JP4980807B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気筒ごとに複数の点火プラグを備える内燃機関に関し、特に、各気筒において、第1点火プラグから順次、点火プラグを点火可能な内燃機関の制御技術に関する。
内燃機関においては、気筒内に形成される混合気の燃焼速度を向上させるため、気筒ごとに複数の点火プラグを備え、混合気の複数の部位に着火して燃焼させる内燃機関、いわゆる多点点火式内燃機関が従来から知られている。
このような多点点火式内燃機関では、燃焼速度が速くなりすぎると、気筒内においてノッキングが生じ易くなるという問題があり、また、気筒ごとに複数の点火プラグを用いて点火するため、その分、1つの点火プラグで一度点火する場合(以下、一点点火と記す)に比べて内燃機関として消費される電気エネルギが増大してしまうという問題がある。
この問題を対策するため、下記の特許文献1に記載の点火制御技術では、内燃機関の機関負荷(エンジン負荷)が高い運転状態が継続された場合、サブプラグの点火を停止してメインプラグのみで点火を行うことで、気筒内でノッキングが生じることを抑制することが提案されている。特許文献1の内燃機関の点火制御装置は、一定時間ごとに、機関負荷、機関回転速度、冷却水温、及びサブプラグ温度を検出しており、内燃機関の高負荷運転が継続されて、サブプラグの温度が判定値を超えて所定時間が経過したときに、サブプラグの点火を一時的に停止することで、高温となったサブプラグに起因してプレイグニッションが生じることを抑制している。
特開2005−155546号公報
このような多点点火式の内燃機関においては、気筒内における混合気等のガス流動速度が速い場合など、一点点火であっても、混合気において着火した後の火炎伝播が十分に速くなる場合があり、このような場合、多点点火を行うと、ノッキングが生じる虞があるだけでなく、多点点火を行うことで、不必要に電気エネルギを消費してしまうという問題がある。
また、内燃機関は、機関回転速度や機関負荷等の運転状態を示す制御パラメータが同一であっても、各サイクルの燃焼過程における燃焼状態は、当該燃焼過程の間に変化することがあるため、特許文献1に記載の点火制御技術では、各サイクルにおける燃焼状態の変化に即応して、点火を制御することはできない。
このように、多点点火式の内燃機関においては、気筒内におけるノッキングを精度良く防止し、且つ電力消費を極力抑制するために、混合気の各サイクルにおける燃焼状態の変化に即応して、当該燃焼過程の間に多点点火と一点点火を切り替え可能な点火制御技術が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、各サイクルの燃焼過程における燃焼状態の変化に対応して多点点火と一点点火とを切替えて、点火に要する電気エネルギを節減可能な、内燃機関の制御技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る内燃機関の制御装置は、気筒ごとに複数の点火プラグを備え、各気筒において第1点火プラグが各サイクルの燃焼過程で絶縁破壊した後、順次、点火プラグを点火可能な内燃機関において、第1点火プラグに流れる2次電流又は第1点火プラグに印加される2次電圧を検出する2次放電検出手段と、検出された前記2次電流又は前記2次電圧に基づき、各サイクルの燃焼過程において前記第1点火プラグが絶縁破壊電圧に達した後の前記2次電圧である放電維持電圧が、判定電圧以上となった場合に、前記気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定するガス流動判定手段と、各サイクルの燃焼過程内で前記ガス流動判定手段によって前記ガス流動速度が前記判定流動速度以上であると判定された場合には、第1点火プラグ以外の点火プラグの点火を各サイクルの燃焼過程内で禁止する点火禁止手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置において、前記ガス流動判定手段は、発生から所定時間経過後の2次電圧が、判定電圧以上となった場合に、前記ガス流動速度が前記判定流動速度以上であると判定するものとすることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、気筒ごとに複数の点火プラグを備え、各気筒において第1点火プラグが各サイクルの燃焼過程で絶縁破壊した後、順次、点火プラグを点火可能な内燃機関において、第1点火プラグに流れる2次電流又は第1点火プラグに印加される2次電圧を検出する2次放電検出手段と、検出された前記2次電流又は前記2次電圧に基づき、各サイクルの燃焼過程において、発生から所定時間経過後の2次電流が、所定電流以下である場合に、前記気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定するガス流動判定手段と、各サイクルの燃焼過程内で前記ガス流動判定手段によって前記ガス流動速度が前記判定流動速度以上であると判定された場合には、第1点火プラグ以外の点火プラグの点火を各サイクルの燃焼過程内で禁止する点火禁止手段と、を有するものとすることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置において、前記内燃機関は、前記第1点火プラグの火花放電部が、燃焼室の天井壁中央部に配設されているものとすることができ、前記第1点火プラグ以外の点火プラグの火花放電部が、燃焼室の天井壁周縁部に配設されているものとすることができる。
