JP6340853B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、検出用燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池システムにおいては、水素ガス等のアノードガスが、燃料電池のアノード(燃料極)に供給され、空気等のカソードガスが、燃料電池のカソード(空気極)に供給される。そして、燃料電池は、供給されたアノードガス及びカソードガスを使用して発電する。燃料電池に供給されたアノードガスは、燃料電池で発電に使用された後、アノードオフガスラインを介して、燃料電池から排出される。また、燃料電池に供給されたカソードガスは、燃料電池で発電に使用された後、カソードオフガスラインを介して、燃料電池から排出される。
このような燃料電池システムにおいて、アノードオフガスラインやカソードオフガスラインに検出用燃料電池を配置し、燃料電池から排出されるアノードオフガスやカソードオフガスを検知する技術が知られている(特許文献1参照。)。
特許第3664925号公報
ところで、燃料電池システムにおいて、燃料電池が安定して発電を行うためには、適量のアノードガス及びカソードガスが燃料電池に供給される必要がある。そして、適量のアノードガス及びカソードガスが燃料電池に供給されている場合、燃料電池のアノードオフガスラインには、適量のアノードオフガスが排出され、カソードオフガスラインには、適量のカソードオフガスが排出される。そのため、燃料電池システムにおいては、アノードオフガスラインにおけるアノードオフガスが適量か否かを検知したり、カソードオフガスラインにおけるカソードオフガスが適量か否かを検知したりすれば、燃料電池が安定して発電しているか否かを知ることができる。
しかし、特許文献1に記載された上記技術は、アノードオフガスやカソードオフガスを検知する技術ではあるものの、アノードオフガスラインにおけるカソードオフガスの漏れと、カソードオフガスラインにおけるアノードオフガスの漏れと、を検知するための技術である。そのため、上記技術は、アノードオフガスラインにおけるアノードオフガスが適量か否かを検知することはできないし、カソードオフガスラインにおけるカソードオフガスが適量か否かを検知することもできない。また、特許文献1に記載された上記技術においては、アノードオフガスラインやカソードオフガスラインの他に、2本の参照ラインを配置する必要があるため、燃料電池システムの構成が複雑になる。
本発明は、簡単な構成で、オフガスラインにおけるオフガスが適量か否かを判断することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、複数の固体酸化物型の燃料電池セルが積層配置されて構成された燃料電池スタックからなる第1の燃料電池と、単一の固体酸化物型の燃料電池セルで構成された検出用の第2の燃料電池と、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるアノードガスが流通するアノードガス供給ラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるカソードガスが流通するカソードガス供給ラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のアノードオフガスが流通するアノードオフガスラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のカソードオフガスが流通するカソードオフガスラインと、前記第2の燃料電池から生じる電流、電圧及び抵抗値のいずれか一つ以上を検出値として出力する検出部と、を備え、前記第2の燃料電池のアノードは、直接又は前記アノードオフガスラインに接続されたアノードオフガス検出ラインを介して、前記アノードオフガスラインを流通する前記アノードオフガスに接触しており、前記第2の燃料電池のカソードは、直接又は大気開放された大気開放ラインを介して大気と接触している燃料電池システムに関する。
本発明は、複数の固体酸化物型の燃料電池セルが積層配置されて構成された燃料電池スタックからなる第1の燃料電池と、単一の固体酸化物型の燃料電池セルで構成された検出用の第2の燃料電池と、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるアノードガスが流通するアノードガス供給ラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるカソードガスが流通するカソードガス供給ラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のアノードオフガスが流通するアノードオフガスラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のカソードオフガスが流通するカソードオフガスラインと、前記第2の燃料電池から生じる電流、電圧及び抵抗値のいずれか一つ以上を検出値として出力する検出部と、を備え、前記第2の燃料電池のアノードは、直接又は前記アノードオフガスラインに接続されたアノードオフガス検出ラインを介して、前記アノードオフガスラインを流通する前記アノードオフガスに接触しており、前記第2の燃料電池のカソードは、直接又は前記カソードオフガスラインに接続されたカソードオフガス検出ラインを介して、前記カソードオフガスラインを流通する前記カソードオフガスに接触している燃料電池システムに関する。
複数の固体酸化物型の燃料電池セルが積層配置されて構成された燃料電池スタックからなる第1の燃料電池と、単一の固体酸化物型の燃料電池セルで構成された検出用の第2の燃料電池と、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるアノードガスが流通するアノードガス供給ラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるカソードガスが流通するカソードガス供給ラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のアノードオフガスが流通するアノードオフガスラインと、前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のカソードオフガスが流通するカソードオフガスラインと、前記第2の燃料電池から生じる電流、電圧及び抵抗値のいずれか一つ以上を検出値として出力する検出部と、前記カソードオフガスラインに接続されたカソードオフガス検出ラインと、前記カソードオフガス検出ラインに接続された空気供給ラインと、前記空気供給ラインに接続され、前記空気供給ラインを介して前記第2の燃料電池のカソードに供給する空気の量を調整する空気調整部と、検出値に基づいて、前記空気調整部を制御する制御部と、を備え、前記第2の燃料電池のアノードは、直接又は前記アノードオフガスラインに接続されたアノードオフガス検出ラインを介して、前記アノードオフガスラインを流通する前記アノードオフガスに接触しており、前記第2の燃料電池の前記カソードは、前記カソードオフガス検出ラインを介して、前記カソードオフガスラインを流通する前記カソードオフガスに接触しており、前記制御部は、検出値が所定の範囲内であると判断した場合、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給しないように、前記空気調整部に指示し、検出値が所定の範囲外であると判断した場合、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給するように、前記空気調整部に指示する燃料電池システムに関する。
また、前記制御部は、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給する前の検出値と、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給した後の検出値とを比較することが好ましい。
本発明は、簡単な構成で、オフガスラインにおけるオフガスが適量か否かを判断することができる燃料電池システムを提供することができる。
は、本発明の第1実施形態による燃料電池システム1を示す概略図である。 (A)〜(D)は、本発明の第1実施形態による燃料電池システム1における検出用燃料電池12の配置を説明する図である。 は、本発明の第2実施形態による燃料電池システム2を示す概略図である。 (A)〜(C)は、本発明の第2実施形態による燃料電池システム2における検出用燃料電池12の配置を説明する図である。 は、本発明の第3実施形態による燃料電池システム3を示す概略図である。 (A)〜(B)は、本発明の第3実施形態による燃料電池システム3における検出用燃料電池12の配置を説明する図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態による燃料電池システム1を示す概略図である。図2(A)〜(D)は、本発明の第1実施形態による燃料電池システム1における検出用燃料電池12の配置を詳細に示す図である。
