JP2003286892A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2003286892A
JP2003286892A JP2002091706A JP2002091706A JP2003286892A JP 2003286892 A JP2003286892 A JP 2003286892A JP 2002091706 A JP2002091706 A JP 2002091706A JP 2002091706 A JP2002091706 A JP 2002091706A JP 2003286892 A JP2003286892 A JP 2003286892A
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JP2002091706A
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Toshihiro Ogama
俊洋 大釜
Kenichi Ishida
健一 石田
Kazuyuki Kubo
和之 久保
Gakuji Moriya
学治 守屋
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火プラグがくすぶり状態にあるときも正確
に失火を検出することができるようにした内燃機関の失
火検出装置を提供する。 【解決手段】 通常はイオン電流の時間積分値に基づい
て失火を検出すると共に、点火プラグ12がくすぶり状
態にあると判断されるときは、イオン電流の所定期間内
の変動量、具体的には、燃焼時にイオン電流波形が発生
している時期(第1の電圧値検出時期Tv1)の電圧値
(第1の電圧値V1)と、イオン電流の発生が終了し、
電流波形がリーク電流波形に収束している時期(第2の
電圧値検出時期Tv2)の電圧値(第2の電圧値V2)
の差分を算出し、算出した差分を所定値と比較して失火
を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、混合気が燃焼す
る際に発生するイオン電流に基づいて内燃機関の失火を
検出する内燃機関の失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリン機関などの火花点火方式の内燃
機関においては、点火コイルによって発生した高電圧が
ディストリビュータなどを介して各気筒に配置された点
火プラグに与えられ、点火プラグの電極間(ギャップ)
の火花放電によって各気筒内の混合気が着火されて燃焼
が生じる。このような内燃機関の着火・燃焼行程におい
ては、なんらかの原因によって混合気の着火・燃焼が正
常に行われない現象、即ち失火が生じることがある。
【0003】この失火は、燃料系に起因するものと、点
火系に起因するものの二つに大別される。前者の燃料系
に起因する失火は、空燃比の過剰なリーン化あるいはリ
ッチ化に起因するものであって、点火プラグの電極間で
火花放電は生じているが、混合気には着火されない現象
である。一方、後者の点火系に起因する失火は、未燃燃
料などの付着による点火プラグのくすぶりや点火回路の
異常などによって正常な火花放電が生じない、いわゆる
ミス・スパークに起因する現象である。
【0004】混合気が正常に燃焼すると、その燃焼に伴
って混合気(正確には混合気の燃焼によって発生した燃
焼ガス)が電離(イオン化)し、イオン電流が発生す
る。一方、失火が生じて混合気の燃焼が行われないと、
混合気が電離しないことからイオン電流は発生しない。
【0005】このため、従来、例えば特開平5−999
56号公報に記載される技術のように、点火プラグの電
極をイオン電流を検出するためのプローブとして用い、
燃焼行程において発生するイオン電流を検出し、その検
出値を所定値と比較することにより、内燃機関の失火を
検出することが広く行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常、正常な点火プラ
グの電極間抵抗は数千M(メガ)Ω程度であるが、内燃
機関の不完全燃焼などによって点火プラグの電極間に未
燃燃料やカーボンが付着する、いわゆるくすぶり状態に
なると、数MΩ程度まで低下することがある。このた
め、失火状態にあるにも関わらず電極間に電流が流れ、
この電流(リーク(漏れ)電流)をイオン電流と誤検知
してしまうことにより、失火を正確に検出できないとい
う問題があった。
【0007】従ってこの発明の目的は、上記した課題を
解決し、点火プラグがくすぶり状態にあるときも正確に
失火を検出することができるようにした内燃機関の失火
検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は請求項1項において、内燃機関の気筒
の燃焼室を臨む位置に配置された点火プラグに電圧を印
加し、その電極間の火花放電によって混合気が燃焼する
際に発生するイオン電流を検出し、前記検出したイオン
電流に基づいて前記内燃機関の失火を検出する内燃機関
の失火検出装置において、前記イオン電流の所定期間内
の変動量を算出するイオン電流変動量算出手段、および
前記算出されたイオン電流の変動量に基づいて前記失火
を検出する失火検出手段を備えるように構成した。
【0009】イオン電流の所定期間内の変動量を算出
し、算出した変動量に基づいて失火を検出するように構
成したので、点火プラグがくすぶり状態にあるときも失
火を正確に検出することができる。
【0010】請求項2項にあっては、さらに、前記イオ
ン電流を時間積分値として検出する積分値検出手段、お
よび前記点火プラグがくすぶり状態にあるか否かを検出
するくすぶり状態検出手段を備え、前記失火検出手段
は、前記点火プラグがくすぶり状態にないと検出される
