度)に比べて再絶縁破壊電圧は圧倒的に高電圧(数[kV]から数十[kV])であるため、点火プラグ13の電極間での再度の火花放電は発生しない。例えば、再絶縁破壊することなく磁束消費速度を早くするには、閉回路の抵抗成分を0.1[Ω]から10[Ω]程度に調整すればよい。
又、時刻t46は任意に決定可能であるが、点火巻線14の発熱を最小限に抑制するには、内燃機関の運転状態に合わせて逐次算出又はマップを作成し、或いはイオン電流検出結果により算出すればよい。例えば、内燃機関の運転状態やマップにより予め設定したイオン電流検出期間の終了時刻までに、イオン電流による内燃機関の気筒内の燃焼状態判断が完了された場合は、その判断完了時刻をもって時刻t46とすればよい。
時刻t47に於いて、第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18により形成される閉回路が解放され、内燃機関の1燃焼サイクルに於ける放電停止動作が終了する。この実施の形態2では環流電流制御装置21の電源と、点火プラグ13で火花放電させるための一次電流を通電させる電源とを電源装置12により共用したが、共用せず別電源としてもよい。
このように、イオン電流検出期間としての時刻t45から時刻t46までの期間で一次巻線L1に流れる電流の電流変化が無くなるため、二次巻線L2側での電圧が発生せず、イオン検出用バイアス電圧は放電停止の影響を受けない。従って、従来のイオン電流検出装置と同様にコンデンサからの安定したイオン検出用バイアス電圧が点火プラグ電極に印加されることとなる。このように、放電停止に発生する点火用高電圧と同極性の電圧に打ち勝つためにバイアス電圧発生用のコンデンサの充電電圧を数百[V]程度上昇させる必要はなくなるので、放電停止中も従来通りのコンデンサ充電電圧での安定した高精度なイオン電流検出が可能となる。
更に、放電停止中の一次巻線L1を流れる電流を一定値に制御する期間をイオン電流検出期間のみとすることで、一次巻線L1の無駄な発熱を抑制することや、放電停止の1サイクルに要する期間の長期化を最小限に抑えることができ、内燃機関の高回転時にも対応することができる。
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置について述べる。この発明の実施の形態3では、前述の実施の形態2では詳しく示されていなかった環流電流制限値の決定の仕方を具体的に示すものである。図8は、この発明の実施の形態3、及び後述する実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の基本構成例である。尚、この実施の形態3では、単気筒の内燃機関について説明を行うが、この発明は複数気筒を備える内燃機関についても適用できる。その場合、同様な基本構成のイオン電流検出装置を気筒数分備えてもよいし、環流電流制御装置等の燃焼状態検出装置の一部構成要素を複数気筒で共有してもよい。
図8に於いて、この実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置は、イオン電流を検出するイオン電流検出装置としてのイオン電流検出回路11と、定電圧を出力する電源装置12と、内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1と二次巻線L2とからなり点火用高電圧を発生する点火巻線14と、一次巻線L1の両端を短絡する環流装置を構成するための一次巻線L1と並列接続されたダイオード15と、二次巻線L2の低圧側に接続された逆流防止用ダイオード16と、二次巻線L2と逆流防止用ダイオード16の間に挿入されたツェナーダイオード17と、ツェナーダイオード17に並列接続されたコンデンサ20と、電源用スイッチ(例えばトランジスタ)となる第1のスイッチSW1と、一次巻線L1と直列接続された点火制御のための第2のスイッチSW2と、環流電流制御装置21内の磁束消費素子の抵抗素子18と、電子制御装置(以下、ECUと称する)22と、環流電流の電流値を計測しECU22へ入力する電流検出装置25を構
成する電流検出抵抗26と差動増幅器27と、を備えている。
前述の環流電流制御装置21に於いて、抵抗素子18は、一端が一次巻線L1と第1のスイッチSW1との接続部に接続され、他端はダイオード15に接続されている。抵抗素子19は、一端が一次巻線L1と第1のスイッチSW1との接続部に接続され、他端が第4のスイッチSW4に接続されている。第4のスイッチSW4は、抵抗素子19と電源装置12との間に接続されている。ECU22は、第1のスイッチSW1への駆動信号S1と、第2のスイッチSW2への駆動信号S2と、第4のスイッチSW4への駆動信号S4とを出力する。
この実施の形態3では、環流装置はダイオード15と点火制御のための第2のスイッチSW2により構成されているが、一次巻線L1を短絡できれば任意の手段でよく、例えばサイリスタやトランジスタ等の任意のスイッチング素子を用いて一次巻線L1を短絡する構成であってもよい。
説明のため環流電流制御装置21の定電流制限部23は簡易に第4のスイッチSW4と可変抵抗器24としているが、これは説明のための最も単純な構成例であり、一次巻線L1を流れる電流をECU22からの指令電流値になるように制御できればよく、定電流制限部23の構成は前述の構成に限らない。例えば、抵抗素子とスイッチング素子のセットを多数組み合わせることや、可変抵抗等を用いることや、トランジスタのベース電流を制御する等で、電流を精密に制御できるようにすることができる。又、磁束消費用の抵抗素子18も可変抵抗等の任意の負荷素子を用いることができる。
