JP3704303B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、混合気の燃焼の際に発生するイオン電流に基づいて内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置に関し、より具体的には、点火コイルの放電時間のバラツキに起因する失火の誤検出を防止することができるようにした失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火花点火方式の内燃機関においては、点火コイルによって発生した高電圧がディストリビュータなどを介して各気筒に配置された点火プラグに与えられ、点火プラグの電極間(ギャップ)の火花放電によって各気筒内の混合気が着火されて燃焼が生じる。このような内燃機関の点火・燃焼過程においては、なんらかの原因によって混合気の燃焼が正常に行われない現象、即ち失火が生じることがある。
【0003】
この失火の原因は、燃料系に起因するものと点火系に起因するものの二つに大別される。前者の燃料系に起因する失火は、混合気の過剰なリーンあるいはリッチ化に起因するものであって、点火プラグの電極間で火花放電は生じているが、混合気には着火されない現象である。一方、後者の点火系に起因する失火は、未燃燃料などの付着による点火プラグのくすぶりや点火回路の異常などによって正常な火花放電が生じない、いわゆるミス・スパークに起因する現象である。
【0004】
混合気が正常に燃焼すると、その燃焼に伴って混合気(正確には混合気の燃焼によって発生した燃焼ガス)が電離(イオン化)し、イオン電流が発生する。一方、失火が生じて混合気の燃焼が行われないと、混合気が電離しないことからイオン電流は発生しない。
【0005】
図6に失火時と正常な燃焼時におけるイオン電流の波形を示す。同図に示すように、イオン電流波形は正常な燃焼が行われたとき、即ちイオンが発生しているときは、点火プラグ電極間の放電直後に瞬間的に大きく立ち上がった(同図においてAで示す)後、発生したイオンの量に応じて電流が流れ続け、やがて所定レベルに復帰する。一方、失火が生じたとき、即ちイオンが発生していないときは、放電終了直後に瞬間的に大きく立ち上がった(同図においてA’で示す)後、直ちに所定レベルに復帰する。
【0006】
このため、従来、例えば特開平5−99956号公報に記載される技術のように、点火プラグ、より具体的にはその電極をイオン電流を検出するためのプローブとして用い、燃焼過程において発生するイオン電流(電流波形)を検出し、その検出値を所定値と比較することにより、内燃機関の失火を検出することが広く行われている。
【0007】
また、点火コイルへの通電パルスがオンされると、失火時および正常な燃焼時に関わらず、電流波形が瞬間的に大きく立ち上がる(同図においてBおよびB’で示す)。これらA(あるいA’)およびB(あるいはB’)で示す瞬間的な大きな立ち上がりは、点火コイルの電磁誘導による誘導ノイズに起因して発生するものであり、これらが失火の検出(判断)に影響を与えないようになんらかの対策を講じる必要がある。
【0008】
このため、例えば上記した特開平5−99956号公報に記載される技術にあっては、点火コイルへの通電パルスがオンとなった後、所定期間(具体的にはBで示す電流波形の立ち上がりからAで示す電流波形の立ち下がりまでの区間)にわたって電流波形の検出を行わない(マスクする)ことで、誘導ノイズの影響を回避して実際のイオン電流波形のみを検出し、正確な失火検出(判断)を行うことを可能としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来技術にあっては、例えば図7に一点鎖線で示すように点火コイルの放電期間にバラツキが生じた場合、誘導ノイズの影響を回避しきれないといった不具合があった。具体的には、放電期間(放電電流の発生期間)は、点火プラグの種類や経時変化、内燃機関の運転状態などによってバラツキが生じることがあるが、上述した従来技術は、点火コイルへの通電パルスがオンとなった時点から所定期間にわたってマスクするように構成しているため、即ち、通電パルスがオンとなった時点をマスク期間の開始時期としているため、点火コイルの放電期間が延びた場合にあっては、その後に発生する誘導ノイズに起因した電流波形の立ち上がり(同図にCで示す)を検出してしまうことから、失火の検出(判断)に影響を与えるおそれがあった。