とき、前記イオン電流の時間積分値に基づいて失火を検
出すると共に、前記点火プラグがくすぶり状態にあると
検出されるとき、前記イオン電流の変動量に基づいて失
火を検出するように構成した。
【0011】イオン電流を時間積分値として検出すると
共に、点火プラグがくすぶり状態にあるか否かを検出
し、点火プラグがくすぶり状態にないと検出されたと
き、イオン電流の時間積分値に基づいて失火を検出する
と共に、点火プラグがくすぶり状態にあると検出された
とき、イオン電流の所定期間内の変動量に基づいて失火
を検出するように構成したので、点火プラグの状態の如
何に関わらず、失火を正確に検出することができる。
【0012】請求項3項にあっては、前記イオン電流変
動量算出手段は、前記イオン電流を第1のタイミングで
検出するイオン電流検出手段、前記点火プラグがくすぶ
り状態にあるときに発生するリーク電流を前記第1のタ
イミングよりも前記所定期間後の第2のタイミングで検
出するリーク電流検出手段、および前記イオン電流検出
手段の検出値と前記リーク電流検出手段の検出値との差
分を算出する検出値差分算出手段を備え、前記失火検出
手段は、前記算出された差分に基づいて前記失火を検出
するように構成した。
【0013】イオン電流を第1のタイミングで検出する
と共に、リーク電流を第1のタイミングよりも所定期間
後の第2のタイミングで検出し、それら検出値の差分、
即ち、リーク電流に対するイオン電流の変動量に基づい
て失火を検出するように構成したので、点火プラグがく
すぶり状態にあるときも失火をより正確に検出すること
ができる。
【0014】請求項4項にあっては、さらに、前記イオ
ン電流の時間積分値を、前記第1のタイミングと第2の
タイミングの間に設定された第3のタイミングでリセッ
トする積分値リセット手段を備え、前記積分値検出手段
は、前記所定期間内において前記第3のタイミングより
も時間的に前に設定される第4のタイミングと、前記所
定期間内において前記第3のタイミングよりも時間的に
後に設定される第5のタイミングで前記イオン電流の時
間積分値を検出すると共に、前記くすぶり状態検出手段
は、前記第4のタイミングと第5のタイミングで検出さ
れた時間積分値に基づいて前記点火プラグがくすぶり状
態にあるか否か検出するように構成した。
【0015】イオン電流の時間積分値を、第1のタイミ
ングと第2のタイミングの間(所定期間)に設定される
第3のタイミングでリセットし、所定期間内において前
記第3のタイミングよりも時間的に前に設定される第4
のタイミングと、前記所定期間内において前記第3のタ
イミングよりも時間的に後に設定される第5のタイミン
グで前記イオン電流の時間積分値を検出すると共に、前
記第4のタイミングと第5のタイミングで検出された時
間積分値に基づいて点火プラグがくすぶり状態にあるか
否かを検出するように構成した、即ち、第1のタイミン
グと第2のタイミングの間で点火プラグがくすぶり状態
にあるか否か検出するようにしたので、点火プラグがく
すぶり状態にあると検出されたときも、より迅速に失火
を検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の一つの実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置を説
明する。
【0017】図1は、その実施の形態に係る内燃機関の
失火検出装置を全体的に示す概略図である。
【0018】同図において、符合10はその実施の形態
に係る失火検出装置を示す。失火検出装置10は、点火
プラグ12、点火コイル14、電流検出回路16、イグ
ナイタ18、ECU(電子制御ユニット)20および後
述するセンサ群などから構成されると共に、符合24で
示す内燃機関(以下「エンジン」という。一部のみ示
す)に接続され、エンジン24が失火状態にあるか否か
などを検出する。尚、エンジン24は、具体的には多気
筒の火花点火式エンジンであり、失火検出装置10は、
気筒26のそれぞれ(図では1気筒のみ示す)について
失火の検出を行なう。
【0019】点火プラグ12は、それぞれの気筒26の
燃焼室28を臨む位置に配置され、吸気バルブ30を介
して燃焼室28に吸入された混合気を着火して燃焼させ
る。混合気の燃焼によって生じた燃焼ガスは、排気バル
ブ32を介して機関外に排出される。点火プラグ12
は、点火コイル14、電流検出回路16およびイグナイ
タ18を介してECU20に接続される。尚、図示の点
火コイル14はプラグホール型であり、点火プラグ1
2、点火コイル14、電流検出回路16およびイグナイ
タ18などがケース34内に一体的に内蔵される。
【0020】ECU20は、ROM,RAMなどを備え
るマイクロコンピュータからなる。ECU20には、ク
ランク軸あるいはカム軸(共に図示せず)付近に配置さ
れて各気筒のTDC位置およびそれを細分してなるクラ
ンク角度に応じた信号を出力するクランク角センサ3
6、吸気管のスロットルバルブ(図示せず)の下流の吸
気管内絶対圧(PBA。エンジン負荷に相当)に応じた
信号を出力する絶対圧センサ38、燃焼ガス(排気ガ
ス)の空燃比に応じた信号を出力する空燃比センサ(U
EGO(Universal Exhaust Gas Oxygen)センサ)4
0、および水温センサや吸気温センサなどの図示しない
センサ群の出力が入力される。
【0021】また、ECU20はカウンタを備え、入力
されたクランク角センサ36の出力をカウントしてエン
ジン回転数NEを算出する。また、上記した各種入力信
号に基づき、点火時期θig1を決定して点火プラグ1
2を介して混合気を点火すると共に、目標空燃比(A/
F)となるように燃料噴射量を決定してインジェクタ
(燃料噴射弁)42を開弁駆動してガソリン燃料を噴射