ECU22からの第1のスイッチSW1への駆動信号S1、第2のスイッチSW2への駆動信号S2、及び第4のスイッチSW4への駆動信号S4が「Hi」レベルの場合に、各スイッチはON状態となり、通電可能となる。ここで、各スイッチはIGBTやトランジスタ等の任意のスイッチング手段を用いることができる。
ECU22からの定電流制限部23への電流制限信号S5が「Low」レベルであれば閉回路の電流を制限せず、「Hi」レベルであればECUからの指令された電流値になるように閉回路の電流値が制御される。
この実施の形態3では電流検出装置の構成に電流検出抵抗と差動増幅器を用いたが、電流検出手段はカレントトランス等の任意の手法を用いてもよい。又、電流検出装置の設置箇所は一次巻線L1の電流を検出可能ならば任意の箇所でよく、例えば点火制御のための第2のスイッチSW2と一次巻線L1との間などに設置してもよい。
従って、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電を発生させる場合、火花放電のための通電スイッチである第1のスイッチSW1への駆動信号S1を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えた後、第2のスイッチへの駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることにより、点火巻線14の一次巻線L1への通電が開始され、火花放電の為の通電を十分に行った後、第2のスイッチSW2の駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで点火巻線14の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、これが点火プラグ13に印加されることで、点火プラグの第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
次に、第1のスイッチSW1の駆動信号S1が「Low」レベルであり、第2のスイッチSW2の駆動信号S2が「Hi」レベルであり、第4のスイッチSW4の駆動信号S4が「Hi」レベルである場合には、点火巻線14の一次巻線L1と定電流制限部23による閉回路が形成される。このとき、電流制限信号S5が「Low」レベルであれば、閉回
路の電流は制限させず、「Hi」レベルであればECU22から指令された電流値になるように、定電流制限部23によって閉回路の電流値が制御される。ここでは説明の簡略化ためECU22から環流電流制御装置21への電流値指示手段は省略してあるが、電流値はパルス信号や信号電圧値等の任意の指示手段によって指示される。
次に、第1のスイッチSW1の駆動信号S1が「Low」レベルであり、第2のスイッチSW2の駆動信号S2が「Hi」レベルであり、第4スイッチの駆動信号S4が「Low」レベルである場合には、点火巻線14の一次巻線L1の両端がダイオード15により短絡されて、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18による閉回路が形成される。このとき、ダイオード15により、一次巻線L1に流れる電流は前述の火花放電の為の通電のときに流れる方向と同じ方向にのみ流れることが許容される。
図9は、この発明の実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を示すタイミングチャートであって、Aは駆動信号S1の波形、Bは駆動信号S2の波形、Cは駆動信号S4の波形、Dは電流制限信号S5の波形、Eは一次電流I1の波形、Fは点火プラグの中心電極の電位Vpの波形、Gは点火巻線の二次電流I2の波形、Hはイオン電流検出回路により検出されるイオン電流Iionの波形、をそれぞれ示している。
図9に於いて、時刻t50では第1のスイッチSW1への駆動信号S1を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、時刻t51に於いて第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、点火巻線14の一次巻線L1に一次電流I1を流し、その後、予め設定された通電時間が経過した時刻t52にて、駆動信号S1、駆動信号S2信号を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることにより、点火巻線14の一次巻線L1への一次電流I1を遮断する。これにより、点火プラグ13の中心電極である第1の電極13aに負の点火用高電圧が印加されて、その電位Vpが急峻に低下し、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
