JP2013181439A - コンバインド発電システム、及びコンバインド発電システムの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電力系統に異常が発生し、要求される負荷が急激に変化しても正常な運転制御を可能とする、ことを目的とする。
【解決手段】コンバインド発電システム1は、燃焼器9、ガスタービン11、及び外部電力系統51に電力を供給する発電機13を有するガスタービンシステム3と、燃料ガス及び空気が供給されて発電するSOFC本体15、及びSOFC本体15で発電した電力を外部電力系統51に供給するインバータ53を有するSOFCシステム5を備える。さらに、コンバインド発電システム11は、外部電力系統51、発電機13、及びインバータ53に接続された二次電池52と、外部電力系統51の異常を検知する系統異常検知部58と、系統異常検知部58が系統異常を検知した場合に、発電機13及びインバータ53の電力の供給先を、外部電力系統51から二次電池52へ切り替える切替部50A,50Bとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池及びガスタービンを有するコンバインド発電システム及びコンバインド発電システムの運転方法に関するものである。
例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC)に代表される燃料電池は、高効率な燃料電池として知られている。
このような燃料電池は、700℃から1000℃の作動温度で高いイオン伝導率により運転されるので、ガスタービンシステムの圧縮機から吐出される高温の圧縮空気を空気極側に供給する空気(酸化剤)として使用し、燃料電池において未利用の燃料成分を含む高温の排燃料をガスタービンの燃焼器の燃料として使用する複合型発電システムを実現することができる。
一方で、SOFCは発電素子を高温状態にして発電動作させる必要があることから起動及び停止に時間を要するので、運転と停止において温度を制御する必要がある。さらに、ガスタービンシステムによる発電の過程で発生した熱をSOFCの発電部の温度保持に用いる場合は、電力の供給先となる外部電力系統が要求する負荷変化に追従した運転となるため、ガスタービンに係る負荷に応じてSOFCに温度変化が生じる。このため、SOFCの適正な運転状態を維持するためには、負荷変化を緩やかにする必要がある。特に、外部電力系統に異常が発生し、外部電力系統に送電できなくなった場合に、電源、制御器、及びブロワ等の補機を保護するために停止制御する必要がある。
ここで、特許文献1には、SOFCと、SOFCと電気的に接続され発電電力を貯蔵するNa電池とを備えた複合型発電システムであって、SOFCからの高温の排ガスをNa電池の加熱部に送るための第1排ガス流路と、この排ガスを蒸気タービン発電機に送る第2排ガス流路とを備え、排ガスでNa電池を加熱するとともに、蒸気タービン発電機も作動させるようにして、排熱を有効利用して総合効率を高めるようにした発電システムが記載されている。このように、特許文献1に記載の発電システムは、SOFCの発電電力がNa電池に送られて充電され、電力負荷率に係らず一定負荷で運転できる。
特開2001−229961号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発電システムでは、SOFCにおける発電電力のみをNa電池に充電させ、SOFCの排熱をNa電池で利用することで総合効率を高めているため、外部電力系統の負荷に急激な変化が生じた場合に、発電量を最適に制御することが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、外部電力系統に異常が発生し、要求される負荷が急激に変化しても正常な運転制御を可能とする、コンバインド発電システム、及びコンバインド発電システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のコンバインド発電システム、及びコンバインド発電システムの運転方法は以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係るコンバインド発電システムは、燃焼器、ガスタービン、及び前記ガスタービンによる電力を外部電力系統に供給する第1負荷装置を有するガスタービンシステムと、燃料電池、及び該燃料電池で発電する電力を前記外部電力系統に供給する第2負荷装置を有する燃料電池システムと、前記外部電力系統、前記第1負荷装置、及び前記第2負荷装置に接続された二次電池と、前記外部電力系統の異常を検知する異常検知手段と、前記異常検知手段が前記外部電力系統の異常を検知した場合に、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先を前記外部電力系統から前記二次電池へ切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする。