する。
【0022】また、図示しない運転席付近には警告灯4
4が設けられ、ECU20に接続されると共に、ECU
20によってエンジン24の失火(あるいは点火系など
の故障)が検出されたときに点灯される。
【0023】図2は、この実施の形態に係る失火検出装
置10をブロック化して示す説明図である。失火検出装
置10は、混合気の燃焼によって発生するイオン電流
と、点火プラグ12がくすぶり状態にあるときに発生す
るリーク電流とを検出し、それらの検出値に基づいてエ
ンジン24が失火状態にあるか否か検出(判断)する。
【0024】以下、失火検出装置10の検出動作につい
て簡単に説明すると、ECU20は、点火時期θig1
に相当するクランク角度でイグナイタ18を動作させ
る。イグナイタ18の動作によって点火コイル14(具
体的には後述する1次側コイル14a)に流れる車載電
源46を電圧源とする電流が通電・遮断されると、点火
コイル14(具体的には後述の2次側コイル14b)に
高電圧が生じる。点火プラグ12は、この高電圧が印加
されて電極間に火花放電を発生し、混合気を着火・燃焼
させる。
【0025】上記したそれぞれの電流は、点火コイル1
4を介して電流検出回路16に入力される。ここで、電
流検出回路16は、電流検知部16a、波形変換部16
b、積分部16c、積分期間設定部16d、積分開始遅
延部16e、積分ON/OFF(オン・オフ)部16
f、および、積分値リセット部16gからなる。
【0026】以下、電流検出回路16の動作についてイ
オン電流の検出を例にとって概説すると、電流検知部1
6aにおいて検知されたイオン電流は、波形変換部16
bに出力され、そこで波形の反転、低圧化処理が行われ
る。
【0027】波形変換部16bにおいて反転および低圧
化されたイオン電流波形は積分部16cへ入力され、そ
こで積分処理を行なうことによりイオン電流を時間積分
値として検出する。
【0028】また、波形変換部16bにおいて反転およ
び低圧化されたイオン電流波形は積分期間幅設定部16
dにも入力され、その内部のローパス・フィルタを介し
てイオン電流以外の周波数帯の出力(ノイズ)などを減
衰させると共に、イオン電流の発生期間に応じて積分期
間、具体的には、積分部16cによって積分処理される
期間を設定(決定)する。
【0029】さらに、積分期間設定部16dにおいて設
定された積分処理期間の開始時期を、誘導ノイズの影響
を受けない時期まで積分開始遅延部16eにおいて遅延
(マスク)させる。これら積分期間設定部16dおよび
積分開始遅延部16eにおいて決定された積分処理期間
および積分開始時期に基づき、積分ON/OFF部16
fを動作させることにより、積分部16cへのイオン電
流波形の入力をオン・オフし、積分部30cにおける積
分処理を所望の期間、具体的には、イオン電流の発生期
間に応じた期間のみに制限する。
【0030】積分部16cで上記した積分期間にわたっ
て積算された時間積分値は、ECU20に出力されると
共に、積分値リセット部16gにおいて、ECU20か
ら送出される通電パルスのオン信号に従ってリセットさ
れる。
【0031】また、電流検出回路16は、リーク電流を
同様に時間積分値として検出し、ECU20に出力す
る。さらに、電流検出回路16は、電流検知部16aで
検知したイオン電流波形(電圧値)およびリーク電流波
形(電圧値)をECU20に出力する。
【0032】ECU20は、後述の如く、これらの各出
力に基づいてエンジン24が失火状態にあるか否か検出
し、失火状態にあるときは警告灯44を点灯して運転者
に報知する。
【0033】図3は、点火プラグ12に接続される電流
検出回路16などの構成を詳細に示す回路図である。ま
た、図4は、図3に示す回路の各接続点における出力を
示すタイム・チャートである。以下、両図を参照して失
火検出装置10の動作について詳説すると、ECU20
は、点火時期θigに相当するクランク角度から通電時
間TONだけ先行するクランク角度で通電パルスをオン
し、TONに相当する期間が経過した後にオフすること
で、イグナイタ42を動作させ、車載電源46から1次
側コイル14aを流れる電流を通電・遮断する。図4
に、1次側コイル14aを流れる電流(1次電流波形)
を示す。
【0034】点火時期θigにおいて1次側コイル14
aを流れる電流が遮断される(通電パルスオフ)と、そ
れに伴って2次側コイル14bに負極性の高電圧が発生
し、図4に示すような放電電流が流れる。具体的には、
点火プラグ12(中心電極12aおよび接地電極12
b)−2次側コイル14b−コンデンサ16a1(また
はツェナーダイオード16a2)−ダイオード16a4
と流れ、点火プラグ12の電極間(中心電極12aと接
地電極12bの間)に火花放電を生じさせて混合気を着
火・燃焼させる。
【0035】放電電流は、コンデンサ16a1を充電す
る。充電されたコンデンサ16a1は、イオン電流を検
出するためのバイアス電圧を有する電流検出用電源とし
て機能する。
【0036】点火プラグ12の火花放電により混合気が
燃焼すると、混合気(正確には混合気の燃焼によって生
じた燃焼ガス)が電離してイオンが発生する。このイオ
ンが点火プラグ12の電極間に介在してその間の電気抵
抗を低下させることにより、コンデンサ16a1のバイ
アス電圧を電源とした図4に示すようなイオン電流が発
生する。イオン電流は、具体的には、コンデンサ16a
1−2次側コイル14b−点火プラグ12−第1のイオ
ン電流用検出抵抗16a4−第2のイオン電流用検出抵
抗16a5と流れ、第1のイオン電流用検出抵抗16a
4を介してECU20に入力されると共に、第2のイオ
ン電流用検出抵抗16a5を介して波形変換部16bに
入力される。
【0037】尚、エンジン24の不完全燃焼などに起因
