JP5607951B2 - 燃料電池システムの停止状態維持方法 - Google Patents
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Description
このように、燃料ガス生成装置と燃料電池のアノードとを一体で封止することで、燃料電池システムを停止させている間、燃料ガス生成装置(特に、改質器の改質触媒)の劣化とアノードの劣化とを併せて抑制することが可能となる。
燃料電池システムにガス漏れが発生するような問題が生じた場合、上述した保圧処理を中止することが好ましい。なぜならば、ガス漏れが発生するにも拘わらず保圧処理を行って燃料電池システム内の圧力を上昇させると、燃料電池システム内から更にガス(特に、残留している水素や炭化水素ガスなど)が漏れ出す虞があるからである。
前記燃料電池からの電力の出力を停止する停止状態に前記燃料電池の運転を移行させる停止移行工程と、
前記停止移行工程の後に、前記燃料電池の運転を前記停止状態に維持し、且つ、前記燃料ガス生成装置から前記アノードへ通じるガス流通系統の前記改質器よりも上流側の第1閉止対象部位を閉止し、且つ、前記アノードからのガス排出路の途中の第2閉止対象部位を閉止し、且つ、前記燃料ガス生成装置と前記アノードとの間のガスの流通を許容した状態で、前記燃料電池を保管する停止状態維持工程とを有し、
前記停止状態維持工程を実施している間の設定保圧タイミングで、前記第1閉止対象部位と前記第2閉止対象部位との間を保圧対象範囲として当該保圧対象範囲の保圧処理を行うと共に、前記停止状態維持工程を実施している間に前記保圧対象範囲からのガス漏れを検出すると、前記第1閉止対象部位と、前記ガス流通系統の途中の前記燃料ガス生成装置及び前記アノードの間の第3閉止対象部位とを閉止して前記燃料ガス生成装置と前記アノードとの間のガスの流通を遮断することで前記保圧対象範囲を分離する保圧対象範囲分離処理を行い、
前記保圧対象範囲分離処理を行った後、前記保圧対象範囲の内の前記第1閉止対象部位と前記第3閉止対象部位との間の範囲からのガス漏れを検出すると前記保圧処理を中止する点にある。
更に、停止状態維持工程を実施している間に保圧対象範囲からのガス漏れを検出すると、第1閉止対象部位と第3閉止対象部位とを閉止して燃料ガス生成装置とアノードとの間のガスの流通を遮断することで保圧対象範囲を分離する保圧対象範囲分離処理が実施される。つまり、第1閉止対象部位と第3閉止対象部位とを閉止する保圧対象範囲分離処理によって、全保圧対象範囲の内の第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間の範囲(即ち、燃料ガス生成装置の改質器などを含む範囲)を全保圧対象範囲から分離して選択的に隔離できる。その結果、ガス漏れが第3閉止対象部位と第2閉止対象部位との間(例えば、第3閉止対象部位と第2閉止対象部位との間にある燃料電池など)で発生していたとしても、第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間(即ち、第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間にある燃料ガス生成装置の改質器など)の圧力を維持できる。そして、燃料ガス生成装置の改質器などの酸化を抑制できるため、第3閉止対象部位と第2閉止対象部位との間で発生したガス漏れを修復するメンテナンスを行った後で燃料電池システムの運転を再開するとき、燃料ガス生成装置で改質ガスの生成が十分に行われないといった問題は生じない。
従って、ガス漏れなどが発生しても、燃料電池システム内の少なくとも一部分の性能を維持できる燃料電池システムの停止状態維持方法を提供できる。
ところで、ガス漏れが発生している状況で、保圧処理を行って保圧対象範囲の内部の圧力を上昇させると、ガス漏れが促進される可能性がある。
