JP2011099334A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】O2センサに依存することなく、冷機始動時の燃焼状態を制御できる燃焼制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンの動作開始後、回転数が安定してから所定時間経過までの制御期間を管理する時間管理手段(ST1〜ST3)と、制御期間において、燃料噴射量を予め実験的に規定された設定値にしたがって制御する一方、燃焼状態の適否を所定時間間隔で把握する燃焼把握手段(ST4)と、燃焼把握が把握する燃焼状態が、下限レベルより悪化すると、吸気バルブと排気バルブとを重複して開放されるオーバーラップ量が減少するよう制御する一方、燃焼状態が上限レベルより良好となると前記オーバーラップ量が増加するよう制御する増減制御手段(ST6〜ST7)と、を設けた。
【選択図】図2
【解決手段】エンジンの動作開始後、回転数が安定してから所定時間経過までの制御期間を管理する時間管理手段(ST1〜ST3)と、制御期間において、燃料噴射量を予め実験的に規定された設定値にしたがって制御する一方、燃焼状態の適否を所定時間間隔で把握する燃焼把握手段(ST4)と、燃焼把握が把握する燃焼状態が、下限レベルより悪化すると、吸気バルブと排気バルブとを重複して開放されるオーバーラップ量が減少するよう制御する一方、燃焼状態が上限レベルより良好となると前記オーバーラップ量が増加するよう制御する増減制御手段(ST6〜ST7)と、を設けた。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の冷機始動時における燃焼制御に関するものである。
一般に、自動車エンジンでは、可変バルブ(VVT)制御が採用されており、吸排気バルブの開閉タイミングやバルブリフト量を適宜に制御することで、効率に優れた吸排気動作を図っている。ここで、エンジンが冷えている冷機時におけるエンジンの始動特性が特に問題になるところ、例えば、引用文献1では、カムシャフトの回転周期よりも短い周期で回転位相を検出すると共に、冷機始動時の可変バルブ制御として、冷却水の水温に基づいたフィードフォワード制御を採用している。
しかし、冷機始動時における吸気ガスの状態は、夏用・冬用・寒冷地仕様などによるガソリン組成の違いや、外気温度やエンジンの経年変化などによって左右されるところ、実際の燃焼状態を把握することなく、冷却水の水温のみに依存して可変バルブ量を制御しても、必ずしも適切な制御性能を発揮することはできない。
すなわち、可変バルブ制御におけるオーバーラップ量が大きいと、一般には、燃焼特性が悪化するものの、一方、オーバーラップ量を増やすと、ポンピングロスが低下して燃費改善に寄与する利点もあるので、これらの点を踏まえたフィードバック制御が望まれる。なお、O2センサの出力などに基づいて燃焼状態を把握することも考えられるが、冷機始動時には、O2センサが理論空燃比を正しく検出できない。
また、ガソリン自動車の排ガス中の有害成分(HC、CO、NOx)を浄化する三元触媒は、理論空燃比からはずれると浄化能力が極端に劣化するところ、O2センサが有効に機能しない冷機始動時には、例え、三元触媒を急速加熱したとしても、三元触媒の浄化機能を有効に発揮させることができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、O2センサに依存することなく、冷機始動時の燃焼状態を制御できる燃焼制御装置を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る内燃機関の燃焼制御装置は、内燃機関の動作開始後、回転数が安定してから所定時間経過までの制御期間を管理する時間管理手段と、前記制御期間において、燃料噴射量を予め実験的に規定された設定値にしたがって制御する一方、燃焼状態の適否を所定時間間隔で把握する燃焼把握手段と、前記燃焼把握が把握する燃焼状態が、下限レベルより悪化すると、吸気バルブと排気バルブとを重複して開放されるオーバーラップ量が減少するよう制御する一方、燃焼状態が上限レベルより良好となると前記オーバーラップ量が増加するよう制御する増減制御手段と、を設けて構成される。
また、請求項2に係る内燃機関の燃焼制御装置は、内燃機関の動作開始後、回転数が安定してから所定時間経過までの制御期間を管理する時間管理手段と、前記制御期間において、吸排気バルブを予め実験的に規定された設定値にしたがって制御する一方、燃焼状態の適否を所定時間間隔で把握する燃焼把握手段と、前記燃焼把握手段が把握する燃焼状態が、下限レベルより悪化すると、燃料噴射量を増加制御する一方、燃焼状態が上限レベルより良好となると燃料噴射量を減少制御する噴射制御手段と、を設けて構成される。
