JP4588082B2 - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents

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この発明は、内燃機関の燃焼状態検出装置に係わり、より詳しくは、プレイグニッション発生の有無を精度良く検出できるようにした内燃機関の燃焼状態検出装置に関するものである。
内燃機関の運転に於いて、燃焼室内の燃焼に伴って燃焼室内の混合ガスの分子は電離(イオン化)し、電離状態にある燃焼室内に点火プラグを通じて電圧を印加すると微小な電流が流れる。この微小な電流をイオン電流と称する。火花点火式の内燃機関に於いて、点火プラグを用いて点火した後に燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、検出したイオン電流の大きさやイオン電流が発生している時間等から、ノッキングや燃焼限界等の内燃機関の運転状態を検出し、その検出結果に基づいて点火時期を調整したり、燃料噴射量を補正することは、従来から知られている。
又、内燃機関の運転に於いて、点火プラグ或いは気筒内に付着したカーボンデポジットが有する残留熱がホットスポットとなり、圧縮行程の途中に混合ガスが自然着火してしまう現象がある。この現象はプレイグニッションと称されるが、プレイグニッションは内燃機関の出力の激減あるいは回転の不調をもたらすだけでなく、最悪の場合は内燃機関を損傷してしまう場合もある。そのため、従来、点火プラグ電極に流れるイオン電流によりプレイグニッションを判定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、局部的に生じた過熱箇所によって正規の点火時期後の早期に自己着火するプレイグニッションの前兆現象(ポストイグニッション)や暴走(プレイグニッションが連続発生)前のプレイグニッションを検出することで、点火プラグやピストンの溶損に至るレベルの暴走プレイグニッションを防止できることが従来から知られている。
又、イオン電流を検出するようにした従来の内燃機関の制御装置として、図15に示す構成が知られている。図15に於いて、燃焼室に設置された点火プラグ100には、点火コイル200が接続されている。点火コイル200は、ECU300によりトランジスタ30が制御されてオフされると、点火コイル部20の一次コイル20a側に逆起電力が発生し、これに応じて二次コイル20b側に負の高電圧が発生し、これにより点火プラグ100の電極間に火花放電が放電する。
そして、燃焼室内の混合気が燃焼すると、燃焼により生じた点火プラグ100の電極間に流れるイオン電流がイオン電流検出装置40により検出される。耐ノイズ性向上のためにイオン電流検出装置40内に設けられたイオン電流整形部41により、イオン電流を定倍処理等の波形整形を実施し、その後ECU300へと入力される。ECU300へは内燃機関の運転状態を把握するため、吸気温センサ、スロットルセンサ、クランク角センサ、水温センサ等の各種センサ400出力が入力されている。
イオン電流検出装置40は、点火コイル200の二次コイル20bの低圧側に接続されたバイアス装置、即ちコンデンサ42とこのコンデンサ42とグランドとの間に挿入されたダイオード43と、コンデンサ42に並列接続された電圧制限用のツェナーダイオード44とを含む。コンデンサ42並びにコンデンサ42に並列接続されたツェナーダイオード44は、二次コイル20bの低圧側とグランド間に挿入されて、点火電流発生時にコンデンサ42にバイアス電圧を充電するための充電経路を構成している。
コンデンサ42は、トランジスタ30のオフ時に於いて、二次コイル20bから出力される高電圧により放電した点火プラグ100を介して流れる二次電流100bにより充電される。この充電電圧は、ツェナーダイオード44により所定のバイアス電圧(例えば、数100V程度)に制限され、イオン電流検出用のバイアス装置、即ち電源として機能する。
特許第3176291号公報
図14に示されたような従来の装置の場合、点火放電中にイオン電流を検出するための電荷を蓄えるように構成されており、点火放電中はイオン電流を検出することが不可能である。従って、プレイグニッションやプレイグニッションの前兆現象のように点火前や点火直後に自然着火し、燃焼速度が速い運転状態では、大半のイオン電流情報が放電時間中に発生してしまう場合があるため、燃焼イオン電流のみにより燃焼状態を精度良く把握することが困難となる。
又、点火プラグ100が燻り、それにより絶縁抵抗の低下時に流れるリーク電流がイオン電流信号に含まれる場合は、燃焼によるイオン電流が発生していない場合でも、リーク電流をイオン電流として誤検出し、正確にプレイグニッションを検出できない場合もある。
この発明は、従来の装置に於ける前述のような問題点を解決するためになされたもので、プレイグニッション発生の検出を精度良く行い得る内燃機関の燃焼状態検出装置を提供することを目的とする。
この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、内燃機関の燃焼室内に設置される電極間に点火電圧が印加されて火花放電を発生し前記燃焼室内の混合気を燃焼させる点火手段と、前記点火手段の前記電極間に前記点火電圧を印加する点火コイルとを有する内燃機関の前記燃焼の状態を検出するようにした燃焼状態検出装置であって、前記混合気の燃焼により前記燃焼室内に生ずるイオンに基づくイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、前記点火コイルの一次電圧に基づいて前記点火手段の電極間に発生する前記火花放電の放電パラメータを検出する放電パラメータ検出手段と、前記検出されたイオン電流に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第1の判定と前記検出された放電パラメータに基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第2の判定とを実施し、前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果とに基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション判定手段とを備えたものである。
又、この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、内燃機関の燃焼室内に設置される電極間に点火電圧が印加されて火花放電を発生し前記燃焼室内の混合気を燃焼させる点火手段と、前記点火手段の前記電極間に前記点火電圧を印加する点火コイルとを有する内燃機関の前記燃焼の状態を検出するようにした燃焼状態検出装置であって、前記混合気の燃焼により前記燃焼室内に生ずるイオンに基づくイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、前記点火コイルの一次電圧に基づいて前記点火手段の電極間に発生する前記火花放電の放電パラメータを検出する放電パラメータ検出手段と、前記内燃機関の振動を検出する振動検出手段と、前記内燃機関の回転変動を検出する回転変動検出手段と、前記内燃機関の燃焼室内に於けるプレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション判定手段とを備え、前記プレイグニッション判定手段は、前記検出されたイオン電流に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第1の判定と、前記検出された放電パラメータに基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第2の判定と、前記検出された振動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第3の判定と、前記検出された回転変動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第4の判定とを行い得るように構成されると共に、前記内燃機関の運転状態に応じて前記第1の判定乃至第4の判定のうちの何れかを選択し、前記選択した判定の結果に基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定するようにしたものである。
