JP2009272158A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電中に系統電源の停電が発生したとき、システムのエネルギー効率を高く維持する。
【解決手段】燃料電池システムは、発電した電力を、系統電源31に接続された外部電力負荷33に供給する燃料電池10と、燃料電池10と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路13を少なくとも備え、燃料電池10の排熱を燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する排熱回収システム20と、燃料電池熱媒体循環回路13上に設けられ供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電気ヒータ13bと、系統電源31の停電時に、燃料電池10の出力電力を電気ヒータ13bに供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路13への熱投入を行うことで燃料電池10の発電エネルギーを回収する制御手段(電力変換制御装置17d、システム制御装置18)と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムとしては、特許文献1に示されている燃料電池システムが知られている。この燃料電池システムは、特許文献1の図1に示されているように、系統電源16の停電発生時に、受電系統を系統電源16から遮断し、受電系統の自立負荷に非常用電源として燃料電池発電装置より電源を供給するようになっている。このシステムでは、系統電源16の停電の発生時に、連系用遮断器(電磁接触器5)を遮断すると共にインバータ2を一旦停止させ、燃料電池発電装置が自立負荷(動力負荷31,32)に供給できる最大の電気出力に相当する原燃料、反応空気及び改質用蒸気を予め供給し、かつ自立負荷の接続を確認したのちに、インバータ2の再起動を行わせるようになっている。
特開2005−203145号公報
しかし、特許文献1に記載の燃料電池システムにおいては、停電の発生時に、燃料電池発電装置のインバータを一旦運転停止ししかるのち再起動する際に、燃料電池発電装置の緊急停止を招く要因をできるだけ少なくして、発電を維持することができ、ひいては発電の停止回数を抑制しシステムの起動停止の繰り返しに伴う燃料電池の性能低下を抑制することができる。しかし、発電電力は、動力負荷31,32で消費されその消費によるエネルギーは回収されないので、システムとしてエネルギー利用効率がよくないという問題がある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電中に系統電源の異常が発生したとき、システムのエネルギー効率を高く維持することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、発電した電力を、系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池と、燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、燃料電池の排熱を燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段と、燃料電池熱媒体循環回路上に設けられ供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器と、系統電源の異常時に、燃料電池の出力電力を電力熱変換器に供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで燃料電池の発電エネルギーを回収する制御手段と、を備えたことである。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、発電した電力を、系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池と、燃料電池から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して外部電力負荷に出力する機能を少なくとも有する電力変換器と、電力変換器と外部電力負荷との間に開閉可能に設けられた系統開閉器と、燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、燃料電池の排熱を燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段と、燃料電池熱媒体循環回路上に設けられ、かつ電力変換器内にまたは該電力変換器と系統開閉器との間に接続され、電力変換器から供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器と、系統電源の異常時に、系統開閉器を開状態とし、燃料電池の出力電力を電力変換器を介して電力熱変換器に供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで燃料電池の発電エネルギーを回収する制御手段と、を備えたことである。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、発電した電力を、系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池と、燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、燃料電池の排熱を燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段と、燃料電池熱媒体循環回路上に設けられ供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器と、系統電源の異常時に、燃料電池の出力電力を電力熱変換器に供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで燃料電池の発電エネルギーを回収するとともに、異常の種類に応じて該異常時の燃料電池の発電を制御する制御手段と、を備えたことである。
また請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、回収蓄熱手段は、貯湯水を貯水可能な貯湯槽と、貯湯槽に連通され貯湯水が循環する貯湯水循環回路と、燃料電池熱媒体循環回路を循環する燃料電池熱媒体と貯湯水循環回路を循環する貯湯水とが熱交換する熱交換器と、貯湯水を循環させる貯湯水循環手段と、をさらに備え、電力熱変換器からの熱投入の状態を考慮して、燃料電池熱媒体の温度を所定の温度または所定の温度範囲とするように貯湯水循環手段を制御する貯湯水流量制御手段、をさらに備えたことである。
また請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、熱投入の状態を検知する熱投入状態検知手段をさらに備え、貯湯水流量制御手段は、熱投入状態検知手段によって検知された熱投入の状態に応じて貯湯水循環手段による貯湯水の流量を制御することである。
また請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項4または請求項5において、貯湯水流量制御手段は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいて貯湯水循環手段のフィードバック制御を行い、これに加えて、熱投入の状態変化に基づいて貯湯水循環手段のフィードフォワード制御を行うことである。
また請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項6において、貯湯水流量制御手段は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいてフィードバック操作量を算出し、熱投入量が変化したときに、その変化量に応じたフィードフォワード操作量を算出し、そして、フィードバック操作量とフィードフォワード操作量とを加算した総操作量で貯湯水循環手段を制御することである。
また請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項7において、貯湯水流量制御手段は、電力熱変換器による熱投入が開始または終了されたときには、その開始または終了に伴う貯湯水循環手段の制御の変更に係る遅延要素を設定することである。
また請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項7または請求項8において、貯湯水流量制御手段は、熱投入量が変化したときには、変化直後の熱投入量に応じて算出された第1フィードフォワード操作量から変化直前の熱投入量に応じて算出された第2フィードフォワード操作量を減算して得た値をフィードフォワード操作量として算出することである。