して点火プラグ12の中心電極12aおよび接地電極1
2bに未燃燃料やカーボンなどが付着する、いわゆるく
すぶり状態になると、電極間の抵抗値が低下し、イオン
電流と同じ経路を辿ってリーク電流が発生する。図4
に、燃焼時、失火時およびくすぶり時のそれぞれにおけ
るイオン電流波形ならびにリーク電流波形を示す。
【0038】波形変換部16bに入力されたイオン電流
波形は、反転、低圧化処理された後、積分部16cに入
力される。
【0039】また、波形変換部16bにおいて反転、低
圧化処理されたイオン電流波形は、積分期間設定部16
dにも入力され、その内部のローパス・フィルタによっ
てイオン電流以外の周波数成分が減衰される。さらに、
その出力を積分期間設定用コンパレータ16d1のマイ
ナス側に入力する。
【0040】また、積分期間設定用コンパレータ16d
1のプラス側には基準電圧が常に入力され、積分期間設
定用コンパレータ16d1はそれらを比較してローパス
・フィルタを介した後の出力(イオン電流波形)の方が
高い場合には、Lowパルスを出力する。
【0041】ここで、積分期間設定用コンパレータ16
d1のLowパルス出力期間が、積分部16cでの積分
期間、即ち、失火を検出するためのイオン電流検出期間
となる。このため、失火時は積分期間が零になる。
【0042】積分期間設定部16dの出力パルス(図4
に示す)はさらに積分開始遅延部16eに入力され、積
分開始遅延用コンデンサ16e1の充放電によって積分
期間設定部16dの出力パルスの反転タイミング(Lo
wパルスが出力される時期)を遅延させる。
【0043】このようにして得た電流波形を、積分開始
遅延用コンパレータ16e2のプラス側に入力すると共
に、マイナス側に基準電圧を入力する。積分開始遅延用
コンパレータ16e2は、それらの比較結果に応じた出
力パルスを生じる。
【0044】積分開始遅延部16eを経て最終的に生じ
た出力パルスは、図4に示すように、その反転タイミン
グが、イオン電流の発生開始時期から所定の期間だけ遅
延させられる。積分ON/OFF部16fは、この反転
タイミングが遅延された出力パルスに基づいてFET
(電界効果トランジスタ)16f1をオン・オフ動作さ
せることにより、波形変換部16bから出力されるイオ
ン電流波形の積分部16cへの入力のオン・オフを行
う。
【0045】ここで、上記した遅延期間は、積分開始遅
延用コンデンサ16e1の容量、あるいは基準電圧を適
宜設定することにより、誘導ノイズの影響を受けない程
度の期間となるように予め設定しておく。それにより、
波形変換部16bから出力されたイオン電流波形のう
ち、誘導ノイズの発生している期間の電流波形を確実に
マスクすることができるため、誘導ノイズの影響を解消
することができ、精度よく失火を検出することができ
る。
【0046】積分部16cは、以上のようにして入力さ
れたイオン電流の時間積分に比例した出力信号、具体的
には、積分用コンデンサ16c1の電圧値を、イオン電
流の時間積分値として出力する。
【0047】ECU20は、このイオン電流の時間積分
値を図4に示す第1の積分値検出時期(イオン電流が発
生し終わった後の時期となる所定のクランク角度)T1
(前記した第4のタイミング)において検出した後、積
分値リセット時期θrst(前記した第3のタイミン
グ)において積分値リセット部16gに通電パルスのオ
ン信号を送出する。
【0048】積分値リセット部16gは、ECU20か
ら送出されたオン信号を入力し、積分部16cのスイッ
チ16c2を導通させて積分用コンデンサ16c1を放
電させることにより、時間積分値をリセットする。
【0049】積分値リセット時期θrstにおいて時間
積分値をリセットした後、ECU20は、さらに第2の
積分値検出時期(所定のクランク角度)T2(前記した
第5のタイミング)において積分部16cの出力を検出
する。イオン電流の発生は第1の積分値検出時期T1以
前に終了していることから、ここでの検出は、リーク電
流の検出を意味する。ECU20は、積分値リセット時
期θrstを挟んで設定されたこれら2つの異なる検出
時期の検出結果に基づき、後述の如く、エンジン24が
失火状態にあるか否か、点火プラグ12がくすぶり状態
にあるか否か検出する。
【0050】第2の積分値検出時期T2において検出さ
れた時間積分値は、次回の点火に備え、1次側コイル1
4aへの通電開始(通電パルスオン)に同期してリセッ
トされる。
【0051】また、ECU20は、第1の積分値検出時
期T1よりも時間的に前の第1の電圧値検出時期Tv1
(前記した第1のタイミング)において、電流検知部1
6aから出力されるイオン電流(あるいはリーク電流)
の電圧値(電流波形)を検出する。この電圧値を第1の
電圧値V1とする。また、第1の電圧値検出時期Tv1
は、前記した積分開始遅延部16eのHiパルスが出力
される時期(あるいはその付近の時期)、即ち、誘導ノ
イズの影響を受けない時期に設定される。
【0052】さらに、ECU20は、第2の積分値検出
時期T2よりも時間的に後の第2の電圧値検出時期Tv
2(前記した第2のタイミング)において、イオン電流
の電圧値(電流波形)を検出する。この電圧値を第2の
電圧値V2とする。また、第2の電圧値検出時期Tv2
は、イオン電流の発生が終了し、電流波形が所定レベル
に収束した時期に設定される。
【0053】ここで、第1および第2の電圧値検出時期
Tv1,Tv2における電圧値の検出について、図5お
よび図6を参照して説明する。図5は、点火プラグ12
の電極間抵抗が10MΩのときの燃焼時におけるイオン
電流およびリーク電流の実測値を示し、図6は、失火時
のそれを示す。
【0054】図5において、−60vと示すのが第1の
電圧値検出時期Tv1において検出した第1の電圧値V