そして、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生し、時刻t53にて第4のスイッチSW4への駆動信号S4を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替える。その後、内燃機関の運転状態に基づいて算出された火花放電持続時間が経過した時刻t54にて再び第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることで、定電流制限部を介して一次巻線L1に電流が再び流れはじめる。そして時刻t55にて点火巻線14の鉄芯に残されている磁束に対応する磁界を発生する電流値にまで再通電の一次電流I1が達すると、火花放電時に二次巻線L2に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線L2に誘導され、第1の電極13aと第2の電極13bとの間の電圧が放電維持電圧を下回ると点火プラグ13での火花放電が強制的に遮断される。
点火巻線14内に残っている磁束Φに対応する磁界Hが発生し点火プラグ13での火花放電が停止する時刻t55までは、環流の電流値は急速に上昇していくが、火花放電停止の時刻t55後は点火巻線14の鉄芯に更に磁束Φを蓄えていくことになるため、時刻t55以降で再通電の電流上昇速度が鈍化する。この電流変化量を検出することで放電停止完了の時刻t55を検知する。例えば、電流変化量を取得し、再通電を開始してからある時刻で電流変化量が所定の閾値を下回ったときに放電停止完了の時刻t55を過ぎて巻線への再充電に移行したと判断する。判断が完了した時刻をt56とする。この処理に用いる環流の電流値は電流検出抵抗26の両端間での電圧降下を差動増幅器27によって増幅した出力V1がECU22で測定され、ECU22内で電流値に変換することで得られる。
事前の放電停止実験により、放電停止開始から放電遮断完了までの電流変化量が30[A/ms]、放電遮断完了後に巻線に磁束が蓄積される時の電流変化量が2[A/ms]と得られていたとすると、閾値は2から30[A/ms]の範囲内で設定される。完全な放電遮断を保障するには閾値を低く設定すればよい。例えば、閾値は10[A/ms]以下に設定する。
この時刻t56で電流制限信号S5を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることで定電流制限部23による電流制限が開始される。このとき、定電流制限部23に与えられるECUからの指示電流値は、電流検出装置25によって検出された時刻t56の電流値である。
時刻t56に於いて、点火巻線14の一次巻線L1側に定電流制限部23と電源装置12の閉回路に一定の一次電流I1が流れ始める。放電停止中の電流変化が無くなるため放電停止による二次巻線L2側での電圧が発生せず、イオン検出用バイアス電圧は放電停止の影響を受けずにコンデンサからの安定した電圧が点火プラグ電極に印加されることとなる。
イオン電流検出期間である時刻t56から時刻t57までの期間が終了する時刻t57に於いて、第4のスイッチSW4への駆動信号S4を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで、一次巻線L1側と定電流制限部23とにより形成される閉回路が解放される。その後、点火巻線14の一次巻線L1の両端がダイオード15により短絡されて、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18による抵抗成分の大きな閉回路が形成される。
これにより点火巻線14内の磁束消費速度を早くすることができ、無駄な点火巻線14の発熱と放電停止サイクルの長期化を抑制することができる。一次巻線L1を通る電流値変化が大きくなるため放電停止中に二次巻線L2側で発生する電圧レベルが高くなるが、このとき発生する電圧(数百[V]程度)に比べて再絶縁破壊電圧は圧倒的に高電圧(数[kV]から数十[kV])であるため点火プラグ電極間での再度の火花放電は発生しない。例えば、再絶縁破壊することなく磁束消費速度を早くするには閉回路の抵抗成分を0.1[Ω]から10[Ω]程度に調整すればよい。
又、時刻t57は任意に決定可能であるが、点火巻線14の発熱を最小限に抑制するには、内燃機関の運転状態に合わせて逐次算出又はマップを作成し、或いはイオン電流検出結果により算出する。例えば、内燃機関の運転状態やマップにより予め設定したイオン電流検出期間終了時刻までに、イオン電流による気筒内の燃焼状態判断が完了された場合は、その判断完了時刻をもって時刻t57とすればよい。
時刻t58に於いて、第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18により形成される閉回路が解放され、内燃機関の1燃焼サイクルに於ける放電停止動作が終了する。この実施の形態3では環流電流制御装置の電源と点火プラグで火花放電させるための一次電流を通電させるための電源とに、電源装置12を共用するようにしたが、共用せず別電源としてもよい。
このように、イオン電流検出期間である時刻t56から時刻t57までの期間で一次巻線L1に流れる電流の電流変化が無くなるため、二次巻線L2側での電圧が発生せず、イオン検出用バイアス電圧は放電停止の影響を受けない。従って従来のイオン電流検出装置と同様にコンデンサ20からの安定したイオン検出用バイアス電圧が点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に印加されることとなる。このように、放電停
止に発生する点火用高電圧と同極性の電圧に打ち勝つためにバイアス発生用コンデンサの充電電圧を数百[V]程度上昇させる必要はなくなるので、放電停止中も従来通りのコンデンサ充電電圧での安定した高精度なイオン電流検出が可能となる。