燃焼状態の適否は、好ましくは、燃焼室の圧力変動を示す圧力信号、内燃機関の回転数の変動量、又は、燃焼室のイオンを示すイオン検出信号に基づいて判定される。例えば、筒内圧センサを設け、その圧力信号の推移から図示平均有効圧を算出して算出値に基づいて燃焼状態の適否が判定される。
また、回転数センサを設け、その出力信号が、閾値を超えて変動するか否かによって燃焼状態が判定される。或いは、点火コイルの二次側にイオン検出回路を設け、イオン検出信号の挙動に基づいて、燃焼状態を判定するのも好適である。この場合、点火放電後の所定の判定区間における、(a)イオン検出信号の時間積分値、(b)イオン検出信号のピーク値、又は、(c)イオン検出信号が所定レベルを上回っている経過時間などを判定パラメータとし、各判定パラメータに基づくか、或いは、各判定パラメータを適宜に組み合わせて燃焼状態の適否が判定される。
なお、何れの手法を採る場合でも、本発明の上限レベルや下限レベルにおける上下は、必ずしも、数値的な上下と一致しない。
上記した本発明によれば、O2センサに依存することなく、冷機始動時の燃焼状態を適切に制御することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、自動車エンジンの燃焼制御装置を示す回路図である。図示の燃焼制御装置は、イオン検出回路IONを設けた点火制御装置CTLと、電子制御装置(Electronic Control Unit)たるECUと、を中心に構成されている。
そして、ECUは、点火プラグPGの点火放電を制御する点火パルスSGを出力すると共に、イオン検出回路ION、回転数センサ、及び自動車スタートスイッチからの検出信号に基づいて、VVT(Variable Valve Timing)制御信号を出力している。なお、この実施例では、VVT制御信号に基づいて吸気バルブと排気バルブの開閉タイミングが制御され、具体的には、2つのバルブが開放状態となるオーバーラップ量が制御されている。
図1に示す通り、点火制御装置CTLは、一次コイルL1と二次コイルL2が電磁結合された点火コイル1と、一次コイルL1の電流をON/OFF制御するスイッチング素子2と、二次コイルL2に直列接続された点火プラグPGと、イオン検出回路IONとで構成されている。
スイッチング素子2は、具体的にはIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタInsulated Gate Bipolar Transistor)で構成されている。そして、IGBTのゲート端子Gには、点火パルスSGが供給され、コレクタ端子Cは一次コイルL1に接続され、エミッタ端子Eはグランドに接続されている。また、IGBTのコレクタ端子Cとエミッタ端子Eには、ツェナーダイオードZDのカソード端子Cとアノード端子Aが接続されている。
点火コイル1を構成する一次コイルL1と二次コイルL2は、コイル巻線が逆相に巻かれ、スイッチング素子2がOFF遷移して一次コイルL1の電流が遮断されると、二次コイルL2に、図示の向きの高電圧が発生するよう構成されている。
イオン検出回路IONは、コンデンサC1,C2及びツェナーダイオードZD1,ZD2を中心とするバイアス回路3と、バイアス回路3及びOPアンプAMPによる電流検出回路4とを中心に構成されている。
バイアス回路3は、二次コイルL2の低圧側端子に接続されるツェナーダイオードZD2と、ツェナーダイオードZD2に接続されるツェナーダイオードZD1及びダイオードD2の直列回路と、この直列回路に並列接続されるコンデンサC2及びダイオードD3の直列回路と、コンデンサC2に並列接続されるダイオードD4及びコンデンサC1の直列回路と、コンデンサC1とダイオードD3との接続点と点火プラグPGの高圧側端子との間に接続されるダイオードD1とを有して構成されている。
そして、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD2、コンデンサC2,C1、ダイオードD3,D4を構成素子とする並列接続回路は、その一方がツェナーダイオードZD2のアノード端子に接続され、他方がグランドに接続されている。
図示の通り、ダイオードD4のカソード端子は、コンデンサC2に接続され、アノード端子は、コンデンサC1に接続されている。そのため、グランドから上向きの電流が流れる場合には、コンデンサC1→ダイオードD4の充電経路だけでなく、コンデンサC2の充電経路が並列に機能することになる。一方、逆向きに電流が流れる場合には、コンデンサC2の放電経路のみが機能する。