本構成によれば、コンバインド発電システムは、圧縮された空気によって燃料を燃焼する燃焼器、燃焼器から排出された燃焼ガスによって回転駆動するガスタービン、及びガスタービンの回転力を得て発電して外部電力系統に供給する第1負荷装置を有するガスタービンシステムと、燃料ガス及び空気が供給されて発電する燃料電池、及び燃料電池で発電した電力を外部電力系統に供給する第2負荷装置を有する燃料電池システムと、電力を充放電可能とされ、外部電力系統、第1負荷装置、及び第2負荷装置に接続された二次電池と、を備える。
ここで、外部電力系統に異常が発生した場合、ガスタービンシステム及び燃料電池システムに要求される負荷が急激に減少する場合がある。このような場合、ガスタービンシステム及び燃料電池システムの発電電力の供給先がなくなり、ガスタービンシステム及び燃料電池システムのトリップを招くこととなる。また、燃料電池は、非常に高温で運転するため、燃料電池を停止させる場合、徐々に負荷を減少させて温度を低下させる制御を行う必要がある。しかし、急激な負荷の減少が生じると、正常な停止制御を行えない。
そこで、本構成は、外部電力系統に異常が発生し、異常検知手段が外部電力系統の異常を検知した場合、ガスタービンシステムが有する第1負荷装置、及び燃料電池システムが有する第2負荷装置からの電力の供給先を、切替手段によって外部電力系統から二次電池へ切り替える。これにより、外部電力系統に異常が発生した場合であっても、ガスタービンシステム及び燃料電池システムの発電電力の供給先が確保され、第1負荷装置及び第2負荷装置の運転状態を維持することとなる。
従って、本構成は、二次電池へ供給している間に、ガスタービンシステム及び燃料電池システムを正常に運転し続けることや、徐々に負荷を減少させることによって、ガスタービンシステム及び燃料電池システムを正常に停止させることができる。特に燃料電池は、負荷を徐々に下げながら停止させることができるので、冷却用不活性ガスの使用量を低減することができる。
このように、本構成は、外部電力系統に異常が発生し、要求される負荷が急激に変化しても正常な運転制御が可能である。
上記第一態様では、前記切替手段が、前記外部電力系統の異常が検知されてから所定時間の間に前記外部電力系統の異常が解消したことが検知された場合、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先を、前記二次電池から前記外部電力系統へ切り替えることが好ましい。
本構成によれば、外部電力系統の異常が発生してから所定時間の間に該異常が解消したことが検知された場合、電力の供給先が二次電池から外部電力系統へ切り替えられるので、外部電力系統の異常が早期に解消した場合、外部電力系統への電力供給を遅滞なく実施することが可能となる。
上記第一態様では、前記ガスタービンシステム及び前記燃料電池システムは、前記所定時間が経過しても前記外部電力系統の異常が解消したことが検知されない場合、それぞれの運転を停止するために負荷減少制御が行われるが好ましい。
本構成によれば、外部電力系統の異常が発生してから所定時間が経過しても該異常が解消したことが検知されない場合、ガスタービンシステム及び燃料電池システムを運転し続ける必要はないと考えられるので、二次電池へ電力を供給したままで、負荷を減少させて停止させる。これにより、本構成は、外部電力系統の異常が発生しても、ガスタービンシステム及び燃料電池システムを正常に停止させることができる。
上記第一態様では、二次電池が、前記所定時間の間に前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置から供給される電力を充電し、かつ前記負荷減少制御が行われている間に前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置から供給される電力を充電することが好ましい。
本構成によれば、外部電力系統の異常が発生しても、ガスタービンシステム及び燃料電池システムが停止するまでの発電電力を二次電池が充電するので、ガスタービンシステム及び燃料電池システムを所定時間の間正常に運転することができ、かつその後正常に停止させることができる。
上記第一態様では、前記二次電池が、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先が前記二次電池へ切り替えられた後、前記ガスタービンシステムを制御するための電源、前記燃料電池システムを制御するための電源、及び補機を制御するための電源へ電力を供給することが好ましい。