又、放電停止から放電停止完了を検知する期間である時刻t55から時刻t56までの期間を、可能な限り短くすることで放電停止後の電流値上昇が低く抑えられ、一次巻線L1の無駄な発熱を抑制可能である。放電停止中の一次巻線L1を流れる電流を一定に制御する期間をイオン電流検出期間のみとすることで、放電停止の1サイクルに要する期間の長期化を最小限に抑えることができ、内燃機関の高回転時にも対応できる。
次に、実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について、ECU22に於いて実行される処理例を、フローチャートを用いて詳しく説明する。図10は、この発明の実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける、電子制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図10に於いて、ECU22は、内燃機関の火花放電発生時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものであり、以下に説明する点火制御処理のために、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力)、回転速度、スロットル開度、冷却水温、吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理を行っている。
先ず、ST300に於いて、運転状態の読み込みを開始し、ST301では読み込んだ運転状態を基に火花放電発生時刻と火花放電維持時間とを設定する。
次に、ST302にて火花放電発生時刻と火花放電維持時間と機関運転状態を基に、点火プラグ13の火花放電の為の一次巻線L1の初期通電期間となる駆動信号S1の「Hi」レベルとなる期間と、一次巻線L1の両端を短絡し環流を発生させる一次巻線環流期間となる駆動信号S2の「Hi」レベルとなる期間と、イオン電流検出期間となる駆動信号S4の「Hi」レベルとなる期間と、を設定する。尚、各駆動信号S1、S2、S4の初期値は「Low」レベルである。
ST303では設定された一次電流の初期通電期間に基づき、初期通電期間開始時期に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機する。初期通電期間開始時期に達したと判断されると(Yes)、ST304に移行する。
ST304で駆動信号S1が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられ後、ST305にて駆動信号S2が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられる。これにより点火巻線14の一次巻線L1に通電が開始される。
次にST306にて、点火巻線14の一次巻線L1への初期通電期間が事前に設定した時間に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機する。設定した時間に達したと判断されると(Yes)、ST307に移行する。
ST307にて駆動信号S1及び駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替える。これにより、点火巻線14の一次巻線L1に流れていた一次電流I1が遮断され、点火巻線14の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
ST307の火花放電後、ST308にて駆動信号S4を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、点火巻線14の一次巻線L1の両端を短絡させて放電を停止すための準備をする。駆動信号S2が「Low」レベルであるため、この時点で点火巻線14の一次巻線L1の両端を短絡することはない。
次に、ST309では事前に設定された一次巻線環流期間の開始時期に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機し、達したと判断されると(Yes)、ST310に移行する。
ST310にて駆動信号S2が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられ、点火巻線14の一次巻線L1と電源装置12と定電流制限部23の回路に電流が流れはじめる。このとき電流制限信号S5は「Low」レベルであるため電流は制限されることなく通電される。
次に、ST311では電流検出装置25から出力された電圧をECU22内で電流値に変換し、一次巻線電流情報を読み込む。
次に、ST312では一次巻線L1の電流情報を処理し、得られた電流変化量が所定の閾値以下となったか否かを判断する。否定されると(No)、ST311に移動し、所定の閾値以下であると判断されると(Yes)、火花放電遮断完了としてST313に移動する。
次に、ST313では、火花放電の遮断完了時の電流値を定電流制限部23の目標電流値に設定し、電流制限信号S5を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることで、一次巻線L1を流れる電流の値が一定に制御される。
次にST314では、イオン電流検出回路11によって検出されたイオン電流情報の読み込みを開始する。