【0010】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、点火コイルの放電期間のバラツキの影響を回避し、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)を防止して精度よく失火を検出することができるようにした内燃機関の失火検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を解決するために、この発明は請求項1項において、内燃機関の燃焼室を臨む位置に配置された点火プラグに電圧を印加し、その電極間の火花放電によって前記内燃機関内の混合気を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃焼の際に発生するイオン電流を検出し、その検出信号に基づいて前記内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、前記点火プラグのコイルに流れる放電電流を検出すると共に、前記検出した放電電流に応じて前記イオン電流の検出を遅延する検出遅延期間を決定し、前記イオン電流の検出開始時期を、前記放電電流の検出終了時点から前記検出遅延期間だけ遅延させた時期とするように構成した。
【0012】
内燃機関の燃焼室を臨む位置に配置された点火プラグに電圧を印加し、その電極間の火花放電によって前記内燃機関内の混合気を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃焼の際に発生するイオン電流を検出し、その検出信号に基づいて前記内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、前記点火プラグのコイルに流れる放電電流を検出すると共に、前記検出した放電電流に応じて前記イオン電流の検出を遅延する検出遅延期間を決定し、前記イオン電流の検出開始時期を、前記放電電流の検出終了時点から前記検出遅延期間だけ遅延させた時期とするように構成した、即ち、放電電流の検出終了時点からある期間だけ電流波形の検出処理の開始時期を遅延させる(マスク期間を設ける)ように構成したので、点火コイルの放電期間にバラツキが生じても誘導ノイズの影響を確実に回避することができ、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)を防止して精度よく失火を検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の一つの実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置を説明する。
【0014】
図1は、この実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置のうち、点火プラグに火花を生じさせるための点火回路、および、発生したイオン電流を検出するためのイオン電流検出部などを示す回路図である。
【0015】
以下、同図を参照してその構成について説明すると、点火コイル10の1次側(低圧側)コイル10aの一端は電源(車載バッテリ電源)12に接続されると共に、その他端はECU(電子制御ユニット)14からの点火信号に応じて開閉されるパワートランジスタ16を介して接地される。
【0016】
一方、点火コイル10の2次側(高圧側)コイル10bの一端は、内燃機関の各気筒(シリンダヘッド18の一部で示す)20の燃焼室22を臨む位置に配置された点火プラグ(1個のみ示す)24、より具体的には中心電極24aに接続される。また、点火プラグ24の接地電極(外側電極)24bはシリンダヘッド18を介して接地される。尚、点火プラグ24は、放電終了後、後述するイオン電流を検出するためのプローブとしても機能する。
【0017】
また、点火コイル10の2次側コイル10bの他端には、イオン電流検出部30が接続される。具体的には、放電電流によって図示の極性に充電されるイオン電流検出用コンデンサ32、およびイオン電流検出用コンデンサ32の充電電圧を規定するツェナーダイオード34が並列に接続され、さらに、イオン電流検出用コンデンサ32は、イオン電流検出抵抗36aを介して接地されると共に、ツェナーダイオード34は、電流の逆流を防止するダイオード38、および放電電流検出抵抗36bを介して接地される。
【0018】
ECU14は、マイクロコンピュータからなり、クランク軸あるいはカム軸(共に図示せず)付近に配置されて各気筒のTDC位置およびそれを細分してなるクランク角度に応じた信号を出力するクランク角センサ40、吸気管内絶対圧(PBA)に応じた信号を出力する絶対圧センサ42、および図示しないセンサ群の出力が入力される。
【0019】
次いで、上述した構成の動作について説明すると、電源12から1次側コイル10aを流れる電流は、ECU14からの点火信号(点火指令)に応じたパワートランジスタ16の開閉(オン・オフ)により通電・遮断される。
【0020】
パワートランジスタ16がオン状態からオフ状態となって1次側コイル10aの電流が遮断されると、それに伴って2次側コイル10bに負極性の高電圧が発生し、放電電流が同図において1点鎖線で示すように流れる。具体的には、点火プラグ24─2次側コイル10b─イオン電流検出用コンデンサ32(またはツェナーダイオード34)─ダイオード38─放電電流検出抵抗36bと流れ、各点火プラグ24の電極間(中心電極24aと接地電極24bの間)に火花放電を生じさせて混合気を着火・燃焼させる。この際、発生した放電電流に引きずられて放電電流検出抵抗36bにおける電圧値が変化する。イオン電流検出部30は、この電圧値の変化、即ち放電電流波形を、後述する処理遅延部に出力する。即ち、イオン電流検出部30は、後述するイオン電流の検出のみならず、放電電流を検出する検出部としても機能する。