以下の説明において、「ライン」とは、流路、経路、管路等の総称である。
図1に示すように、燃料電池システム1は、第1の燃料電池としての燃料電池11と、検出用の第2の燃料電池としての検出用燃料電池12と、検出部としての電圧計13と、制御部14と、改質器15と、燃焼器16と、燃料ガス供給部21と、改質水供給部22と、空気供給部23と、を有する。
また、燃料電池システム1は、アノードガス供給ラインL1と、カソードガス供給ラインL2と、アノードオフガスラインL3と、アノードオフガス検出ラインL4と、カソードオフガスラインL5と、大気開放ラインL6と、燃料ガス供給ラインL7と、改質水供給ラインL8と、排ガスラインL9と、を有する。
アノードガス供給ラインL1の一端部は、改質器15に接続されている。アノードガス供給ラインL1の他端部は、燃料電池11に接続されている。アノードガス供給ラインL1には、改質器15において生成された水素や一酸化炭素、未反応のメタン、未利用の水蒸気等のアノードガスG1が流通する。
カソードガス供給ラインL2の一端部は、ブロワ(図示しない)やフィルタ(図示しない)等で構成された空気供給部23に接続されている。カソードガス供給ラインL2の他端部は、燃料電池11に接続されている。カソードガス供給ラインL2には、空気供給部23から供給された空気等のカソードガスG2が流通する。
アノードオフガスラインL3の一端部は、燃料電池11に接続されている。アノードオフガスラインL3の他端部は、燃焼器16に接続されている。アノードオフガスラインL3の途中には、分岐部J1が設けられている。分岐部J1には、アノードオフガス検出ラインL4の一端部が接続されている。アノードオフガス検出ラインL4の他端部は、検出用燃料電池12のアノード121に接続されている。アノードオフガスラインL3及びアノードオフガス検出ラインL4には、燃料電池11から排出されるアノードオフガスG3が流通する。
カソードオフガスラインL5の一端部は、燃料電池11に接続されている。カソードオフガスラインL5の他端部は、燃焼器16に接続されている。カソードオフガスラインL5には、燃料電池11から排出されるカソードオフガスG4が流通する。
大気開放ラインL6の一端部は、検出用燃料電池12のカソード122に接続されている。大気開放ラインL6の他端部は、大気開放されている。大気開放ラインL6には、大気A1が流通する。
燃料ガス供給ラインL7の一端部は、都市ガス等の燃料ガスG5を供給可能な燃料ガス供給部21に接続されている。燃料ガス供給ラインL7の他端部は、改質器15に接続されている。燃料ガス供給ラインL7には、燃料ガス供給部21から供給された燃料ガスG5が流通する。
改質水供給ラインL8の一端部は、改質水(水蒸気)W1を供給可能な改質水供給部22に接続されている。改質水供給ラインL8の他端部は、改質器15に接続されている。改質水供給ラインL8には、改質水供給部22から供給された改質水(水蒸気)W1が流通する。
排ガスラインL9の一端部は、燃焼器16に接続されている。排ガスラインL9の他端部は、図示しない熱交換器等に接続されている。排ガスラインL9には、燃焼器16から排出される排ガスG6が流通する。
燃料電池11は、高温型の燃料電池であるSOFC(固体酸化物型燃料電池)である。燃料電池11は、複数の燃料電池セルが積層配置されて、燃料電池スタックとされたものである。燃料電池11は、改質器15から供給されたアノードガスG1及び空気供給部23から供給されたカソードガスG2を使用して発電する。より具体的には、燃料電池11は、アノードガスG1に含まれる水素及びカソードガスG2に含まれる酸素を使用して発電する。
検出用燃料電池12は、アノード121とカソード122との間に固体電解質123を挟んだ一つの燃料電池セルで構成されている。例えば、燃料電池セルは、燃料電池11を構成する燃料電池セルと同じ構成のものが使用される。
検出用燃料電池12は、図2(A)に示すように配置されている。図2(A)は、アノードオフガスラインL3、アノードオフガス検出ラインL4、大気開放ラインL6及び検出用燃料電池12の断面を示している。図2(A)に示すように、アノード121は、筒状のアノードオフガス検出ラインL4の他端部に接続されており、カソード122は、筒状の大気開放ラインL6に接続されている。また、アノードオフガスラインL3の途中には、分岐部J1としての穴が設けられている。筒状のアノードオフガス検出ラインL4の一端部の開口が、この穴と連通するように、筒状のアノードオフガス検出ラインL4は、アノードオフガスラインL3につながっている。アノードオフガスラインL3、アノードオフガス検出ラインL4、大気開放ラインL6等は、例えば、セラミックチューブで形成されている。
図2(A)において、矢印で示されるように、アノードオフガスG3は、アノードオフガスラインL3及びアノードオフガス検出ラインL4を流通し、大気A1は、大気開放ラインL6を流通する。
このように検出用燃料電池12を配置することによって、アノード121は、アノードオフガス検出ラインL4を介してアノードオフガスG3に接触し、カソード122は、大気開放ラインL6を介して大気A1に接触する。
検出用燃料電池12は、アノード121に接触するアノードオフガスG3及びカソード122に接触する大気A1を使用して発電する。より具体的には、検出用燃料電池12は、アノードオフガスG3に含まれる水素及び大気A1に含まれる酸素を使用して発電する。
電圧計13は、検出用燃料電池12のアノード121及びカソード122に電気的に接続されており、検出用燃料電池12で発生した電圧を検出値V1として検出する。電圧計13は、制御部14に電気的に接続されており、検出値V1を制御部14に出力する。
制御部14は、燃料ガス供給部21及び燃料電池11に電気的に接続されている。制御部14は、電圧計13から出力された検出値V1に基づいて、制御信号を生成し、この制御信号を燃料ガス供給部21及び燃料電池11に出力する。
燃料ガス供給部21は、燃料ガス供給ラインL7に都市ガス等の燃料ガスG5を供給する。また、燃料ガス供給部21は、制御部14から出力される制御信号に応じて、燃料ガス供給ラインL7に供給する燃料ガスG5の量を調整することが可能な構成となっている。例えば、燃料ガス供給部21は、制御信号に基づいて燃料ガスG5の流量を調整することができる流量調整弁等を含んで構成される。
また、燃料電池11は、制御部14から出力される制御信号に応じて、発電量を調整することが可能な構成となっている。
改質器15は、図示しない熱交換器を有している。改質器15は、熱交換器によって発生した800℃程度の高温において、燃料ガス供給部21から供給された燃料ガスG5と、改質水供給部22から供給された改質水(水蒸気)W1とから、アノードガスG1を生成する。このアノードガスG1は、燃料電池11に供給される。
燃焼器16は、燃料電池11から排出されるアノードオフガスG3及びカソードオフガスG4を燃焼させて、排ガスG6として排ガスラインL9に排出する。
第1実施形態による燃料電池システム1は、以下のように動作する。
燃料電池システム1が起動されると、燃料ガスG5は、燃料ガス供給部21から燃料ガス供給ラインL7を介して改質器15に供給される。また、改質水W1は、改質水供給部22から改質水供給ラインL8を介して改質器15に供給される。改質器15は、燃料ガスG5と改質水W1とから、アノードガスG1を生成し、アノードガス供給ラインL1を介して、このアノードガスG1を燃料電池11に供給する。空気供給部23は、カソードガス供給ラインL2を介して、カソードガスG2を燃料電池11に供給する。
燃料電池11は、アノードガスG1及びカソードガスG2を使用して発電する。発電に使用されなかったアノードガスG1は、アノードオフガスG3として燃料電池11からアノードオフガスラインL3に排出される。発電に使用されなかったカソードガスG2は、カソードオフガスG4として燃料電池11からカソードオフガスラインL5に排出される。
アノードオフガスG3及びカソードオフガスG4は、燃焼器16で燃焼し、排ガスG6として排ガスラインL9に排出される。
アノードオフガスラインL3に排出されたアノードオフガスG3は、アノードオフガス検出ラインL4を介して検出用燃料電池12のアノード121に接触する。一方、大気開放ラインL6を介して、大気A1が検出用燃料電池12のカソード122に接触する。そのため、検出用燃料電池12は、アノードオフガスG3及び大気A1を使用して発電する。