この並列接続回路において、コンデンサC1は、イオン電流検出用のバイアス電圧が充電されるチャージコンデンサであって、例えば、0.01〜0.044μF程度の静電容量を有している。一方、コンデンサC2は、スイッチング素子2のON遷移時に、過大な過渡電流が流れない放電経路を形成する補助コンデンサであって、点火プラグPGの浮遊容量Ccと同等か、ややこれより大きい静電容量を有している。
なお、点火プラグPGの浮遊容量Ccは、例えば20pF程度であり、この場合には、補助コンデンサC2の静電容量は20〜50pF程度である。いずれにしても、チャージコンデンサC1と補助コンデンサC2の静電容量は、C2≪C1であって、1000*C2<C1の関係にある。
ツェナーダイオードZD2は、スイッチング素子2のON遷移時に点火プラグPGが放電しないよう、そのカソード端子が二次コイルL2に接続されている。但し、本実施例では、通常のダイオードを使用するのではなく、あえてツェナーダイオードZD2を使用している。したがって、ツェナーダイオードZD2の両端に、自らの降伏電圧以上の電圧を受けた場合には、カソード端子からアノード端子に向けて逆方向電流が流れることになる。
ツェナーダイオードZD1は、そのアノード端子がツェナーダイオードZD2のアノード端子に接続されている。一方、ツェナーダイオードZD1のカソード端子はダイオードD2のカソード端子に接続されている。そのため、このツェナーダイオードZD1及びダイオードD2の直列回路には、ツェナーダイオードZD1の降伏時に、図示上向きの電流は流れるが、図示下向きの電流は、ダイオードD2によって阻止されることになる。
ところで、この回路構成では、ツェナーダイオードZD1とスイッチング素子2とが直流的に分離状態であるので、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧には、特段の上限がなく、適宜に高い降伏電圧を選択することができる。好ましくは、降伏電圧200V以上のツェナーダイオードを使用するべきであり、本実施例では、一例として、降伏電圧300V程度のツェナーダイオードZD1を使用している。また、ツェナーダイオードZD1と、ツェナーダイオードZD2は、降伏電圧をほぼ同一に設定するのが好ましく、本実施例では、ツェナーダイオードZD2の降伏電圧も300V程度となっている。
ダイオードD3は、そのカソード端子がコンデンサC1及びコンデンサC2に接続され、アノード端子がグランドに接続されている。また、ダイオードD3のカソード端子は、ダイオードD1のアノード端子にも接続されている。したがって、ダイオードD1がOFF状態であれば、コンデンサC1は、ダイオードD3→コンデンサC1→ダイオードD4の経路の図示上向きの充電電流によって充電可能となる。一方、ダイオードD1がON状態となると、コンデンサC1の充電電荷は、コンデンサC1→ダイオードD1の経路で放電可能となる。
電流検出回路4は、OPアンプAMPと、入力抵抗R1と、検出抵抗R2と、コンデンサC2とを有して構成されている。OPアンプAMPは、単一電源Vccで動作しており、非反転入力端子がグランドに接続されている。そして、OPアンプAMPの出力端子から、イオン検出信号Voutが出力される。
入力抵抗R1は、コンデンサC1と、OPアンプAMPの反転入力端子との間に接続されている。この入力抵抗R1は、例えば、100KΩ程度の抵抗値を有して、検出抵抗R2→入力抵抗R1の経路で流れる電流値を適宜なレベルに制限している。
検出抵抗R2とコンデンサC2とは互いに並列接続され、この並列回路がOPアンプAMPの反転入力端子と出力端子の間に接続されている。そのため、OPアンプAMPは、全体として積分回路として機能して耐ノイズ性を高めている。
図2(a)は、冷機始動時にECUが実行する燃焼制御方法を説明するフローチャートである。また、図2(b)〜図2(d)は、エンジン始動時(t0〜t2)におけるタイムチャートであり、燃料噴射量(図2(b))、VVT制御量たるオーバーラップ量(図2(c))、及び、回転数センサの出力(図2(d))が示されている。
この燃焼制御動作は、自動車の始動時(t0〜t2)において、点火パルスSGに同期して点火サイクル毎に繰り返し実行され、例えば、点火パルスSGの立上りタイミングで起動される。なお、この実施例では、VVT制御における給排気弁のオーバーラップ量が、センサ出力などに基づいて、リアルタイムにフィードバック制御されるが(図2(c)参照)、燃料噴射量は、予め実験的に確定されている設定値に基づいて、燃料リッチ側に制御されている(図2(b)参照)。