本構成によれば、外部電力系統に異常が発生しても、ガスタービンシステム及び燃料電池システムの継続した運転制御が可能である。
本発明の第二態様に係るコンバインド発電システムの運転方法は、燃焼器、ガスタービン、及び該ガスタービンによる電力を外部電力系統に供給する第1負荷装置を有するガスタービンシステムと、燃料電池、及び該燃料電池で発電する電力を前記外部電力系統に供給する第2負荷装置を有する燃料電池システムと、前記外部電力系統、前記第1負荷装置、及び前記第2負荷装置に接続された二次電池と、前記外部電力系統の異常を検知する異常検知手段と、を備えるコンバインド発電システムの運転方法であって、前記異常検知手段によって前記外部電力系統に異常が発生したか否かを判定する第1工程と、前記外部電力系統に異常が発生したと判定した場合に、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先を、前記外部電力系統から前記二次電池へ切り替える第2工程と、を含む。
本発明によれば、外部電力系統に異常が発生し、要求される負荷が急激に変化しても正常な運転制御を可能とする、という優れた効果を有する。
本発明の第1実施形態に係るコンバインド発電システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係るコンバインド発電システムにおける系統異常発生処理の流れを示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る外部電力系統に異常が発生した場合における、ガスタービンシステム及びSOFCシステムが出力する負荷の変化、二次電池の充電状態を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る二次電池の配置位置を示す図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には、本第1実施形態に係るコンバインド発電システム1が示されている。コンバインド発電システム1は、ガスタービンシステム3、及び燃料電池である固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」という。)を有するSOFCシステム5を備えている。なお、以下の説明において、ガスタービンシステム3をMGT(Micro Gas Turbine)とも称呼する。
ガスタービンシステム3は、空気を圧縮する圧縮機7と、圧縮機7によって圧縮された空気によって燃料を燃焼する燃焼器9と、燃焼器9から排出された燃焼ガスによって回転駆動されるガスタービン11と、ガスタービン11の回転力を得て発電する発電機13とを備えている。
燃焼器9には、燃料ガス排出流路L2を介して、SOFC本体15から排出される燃料ガスも導かれる。さらに、燃焼器9には、空気排出流路L5を介して、SOFC本体15から排出される空気が導かれる。
圧縮機7及びガスタービン11の下流側には、再生熱交換器17が設けられている。この再生熱交換器17によってガスタービン11から排出される排ガスから排熱を回収することで、圧縮機7から吐出される圧縮空気が加熱される。
再生熱交換器17によって加熱された圧縮空気は、空気供給流路L4を通り、SOFC本体15の空気極へと導かれる。
SOFCシステム5は、圧力容器14と圧力容器14の内部に収容されているSOFC本体15とから構成されるSOFC16、SOFC本体15の燃料極側に接続された燃料系統20、SOFC本体15の空気極側に接続された空気系統21、及び後述するインバータ53を有する。
SOFC本体15は、特に限定されるものではないが、例えば複数の円筒形とされたセラミック製の燃料電池セル管(以下、単に「セル管」という。)を備えている。セル管は、基体管の外表面に複数のセルが軸線方向に並べられて形成された構成とされている。セルは、燃料極膜、電解質膜及び空気極膜から構成される。そして、各セル間には、インターコネクタが設けられている。
セルは、水素又は一酸化炭素を含む燃料ガスを燃料極膜(アノード電極)に供給し、かつ酸素を含む酸化剤ガスを空気極膜(カソード電極)に供給することにより、水又は二酸化炭素の合成反応を生じさせることによって電解質膜の両端で起電力を発生するものである。
燃料極膜は、例えば、ニッケル/イットリア安定化ジルコニアで形成されている。電解質膜は、例えば、イットリア安定化ジルコニアで形成されている。空気極膜は、例えば、ランタンマンガネートで形成されている。インターコネクタ膜は、隣り合うセル同士を電気的に接続し、例えば、ランタンクロマイトで形成されている。