次に、ST315では、事前に設定されたイオン電流検出期間の終了時刻に達したか否かを判断し、否定されると(No)、ST316に移動し、達したと判断されると(Yes)、ST317に移動する。
ST316では、イオン電流検出情報に基づいてECU22による燃焼状態判断が完了したか否かを判断し、否定されると(No)、再びST315に戻る。完了したと判断されると(Yes)、事前に設定されたイオン電流検出期間の終了時刻を待たずにST317に移動する。
ST317ではイオン電流検出情報の読み込みを終了し、ST318で駆動信号S4及び電流制限信号S5が「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えられ、抵抗成分の大きな閉回路での環流により、点火巻線14内に残されている磁気エネルギが積極的に消費される。
次に、ST319にて、事前に設定された一次巻線環流期間の終了時刻に達したか否かを判断し、否定されると(No)、同ステップを繰り返す。達したと判断されると(Yes)、ST320に移動する。
ST320では、駆動信号S2が「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えられ、一次巻線L1の短絡経路が解放され、ECU22に於いて実行されるイオン電流検出処理を終了する。
このようにイオン電流検出期間のみで一次巻線に流れる電流値変化が小さくなるように若しくは電流値が一定になるように制御することで、一次巻線への余分な通電をできる限
り短くし、点火巻線の無駄な発熱を抑制することができる。この実施の形態3では一次巻線環流期間の終了時刻を機関運転状態から事前に設定したが、電流検出装置から得られる電流値を用いて、リアルタイムに決定してもよい。
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置について述べる。前述の実施の形態3では放電停止後にも電流値が上昇するため、放電停止に要する電流値と比較してよりも少なからずイオン電流検出期間の電流値が増加してしまう。そのため、実施の形態4ではイオン電流検出期間の電流値が放電停止に要する電流値以上とならないように構成されている。
図8は、前述したようにこの発明の実施の形態3、及び実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の基本構成例であり、実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の構成は、前述の実施の形態3の場合と同様であるので、構成の説明は省略する。尚、この実施の形態4では、単気筒の内燃機関について説明を行うが、この発明は複数気筒を備える内燃機関についても適用できる。その場合、同様な基本構成のイオン電流検出装置を気筒数分備えてもよいし、環流電流制御装置等の燃焼状態検出装置の一部構成要素を複数気筒で共有してもよい。
図11は、この発明の実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作タイミングチャートであって、Aは駆動信号S1の波形、Bは駆動信号S2の波形、Cは駆動信号S4の波形、Dは電流制限信号S5の波形、Eは一次電流I1の波形、Fは点火プラグの中心電極の電位Vpの波形、Gは点火巻線の二次電流I2の波形、Hはイオン電流検出回路により検出されるイオン電流Iionの波形、をそれぞれ示している。
図11に於いて、時刻t60では、第1のスイッチSW1への駆動信号S1を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、時刻t61に於いて第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替え、点火巻線14の一次巻線L1に一次電流I1を流す。その後、予め設定された通電時間が経過した時刻t62にて、駆動信号S1、S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることにより、点火巻線14の一次巻線L1への一次電流I1を遮断すると、点火プラグ13の中心電極である第1の電極13aに負の点火用高電圧が印加されて、その電位Vpが急峻に低下し、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
そして、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生し、時刻t63にて第4のスイッチSW4への駆動信号S4が「Low」レベルの状態であり、内燃機関の運転状態に基づいて算出された火花放電持続時間が経過した時刻t64にて再び第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることで、一次巻線L1の両端が短絡され環流電流が再び流れ始める。
時刻t65にて、点火巻線14の鉄芯に残されている磁束に対応する磁界を発生する電流値にまで再通電の一次電流I1が達すると、火花放電時に二次巻線L2に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が二次巻線L2に誘導される。そして第1の電極13aと第2の電極13bとの間の電圧が放電維持電圧を下回ると、点火プラグ13での火花放電が強制的に遮断される。
点火巻線14内に残っている磁束Φに対応する磁界Hが発生し、点火プラグ13での火花放電が停止する時刻t65までは環流の電流値は急速に上昇していくが、火花放電停止の時刻t65の後は点火巻線14内の磁束が消費されていくため、電流値が徐々に低下す