本特徴構成では、保圧対象範囲分離処理を行った後、保圧対象範囲の内の第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間の範囲からのガス漏れを検出すると保圧処理を中止するので、保圧対象範囲の外部へのガス漏れが抑制される。
その結果、ガス漏れが、アノード等を含む第3閉止対象部位と第2閉止対象部位との間の範囲、或いは、改質器等を含む第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間の範囲の何れで発生していたとしても、ガス漏れの発生していない方の範囲へ、酸素が侵入する等のガス漏れの影響が及ばないようにできる。
更に、ガス漏れが検出された後も第1閉止対象部位と第2閉止対象部位と第3閉止対象部位とを閉止し続けることで、即ち、ガス漏れが発生している箇所を、ガス漏れの発生していない無事な部位から確実に分離して封止し続けることで、ガス漏れが緩やかに進行するようにできる。
前記燃料電池システムには前記ガス流通系統の内部の圧力を検出可能な圧力計が前記第1閉止対象部位と前記第3閉止対象部位との間に設けられ、
前記設定保圧タイミングは、前記圧力計によって検出される前記保圧対象範囲の内部の圧力が設定保圧圧力を下回ったタイミングである点にある。
本特徴構成では、第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間に設けられる圧力計によって検出される保圧対象範囲の内部の圧力が設定保圧圧力を下回ったときに上記保圧処理が行われるので、保圧対象範囲に酸素(空気)が侵入する可能性を低くできる。更に、保圧対象範囲の圧力を検出するための圧力計が第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間に設けられているので、上記保圧対象範囲分離処理が行われた後に第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間を保圧対象範囲とした場合にも、その第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間の保圧対象範囲の圧力を圧力計で検出して上記保圧処理を実行できる。
従って、本特徴構成のように、制御手段が、上記保圧処理の実施頻度、又は、保圧処理において保圧対象範囲にガスを供給したときに保圧対象範囲の内部の圧力の上昇に要する時間、又は、保圧対象範囲の内部の圧力の低下速度を監視することで、保圧対象範囲からのガス漏れの可能性を迅速に検出できる。
更に、保圧対象範囲の圧力を検出するための圧力計が第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間に設けられているので、保圧対象範囲分離処理が行われた後には、第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間の保圧対象範囲の圧力を選択的に検出できる。つまり、上記保圧対象範囲分離処理が行われた後には、第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間の保圧対象範囲からのガス漏れを選択的に検出できる。
以下に図面を参照して第1実施形態の燃料電池システムの停止状態維持方法について説明する。この停止状態維持方法は、以下に説明する停止状態維持工程を実施する方法である。