燃料系統20は、燃料電池用燃料ガス源22からSOFC本体15の燃料極側へメタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路L1と、SOFC本体15の燃料極側から排出された燃料ガスを燃焼器9へと導く燃料ガス排出流路L2とを備えている。また、燃料系統20は、燃料ガス排出流路L2の中途位置から分岐して、燃料ガス供給流路L1へと合流する燃料ガス再循環流路L3を備えている。なお、本第1実施形態では省略しているが、燃料ガス供給流路L1を流れる燃料と燃料ガス排出流路L2を流れる燃料とを熱交換させる熱交換器を設けてもよい。
燃料ガス供給流路L1には、SOFC本体15へ供給する燃料ガスの流量を調整する供給燃料ガス流量調整弁26が設けられている。なお、燃料ガスは、図示しない所定の昇圧手段によって、SOFC本体15の通常運転時に必要とされる圧力以上に昇圧されている。
燃料ガス排出流路L2には、燃焼器9へ供給する排出燃料ガスの流量を調整する排出燃料ガス流量調整弁32が設けられている。
燃料ガス再循環流路L3には、燃料ガス排出流路L2から分岐した燃料ガスを燃料ガス供給流路L1へ押し込むための燃料ガス再循環ブロワ34が設けられている。燃料ガス再循環流路L3により、未利用の燃料を再循環させることで燃料利用率を向上させると共に、SOFC本体15の発電反応で得られた水蒸気を燃料系統L1に投入することで、改質反応に必要な水蒸気を確保することができる。なお、再循環ブロワ34の位置は、燃料ガス排出流路L2において、燃料ガス再循環流路L3の分岐部上流側としてもよい。
空気系統21は、圧縮機7から圧縮空気をSOFC本体15へと導く空気供給流路L4と、SOFC本体15の空気極側から排出された空気を燃焼器9へと導く空気排出流路L5とを備えている。
空気供給流路L4には、熱交換器17からSOFC本体15へ供給する圧縮空気の流量を調整する供給圧縮空気流量調整弁46が設けられている。
空気排出流路L5には、SOFC本体15から燃焼器9へ排出する空気を遮断する遮断弁48が設けられている。なお、本第1実施形態では省略しているが、空気排出流路L5を流れる空気と空気供給流路L4を流れる空気とを熱交換させる熱交換器、及び空気供給流路L4を流れる空気を昇温するための機器(燃焼器等)を設けてもよい。また、熱交喚器19は省略されてもよい。さらに、熱交喚起19とは別にガスタービン11から排出される排ガスから排熱を回収する別の機器(例えば温水加熱器等)が設けられてもよい。
次に、コンバインド発電システム1の電気的構成について説明する。なお、コンバインド発電システム1は、例えば、工場におけるユーティリティーとして適用される発電設備であって、効率的な運転のためにベースロードとして用いられる発電設備である。
負荷装置である発電機13は、切替部50Aを介して外部電力系統51及び電力を充放電可能な二次電池52へ電力を供給(送電)可能とされている。SOFC16は、負荷装置であるインバータ53及び切替部50Bを介して外部電力系統51及び二次電池52へ電力を供給可能とされている。
切替部50Aは、発電機13の電力の供給先を、外部電力系統51及び二次電池52の何れか一方に切り替える。
切替部50Bは、インバータ53の電力の供給先を、外部電力系統51及び二次電池52の何れか一方に切り替える。
二次電池52は、充電した電力を放電し、外部電力系統51へ電力を供給可能とされている。また、二次電池52は、ガスタービンシステム3を制御するための電源であるMGT制御電源54、SOFCシステム5を制御するための電源であるSOFC制御電源55、及びコンバインド発電システム1の補機を制御するための補機制御電源56、その他負荷装置、並びに切替部50A,50B、後述する制御装置57及び系統異常検知部58へ電力を供給可能とされている。なお、二次電池52からMGT制御電源54、SOFC制御電源55、補機制御電源56、及び制御装置57等への電力の供給はインバータを介して行われる。
コンバインド発電システム1は、制御装置57及び系統異常検知部58を備える。
制御装置57は、コンバインド発電システム1の全体の制御を司り、ガスタービンシステム3、SOFCシステム5、及び各種流量弁等を制御する。なお、制御装置57は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種制御に係る機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種制御が実現される。