1(イオン電流)であり、−27Vと示すのが第2の電
圧値検出時期Tv2において検出した第2の電圧値V2
(リーク電流)である。同図に示すように、燃焼時の電
流波形にあっては、イオン電流に起因する振幅の大きい
波形が発生した後、電極間抵抗の低下によって発生する
リーク電流波形に収束するが、イオン電流とリーク電流
では発生する電圧値に相違が生じるため、Tv1とTv
2の間(前記した所定期間内)において、電流波形に顕
著な変動が生じる。
【0055】これに対し、図6に示す失火時では、イオ
ン電流が発生しないことから、誘導ノイズが発生した後
は、電流波形に変動はほとんど表れない(直ちにリーク
電流波形に収束する)。従って、イオン電流の所定期間
内の変動量(具体的には、燃焼時にイオン電流波形が発
生している時期の電圧値と、イオン電流の発生が終了
し、電流波形がリーク電流波形に収束している時期の電
圧値の差分。即ち、リーク電流に対するイオン電流の変
動量)を算出し、その変動量が所定値を超えて発生して
いるか否か判断することで、点火プラグ12がくすぶり
状態にあるときも、内燃機関24が失火状態にあるか否
か正確に検出することができる。
【0056】そこで、この実施の形態に係る失火検出装
置10においては、イオン電流の時間積分値に基づいて
エンジン24が失火状態にあるか否か検出すると共に、
点火プラグ12がくすぶり状態にあるか否か検出し、点
火プラグ12がくすぶり状態にあるときは、イオン電流
の所定期間内における変動量に基づいてエンジン24の
失火を検出するようにした。
【0057】以下、図7フロー・チャートを参照し、こ
の実施の形態に係る失火検出装置10の動作、具体的に
は、ECU20における失火検出処理およびくすぶり検
出処理について説明する。尚、図示のプログラムは所定
のクランク角度毎に実行される。
【0058】先ず、S10において、前記した第1の電
圧値検出時期Tv1にあるか否か判断する。今回のプロ
グラム起動がTv1で実行されたとすると、肯定されて
S12に進み、前記した第1の電圧値(電流検知部16
aの出力。燃焼時はイオン電流の電圧値であり、失火時
はリーク電流の電圧値)V1を検出し(読み込み)、S
14に進んで検出したV1を今回値V1(n)とする。
【0059】次回以降のプログラム起動時において、S
10で否定されるときは、S16に進み、前記した第1
の積分値検出時期T1にあるか否か判断する。プログラ
ム起動がT1で実行されたとすると、肯定されてS18
に進み、第1の積分値検出時期T1におけるイオン電流
の時間積分値、即ち、積分部30cの出力を検出する
(読み込む)。
【0060】次いでS20に進み、S18で検出した第
1の積分値検出時期T1における出力がHiか否か、換
言すれば、電流検出部16aにイオン電流(あるいはリ
ーク電流)が所定値以上流れているか否か判断する。
【0061】S20で肯定されるとき、即ち、イオン電
流がある一定値以上流れており、エンジン24の燃焼状
態が正常(燃料系および点火系がともに正常)と考えら
れるときは、次いでS22に進み、フラグF.T1Hの
ビットを1にセットする。他方、S20で否定されると
きはS18に進み、フラグF.T1Hのビットを0にリ
セットする。
【0062】次回以降のプログラム起動時において、S
10およびS16で否定されるときは、S26に進み、
前記した第2の積分値検出時期T2にあるか否か判断す
る。プログラム起動がT2で実行されたとすると、そこ
での判断は肯定されてS28に進み、第2の積分値検出
時期T2における時間積分値、即ち、積分部30cの出
力を検出する(読み込む)。
【0063】ここで、S18で第1の積分値検出時期T
1における時間積分値を検出した後、図4に示すよう
に、積分値リセット時期θrstにおいて時間積分値が
一旦初期値(Low)にリセットされていることから、
第2の積分値検出時期T2における時間積分値の検出と
は、イオン電流以外の電流、即ち、リーク電流の検出を
意味する。尚、積分値リセット時期θrstは、運転状
態、例えば吸気管内絶対圧PBAやエンジン回転数NE
などに基づき、イオン電流の発生が終了した時期となる
ように適宜設定される。
【0064】次いでS30に進み、S28で検出した第
2の積分値検出時期T2における出力がHiか否か、即
ち、リーク電流が所定値以上発生しているか否か判断す
る。
【0065】S30で肯定されるときはS32に進み、
前記したフラグF.T1Hのビットが1にセットされて
いるか否か、換言すれば、第1の積分値検出時期T1に
おける出力がHiであったか否か、即ち、イオン電流
(あるいはリーク電流)が所定値以上発生していたか否
か判断する。
【0066】S32で否定されるときは、S34に進
み、電流検出回路16の故障と判断する。これは、T1
における出力がLowで、T2における出力がHiであ
ることは、理論上あり得ないためである。次いでS36
に進んでフラグF.MILのビットを1にセットする。
フラグF.MILのビットが1にセットされると、図示
しない別のルーチンにおいて、警告灯44を点灯して運
転者に失火や故障などの異常を報知する。
【0067】他方、S32で肯定されるとき(図4に示
す、くすぶり時の積分部出力が生じているとき)は、S
38に進んで現在フューエル・カットを実行中か否か判
断する。尚、フューエル・カットは、図示しない燃料噴
射量制御ルーチンにおいて、車両のスロットルが全閉開
度(あるいはその近傍)で、かつエンジン回転数NEが
所定値以上のとき実行される。従って、S38(および
後述のS48,S56)の判断は、燃料噴射量制御ルー
チンの適宜なフラグを参照することによって行われる。
【0068】フューエル・カットが実行されると、強制
的な失火状態となるため、イオン電流は発生しない。従