また請求項10に係る発明の構成上の特徴は、請求項6乃至請求項9の何れか一項において、系統電源の異常の継続中であって燃料電池の発電中において、貯湯水流量制御手段は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度の差が所定状態となったときに、燃料電池の発電運転を中止すると判断することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、発電した電力を系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池の排熱を回収蓄熱する回収蓄熱手段が、燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、かつ、その燃料電池熱媒体循環回路上に、供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器が設けられている。制御手段が、系統電源の異常時に、燃料電池の出力電力を電力熱変換器に供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで燃料電池の発電エネルギーを回収する。これにより、燃料電池の発電中に系統電源の異常が発生したとき、燃料電池の出力電力エネルギーを電力熱変換器で熱エネルギーに変換して回収蓄熱手段により回収することにより、システムのエネルギー効率を高く維持することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、発電した電力を系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して外部電力負荷に出力する機能を少なくとも有する電力変換器が備えられている。電力変換器と外部電力負荷との間に、開閉可能な系統開閉器が設けられている。燃料電池の排熱を燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段が、燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備えている。その燃料電池熱媒体循環回路上に、供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器が設けられている。その電力熱変換器は、電力変換器内にまたは該電力変換器と系統開閉器との間に接続されている。そして、制御手段は、系統電源の異常時に、系統開閉器を開状態とし、燃料電池の出力電力を電力変換器を介して電力熱変換器に供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで燃料電池の発電エネルギーを回収する。これにより、燃料電池の発電中に系統電源の異常が発生したとき、燃料電池の出力電力エネルギーを電力熱変換器で熱エネルギーに変換して回収蓄熱手段により回収することにより、システムのエネルギー効率を高く維持することができる。これに加えて、電力熱変換器が電力変換器内にまたは該電力変換器と系統開閉器との間に接続されているので、電力変換器と外部電力負荷との間に設けられた開閉可能な系統開閉器を制御することで、燃料電池の運転を停止することなく、システムを適切に運転した上でエネルギー効率を高く維持することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、発電した電力を系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池の排熱を回収蓄熱する回収蓄熱手段が、燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、かつ、その燃料電池熱媒体循環回路上に、供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器が設けられている。制御手段が、系統電源の異常時に、燃料電池の出力電力を電力熱変換器に供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで燃料電池の発電エネルギーを回収するとともに、異常の種類に応じて該異常時の燃料電池の発電を制御する。これにより、燃料電池の発電中に系統電源の異常が発生したとき、燃料電池の出力電力エネルギーを電力熱変換器で熱エネルギーに変換して回収蓄熱手段により回収することにより、システムのエネルギー効率を高く維持することができる。これに加えて、異常に伴って外部電力負荷の電源がオフされて外部電力負荷での消費電力が低下する場合など要求電力が低下したときにおいて、異常の種類に応じて該異常時の燃料電池の発電運転が制御されるため、要求電力の低下を想定して燃料電池の出力電力を制御できるので、燃料電池に投入される燃料ガスを抑制し、不要なエネルギー消費を抑制することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、貯湯水流量制御手段が、電力熱変換器からの熱投入の状態を考慮して、燃料電池熱媒体の温度を所定の温度または所定の温度範囲とするように貯湯水循環手段を制御する。これにより、電力熱変換器からの熱投入の開始、終了、および熱投入中の熱投入量の変化があっても、これらの状況に応じて貯湯水循環手段を制御して、燃料電池熱媒体の温度を的確に所定の温度または所定の温度範囲とする。したがって、異常が発生したときまたは/および複電したとき、燃料電池熱媒体の温度を所定の温度または所定の温度範囲となるように適切に制御して、燃料電池の信頼性を高く維持することができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項4に係る発明において、熱投入の状態を検知する熱投入状態検知手段をさらに備え、貯湯水流量制御手段は、熱投入状態検知手段によって検知された熱投入の状態に応じて貯湯水循環手段による貯湯水の流量を制御する。これにより、電力熱変換器からの熱投入を確実に検知することができ、貯湯水の流量を適切に制御しひいては燃料電池熱媒体の温度を適切に制御することができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項4または請求項5に係る発明において、貯湯水流量制御手段は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいて貯湯水循環手段のフィードバック制御を行い、これに加えて、熱投入の状態変化に基づいて貯湯水循環手段のフィードフォワード制御を行う。これにより、貯湯水循環手段の制御は、基本的には燃料電池熱媒体の温度をフィードバック制御し、熱投入の状態が変化してこれに起因して燃料電池熱媒体の温度が変化する際には、熱投入の状態変化によるフィードフォワード制御を加える。したがって、電力熱変換器からの熱投入の開始、終了、および熱投入中の熱投入量の変化がある場合、これらの状況に応じて貯湯水循環手段を適切に制御して、燃料電池熱媒体の温度を的確に所定の温度または所定の温度範囲とすることができる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、請求項6に係る発明において、貯湯水流量制御手段は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいてフィードバック操作量を算出し、熱投入量が変化したときに、その変化量に応じたフィードフォワード操作量を算出し、そして、フィードバック操作量とフィードフォワード操作量とを加算した総操作量で貯湯水循環手段を制御するので、貯湯水循環手段の操作量を適切かつ的確に算出し、ひいては貯湯水循環手段を適切かつ的確に制御することができる。
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、請求項7に係る発明において、貯湯水流量制御手段は、電力熱変換器による熱投入が開始または終了されたときには、その開始または終了に伴う貯湯水循環手段の制御の変更に係る遅延要素を設定する。これにより、電力熱変換器からの熱投入の開始時または終了時に、その時点に貯湯水循環手段の制御をすぐに変更させるのではなく、所定の遅延時間をおいて貯湯水循環手段の制御を変更させたり、または所定の遅延方法において、貯湯水循環手段の制御を変更させたりすることができる。したがって、電力熱変換器からの熱投入から燃料電池熱媒体の温度変化までに時間のずれ(タイムラグ)が生じるが、これに起因して燃料電池熱媒体の急激な温度変化が生じた場合にも、貯湯水循環手段をより適切に制御して、燃料電池熱媒体の温度をより的確に所定の温度または所定の温度範囲とすることができる。
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、請求項7または請求項8に係る発明において、貯湯水流量制御手段は、熱投入量が変化したときには、変化直後の熱投入量に応じて算出された第1フィードフォワード操作量から変化直前の熱投入量に応じて算出された第2フィードフォワード操作量を減算して得た値をフィードフォワード操作量として算出する。これにより、熱投入量が変化しても、その変化に応じてフィードフォワード操作量を適切に算出することができる。