系統異常検知部58は、外部電力系統51の異常(以下、「系統異常」という。)の発生を検知する。系統異常とは、例えば外部電力系統51が工場等の限られた送電網であったとすると、その外部電力系統51の送電線の切断や消費電力量の急激な減少等、特に外部電力系統51がコンバインド発電システム1に要求する負荷が急激に減少した場合である。なお、系統異常の発生の有無は、例えば、所定時間間隔内において減少した負荷の大きさが、予め定められた負荷の大きさを超えた場合とする。
また、系統異常検知部58は、系統異常の解消の有無も検知する。例えば、外部電力系統51から要求される負荷が、系統異常が発生する前の大きさとなった場合に、系統異常検知部58は、系統異常が解消したことを検知する。
系統異常検知部58は、一例として、系統異常を検知した場合に異常検知信号を制御装置57へ出力し、系統異常の解消を検知した場合に解消検知信号を制御装置57へ出力する。
制御装置57は、系統異常検知部58が系統異常の発生又は解消の検知に応じて、切替部50A,50Bに発電機13及びインバータ53の電力の供給先を外部電力系統51及び二次電池52の何れか一方に切り替えさせる。
次に、本第1実施形態に係るコンバインド発電システム1の作用を、図2,3を参照して説明する。
図2は、系統異常が発生した場合に制御装置57で実行される系統異常発生処理の流れを示したフローチャートである。系統異常発生処理は、コンバインド発電システム1の運転が開始されると共に開始する。
図3は、外部電力系統51に異常が発生した場合における、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5が出力する負荷の変化、二次電池52の充電状態を示した図である。
なお、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5は、一例として、系統異常は発生するまでは定格出力で運転されているものとする。
系統異常発生処理において、ステップ100では、系統異常検知部58からの異常検知信号の入力の有無によって系統異常検知部58が系統異常を検知したか否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ102へ移行し、否定判定の場合は、待ち状態となる。
ステップ102では、発電機13及びインバータ53の電力の供給先を外部電力系統51から二次電池52へ切り替える切替信号を、切替部50A,50Bに出力する。
切替部50Aは、切替信号が入力されると、発電機13の電力の供給先を外部電力系統51から二次電池52へ切り替える。切替部50Bは、切替信号が入力されると、インバータ53の電力の供給先を外部電力系統51から二次電池52へ切り替える。
系統異常が発生した場合、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5に要求される負荷が急激に減少する。このような場合、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5の発電電力の供給先がなくなり、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5のトリップを招くこととなる。また、SOFC16は、非常に高温(例えば700℃から1000℃)で運転されるため、SOFC16を停止させる場合、徐々に負荷を減少させて温度を低下させる制御を行う必要がある。しかし、急激な負荷の減少が生じると、正常な停止制御を行えない。
そこで、本第1実施形態に係るコンバインド発電システム1は、系統異常が発生した場合、切替部50A,50Bによって、ガスタービンシステム3が有する発電機13、及びSOFCシステム5が有するインバータ53の電力の供給先を、外部電力系統51から二次電池52へ切り替える。これにより、系統異常が発生した場合であっても、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5の発電電力の供給先が確保されることとなる。
また、系統異常が発生するまでは、MGT制御電源54、SOFC制御電源55、及び補機制御電源56、並びに切替部50A,50B、制御装置57、及び系統異常検知部58等の補機は、外部電力系統51から電力の供給を受けているが、系統異常に伴い、これらは、二次電池52から電力が供給されることとなる。従って、系統異常が発生しても、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5の継続した運転制御が可能とされる。
次のステップ104では、電力の供給先の切り替え後、予め定められた所定時間(以下、「解消待ち時間」)が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ106へ移行し、否定判定の場合は、ステップ110へ移行する。なお、解消待ち時間とは、瞬間的な系統異常や解消が簡易な系統異常が発生した場合に、系統異常の解消までに要すると予測される時間であり、例えば30分である。すなわち、系統異常の発生から解消待ち時間の経過までの間、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5は、定格出力で運転され続ける。