この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置によれば、混合気の燃焼により燃焼室内に生ずるイオンに基づくイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、点火プラグの電極間に発生する火花放電の放電パラメータを検出する放電パラメータ検出手段と、イオン電流検出手段により検出したイオン電流と放電パラメータ検出手段により検出した放電パラメータとに基づいて燃焼室内に於けるプレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション判定手段とを備えたので、イオン電流に基づくプレイグニッションと相関のある指標のみでなく、放電パラメータに基づくプレイグニッションと相関のある指標に基づいてプレイグニッションの発生の有無を判定することができ、プレイグニッションやプレイグニッションの前兆現象のように燃焼速度が速い運転状態で大半のイオン電流情報が放電時間中に発生してしまう場合や点火プラグ燻りが発生した場合に於いてもプレイグニッション判定の精度を向上することができる。
又、この発明による内燃機関の燃焼状態検出装置によれば、混合気の燃焼により燃焼室内に生ずるイオンに基づくイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、点火手段の電極間に発生する火花放電の放電パラメータを検出する放電パラメータ検出手段と、内燃機関の振動を検出する振動検出手段と、内燃機関の回転変動を検出する回転変動検出手段と、内燃機関の燃焼室内に於けるプレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション判定手段とを備え、プレイグニッション判断手段は、検出されたイオン電流に基づいてプレイグニッションの発生状態を判定する第1の判定と、検出された放電パラメータに基づいてプレイグニッションの発生状態を判定する第2の判定と、検出された振動に基づいてプレイグニッションの発生状態を判定する第3の判定と、検出された回転変動に基づいてプレイグニッションの発生状態を判定する第4の判定とを行い得るように構成されると共に、内燃機関の運転状態に応じて第1の判定乃至第4の判定のうちの何れかを選択し、選択した判定の結果に基づいてプレイグニッションの発生の有無を判定するように構成されているので、プレイグニッションに起因しない要因によるプレイグニッション発生の誤判定をより確実に防ぐことができる。
以下、図面に基づいて、この発明の実施の形態1乃至9について説明する。尚、各図間に於いて、同一符号は、同一若しくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す機能構成図である。図1に於いて、点火手段としての点火プラグ100は、内燃機関の燃焼室内で火花放電を発生して燃焼室内に取り込んだ混合気燃料を燃焼させる。点火コイル200は、内燃機関の運転に際し点火プラグ100に高電圧を印加して火花放電を発生させる。
点火制御手段としての点火制御装置301は、点火コイル200の動作を制御するための制御信号を発生する。A/D変換手段としてのA/D変換装置302は、後述するイオン電流検出手段としてのイオン電流検出装置40により検出されるイオン電流、点火コイル200の二次電圧V2、一次電圧Vc、二次電流I2を電圧として取り出した放電電流
変換電圧Vi2等をデジタル値信号に変換する。
発生位置演算手段としての発生位置演算装置303は、イオン電流の発生位置を演算する。重心演算手段としての重心演算装置304は、イオン電流の重心位置を演算する。放電時間演算手段としての放電時間演算装置305は、点火放電時間を演算する。放電電圧演算手段としての放電電圧演算装置306は、点火放電電圧の大きさを演算する。放電電流演算手段としての放電電流演算装置307は、点火放電電流の変動を演算する。プレイグニッション判定手段としてのプレイグニッション判定装置308は、発生位置演算装置303、重心演算装置304、放電時間演算装置305、放電電圧演算装置306、及び放電電流演算装置307の夫々の演算結果に基づき、プレイグニッション若しくはプレイグニッションの前兆現象を検出する。尚、前記放電電圧演算手段としての放電電圧演算装置306と、放電電流演算手段としての放電電流演算装置307は、この発明に於ける放電パラメータ検出手段を構成している。
前述の点火制御装置301、A/D変換装置302、発生位置演算装置303、重心演算装置304、放電時間演算装置305、放電電圧演算装置306、放電電流演算装置307、プレイグニッション判定装置308は、ECU300内のCPUにより構成されている。ECU300は、これらの装置及び内燃機関を制御する。各種センサ400からの信号は、ECU300に入力される。
図2は、この発明の実施の形態1に於ける内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す回路構成図である。実施の形態1では、イオン電流に加え、点火プラグ100の放電電圧と放電電流もプレイグニッション判定に用いる。そのため、点火コイル部20の二次コイル20bに発生する二次電圧V2と、二次コイル20bに直列接続された抵抗50を介して得られる放電電流変換電圧Vi2とを、点火コイル200の端子から取り出し、ECU300へ出力するように構成されている。その他の構成は、図14に示した構成と同様である。
図3、図4、図5は、夫々、この発明の実施の形態1による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を説明するタイミングチャートで、図3はプレイグニッション未発生時、図4は暴走前プレイグニッション発生時、図5は暴走プレイグニッション発生時を示している。図3、図4、図5に於いて、(a)はトランジスタ30のベース電流IBと二次コイル20bに発生する二次電圧V2、(b)は点火プラグ100を介して流れる放電電流I2としての二次電流100bを電圧値に変換した放電電流変換電圧Vi2、(c)はトランジスタ30のコレクタ電圧Vc、(d)はイオン電流100a、(e)は内燃機関の筒内圧力、(f)は内燃機関の筒内に於ける熱発生率、を夫々示している。
次に、この発明の実施の形態1に於ける内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について説明する。先ず、内燃機関の動作が正常でプレイグニッションが発生しない状態の動作を例にとり、図1、図2、及び図3に基づいて説明する。
いま、内燃機関のピストンの上死点TDCのタイミングである時点t1に於いて、ECU300の点火制御装置301からトランジスタ30のベースにベース電流IBが供給されたとすると、トランジスタはオンとなり点火コイル部20の一次コイル20aに一次電流が流れ二次コイル20bに誘導電圧が発生する。図3の(a)に示すように、時点t1以前にはコンデンサ42の電圧値のみが二次電圧V2としてECU300に入力されていたが、時点t1に於いてはコンデンサ42の電圧値に前述の誘導電圧の値が加算された値が二次電圧V2としてECU300に入力される。時点t1以降、二次コイル20bに発生した誘導電圧は次第に減少し二次電圧V2は図3の(a)に示す波形となる。尚、時点t1に於いて、トランジスタ30のオンに伴う点火ノイズが図3の(d)に示すように発
生する。
次に、時点t2に於いて、ECU300からのトランジスタ30へのベース電流が遮断され、トランジスタ30はオフとなる。これにより点火コイル部20の一次コイル20a側に逆起電力が発生し、これに応じて図3の(a)に示すように二次コイル20b側に負の高電圧が発生し点火プラグ100の電極間に火花放電が放電する。その結果、燃焼室内の混合気が点火され燃焼する。コンデンサ42は、時点t2でのトランジスタ30のオフ時に於いて、二次コイル20bから出力される負の高電圧により放電した点火プラグ100を介して流れる二次電流100b即ち放電電流I2により充電される。コンデンサ42の充電電圧は、ツェナーダイオード44により所定のバイアス電圧(例えば、数100V程度)に制限され、イオン電流検出用のバイアス装置、即ち電源として機能する。
時点t2に於ける火花放電の発生から時点t3までの放電時間の間は、点火プラグ100の電極間の誘電グロー放電が継続し、コンデンサ42の充電電流としての二次電流100bが減少しつつ流れる。従って、放電電流変換電圧Vi2は、図3の(b)に示す波形となる。この放電電流変換電圧Vi2は、点火コイル200からECU300に入力される。尚、時点t2に於いて、トランジスタ30のオフに伴う点火ノイズが図3の(d)に示すように発生する。