電圧計13は、検出用燃料電池12で発生した電圧の値を検出値V1として検出し、この検出値V1を制御部14に出力する。制御部14は、検出値V1が、所定の範囲を下回る値であるか、所定の範囲を上回る値であるか、あるいは、所定の範囲に収まる値であるか、を判断する。ここで、所定の範囲とは、燃料電池システム1が正常に動作している状態(以下、正常な状態ということがある。)において、検出用燃料電池12から発生する電圧の値が、取り得る範囲のことである。所定の範囲は、例えば、以下のように決定される。作業者が、燃料電池システム1が、所定の状態であることを確認した上で、検出用燃料電池12で発生する電圧の値を測定する。そして、この電圧の値に許容誤差等のマージンが加味されて、所定の範囲は決定される。なお、所定の状態としては、例えば、燃料電池11が発電する前の初期状態等のアノードオフガスG3の量及びカソードオフガスG4の量が既知の状態が考えられる。
所定の範囲の決定は、燃料電池システム1が起動されるたびに、毎回行われるようにしてもよい。
制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増加させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、燃料ガス供給部21は、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増やすように制御されるため、改質器15に供給される燃料ガスG5は増加する。
制御部14が、このような制御信号を出力する理由は以下の通りである。検出値V1が所定の範囲を下回るということは、検出用燃料電池12のアノード121に接触するアノードオフガスG3の水素濃度が、正常な状態におけるアノードオフガスG3の水素濃度に比べて低いということを意味する。また、アノードオフガスG3の水素濃度が、正常な状態における水素濃度に比べて低いということは、アノードオフガスG3の量が、正常な状態における量に比べて少ないということを意味し、すなわち、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量が不足していることを意味する。そして、アノードガスG1の供給量は、改質器15への燃料ガスG5の供給量によって決まる。よって、制御部14は、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量を増加させるために、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増加させるための制御信号を出力する。
同様の理由により、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合には、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を減少させるための制御信号を出力する。
また、制御部14は、検出値V1が所定の範囲に収まる値であると判断した場合には、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。
なお、燃料電池システム1の起動時においては、制御部14は、燃料ガス供給部21に対して所定の初期制御信号を出力する。燃料ガス供給部21は、この所定の初期制御信号に基づいた量の燃料ガスG5を改質器15に供給する。
燃料電池システム1において、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量が不足していると、燃料電池11のスタックが破損することがある。そのため、燃料電池システム1において、検出値V1が所定の範囲を下回った場合、改質器15に対する燃料ガスG5の供給量を増加させる必要がある。
一方、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量が過剰になっても、燃料電池11は、必ずしも破損しない。そのため、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合に、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を現在の状態に維持させるための制御信号を出力してもよい。
そのため、所定の範囲は、上限を有さず、下限のみを有する範囲とされてもよい。上述したように、検出値V1が所定の範囲を上回る値である場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値である場合において、制御部14は、同じ制御(燃料ガス供給部21に対して、現在の状態に維持させる制御)を行うことがあるからである。
例えば、所定の範囲は、0.9V以上である範囲に設定されてもよい。このように所定の範囲が設定された場合、制御部14は、所定の範囲を下回る値(すなわち、所定の範囲外の値)であるか、所定の範囲に収まる値(すなわち、所定の範囲内の値)であるかを判断し、制御信号を出力することになる。
表1は、所定の範囲が0.9V以上である範囲に設定された場合における制御部14の動作を例示した表である。
Figure 0006340853
さらに、制御部14は、燃料電池11に対しても、制御信号を出力する。制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合、燃料電池11に対して、燃料電池11の出力を低下させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、燃料電池11は、発電量が減少するように制御されるため、燃料電池11の発電量は減少する。検出値V1が所定の範囲を下回るということは、燃料電池11が、アノードガスG1の供給量に対して、過剰な発電量で発電していることを意味する。よって、制御部14は、燃料電池11の発電量を減少させるために、燃料電池11に対して、燃料電池11の出力を低下させるための制御信号を出力する。
そして、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値であると判断した場合においては、燃料電池11に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。検出値V1が所定の範囲を上回るということは、燃料電池11が、アノードガスG1の供給量に対して、不足する発電量で発電していることを意味する。しかし、燃料電池11の発電量が不足していても、燃料電池11は、必ずしも破損しない。よって、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合、燃料電池11に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。
なお、制御部14は、燃料ガス供給部21及び燃料電池11の両方に制御信号を出力してもよいし、燃料ガス供給部21及び燃料電池11のいずれか一方に制御信号を出力してもよい。
また、燃料電池システム1において、検出用燃料電池12の配置は、図2(A)のような配置であったが、この配置に限定されない。検出用燃料電池12の配置は、アノード121がアノードオフガスG3に接触し、カソード122が大気A1に接触する配置であればよい。
例えば、図2(B)に示すように、検出用燃料電池12の配置は、アノード121が、分岐部J1としての穴を介して、アノードオフガスラインL3の中に設けられ、カソード122が大気開放ラインL6に接続される配置であってもよい。この図2(B)の配置では、アノード121は、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3に直接接触し、カソード122は、大気開放ラインL6を介して大気A1に接触することになる。
図2(C)に示すように、検出用燃料電池12の配置は、アノード121がアノードオフガス検出ラインL4に接続され、カソード122が大気A1に露出する配置であってもよい。この図2(C)の配置では、アノード121は、アノードオフガス検出ラインL4を介してアノードオフガスG3に接触し、カソード122は、大気A1に直接接触することになる。
図2(D)に示すように、検出用燃料電池12の配置は、アノード121がアノードオフガスラインL3の中に設けられ、カソード122が大気A1に露出する配置であってもよい。この図2(D)の配置では、アノード121は、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3に直接接触し、カソード122は、大気A1に直接接触することになる。