本発明によれば、内燃機関の各サイクルの燃焼過程において、最初に点火する第1点火プラグに流れる2次電流又は2次電圧に基づいて、気筒内におけるガス流動速度が速いか否かを判定し、ガス流動速度が判定流動速度以上であると判定された場合には、第1点火プラグ以外の点火プラグの点火を禁止している。気筒内のガス流動速度に応じて、多点点火を行うか否かを判断することができ、不必要な多点点火を減らして、点火に要する電気エネルギを節減することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
まず、本実施例に係る内燃機関の概略構成について図1〜図2を用いて説明する。図1は、内燃機関の気筒周辺の概略構成を示す断面図である。図2は、第1点火プラグ及び第2点火プラグと吸・排気弁の配置関係を示す図であり、ピストン側からシリンダヘッドの天井壁を見た図である。なお、図1及び図2には、本発明に関連する要部のみを模式的に示している。
本実施例に係る内燃機関は、燃料噴射弁が吸気通路内に燃料を噴射するガソリン機関であり、気筒内に形成される混合気に点火プラグにより点火を行う火花点火機関である。本実施例において、内燃機関には、点火プラグに電気エネルギを供給する点火システムが含まれており、点火システムには、内燃機関の運転状態に応じて点火プラグの点火時期や放電時間を制御する制御手段として、電子制御装置(以下、単に「制御装置」と記す)が設けられている。以下、内燃機関が有する複数の気筒のうち一つの気筒について説明する。
図1に示すように、内燃機関10には、内部に気筒が形成される機関本体系の部品として、シリンダブロック12と、シリンダヘッド20と、ピストン30と、図示しないコンロッド及びクランク軸が設けられている。シリンダブロック12には、シリンダボア14が形成されており、ピストン30は、シリンダボア14内を、その軸心(以下、ボア軸心と記し、一点鎖線Cで示す)に沿って往復運動する。
ピストン30の往復運動は、回転運動に変換されて図示しないクランク軸から出力される。内燃機関10には、クランク軸の回転角位置(以下、クランク角と記す)を検出するクランク角センサ(図示せず)が設けられており、クランク角に係る信号を、制御装置に送出している。
シリンダブロック12には、ピストン30に対向してシリンダボア14を塞ぐようにシリンダヘッド20が結合されている。シリンダヘッド20には、燃焼室40が形成されており、ボア軸心Cを挟んで、一方の側には、吸入空気を燃焼室40に導く吸気ポート24が形成されており、他方の側には、燃焼室40からの排気ガスを排出する排気ポート26が形成されている。
また、シリンダヘッド20には、吸気ポート24及び排気ポート26に対応して、それぞれ吸気弁25と排気弁27が設けられている。これら吸気弁25と排気弁27は、カムシャフトを介して、クランク軸からの機械的動力を受けて駆動される。吸気弁25及び排気弁27は、クランク軸の回転角位置(以下、クランク角と記す)に応じて所定のタイミングで開閉可能に構成されている。
吸気弁25を開くと、吸気ポート24と燃焼室40が連通し、図示しない吸気通路からの空気を、吸気ポート24から気筒内の燃焼室40に吸入することが可能となる。また、排気弁27を開くと、排気ポート26と燃焼室40が連通し、気筒内の燃焼室40にある排気ガスを、排気ポート26から図示しない排気通路に排出することが可能となる。
これら吸気ポート24と排気ポート26は、図2に示すように、それぞれ2つ設けられており、ボア軸心Cを含み、且つクランク軸の軸方向(以下、単に「クランク軸方向」と記し、図に矢印Sで示す)に延びる仮想平面である気筒列平面(図中、一点鎖線Eで示す)を挟んで、互いに対向するよう配置されている。すなわち、内燃機関において、複数ある気筒はクランク軸方向に列をなしており、各気筒において、吸気ポート24と排気ポート26は、いわゆる「クロスフロー式」の配置となっている。
なお、以下の説明において、ボア軸心Cを含む気筒列平面Eに対して吸気ポート24が設けられる側を、「吸気側」と記し、図に符号INで示す。一方、平面Eに対して排気ポート26が設けられる側を、「排気側」と記し、図に符号EXで示す。
シリンダヘッド20には、燃焼室40の形状を規定する壁面である天井壁22が形成されている。天井壁22は、その周縁22eにおいてシリンダボア14の壁面であるシリンダ壁15に滑らかに連続するよう形成されている。シリンダヘッド20に形成された燃焼室40の天井壁の中央部22a(以下、天井壁中央部と記す)には、中央点火プラグ50の火花放電部51が配設されている。なお、中央点火プラグの詳細については、点火システムと併せて後述する。
また、シリンダヘッド20に形成された燃焼室40の天井壁周縁部22cのうち、吸気ポート24の外縁24e、排気ポート26の外縁26eと天井壁22の周縁22eに挟まれた部位には、サイド点火プラグの火花放電部55が配設されている。なお、サイド点火プラグの詳細については、点火システムと併せて後述する。
なお、「天井壁中央部」22aとは、図2に示すように、燃焼室40の天井壁22のうちボア軸心Cが通る部位に加えて、吸気ポート24の外縁24eと排気ポート26の外縁26eとの間に挟まれた部位を含んでいる。一方、「天井壁周縁部」22cとは、天井壁22の周縁22eに加え、天井壁22の周縁22eと、吸気ポート24の外縁24e又は排気ポート26の外縁26eとの間に挟まれた部位を含んでいる。
以上に説明した、シリンダブロック12のシリンダ壁15、シリンダヘッド20の天井壁22、及びピストン30の頂面32で囲まれた空間が、いわゆる「気筒」となる。本実施例において、気筒には、シリンダブロック12に形成されたシリンダボア14に加え、シリンダヘッド20に形成された燃焼室40が含まれている。
なお、以下の説明において、ボア軸心Cに沿う方向のうち、ピストン30が天井壁22に向かう向きを「ヘッド側」と記して図に矢印Uで示す。また、ボア軸心Cに沿う方向のうちヘッド側とは反対の向きを「クランク側」と記して図に矢印Dで示す。