って、フューエル・カットを実行中であれば、S20で
出力がHiと判断されることはないはずである。このた
め、S38で肯定されて現在フューエル・カット実行中
と判断されるときは故障(特に燃料系の不具合)と考え
られるため、S34以降に進む。
【0069】S38で否定されてフューエル・カットを
実行中ではないと判断されるときは、S40に進んで点
火プラグ12がくすぶり状態にあると判断し、次いでS
42に進んでフラグF.MILのビットを0にリセット
し、S44に進んでフラグF.SMLDのビットを1に
セットする。フラグF.SMLDのビットが1にセット
されると、後述の如く、イオン電流の所定期間内の変動
量に基づいた失火の検出を行なう。このため、S42で
はフラグF.MILのビットを0にリセットし、点火プ
ラグ12のくすぶりを運転者に報知せずにプログラムを
終了する。
【0070】S30で否定されるときは、S46に進ん
でフラグF.T1Hのビットが1にセットされているか
否か判断し、肯定されるとき(図4に示す、燃焼時の積
分部出力が生じているとき)はS48に進んで現在フュ
ーエル・カットを実行中か否か判断する。S48で否定
されてフューエル・カットを実行中でないと判断される
ときは、イオン電流のみが検出されたことから、S50
に進んで正常な燃焼が行なわれていると判断し、次いで
S52に進んでフラグF.MILのビットを0にリセッ
トし、S54に進んでフラグF.SMLDのビットを0
にリセットする。
【0071】他方、S48で肯定されるときは、フュー
エル・カット実行中にも関わらず第1の積分値検出時期
T1においてイオン電流が検出されていることから、故
障(特に燃料系の不具合)と考えられるため、S34以
降に進む。
【0072】また、S46で否定されるとき(図4に示
す、失火時の積分部出力が生じているとき)は、S56
に進み、S48と同様に現在フューエル・カットを実行
中か否か判断する。S56で肯定されてフューエル・カ
ットを実行中であると判断されるときは、イオン電流お
よびリーク電流のいずれも検出されなかったことから、
S58に進んで正常と判断し、S60に進んでフラグ
F.MILのビットを0にリセットし、S62に進んで
フラグF.SMLDのビットを0にリセットする。
【0073】他方、S56で否定されてフューエル・カ
ットを実行中でないと判断されるときは、S64に進ん
で失火あるいは故障と判断すると共に、S66に進んで
フラグF.MILのビットを1にセットして運転者に報
知する。
【0074】次回以降のプログラム起動時において、S
10,S16およびS26で否定されるときはS68に
進み、前記した第2の電圧値検出時期Tv2にあるか否
か判断する。プログラム起動がTv2で実行されたとす
ると、S68で肯定されてS70に進み、フラグF.S
MLDのビットが1にセットされているか否か、即ち、
点火プラグ12がくすぶり状態にあるか否か判断する。
【0075】S70で肯定されるときはS72に進み、
前記した第2の電圧値(電流検知部16aの出力。リー
ク電流の電圧値)V2を検出し(読み込み)、S74に
進んで検出したV2を今回値V2(n)とする。
【0076】次いで、S76に進み、第1の電圧値の今
回値V1(n)から第2の電圧値の今回値V2(n)を
減算した値の絶対値が、所定の電圧値Vrefよりも大
きいか否か、即ち、イオン電流の所定期間内の変動量
(リーク電流に対するイオン電流の変動量)が所定値よ
り大きいか否か判断する。
【0077】S76で肯定されるとき、即ち、図5に示
すようにイオン電流が発生し、V1とV2の差分が大き
いときは、S78に進んで燃焼が正常に行なわれている
と判断し、次いでS80に進んでフラグF.MILのビ
ットを0にリセットする。
【0078】S76で否定されるとき、即ち、図6に示
すようにイオン電流が発生せず、V1とV2の差分が僅
かなときは、S82に進んで失火と判断し、S84に進
んでフラグF.MILのビットを1にセットして運転者
に報知する。
【0079】尚、S68で否定されるときは以降の処理
をスキップする。また、S70で否定されるとき、即
ち、点火プラグ12がくすぶり状態にないときは、イオ
ン電流の変動量に基づく失火の検出は行なう必要がない
ため、S72以降の処理をスキップする。
【0080】このように、イオン電流を第1の積分値検
出時期T1で検出し、さらに、時間積分値をリセットし
た後の第2の積分値検出時期T2でリーク電流を検出
し、これら第1および第2の積分値検出時期T1,T2
で検出されたイオン電流およびリーク電流の出力の組み
合わせることにより、燃焼が正常に行なわれているか、
あるいは失火状態にあるか、さらには点火プラグ12が
くすぶり状態にあるか否かを正確に検出することができ
る。さらに、フューエル・カットが実行中か否かに基づ
いて失火の有無を判断するようにしたので、フューエル
・カットを失火と誤判断することがない。図8に、検出
されたイオン電流およびリーク電流の出力の組み合わせ
と、それぞれの組み合わせとなったときの検出結果を示
す。
【0081】また、点火プラグ12がくすぶり状態にあ
ると判断されるときは、発生したイオン電流の所定期間
内の変動量、具体的には、第1の電圧値検出時期Tv1
における検出値である第1の電圧値V1と、第2の電圧
値検出時期Tv2における検出値である第2の電圧値V
2の差分に基づいて失火を検出するようにしたので、点
火プラグ12がくすぶり状態にあるときも、正確に失火
を検出することができる。
【0082】より詳しくは、図9に示すように、通常は
イオン電流の時間積分値に基づいて失火を検出すると共
に、点火プラグ12の電極間抵抗の低下に伴うリーク電
流が発生することにより、時間積分値に基づく失火検出
の信頼性が低下するおそれのあるとき、例えば電極間抵