る。この環流電流ピークを検出することで放電停止完了の時刻t65を検知される。
例えば、環流の電流値をピークホールドし、予め設定した放電停止判定時間が経過してもピーク値が更新されなければ、放電停止時刻に達したと判断すればよく、その判断が完了した時刻をt66とする。この処理に用いる環流の電流値は、電流検出抵抗26の両端間での電圧降下を差動増幅器27によって増幅した出力V1がECU22で測定され、ECU22内で電流値に変換することで得られている。
放電停止完了時刻から放電停止の検知が完了するまでの期間である時刻t65から時刻t66までの期間は、電流が減少していくため二次巻線L2側で火花放電電圧を同極性の電圧が発生する。そのため、この期間はイオン電流検出バイアス電圧が低下し、イオン電流検出性が低下若しくはイオン電流検出不可能となる。そのため電流検出値に重畳したノイズ等による放電停止の時刻t65の誤検知が発生しない程度に放電停止判定時間を短くし、時刻t65から時刻t66までの期間を可能な限り短くすることが望ましい。
この時刻t66で電流制限信号S5を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることで定電流制限部23による電流制限が開始される。このとき、定電流制限部23に与えられるECU22からの指示電流値は、電流検出装置25によって検出された時刻t66の電流値である。
時刻t66に於いて、点火巻線14の一次巻線L1側に定電流制限部23と電源装置12による閉回路に、一定の一次電流I1が流れ始める。放電停止中の電流変化が無くなるため放電停止による二次巻線L2側での電圧が発生せず、イオン検出用バイアス電圧は放電停止の影響を受けずにコンデンサ20からの安定した電圧が点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に印加されることとなる。
イオン電流検出期間である時刻t66から時刻t67までの期間が終了する時刻t67に於いて、第4のスイッチSW4への駆動信号S4を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで一次巻線L1側と定電流制限部23とにより形成される閉回路が解放される。その後、点火巻線14の一次巻線L1の両端がダイオード15により短絡されて、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18による抵抗成分の大きな閉回路が形成される。
これにより、点火巻線14内の磁束消費速度を早くすることができ、無駄な巻線発熱と放電停止サイクルの長期化を抑制することができる。一次巻線L1を流れる電流の値の変化が大きくなるため、放電停止中に二次巻線L2側で発生する電圧レベルが高くなるが、このとき発生する電圧(数百[V]程度)に比べて再絶縁破壊電圧は圧倒的に高電圧(数[kV]から数十[kV])であるため点火プラグ電極間での再度の火花放電は発生しない。例えば、再絶縁破壊することなく磁束消費速度を早くするには閉回路の抵抗成分を0.1[Ω]から10[Ω]程度に調整すればよい。
又、時刻t67は任意に決定可能であるが、点火巻線14の発熱を最小限に抑制するには、内燃機関の運転状態に合わせて逐次算出又はマップを作成し、或いはイオン電流検出結果により算出すればよい。例えば、内燃機関の運転状態やマップにより予め設定したイオン電流検出期間の終了時刻までに、イオン電流による気筒内の燃焼状態判断が完了された場合は、その判断完了時刻をもって時刻t67とすればよい。
時刻t68に於いて、第2のスイッチSW2への駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えることで、一次巻線L1とダイオード15と抵抗素子18により形成される閉回路が解放され、内燃機関の1燃焼サイクルに於ける放電停止動作が終了する。この実施の形態4では環流電流制御装置の電源と、点火プラグ13で火花放電させるための一次通電の電源とを、電源装置12の共用としたが、電源装置12を共用せず別電源としてもよい。
このように、イオン電流検出期間である時刻t66から時刻t67までの期間で一次巻線L1に流れる電流の電流変化が無くなるため、二次巻線L2側での電圧が発生せず、イオン検出用バイアス電圧は放電停止の影響を受けない。従って、従来のイオン電流検出装置と同様にコンデンサ20からの安定したイオン検出用バイアス電圧が点火プラグ13の電極に印加されることとなる。このように、放電停止に発生する点火用高電圧と同極性の電圧に打ち勝つために、バイアス電圧発生用のコンデンサ20の充電電圧を数百[V]程度上昇させる必要はなくなるので、放電停止中も従来通りのコンデンサ充電電圧での安定した高精度なイオン電流検出が可能となる。
放電停止から放電停止完了を検知する期間である時刻t66から時刻t67までの期間を可能な限り短くすることで、一次巻線L1の無駄な発熱を抑制することや、放電停止中の一次巻線L1を流れる電流を一定に制御する期間をイオン電流検出期間のみとすることで、放電停止の1サイクルに要する期間の長期化を最小限に抑えることができ、機関の高回転時にも対応することができる。