上記のように構成した請求項10に係る発明においては、請求項6乃至請求項9の何れか一項に係る発明において、系統電源の異常の継続中であって燃料電池の発電中において、貯湯水流量制御手段は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度の差が所定状態となったときに、燃料電池の発電運転を中止すると判断する。これにより、別の検出部材を設けることなく簡単な構成かつ低コストで、発電運転の中止時期を確実に判断することができ、ひいては異常中の発電運転をできるだけ長時間継続することができる。
以下、本発明による燃料電池システムの一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は燃料電池システムの構成を示す構成ブロック図である。この燃料電池システムは、燃料電池11、改質器12、燃料電池熱媒体循環回路13、貯湯槽14、貯湯水循環回路15、熱交換器16、インバータシステム17、燃料電池システム制御装置(以下、システム制御装置という。)18、および通信ライン19を備えている。
燃料電池11は、燃料(例えば水素を含む改質ガス)および酸化剤ガス(例えば酸素を含む空気)が供給されて水素と酸素の化学反応により発電して直流電圧(例えば40V)を出力するものである。本実施の形態では、燃料電池11は高分子電解質形を例に挙げて説明する。燃料電池11は、発電した電力を外部電力負荷33に供給するものである。例えば、燃料電池11の最大出力電力は1000Wであり、最低出力電力は300Wである。
改質器12は、原料(改質用燃料)を水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを燃料電池11に供給するものであり、バーナ(燃焼部)、改質部、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)から構成されている。原料としては天然ガス、LPG、灯油、ガソリン、メタノールなどがある。
バーナは、起動運転時に外部から燃焼用燃料および燃焼用空気が供給され、または定常運転時に燃料電池11の燃料極からアノードオフガス(燃料電池に供給され使用されずに排出された改質ガス)が供給され、供給された各可燃性ガスを燃焼用空気で燃焼して燃焼ガスを改質部に導出するものである。
改質部は、外部から供給された原料に蒸発器からの水蒸気(改質水)を混合した混合ガスを改質部に充填された触媒により改質して水素ガスと一酸化炭素ガスを生成している(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気を水素ガスと二酸化炭素とに変成している(いわゆる一酸化炭素シフト反応)。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)はCOシフト部に導出される。
COシフト部は、この改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気をその内部に充填された触媒により反応させて水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度が低減されてCO選択酸化部に導出される。
CO選択酸化部は、改質ガスに残留している一酸化炭素と外部からさらに供給されたCO浄化用の空気とをその内部に充填された触媒により反応させて二酸化炭素を生成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)燃料電池11の燃料極に導出される。
燃料電池熱媒体循環回路13は、燃料電池11と熱交換する燃料電池熱媒体が循環するものである。貯湯槽14は、貯湯水を貯水可能なものである。貯湯水循環回路15は、貯湯槽14に連通され貯湯水が循環するものである。熱交換器16は、燃料電池熱媒体循環回路13を循環する燃料電池熱媒体と貯湯水循環回路15を循環する貯湯水とが熱交換するものである。燃料電池熱媒体循環回路13および貯湯水循環回路15は互いに独立して設けられている。
燃料電池熱媒体循環回路13上には、燃料電池11を起点に上流から下流に向かって順番に、第1温度センサ13a、電気ヒータ13b、熱交換器16、燃料電池熱媒体循環ポンプ13c、および第2温度センサ13dが配設されている。
第1温度センサ13aは燃料電池熱媒体循環回路13の燃料電池11の出口温度T1を検出するものであり、第2温度センサ13dは燃料電池熱媒体循環回路13の燃料電池11の入口温度T2を検出するものである。第1温度センサ13a、第2温度センサ13dの検出結果はシステム制御装置18に入力されるようになっている。
電気ヒータ13bは、インバータシステム17から供給される電力量に従って制御されるものであり、供給された電力を熱に変換するものすなわち通電されて発熱する電力熱変換器である。電気ヒータ13bは、燃料電池11と熱交換器16との間であって燃料電池11の下流かつ熱交換器16の上流に配設されていることが好ましい。電気ヒータ13bは、系統電源31の停電時には、燃料電池11で発電された電力のうち燃料電池システムを運転させるのに必要な補機42(内部負荷でもある)で消費される電力を差し引いた電力(以下、余剰電力という)が通電されてその電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱するものである。また、電気ヒータ13bは、燃料電池システムの起動時に燃料電池熱媒体(燃料電池11本体)が所定温度以下の場合(燃料電池11が暖機中である場合)には、通電されて燃料電池熱媒体の加熱ひいては燃料電池11の暖機を行うものである。また、電気ヒータ13bは、DC/ACインバータ17bと系統開閉器17kとの間に限られないで、電圧変換器17c内に接続されるようにしてもよい。例えば、DC/DCコンバータ17aとDC/ACインバータ17bとの間や燃料電池開閉器17jとDC/DCコンバータ17aとの間であればよい。
燃料電池熱媒体循環ポンプ13cは、燃料電池熱媒体循環回路13で燃料電池熱媒体を図示矢印方向へ循環させるものであり、システム制御装置18によって制御されてその流量(送出量)が制御されるようになっている。
貯湯槽14は、1つの柱状容器を備えており、その内部に温水が層状に、すなわち上部の温度が最も高温であり下部にいくにしたがって低温となり下部の温度が最も低温であるように貯留されるようになっている。貯湯槽14の柱状容器の下部には水道水などの水(低温の水)が補給され、貯湯槽14に貯留された高温の温水が貯湯槽14の柱状容器の上部から導出されるようになっている。
貯湯水循環回路15の一端は貯湯槽14の下部に、他端は貯湯槽14の上部に接続されている。貯湯水循環回路15上には、一端から他端に向かって順番に貯湯水循環手段である貯湯水循環ポンプ15aおよび熱交換器16が配設されている。貯湯水循環ポンプ15aは、貯湯槽14の下部の貯湯水を吸い込んで貯湯水循環回路15を図示矢印方向へ通水させて貯湯槽14の上部に送出するものであり、システム制御装置18によって制御されてその流量(送出量)が制御されるようになっている。
上述した燃料電池11、燃料電池熱媒体循環回路13、貯湯槽14、貯湯水循環回路15、熱交換器16から排熱回収システム20(回収蓄熱手段である。)が構成されている。この排熱回収システム20は、燃料電池11の排熱を燃料電池熱媒体によって回収蓄熱し、ひいては貯湯槽14に回収蓄熱するものである。排熱回収システム20は、燃料電池熱媒体循環回路13を少なくとも備えることが好ましい。この排熱回収システム20により、発電運転中においては基本的に、燃料電池11の発電にて発生した排熱(熱エネルギー)は、まず燃料電池熱媒体に回収され、そして熱交換器16を介して貯湯水に回収されて、この結果貯湯水を加熱(昇温)する。発電運転中において系統電源31の停電が発生した場合には、燃料電池11で発電された電力のうち余剰電力が電気ヒータ13bに通電されてその電力を熱に変換して燃料電池熱媒体が加熱され、その熱は熱交換器16を介して貯湯水に回収される。
インバータシステム17は、DC/DCコンバータ17aとDC/ACインバータ17bから構成されている電力変換器17c、電力変換制御装置17dおよび整流回路17eを備えている。
DC/DCコンバータ(コンバータ)17aは、燃料電池11から出力される直流電圧(例えば40V)を入力し所定の直流電圧(例えば350V)に変換して出力するものである。DC/DCコンバータ17aは、本燃料電池システムを運転させるためのシステム制御装置18および補機42に、燃料電池11から入力した直流電圧を所定の直流電圧に変換して補機用DC/DCコンバータ41を介して出力するものである。DC/DCコンバータ17aは、例えばトランスを構成要素として構成され入力側と出力側が絶縁されている絶縁型であることが好ましい。
なお、補機用DC/DCコンバータ41は、DC/DCコンバータ17a、DC/ACインバータ17b、整流回路17eから出力される直流電力を入力し所定の直流電力に変換して補機41、システム制御装置18に出力するものである。