ステップ106では、解消待ち時間が経過しても系統異常が解消しないので、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5を安全に停止させるために、負荷を減少させる負荷減少制御を行う。
図3に示されるように、本第1実施形態に係る制御装置57は、一例として、系統異常発生してから解消待ち時間である30分が経過した後に、1時間かけて徐々にガスタービンシステム3及びSOFCシステム5の負荷を下げる。なお、図3に示される減少させる負荷の大きさ、負荷を減少させ続ける時間は一例である。
次のステップ108では、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5を停止させ、本処理を終了する。
系統異常が発生してから解消待ち時間が経過しても系統異常が解消しない場合、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5を運転し続ける必要はないと考えられる。そこで、制御装置57は、ステップ106及びステップ108の処理によって、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5による発電電力を二次電池52へ供給させたままで、負荷を徐々に減少させて停止させる。
このように、系統異常が発生しても、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5の電力の供給先が確保されているので、系統異常が発生せずに外部電力系統51へ電力を供給している場合と同じように、制御装置57は、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5を停止させるための制御が可能である。従って、系統異常が発生しても、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5は、トリップをすることなく正常に停止できる。
また、SOFC16は、二次電池52へ充電を行いながら徐々に負荷が減少されるので、SOFC本体15の温度も徐々に低下することとなる。このため、従来のように、冷却用の大容量の窒素等の不活性ガスを用いてSOFC本体15の温度を低下させる必要が無い。すなわち、本第1実施形態に係るコンバインド発電システム1は、SOFCシステム5に冷却用のガスの供給機構を備える必要が無いため、SOFCシステム5を簡易な構成にすることができる。このため、負荷減少制御を継続する時間は、SOFC本体15の温度がSOFCシステム5を停止できる温度にまで低下できる時間以上とすることが好ましい。
なお、負荷減少制御を行っている間に系統異常が解消した場合、制御装置57は、負荷減少制御を停止し、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5を定格出力で運転させるために負荷を増加させてもよい。
一方、ステップ110では、解消待ち時間が経過する前に、系統異常検知部58からの解消検知信号の入力の有無によって系統異常検知部58が系統異常の解消を検知したか否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ112へ移行する。一方、否定判定の場合は、ステップ104へ戻り、解消待ち時間が経過するまでステップ104とステップ110とを繰り返す。
ステップ112では、発電機13及びインバータ53の電力の供給先を二次電池52から外部電力系統51へ切り替えさる切替信号を、切替部50A,50Bに出力し、ステップ100へ戻る。
切替部50Aは、切替信号が入力されると、発電機13の電力の供給先を二次電池52から外部電力系統51へ切り替える。切替部50Bは、切替信号が入力されると、インバータ53の電力の供給先を二次電池52から外部電力系統51へ切り替える。
これにより、コンバインド発電システム1は、系統異常が発生しても系統異常が早期に解消した場合、外部電力系統51へ電力供給を遅滞なく実施することが可能となる。
また、MGT制御電源54、SOFC制御電源55、及び補機制御電源56、並びに切替部50A,50B、制御装置57、及び系統異常検知部58は、二次電池52から電力が供給されているが、系統異常の解消に伴い、これらは、外部電力系統51から電力が供給されることとなる。
ここで、二次電池52の充電容量について説明する。