時点t3以降は、充電されたコンデンサ42の電圧がバイアス電圧として点火プラグ100の電極間に印加され、火花放電による混合気燃料の燃焼により発生したイオンによる燃焼イオン電流(以下、単に、イオン電流と称する)100aが、図3の(d)に示すように流れる。このイオン電流100aは、クランク角度40CA程度継続して流れる。このイオン電流は、イオン電流検出装置40により検出される。耐ノイズ性向上のためにイオン電流検出装置40内に設けられたイオン電流整形部41により、イオン電流を定倍処理等の波形整形を実施し、その後、ECU300に入力される。尚、イオン電流100aの他、二次電圧V2、及び放電電流変換電圧Vi2、及び内燃機関の運転状態を把握するため、吸気温センサ、スロットルセンサ、クランク角センサ、水温センサ等の各種センサ400出力が入力される。尚、尚、二次電圧V2に代えてトランジスタ30のコレクタ電圧VcをECU300に入力しても良い。
前述したように、イオン電流検出装置40は、点火コイル200の二次コイル20bの低圧側に接続されたバイアス装置、即ちコンデンサ42とこのコンデンサ42とグランドとの間に挿入されたダイオード43と、コンデンサ42に並列接続された電圧制限用のツェナーダイオード44とを含む。コンデンサ42並びにコンデンサ42に並列接続されたツェナーダイオード44は、二次コイル20bの低圧側とグランド間に挿入されて、点火電流発生時にコンデンサ42にバイアス電圧を充電するための充電経路を構成している。尚、時点t3に於いて、ツェナーダイオード44のブレークダウンに伴うバイアスノイズが図3の(d)に示すように発生する。
以上、プレイグニッション未発生時つまり通常燃焼動作時の動作について説明したが、図4に示す暴走前プレイグニッション発生時の場合は、プレイグニッションによるイオン電流は点火タイミングである時点t2から時点t3の間の放電時間に発生し、又、図5に示す暴走プレイグニッション発生時の場合は、暴走プレイグニッションによるイオン電流は点火タイミングである時点t2より以前に発生することになる。暴走前プレイグニッションや暴走プレイグニッションは、周知のように、筒内に混合気燃料の不完全燃焼等によりカーボンデポジットが発生すること等が原因で発生するものであり、筒内の圧力及び熱発生率は、通常燃焼時に於ける図3の(e)、(f)とは異なり、夫々図4、図5の(e)、(f)に示すようになる。又、図4に示す暴走前プレイグニッション発生時や図5に示す暴走プレイグニッション発生時には、通常燃焼時に於ける図3の場合の二次電圧V2、トランジスタ30のコレクタ電圧Vcとは異なり、夫々図4の(a)、(c)に示すように顕著に変化する。
前述したように、イオン電流100a、二次電圧V2又はコンデンサ電圧Vc、及び放電電流変換電圧Vi2は、夫々ECU300に入力され、A/D変換装置302によりデジタル信号に変換される。
発生位置演算装置303は、A/D変換装置302によりデジタル信号に変換されて入力されたイオン電流データからイオン電流の発生位置を演算する。図6は、発生位置演算装置303の動作を示すフローチャートである。図6に於いて、ステップS41では入力されたイオン電流データを取り込み、ステップS42により検出区間の設定、バイアスノ
イズや点火ノイズ等のノイズ除去やクランク角度ベースへの変換等の前処理を施こし、不必要な情報を取り除く。この実施の形態1に於いては、設定される検出区間のスタートタイミングを上死点前(以下、BTDCと称する)90CAD位置に設定し、検出区間終了タイミングを燃焼行程終了タイミングの時点t3に設定し、プレイグニッションによるイオン電流が発生し得る領域に設定するのを最適とする。
ステップS43では、ステップS42により前述のように前処理されたイオン電流データに基づいてイオン電流の発生位置を算出する。ここでは、イオン電流データが所定の閾値以上を満たす最も早いクランク角度位置ipと点火タイミング(角度)igtの差分[ip−igt]を、イオン電流発生位置itとして算出する。この算出されたイオン電流発生位置itは、BTDC側を負として扱う。イオン電流発生位置itが負の値であれば、点火タイミングよりも早くイオン電流が発生したということになる。尚、この実施の形態1に於いては、イオン電流発生位置itをクランク角度ベースで扱うようにしているが、時間ベースで扱ってもよい。
重心演算装置304は、イオン電流検出装置40により検出されたイオン電流の重心位置icgを演算する。図7は、重心演算装置304の動作を示すフローチャートである。図7に於いて、ステップS51ではイオン電流データを取り込む。次に、ステップS52
に進み、イオン電流を検出する検出区間の設定、バイアスノイズや点火ノイズ等のノイズ除去、及び各時点のクランク角度ベースへの変換等の前処理を施こし、入力されたデータから不必要な情報が取り除く。この実施の形態1では、イオン電流の重心位置icgを演算するためのイオン電流を検出する検出区間は、点火タイミングである時点t2から次気筒点火タイミングまでの角度ベース区間として設定される。ステップS53では、ステップS52により前述のように前処理されたイオン電流データに基づいて、イオン電流の重心位置icgを算出する。
この実施の形態1に於いては、重心演算装置304により重心位置icgを求める方法として、一次キュムラント算術式を用いる。一次キュムラント算術式を用いて得られた重心位置は、重心演算装置304から出力される。尚、イオン電流の重心位置の算出には、高次のキュムラント算術式やイオン電流データの積算値が所定割合(例えば30%)になるまでの時間(角度)を用いてもよい。
重心演算装置304により演算されるイオン電流の重心icgは、図3の(d)に示す通常燃焼の場合は、上死点後(以下、ATDCと称する)50CAD付近、図4の(d)に示す暴走前のプレイグニッション発生時の場合は、ATDC30CAD付近、図5の(d)に示す暴走プレイグニッション発生時の場合は、ATDC20CAD付近の位置となる。つまり、プレイグニッションのレベルが酷くなるにつれてBTDC側へイオン電流の重心が移行する傾向がある。
ここで、プレイグニッションと放電時間の関係について説明する。プレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生するような運転条件では、図4及び図5の(e)に示すように燃焼室である筒内の圧力が非常に高くなっている。パッシェンの法則より平行な電極間で火花放電の生じる電圧は、ガス圧と電極の間隔の積の関数であることが知られているため、筒内の圧力が高いと放電維持のために要求される電圧も高くなる。点火コイルのエネルギーは決まっているため、プレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は、要求される電圧が高い分、放電維持が通常より難しくなる。つまり放電時間が短くなる傾向がある。
放電時間演算装置305は、前述の放電時間T2を演算する。図8は放電時間演算装置305の動作を示すフローチャートである。図8に於いて、ステップS61では入力されたイオン電流データを取り込み、ステップS62に進む。ステップS62では、図3乃至図5の(d)に示す時点t3で発生するバイアスノイズの検出を行う。このバイアスノイズ検出は、点火タイミングの時点t2での点火ノイズを避ける位置から開始する。バイアスノイズの位置は、イオン電流データが所定の閾値以上を満たす最も早いクランク角度位置をバイアスノイズ位置bnpとして検出される。
次に、ステップS63に於いて、検出したバイアスノイズ位置bnpと、時点t2つまり点火タイミングigtとの差分の絶対値|bnp−igt|を算出し、これを放電時間T2とする。この実施の形態1に於いては、イオン電流データを用いてバイアスノイズの発生位置を検出し、このバイアスノイズ位置に基づいて前述のように放電時間T2を算出したが、二次電圧V2やトランジスタ30のコレクタ電圧Vcや放電電流変換電圧Vi2を用いて、点火タイミング後に於いて各電圧値が所定の閾値を超える最も遅いクランク角度を前述のバイアスノイズ位置bnpに相当するものとして、放電時間T2を算出してもよい。以上が放電時間演算装置305の動作となる。