第1実施形態の燃料電池システム1によれば、一つの燃料電池セルで構成された検出用燃料電池12を一つ使用して、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3の量が適量か否かを判断することができる。そのため、第1実施形態の燃料電池システム1によれば、アノードオフガスラインL3におけるアノードオフガスG3の量が適量か否かを判断できる燃料電池システムが、簡単な構成で実現される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本発明の第2実施形態による燃料電池システム2を示す概略図である。図4(A)〜(C)は、本発明の第2実施形態による燃料電池システム2における検出用燃料電池12の配置を詳細に示す図である。
第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第2実施形態の燃料電池システム2は、検出用燃料電池12のカソード122が、大気A1ではなく、カソードオフガスG4に接触する点で、第1実施形態の燃料電池システム1と異なる。
燃料電池システム2においては、カソードオフガスラインL5の途中に、分岐部J2が設けられている。この分岐部J2には、カソードオフガス検出ラインL10の一端部が接続されている。カソードオフガス検出ラインL10の他端部は、検出用燃料電池12のカソード122に接続されている。そして、カソードオフガスラインL5及びカソードオフガス検出ラインL10には、燃料電池11から排出されるカソードオフガスG4が流通する。
燃料電池システム2においては、検出用燃料電池12は、図4(A)に示すように配置されている。図4(A)は、アノードオフガスラインL3、アノードオフガス検出ラインL4、カソードオフガスラインL5、カソードオフガス検出ラインL10及び検出用燃料電池12の断面を示している。図4(A)に示すように、アノード121は、筒状のアノードオフガス検出ラインL4の他端部に接続されており、カソード122は、筒状のカソードオフガス検出ラインL10の他端部に接続されている。また、アノードオフガスラインL3の途中には、分岐部J1としての穴が設けられており、カソードオフガスラインL5の途中には、分岐部J2としての穴が設けられている。
筒状のアノードオフガス検出ラインL4の一端部の開口が、分岐部J1としての穴と連通するように、筒状のアノードオフガス検出ラインL4は、アノードオフガスラインL3につながっている。筒状のカソードオフガス検出ラインL10の一端部の開口が、分岐部J2としての穴と連通するように、筒状のカソードオフガス検出ラインL10は、カソードオフガスラインL5につながっている。カソードオフガスラインL5、カソードオフガス検出ラインL10等は、例えば、セラミックチューブで形成されている。
図4(A)において、矢印で示されるように、アノードオフガスG3は、アノードオフガスラインL3及びアノードオフガス検出ラインL4を流通し、カソードオフガスG4は、カソードオフガスラインL5及びカソードオフガス検出ラインL10を流通する。
このように検出用燃料電池12を配置することによって、アノード121は、アノードオフガス検出ラインL4を介してアノードオフガスG3に接触し、カソード122は、カソードオフガス検出ラインL10を介してカソードオフガスG4に接触する。
検出用燃料電池12は、アノード121に接触するアノードオフガスG3及びカソード122に接触するカソードオフガスG4を使用して発電する。より具体的には、検出用燃料電池12は、アノードオフガスG3に含まれる水素及びカソードオフガスG4に含まれる酸素を使用して発電する。
さらに、第2実施形態の燃料電池システム2は、制御部14が、燃料ガス供給部21及び燃料電池11を制御するだけではなく、空気供給部23も制御する点で、第1実施形態の燃料電池システム1と異なる。制御部14は、燃料ガス供給部21、空気供給部23及び燃料電池11に電気的に接続されている。制御部14は、電圧計13から出力された検出値V1に基づいて、制御信号を生成し、この制御信号を燃料ガス供給部21、空気供給部23及び燃料電池11に出力する。
燃料ガス供給部21は、第1実施形態の燃料電池システム1と同様に、制御信号に基づいて燃料ガスG5の流量を調整することができる流量調整弁等を含んで構成されている。第2実施形態の燃料電池システム2においては、空気供給部23も、制御信号に基づいて、空気の流量を調整することができる流量調整弁等を含んで構成されている。
第2実施形態による燃料電池システム2は、以下のように動作する。
燃料電池システム2が起動されると、燃料電池システム2は、第1実施形態による燃料電池システム1と同様に動作し、燃料電池11からアノードオフガスG3がアノードオフガスラインL3に排出され、カソードオフガスG4がカソードオフガスラインL5に排出される。
アノードオフガスラインL3に排出されたアノードオフガスG3は、アノードオフガス検出ラインL4を介して検出用燃料電池12のアノード121に接触する。カソードオフガスラインL5に排出されたカソードオフガスG4は、カソードオフガス検出ラインL10を介して検出用燃料電池12のカソード122に接触する。そのため、検出用燃料電池12は、アノードオフガスG3及びカソードオフガスG4を使用して発電する。
電圧計13は、検出用燃料電池12で発生した電圧の値を検出値V1として検出し、この検出値V1を制御部14に出力する。制御部14は、検出値V1が、所定の範囲を下回る値であるか、所定の範囲を上回る値であるか、あるいは、所定の範囲に収まる値であるか、を判断する。
制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、制御信号を出力する。具体的には、制御部14は、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増加させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、燃料ガス供給部21は、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増やすように制御されるため、改質器15に供給される燃料ガスG5は増加する。また、制御部14は、空気供給部23に対しても、燃料電池11に供給する空気の量を増加させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、空気供給部23は、燃料電池11に供給するカソードガスG2の量を増やすように制御されるため、燃料電池11に供給されるカソードガスG2は増加する。
制御部14が、このような制御信号を出力する理由は以下の通りである。
第2実施形態による燃料電池システム2において、検出値V1が所定の範囲を下回るということは、アノードオフガスG3の水素濃度及びカソードオフガスG4の酸素濃度のいずれか一方又は両方が、正常な状態における濃度よりも低いということを意味する。また、アノードオフガスG3の水素濃度が、正常な状態における水素濃度に比べて低いということは、アノードオフガスG3の量が、正常な状態における量に比べて少ないということを意味し、すなわち、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量が不足していることを意味し、カソードオフガスG4の酸素濃度が、正常な状態における酸素濃度に比べて低いということは、カソードオフガスG4の量が、正常な状態における量に比べて少ないということを意味し、すなわち、燃料電池11へのカソードガスG2の供給量が不足していることを意味する。よって、制御部14は、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量及び空気の供給量を増加させるために、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増加させるための制御信号を出力するとともに、空気供給部23に対して、燃料電池11に供給する空気の量を増加させるための制御信号を出力する。
なお、燃料電池システム2において、検出値V1が所定の範囲を下回る値であった場合、アノードオフガスG3の供給量及びカソードオフガスG4の供給量のどちらが、正常な状態の量よりも少ないのかは、分からない。そのため、燃料電池システム2においては、制御部14は、燃料ガスG5の供給量と空気の供給量とを選択的に増加させるのではなく、燃料ガスG5の量と空気の量の両方を増加させる。よって、燃料電池11に対するアノードガスG1の供給量又はカソードガスG2の供給量が過剰になることも考えられる。しかし、燃料電池11は、上述したように、アノードガスG1の供給量やカソードガスG2の供給量が過剰になっても、必ずしも破損しない。よって、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合においては、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、供給量を増加させるための制御信号を出力する。