次に、実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について、ECU22に於いて実行される処理例を、フローチャートを用いて詳しく説明する。図12は、この発明の実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける、電子制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。ECU22は、内燃機関の火花放電発生時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものであり、以下に説明する点火制御処理のために、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力)、回転速度、スロットル開度、冷却水温、吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理を行っている。
図12に於いて、先ず、ST400では内燃機関の運転状態の読み込みを開始し、ST401では読み込んだ運転状態を基に火花放電発生時刻と火花放電維持時間とを設定する。
次に、ST402にて火花放電発生時刻と火花放電維持時間と内燃機関の運転状態を基に、点火プラグ13の火花放電の為の一次巻線L1の初期通電期間となる駆動信号S1の「Hi」レベルとなる期間と、一次巻線L1の両端を短絡し環流を発生させる一次巻線環流期間となる駆動信号S2の「Hi」レベルとなる期間と、イオン電流検出期間となる駆動信号S4の「Hi」レベルとなる期間と、を設定する。尚、各駆動信号S1、S2、S4の初期値は「Low」レベルである。
ST403では設定された一次電流の初期通電期間に基づき、初期通電期間開始時期に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機する。初期通電期間開始時期に達したと判断されると(Yes)、ST404に移行する。
ST404に於いて、駆動信号S1が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられた後、ST405にて駆動信号S2が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられる。これにより点火巻線14の一次巻線L1に通電が開始される。
次にST406にて、点火巻線14の一次巻線L1への初期通電期間が事前に設定した時間に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機する。設定した時間に達したと判断されると(Yes)、ST407に移行する。
ST407にて駆動信号S1及び駆動信号S2を「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替える。これにより、点火巻線14の一次巻線L1に流れていた一次電流I1が遮断され、点火巻線14の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13の第1の電極13aと第2の電極13bとの間に火花放電が発生する。
次に、ST408では、事前に設定された一次巻線環流期間の開始時期に達したか否かを判断し、否定された場合(No)は同ステップを繰り返し待機し、達したと判断されると(Yes)、ST409に移行する。
ST409にて駆動信号S2が「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えられ、点火巻線14の一次巻線L1の両端が環流装置により短絡されて一次巻線L1に電流が流れはじめる。
次に、ST410では電流検出装置25から出力された電圧をECU22内で電流値に変換し、一次巻線L1の電流情報を読み込む。
ST411では、読み込んだ一次巻線L1の電流値をECU22内でピークホールドし最大値を記憶する。
次に、ST412では、今回参照した電流最大値が前回の参照値から更新されずに所定時間が経過したか否かを判断し、否定されると(No)ST410に移動し、経過したと判断されると(Yes)、火花放電遮断完了としてST413に移動する。
ST413では、火花放電遮断完了時の電流値を定電流制限部23の目標電流値に設定し、駆動信号S4及び電流制限信号S5を「Low」レベルから「Hi」レベルに切り替えることで、一次巻線L1を流れる電流の電流値が一定に制御される。
ST414では、イオン電流検出回路11によって検出されたイオン電流の情報の読み込みを開始する。
次に、ST415では、事前に設定されたイオン電流検出期間の終了時刻に達したか否かを判断し、否定されると(No)ST416に移動し、達したと判断されると(Yes)、ST417に移動する。
ST416では、イオン電流検出情報に基づいてECU22による燃焼状態判断が完了したか判断し、否定されると(No)、再びST415に戻り、完了したと判断されると(Yes)、事前に設定されたイオン電流検出期間の終了時刻を待たずにST417に移動する。
ST417では、イオン電流検出情報の読み込みを終了し、ST418で駆動信号S4及び電流制限信号S5が「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えられ、抵抗成分の大きな閉回路での環流により点火巻線14内に残されている磁気エネルギが積極的に消費される。
次に、ST419にて、事前に設定された一次巻線環流期間の終了時刻に達したか否かを判断し、否定されると(No)、同ステップを繰りかえし、達したと判断されると(Yes)、ST420に移動する。