放電電圧演算装置306は、入力された二次電圧V2に基づいて図3の(a)、図4の(a)、図5の(a)に示す放電電圧、つまり容量火花電圧と誘導グロー放電電圧の大きさを演算する。前述したようにプレイグニッションと放電電圧V2(二次電圧と同一の符号V2で表わす)の関係は、パッシェンの法則よりプレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は要求される電圧が高い。放電電圧演算装置306はこの傾向を利用して放電電圧V2を見極めその大きさを演算する。図9は、放電電圧演算装置306の動作を示すフローチャートである。
図9に於いて、ステップS71では、入力された二次電圧V2データを取り込みステップS72に進む。ステップS72に於いて検出区間の設定、ノイズ除去等の前処理を施こし、不必要な情報を取り除く。この実施の形態1に於いては、検出区間を点火タイミングである時点t2から前述のバイアスノイズ位置bnpである時点t3までに設定する。尚この検出区間は、時点t2の点火タイミングからその運転条件に於ける平均的な放電終了タイミングに余裕度を持たせたクランク位置までや放電電流変換電圧Vi2が所定値以下になるクランク角度までに設定してもよい。
次に、ステップS73に於いて、前述のように前処理された二次電圧V2データに基づいて放電電圧V2の最大値(負側)を演算する。この演算の結果得られた放電電圧の最大値をV2Rとする。この実施の形態1では、容量火花電圧と誘導グロー放電電圧トータルの最大値を演算により算出する。尚、検出区間開始位置を容量火花放電終了後の位置に設定しておき、誘導グロー放電電圧の最大値を算出するようにしてもよい。以上が放電電圧演算装置306の動作である。
放電電流演算装置307は、点火放電電流I2つまり二次電流100bによる放電電流変換電圧Vi2に基づいて、図3の(b)、図4の(b)、図5の(b)に示す放電電流の大きさを演算する。前述したようにプレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は、放電時間が短くなる傾向があるが、放電電流I2の点火初期(グロー放電初期)の大きさは変わらない。従って、点火時点である時点t2からある程度経過したときの放電電流I2の値は、プレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は小さくなることになる。放電電流演算装置307は、この傾向を利用して放電電流を見極めその大きさを演算する。
図10は、放電電流演算装置307の動作を示すフローチャートである。図10に於いて、ステップS81では放電電流I2つまり二次電流100bを抵抗50を介して得られる二次電流変換電圧Vi2のデータを取り込み、ステップS82に進む。ステップS82に於いて検出タイミングの設定、ノイズ除去等の前処理を施こし、不必要な情報を取り除く。この実施の形態1に於いては、検出タイミングを点火タイミングである時点t2から所定の期間経過後に設定する。
次にステップS83に於いて、前述のように前処理された二次電流変換電圧Vi2のデータに基づいて、その二次電流変換電圧Vi2の最大値を演算する。この演算した放電電流をI2Rとする。以上が放電電圧演算装置307の動作である。
プレイグニッション判定装置308は、前述の発生位置演算装置303、重心位置演算装置304、放電時間演算装置305、放電電圧演算装置306、及び放電電流演算装置307での夫々の演算結果に基づき、プレイグニッション発生有無、及びプレイグニッションのレベルの判定を実施する。図11及び図12は、プレイグニッション判定装置308の動作を示すフローチャートである。図12はそのノードA、Bに於いて、図11のノードA、Bに夫々接続されている。
先ず、図11に於いて、ステップS901にて発生位置演算装置303で算出されたイオン電流発生位置it、つまりイオン電流データが所定の閾値以上を満たす最も早いクランク角度位置ipと点火タイミング(角度)igtの差分[ip−igt]を取り込み、ステップS902に進む。ステップS902では、イオン電流発生位置itが所定の閾値ITTHより小さいか否かを比較する。前述したようにイオン電流発生位置itが負の値であれば、点火タイミングの時点t2よりも早くイオン電流が発生したということになる。この実施の形態1では、閾値ITTHを「0」に設定し、点火タイミングの時点t2よりも早くイオン電流が発生した場合は、ステップS903にて発生位置演算装置303のプレイグニッション発生フラグITFを「1」とする。ステップS902での判定の結果、イオン電流発生位置itが閾値ITTHの「0」以上であれば、ステップS904に進み、プレイグニッション発生フラグITFを「0」とする。
次に、ステップS905では、重心位置演算装置304で算出されたイオン電流の重心icgを取り込み、ステップS906にてイオン電流の重心位置icgが所定の閾値ICGTHより小さいか否かを比較する。閾値ICGTHは、内燃機関の回転数や負荷等の運転条件に基づくマップから取得される。尚、閾値ICGTHとして、イオン電流の重心位置icgの平均的なレベルを用いてもよいし、これと運転条件により設定されたマップから取得された値の両方を用いて設定してもよい。
前述したように、プレイグニッションのレベルが酷くなるにつれてイオン電流の重心位置icgがBTDC側へ移行する傾向があるため、ステップS906での判定の結果、イオン電流の重心位置icgが閾値ICGTHより小さい(BTDC側である)ときは、ステップS907に進み、重心位置演算装置304のプレイグニッション発生フラグICGFを「1」とする。ステップS906での判定の結果、イオン電流の重心位置icgが閾
値ICGTH以上であるときは、ステップS908に進み、重心位置演算装置304のプレイグニッション発生フラグICGFを「0」とする。
S909では、放電時間演算装置305にて算出された放電時間T2を取り込み、ステップS910に進む。ステップS910に於いて、放電時間T2が所定の閾値T2THより小さいか否かを比較する。閾値T2THは、内燃機関の回転数や負荷等の運転条件に基づくマップから取得される。尚、閾値T2THとして、放電時間T2の平均的なレベルを用いてもよいし、或いはこの平均的レベルと運転条件により設定されたマップから取得された値の両方を用いて設定してもよい。
前述したように、プレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は放電時間が短くなる傾向があるため、ステップS910での判定の結果、放電時間T2が閾値T2THより小さいときはステップS911に進み、放電時間演算装置305のプレイグニッション発生フラグT2Fを「1」とする。ステップS910での判定の結果、放電時間T2が閾値T2TH以上であるときはステップS912に進み、放電時間演算装置305のプレイグニッション発生フラグT2Fを「0」とする。
次に、図12に於いて、ステップS913にて放電電圧演算装置306で算出された放電電圧V2Rを取り込み、ステップS914に進む。ステップS914では、放電電圧V2Rが所定の閾値V2THより負側に大きいか否かを判定する。閾値V2THは、内燃機関の回転数や負荷等の運転条件に基づくマップから取得される。尚、閾値V2THは、放電電圧V2Rの平均的なレベルを用いてもよいし、或いは、放電電圧の平均的レベルと運転条件により設定されたマップから取得された値の両方を用いて設定してもよい。
前述したようにプレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は、要求される電圧が高い傾向があるため、ステップS914での判定の結果、放電電圧V2Rが閾値V2THより負側に大きいときはステップS915に進み、放電電圧演算装置306のプレイグニッション発生フラグV2Fを「1」とする。ステップS914での判定の結果、放電電圧V2Rが閾値V2THより負側に大きくないときはステップS916に進み、放電電圧演算装置306のプレイグニッション発生フラグV2Fを「0」とする。
S917では、放電電流演算装置307で算出された放電電流演算結果I2Rを取り込み、ステップS918に進む。ステップS918では、放電電流I2Rが所定の閾値I2THより小さいか否かを比較する。放電電流I2Rが閾値I2THは、内燃機関の回転数や負荷等の運転条件に基づくマップから取得される。尚、閾値I2THは、放電電流I2Rの平均的なレベルを用いてもよいし、或いは放電電流I2Rの平均的なレベルと運転条件により設定されたマップから取得された値の両方を用いて設定してもよい。