以下、図2に示すオーバーラップ量の制御方法について説明する。タイミングt0でスタートスイッチがON操作されると、最初、始動モータが回転中であるか否かが、スタートスイッチのON/OFF状態に基づいて判定される(ST1)。そして、スタートスイッチがON状態であれば、そのまま処理を終える。
一方、スタートスイッチがOFF状態に復帰している場合には、回転数センサに基づいて、エンジン回転数が安定化しているか否かが判定される(ST2)。具体的には、回転数センサからの一連の取得値に基づいて、エンジン回転数が急増しているか否か、或いは、急増した後にエンジン回転数が急減しているか否かが一連の取得値の偏差に基づいて判定される。そして、偏差が大きい場合には、エンジン回転が安定状態に達していないと判断して処理を終える。
一方、回転数センサからの取得値が所定範囲内に収束したタイミングt1の後は、始動制御期間が満了したか否かが判定される(ST3)。ここで、始動制御期間の終期(t2)は、O2センサが活性化されて正常に動作を開始するタイミングであって、実験的に確定されている。
そして、始動制御期間中(t1〜t2)であれば、当該点火サイクルにおける燃焼室の燃焼状態を把握するべくイオン検出回路IONからイオン検出信号Voutを取得する(ST4)。そして、イオン検出信号Voutの波形に基づいて、正常燃焼か、緩慢燃焼か、失火状態かが判定される。
具体的には、点火放電後の所定の判定区間における、(a)イオン検出信号の時間積分値、(b)イオン検出信号のピーク値、又は、(c)イオン検出信号が所定レベルを上回っている経過時間などを総合評価して燃焼状態が判定される。なお、(a)時間積分値が大きいこと、(b)イオン検出信号のピーク値が高いこと、(c)イオン検出信号が所定レベルを上回っている経過時間が長いことが、正常燃焼であることを示す判定要素となる。また、当該点火サイクルにおける判定要素だけでなく、これと近接する複数回の点火サイクルにおける判定要素も含めて総合評価するのが好適である。
このようにして、判定パラメータを総合評価した結果、評価値が下限判定レベルより悪化している場合には、オーバーラップ量を減少させるようVVT制御信号を出力する(ST6)。一方、評価値が上限判定レベルより更に良好な場合には、オーバーラップ量を増加させるようVVT制御信号を出力し(ST7)、下限判定レベルと上限判定レベルの間である場合は、以前のままの制御量を維持する。
タイミングt1〜t2の制御期間では、上記のようなオーバーラップ制御が実行され(図2(c)参照)、その後、タイミングt2に達した後は(ST3)、O2センサその他のセンサの出力を加味した定常的な可変バルブ制御が開始される。以上の通り、この実施例では、冷機始動時においても、最良のオーバーラップ量を維持できるので、燃焼性能を悪化させることなく、ポンピングロスを最小限に抑制することができ低燃費化に有効に寄与する。
図3は、冷機始動時に実行される別の燃焼制御方法を説明するフローチャート(図3(a))と、エンジン始動時(t0〜t2)におけるタイムチャート(図3(b)〜(d))を示している。なお、この実施例では、燃料噴射量が、センサ出力などに基づいてリアルタイムにフィードバック制御されるが(図3(b)参照)、オーバーラップ量は、予め実験的に確定されている設定値に固定されている(図3(c)参照)。
以下、図3に示す燃料噴射量の制御方法について説明する。ステップST1〜ST3の処理は、図2の実施例と同じであり、タイミングt1〜タイミングt2の制御期間において、ステップST4〜ST17の制御処理が実行される。
具体的には、イオン検出回路IONからイオン検出信号Voutが取得され(ST4)、イオン検出信号Voutの波形に基づいて、正常燃焼か、緩慢燃焼か、失火状態かが判定される。なお、判定方法は、図2の実施例の場合と同じである。そして、判定パラメータを総合評価した結果、評価値が下限判定レベルより悪化している場合には、燃料噴射量を増加させる(ST16)。一方、評価値が上限判定レベルより更に良好な場合には、燃料噴射量を減少させ(ST17)、下限判定レベルと上限判定レベルの間である場合は、以前のままの制御量を維持する。
タイミングt1〜t2の制御期間では、上記のような噴射量制御が実行され(図3(b)参照)、その後、タイミングt2に達した後は(ST3)、O2センサその他のセンサの出力を加味した定常的なA/F制御が開始される。以上の通り、この実施例では、三元触媒などが有効に機能しない冷機始動時においても、最良の燃焼状態を維持することができる。