DC/ACインバータ(インバータ)17bは、DC/DCコンバータ17aから出力される直流電圧(例えば350V)を入力し交流電圧(例えば200V)に変換して電源ライン32に出力し、かつ電源ライン32から入力した系統電源31からの交流電圧(例えば200V)を所定の直流電圧(例えば350V)に変換して補機用DC/DCコンバータ41を介して補機42に出力するものである。このように、DC/ACインバータ17bは、直流を交流に変換する機能と、交流を直流に変換する機能とを有している。なお、DC/ACインバータ17bは、直流を交流に変換する機能と交流を直流に変換する機能の両機能を内蔵した一つの機器で構成しているが、それぞれの機能を別の機器で構成するようにしてもよい。この場合、電流センサ17gは、それぞれ別の機器に予め備えられていることが望ましい。
このように、DC/DCコンバータ17aとDC/ACインバータ17bとからなる電力変換器17cは、燃料電池11から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して外部電力負荷33に出力する機能を少なくとも有するものである。なお、電力変換器17cは、本実施の形態のようにコンバータ器とインバータ器の両方で構成しないで、インバータ器のみで構成するようにしてもよい。
インバータシステム17は、燃料電池11から出力される直流電力(直流電圧)を所定の交流電力(交流電圧)に変換して系統電源31に接続されている電源ライン32に出力(供給)する第1機能と、系統電源31の停電時における燃料電池11からの発電電力の余剰電力分を内部負荷(例えば、電気ヒータ13b)に出力する(直流または交流にて)第2機能と、を有している。内部負荷とは、燃料電池システム内に設置され、電力が供給されてその電力を消費するものであり、電気ヒータ13bの他に、燃料電池システムの運転に関わるポンプや電磁弁などの補機42がある。
インバータシステム17は、系統電源31の交流電力を直流電力に変換して燃料電池システム内の内部負荷に供給する機能を有していてもよい。内部負荷(電気ヒータ13bおよび補機42)の電力として、直流を使用する場合と交流を使用する場合がある。直流を使用する場合は、インバータシステム17に、系統電源31の交流電力を直流電力に変換して燃料電池システム内の内部負荷に供給する機能を持たせる。一方、交流を使用する場合は、インバータシステム17に前記機能は必要ない。本実施の形態では、電気ヒータ13bは交流電力を使用しており、補機は直流電力を使用している。したがって、本実施の形態では、インバータシステム17は前記機能を有する。
インバータシステム17は、電流センサ17f〜17iを備え、開閉器17j〜17lをさらに備えている(電流センサにより電力を求めている)。
電流センサ17fは、燃料電池11からインバータシステム17(より具体的には電力変換器17c)に入力される発電電力を検知する。電流センサ17gは、インバータシステム17(より具体的には電力変換器17c)から電源ライン32を介して外部電力負荷33に出力される電力、および系統電源31から電源ライン32を介してインバータシステム17(電力変換器17cおよび/または整流回路17e)に入力される電力を検知する。電流センサ17gは、DC/ACインバータ17bに内蔵されていてもよく、DC/ACインバータ17bから分離独立したものでもよい。
電流センサ17hは、インバータシステム17から電気ヒータ13bに出力される電力を検知する。電流センサ17hは、電気ヒータ13bに出力される電力を検知することにより、熱投入の状態を検知する熱投入状態検知手段である。この電流センサ17hは、電気ヒータ13bから燃料電池熱媒体への熱投入量の変化による燃料電池熱媒体の温度変化速度と比べて、検知応答速度が速いものである。
電流センサ17iは、インバータシステム17から補機用DC/DCコンバータ41、ひいてはシステム制御装置18および補機42に出力される電力を検知する。各電流センサ17f〜17iが検知した各検知結果は、電力変換制御装置17dに入力されるようになっている。
開閉器17jは、燃料電池11と電力変換器17cとの間に配設され、燃料電池11と電力変換器17cとを連通・遮断するもの(燃料電池開閉器)である。開閉器17jと電流センサ17fの位置は図示する位置と逆になってもよい。開閉器17kは、電力変換器17cと系統電源31(外部電力負荷33)との間に配設され、電力変換器17cと系統電源31(外部電力負荷33)とを連通・遮断するもの(系統開閉器)である。開閉器17lは、電力変換器17cと電気ヒータ13bとの間に配設され、電力変換器17cと電気ヒータ13bとを連通・遮断するもの(電気ヒータ開閉器)である。開閉器17lと電流センサ17hの位置は図示する位置と逆になってもよい。各開閉器17j〜17lは、電力変換制御装置17dからの指示(システム制御装置18の指示であって電力変換制御装置17d経由のものも含む。)にしたがって開閉制御されるようになっている。
なお、インバータシステム17は、電力変換器17cおよび整流回路17eに電流が逆流するのを防ぐために各ダイオード17m,17nがそれぞれ備えられている。
また、インバータシステム17は、電圧センサ32bを備えている。電圧センサ32bは、開閉器17kおよび整流回路17eと電源ライン32との間に設けられ、インバータシステム17から電源ライン32へ、または電源ライン32からインバータシステム17への電力の電圧を検出するものである。電圧センサ32bの検出結果は、電力変換制御装置17dに入力されるようになっている。
電力変換制御装置17dには、電源ライン32に設けられ系統電源31に対する電力の入出力および電力量を検知する電流センサ32aが接続されており、その検知結果が電力変換制御装置17dに入力されている。電流センサ32aは、インバータシステム17から系統電源31への逆潮流電力、系統電源31からインバータシステム17への順潮流電力、および系統電源31の停電を検知してその検知信号をインバータシステム17すなわち電力変換制御装置17dに出力する停電検出手段である。
なお、電流センサ32aと電圧センサ32bは、単相3線である系統電源31のR相、S相を片方ずつ検出している。電流センサ32aと電圧センサ32bは、R相、S相用にそれぞれ2個のセンサを有している。インバータシステム17から電源ライン32へ、または電源ライン32からインバータシステム17への電力は、R相の電流と電圧との積、およびS相の電流と電圧との積を加算して得ることができる。
また、電力変換制御装置17dは、電流センサ32a、電圧センサ32bからの検出信号のうち停電に関するものに基づいて停電の種類を判断することができる。電力変換制御装置17dは、電流センサ32a、電圧センサ32bからの検出信号から停電であることを検出する。この場合、電圧センサ32bによって検出された系統電源31からの電圧が所定電圧以下(例えば、定格の1/10以下)であることによって検出する。停電の種類は、例えば停電継続時間の長短によって区別される。
さらに、電力変換制御装置17dは、電流センサ32a、電圧センサ32bからの検出信号のうち系統電源31の電力に関するものに基づいて、停電、停電の種類を判断するだけでなく、系統電源31の異常を検出することができる。電圧異常の場合、定格電圧によって決まっている規格範囲外(規格によって決められている)であることによって検出する。周波数異常の場合、電圧または電流の周波数が決められている規格範囲外(規格によって決められている)であることによって検出する。これにより、系統電源31の停電以外に、電圧や周波数が所定の規格範囲外になったときも検出することができる。つまり、系統電源31の品質が悪くなったときも検出することができる。
さらに、電力変換制御装置17dは、燃料電池11が発電可能な状態において、電流センサ17gにより検知されるインバータシステム17からの出力電力、および電流センサ32aにより検知される系統電源31に入出する電力に基づいて外部電力負荷33で消費される消費電力を算出する。例えば、インバータシステム17からの出力電力と系統電源31に入出する電力との和が消費電力として算出される。電力変換制御装置17dは、その消費電力および燃料電池11の発電電力をシステム制御装置18に通信ライン19を介して送信するようになっている。システム制御装置18は、燃料電池11の発電電力が、入力した消費電力となるように、改質器12に供給する原料、水などの供給量を制御する。なお、消費電力が燃料電池11の最大発電電力を超える場合には、燃料電池11は最大発電電力で運転される。
電力変換制御装置17dは、燃料電池11の発電運転中において、系統電源31の停電が発生すると、燃料電池11の出力電力を電気ヒータ13bに供給するように制御して、燃料電池熱媒体循環回路13への熱投入を行うことで、燃料電池11の発電エネルギーを排熱回収システム20に回収している。この場合、電力変換制御装置17dは、電気ヒータ13bの制御権をシステム制御装置18から移行されてシステム制御装置18からの指示がなくても、独立して電気ヒータ13bの制御を行うことができる。
なお、電力変換制御装置17dによる電気ヒータ13bの制御内容は、システム制御装置18に通信ライン19を介して通知されている。制御内容は、電気ヒータ13bの起動・停止、供給電力量などである。