前述したように点火からある程度経過したときの放電電流値はプレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は小さくなる傾向があるため、ステップS918での判定の結果、放電電流I2Rが閾値I2THより小さいときは、ステップS919に進み放電電流演算装置307のプレイグニッション発生フラグI2Fを「1」とする。ステップS918での判定の結果、放電電流I2Rが閾値I2TH以上のときは、ステップS920に進み放電電流演算装置307のプレイグニッション発生フラグI2Fを「0」とする。ステップS921では、以上の各プレイグニッション発生フラグの結果に基づいて、プレイグニッション判定を実施する。
例えば、点火プラグ100が燻り、それにより点火プラグ100の電極間の絶縁抵抗が低下し、その電極間に流れるリーク電流がイオン電流信号に含まれる場合は、放電時以外
に流れるこのリーク電流によってイオン電流信号が発生している位置や信号の重心の演算結果が誤ったものとなってしまい、発生位置演算装置303や重心演算装置304で算出された結果の信頼性が低いと考えられる。又、図5に示すように、放電期間中はイオン電流が検出できないためにプレイグニッション発生によるイオン電流を捉えることができない。
このような理由から、ステップS921での判定は、以下の通りとする。
(1)プレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2F、V2F、I2Fの全てが「0」の場合は、プレイグニッション未発生と判定する。
(2)各プレイグニッション発生フラグのうち1つのみが「1」の場合は、信頼性に欠けると判断し、プレイグニッション未発生と判定する。
(3)イオン電流に基づく判定結果であるプレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2Fのうち少なくとも何れか一つが「1」(第1の判定)であり、且つ放電電圧に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグV2Fと放電電流に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグI2Fとのうち少なくとも何れか一つが「1」(第2の判定)であれば、プレイグニッション発生と判定する。即ち、第1乃至第2の判定結果の論理積が「1」となればプレイグニッション発生と判定し、第1乃至第2の判定結果の論理積が「0」となればプレイグニッションの発生はないと判定する。
以上述べたこの発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置によれば、イオン電流に基づくプレイグニッションと相関のある指標の1つであるイオン電流発生位置の
みでなく、イオン電流の重み位置も演算し、又、火花放電電圧に基づくプレイグニッションと相関のある指標や火花放電電流に基づくプレイグニッションと相関のある指標や火花放電時間も演算し、それらの結果の組み合わせに基づいてプレイグニッションの発生の有無を判定するようにしているので、プレイグニッションやプレイグニッションの前兆現象のように燃焼速度が速い運転状態で大半のイオン電流情報が放電時間中に発生してしまう場合(例えば図4に示す状態)や点火プラグ燻りが発生した場合に於いても、プレイグニッション発生の有無を確実に判定することができ、プレイグニッション判定の精度を向上させることができ、内燃機関の燃焼状態を制度よく検出することが可能となる。
実施の形態2.
前述の実施の形態1では、イオン電流に基づくプレイグニッションと相関のある指標として、発生位置演算装置303と重心演算装置304によりイオン電流発生位置とイオン電流の重み位置を演算したが、この発明の実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、前述の重心演算装置304に代えて、点火後の所定の閾値を超えるイオン電流の発生区間を演算する発生区間演算手段としての発生区間演算装置を設けるものである。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
例えば、イオン電流の検出区間を点火タイミングから次気筒点火タイミングまでとし、この検出区間内に於いて、発生区間演算装置により点火後の所定の閾値を超えるイオン電流の発生区間を演算して得られた値は以下の通りとなる。即ち、通常燃焼状態である前述の図3の場合は、イオン電流の発生区間は40CAD程度となる。又、暴走前のプレイグニッション発生時の状態である図4の場合は、イオン電流の発生区間は20CAD程度となる。更に、暴走プレイグニッション発生時の状態である図5の場合は、イオン電流の発生区間は10CAD程度となる。つまり、プレイグニッションのレベルが酷くなるにつれてイオン電流の発生区間は発生区間が短くなる傾向がある。発生区間演算装置は、その演算結果に基づくイオン電流の発生区間が、所定の閾値ITMTH未満か否かを判定し、所定の閾値ITMTH未満であればイオン電流発生区間によるプレイグニッション判定フラグITMFを「1」とし、所定の閾値ITMTH以上であればイオン電流発生区間によるプレイグニッション判定フラグITMFを「0」として出力する。
この実施の形態2による内燃機関の燃焼状態検出装置に於いて、プレイグニッション発生の判定は以下の通りとする。即ち、
(1)プレイグニッション発生フラグITF、ITMF、T2F、V2F、I2Fの全てが「0」の場合は、プレイグニッション未発生と判定する。
(2)各プレイグニッション発生フラグのうち1つのみが「1」の場合は、信頼性に欠けると判断し、プレイグニッション未発生と判定する。
(3)イオン電流に基づく判定結果であるプレイグニッション発生フラグITF、ITMF、T2Fのうち少なくとも何れか一つが「1」(第1の判定)であり、且つ放電電圧に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグV2Fと放電電流に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグI2Fとのうち少なくとも何れか一つが「1」(第2の判定)であれば、プレイグニッション発生と判定する。即ち、第1乃至第2の判定結果の論理積が「1」となればプレイグニッション発生と判定し、第1乃至第2の判定結果の論理積が「0」となればプレイグニッションの発生はないと判定する。
以上述べたこの発明の実施の形態2に係る内燃機関の燃焼状態検出装置よれば、重心演算装置に比べて演算が容易である発生区間演算装置を用いるので、ECU300の計算負荷が軽減できる上に、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
前述の実施の形態1では、放電電圧に基づくプレイグニッションと相関のある指標として、放電電圧演算装置306にて放電電圧の大きさを演算したが、この発明の実施の形態3に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、前述の放電電圧演算装置306に代えて、放電電圧の変動を演算する放電電圧変動演算手段としての放電電圧変動演算装置を設けるものである。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
前述したように、パッシェンの法則より、平行な電極間で火花放電の生じる電圧はガス圧と電極の間隔の積の関数であることが知られているため、点火放電中の筒内圧力の変化の大きさに応じ、放電電圧の変動も大きくなる。プレイグニッションやプレイグニッションの予兆が発生するときは、図4の(e)、図5の(e)に示すように放電期間中の筒内圧力の変化が大きい。このため、通常燃焼状態である図3の(a)に示す時点t2から時点t3間の放電電圧V2の変化量に比べ、暴走前のプレイグニッション発生時の状態である図4、及び暴走プレイグニッション発生時の状態である図5の場合は、夫々(a)に示すように時点t2からt3間の放電電圧V2の変化量が大きくなる。又、プレイグニッションやプレイグニッションの予兆が発生し、筒内の圧力が上昇し、ノッキングが発生した場合も筒内圧力がノッキングによる振動で変動するため、放電電圧も同様に変動する。