ところで、上記した制御動作を正確に実現するためには、イオン検出回路IONが各点火サイクルにおいて、素早いタイミングでイオン検出信号Voutを取得できることが重要である。そこで、この点も含めて、図1のイオン検出回路IONの動作内容を確認的に説明しておく。
図4〜図6は、実施例に係るイオン電流検出装置の動作内容を説明する図面である。図6のタイムチャートでは、点火プラグPGが火花放電を開始したタイミングT1から、火花放電終了タイミングT2を経て、イオン電流の検出が開始されるタイミングT3までを模式的に示している。なお、二次コイルL2の高圧端子側の電位Vpは、点火プラグPGの電位に他ならない。したがって、図6には、点火プラグPGの電位Vpと、OPアンプAMPの検出信号Voutとを図示していることになるが、タイミングT3に至るまでの検出信号Voutは図示省略している。
<タイミングT1〜タイミングT2>
先ず、点火パルスSGが立下がり、スイッチング素子2がOFF遷移するタイミングT1以後について、図4(a)と図6とを参照しつつ説明する。
先ず、点火パルスSGが立下がり、スイッチング素子2がOFF遷移するタイミングT1以後について、図4(a)と図6とを参照しつつ説明する。
スイッチング素子2がOFF遷移すると、二次コイルL2には、図4(a)に示す向きの高電圧が発生し、バイアス回路3→二次コイルL2→点火プラグPGの経路で放電電流i1が流れる。その結果、コンデンサC1及びコンデンサC2は、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧に対応して、例えば300Vまで急速に、図示の向きに充電される。この時、二次コイルL2の誘起電圧が、例えば1100V程度であれば、放電動作状態の点火プラグPGの電位Vpは、約800V程度となる。
一方、ダイオードD3とダイオードD1の接続点の電位Vcは、このタイミングでは、ダイオードD3の順方向電圧に対応して約1V程度である。そのため、ダイオードD1はOFF状態であって、コンデンサC1の充電電荷がダイオードD1を経由して放電することはない。なお、このタイミングでは、抵抗R2→抵抗R1の経路にも電流i2が流れるので、検出信号Voutは正の飽和電圧となる。
<タイミングT2〜タイミングT3>
その後、タイミングT2で火花放電が終了して、点火プラグPGの電位Vpが降下し始める。図4(b)及び図6(b)は、この状態を図示したものであり、点火プラグPGの電荷が、二次コイルL2及びツェナーダイオードZD2を経由して速やかに放電される状態を実線で示している。
その後、タイミングT2で火花放電が終了して、点火プラグPGの電位Vpが降下し始める。図4(b)及び図6(b)は、この状態を図示したものであり、点火プラグPGの電荷が、二次コイルL2及びツェナーダイオードZD2を経由して速やかに放電される状態を実線で示している。
ところで、図6(b)には、ツェナーダイオードZD2に代えてダイオードD’を配置した場合の動作を破線で示している。ON時放電を阻止するという意味では、ダイオードD’も有効に機能するが、ダイオードD’は、点火プラグPGの充電電荷の放電経路を限定することになるので、点火プラグPGの電位Vpの降下速度が、図6(b)の破線で示すように緩慢となる。
これに対して、図1の回路構成では、点火プラグPGの充電電荷の放電経路にツェナーダイオードZD2が配置されており、しかも、その降伏電圧が、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧と同程度(ここでは約300V)に設定されている。そのため、降伏状態のツェナーダイオードZD2、及び、バイアス回路3の浮遊容量や漏れ抵抗が、放電経路として有効に機能して、点火プラグPGの電位Vpは速やかに降下する。なお、点火プラグPGの等価容量Ccは、例えば、20pF程度の小容量であるので、前記の放電経路が有効に機能することは、実験的にも確認済みである。
<タイミングT3〜>
その後、タイミングT3において、点火プラグPGの電位Vpが、コンデンサC1のプラス側の電位Vc程度まで降下すると、ダイオードD1がON動作して、図5(a)に示すイオン電流iが流れ始める。なお、タイミングT3における点火プラグPGの電位Vpは、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧Vzに対応して、約300V程度である。