制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値であると判断した場合においては、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。すなわち、制御部14は、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、燃料ガスG5の供給量や空気の供給量を減少させる制御信号を出力することはない。
制御部14が、このような制御信号を出力する理由は以下の通りである。
第2実施形態による燃料電池システム2において、制御部14が、検出値V1は所定の範囲を上回る値であると判断した場合に分かることは、アノードオフガスG3の量及びカソードオフガスG4の量のいずれか一方又は両方が、正常な状態における量よりも多いということである。しかし、燃料電池システム2において、アノードオフガスG3の量及びカソードオフガスG4の量のどちらが、正常な状態における量よりも多いのかは、分からない。そのため、仮に、制御部14が、燃料ガス供給部21に対して、燃料ガスG5の供給量を減少させるための制御信号を出力した場合、本来適正な量であった燃料電池11へのアノードガスG1の供給量が、不足してしまう可能性がある。そして、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量が不足すると、上述したように、燃料電池11はスタック破損することがある。一方、燃料電池11は、アノードガスG1の供給量やカソードガスG2の供給量が過剰になっても、必ずしも破損しない。よって、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値であると判断した場合においては、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。
そのため、所定の範囲は、上限を有さず、下限のみを有する範囲とされてもよい。上述したように、検出値V1が所定の範囲を上回る値である場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値である場合において、制御部14は、同じ制御(燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、現在の状態に維持させる制御)を行うからである。
例えば、所定の範囲は、0.9V以上である範囲に設定されてもよい。このように所定の範囲が設定された場合、制御部14は、所定の範囲を下回る値(すなわち、所定の範囲外の値)であるか、所定の範囲に収まる値(すなわち、所定の範囲内の値)であるかを判断し、制御信号を出力することになる。
表2は、所定の範囲が0.9V以上である範囲に設定された場合における制御部14の動作を例示した表である。
Figure 0006340853
なお、検出値V1が0.85Vの場合における制御部14の動作と、0.80Vの場合における制御部14の動作は同じである。検出値V1が0.85Vの場合、検出値V1が相対的に所定の範囲に近い値であることを考慮すると、アノードガスG1の供給量とカソードガスG2の供給量のいずれかが、正常な状態における量に比べて少ないことが予想される。検出値V1が0.80Vの場合、検出値V1が相対的に所定の範囲から遠い値であることを考慮すると、アノードガスG1の供給量とカソードガスG2の供給量の両方が、正常な状態における量に比べて少ないことが予想される。しかし、上述したように、燃料電池システム2において、アノードガスG1の供給量とカソードガスG2の供給量のいずれが、正常な状態における量に比べて少ないかは判断できない。
よって、検出値V1が0.85Vの場合における制御部14の動作と、0.80Vの場合における制御部14の動作は同じになる。
さらに、制御部14は、燃料電池11に対しても、制御信号を出力する。制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合、燃料電池11に対して、燃料電池11の出力を低下させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、燃料電池11は、発電量が減少するように制御されるため、燃料電池11の発電量は減少する。検出値V1が所定の範囲を下回るということは、燃料電池11が、アノードガスG1又はカソードガスG2の供給量に対して、過剰な発電量で発電していることを意味する。そのため、制御部14は、燃料電池11の発電量を減少させるために、燃料電池11に対して、燃料電池11の出力を低下させるための制御信号を出力する。
そして、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値であると判断した場合においては、燃料電池11に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。検出値V1が所定の範囲を上回るということは、燃料電池11が、アノードガスG1の供給量又はカソードガスG2の供給量に対して、不足する発電量で発電していることを意味する。しかし、燃料電池11の発電量が不足していても、燃料電池11は、必ずしも破損しない。そのため、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合、燃料電池11に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。
なお、制御部14は、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に制御信号を出力するとともに、燃料電池11に制御信号を出力してもよい。また、制御部14は、燃料ガス供給部21及び空気供給部23にだけ制御信号を出力してもよいし、燃料電池11にだけ制御信号を出力してもよい。
また、燃料電池システム2において、検出用燃料電池12の配置は、図4(A)のような配置であったが、この配置に限定されない。検出用燃料電池12の配置は、アノード121がアノードオフガスG3に接触し、カソード122がカソードオフガスG4に接触する配置であればよい。
例えば、図4(B)に示すように、検出用燃料電池12の配置は、アノード121が、分岐部J1としての穴を介して、アノードオフガスラインL3の中に設けられ、カソード122がカソードオフガス検出ラインL10に接続される配置であってもよい。この図4(B)の配置では、アノード121は、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3に直接接触し、カソード122は、カソードオフガス検出ラインL10を介してカソードオフガスG4に接触することになる。また、図示しないが、カソード122が、分岐部J2としての穴を介して、カソードオフガスラインL5の中に設けられ、アノード121がアノードオフガス検出ラインL4に接続される配置であってもよい。
図4(C)に示すように、検出用燃料電池12の配置は、アノード121が、分岐部J1としての穴を介して、アノードオフガスラインL3の中に設けられ、カソード122が、分岐部J2としての穴を介して、カソードオフガスラインL5の中に設けられる配置であってもよい。この図4(C)の配置では、アノード121は、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3に直接接触し、カソード122は、カソードオフガスラインL5を流通するカソードオフガスG4に直接接触することになる。
第2実施形態の燃料電池システム2によれば、一つの燃料電池セルで構成された検出用燃料電池12を一つ使用して、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3の量及びカソードオフガスラインL5を流通するカソードオフガスG4の量のいずれか一方、又は両方が適量か否かを判断することができる。そのため、第2実施形態の燃料電池システム2によれば、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3の量及びカソードオフガスラインL5を流通するカソードオフガスG4の量のいずれか一方、又は両方が適量か否かを判断できる燃料電池システムが、簡単な構成で実現される。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、本発明の第3実施形態による燃料電池システム3を示す概略図である。図6(A)〜(B)は、本発明の第3実施形態による燃料電池システム3における検出用燃料電池12の配置を詳細に示す図である。
第3実施形態については、主として、第2実施形態と異なる点を中心に説明し、第2実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。特に説明しない点については、第2実施形態又は第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第3実施形態の燃料電池システム3は、空気供給ラインL11が設けられている点で、第2実施形態の燃料電池システム2と異なる。