また、ボア軸心Cに直交し、且つクランク軸方向Sに直交する方向、すなわちピストン30とシリンダ壁15との間でスラスト力及びスラスト反力が作用する方向を、以下の説明において、「スラスト方向」と記して、図に矢印Tで示す。なお、スラスト方向Tは、気筒列平面Eに直交する方向となっている。
次に、本実施例に係る内燃機関における点火システムの構成について、図1〜図6を用いて説明する。図3は、内燃機関の点火システムの構成を示す模式図である。図4−1は、点火コイルが点火プラグに印加する2次電圧と時間との関係を示す図である。図4−2は、点火プラグに流れる2次電流と時間との関係を示す図である。図5は、中央点火プラグの火花放電部の拡大図であり、通常時における電気火花(アーク)の態様を示す図である。図6は、中央点火プラグの火花放電部の拡大図であり、気筒内における混合気等のガス流動により電気火花(アーク)が流された態様を示す図である。
内燃機関10には、気筒内に形成された混合気に着火するため、燃焼室40において予め設定されたタイミングで電気火花を生じさせる点火システム60が設けられている。点火システム60は、図3に示すように、2つの点火プラグ(中央点火プラグ50とサイド点火プラグ)と、これら点火プラグに放電電圧(2次電圧)を印加する点火コイル61,62とを有している。
内燃機関10の点火システム60には、図1に示すように、気筒内に形成される混合気(燃料噴霧を含む)に点火する装置として、気筒ごとに2つの点火プラグを備えている。詳細には、図2に示すように、天井壁中央部22aに設けられている中央点火プラグ50と、天井壁周縁部22cに設けられているサイド点火プラグ(火花放電部55)を備えている。これら点火プラグは、図3に示すように、それぞれ対応して設けられた第1及び第2点火コイル61,62により2次電圧が印加されて、それぞれの火花放電部51,55に点火火花(電気火花)を生じさせる。
中央点火プラグ50の火花放電部51は、図5に示すように、天井壁中央部22aから燃焼室40に突き出すよう配設されている。火花放電部51は、第1点火コイルの2次コイルに接続されている中心電極51aと、シリンダヘッド20に接地(アース)されている接地電極51cとを有している。火花放電部51は、図4−1に示すように、第1点火コイルの2次コイルにより印加された2次電圧が、要求された絶縁破壊電圧(要求電圧)Vbに達すると、中心電極51aと接地電極51cとの間にある空隙、いわゆる点火ギャップに、電気火花を生じさせることとなる。
一方、サイド点火プラグは、中央点火プラグ50と形状及び機能等、同様に構成されており、シリンダヘッド20の天井壁周縁部22cから燃焼室40に突き出すように火花放電部55が配設されている(図2を参照)。火花放電部55は、図4−1に示すように、第2点火コイルにより印加された2次電圧が、要求された絶縁破壊電圧Vbに達すると、図示しない中心電極と接地電極との間に点火火花を生じさせることとなる。
また、点火システム60には、図3に示すように、各点火プラグの火花放電部51,55に2次電圧(放電電圧)を供給するために、中央点火プラグ50及びサイド点火プラグにそれぞれ対応して、第1点火コイル61と第2点火コイル62が設けられている。
第1点火コイル61は、1次コイル61aと、2次コイル61c、及び鉄芯61bを有している。1次コイル61aの一端は、後述する第1コンデンサ67に接続されており、他端は、第1トランジスタ65のコレクタに接続されている。一方、2次コイル61cの一端は、中央点火プラグ50の火花放電部51の中心電極51aに接続されており、他端は、後述する制御装置80に接続されている。第1点火コイル61の2次コイル61cに発生する2次電圧と、2次コイル61cから中央点火プラグ50の火花放電部51に流れる2次電流は、後述する制御装置80により検出可能となっている。
第2点火コイルは、第1点火コイルと同様に、1次コイル62aと、2次コイル62c、鉄芯62bとを有しており、1次コイル62aの一端は、第2コンデンサ68に接続されており、他端は、第2トランジスタ66のコレクタに接続されている。一方、2次コイル62cの一端は、サイド点火プラグの火花放電部55の中心電極(図示せず)に接続されており、他端は、制御装置80に接続されている。第2点火コイル62の2次コイル62cに発生する2次電圧と、2次コイル62cからサイド点火プラグの火花放電部55に流れる2次電流は、後述する制御装置80により検出可能となっている。
また、点火システム60には、第1及び第2点火コイル61,62の1次コイル61a,62aにそれぞれ1次電流を流すため、1次電流の電気エネルギを蓄える第1及び第2コンデンサ67,68と、第1及び第2コンデンサ67,68をそれぞれ充電する第1及び第2エネルギ発生装置71,72と、第1及び第2点火コイル61,62の1次電流を断続する第1及び第2トランジスタ65,66が設けられている。
第1コンデンサ67は、一端が、第1点火コイル61の1次コイル61aと、第1エネルギ発生装置71に接続されており、他端が接地(アース)されている。第2コンデンサ68は、第1コンデンサ67と同様に、一端が第2点火コイル62の1次コイル62aと、第2エネルギ発生装置72に接続されており、他端が接地されている。
第1エネルギ発生装置71は、電源を含んでおり、制御装置80により制御されて、対応する第1コンデンサ67に、電気エネルギを供給して所定の電荷を蓄える(充電)することが可能に構成されている。第2エネルギ発生装置72は、第1エネルギ発生装置71と同様に、対応する第2コンデンサ68に充電することが可能に構成されている。第1及び第2エネルギ発生装置によりそれぞれ第1及び第2コンデンサ67,68に蓄えられる電力量は、放電維持時間に応じて制御装置により制御される。