二次電池52は、解消待ち時間の間に発電機13及びインバータ53から供給される電力を充電でき、かつ負荷減少制御が行われている間に発電機13及びインバータ53から供給される電力を充電できる充電容量を有する。
図3を参照して、系統異常発生処理が行われている間における二次電池52の充電容量の残り(以下、「充電残容量」という。)について説明する。
本第1実施形態に係るコンバインド発電システム1では、系統異常が発生するまでは二次電池52の充電残容量を100%としておく。すなわち、二次電池52には充電がされていない。
そして、発電機13及びインバータ53からの電力の供給が行われると、充電が開始され、二次電池52の充電残容量は時間と共に低下していく。なお、このとき二次電池52に充電される電力量は、発電機13及びインバータ53から供給される電力量と、MGT制御電源54、SOFC制御電源55、及び補機制御電源56、並びに切替部50A,50B、制御装置57、及び系統異常検知部58に供給される電力量の差となる。
さらに、二次電池52は、解消待ち時間である30分が経過した時点で、その後、負荷減少制御が行われる間に供給される電力(図3の差分Aに相当する電力)を充電できる充電残容量を有していなければならない。
ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5が停止された後、MGT制御電源54、SOFC制御電源55、補機制御電源56、及び制御装置57等への電力の供給が継続される場合は、二次電池52の充電残容量は増加することとなる。
なお、二次電池52が十分な充電容量を有する場合は、系統異常が発生する前であっても、充電残容量が100%ではなく、充電がされている状態であってもよい。
また、系統異常が発生した場合、SOFCシステム5から、MGT制御電源54、SOFC制御電源55、補機制御電源56、及び制御装置57等へ電力を供給することも考えられる。しかしながら、系統異常が発生するとSOFCシステム5は、解消待ち時間の経過後、停止のために負荷が下げられるため、これらへ安定した電力の供給ができない可能性がある。このため、より安定した電力を供給可能な二次電池52が、MGT制御電源54、SOFC制御電源55、補機制御電源56、及び制御装置57等へ供給することが好ましい。
以上説明したように、本第1実施形態に係るコンバインド発電システム1は、圧縮された空気によって燃料を燃焼する燃焼器9、燃焼器9から排出された燃焼ガスによって回転駆動するガスタービン11、及びガスタービン11の回転力を得て発電して外部電力系統51に供給する発電機13を有するガスタービンシステム3と、燃料ガス及び空気が供給されて発電するSOFC本体15、及びSOFC本体15で発電した電力を外部電力系統51に供給するインバータ53を有するSOFCシステム5を備える。さらに、コンバインド発電システム11は、電力を充放電可能とされ、外部電力系統51、発電機13、及びインバータ53に接続された二次電池52と、外部電力系統の異常を検知する系統異常検知部58と、系統異常検知部58が外部電力系統51の異常を検知した場合に、発電機13及びインバータ53の電力の供給先を、外部電力系統51から二次電池52へ切り替える切替部50A,50Bとを備える。
従って、本第1実施形態に係るコンバインド発電システム1は、系統異常が発生し、要求される負荷が急激に変化しても正常な運転制御が可能である。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、本第2実施形態に係る二次電池52の配置位置を示す図である。なお、図4における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第2実施形態に係る二次電池52’は、SOFC16の圧力容器14の内部に収容され、SOFC16の運転温度よりも低い温度で運転する二次電池である。例えば、二次電池52’は、運転温度が400℃程度のナトリウム硫黄電池とされる。
本第2実施形態に係るコンバインド発電システム1は、二次電池52がSOFC16の圧力容器14の内部に収容されるので、システムの構成をより小型化できる。また、SOFC16で発生する熱の一部を、二次電池52’を作動させるに必要な温度を維持するための熱源とすることで、熱の有効利用ができる。
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記各実施形態では、系統異常が発生した場合、二次電池52がMGT制御電源54、SOFC制御電源55、補機制御電源56、及び制御装置57等へ電力を供給する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、これらは無停電電源(UPS)から電力が供給される形態としてもよい。また、系統異常が発生した場合、二次電池52は、コンバインド発電システム1が備えている装置以外の他の負荷装置(例えば電力により水素を生成する水素発生装置等)へ電力を供給してもよい。