そこで、放電電圧変動演算装置により、所定期間、例えば時点t2から時点t3間内の適当な所定期間を設定し、この所定期間内での放電電圧の変化量を演算する。放電電圧変動演算装置は、その演算結果が所定の閾値V2VTH未満か否かを判定し、所定の閾値V2VTH以上であれば放電電圧変動に基づくプレイグニッション判定フラグV2VFを「1」とし、所定の閾値V2VTH未満であれば放電電圧変動に基づくプレイグニッション判定フラグV2VFを「0」として出力する。
この実施の形態3による内燃機関の燃焼状態検出装置に於いて、プレイグニッション発生の判定は以下の通りとする。即ち、
(1)プレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2F、V2VF、I2Fの全てが「0」の場合は、プレイグニッション未発生と判定する。
(2)各プレイグニッション発生フラグのうち1つのみが「1」の場合は、信頼性に欠けると判断し、プレイグニッション未発生と判定する。
(3)イオン電流に基づく判定結果であるプレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2Fのうち少なくとも何れか一つが「1」(第1の判定)であり、且つ放電電圧の変動に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグV2VFと放電電流に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグI2Fとのうち少なくとも何れか一つが「1」(第2の判定)であれば、プレイグニッション発生と判定する。即ち、第1乃至第2の判定結果の論理積が「1」となればプレイグニッション発生と判定し、第1乃至第2の判定結果の論理積が「0」となればプレイグニッションの発生はないと判定する。
以上述べたこの発明の実施の形態3に係る内燃機関の燃焼状態検出装置よれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
前述の実施の形態1及び実施の形態3では、二次電圧V2を用いて放電電圧の大きさや変動を演算したが、この発明の実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置では二次電圧V2に代えて、トランジスタ30のコレクタ電圧Vcを演算するコレクタ電圧演算手段としてのコレクタ電圧演算装置を設けたものである。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
図13は、この発明の実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す回路図である。図3に於いて、プレイグニッション発生の判定に用いるため、二次コイル20bに直列接続された抵抗50を介して得られる放電電流変換電圧Vi2と、トランジスタ30のコレクタ電圧Vcとを点火コイル200の端子から取り出し、ECU300に入力する。この実施の形態4の場合、二次電圧V2は、プレイグニッション発生の判定用としてはECU300に入力しない。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図3、図4、図5の(c)に示すようにトランジスタ30のコレクタ電圧Vcは、二次電圧V2に対して極性は逆転しているが、通常燃焼状態、暴走前のプレイグニッション発生状態、及び暴走プレイグニッション発生状態の何れも、電圧の傾向としては二次電圧V2と同様である。従って、コレクタ電圧Vcの極性を勘案して処理することにより、二次電圧V2と同様にプレイグニッション発生の判定を行なうことができる。
そこで、コレクタ電圧演算装置により、所定期間、例えば時点t2から時点t3間内の適当な所定期間を設定し、この所定期間内でのコレクタ電圧Vcを演算する。コレクタ電圧演算装置は、その演算結果が所定の閾値VCTH未満か否かを判定し、所定の閾値VCTH以上であればコレクタ電圧に基づくプレイグニッション判定フラグVCFを「1」とし、所定の閾値VCTH未満であれば放電電圧変動に基づくプレイグニッション判定フラグVCFを「0」として出力する。
この実施の形態4による内燃機関の燃焼状態検出装置に於いて、プレイグニッション発生の判定は以下の通りとする。即ち、
(1)プレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2F、VCF、I2Fの全てが「0」の場合は、プレイグニッション未発生と判定する。
(2)各プレイグニッション発生フラグのうち1つのみが「1」の場合は、信頼性に欠けると判断し、プレイグニッション未発生と判定する。
(3)イオン電流に基づく判定結果であるプレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2Fのうち少なくとも何れか一つが「1」(第1の判定)であり、且つコレクタ電圧に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグVCFと放電電流に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグI2Fとのうち少なくとも何れか一つが「1」(第2の判定)であれば、プレイグニッション発生と判定する。即ち、第1乃至第2の判定結果の論理積が「1」となればプレイグニッション発生と判定し、第1乃至第2の判定
結果の論理積が「0」となればプレイグニッションの発生はないと判定する。
以上述べたこの発明の実施の形態4に係る内燃機関の燃焼状態検出装置よれば、数kV〜数十kVの高電圧である二次電圧V2に代えてトランジスタ30のコレクタ電圧Vcを用いたので、回路構成上V2に比べ取り扱いやすい上に、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
前述の実施の形態1では、放電電流に基づくプレイグニッションと相関のある指標として、放電電流演算装置307にて放電電流の大きさを演算したが、この発明の実施の形態5による内燃機関の燃焼状態検出装置では放電電流の大きさの演算に代えて、放電電流の変動を演算する放電電流変動演算手段としての放電電流変動演算装置を設けたものである。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
前述したように、プレイグニッション又はプレイグニッションの前兆現象が発生する場合は、図4及び図5の(b)に示すように放電時間が短くなる傾向があるが、放電電流の点火初期(グロー放電初期)の大きさは変わらないため、所定期間の放電電流の変化量は大きくなる。
そこで、放電電流変動演算装置により、所定期間、例えば時点t2から時点t3間内の適当な所定期間を設定し、この所定期間内での放電電流変換電圧Vi2の変動を演算する。放電電流変動演算装置は、その演算結果が所定の閾値I2VTH未満か否かを判定し、所定の閾値I2VTH以上であれば放電電流変動に基づくプレイグニッション判定フラグI2VFを「1」とし、所定の閾値I2VTH未満であれば放電電流変動に基づくプレイグニッション判定フラグI2VFを「0」として出力する。
この実施の形態5による内燃機関の燃焼状態検出装置に於いて、プレイグニッション発生の判定は以下の通りとする。即ち、
(1)プレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2F、V2F、I2VFの全てが「0」の場合は、プレイグニッション未発生と判定する。
(2)各プレイグニッション発生フラグのうち1つのみが「1」の場合は、信頼性に欠けると判断し、プレイグニッション未発生と判定する。
(3)イオン電流に基づく判定結果であるプレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2Fのうち少なくとも何れか一つが「1」(第1の判定)であり、且つ放電電圧に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグV2Fと放電電流の変動に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグI2VFとのうち少なくとも何れか一つが「1」(第2の判定)であれば、プレイグニッション発生と判定する。即ち、第1乃至第2の判定結果の論理積が「1」となればプレイグニッション発生と判定し、第1乃至第2の判定結果の論理積が「0」となればプレイグニッションの発生はないと判定する。
以上述べたこの発明の実施の形態5に係る内燃機関の燃焼状態検出装置よれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態6.