第1トランジスタ65は、第1点火コイル61の1次電流を断続する、いわゆる「パワートランジスタ」であり、コレクタが第1点火コイル61の1次コイル61aに接続されており、エミッタが接地されている。第1トランジスタ65のベースは、制御装置80に接続されている。第1トランジスタ65は、制御装置80により制御されてベースからエミッタに信号電流が流れると、コレクタとエミッタの間が短絡(ON)状態となり、第1点火コイル61の1次コイル61aに1次電流を流すことが可能となっている。
第2トランジスタ66は、第1トランジスタ65と同様に、コレクタが第2点火コイル62の1次コイル62aに接続されており、エミッタが接地されており、ベースが制御装置80に接続されている。第2トランジスタ66は、制御装置80により制御されて信号電流が流れると、第2点火コイル62の1次コイル62aに1次電流を流すことが可能となっている。
また、点火システム60には、内燃機関10の運転状態に応じて、第1及び第2エネルギ発生装置71,72と、第1及び第2トランジスタ65,66とを制御する制御装置80を有している。制御装置80は、内燃機関10に設けられた各種センサ又は他の制御装置から、クランク軸の回転速度(以下、機関回転速度と記す)に係る信号と、内燃機関がクランク軸から出力する機械的動力(以下、機関負荷と記す)に係る信号と、第1及び第2点火プラグの放電時間に係る信号と、第1及び第2点火プラグの点火時期に係る信号を受けている。
これら信号に基づいて、制御装置80は、内燃機関の運転状態を把握しており、当該運転状態に応じて、第1及び第2エネルギ発生装置71,72を制御して、コンデンサ67,68に充電される電力量を調整することが可能となっている。また、制御装置80は、第1及び第2トランジスタ65,66の通電と遮断を制御することで、それぞれ第1及び第2点火コイル61,62の1次コイル61a,62aに1次電流を流す期間、すなわち第1及び第2点火コイル61,62の2次コイル61c,62cに2次電圧が発生するタイミングと時間長さを調整することが可能となっている。
このように制御装置80は、第1及び第2エネルギ発生装置71,72と、第1及び第2トランジスタ65,66を制御することで、中央点火プラグ50及びサイド点火プラグ(火花放電部55)の点火時期と放電時間とを制御することが可能となっている。これにより、点火システム60は、第1及び第2点火コイル61,62の2次コイル61c,62cに、数十kVの2次電圧を生じさせ、それぞれ中央点火プラグ50とサイド点火プラグに印加して、火花放電部51,55に火花放電を生じさせる。本実施例において、制御装置80は、通常時において、最初に中央点火プラグ50を点火させ、所定の時間差を付けて、サイド点火プラグを点火させるよう制御する。
このとき、制御装置80は、第1点火コイルの2次コイルと、第2点火コイルの2次コイルに接続されているため、第1点火コイル61の2次コイル61cが中央点火プラグ50に印加する2次電圧と、2次コイル61cから中央点火プラグ50に流れる2次電流を、検出することが可能となっている。また、制御装置80は、第2点火コイル62の2次コイル62cがサイド点火プラグに印加する2次電圧と、2次コイル62cからサイド点火プラグに流れる2次電流とを検出することもできる。つまり、制御装置80は、中央点火プラグ50(第1点火プラグ)に印加される2次電圧、又は中央点火プラグ50に流れる2次電流を検出する機能(2次放電検出手段)を有している。
また、制御装置80は、検出された2次電圧又は2次電流に基づいて、混合気等の、気筒内のガスの流動速度(以下、単に「ガス流動速度」と記す)を判定することが可能となっており、以下に、図3〜図6を用いて詳細を説明する。なお、点火プラグは、中央点火プラグを例にして説明する。
制御装置80により第1トランジスタ65が制御されて、第1点火コイル61の1次コイル61aに流れる1次電流が遮断されると、図4−1に時点T0で示すように、中央点火プラグ50に2次電圧が印加され始める。中央点火プラグ50に加えられた2次電圧が、図4−1に時点T1で示すように、要求される絶縁破壊電圧(要求電圧)Vbに達すると、火花放電部51には、アーク放電が開始されて、図5に示すように、中心電極51aから接地電極51cに向けて略直線状に延びる点火火花(電気火花、アーク)が生じる。
このように中心電極51aと接地電極51cとの間にひとたび電気火花が形成され、アーク放電が開始されると、電気火花の形状すなわち放電経路に沿って、混合気等、気筒内のガスを構成する分子がイオン化されて、中心電極51aと接地電極51cとの間における電気抵抗が小さくなる。これにより、時点T1以降に、中心電極51aと接地電極51cとの間に印加される放電維持電圧Vk(数百から数キロボルト)は、絶縁破壊電圧Vb(数十キロボルト)に比べて小さな値となる。
このとき、気筒内におけるガス流動速度が、それほど速くない、すなわち判定流動速度を下回るような状態においては、時点T1において生じた、略直線状をなす電気火花の形状は、そのまま、アーク放電終了(時点T3)まで維持されることとなる。以下の説明において、アーク放電の開始から終了まで、火花放電部に、略直線状の電気火花が維持される状態を、「通常時」と記す。
一方、ガス流動速度が速い、すなわち判定流動速度以上である場合、図6に示すように、電気火花が、混合気等のガスの流動方向(図に矢印Fで示す)に流されて、中心電極51aと接地電極51cとの間で、ガスの流動方向Fに凸となって湾曲してしまうことがある。
このように、電気火花が流されて、その形状が湾曲したものとなると、直線状に電気火花が形成されている場合に比べて、電気火花の経路が長くなり、中心電極51aと接地電極51cとの間における電気抵抗が増大することとなる。このため、気筒内におけるガス流動速度の増大するに従って、放電維持電圧Vkが上昇することとなる。すなわち、放電維持電圧Vkと、ガス流動速度は、略比例関係を有しており、放電維持電圧Vkから、気筒内の火花放電部におけるガス流動速度を推定することが可能となっている。