図1は、第1実施形態の燃料電池システムの停止状態維持方法が実施される燃料電池システムS1(S)の構成を説明する図である。この燃料電池システムS1は、燃料ガス生成装置1と燃料電池FCとを備える。後述する燃料電池システムS1の作動制御は、特に記載しない以外は制御手段Cによって行われる。燃料ガス生成装置1は、メタンなどの炭化水素を含む原料ガスを改質器1aにおいて水蒸気改質して、水素を主成分とする燃料ガスを生成する。燃料ガス生成装置1は、図1に示している改質器1aの他にも、原料ガス中に含まれる硫黄化合物を除去するための脱硫器、水蒸気発生器、水蒸気改質により得られるガス中に含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器などを備えるが、それらの説明は省略する。改質器1aには、改質器1aの圧力を検出する圧力センサP1、及び、改質器1aの温度を検出する温度センサT1が設けられている。尚、圧力センサP1は燃料ガス生成装置1の他の部位に設けてもよいし、弁V1から弁V3の間の配管上のどこかに設けてもよい。
燃料ガス生成装置1で生成された改質ガス(水素を主成分とするガス)は、ガス供給路3を介してアノード2aへ供給される。
本発明の「ガス流通系統」は、原料ガスが燃料ガス生成装置1に供給されるガス流路と、燃料ガス生成装置1の内部のガス流路と、燃料ガス生成装置1からアノード2aへ至るガス流路(ガス供給路3)と、アノード2aの内部のガス流路と、アノード2aから排出されるガス流路を含むものとする。
アノード2aにおいて発電反応に用いられたガスは、ガス排出路7を介して燃料電池FCの外部に排出される。排出されたガスは、熱交換器(図示せず)において排熱回収された後、バーナ(図示せず)で燃焼するなどの排気処理に提供される。ガス排出路7の途中には、ガス排出路7におけるガスの流通を遮断又は許容する弁V2が設けられている。
カソード2bにおいて発電反応に用いられたガスは、ガス排出路8を介して燃料電池FCの外部に排出される。排出されたガスは、熱交換器(図示せず)で排熱回収される。排出されたガスは、元々は周囲に存在する空気であるので、特別な排気処理は不要である。
燃料電池FCを発電運転するとき、燃料ガス生成装置1も運転する必要がある。よって、燃料ガス生成装置1への原料ガスの供給を可能とするように弁V1は開放されている。改質器1aでは、原料ガスである炭化水素を水素に改質する改質反応が行われ、それにより水素を含む燃料ガスが生成される。ガス供給路3に設けられている弁V3は開放されている。よって、燃料ガス生成装置1で生成された燃料ガスは燃料ガス用加湿器4を経由してアノード2aへ供給される。弁V2は開放され、アノード2aからの排ガスが燃料電池FCの外部に排出される。
ブロア9によって供給される空気(酸化剤ガス)がカソード2bへ到達するように、ガス供給路5に設けられた弁V4は開放されている。
図示していないが、燃料電池セル2に対して電気負荷又はインバータが電気的に接続されている。
以上のようにして、アノード2aに燃料ガスが供給され、カソード2bに空気が供給されることで、燃料電池セル2において発電反応が行われ、電気負荷又はインバータに電流が流れる。
燃料電池FCの運転を停止する停止移行工程は、電気負荷又はインバータと燃料電池FCの燃料電池セル2との電気的な接続を解除して、燃料電池FCでの発電により得られた電力の出力を停止する工程である。そのため、燃料電池FCでの発電により得られた電力の出力を停止する前に、燃料電池FCへの原料ガスの供給量及び酸化剤ガス(カソードエア)の供給量を減少させる。その結果、改質器1aの内部で生成されるガス(水蒸気を含む)の量が減少し、改質器1aの圧力も低下する。また、燃料電池FCの温度(即ち、アノード2a及びカソード2bの温度)も徐々に低下する。
上記停止移行工程の後に後述する停止状態維持工程を実施する。但し、図2に示すように、停止移行工程が終了した時点では未だ改質器1aの内部の改質触媒の温度は低下しておらず、改質反応による水素の生成或いは水蒸気の発生などによる改質器1aの圧力の増加が見られる。よって、改質触媒の温度が高い状態で弁V3を開放していると、アノード2aにそれらのガス或いは水蒸気が供給されてアノード2aの圧力が増大し、空気の供給が停止されたカソード2bとの圧力差が大きくなってしまい、電解質2cが破損する可能性がある。そこで、改質触媒の温度が設定温度(図2に示す例では650℃)以下になるまで、弁V1を閉止し且つ弁V3を閉止する燃料ガス生成装置隔離処理を実施する。