前述の実施の形態1では、各プレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2F、V2F、I2Fの結果に基づいてプレイグニッション判定を実施したが、実施の形態6では、熱発生率演算手段としての熱発生率演算装置を設け、発生位置演算装置303、重心演算装置304、放電時間演算装置305、放電電圧演算装置306、及び放電電流演算装置307の夫々の演算結果であるイオン電流発生位置it、イオン電流重心位置icg、放電時間T2、放電電圧V2R、放電電流I2Rの値を用いて、図3、図4、図5の(f)に示すようにプレイグニッションのレベル(プレイグニッションの酷さ)と相関のある熱発生率の最大値等を推測し、プレイグニッション発生の判定を行なうものである。
例えば、熱発生率の最大値dQを推測するために、夫々の演算結果であるイオン電流発生位置it、イオン電流重心位置icg、放電時間T2、放電電圧V2R、放電電流I2Rを使用する場合について考える。下記の式(1)に示すような線形回帰モデルを用いて切片α0と係数α1〜α5とを決定する。

dQ(n)=α0+α1×it(n)+α2×icg(n)+α3×T2(n)
+α4×V2R(n)+α5×I2R(n) ・・・式(1)

ここで、係数α1〜α5は、予め採取したプレイグニッション未発生や発生時の筒内圧力から算出した熱発生率最大値と各演算結果(it、icg、T2、V2R、I2R)の実験データを用いて、最小二乗線形回帰に基づいて決定する。
熱発生率演算装置により演算した熱発生率の最大値dQは、その値が所定の閾値未満であればプレイグニッションの発生はなしと判定する。又、演算した熱発生率の最大値dQが所定の閾値以上であればプレイグニッション発生と判定するが、その最大値dQのレベルに応じてプレイグニッションのレベル、つまりプレイグニッションの重度も判定し、その重度に対応してプレイグニッション抑制のための制御を行うようにする。
以上述べたこの発明の実施の形態6に係る内燃機関の燃焼状態検出装置よれば、熱発生率の最大値dQを用いることにより、プレイグニッション発生の有無だけでなく、プレイグニッションのレベルも判断することができるため、プレイグニッションを抑制する制御量を細かく設定することができる。
実施の形態7.
前述の実施の形態1では、イオン電流、放電電圧、放電電流、放電時間から得られる演算結果に基づいてプレイグニッション判定装置308にてプレイグニッション発生の有無を判定するようにしたが、実施の形態7では、更に、図1に示すECU300に入力される各種センサ400のうち、内燃機関の回転変動を検出する回転変動検出手段としてのクランクセンサからの信号から演算される内燃機関の回転変動と、内燃機関の振動検出手段としてのノックセンサからの信号から演算される燃焼室内に発生する筒内圧力の共振周波数に対応する周波数帯の振動の発生タイミングとを加えて、プレイグニッション発生の判定を実施するものである。その他の構成は実施の形態1の場合と同様である。
先ず、ノックセンサ信号から演算されるパラメータによるプレイグニッション判定について説明する。ノッキングによる燃焼温度の増大が過重されることにより、プレイグニッションが誘発される恐れがある。そこで、プレイグニッション発生時にノックセンサで検出される燃焼室内に発生する筒内圧力の共振周波数に対応する周波数帯の振動に着目し、ノックセンサが所定値以上の振動を、点火時期以前の所定のタイミングに検出した場合にプレイグニッションが発生したと判断し、ノックセンサから算出されたプレイグニッション判定フラグKSFを「1」とし、それ以外の場合には「0」とする。尚、暴走前のプレイグニッションを検出するために、プレイグニッションが発生したと判断するタイミングは、点火時期以後で早期の所定のタイミングとしてもよい。
次にクランクセンサ信号から演算されるパラメータによるプレイグニッション判定について説明する。図14は、この発明の実施の形態7による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を説明する説明図である。プレイグニッションが発生すると通常の点火タイミングより早いタイミングから燃焼が開始されるため、クランク軸の回転が上がるタイミングが通
常の燃焼時よりも早くなる。これをクランクセンサから算出された単位角度時間の挙動に置き換えると、図14に示すように、通常燃焼に対しプレイグニッション発生時には単位角度時間が小さくなり始めるクランク角度タイミングが早くなる。
そこで、クランク角度θが開始ポイントθ_startとなった時点の単位角度時間を
取得し、これを基準パラメータ(以下、ベースパラメータと称する)とする。次に各クランク角度θ毎にベースパラメータから単位角度時間を差引いた符号付きの値の積算値CRを求める。この積算は、クランク角度θがパラメータ演算の終了ポイントであるθ_en
dとなるまで続けられる。ここで、ベースパラメータより単位角度時間が大きいクランク角度位置の積算値をとれば負の値となり、この点には注意が必要である。つまり、前述の積算値CRの値としては、プレイグニッション発生時には通常燃焼に対し大きくなる。よって、この積算値CRが所定値より大きい場合は、クランクセンサから算出されたプレイグニッション判定フラグCRFを「1」とし、それ以外の場合には「0」とする。
この実施の形態7に於いて、プレイグニッション発生の判定は、以下の通りとする。即ち、
(1)プレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2F、V2F、I2F、KSF、CRFの全てが「0」の場合は、プレイグニッション未発生と判定する。
(2)各プレイグニッション発生フラグのうち1つのみが「1」の場合は、信頼性に欠けると判断し、プレイグニッション未発生と判定する。
(3)イオン電流に基づく判定結果であるプレイグニッション発生フラグITF、ICGF、T2Fのうち少なくとも何れか一つが「1」(第1の判定)であり、且つ放電電圧に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグV2Fと放電電流に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグI2Fとのうち少なくとも何れか一つが「1」(第2の判定)であり、且つノックセンサ演算結果に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグKSFが「1」(第3の判定)であり、且つ回転変動演算結果に基づく判定結果であるプレイグニッション判定フラグCRFが「1」(第4の判定)であれば、プレイグニッション発生と判定する。即ち、第1乃至第4の判定結果の論理積が「1」となればプレイグニッション発生と判定し、第1乃至第4の判定結果の論理積が「0」となればプレイグニッションの発生はないと判定する。
以上述べたこの発明の実施の形態7に係る内燃機関の燃焼状態検出装置よれば、実施の形態1と同様のイオン電流に基づく第1の判定と、放電電圧及び放電電流に基づく第2の判定に加え、ノックセンサ演算結果に基づく第3の判定と、回転変動演算結果に基づく第4の判定とに基づいてプレイグニッション発生の有無を判定するようにしたので、プレイグニッション未発生時のプレイグニッション誤判定をより確実に防ぐことができる。
実施の形態8.
前述の実施の形態7では、第1の判定乃至第4の判定の結果の論理積を取ってプレイグニッション発生の有無の判定を実施したが、この実施の形態8では、第1の判定乃至第4の判定の結果の論理和をとり、それらの判定結果のうちの少なくとも2つが「1」の場合に、プレイグニッション発生と判定するようにしたものである。この場合は、実施の形態7に比してプレイグニッション未発生時をプレイグニッション発生と誤判定する可能性はやや増加するが、実施の形態1に比してプレイグニッション発生の検出性は向上し、精度の高い燃焼状態の検出が可能となる。
実施の形態9.