このため、上述のように電気火花が流された場合においては、図4−1に破線で示すように、時点T1のアーク放電開始以降、すなわち電気火花の発生以降の放電維持電圧Vkfは、通常時の放電維持電圧Vknに比べて高くなると共に、放電終了のタイミング(時点T2)は、通常時の放電終了(時点T3)に比べて早期なものとなる。つまり、気筒内の混合気のガス流動速度は、放電維持電圧Vkに略比例することとなる。気筒内の混合気のガス流動速度が速く、電気火花が流された時は、通常時に比べて、放電維持電圧が高くなると共に、電気火花の発生から放電終了までの時間(以下、放電維持時間と記す)が短くなる。
気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であり、中央点火プラグの電気火花が流されるような場合、中央点火プラグで一度点火する、すなわち一点点火を行うだけでも、混合気において着火した後の火炎伝播速度(燃焼速度)が十分に速く、中央点火プラグの点火後にサイド点火プラグの点火を行うすなわち多点点火を行うと、ノッキングが生じる虞がある。また、このような場合、サイド点火プラグによる点火を行うことで、不必要に電気エネルギを消費してしまう。
このような内燃機関において、機関回転速度や機関負荷等の内燃機関の運転状態を示す制御パラメータが同一であっても、各サイクルの燃焼過程における混合気の燃焼状態は、当該燃焼過程の間に変化することがある。このため、各サイクルの燃焼過程における混合気の燃焼状態の変化に即応して、当該燃焼過程の間に、多点点火と一点点火を切替る必要がある。
そこで、本実施例に係る内燃機関の制御装置では、中央点火プラグに印加される2次電圧を検出する機能と、検出された2次電圧に基づいて、気筒内におけるガス流動速度が速いか否かを判定する機能、すなわちガス流動速度が判定流動速度以上であるか否か(ガス流動判定手段)を有しており、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定された場合には、中央点火プラグ以外の点火プラグであるサイド点火プラグの点火を禁止することを特徴としている。
本実施例に係る内燃機関の制御装置が実行する点火制御について、図3、図4−1、図7、及び図8を用いて説明する。図7は、通常時における中央点火プラグ及びサイド点火プラグに印加される2次電圧のタイミングチャートである。図8は、中央点火プラグの電気火花がガス流動により流されたときの、中央点火プラグ及びサイド点火プラグに印加される2次電圧のタイミングチャートである。
まず、制御装置80は、内燃機関10の運転状態に応じて、中央点火プラグ50の点火時期と、放電維持時間を決定し、中央点火プラグ50を点火させる。詳細には、図3に示すように、制御装置80は、第1エネルギ発生装置71を制御して、放電維持時間に応じた電気エネルギを第1コンデンサ67に充電し、点火時期に応じて、第1トランジスタ65のベースに信号電流を流して所定時間経過後に遮断する。このようにして、制御装置80は、第1点火コイル61の1次コイル61aに所定の期間、1次電流を流すことで、2次コイル61cに2次電圧を生じさせる。
すると、図7に時点T0で示すように、発生した2次電圧は、中央点火プラグ50に印加開始され、上昇していく。中央点火プラグ50の2次電圧が、要求された絶縁破壊電圧Vbに達すると(時点T1)、火花放電部51の中心電極51aと接地電極51cの間に、略直線状の電気火花が生じ、気筒内の混合気の着火が開始される。時点T1で電気火花が生じると、中心電極51aと接地電極51cとの間の電気抵抗が減少して、2次電圧が絶縁破壊電圧Vbから放電維持電圧Vkに急激に低下する。
そして、制御装置80は、中央点火プラグ50に印加される2次電圧に基づいて気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定する。具体的には、制御装置80は、絶縁破壊電圧Vbに達した直後(時点T1直後)の2次電圧である放電維持電圧Vkが、予め設定された判定電圧Vd以上であるか否かを判定する。
なお、判定電圧Vdは、直線状の電気火花の形状が維持されている場合の放電維持電圧Vkn(図4−1参照)よりも高い値に設定されている。判定電圧Vdは、予め適合実験等により求められており、制御定数として制御装置80に記憶されている。判定電圧Vdは、気筒内におけるガス流動速度が速いか否かを判定する判定流動速度に対応して設定されている。
図7に示すように絶縁破壊(時点T1)直後の放電維持電圧が判定電圧Vdを下回っており、放電維持電圧が判定電圧Vd以上ではないと判定された場合、制御装置80は、中央点火プラグ50の火花放電部51において電気火花が流されておらず、気筒内におけるガス流動速度がさほど速くないものと判定して、サイド点火プラグの点火を許可する。
具体的には、制御装置は、第2トランジスタ66を制御して、第2コンデンサ68に蓄えられた電荷を、所定の時間、第2点火コイル62の1次コイル62aに流し、2次コイル62cに2次電圧を発生させる。これにより、制御装置80は、サイド点火プラグの火花放電部55に電気火花を形成して、多点点火を実行することとなる。
一方、図8に示すように、絶縁破壊(時点T1)直後の放電維持電圧Vkが判定電圧Vdを上回っており、放電維持電圧Vkが判定電圧Vd以上であると判定された場合、制御装置80は、中央点火プラグの火花放電部51において電気火花が流されており、気筒内におけるガス流動速度が速いものと判定して、サイド点火プラグの点火を禁止する。
制御装置80は、第2トランジスタ66にベース電流を流さないよう制御することで、サイド点火プラグの点火を行わず、当該サイクルにおいて、中央点火プラグ50のみ点火を行う一点点火を実行することとなる。この場合、気筒内におけるガス流動速度は速いため、中央点火プラグ50の点火による火炎伝播速度(燃焼速度)も十分に速いものとなっているので、サイド点火プラグの点火により多点点火を行う必要がない。