【0021】
また、上記した放電電流はイオン電流検出用コンデンサ32を図示の極性に充電する。尚、充電されたイオン電流検出用コンデンサ32は、イオン電流およびリーク電流を検出するためのバイアス電圧を有する電流検出用電源として機能する。
【0022】
点火プラグ24の火花放電により混合気が燃焼すると、混合気(正確には混合気の燃焼によって生じた燃焼ガス)が電離してイオンが発生する。このイオンがイオン電流検出用コンデンサ32のバイアス電圧の作用によって移動することにより、別言すれば、点火プラグ24の電極間にイオンが介在してその間の電気抵抗が低下することにより、同図において2点鎖線で示すように、イオン電流検出抵抗36a─イオン電流検出用コンデンサ32─2次側コイル10b─点火プラグ24を流れるイオン電流が生じる。この際、発生したイオン電流に引きずられてイオン電流検出抵抗36aにおける電圧値が変化する。イオン電流検出部30は、この電圧値の変化、即ちイオン電流波形を、後述する波形変換部に出力する。
【0023】
また、ECU14は、前記したクランク角センサ40および絶対圧センサ42などからの入力値に基づいて点火時期を演算して点火指令すると共に、後述する積分部によって出力された積分値(電圧値)に基づいて内燃機関が失火の状態にあるか否かを判断(失火検出)する。
【0024】
図2はこの実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置の全体的な構成を示す回路図である。尚、図2において、図示の便宜のため点火回路の一部を省略する。
【0025】
同図の説明に入る前に、理解の便宜のため、先ず図3を参照して図2に示す回路の動作について概説する。
【0026】
図3は、図2に示す回路をブロック化したブロック図である。
【0027】
以下説明すると、イオン電流検出部30において検出されたイオン電流波形は波形変換部50に出力され、そこで波形の符合反転、低圧化処理が行われる。
【0028】
波形変換部50において符合反転および低圧化されたイオン電流波形は、ハイパス・フィルタ60を介して低周波成分を除去した後、積分部70へ入力され、そこで積分処理を行うことによりイオン電流を積分値として検出する。別言すれば、時間積分に比例した出力信号を得る。
【0029】
また、イオン電流検出部30は、前記したように点火コイル10の2次側コイル10bに流れる放電電流の検出部としても機能し、検出した放電電流波形を処理遅延部80に出力する。処理遅延部80は、入力された放電電流波形に応じてイオン電流の検出を遅延する検出遅延期間を決定し、積分処理の開始時期(即ちイオン電流の検出開始時期)を、放電電流の検出が終了した時点から検出遅延期間だけ遅延させる。次いで、処理遅延部80において決定された検出開始時期に基づき、ゲート(GATE)ON/OFF部90を動作させることにより、積分部70へのイオン電流波形の入力をオン・オフし、よって積分部70における積分処理を誘導ノイズの影響を受けない時期から開始する。
【0030】
尚、積分部70で積算された積分値は、積分値リセット部100において、点火時期θig(所定クランク角度)毎、具体的には、点火コイルへの通電パルスの送信毎にリセットされる。
【0031】
このように、この実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置においては、放電電流を検出すると共に、検出した放電電流に応じてイオン電流の検出開始時期を遅延する検出遅延期間を決定し、イオン電流の検出開始時期を、放電電流の検出終了時点から検出遅延期間だけ遅延した時期とする、即ち、イオン電流の検出開始時期を、放電電流の検出終了時点から誘導ノイズの影響を受けない時期まで遅延(マスク)させるように構成した。
【0032】
以下、上記した構成およびその動作について図2を参照して詳説すると、前記したように、パワートランジスタ16がオン状態からオフ状態となって1次側コイル10aの電流が遮断されると、それに伴って2次側コイル10bに放電電流が流れる。イオン電流検出部30は、この放電電流を検出し、処理遅延部80に出力する。
【0033】
図4は、この実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置の各構成における出力(検出電流(電圧)波形あるいはパルス)を示すタイム・チャートである。尚、図4は正常な燃焼が行われたときのタイム・チャートであり、失火時のそれを図5に示す。また、図4および図5のa,b,c・・・,eは、図2でa,b,c・・・,eで示す部位での出力を示す。
【0034】