前述の実施の形態7、及び実施の形態8では第1の判定乃至第4の判定による判定結果の全てを用いたが、この実施の形態9では、内燃機関の運転条件に応じて第1の判定乃至第4の判定のうち何れを使用するかを決定するようにしたものである。
例えば、クランク軸に回転数変化を引起こす要因としてプレイグニッションの発生以外にもいくつかあることが知られている。代表的な例として、スロットルを急激に開けたような場合、車輪が空転するような場合、悪路走行時のような内燃機関の回転数が安定しない状態である場合、或いは変速機のギア比が変化する時等があげられる。そこで、これらの運転状態にある場合には、回転変動演算の結果である積算値CRに基づく第4の判定はプレイグニッション判定装置308にてプレイグニッション判定に使用しないようにする。これにより、プレイグニッション発生の誤判定を防止、軽減することができる。
又、ノックセンサは内燃機関で機械的に発生する振動の影響を受けている。特に高回転域では燃焼による振動以外の影響が大きくなりやすい。従って誤判定を起こす可能性があるため、高回転域ではノックセンサ演算結果による第3の判定は使用しないようにする。これにより、プレイグニッションの誤判定を防止、軽減することができる。
以上述べたこの発明の実施の形態9に係る内燃機関の燃焼状態検出装置よれば、内燃機関の運転条件に応じて第1の判定乃至第4の判定のうち何れを使用するかを決定するようにしたので、プレイグニッションに起因しない要因によるプレイグニッション発生の誤判定をより確実に防ぐことができる。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す機能構成図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を、プレイグニッション未発生時の状態として説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を、暴走前プレイグニッション発生時の状態として説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を、暴走プレイグニッション発生時の状態として説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける発生位置演算装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける重心演算装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける放電時間演算装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける放電電圧演算装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於ける放電電流演算装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於けるプレイグニッション判定装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に於けるプレイグニッション判定装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態7による内燃機関の燃焼状態検出装置の動作を説明する説明図である。 従来の内燃機関の燃焼状態検出装置の構成を示す回路構成図である。
符号の説明
20 コイル部
20a 一次コイル
20b 二次コイル
30 トランジスタ
40 イオン電流検出装置
41 イオン電流整形回路
42 コンデンサ
43 ダイオード
44 ツェナーダイオード
50 放電電流検出抵抗
100 点火プラグ
100a イオン電流
100b 二次電流
200 点火コイル
300 ECU
301 点火制御装置
302 A/D変換装置
303 発生位置演算装置
304 重心演算装置
305 放電時間演算装置
306 放電電圧演算装置
307 放電電流演算装置
308 プレイグニッション判定装置
400 各種センサ

Claims (9)

  1. 内燃機関の燃焼室内に設置される電極間に点火電圧が印加されて火花放電を発生し前記燃焼室内の混合気を燃焼させる点火手段と、前記点火手段の前記電極間に前記点火電圧を印加する点火コイルとを有する内燃機関の前記燃焼の状態を検出するようにした燃焼状態検出装置であって、
    前記混合気の燃焼により前記燃焼室内に生ずるイオンに基づくイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、
    前記点火コイルの一次電圧に基づいて前記点火手段の電極間に発生する前記火花放電の放電パラメータを検出する放電パラメータ検出手段と、
    前記検出されたイオン電流に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第1の判定と前記検出された放電パラメータに基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第2の判定とを実施し、前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果とに基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション判定手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
  2. 前記イオン電流の発生位置を演算する発生位置演算手段と前記イオン電流の重心位置を演算する重心演算手段と前記火花放電の放電持続時間を演算する放電時間演算手段とのうちの少なくとも1つの手段を備え、
    前記プレイグニッション判定手段は、前記少なくとも1つの手段の演算結果に基づいて前記第1の判定を行なうことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  3. 前記放電パラメータ検出手段は、前記火花放電の絶縁破壊電圧と放電維持電圧とのうちの少なくとも一方を演算する放電電圧演算手段と、前記火花放電に基づく放電電流を演算する放電電流演算手段とのうちの少なくとも1つの手段を備え、
    前記プレイグニッション判定手段は、前記少なくとも1つの手段の演算結果に基づいて前記第2の判定を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  4. 前記内燃機関の振動を検出する振動検出手段と、前記内燃機関の回転変動を検出する回転変動検出手段とを備え、
    前記プレイグニッション判定手段は、前記検出された振動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第3の判定と、前記検出された回転変動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第4の判定とを行ない、前記第1の判定乃至第4の判定の結果の論理積に基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  5. 前記内燃機関の振動を検出する振動検出手段と、前記内燃機関の回転変動を検出する回転変動検出手段とを備え、前記プレイグニッション判定手段は、前記検出された振動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第3の判定と、前記検出された回転変動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第4の判定とを行ない、前記第1の判定乃至第4の判定の夫々の判定結果の論理和に基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  6. 前記プレイグニッション判定手段は、前記論理和が、前記第1の判定乃至前記第4の判定の結果のうちの少なくとも2つが前記プレイグニッションの発生有りと判定したときの値であるとき、前記プレイグニッションの発生有りと判定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  7. 前記振動検出手段は、前記燃焼室内に発生する筒内圧力の共振周波数に対応する周波数帯の振動を検出し、前記振動の大きさが所定の比較値を超える時刻若しくはクランク角度タイミングが所定の比較タイミングより早い場合に前記第3の判定を行なうことを特徴とする請求項4乃至6のうちの何れか一項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  8. 前記回転変動検出手段は、内燃機関のクランク軸の回転速度が変化するタイミングを検出する回転変化タイミング検出手段と、前記クランク軸の回転速度の変化量を検出する回転変化量検出手段とのうちの少なくとも1つの手段を備え、前記プレイグニッション判定手段は、前記少なくとも1つの手段の検出結果に基づいて前記第4の判定を行なうことを特徴とする請求項4乃至6のうちの何れか一項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  9. 内燃機関の燃焼室内に設置される電極間に点火電圧が印加されて火花放電を発生し前記燃焼室内の混合気を燃焼させる点火手段と、前記点火手段の前記電極間に前記点火電圧を印加する点火コイルとを有する内燃機関の前記燃焼の状態を検出するようにした燃焼状態検出装置であって、
    前記混合気の燃焼により前記燃焼室内に生ずるイオンに基づくイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、
    前記点火コイルの一次電圧に基づいて前記点火手段の電極間に発生する前記火花放電の放電パラメータを検出する放電パラメータ検出手段と、
    前記内燃機関の振動を検出する振動検出手段と、
    前記内燃機関の回転変動を検出する回転変動検出手段と、
    前記内燃機関の燃焼室内に於けるプレイグニッションの発生の有無を判定するプレイグニッション判定手段と、
    を備え、
    前記プレイグニッション判定手段は、前記検出されたイオン電流に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第1の判定と、前記検出された放電パラメータに基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第2の判定と、前記検出された振動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第3の判定と、前記検出された回転変動に基づいて前記プレイグニッションの発生状態を判定する第4の判定とを行い得るように構成されると共に、前記内燃機関の運転状態に応じて前記第1の判定乃至第4の判定のうちの何れかを選択し、前記選択した判定の結果に基づいて前記プレイグニッションの発生の有無を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
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