以上に説明した点火制御は、内燃機関の各サイクルの燃焼過程ごとに行われる。内燃機関10は、各気筒の各サイクルにおいて、最初に中央点火プラグ50から点火を行い、次にサイド点火プラグの点火を行う。各気筒の各サイクルにおいて、1点目(最初)の点火である中央点火プラグ50の点火時における気筒内のガス流動速度に応じて、2点目以降の点火を行うか否か、すなわち多点点火を行うか否かを判定することができる。1点目(中央点火プラグ50)の点火時に、気筒内のガス流動速度が判定流動速度以上であると判定された場合、2点目以降の点火すなわち多点点火を禁止することで、不必要な多点点火を減らして、点火に要する電気エネルギを節減することができる。
以上に説明したように本実施例において、制御装置80は、中央点火プラグ50(第1点火プラグ)に印加される2次電圧を検出する機能(2次放電検出手段)と、検出された2次電圧に基づいて、ガス流動速度が速いか否か、すなわち気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定する機能、(ガス流動判定手段)を備え、ガス流動速度が速い、すなわち判定流動速度以上であると判定された場合には、第1点火プラグ以外の点火プラグであるサイド点火プラグの点火を禁止するものとした。
ガス流動速度が速く、中央点火プラグ50(第1点火プラグ)のみの点火で、十分に速く火炎が伝播する場合には、サイド点火プラグ(第1点火プラグ以外の点火プラグ)の点火を禁止する、すなわち多点点火を禁止する。混合気の燃焼過程における燃焼状態の変化に即応して、当該燃焼過程の間に多点点火と一点点火を切り替えることで、不必要な点火を減らし、点火に要する電気エネルギを節減することができる。
また、本実施例において、絶縁破壊後の2次電圧である放電維持電圧Vkが、判定電圧Vd以上となった場合に、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定するものとしたので、中央点火プラグ50(第1点火プラグ)に印加された2次電圧が絶縁破壊電圧Vbに達した直後の時点で、ガス流動速度が速いか否かを判定することができる。一点点火と多点点火の切り替えを、第1点火プラグの絶縁破壊直後という早い時点で判断することができる。
なお、本実施例において、絶縁破壊電圧Vbに達した後の2次電圧である放電維持電圧Vkが、判定電圧以上となった場合に、気筒内におけるガス流動速度が速いものと判定するものとしたが、ガス流動が判定流動速度以上であるか否かを判定する手法(ガス流動判定手段)は、これに限定されるものではない。例えば、第1点火プラグに印加される2次電圧が発生してから、所定時間経過後の2次電圧(放電維持電圧)が、判定電圧Vb以上となるか否かで、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定することもできる。
また、本実施例において、放電維持電圧が、判定電圧Vd以上となるか否かで、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定するものとしたが、ガス流動速度が速いか否かを判定する閾値の設定手法は、これに限定されるものではない。例えば、2次電圧の発生から所定時間経過後において、2次電圧がゼロであるか否か、即ち放電が終了しているか否かで判定することもできる。ガス流動により電気火花が流された時は、流されない通常時に比べて早期に放電が終了(図8の時点T2参照)することを利用して、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否か、すなわち速いか否かを判定することができる。
本実施例に係る制御装置が実行する点火制御について、図3、図4−2、図9及び図10を用いて説明する。図9は、通常時における中央点火プラグ及びサイド点火プラグに流れる2次電流のタイミングチャートである。図10は、中央点火プラグの電気火花が流されたときの、中央点火プラグ及びサイド点火プラグに流れる2次電流のタイミングチャートである。本実施例に係る点火制御は、中央点火プラグに流れる2次電流に基づいて、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定する点で、実施例1の点火制御と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
まず、制御装置80は、第1点火コイル61の1次コイル61aに所定の期間、1次電流を流すことで、2次コイル61cに2次電圧を生じさせる。すると、図9に示す、時点T0から、発生した2次電圧が中央点火プラグ50に印加され、時点T1において、要求された絶縁破壊電圧Vbに達する。
時点T1において要求される絶縁破壊電圧に達すると、中央点火プラグ50の火花放電部51において、中心電極51aと接地電極51cとの間に直線状の電気火花が生じ、アーク放電が開始されて2次電流Ibが流れる。時点T1で2次電流が流れ始めると、2次電圧が絶縁破壊電圧Vbから放電維持電圧Vkに急激に低下するのに合わせて、中央点火プラグ50に流れる2次電流も、アーク放電開始時の電流Ibから急激に低下する。
そして、制御装置80は、中央点火プラグ50に流れる2次電流に基づいて、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否か、すなわち速いか否かを判定する。具体的には、制御装置80は、中央点火プラグ50の火花放電部51におけるアーク放電の開始、すなわち中央点火プラグ50に2次電流Ibが生じる時点T1から、所定時間(図に時間長さをTLで示す)経過後の時点Tdにおいて、中央点火プラグ50に流れる2次電流がゼロ、又は所定電流以下であるか否かを判定する。