イオン電流検出部30(より具体的には放電電流検出抵抗36b)において検出された放電電流波形、即ち図2でaで示す部位における電流波形は、図4あるいは図5に示すように、点火プラグ24の電極間における放電開始時に大きく立ち上がり、その後徐々に減少して電極間における放電終了と同時に所定レベルに戻る。換言すれば、この放電電流が大きく立ち上がった瞬間から、徐々に減少して所定レベルに戻るまでの期間が、点火プラグ24の電極間における放電期間となる。尚、この放電期間(放電電流の発生期間)は、前記したように点火プラグの種類や経時変化、内燃機関の運転状態などによってバラツキが生じることがある。
【0035】
処理遅延部80に入力された放電電流は、処理遅延用コンデンサ82を充電する。処理遅延用コンデンサ82における電圧波形を図4および図5においてbで示す。
【0036】
処理遅延用コンデンサ82に充電された電圧は、放電電流の発生が終了すると、その先が接地された抵抗84を介して放電される。これにより、図4および図5においてbで示す処理遅延用コンデンサ82の電圧波形のうち、放電電流の発生が終了し、処理遅延用コンデンサ82が充電から放電へ以降した後の電圧波形が処理遅延用コンパレータ86のプラス側に入力される。
【0037】
処理遅延用コンパレータ86のマイナス側には、基準電圧(図4および図5においてcで示す)が入力される。そして、それらを比較して処理遅延用コンデンサ82の電圧の方が基準電圧よりも高い場合には、処理遅延用コンパレータ86の出力、即ち、図2のdにおける出力パルス(図4あるいは図5においてdで示す)をHighとする。
【0038】
また、放電電流の発生が終了すると、前記したように混合気の燃焼によってイオン電流が生じる。このイオン電流波形(正確には電圧波形)をイオン電流検出部30によって検出し、波形変換部12に出力する。イオン電流検出部30(より具体的にはイオン電流検出抵抗36a)において検出されたイオン電流波形、即ち図2でeで示す部位における電流波形は、図4に示すように、点火プラグ24の電極間の放電電流の発生が終了した直後、誘導ノイズにより瞬間的に大きく立ち上がった後、発生したイオンの量に応じて電流が流れ続け、やがて所定レベルに復帰する。一方、失火が生じたとき、即ちイオンが発生していないときは、図5に示すように、放電電流発生終了直後に瞬間的に大きく立ち上がった後、直ちに所定レベルに復帰する。
【0039】
このイオン電流検出部30において検出されたイオン電流波形は、前記したように波形変換部50に入力され、符合変換、低圧化処理された後、ハイパス・フィルタ60を介して積分部70に入力される。
【0040】
ここで、ゲート(GATE)ON/OFF部90は、処理遅延用コンパレータ86からの出力パルスに基づき、FET(電界効果トランジスタ)92をオン・オフ動作させることにより、ハイパス・フィルタ部60を介して出力されるイオン電流波形の積分部70への入力のオン・オフを行う。具体的には、処理遅延用コンパレータ86からの出力パルスがHighのときは、FET92をオンとし、ハイパス・フィルタ部60から積分部70へ接続される回路を接地してハイパス・フィルタ部60の出力が積分部70に入力されないようにする。
【0041】
他方、処理遅延用コンパレータ86からの出力パルスがLowのときは、FET92をオフとし、ハイパス・フィルタ部60から積分部70へ接続される回路を非接地とすることで、ハイパス・フィルタ部60からの出力が積分部70に入力されるようにする。
【0042】
即ち、図4および図5から明らかなように、放電電流の発生終了時点(検出終了時点)から、しきい値たる基準電圧cに対して処理遅延部内の処理遅延用コンデンサ82の電圧bが上回っている期間だけ、イオン電流波形の検出処理の開始時期を遅延させる(マスク期間を設ける)ように構成したので、点火プラグの種類や経時変化、内燃機関の運転状態などに起因して放電期間にバラツキが生じた場合にあっても、誘導ノイズの影響を確実に回避することができ、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)を防止して精度よく失火を検出することができる。尚、この遅延される期間が前記した検出遅延期間である。
【0043】
積分部70は、以上のようにして入力されたイオン電流の時間積分に比例した出力信号、具体的には、積分用コンデンサ72の電圧値をECU14に出力する。ECU14は、その電圧値に基づき、具体的には、その電圧値と予め設定された所定値とを比較することにより、内燃機関が失火の状態にあるか否か判断(失火検出)する。
【0044】
ここで、上記した検出遅延期間は、発生する放電電流の量を勘案し、処理遅延用コンデンサ82の容量、あるいは図4あるいは図5においてcで示す基準電圧を適宜設定することにより、誘導ノイズの影響を受けない程度の期間となるように予め設定しておく。
【0045】
尚、積分用コンデンサ72の電圧値は、点火時期θig(具体的にはクランク角度)毎、より具体的には、点火コイルへの通電パルスの送信毎に、積分値リセット部100のスイッチ102をオン(通電)させ、積分用コンデンサ72を放電させることによってリセットされる。