抗が40MΩ以下に低下したときは、燃焼時にイオン電
流波形が発生している時期Tv1の電圧値V1と、イオ
ン電流の発生が終了し、電流波形がリーク電流波形に収
束している時期Tv2の電圧値V2の差分に基づいて失
火を検出するようにした。
【0083】即ち、点火プラグ12がくすぶり状態にあ
ってリーク電流が発生すると考えられるときは、リーク
電流に対するイオン電流の変動量(別言すれば、リーク
電流の電圧値を基準としたときのイオン電流の電圧値の
変動量)に基づいて失火を検出するようにしたので、点
火プラグ12の状態の如何に関わらず、正確に失火を検
出することができる。
【0084】尚、図3に示す電流検出回路16を適宜設
定しておくことで、点火プラグ12の電極間抵抗が40
MΩ以下に低下したときに点火プラグ12がくすぶり状
態にあると検出することができる。
【0085】また、第1の電圧値検出時期Tv1と第2
の電圧値検出時期Tv2の間で点火プラグ12がくすぶ
り状態にあるか否か検出するようにしたので、点火プラ
グ12がくすぶり状態にあると検出されたときは直ちに
発生した電流の変動量に基づいた失火検出に移行するこ
とができ、よってより迅速に失火を検出することができ
る。
【0086】以上のように、この実施の形態に係る内燃
機関の失火検出装置においては、内燃機関(エンジン)
24の気筒26の燃焼室28を臨む位置に配置された点
火プラグ12に電圧を印加し、その電極間(中心電極1
2aと接地電極12bの間)の火花放電によって混合気
が燃焼する際に発生するイオン電流を検出し、前記検出
したイオン電流に基づいて前記内燃機関24の失火を検
出する内燃機関の失火検出装置10において、前記イオ
ン電流の所定期間内の変動量を算出するイオン電流変動
量算出手段(ECU20、電流検出回路16、図7フロ
ー・チャートのS10からS14,S68からS7
6)、および前記算出されたイオン電流の変動量に基づ
いて前記失火を検出する失火検出手段(ECU20、図
7フロー・チャートのS76,S78,S82)を備え
るように構成した。
【0087】さらに、前記イオン電流を時間積分値とし
て検出する積分値検出手段(ECU20、電流検出回路
16、図7フロー・チャートのS16,S18,S2
6,S28)、および前記点火プラグ12がくすぶり状
態にあるか否かを検出するくすぶり状態検出手段(EC
U20、電流検出回路16、図7フロー・チャートのS
16からS44)を備え、前記失火検出手段は、前記点
火プラグ12がくすぶり状態にないと検出されるとき、
前記イオン電流の時間積分値に基づいて失火を検出する
と共に、前記点火プラグがくすぶり状態にあると検出さ
れるとき、前記イオン電流の変動量に基づいて失火を検
出するように構成した。
【0088】また、前記イオン電流変動量算出手段は、
前記イオン電流を第1のタイミング(第1の電圧値検出
時期Tv1)で検出するイオン電流検出手段(ECU2
0、電流検出回路16、図7フロー・チャートのS1
2,S14)、前記点火プラグ12がくすぶり状態にあ
るときに発生するリーク電流を前記第1のタイミングよ
りも前記所定期間後の第2のタイミング(第2の電圧値
検出時期Tv2)で検出するリーク電流検出手段(EC
U20、電流検出回路16、図7フロー・チャートのS
72,S74)、および前記イオン電流検出手段の検出
値と前記リーク電流検出手段の検出値との差分を算出す
る検出値差分算出手段(ECU20、図7フロー・チャ
ートのS76)を備え、前記失火検出手段は、前記算出
された差分に基づいて前記失火を検出するように構成し
た。
【0089】さらに、前記イオン電流の時間積分値を、
前記第1のタイミングと第2のタイミングの間に設定さ
れる第3のタイミング(積分値リセット時期θrst)
でリセットする積分値リセット手段(ECU20、電流
検出回路16)を備え、前記積分値検出手段は、前記所
定期間内において前記第3のタイミングよりも時間的に
前に設定される第4のタイミング(第1の積分値検出時
期T1)と、前記所定期間内において前記第3のタイミ
ングよりも時間的に後に設定される第5のタイミング
(第2の積分値検出時期T2)で前記イオン電流の時間
積分値を検出する(ECU20、電流検出回路16、図
7フロー・チャートのS16,S18,S26,S2
8)と共に、前記くすぶり状態検出手段は、前記第4の
タイミングと第5のタイミングで検出された時間積分値
に基づいて前記点火プラグがくすぶり状態にあるか否か
検出する(ECU20、図7フロー・チャートのS30
からS44)ように構成した。
【0090】尚、上記において、時間積分値を得るまで
の構成をハードウェアで構成したが、ソフトウェア手法
を用いて構成してもよい。
【0091】また、第2の電圧値検出時期Tv2を第2
の積分値検出時期T2よりも時間的に後としたが、電流
波形が所定レベルに収束する時期であればいつでも良
く、それに限られるものではない。
【0092】
【発明の効果】請求項1項にあっては、イオン電流の所
定期間内の変動量を算出し、算出した変動量に基づいて
失火を検出するように構成したので、点火プラグがくす
ぶり状態にあるときも失火を正確に検出することができ
る。
【0093】請求項2項にあっては、イオン電流を時間
積分値として検出すると共に、点火プラグがくすぶり状
態にあるか否かを検出し、点火プラグがくすぶり状態に
ないと検出されるとき、イオン電流の時間積分値に基づ
いて失火を検出すると共に、点火プラグがくすぶり状態
にあると検出されるとき、イオン電流の変動量に基づい
て失火を検出するように構成したので、点火プラグの状
態の如何に関わらず、失火を正確に検出することができ
る。
【0094】請求項3項にあっては、イオン電流を第1
のタイミングで検出すると共に、リーク電流を第1のタ