以下に、保圧処理及び保圧対象範囲分離処理について説明する。
本実施形態において、制御手段Cは、図2に示すように、改質器1a(「燃料ガス生成装置1の内部のアノード2aへ通じるガス流通系統の所定部位」の一例)の圧力が、燃料ガス生成装置1の温度低下による圧力低下と弁V1を開放して原料ガスを流入させることによる圧力上昇とを繰り返す。即ち、圧力センサP1で検出されるその改質器1aの圧力が低下傾向にあるとき、設定保圧圧力(図2に示す例では4kPa)を下回ると、上記設定保圧タイミングになったと判定する。そして、弁V1を設定時間だけ開放し、その間に原料ガスを燃料ガス生成装置1へ流入させる。つまり、保圧処理は、適当な設定保圧タイミングで繰り返し実施される。保圧処理により、保圧対象範囲の圧力が原料ガス及び残留している改質ガス(水素)で保たれる。その結果、改質器1a及びアノード2aへの外部からの空気の侵入を抑制できる。加えて、アノード2aへのカソード2bからの酸素の侵入があったとしても、侵入した酸素がアノード2aに供給した水素(残留している改質ガス)と反応して消費されて酸素濃度が低くなるため、その酸素によってアノード2aが酸化されることを抑制できる。
加えて、制御手段Cは、停止状態維持工程を実施している間に保圧対象範囲からのガス漏れを検出すると、弁V1(本発明の「第1閉止対象部位」の一例)と、ガス流通系統の途中の燃料ガス生成装置1及びアノード2aの間の弁V3(本発明の「第3閉止対象部位」の一例)とを閉止して燃料ガス生成装置1とアノード2aとの間のガスの流通を遮断することで上記保圧対象範囲を分離する保圧対象範囲分離処理を行う。つまり、当初は、弁V1から弁V2の間で構成されていた保圧対象範囲を、弁V1と弁V3との間で構成される保圧対象範囲と、弁V3と弁V2との間で構成される保圧対象範囲とに分離する。そして、制御手段Cは、保圧対象範囲分離処理を行った後、弁V1と弁V3との間で構成される保圧対象範囲に対して上記保圧処理を継続して実施する。本実施形態では、圧力センサP1が弁V1と弁V3との間に設けられているので、上記保圧対象範囲分離処理が行われた後に弁V1と弁V3との間を保圧対象範囲とした場合にも、その弁V1と弁V3との間の保圧対象範囲の圧力を圧力センサP1で検出して上記保圧処理を実行できる。
加えて、当初は、弁V1から弁V2の間で構成されていた保圧対象範囲を、弁V1と弁V3との間で構成される保圧対象範囲と、弁V3と弁V2との間で構成される保圧対象範囲とに分離することで、ガス漏れが、アノード2a等を含む弁V3と弁V2との間の範囲、或いは、改質器1a等を含む弁V1と弁V3との間の範囲の何れで発生していたとしても、ガス漏れの発生していない方の範囲へ、酸素が侵入する等のガス漏れの影響が及ばないようにできる。更に、ガス漏れが検出された後も弁V1と弁V3と弁V2とを閉止し続けることで、即ち、ガス漏れが発生している箇所を封止し続けることで、ガス漏れが緩やかに進行するようにできる
従って、ガス漏れなどが発生しても、燃料電池システムS1内の少なくとも一部分の性能を維持できる。
以上のように、制御手段Cが、上記保圧処理の実施頻度、又は、保圧処理において保圧対象範囲にガスを供給したときに保圧対象範囲の内部の圧力の上昇に要する時間、又は、保圧対象範囲の内部の圧力の低下速度を監視することで、保圧対象範囲からのガス漏れの可能性を迅速に検出できる。特に、本実施形態では、保圧対象範囲の圧力を検出するための圧力センサP1が弁V1と弁V3との間(第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間)に設けられているので、上記保圧対象範囲分離処理が行われた後には、弁V1と弁V3との間の保圧対象範囲の圧力を選択的に検出できる。つまり、保圧対象範囲分離処理が行われた後には、弁V1と弁V3との間の保圧対象範囲からのガス漏れを選択的に検出できる。