第3実施形態の燃料電池システム3においては、カソードオフガス検出ラインL10の途中に分岐部J3が設けられている。また、カソードガス供給ラインL2の途中には、分岐部J4が設けられている。空気供給ラインL11の一端部は、分岐部J3に接続され、他端部は、分岐部J4に接続されている。この空気供給ラインL11の途中には、空気調整部としての空気調整弁24が設けられている。空気調整弁24が開放されている場合、空気供給ラインL11には、空気供給部23から供給される供給用空気G7が流通し、空気調整弁24が閉じられている場合には、空気供給部23から供給される供給用空気G7は流通しない。
燃料電池システム3においては、検出用燃料電池12は、図6(A)に示すように配置されている。図6(A)は、アノードオフガスラインL3、アノードオフガス検出ラインL4、カソードオフガスラインL5、カソードオフガス検出ラインL10、空気供給ラインL11及び検出用燃料電池12の断面を示している。図6(A)に示すように、アノード121は、筒状のアノードオフガス検出ラインL4の他端部に接続されており、カソード122は、筒状のカソードオフガス検出ラインL10の他端部に接続されている。また、アノードオフガスラインL3の途中には、分岐部J1としての穴が設けられており、カソードオフガスラインL5の途中には、分岐部J2としての穴が設けられている。
筒状のアノードオフガス検出ラインL4の一端部の開口が、分岐部J1としての穴と連通するように、筒状のアノードオフガス検出ラインL4は、アノードオフガスラインL3につながっている。筒状のカソードオフガス検出ラインL10の一端部の開口が、分岐部J2としての穴と連通するように、筒状のカソードオフガス検出ラインL10は、カソードオフガスラインL5につながっている。
カソードオフガス検出ラインL10の途中には、分岐部J3としての穴が設けられている。そして、筒状の空気供給ラインL11の一端部の開口が、分岐部J3としての穴と連通するように、筒状の空気供給ラインL11は、カソードオフガス検出ラインL10につながっている。空気供給ラインL11は、例えば、セラミックチューブで形成されている。
図6(A)において、矢印で示されるように、アノードオフガスG3は、アノードオフガスラインL3及びアノードオフガス検出ラインL4を流通し、カソードオフガスG4は、カソードオフガスラインL5及びカソードオフガス検出ラインL10を流通する。また、空気供給部23から供給され、分岐部J4で分岐した空気は、供給用空気G7として空気供給ラインL11を流通し、分岐部J3を介してカソードオフガス検出ラインL10を流通する。
このように検出用燃料電池12を配置することによって、アノード121は、アノードオフガス検出ラインL4を介してアノードオフガスG3に接触し、カソード122は、カソードオフガス検出ラインL10を介してカソードオフガスG4に接触する。また、カソード122は、空気供給ラインL11を流通する供給用空気G7にも接触可能となっている。
検出用燃料電池12は、アノード121に接触するアノードオフガスG3に含まれる水素と、カソード122に接触するカソードオフガスG4に含まれる酸素と、を使用して発電する。また、検出用燃料電池12は、アノード121に接触するアノードオフガスG3に含まれる水素と、供給用空気G7に含まれる酸素と、を使用して発電することも可能となっている。
さらに、第3実施形態の燃料電池システム3は、制御部14が、燃料ガス供給部21、空気供給部23及び燃料電池11を制御するだけでなく、空気調整弁24も制御する点で、第2実施形態の燃料電池システム2と異なる。制御部14は、燃料ガス供給部21、空気供給部23、燃料電池11及び空気調整弁24に電気的に接続されている。制御部14は、電圧計13から出力された検出値V1に基づいて、制御信号を生成し、この制御信号を燃料ガス供給部21、空気供給部23、燃料電池11及び空気調整弁24に出力する。
空気調整弁24は、制御部14から出力される制御信号に応じて、開閉するように構成されている。また、第2実施形態の燃料電池システム2と同様に、燃料ガス供給部21は、制御信号に基づいて、燃料ガスG5の流量を調整することができる流量調整弁等を含んで構成されており、空気供給部23は、制御信号に基づいて、空気の流量を調整することができる流量調整弁等を含んで構成されている。
第3実施形態による燃料電池システム3は、以下のように動作する。
燃料電池システム3が起動されると、燃料電池システム3は、第2実施形態による燃料電池システム2と同様に動作し、燃料電池11からアノードオフガスG3がアノードオフガスラインL3に排出され、カソードオフガスG4がカソードオフガスラインL5に排出される。
なお、燃料電池システム3の起動時においては、空気調整弁24は閉じられている。そのため、検出用燃料電池12は、アノードオフガスG3に含まれる水素及びカソードオフガスG4に含まれる酸素を使用して発電する。
燃料電池システム3において、電圧計13は、検出用燃料電池12で発生した電圧の値を検出値V1として検出し、この検出値V1を制御部14に出力する。制御部14は、検出値V1が、所定の範囲を下回る値であるか、所定の範囲を上回る値であるか、所定の範囲に収まる値であるか、を判断する。
第3実施形態による燃料電池システム3においては、この後の制御が、第2実施形態による燃料電池システム2と異なる。第3実施形態による燃料電池システム3においては、空気調整弁24を開放する制御が加わる。そして、空気調整弁24が開放された後、アノードガスG1の供給量が不足しているのか、カソードガスG2の供給量が不足しているのか、あるいは、アノードガスG1の供給量及びカソードガスG2の供給量が共に不足しているのかが、判断される。
燃料電池システム3において、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合、アノードガスG1の供給量が不足しているのか、カソードガスG2の供給量が不足しているのか、あるいは、アノードガスG1の供給量及びカソードガスG2の供給量が共に不足しているのかを特定するための制御を行う。
具体的には、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合、空気調整弁24に対して、空気調整弁24を開放することを指示する制御信号を出力する。この制御信号によって、空気調整弁24は開放される。空気調整弁24が開放されると、空気供給ラインL11には、空気供給部23から供給される供給用空気G7が流通する。供給用空気G7は、空気供給ラインL11、分岐部J3及びカソードオフガス検出ラインL10を介して検出用燃料電池12のカソード122に接触する。そのため、検出用燃料電池12は、空気調整弁24が開放された後においては、アノードオフガスG3に含まれる水素及び供給用空気G7に含まれる酸素を使用して、発電することになる。電圧計13は、検出用燃料電池12で発生した電圧の値を検出値V2として検出し、この検出値V2を制御部14に出力する。
制御部14は、検出値V2が所定の範囲に収まる値であるか判断する。
制御部14は、検出値V2が所定の範囲に収まる値であると判断した場合、空気供給部23に対して、制御信号を出力する。具体的には、制御部14は、空気供給部23に対して、燃料電池11にカソードガスG2の量を増加させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、空気供給部23は、燃料電池11に供給するカソードガスG2の量を増やすように制御されるため、燃料電池11に供給されるカソードガスG2は増加する。
制御部14が、このような制御信号を出力する理由は以下の通りである。
検出値V1が所定の範囲を下回るということは、第2実施形態においても述べたように、アノードオフガスG3の水素濃度及びカソードオフガスG4の酸素濃度のいずれか一方又は両方が、正常な状態における濃度よりも低いということを意味する。そして、検出値V2が所定の範囲に収まるということは、空気調整弁24を開放し、カソードオフガスG4に供給用空気G7を追加するだけで、検出用燃料電池12の電圧は、正常な状態における電圧と同等の電圧になることを意味している。すなわち、検出値V1が所定の範囲を下回ったのは、カソードオフガスG4の酸素濃度だけが正常な状態における酸素濃度に比べて低かったことが原因であることが分かる。そして、カソードオフガスG4の酸素濃度が、正常な状態における酸素濃度に比べて低いということは、カソードオフガスG4の量が、正常な状態における量に比べて少ないということを意味し、すなわち、燃料電池11へのカソードガスG2の供給量が不足していることを意味する。よって、制御部14は、空気供給部23に対して、燃料電池11に供給するカソードガスG2の量を増加させるための制御信号を出力する。