イミングよりも所定期間後の第2のタイミングで検出
し、それら検出値の差分、即ち、リーク電流に対するイ
オン電流の変動量に基づいて失火を検出するように構成
したので、点火プラグがくすぶり状態にあるときも失火
をより正確に検出することができる。
【0095】請求項4項にあっては、第1のタイミング
と第2のタイミングの間で点火プラグがくすぶり状態に
あるか否か検出するようにしたので、点火プラグがくす
ぶり状態にあると検出されたときも、より迅速に失火を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関の
失火検出装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1に示す装置をブロック化して示す説明図で
ある。
【図3】図1に示す装置の電流検出回路などの構成を詳
細に示す回路図である。
【図4】図3に示す回路の各接続点における出力を示す
タイム・チャートである。
【図5】図1に示す点火プラグがくすぶり状態にあると
きの燃焼時におけるイオン電流波形を示す波形図であ
る。
【図6】図1に示す点火プラグがくすぶり状態にあると
きの失火時におけるイオン電流波形(リーク電流波形)
を示す、図5と同様の波形図である。
【図7】図1に示す装置の動作である失火検出処理およ
びくすぶり検出処理を示すフロー・チャートである。
【図8】図7に示す処理によって得られるイオン電流お
よびリーク電流の出力の組み合わせと、検出結果を示す
表である。
【図9】図7に示す処理と点火プラグの電極間抵抗の関
係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 失火検出装置 12 点火プラグ 12a 中心電極 12b 接地電極 16 電流検出回路 20 ECU(電子制御ユニット) 24 内燃機関(エンジン) 26 気筒 28 燃焼室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 和之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 守屋 学治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G019 CD01 CD06 DB04 DB07 DB08 GA00 GA01 GA08 GA11 GA13 3G084 BA16 DA00 DA27 DA28 EA01 EA02 EA07 EA08 EA11 EB01 EB14 FA00 FA10 FA11 FA20 FA24 FA33 FA35 FA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の気筒の燃焼室を臨む位置に配
    置された点火プラグに電圧を印加し、その電極間の火花
    放電によって混合気が燃焼する際に発生するイオン電流
    を検出し、前記検出したイオン電流に基づいて前記内燃
    機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置におい
    て、 a.前記イオン電流の所定期間内の変動量を算出するイ
    オン電流変動量算出手段、および b.前記算出されたイオン電流の変動量に基づいて前記
    失火を検出する失火検出手段、を備えることを特徴とす
    る内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 さらに、 c.前記イオン電流を時間積分値として検出する積分値
    検出手段、および d.前記点火プラグがくすぶり状態にあるか否かを検出
    するくすぶり状態検出手段、を備え、前記失火検出手段
    は、前記点火プラグがくすぶり状態にないと検出される
    とき、前記イオン電流の時間積分値に基づいて失火を検
    出すると共に、前記点火プラグがくすぶり状態にあると
    検出されるとき、前記イオン電流の変動量に基づいて失
    火を検出することを特徴とする請求項1項記載の内燃機
    関の失火検出装置。
  3. 【請求項3】 前記イオン電流変動量算出手段は、 e.前記イオン電流を第1のタイミングで検出するイオ
    ン電流検出手段、 f.前記点火プラグがくすぶり状態にあるときに発生す
    るリーク電流を前記第1のタイミングよりも前記所定期
    間後の第2のタイミングで検出するリーク電流検出手
    段、および g.前記イオン電流検出手段の検出値と前記リーク電流
    検出手段の検出値との差分を算出する検出値差分算出手
    段、を備え、前記失火検出手段は、前記算出された差分
    に基づいて前記失火を検出することを特徴とする請求項
    1項または2項記載の内燃機関の失火検出装置。
  4. 【請求項4】 さらに、 h.前記イオン電流の時間積分値を、前記第1のタイミ
    ングと第2のタイミングの間に設定される第3のタイミ
    ングでリセットする積分値リセット手段、を備え、前記
    積分値検出手段は、前記所定期間内において前記第3の
    タイミングよりも時間的に前に設定される第4のタイミ
    ングと、前記所定期間内において前記第3のタイミング
    よりも時間的に後に設定される第5のタイミングで前記
    イオン電流の時間積分値を検出すると共に、前記くすぶ
    り状態検出手段は、前記第4のタイミングと第5のタイ
    ミングで検出された時間積分値に基づいて前記点火プラ
    グがくすぶり状態にあるか否か検出することを特徴とす
    る請求項3項記載の内燃機関の失火検出装置。
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