その後、タイミングT3において、点火プラグPGの電位Vpが、コンデンサC1のプラス側の電位Vc程度まで降下すると、ダイオードD1がON動作して、図5(a)に示すイオン電流iが流れ始める。なお、タイミングT3における点火プラグPGの電位Vpは、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧Vzに対応して、約300V程度である。
ダイオードD1がON動作した後は、コンデンサC1の両端電圧をバイアス電圧として、検出抵抗R2→入力抵抗R1→コンデンサC1→ダイオードD1→点火プラグPGの経路でイオン電流iが流れ、検出信号Vout=i*R2がOPアンプAMPから出力される。なお、このとき、ダイオードD4→コンデンサC2→ダイオードD1の経路でも電流が流れる。
この実施例では、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧Vzを適宜に高く設定できるので、点火プラグPGの電位Vpが、コンデンサC1のプラス側の電位Vcに達するまでの経過時間が短く、その分だけ、素早くイオン電流の検出を開始することができる。
なお、図6(a)(b)には、ツェナーダイオードZD2に代えて、ダイオードD’を使用する場合であって、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧Vzを、例えば300Vに設定した場合と、例えば200Vの場合とを破線で示している。いずれの場合も、ON時放電を防止するためダイオードD’を使用するので、本実施例のようにツェナーダイオードZD2を使用する場合より、点火プラグPGの電位Vpの降下速度が緩慢である(図6(b)の破線参照)。
具体的に確認すると、ダイオードD’を使用して、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧Vzを低く設定した場合には、図示の通り、タイミングT3”以降でないとイオン電流を検出することができない。これに対して、本実施例の構成によれば、T3とT3”の時間差τ2だけ早期にイオン電流を検出できる利点がある。
また、ダイオードD’を使用する場合には、例え降伏電圧を高く(例えば300V)に設定しても、点火プラグPGの電位Vpの降下速度が緩慢であるため、タイミングT3’以降でないとイオン電流を検出することができない。したがって、本実施例の構成によれば、ON時放電防止用のツェナーダイオードZD2を使用することで、T3とT3’の時間差τ1だけ早期にイオン電流を検出できる利点がある。
<スイッチング素子のON遷移時>
続いて、スイッチング素子2が、点火パルスSGの立上りに対応して、ON遷移したときの動作を、図5(b)及び図5(c)に基づいて説明する。
続いて、スイッチング素子2が、点火パルスSGの立上りに対応して、ON遷移したときの動作を、図5(b)及び図5(c)に基づいて説明する。
スイッチング素子2がON遷移すると、一次コイルL1に、図示の誘起電圧が発生すると共に、二次コイルL2には、逆向きの誘起電圧が発生する。図示の通り、二次コイルL2の誘起電圧は、コンデンサC1の充電電圧と同方向に発生するので、もし補助ダイオードD4や補助コンデンサC2が存在しない場合には、図5(c)に示す短絡経路が機能することになる。
そのため、図5(c)に示す回路構成であれば、コンデンサC1の充電電荷が放電して、ツェナーダイオードZD2が降伏状態から復帰するまで、二次コイルL2に過大な短絡電流icが流れる。そして、二次コイルL2の短絡電流icに対応して、一次コイルL1にも、点火コイル1の巻数比に対応した過大電流が流れるので、スイッチング素子2に大きなストレスを与えることになる。
しかし、本実施例では、補助ダイオードD4と補助コンデンサC2を設けているので、スイッチング素子2のON遷移時には、例え短絡電流が流れても、それが極めて短時間で収束するので、スイッチング素子2に悪影響を与えることがない。したがって、本実施例によれば、スイッチング素子2のON遷移時にトラブルを生じることなく、イオン電流の検出タイミングを効果的に早めることができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、必ずしもイオン検出信号に基づいて、燃焼状態を把握する必要はなく、例えば、燃焼室の圧力変動を示す圧力信号、内燃機関の回転数の変動量などに基づいて燃焼状態を把握しても良い。この場合、筒内圧センサを設け、その圧力信号の推移から図示平均有効圧を算出して算出値に基づいて燃焼状態を判定するのが簡易的である。また、回転数センサを設け、その出力信号が、閾値を超えて変動するか否かによって燃焼状態を判定しても良い。