【0046】
このように、この形態に係る内燃機関の失火検出装置にあっては、放電電流を検出すると共に、検出した放電電流に応じて、より具体的には、それによって充電される処理遅延用コンデンサ82の電圧bとしきい値たる基準電圧cを比較する(処理遅延用コンパレータ86)ことによってイオン電流の検出開始を遅延する検出遅延期間を決定し、イオン電流の検出開始時期を、放電電流の検出終了時点(発生終了時点)から検出遅延期間だけ遅延した時期とする、即ち、イオン電流の検出開始時期を、放電電流の検出終了時点から誘導ノイズの影響を受けない時期まで遅延(マスク)させるように構成した誘導ノイズの発生している期間の波形を確実にマスクしてその影響を回避することができ、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)を防止してより一層精度よく失火を検出することができる。
【0047】
以上のように、この実施の形態にあっては、内燃機関20の燃焼室22を臨む位置に配置された点火プラグ24に電圧を印加し(ECU14、点火コイル10)、その電極間(中心電極24aと接地電極24bの間)の火花放電によって前記内燃機関内の混合気を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃焼の際に発生するイオン電流を検出し、その検出信号に基づいて前記内燃機関の失火を検出する(ECU14、イオン電流検出部30、積分部70)内燃機関の失火検出装置において、前記点火プラグのコイル(2次側コイル10b)に流れる放電電流を検出する(イオン電流検出部30)と共に、前記検出した放電電流に応じて前記イオン電流の検出を遅延する検出遅延期間(マスク期間)を決定し、前記イオン電流の検出開始時期を、前記放電電流の検出終了時点から前記検出遅延期間だけ遅延させた時期とする(処理遅延部80)ように構成した。
【0048】
尚、上記において、この実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置の構成を電気回路図によってハード的に示したが、イオン電流検出回路30からの出力(放電電流波形およびイオン電流波形)をECU14に直接入力し、ECU14の内部計算によって検出遅延期間および検出開始時期などを決定するソフト的な構成としてもよい。
【0049】
また、イオン電流を検出する期間を、イオン電流の発生期間などに応じて可変としてもよい。
【0050】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、点火コイルの放電期間のバラツキの影響を回避することができ、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)を防止して精度よく失火を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置のうち、イオン電流検出部および点火回路を示す回路図である。
【図2】図1で部分的に示した装置の構成を全体的に示す回路図である。
【図3】図2に示す構成をブロック化したブロック図である。
【図4】図1装置の各構成における出力(電流(電圧)波形あるいはパルス波形)を示すタイム・チャートである。
【図5】図1装置の各構成における出力(電流(電圧)波形あるいはパルス波形)を示す、図4と同様なタイム・チャートである。
【図6】イオン電流波形を示すタイム・チャートである。
【図7】従来技術の問題点を説明するための、図6と同様なイオン電流波形を示すタイム・チャートである。
【符号の説明】
10 点火コイル
14 ECU
20 内燃機関
22 燃焼室
24 点火プラグ
24a 中心電極
24b 接地電極
30 イオン電流検出部
50 波形変換部
60 ハイパス・フィルタ
70 積分部
80 処理遅延部
90 ゲート(GATE)ON/OFF部
100 積分値リセット部
Claims (1)
- 内燃機関の燃焼室に臨む位置に配置された点火プラグに電圧を印加し、その電極間に火花放電によって前記内燃機関内の混合気を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃焼の際に発生するイオン電流を検出し、その検出信号に基づいて前記内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、前記点火プラグのコイルに流れる放電電流を検出すると共に、前記検出した放電電流に応じて前記イオン電流の検出を遅延する検出遅延期間を決定し、前記イオン電流の検出開始時期を、前記放電電流の検出終了時点から前記検出遅延期間だけ遅延させた時期とすることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
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