整流回路17eは、電源ライン32と補機42との間にDC/ACインバータ17bに並列に設けられ、電源ライン32からの交流電圧を整流して直流電圧に変換して補機用DC/DCコンバータ41を介して補機42およびシステム制御装置18に供給可能なものである。整流回路17eの入力は、系統開閉器17kと電源ライン32との間に接続されている。例えば、整流回路17eは、整流素子である4つのダイオードから構成され、ダイオードブリッジ回路から構成されている。トランスと組み合わせてもよく、平滑化のため抵抗、コンデンサ、コイルなどと組み合わせてもよい。整流回路17eは、系統開閉器17kの開閉に関係なく系統電源31からの電力を補機用DC/DCコンバータ41を経てシステム制御装置18および補機42に供給することができる。
システム制御装置18は、燃料電池システムの全体的な制御を、電力変換制御装置17dと協調して行うものである。システム制御装置18は、上述したように、燃料電池11の発電電力が外部電力負荷33の消費電力となるように、上記燃料電池熱媒体循環ポンプ13c、貯湯水循環ポンプ15aや、改質器12に原料、水などを供給するためのポンプ、電磁弁(図示省略)を直接制御する。
システム制御装置18は、燃料電池熱媒体(燃料電池11)の温度T1,T2を入力し、両温度差が所定温度差内に収まるように燃料電池熱媒体循環ポンプ13cを制御し、温度T1(または温度T2)が所定温度となるように(または所定温度範囲に収まるように)貯湯水循環ポンプ15aを制御する。
システム制御装置18は、システム起動時や、燃料電池11の発電状態であって系統電源31が停電でない状態において、電気ヒータ13bの制御権がシステム制御装置18に移行されて、電気ヒータ13bの制御を通信ライン19を介して電力変換制御装置17dに指示する。そのシステム制御装置18からの指示によって電力変換制御装置17dが電気ヒータ13bの制御を行う。
通信ライン19は、電力変換制御装置17d(図示しない電力変換制御装置17d内のマイクロプロセッサ)とシステム制御装置18のマイクロプロセッサ18aとを互いに通信可能に電気的に接続するものである。
次に、このように構成した燃料電池システムの作動のうち発電運転中に停電が発生した場合の作動について図2〜図4を参照して説明する。以下に説明する、停電発生の検出、停電種類の判断、停電における系統開閉器17kおよびヒータ開閉器17lの制御、復電の判断、再連系の制御は、電力変換制御装置17dの指示により行われる。なお、これらの処理および制御は、電力変換制御装置17dを主としてシステム制御装置18と協調して行われるものである。また、システム制御装置18を主として電力変換制御装置17dと協調して行うようにしてもよい。
電力変換制御装置17dは、燃料電池10が発電運転中であるか否かを、システム制御装置18からの信号に基づいて判定する(ステップ102)。電力変換制御装置17dは、発電運転中でなければ、ステップ102にて、「NO」の判定を繰り返す。発電運転中であれば、電力変換制御装置17dは、ステップ104にて、系統電源31で停電または系統異常(周波数異常や電圧異常)が発生したか否かを、電流センサ32aからの信号または電圧センサ32bで測定する系統電圧(系統電源31の電圧を測定できるならどこでも良い)より判定する。
具体的には、電力変換制御装置17dは、電流センサ32a、電圧センサ32bからの検出信号から停電であることを検出する。この場合、電圧センサ32bによって検出された系統電源31からの電圧が所定電圧以下(例えば、定格の1/10以下)であることによって検出(判定)する。停電の種類は、例えば停電継続時間の長短によって区別される。
さらに、電力変換制御装置17dは、電流センサ32a、電圧センサ32bからの検出信号のうち系統電源31の電力に関するものに基づいて、停電、停電の種類を判断するだけでなく、系統電源31の異常を検出(判定)することができる。電圧異常の場合、定格電圧によって決まっている規格範囲外(規格によって決められている)であることによって検出(判定)する。周波数異常の場合、電圧または電流の周波数が決められている規格範囲外(規格によって決められている)であることによって検出(判定)する。これにより、系統電源31の停電以外に、電圧や周波数が所定の規格範囲外になったときも検出(判定)することができる。つまり、系統電源31の品質が悪くなったときも検出(判定)することができる。系統電源31の異常を検出した場合にも、停電を検出した場合と同様な処理が行われる。系統電源31の異常に停電も含まれている。
電力変換制御装置17dは、停電の発生を検出すると、ステップ104で「YES」と判定し、系統開閉器17kをオフする(開状態とする。ステップ106)とともに、ヒータ開閉器17lをオンする(閉状態とする。ステップ108)。これにより、燃料電池10で発電された電力は、電力変換器17cを通って電気ヒータ13bに供給され消費される。すなわち、停電発生時点の燃料電池10の出力電力は電気ヒータ13bに供給され、その結果燃料電池熱媒体循環回路13への熱投入が行われることで、停電時に発電された燃料電池10の発電エネルギーは貯湯水に回収されることとなる。
さらに、システム制御装置18は、停電の継続時間の長短によって(停電の種類に応じて)燃料電池10の発電運転を制御する。2つの場合について説明する。
第1に、停電継続時間が所定時間(例えば、数秒)より短い場合には、系統電源31が復電するまで燃料電池10の出力電力を停電直前の電力値に維持(固定)するように燃料電池システムを制御する。すなわち、電力変換制御装置17dは、停電の発生を検出した時点(図3の時刻t1)から系統電源31が復電するまでの時間が所定時間より短い場合には、ステップ110で「NO」、ステップ114で「NO」と判定し、停電中に燃料電池10の出力電力を停電直前の電力値に維持(固定)するように燃料電池システムを制御する(ステップ112)。ステップ112では、電力変換制御装置17dは、所定時間経過前の停電中であることをシステム制御装置18に送信する。システム制御装置18は、それに応じて停電直前の電力値を維持するように、改質用燃料、改質水などの供給量を制御する。なお、ステップ114では、電流センサ32aによる検出電圧が上記判定電圧範囲に収まれば、系統電源31の停電が解除されて復電したと判定する。
そして、系統電源31が復電すると(図3の時刻t2)、電力変換制御装置17dは、復電を検出し(ステップ114で「YES」と判定し)、電圧変換器17cを電源ライン32を介して系統電源31および/または外部電力負荷33に接続する(再連系する。ステップ116)。復電の情報はシステム制御装置18に送信されるので、システム制御装置18は、通常の発電運転を再開する。すなわち、システム制御装置18は、燃料電池11の発電電力が外部電力負荷33の消費電力となるように、上記燃料電池熱媒体循環ポンプ13c、貯湯水循環ポンプ15aや、改質器12に原料、水などを供給するためのポンプ、電磁弁(図示省略)を制御する。電力変換制御装置17dおよびシステム制御装置18は、停電となるまで(ステップ104で「YES」と判定するまで)発電運転を継続する。なお、図3、4において、停電中の燃料電池10の出力電力を破線で示し、通常時の燃料電池10の出力電力を実線で示している。
ところで、前記所定時間の短時間で系統電源31が停電から復旧した場合には、外部電力負荷33での消費も停電直前と変更はない可能性が高いので、燃料電池10の要求電力も停電直前とほとんど変わらないと想定できる。したがって、このように復電後、即再連系した場合、外部電力負荷33の要求電力に応じた速やかな電力供給を行うことができる。
第2に、停電継続時間が所定時間以上の場合には、系統電源31が復電するまで燃料電池10の出力電力を停電直前の電力値から燃料電池10の最低出力電力への変更を開始し、最低出力電力に達した後その値を維持するように燃料電池システムを制御する。すなわち、電力変換制御装置17dは、停電の発生を検出した時点(図4の時刻t11)から系統電源31が復電するまでの時間が所定時間以上の場合には、ステップ110で「YES」と判定した後、ステップ120で「NO」の判定を繰り返す。これにより、停電中に燃料電池10の出力電力を停電直前の電力値から最低出力電力に徐々に低減し、最低出力電力となった後は最低出力電力に維持(固定)するように燃料電池システムを制御する(ステップ118)。ステップ118では、電力変換制御装置17dは、所定時間経過後の停電中であることをシステム制御装置18に送信する。システム制御装置18は、それに応じて出力電力を停電直前から低減し最終的に最低出力電力に維持するように、改質用燃料、改質水などの供給量を制御する。なお、ステップ120では、電流センサ32aによる検出値が正常範囲に収まれば、系統電源31の停電が解除されて復電したと判定する。
そして、系統電源31が復電すると(図4の時刻t12)、電力変換制御装置17dは、復電を検出し(ステップ120で「YES」と判定し)、その後待ち時間(例えば、5分)だけ待って(ステップ122。時刻t13)、電圧変換器17cを電源ライン32を介して系統電源31および/または外部電力負荷33に接続する(再連系する。ステップ116)。復電の情報はシステム制御装置18に送信されるので、システム制御装置18は、通常の発電運転を再開する。すなわち、システム制御装置18は、燃料電池11の発電電力が外部電力負荷33の消費電力となるように、上記燃料電池熱媒体循環ポンプ13c、貯湯水循環ポンプ15aや、改質器12に原料、水などを供給するためのポンプ、電磁弁(図示省略)を制御する。電力変換制御装置17dおよびシステム制御装置18は、停電となるまで(ステップ104で「YES」と判定するまで)発電運転を継続する。