制御部14は、検出値V2が所定の範囲に収まる値でないと判断した場合、検出値V2と検出値V1とを比較する。制御部14は、検出値V2と検出値V1とが略等しいと判断した場合、燃料ガス供給部21に対して制御信号を出力する。具体的には、制御部14は、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増加させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、燃料ガス供給部21は、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増やすように制御されるため、改質器15に供給される燃料ガスG5は増加する。その結果、改質器15から供給されるアノードガスG1も増加する。
制御部14が、このような制御信号を出力する理由は以下の通りである。
検出値V2が所定の範囲に収まる値でなく、検出値V1と略等しい値であるということは、空気調整弁24を開放し、カソードオフガスG4に供給用空気G7を追加しても、検出用燃料電池12の電圧は、変化しないということを意味している。すなわち、検出値V1が所定の範囲を下回ったのは、カソードオフガスG4の酸素濃度が正常な状態における酸素濃度に比べて低かったことが原因ではなく、アノードオフガスG3の水素濃度が正常な状態における水素濃度に比べて低かったことが原因であることが分かる。そして、アノードオフガスG3の水素濃度が、正常な状態における水素濃度に比べて低いということは、アノードオフガスG3の量が、正常な状態における量に比べて少ないということを意味し、すなわち、燃料電池11へのアノードガスG1の供給量が不足していることを意味する。よって、制御部14は、燃料電池11に供給するアノードガスG1の量を増加させるために、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増加させるための制御信号を出力する。
制御部14が、検出値V2が所定の範囲に収まる値でないと判断し、検出値V2と検出値V1とを比較した結果、検出値V2が検出値V1よりも大きいと判断した場合、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して制御信号を出力する。具体的には、制御部14は、燃料ガス供給部21に対して、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増加させるための制御信号を出力するとともに、空気供給部23に対して、燃料電池11に供給するカソードガスG2の量を増加させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、燃料ガス供給部21は、改質器15に供給する燃料ガスG5の量を増やすように制御されるため、改質器から供給されるアノードガスG1も増加する。さらに、この制御信号によって、空気供給部23は、燃料電池11に供給するカソードガスG2の量を増やすように制御されるため、燃料電池11に供給されるカソードガスG2も増加する。
制御部14が、このような制御信号を出力する理由は以下の通りである。
検出値V2が所定の範囲に収まる値でなく、検出値V1よりも大きい値であるということは、空気調整弁24を開放し、カソードオフガスG4に供給用空気G7を追加すると、検出用燃料電池12の電圧は大きくはなるものの、正常な状態における電圧よりは小さいことを意味している。すなわち、検出値V1が所定の範囲を下回ったのは、カソードオフガスG4の酸素濃度が正常な状態における酸素濃度に比べて低かったことが原因の一つではあるが、アノードオフガスG3の水素濃度が正常な状態における水素濃度に比べて低かったことも原因であることが分かる。よって、制御部14は、燃料ガス供給部21に対して、燃料電池11に供給するアノードガスG1を増加させるための制御信号を出力するとともに、空気供給部23に対して、燃料電池11に供給するカソードガスG2の量を増加させるための制御信号を出力する。
制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合、及び検出値V1が所定の範囲に収まる値であると判断した場合においては、燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。燃料電池11は、アノードガスG1の供給量やカソードガスG2の供給量が過剰になっても、必ずしも破損しないからである。
そのため、所定の範囲は、上限を有さず、下限のみを有する範囲とされてもよい。上述したように、検出値V1が所定の範囲を上回る値である場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値である場合において、制御部14は、同じ制御(燃料ガス供給部21及び空気供給部23に対して、現在の状態に維持させる制御)を行うからである。
例えば、所定の範囲は、0.9V以上である範囲に設定されてもよい。このように所定の範囲が設定された場合、制御部14は、所定の範囲を下回る値(すなわち、所定の範囲外の値)であるか、所定の範囲に収まる値(すなわち、所定の範囲内の値)であるかを判断し、制御信号を出力することになる。
表3は、所定の範囲が0.9V以上である範囲に設定された場合における制御部14の動作を例示した表である。
Figure 0006340853
さらに、制御部14は、燃料電池11に対しても、制御信号を出力する。制御部14は、検出値V1が所定の範囲を下回る値であると判断した場合、燃料電池11に対して、燃料電池11の出力を低下させるための制御信号を出力する。この制御信号によって、燃料電池11は、発電量が減少するように制御されるため、燃料電池11の発電量は減少する。検出値V1が所定の範囲を下回るということは、燃料電池11が、アノードガスG1又はカソードガスG2の供給量に対して、過剰な発電量で発電していることを意味する。そのため、制御部14は、燃料電池11の発電量を減少させるために、燃料電池11に対して、燃料電池11の出力を低下させるための制御信号を出力する。
そして、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合及び検出値V1が所定の範囲に収まる値であると判断した場合においては、燃料電池11に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。検出値V1が所定の範囲を上回るということは、燃料電池11が、アノードガスG1の供給量又はカソードガスG2の供給量に対して、不足する発電量で発電していることを意味する。しかし、燃料電池11の発電量が不足していても、燃料電池11は、必ずしも破損しない。そのため、制御部14は、検出値V1が所定の範囲を上回る値であると判断した場合、燃料電池11に対して、現在の状態に維持させるための制御信号を出力する。
なお、制御部14は、燃料ガス供給部21、空気供給部23及び空気調整弁24に制御信号を出力するとともに、燃料電池11に制御信号を出力してもよい。また、制御部14は、燃料ガス供給部21、空気供給部23及び空気調整弁24にだけ制御信号を出力してもよいし、燃料電池11にだけ制御信号を出力してもよい。
また、燃料電池システム3において、検出用燃料電池12の配置は、図6(A)のような配置であったが、この配置に限定されない。検出用燃料電池12の配置は、アノード121がアノードオフガスG3に接触し、カソード122がカソードオフガスG4に接触し、かつ、カソード122が、空気供給ラインL11からの供給用空気G7にも接触可能な配置であればよい。
例えば、図6(B)に示すように、検出用燃料電池12の配置は、アノード121が、分岐部J1としての穴を介して、アノードオフガスラインL3の中に設けられる配置であってもよい。この図6(B)の配置では、アノード121は、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3に直接接触することになる。
第3実施形態の燃料電池システム3によれば、燃料電池セルで構成された検出用燃料電池12を一つ使用して、アノードオフガスラインL3を流通するアノードオフガスG3の量と、カソードオフガスラインL5を流通するカソードオフガスG4の量が、それぞれ個別に適量か否か判断することができる。そのため、アノードオフガスラインL3におけるアノードオフガスG3の量が適量か否かを判断でき、かつ、カソードオフガスラインL5におけるカソードオフガスG4の量が適量か否かを判断できる燃料電池システムが、簡単な構成で実現される。