なお、所定の時間長さTLは、図4−2に示すように、直線状の電気火花の形状が放電終了まで維持されている場合の、アーク放電開始(時点T1)から放電終了(時点T3)よりも長い時間に設定されている。即ち、時点Tdが時点T3より早い時期となるよう設定されている。時間長さTLと、ガス流動速度は、略反比例の関係となっている。時間長さTL、又は判定時点Tdは、予め適合実験等により求められており、制御定数として制御装置80に記憶されている。
図9に示すように、アーク放電の開始すなわち中央点火プラグ50に2次電流が生じる時点T1から、所定時間TL経過後の2次電流が、ゼロではない、又は所定電流以上であると判定された場合、制御装置80は、中央点火プラグ50の火花放電部51において、電気火花が流されておらず、気筒内におけるガス流動速度がさほど速くないものと判定して、サイド点火プラグ(火花放電部55)の点火を許可する。
具体的には、制御装置80は、第2トランジスタ66を制御して、所定の時間、第2点火コイル62の1次コイル62aに流して、2次コイル62cに2次電圧を発生させる。これにより、制御装置80は、サイド点火プラグの火花放電部55に電気火花を形成して、多点点火を実行する。
一方、図10に示すように、アーク放電の開始、すなわち中央点火プラグ50に2次電流が生じる時点T1から、所定時間TL経過後の2次電流がゼロであると判定された場合、制御装置80は、中央点火プラグ50の火花放電部51において電気火花が流されており、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるものと判定して、サイド点火プラグの点火を禁止する。
制御装置80は、サイド点火プラグの点火を行わないよう制御することで、当該サイクルの燃焼過程において、中央点火プラグ50のみ点火を行う一点点火を実行することとなる。この場合、気筒内におけるガス流動速度は速いため、中央点火プラグ50の点火による火炎伝播速度(燃焼速度)も十分に速いものとなっており、サイド点火プラグで点火を行うすなわち多点点火を行う必要がない。
以上に説明した点火制御は、内燃機関のサイクルごとに行われる。各サイクルの燃焼過程において、1点目の点火である中央点火プラグ50の点火時における気筒内のガス流動速度に応じて、2点目以降の点火を行うか否か、すなわち多点点火を行うか否かを判定している。1点目(中央点火プラグ50)の点火時に、気筒内のガス流動速度が速いと判定された場合、2点目以降の点火すなわち多点点火を禁止することで、不必要な点火を減らし、2点目以降(サイド点火プラグ)の点火に要する電気エネルギを節減することができる。
以上に説明したように本実施例において、制御装置80は、中央点火プラグ50(第1点火プラグ)に流れる2次電流を検出する機能(2次放電検出手段)と、検出された2次電流に基づいて、気筒内におけるガス流動速度が速いか否か、すなわち判定流動速度以上であるか否かを判定する機能(ガス流動判定手段)を備え、ガス流動速度が速いと判定された場合には、第1点火プラグ以外の点火プラグであるサイド点火プラグの点火を禁止するものとしている。
ガス流動速度が速く、中央点火プラグ50(第1点火プラグ)のみの点火で、十分に速く火炎が伝播する場合には、サイド点火プラグ(第1点火プラグ以外の点火プラグ)の点火を禁止する、すなわち多点点火を禁止する。混合気の燃焼過程における燃焼状態の変化に即応して、当該燃焼過程の間に多点点火と一点点火を切り替えることで、不必要な点火を減らし、点火に要する電気エネルギを節減することができる。
また、本実施例においては、発生から所定時間経過後の2次電流がゼロである場合に、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定するものとしたので、点火プラグに流れる2次電流の有無を検出するだけで、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定することができる。高電圧である2次電圧を制御装置80が検出する必要がなく、容易に、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定可能な制御装置を実現することができる。
なお、発生から所定時間経過後の2次電流が所定電流以下である場合に、気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定することもできる。2次電流からの比較的短い時間経過後、すなわちアーク放電開始(時点T1)から比較的早いタイミングにおいて、ガス流動速度が判定流動速度以上であるか否かを判定することができる。
なお、上述した各実施例において、サイド点火プラグは、天井壁の天井壁周縁部22cのうち、吸気ポート24の外縁24eと排気ポート26の外縁26eとの間に火花放電部55が配設されるものとしたが、サイド点火プラグの配置は、これに限定されるものではない。シリンダヘッド20の天井壁周縁部22cに、火花放電部55が配設されれば良く、例えば、天井壁周縁部22cのうち、隣り合う2つの吸気ポート24の外縁24eの間に、サイド点火プラグの火花放電部55を配設することも好適である。
また、上述した各実施例において、天井壁周縁部22cにサイド点火プラグ(火花放電部55)を1箇所設けるものとしたが、サイド点火プラグの配設個数は、これに限定されるものではない。サイド点火プラグは、火花放電部55が天井壁周縁部22cに配設されれば良く、例えば、天井壁周縁部22cのうち、中央点火プラグ50の火花放電部51を中心としてクランク軸方向Sの両側に、2つのサイド点火プラグを配設することも好適である。