ところで、前記所定時間の短時間より長く停電が継続して系統電源31が停電から復旧した場合には、外部電力負荷33が長い停電時間により自身の電源が自動的に切れるなどして外部電力負荷33での消費電力が減少する可能性が高いので、燃料電池10の要求電力も停電直前と比べて減少すると想定できる。したがって、本実施の形態によれば、このように停電中に要求電力が減少する場合に適切に対応することができ、停電中および再連系に無駄に発電を行うことなく、エネルギー効率を高く維持することができ、また、停電中に燃料電池熱媒体循環回路13への過剰な熱投入を抑制することができる。
なお、停電の種別を、停電時間を一つの所定時間で区別するようにしたが、2つの異なる所定時間(1つは数秒、もう一つは数分)を設けて区別するようにしてもよい。
システム制御装置18のマイクロプロセッサ18aは、図5に示すように、第1および第2制御部21,22を備えている。
第1制御部21は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいて貯湯水循環ポンプ15aのフィードバック制御を行うものである。第1制御部21は、減算器21a、制御器21b、加算器21cおよび上下限処理器21dを備えている。
減算器21aは、燃料電池熱媒体の検出温度として燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2を温度センサ13dから入力し、燃料電池熱媒体の目標温度として燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2の目標温度T2taを入力し、入口温度T2から目標温度T2taを減算してそれら入力した両温度の偏差e(=T2ta−T2)を算出する。目標温度T2taは、出力電力によりマップにて定義する。
制御器21bは、フィードバック制御を行う制御器である。制御器21bは、減算器21aで算出した偏差eを入力し、その偏差eに基づいて貯湯水循環ポンプ15aの回転数(ポンプの吐出量(流量))である操作量を算出する。この場合、貯湯水循環ポンプ15aがPWM制御されていれば、操作量はPWM制御のデューティ比(Duty)である。
本実施の形態では、制御器21bは、PID制御(速度形)を行うものである。制御器21bは、偏差eに比例した出力値を出力する比例動作器、偏差eの時間積分に比例した出力値を出力する積分動作器、および偏差eの時間変化率に比例した出力値を出力する微分動作器(それぞれ図示省略)を有している。制御器21bは、比例動作器、積分動作器および微分動作器による各出力値を加算した値を、貯湯水循環ポンプ15aのフィードバック操作量Duty_Aとして算出する。このように、制御器21bは、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいてフィードバック操作量Duty_Aを算出するものである。
なお、制御器21bでは、PID制御の代わりに、P制御(比例動作器の機能のみ作用する。)を行うようにしてもよく、またPI制御(比例動作器および積分動作器の機能のみ作用する。)を行うようにしてもよい。いずれもフィードバック操作量を算出するものである。
加算器21cは、制御器21bから入力したフィードバック操作量Duty_Aと、第2制御部22から入力したフィードフォワード操作量Duty_B(後述する)とを加算するものである。この加算値(=Duty_A+Duty_B)が貯湯水循環ポンプ15aの操作量(総操作量)Dutyである。
上下限処理器21dは、加算器21cから入力した加算値を上下限処理して出力するものである。なお、上下限処理は、加算値が所定の上限値(例えば100%)以上となった場合には入力した値を上限値に変更設定し、所定の下限値(例えば0%)以下となった場合には入力した値を下限値に変更設定し、加算値がそれら上下限値内である場合にはそのまま出力する処理のことである。
第2制御部22は、燃料電池熱媒体への電気ヒータ13bによる熱投入の状態変化に基づいて貯湯水循環ポンプ15aのフィードフォワード制御を行うためのものである。第2制御部22は、第1演算器22aおよび第2演算器22bを備えている。
第1演算器22aは、燃料電池熱媒体への電気ヒータ13bによる熱投入量(熱投入電力量)を入力し、その投入電力に基づいてフィードフォワード操作量Duty_Bを算出する。具体的には、第1演算器22aは、図6に示すフローチャートに沿ってフィードフォワード操作量Duty_Bを算出する。第1演算器22aは、所定の短時間毎に(例えば、500msec)図6に示すフローチャートを繰り返し実行する。
第1演算器22aは、ステップ202において、ヒータ投入電力値(インバータシステム17から電気ヒータ13bへ投入された電力値)をインバータシステム17から入力し(例えば、数百msecの通信速度で入力する。)、そのヒータ投入電力値を投入電力の今回値として記憶するとともに、前回の処理時に記憶しておいた投入電力の前回値を記憶装置から読み込む。そして、第1演算器22aは、ステップ204において、投入電力の今回値と前回値を比較する。なお、記憶装置は、マイクロコンピュータ18aに内蔵されていたり、マイクロコンピュータ18aとは別にシステム制御装置18に内蔵されていたりする。
投入電力の今回値と前回値が同じである場合(熱投入量が変化しない場合)すなわち発電運転中の非停電時の場合、第1演算器22aは、ステップ204にて「YES」と判定し、フィードフォワード操作量は0%であると算出し(ステップ206)、投入電力の今回値を前回値として記憶装置に記憶した後(ステップ208)、本演算を一旦終了する(ステップ210)。なお、図面では「フィードフォワード」、「フィードバック」をそれぞれ「FF」、「FB」と省略する場合がある。
投入電力の今回値と前回値が異なる場合(熱投入量が変化した場合)であって、今回値が前回値より大きい場合(すなわち、停電が開始した場合)、第1演算器22aは、今回以前に第2演算器22bにより算出された遅れ要素を初期化(ステップ212)した後で、ステップ214にて「YES」と判定し、投入電力(熱投入量)の増大量に応じたフィードフォワード操作量を算出する(ステップ216)。このときのフィードフォワード操作量は、貯湯水循環ポンプ15aの操作量を増大させるものである。
第1演算器22aは、ステップ216において、具体的には次のとおりの処理を行う。第1演算器22aは、投入電力の今回値と図7に示すマップとから投入電力の今回値に相当するフィードフォワード操作量(貯湯水循環ポンプ15aのデューティ比)である今回値_dutyを算出する。さらに、投入電力の前回値と図7に示すマップとから投入電力の前回値に相当するフィードフォワード操作量である前回値_dutyを算出する。そして、今回値_dutyから前回値_dutyを減算してフィードフォワード操作量Duty_Bを算出する。算出したフィードフォワード操作量Duty_Bは正の値である。
今回値_dutyは、熱投入量が変化したときの変化直後の熱投入量に応じて算出された第1フィードフォワード操作量であり、前回値_dutyは、熱投入量が変化したときの変化直前の熱投入量に応じて算出された第2フィードフォワード操作量である。
例えば、投入電力が0Wから1000Wに変化した際には、今回値_dutyは1000Wに相当する10%であり、前回値_dutyは0Wに相当する0%であるので、フィードフォワード操作量Duty_Bは10%(=10%−0%)となる。また、投入電力が500Wから1000Wに変化した際には、今回値_dutyは1000Wに相当する10%であり、前回値_dutyは500Wに相当する4%であるので、フィードフォワード操作量Duty_Bは6%(=10%−4%)となる。
図7に示すマップは、ヒータ投入電力(W)とフィードフォワード操作量(デューティ比:%)との関係を示すものである。このマップは、投入電力が増大変化する場合に使用する第1関係f1と投入電力が減少変化する場合に使用する第2関係f2を有している。第1関係f1は、投入電力が大きくなるにしたがってデューティ比が大きくなる関係を有している。このとき、デューティ比は0%および正の値を取る。本実施の形態では、0〜250Wにおいてはデューティ比は0%であり、250W〜1000Wにおいてはデューティ比は0%から10%まで正比例に大きくなっている(必ずしも、250〜1000Wの領域において正比例である必要はない)。ここでは最大出力電力が1000Wであるため、仮に1000Wを4等分して制御量を決めている。500Wではデューティ比は4%(duty1)であり、750Wではデューティ比は7%(duty2)であり、1000Wではデューティ比は10%(duty3)である。