ST1〜ST3 時間管理手段
ST4 燃焼把握手段
ST6〜ST7 増減制御手段(ST6〜ST7)と
ST4 燃焼把握手段
ST6〜ST7 増減制御手段(ST6〜ST7)と
Claims (6)
- 内燃機関の動作開始後、回転数が安定してから所定時間経過までの制御期間を管理する時間管理手段と、
前記制御期間において、燃料噴射量を予め実験的に規定された設定値にしたがって制御する一方、燃焼状態の適否を所定時間間隔で把握する燃焼把握手段と、
前記燃焼把握が把握する燃焼状態が、第1レベルより悪化すると、吸気バルブと排気バルブとを重複して開放されるオーバーラップ量が減少するよう制御する一方、燃焼状態が第2レベルより良好となると前記オーバーラップ量が増加するよう制御する増減制御手段と、
を設けたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 内燃機関の動作開始後、回転数が安定してから所定時間経過までの制御期間を管理する時間管理手段と、
前記制御期間において、吸排気バルブを予め実験的に規定された設定値にしたがって制御する一方、燃焼状態の適否を所定時間間隔で把握する燃焼把握手段と、
前記燃焼把握手段が把握する燃焼状態が、第1レベルより悪化すると、燃料噴射量を増加制御する一方、燃焼状態が第2レベルより良好となると燃料噴射量を減少制御する噴射制御手段と、
を設けたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 燃焼状態の適否は、燃焼室の圧力変動を示す圧力信号、内燃機関の回転数の変動量、又は、燃焼室のイオン発生を示すイオン検出信号に基づいて判定される請求項1又は2に記載の燃焼制御装置。
- 前記燃焼制御装置を構成する点火制御装置は、一次コイルL1と二次コイルL2が電磁結合された点火コイル1と、一次コイルL1の電流をON/OFF制御するスイッチング素子2と、二次コイルL2に直列接続された点火プラグPGと、イオン検出回路IONとを有して構成され、
前記イオン検出回路IONは、第一コンデンサC1及び第一ツェナーダイオードZD1を有し、前記点火プラグの放電時に、前記二次コイルの高電圧に基づいて前記第一ツェナーダイオードZD1の降伏電圧に対応して前記第一コンデンサC1が充電されるバイアス回路と、前記第一コンデンサC1の放電電流を検出する電流検出回路と、を有して構成され、
前記第一コンデンサC1の両端に、補助コンデンサC2及び補助ダイオードD4の直列回路を並列接続して、前記点火プラグの放電時に、前記補助コンデンサC2が充電されると共に、前記第一コンデンサC1が、前記補助ダイオードを経由して充電されるようイオン検出回路が構成されている請求項1〜3の何れかに記載の燃焼制御装置。 - 前記第一コンデンサC1の充電時における高圧側端子と、前記点火プラグの放電時における高圧側端子との間に第一ダイオードD1を配置して、前記点火プラグの高圧側端子の電位が降下すると前記第一ダイオードD1がON動作して、前記第一コンデンサC1、前記第一ダイオードD1、及び前記点火プラグを経由して、前記第一コンデンサC1の放電電流が流れるよう構成した請求項4に記載の燃焼制御装置。
- 前記二次コイルと前記第一ツェナーダイオードZD1との間に、前記第一ツェナーダイオードとは逆向きに第二ツェナーダイオードZD2を配置した請求項4又は5に記載の燃焼制御装置。
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JP2009252762A JP2011099334A (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | 内燃機関の燃焼制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016223443A (ja) * | 2015-05-29 | 2016-12-28 | トヨタ自動車株式会社 | エンジン制御装置 |
US10697384B2 (en) | 2015-05-29 | 2020-06-30 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device and control method for engine |
-
2009
- 2009-11-04 JP JP2009252762A patent/JP2011099334A/ja not_active Withdrawn
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