なお、上述した各実施例において、まず、中央点火プラグ50の点火を行い、その後、サイド点火プラグの点火を行うか否かを判断するものとしたが、中央点火プラグ50及びサイド点火プラグの点火順序は、これに限定されるものではない。例えば、サイド点火プラグを第1点火プラグとして最初に点火し、このときサイド点火プラグに印加される2次電圧、又はサイド点火プラグに流れる2次電流に基づいて、ガス流動速度が速いか否か、すなわち判定流動速度以上であるか否かを判定し、中央点火プラグ50の点火を実行するか否かを決定するものとしても良い。
以上のように、本発明は、気筒ごとに複数の点火プラグを備える内燃機関に有用であり、特に、各気筒において第1の点火プラグから順次、点火プラグを点火可能な内燃機関に適している。
実施例1に係る内燃機関の気筒周辺の概略構成を示す断面図である。 実施例1に係る内燃機関の中央点火プラグ及びサイド点火プラグと吸・排気弁の配置関係を示す図であり、ピストン側からシリンダヘッドの天井壁を見た図である。 実施例1に係る内燃機関の点火システムの構成を示す模式図である。 実施例1に係る点火コイルが点火プラグに印加する2次電圧と時間との関係を示す図である。 実施例1に係る点火プラグに流れる2次電流と時間との関係を示す図である。 実施例1に係る中央点火プラグの火花放電部の拡大図であり、通常時における電気火花(アーク)の態様を示す図である。 実施例1に係る中央点火プラグの火花放電部の拡大図であり、混合気等の気筒内におけるガス流動により電気火花が流された態様を示す図である。 実施例1における、通常時の中央点火プラグ及びサイド点火プラグに印加される2次電圧のタイミングチャートである。 実施例1における、中央点火プラグの電気火花がガス流動により流されたときの、中央点火プラグ及びサイド点火プラグに印加される2次電圧のタイミングチャートである。 実施例2における、通常時の中央点火プラグ及びサイド点火プラグに流れる2次電流のタイミングチャートである。 実施例2における、中央点火プラグの電気火花が流されたときの、中央点火プラグ及びサイド点火プラグに流れる2次電流のタイミングチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 シリンダブロック
14 シリンダボア
20 シリンダヘッド
22 燃焼室の天井壁
22a 天井壁中央部
22c 天井壁周縁部
24 吸気ポート
25 吸気弁
26 排気ポート
27 排気弁
30 ピストン
40 燃焼室
50 中央点火プラグ(第1点火プラグ)
51 中央点火プラグの火花放電部
51a 中心電極
51c 接地電極
55 サイド点火プラグの火花放電部
60 内燃機関の点火システム
61 第1点火コイル
61a 1次コイル
61c 2次コイル
62 第2点火コイル
62a 1次コイル
62c 2次コイル
65 第1トランジスタ
66 第2トランジスタ
67 第1コンデンサ
68 第2コンデンサ
71 第1エネルギ発生装置
72 第2エネルギ発生装置
80 内燃機関用電子制御装置(制御装置)
Vb 絶縁破壊電圧(2次電圧、要求電圧)
Vk 放電維持電圧(2次電圧)

Claims (4)

  1. 気筒ごとに複数の点火プラグを備え、各気筒において第1点火プラグが各サイクルの燃焼過程で絶縁破壊した後、順次、点火プラグを点火可能な内燃機関において、
    第1点火プラグに流れる2次電流又は第1点火プラグに印加される2次電圧を検出する2次放電検出手段と、
    検出された前記2次電流又は前記2次電圧に基づき、各サイクルの燃焼過程において前記第1点火プラグが絶縁破壊電圧に達した後の前記2次電圧である放電維持電圧が、判定電圧以上となった場合に、前記気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定するガス流動判定手段と、
    各サイクルの燃焼過程内で前記ガス流動判定手段によって前記ガス流動速度が前記判定流動速度以上であると判定された場合には、第1点火プラグ以外の点火プラグの点火を各サイクルの燃焼過程内で禁止する点火禁止手段と、
    を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記ガス流動判定手段は、
    発生から所定時間経過後の前記2次電圧が、判定電圧以上となった場合に、前記ガス流動速度が前記判定流動速度以上であると判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 気筒ごとに複数の点火プラグを備え、各気筒において第1点火プラグが各サイクルの燃焼過程で絶縁破壊した後、順次、点火プラグを点火可能な内燃機関において、
    第1点火プラグに流れる2次電流又は第1点火プラグに印加される2次電圧を検出する2次放電検出手段と、
    検出された前記2次電流又は前記2次電圧に基づき、各サイクルの燃焼過程において、発生から所定時間経過後の2次電流が、所定電流以下である場合に、前記気筒内におけるガス流動速度が判定流動速度以上であると判定するガス流動判定手段と、
    各サイクルの燃焼過程内で前記ガス流動判定手段によって前記ガス流動速度が前記判定流動速度以上であると判定された場合には、第1点火プラグ以外の点火プラグの点火を各サイクルの燃焼過程内で禁止する点火禁止手段と、
    を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関は、
    前記第1点火プラグの火花放電部が、燃焼室の天井壁中央部に配設されているものであり、
    前記第1点火プラグ以外の点火プラグの火花放電部が、燃焼室の天井壁周縁部に配設されているものである、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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