そして、制御手段Cは、保圧対象範囲分離処理を行った後、保圧対象範囲の内の第1閉止対象部位と第3閉止対象部位との間の範囲からのガス漏れを検出すると保圧処理を中止する。
図3の工程#10において制御手段は、弁V3が閉止されているか否かを判定する。つまり、制御手段は、保圧対象範囲分離処理が既に実施されているか否かを判定する。未だ弁V3が閉止されていない場合(図3の工程#10において「No」の場合)は、弁V1から弁V2の間の範囲を保圧対象範囲として保圧処理が行われている状況である。これに対して、既に弁V3が閉止されている場合(図3の工程#10において「Yes」の場合)は、弁V1と弁V3との間で構成される保圧対象範囲と、弁V3と弁V2との間で構成される保圧対象範囲とに分離され、弁V1と弁V3との間で構成される保圧対象範囲のみに保圧処理が実施されている(弁V3と弁V2との間の範囲は単なる封止処理が実施されている)状況である。
これに対して、制御手段は、工程#12においてガス漏れが発生していないと判定した場合、弁V1から弁V2の間を保圧対象範囲として保圧処理を継続する。
これに対して、制御手段は、工程#16においてガス漏れが発生していないと判定した合、弁V1と弁V3との間で構成される保圧対象範囲の保圧処理を継続する。
第2実施形態の燃料電池システムの停止状態維持方法は、第1実施形態とガス漏れの検出方法が異なる。以下に第2実施形態の燃料電池システムの停止状態維持方法について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
<1>
上記実施形態において、保圧処理を行う設定保圧タイミングとして、改質器1aの圧力が低下傾向にあるときの設定保圧圧力になったタイミングを例示したが、他のタイミングを上記設定保圧タイミングとすることもできる。例えば、制御手段Cが、燃料ガス生成装置隔離処理を終了した後の経過時間を計測し、その経過時間が設定時間となる度に(例えば、燃料ガス生成装置隔離処理を終了した後の経過時間が、10分、30分、60分、120分・・・となる度に)上記設定保圧タイミングとなったと判定するように改変してもよい。
上記実施形態において、アノード2aの圧力及び温度を検出する必要がなければ、アノード2aの圧力を検出する圧力センサP2、及び、アノード2aの温度を検出する温度センサT2を設けなくてもよい。
或いは、上記第1実施形態では、制御手段Cが、ガス流通系統の内部(改質器1a)の圧力を検出する圧力センサP1を用いて、保圧対象範囲の内部の圧力が設定保圧圧力を下回ったか否かを判定する例を記載したが、ガス流通系統の内部としてのアノード2aの圧力を検出する圧力センサP2を用いて、保圧対象範囲の内部の圧力が設定保圧圧力を下回ったか否かを判定するように改変してもよい。
上記実施形態では、カソード2bへのガス供給路5に弁V4を設けたが、この弁V4を設けなくてもよい。
上記実施形態では、弁V1と弁V2との間を保圧対象範囲としている間にガス漏れを検出すると、弁V1、V2、V3の全てを閉止するような保圧対象範囲分離処理を行う例を示したが、他の形態の保圧対象範囲分離処理、例えば、弁V1及び弁V3を閉止し及び弁V2を開放するような保圧対象範囲分離処理を行ってもよい。つまり、弁V1と弁V3との間のみを保圧対象範囲とするような保圧対象範囲分離処理を行ってもよい。例えば、燃料電池FCからのガス漏れがあった場合には、燃料電池FCを新品に入れ換えるメンテナンスを行う必要があるようなシステムがある。そのような場合、ガス漏れが発生し、交換されるのを待っている燃料電池FCには空気が侵入しても構わないため、弁V2を閉止しておく必要はない。その結果、弁V2を閉止しておくための電力は不要となる。
1a 改質器
2 燃料電池セル
2a アノード
2b カソード
3 ガス供給路(ガス流通系統)
7 ガス排出路
10 ガスセンサ(ガス検出センサ)
C 制御手段
FC 燃料電池