第2関係f2は、投入電力が大きくなるにしたがってデューティ比が小さくなる関係を有している。このとき、デューティ比は0%および負の値を取る。この第2関係f2は、上述した第1関係f1に対して正負の違いがあるものの、投入電力が同一の場合、同一のデューティ比である。すなわち、f1(x)の絶対値とf2(x)の絶対値は等しい関係にある。xは任意の投入電力である。本実施の形態では、0〜250Wにおいてはデューティ比は0%であり、250W〜1000Wにおいてはデューティ比は0%から−10%まで逆比例に小さくなっている。500Wではデューティ比は−4%(duty4)であり、750Wではデューティ比は−7%(duty5)であり、1000Wではデューティ比は−10%(duty6)である。
マップの第1関係f1の算出は、燃料電池システムの実機を使用する。変化量を変えてヒータ投入電力を変化させて、変化量毎に燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2が所定温度または所定の温度範囲となるような貯湯水循環ポンプ15aのデューティ比を実験で求め、変化量とデューティ比との関係から第1関係f1を算出する。変化量を変える場合とは、例えば0Wから250W、500W、750W、1000Wにそれぞれ変える場合である。第2関係f2も第1関係f1と同様に算出する。
投入電力の今回値と前回値が異なる場合(熱投入量が変化した場合)であって、今回値が前回値より小さい場合(すなわち、停電後に再連系する場合)、第1演算器22aは、上述と同様に遅れ要素を初期化(ステップ212)した後で、ステップ214,218にてそれぞれ「NO」,「YES」と判定し、投入電力(熱投入量)の減少量に応じたフィードフォワード操作量を算出する(ステップ220)。このときのフィードフォワード操作量は、貯湯水循環ポンプ15aの操作量を減少させるものである。
第1演算器22aは、ステップ220において、上述したステップ216と同様な処理を行う。第1演算器22aは、投入電力の今回値と図7に示すマップとから今回値_dutyを算出し、投入電力の前回値と図7に示すマップとから前回値_dutyを算出し、フィードフォワード操作量Duty_Bを算出する。算出したフィードフォワード操作量Duty_Bは負の値である。
例えば、投入電力が1000Wから0Wに変化した際には、今回値_dutyは0Wに相当する0%であり、前回値_dutyは1000Wに相当する−10%であるので、フィードフォワード操作量Duty_Bは−10%(=−10%−0%)となる。また、投入電力が1000Wから500Wに変化した際には、今回値_dutyは500Wに相当する−4%であり、前回値_dutyは1000Wに相当する−10%であるので、フィードフォワード操作量Duty_Bは−6%(=−10%−(−4%))となる。
なお、第1演算器22aは、ステップ216、220の各処理後は、投入電力の今回値を前回値として記憶装置に記憶するとともに、今回値_dutyを前回値_dutyとして記憶した後(ステップ208)、本演算を一旦終了する(ステップ210)。
第2演算器22bは、フィードフォワード制御を遅延させる遅延処理を行うもの(遅延処理器)であり、本実施の形態では、第1演算器22aから入力したフィードフォワード操作量を、熱投入が開始(または終了)された時点から遅延時間だけ遅らせて加算器21cに出力するものである。すなわち、この遅延処理は、入力した信号(値)を遅延時間だけ遅らせて入力信号をそのままの値で出力する処理(すなわちステップ状に変化させる処理)である。例えば、本実施の形態では、熱投入開始時の遅延時間を18秒に設定しており、熱投入が開始された時点から遅延時間が経過するまではフィードフォワード操作量Duty_Bは出力を抑制され(フィードバック制御のみが実行され)、遅延時間経過した時点に、熱投入が開始された時点に第1演算器22aで演算されたフィードフォワード操作量Duty_B(正の値)が出力される。このとき、フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を行うこととなる。
熱投入が終了された際も、開始時と同様な処理が行われる。熱投入終了時の遅延時間を20秒に設定しており、熱投入が終了された時点から遅延時間が経過するまではフィードフォワード操作量Duty_Bは出力を抑制され、遅延時間経過した時点に、熱投入が終了された時点に第1演算器22aで演算されたフィードフォワード操作量Duty_B(負の値)が出力される。
このように、電気ヒータ13bによる熱投入が開始または終了されたときには、その開始または終了に伴う貯湯水循環ポンプ15aの操作量(吐出量(回転数)、流量)の変更に係る遅延要素である遅延時間を設定することになる。
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。燃料電池11が最大発電量である1000Wで発電中(例えば、外部電力負荷33の消費電力に追従して発電するのではなく、予め設定された運転計画に沿って発電する場合)において、時刻t21にて系統電源31が停電した場合、電力変換制御装置17dは電流センサ32aにより停電の発生を検出する。電力変換制御装置17dは、停電の発生を検出すると、上述したように系統開閉器17kをオフしヒータ開閉器17lをオンして燃料電池10の出力電力のうち上述した余剰電力を電気ヒータ13bに供給する。
一方、燃料電池熱媒体循環回路13においては、燃料電池熱媒体循環ポンプ13cによって燃料電池熱媒体が図1に示す矢印の向きに循環している。燃料電池11の発電中においては、その発電に伴って発生する熱が燃料電池熱媒体に回収され、その回収された熱が熱交換器16を介して貯湯水に回収される。このとき、システム制御装置18は、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2が目標温度(例えば65.5℃)または目標温度範囲内(65.5±2℃)となるように、貯湯水循環ポンプ15aの循環流量を調整している(第1制御部21)。
このとき、最初に、上述した第2制御部22によるフィードフォワード制御が行われない場合について、図8を参照して説明する。図8では、電気ヒータへの余剰電力の供給量をg1で示し、貯湯水循環ポンプ15aの吐出量(回転数;Duty)をg2で示し、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2および出口温度T1をg3およびg4でそれぞれ示している。
停電により電気ヒータ13bに熱投入が開始されると(時刻t21)、燃料電池熱媒体循環経路13に対して強制的な熱投入が開始される。この熱投入により発生した熱は、循環する燃料電池熱媒体に回収され、その結果燃料電池熱媒体の温度は上昇し始める。詳細には、燃料電池熱媒体の温度の立上りは、熱投入開始時点(時刻t21)より遅れている。これは次の理由による。熱投入開始時点以降であって、電気ヒータ13bから温度センサ13dまでの燃料電池熱媒体が温度センサ13dを通り過ぎるまでの間においては、電気ヒータ13bから温度センサ13dまでの燃料電池熱媒体は電気ヒータ13bによって加熱されていないからである。
電気ヒータ13bによって加熱された燃料電池熱媒体が最初に温度センサ13dに到達すると(時刻t22)、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2が上昇し始める。すなわち、入口温度T2が熱投入開始時点から遅れて立ち上がる。
時刻t22以降では、第1制御部21のフィードバック制御によって貯湯水循環ポンプ15aの吐出量(回転数)が制御される。しかし、このフィードバック制御は、検出された燃料電池熱媒体の入口温度T2と目標温度との偏差に基づいて貯湯水循環ポンプ15aの吐出量を制御するものである。このため、燃料電池熱媒体の入口温度T2は、電気ヒータ13bの起動(オン)から遅れて立ち上がり(時刻t22)正のピーク値(68.2℃;許容温度範囲の上限値(67.5℃)より0.7℃高い温度である。)を取り(時刻t23)その後負のピーク値を取って(時刻t24)目標温度に収束する。なお、ピーク値の正負は、目標温度より大きい場合が正であり、小さい場合が負である。
これは次の理由による。第1制御部21のフィードバック制御の特性により、偏差(計測温度T2−目標温度)が正である場合には、操作量Dutyは所定の第1操作量から増大する。この場合、偏差がピーク値に達するまでは増大の変化率は大きくなっているが、ピーク値を超えると増大の変化率は小さくなっている。また、偏差が負である場合には、操作量Dutyは減少する。この場合、偏差がピーク値に達するまでは減少の変化率は大きくなっているが、ピーク値を超えると減少の変化率は小さくなっている。さらに、偏差が0である場合には、操作量Dutyは変化しないで、所定の第2操作量(所定の第1操作量から22%加算された値)に維持される。
このように、貯湯水循環ポンプ15aの吐出量は、燃料電池熱媒体の入口温度T2の検出結果に基づいてフィードバック制御されているので、入口温度T2が電気ヒータ13bによる熱投入により温度上昇をして始めて貯湯水循環ポンプ15aの制御が開始される。貯湯水循環ポンプ15aの立ち上がりは、入口温度T2が電気ヒータ13bによる熱投入により温度上昇を開始すること、すなわち、電気ヒータ13bから温度センサ13dまでの経路長および燃料電池熱媒体の流量(燃料電池熱媒体循環ポンプ13cの吐出量)によって決定される。本実施の形態では、電気ヒータ13bをオンした時点(時刻t21)から貯湯水循環ポンプ15aの立ち上がる時点までにかかる時間は、約30秒である。