ST420では、駆動信号S2が「Hi」レベルから「Low」レベルに切り替えられ、一次巻線L1の短絡経路が解放され、ECU22に於いて実行されるイオン電流検出処理を終了する。
このようにイオン電流検出期間のみで一次巻線L1に流れる電流値変化が小さくなるように若しくは電流値が一定になるように制御することで、一次巻線L1への余分な通電をできる限り短くし、点火巻線14の無駄な発熱を抑制することができる。この実施の形態4では、一次巻線環流期間の終了時刻を内燃機関の運転状態から事前に設定したが、電流検出装置から得られる電流値を用いて、リアルタイムに決定してもよい。
イオン電流検出完了後は、環流電流制御装置によって、環流の電流減少速度が速くなるように制御することで、一次巻線L1の無駄な発熱が抑制され、放電停止の1サイクルに要する期間が延長されるのを最小限に抑えられるため、内燃機関の高回転時にも対応できる。
尚、この発明は前述の実施の形態1から4による内燃機関の燃焼状態検出装置に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1から4の構成を適宜組み合わせたり、その構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
11 イオン電流検出回路、12 電源装置、13 点火プラグ、13a 第1の電極、13b 第2の電極、14 点火巻線、15 ダイオード、16 ダイオード、17 ツェナーダイオード、18 抵抗素子、19 抵抗素子、20 コンデンサ、21 環流電流制御装置、22 電子制御装置(ECU)、23 定電流制限部、24 可変抵抗器、25 電流検出装置、26 電流検出抵抗、27 差動増幅器、L1 一次巻線、L2 二次巻線、SW1 第1のスイッチ、SW2 第2のスイッチ、SW3 第3のスイッチ、SW4 第4のスイッチ、S1 駆動信号、S2 駆動信号、S3 駆動信号、S4 駆動信号、S5 電流制限信号

Claims (6)

  1. 一次巻線と、前記一次巻線に磁気結合する二次巻線と、を含む点火巻線と、
    前記一次巻線へ電流を供給する電源装置と、
    前記一次巻線と前記電源装置との間に配置され、前記電流の通電及び遮断を制御するスイッチと、
    内燃機関に設けられた点火プラグにより発生された火花放電により、前記内燃機関の燃焼室内の可燃混合気が点火されて燃焼により前記燃焼室内に生ずるイオンをイオン電流として検出するイオン電流検出装置と、
    を備え、
    前記点火巻線は、
    前記スイッチが導通状態にあるとき、前記電源装置から前記一次巻線に電流が供給され、前記内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を燃焼させるための火花放電を前記内燃機関の点火プラグに発生させるエネルギを蓄積し、
    前記エネルギが蓄積されている状態で前記スイッチが遮断状態になったとき、前記一次巻線に流れる電流が遮断され、前記点火プラグに前記火花放電を発生させる電圧を前記二次巻線に発生させる、
    ように構成され、
    前記イオン電流検出装置により検出されたイオン電流に基づいて、前記可燃混合気の燃焼状態を検出するように構成された内燃機関の燃焼状態検出装置であって、
    前記点火プラグに前記火花放電が発生しているとき、前記一次巻線を短絡して前記一次巻線を含む環流経路を形成するように構成された環流装置と、
    前記環流経路を流れる環流電流を制御するように構成された環流電流制御装置と、
    を備え、
    前記環流電流制御装置は、
    所定の期間に於いて、電流の変化量を減少させ若しくは実質的に一定の電流値となるように前記環流電流を制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
  2. 前記所定の期間は、前記イオン電流検出装置により前記イオン電流を検出する期間を含むように設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  3. 前記所定の期間は、前記イオン電流検出装置により検出された前記イオン電流に基づいて前記燃焼状態の検出が終了した時点で終了するように設定されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  4. 前記環流電流制御装置は、
    前記イオン電流検出装置により前記イオン電流を検出する期間以外の期間に於いて、前記所定の期間に於ける前記電流の変化量を減少させる速度より大きな速度で電流の変化量を減少させるように、前記環流電流を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  5. 前記環流電流制御装置は、
    前記環流経路の抵抗成分を調整することで前記環流電流の値を制御するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  6. 前記環流電流制御装置は、
    定電流回路により前記環流電流の値を実質的に一定に制御するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
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