P1 圧力センサ(圧力計)
S(S1、S2) 燃料電池システム
V1 弁(第1閉止対象部位)
V2 弁(第2閉止対象部位)
V3 弁(第3閉止対象部位)
Claims (7)
- 水素を含む燃料ガスが供給されるアノードと酸化剤ガスが供給されるカソードとの間に電解質を設けて構成される燃料電池を備え、前記アノードへのガス供給路に、前記アノードへ供給される前記燃料ガスを改質器を用いて生成する燃料ガス生成装置が接続されている燃料電池システムの停止状態維持方法であって、
前記燃料電池からの電力の出力を停止する停止状態に前記燃料電池の運転を移行させる停止移行工程と、
前記停止移行工程の後に、前記燃料電池の運転を前記停止状態に維持し、且つ、前記燃料ガス生成装置から前記アノードへ通じるガス流通系統の前記改質器よりも上流側の第1閉止対象部位を閉止し、且つ、前記アノードからのガス排出路の途中の第2閉止対象部位を閉止し、且つ、前記燃料ガス生成装置と前記アノードとの間のガスの流通を許容した状態で、前記燃料電池を保管する停止状態維持工程とを有し、
前記停止状態維持工程を実施している間の設定保圧タイミングで、前記第1閉止対象部位と前記第2閉止対象部位との間を保圧対象範囲として当該保圧対象範囲の保圧処理を行うと共に、前記停止状態維持工程を実施している間に前記保圧対象範囲からのガス漏れを検出すると、前記第1閉止対象部位と、前記ガス流通系統の途中の前記燃料ガス生成装置及び前記アノードの間の第3閉止対象部位とを閉止して前記燃料ガス生成装置と前記アノードとの間のガスの流通を遮断することで前記保圧対象範囲を分離する保圧対象範囲分離処理を行い、
前記保圧対象範囲分離処理を行った後、前記保圧対象範囲の内の前記第1閉止対象部位と前記第3閉止対象部位との間の範囲からのガス漏れを検出すると前記保圧処理を中止する燃料電池システムの停止状態維持方法。 - 前記保圧対象範囲分離処理において前記第2閉止対象部位を閉止する請求項1記載の燃料電池システムの停止状態維持方法。
- 前記保圧処理は、前記第1閉止対象部位を開放して、前記第1閉止対象部位の上流側から前記保圧対象範囲にガスを供給することで前記保圧対象範囲の内部の圧力を上昇させる処理である請求項1又は2記載の燃料電池システムの停止状態維持方法。
- 前記保圧対象範囲分離処理を行ってから設定判定時間経過した後で前記第1閉止対象部位と前記第3閉止対象部位との間からのガス漏れを検出した場合には、前記保圧対象範囲分離処理の前に検出したガス漏れは前記第1閉止対象部位と前記第3閉止対象部位との間からのガス漏れであったと判定し、及び、ガス漏れを検出しない場合には、前記保圧対象範囲分離処理の前に検出したガス漏れは前記第3閉止対象部位と前記第2閉止対象部位との間からのガス漏れであったと判定する請求項1〜3の何れか一項に記載の燃料電池システムの停止状態維持方法。
- 前記燃料電池システムには前記ガス流通系統の内部の圧力を検出可能な圧力計が前記第1閉止対象部位と前記第3閉止対象部位との間に設けられ、
前記設定保圧タイミングは、前記圧力計によって検出される前記保圧対象範囲の内部の圧力が設定保圧圧力を下回ったタイミングである請求項1〜4の何れか一項に記載の燃料電池システムの停止状態維持方法。 - 前記保圧処理の実施頻度が高いとき、又は、前記保圧処理において前記保圧対象範囲にガスを供給したときに前記保圧対象範囲の内部の圧力の上昇に要する時間が設定所要時間以上であるとき、又は、前記保圧対象範囲の内部の圧力の低下速度が設定低下速度以上のとき、ガス漏れが発生したと判定する請求項5記載の燃料電池システムの停止状態維持方法。
- 監視対象ガスを検出可能なガス検出センサが、設定濃度以上の監視対象ガスを検出したとき、ガス漏れが発生したと判定する請求項1〜5の何れか一項に記載の燃料電池システムの停止状態維持方法。
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