また、上記各実施形態では、系統異常が発生した場合、解消待ち時間が経過した後に、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5を停止させる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、系統異常が発生した場合、解消待ち時間の経過を待つことなく、ガスタービンシステム3及びSOFCシステム5を停止させる形態としてもよい。
また、上記各実施形態で説明した系統異常発生処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
1 コンバインド発電システム
3 ガスタービンシステム
5 SOFCシステム
9 燃焼器
11 ガスタービン
13 発電機
16 SOFC
50A 切替部
50B 切替部
51 外部電力系統
52 二次電池
53 インバータ
54 MGT制御電源
55 SOFC制御電源
56 補機制御電源
58 系統異常検知部

Claims (6)

  1. 燃焼器、ガスタービン、及び前記ガスタービンによる電力を外部電力系統に供給する第1負荷装置を有するガスタービンシステムと、
    燃料電池、及び該燃料電池で発電する電力を前記外部電力系統に供給する第2負荷装置を有する燃料電池システムと、
    前記外部電力系統、前記第1負荷装置、及び前記第2負荷装置に接続された二次電池と、
    前記外部電力系統の異常を検知する異常検知手段と、
    前記異常検知手段が前記外部電力系統の異常を検知した場合に、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先を前記外部電力系統から前記二次電池へ切り替える切替手段と、
    を備えることを特徴とするコンバインド発電システム。
  2. 前記切替手段は、前記外部電力系統の異常が検知されてから所定時間の間に前記外部電力系統の異常が解消したことが検知された場合、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先を、前記二次電池から前記外部電力系統へ切り替えることを特徴とする請求項1記載のコンバインド発電システム。
  3. 前記ガスタービンシステム及び前記燃料電池システムは、前記所定時間が経過しても前記外部電力系統の異常が解消したことが検知されない場合、それぞれの運転を停止するために負荷減少制御が行われることを特徴とする請求項2記載のコンバインド発電システム。
  4. 前記二次電池は、前記所定時間の間に前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置から供給される電力を充電し、かつ前記負荷減少制御が行われている間に前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置から供給される電力を充電することを特徴とする請求項3記載のコンバインド発電システム。
  5. 前記二次電池は、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先が前記二次電池へ切り替えられた後、前記ガスタービンシステムを制御するための電源、前記燃料電池システムを制御するための電源、及び補機を制御するための電源へ電力を供給することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項記載のコンバインド発電システム。
  6. 燃焼器、ガスタービン、及び該ガスタービンによる電力を外部電力系統に供給する第1負荷装置を有するガスタービンシステムと、燃料電池、及び該燃料電池で発電する電力を前記外部電力系統に供給する第2負荷装置を有する燃料電池システムと、前記外部電力系統、前記第1負荷装置、及び前記第2負荷装置に接続された二次電池と、前記外部電力系統の異常を検知する異常検知手段と、を備えるコンバインド発電システムの運転方法であって、
    前記異常検知手段によって前記外部電力系統に異常が発生したか否かを判定する第1工程と、
    前記外部電力系統に異常が発生したと判定した場合に、前記第1負荷装置及び前記第2負荷装置の電力の供給先を、前記外部電力系統から前記二次電池へ切り替える第2工程と、
    を含むことを特徴とするコンバインド発電システムの運転方法。
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