本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。例えば、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態において、制御部14は、燃料ガス供給部21や空気供給部23や燃料電池11や空気調整弁24の制御を行っていたが、これに限定されない。本発明において、検出用燃料電池12で得られた検出値V1は、燃料ガス供給部21や空気供給部23や燃料電池11や空気調整弁24の制御に限られず、様々な用途に使用され得る。例えば、制御部14は、検出値V1が、所定の範囲を下回った場合や上回った場合に、アラーム信号を出力して、作業者に注意を促すようにし、燃料ガス供給部21や空気供給部23や燃料電池11や空気調整弁24を制御しないこともあり得る。また、制御部14は、検出値V1が、所定の範囲を下回った場合や上回った場合に、燃料電池システム全体を停止させる制御を行うこともあり得る。
すなわち、本発明においては、アノードオフガスラインL3におけるアノードオフガスG3が適量か否かを判断した後、その判断結果を様々な用途に使用可能である。また、本発明は、カソードオフガスラインL5におけるカソードオフガスG4が適量か否かを判断した後、その判断結果を様々な用途に使用可能である。
第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態においては、検出値として電圧が使用されていたが、電流又は抵抗値が使用されてもよい。また、電圧、電流及び抵抗値から選択されるいずれか2つ又はすべてが使用されてもよい。例えば、電力が検出値として使用されてもよい。すなわち、検出値は、電流、電圧及び抵抗値のいずれか一つ以上が使用されていればよい。
また、図2(A)〜(D)、図4(A)〜(C)、図6(A)〜図6(B)においては、検出用燃料電池12の側面は露出していたが、検出用燃料電池12の側面は、露出していなくてもよい。例えば、図2(A)において、アノードオフガス検出ラインL4と大気開放ラインL6とがつながって一つのラインを構成しており、この一つのラインの中に検出用燃料電池12が内蔵されるようにしてもよい。
第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態においては、燃料電池11は、SOFC(固体酸化物型燃料電池)であったが、これに限定されない。また、検出用燃料電池12は、一つの燃料電池セルで構成されていたが、2つ以上の燃料電池をスタック化したものであってもよい。検出用燃料電池12を構成する燃料電池セルは、燃料電池11を構成する燃料電池セルと同じ構成のものを用いていたが、これに限定されない。例えば、検出用燃料電池12を構成する燃料電池セルは、燃料電池11を構成する燃料電池セルと異なる種類のものであってもよい。
11 燃料電池(第1の燃料電池)
12 検出用燃料電池(検出用の第2の燃料電池)
13 電圧計(検出部)
14 制御部
24 空気調整弁(空気調整部)
L1 アノードガス供給ライン
L2 カソードガス供給ライン
L3 アノードオフガスライン
L5 カソードオフガスライン
L4 アノードオフガス検出ライン
L6 大気開放ライン
L10 カソードオフガス検出ライン
G1 アノードガス
G2 カソードガス
G3 アノードオフガス
G4 カソードオフガス
A1 大気

Claims (4)

  1. 複数の固体酸化物型の燃料電池セルが積層配置されて構成された燃料電池スタックからなる第1の燃料電池と、
    単一の固体酸化物型の燃料電池セルで構成された検出用の第2の燃料電池と、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるアノードガスが流通するアノードガス供給ラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるカソードガスが流通するカソードガス供給ラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のアノードオフガスが流通するアノードオフガスラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のカソードオフガスが流通するカソードオフガスラインと、
    前記第2の燃料電池から生じる電流、電圧及び抵抗値のいずれか一つ以上を検出値として出力する検出部と、
    を備え、
    前記第2の燃料電池のアノードは、直接又は前記アノードオフガスラインに接続されたアノードオフガス検出ラインを介して、前記アノードオフガスラインを流通する前記アノードオフガスに接触しており、
    前記第2の燃料電池のカソードは、直接又は大気開放された大気開放ラインを介して大気と接触している
    燃料電池システム。
  2. 複数の固体酸化物型の燃料電池セルが積層配置されて構成された燃料電池スタックからなる第1の燃料電池と、
    単一の固体酸化物型の燃料電池セルで構成された検出用の第2の燃料電池と、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるアノードガスが流通するアノードガス供給ラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるカソードガスが流通するカソードガス供給ラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のアノードオフガスが流通するアノードオフガスラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のカソードオフガスが流通するカソードオフガスラインと、
    前記第2の燃料電池から生じる電流、電圧及び抵抗値のいずれか一つ以上を検出値として出力する検出部と、
    を備え、
    前記第2の燃料電池のアノードは、直接又は前記アノードオフガスラインに接続されたアノードオフガス検出ラインを介して、前記アノードオフガスラインを流通する前記アノードオフガスに接触しており、
    前記第2の燃料電池のカソードは、直接又は前記カソードオフガスラインに接続されたカソードオフガス検出ラインを介して、前記カソードオフガスラインを流通する前記カソードオフガスに接触している
    燃料電池システム。
  3. 複数の固体酸化物型の燃料電池セルが積層配置されて構成された燃料電池スタックからなる第1の燃料電池と、
    単一の固体酸化物型の燃料電池セルで構成された検出用の第2の燃料電池と、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるアノードガスが流通するアノードガス供給ラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池に供給されるカソードガスが流通するカソードガス供給ラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のアノードオフガスが流通するアノードオフガスラインと、
    前記第1の燃料電池に接続され、前記第1の燃料電池のカソードオフガスが流通するカソードオフガスラインと、
    前記第2の燃料電池から生じる電流、電圧及び抵抗値のいずれか一つ以上を検出値として出力する検出部と、
    前記カソードオフガスラインに接続されたカソードオフガス検出ラインと、
    前記カソードオフガス検出ラインに接続された空気供給ラインと、
    前記空気供給ラインに接続され、前記空気供給ラインを介して前記第2の燃料電池のカソードに供給する空気の量を調整する空気調整部と、
    検出値に基づいて、前記空気調整部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記第2の燃料電池のアノードは、直接又は前記アノードオフガスラインに接続されたアノードオフガス検出ラインを介して、前記アノードオフガスラインを流通する前記アノードオフガスに接触しており、
    前記第2の燃料電池の前記カソードは、前記カソードオフガス検出ラインを介して、前記カソードオフガスラインを流通する前記カソードオフガスに接触しており、
    前記制御部は、検出値が所定の範囲内であると判断した場合、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給しないように、前記空気調整部に指示し、検出値が所定の範囲外であると判断した場合、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給するように、前記空気調整部に指示する
    燃料電池システム。
  4. 前記制御部は、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給する前の検出値と、前記空気調整部が前記カソードに空気を供給した後の検出値とを比較する
    請求項3に記載の燃料電池システム。
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