電気ヒータ13bによる熱投入が開始された場合、電気ヒータ13bのオンから遅れて時刻t23に発生する燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値と電気ヒータ13bの投入熱量との関係f3を図9に示す。関係f3によれば、燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値は、電気ヒータ13bから投入される熱量が大きいほど大きい値をとることになる。図9において、横軸は電気ヒータ13bからの投入熱量(W)を示し、縦軸は燃料電池熱媒体の入口温度T2を目標温度に対する温度差(ΔT℃)で示している。
図9に示すように、燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値が、燃料電池熱媒体の許容温度範囲を超える場合がある。すなわち、熱投入量が約650W以上である場合(例えば熱投入量が750、1000Wの場合)には、燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値が、燃料電池熱媒体の許容温度範囲を超える。この場合、燃料電池11の信頼性が低下するおそれがある。これは以下の理由による。許容温度範囲は燃料電池熱媒体の入口温度T2の目標温度(本実施の形態では65.5℃)に対して±所定温度(本実施の形態では2℃)の範囲内となるように設定されている。この許容温度範囲は、燃料電池11が効率よく発電して高い信頼性を維持して発電する温度(65.5±2℃)に設定されているからである。
その後、停電が終了し(復電し)再連系され、電気ヒータ13bへの電力供給が終了されると(時刻t31)、燃料電池熱媒体循環経路13に対して熱投入が終了される。本ケースにおいては、熱投入開始から10分後に終了されるとする。この熱投入の終了により、燃料電池熱媒体に熱が投入されなくなり、その結果燃料電池熱媒体の温度は下降し始める。詳細には、燃料電池熱媒体の温度の立上りは、熱投入終了時点(時刻t31)より遅れている。これは次の理由による。熱投入終了時点以降であって、電気ヒータ13bから温度センサ13dまでの燃料電池熱媒体が温度センサ13dを通り過ぎるまでの間においては、電気ヒータ13bから温度センサ13dまでの燃料電池熱媒体は電気ヒータ13bによって加熱されているからである。
電気ヒータ13bによって加熱されなくなった燃料電池熱媒体(電気ヒータ13bのオフ時に電気ヒータ13bの直上流位置にあった燃料電池熱媒体)が最初に温度センサ13dに到達すると(時刻t32)、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2が下降し始める。すなわち、入口温度T2が熱投入終了時点から遅れて立ち下がる。
時刻t32以降でも、第1制御部21のフィードバック制御によって貯湯水循環ポンプ15aの吐出量(回転数)が制御される。しかし、このフィードバック制御は、検出された燃料電池熱媒体の入口温度T2と目標温度との偏差に基づいて貯湯水循環ポンプ15aの吐出量を制御するものである。このため、燃料電池熱媒体の入口温度T2は、電気ヒータ13bの非通電(オフ)から遅れて立ち下がり(時刻t32)負のピーク値(63.3℃;許容温度範囲の下限値(63.5℃)より0.2℃低い温度である。)を取り(時刻t33)その後正のピーク値を取って(時刻t34)目標温度に収束する。
これは次の理由による。第1制御部21のフィードバック制御の特性により、偏差(計測温度T2−目標温度)が負である場合には、操作量Dutyは上記所定の第2操作量から減少する。この場合、偏差がピーク値に達するまでは減少の変化率は大きくなっているが、ピーク値を超えると減少の変化率は小さくなっている。また、偏差が正である場合には、操作量Dutyは増大する。この場合、偏差がピーク値に達するまでは増大の変化率は大きくなっているが、ピーク値を超えると増大の変化率は小さくなっている。さらに、偏差が0である場合には、操作量Dutyは変化しないで、上記所定の第1操作量に維持される。
電気ヒータ13bによる熱投入が終了された場合、電気ヒータ13bのオフから遅れて時刻t33に発生する燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値と電気ヒータ13bの投入熱量との関係f4を図9に示す。関係f4によれば、燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値は、電気ヒータ13bから投入されていた熱量が大きいほど大きい値をとることになる。
図9に示すように、燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値が、燃料電池熱媒体の許容温度範囲を超える場合がある。すなわち、熱投入量が約900W以上である場合(例えば熱投入量が1000Wの場合)には、燃料電池熱媒体の入口温度T2のピーク値が、燃料電池熱媒体の許容温度範囲を超える。この場合、燃料電池11の信頼性が低下するおそれがある。
次に、上述した第2制御部22によるフィードフォワード制御も行われる場合について、図10を参照して説明する。図10では、電気ヒータへの電力の供給量をg11で示し、貯湯水循環ポンプ15aの吐出量(回転数;Duty)をg12で示し、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2および出口温度T1をg13およびg14でそれぞれ示している。
電気ヒータ13bに熱投入が開始されると(時刻t41)、燃料電池熱媒体循環経路13に対して強制的な熱投入が開始されることは、上述したとおりである。ところで、電力変換制御装置17dにより電気ヒータ13bに熱投入が開始されると(時刻t41)、電力変換制御装置17dは電気ヒータ13bに熱投入を開始した制御内容(熱投入の開始・その熱投入量(供給電力量))が通信ライン19を介してシステム制御装置18に通知する。これにより、システム制御装置18は、電気ヒータ13bへの供給電力量すなわち熱投入量(熱投入電力量)を認識することができる。本実施の形態では、時刻t41にて、投入電力量が0Wから1000Wに増大することを認識する。
システム制御装置18は、この投入電力量の増大を認識すると、第2制御部22の第1演算器22aによって投入電力の変化量に基づいてフィードフォワード操作量Duty_Bを算出するとともに、第2演算器22bによって遅延処理を実行する。
本実施の形態では、熱投入(投入電力量の0Wから1000Wへの増大)を認識した時点(時刻t41)の貯湯水循環ポンプ15aの操作量を例えば20%とする。この操作量は、フィードフォワード操作量を含んでいないフィードバック操作量Duty_Aのみを含むものである。
投入電力量は0Wから1000Wに増大しているので、第1演算器22aは、図7に示す第1関係f1を使用してフィードフォワード操作量Duty_Bが10%(=10%−0%)であることを算出する。さらに、第2演算器22bは、熱投入開始時の遅延時間を18秒に設定しており、熱投入が開始された時点から遅延時間が経過するまではフィードフォワード操作量Duty_Bの出力を抑制する(フィードバック制御のみが実行される)。すなわち、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2に変動がなければ、貯湯水循環ポンプ15aの操作量は20%のままである。
そして、遅延時間経過した時点(時刻t42)に、熱投入が開始された時点(時刻t41)に第1演算器22aで演算されたフィードフォワード操作量Duty_B(正の値)が出力される。このとき、フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を行うこととなる。すなわち、貯湯水循環ポンプ15aの操作量は、熱投入開始直前のフィードバック操作量Duty_Aである20%に、先に算出して記憶しておいたフィードフォワード操作量Duty_Bである10%を加算した値(30%)である。これにより、システム制御装置18は、遅延時間経過した時点(時刻t42)に貯湯水循環ポンプ15aの操作量を30%に強制的に切り替える。
そして、その切り替え後、システム制御装置18は、電気ヒータ13bによる熱投入量に変化がある場合を除き、フィードフォワード制御を行うことなく、フィードバック制御のみを実行する。換言すると、システム制御装置18は、切り替え後、フィードバック制御のみを実行しているが、電気ヒータ13bによる熱投入量に変化があると、変化があったときにはその時点から遅延時間経過時点のみにフィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を実行する。
本実施の形態では、前述した切り替え後、貯湯水循環ポンプ15aの操作量は、フィードバック制御により所定の第3操作量(例えば33%)に収束される。
このように、電気ヒータ13bのオン時点(時刻t41)から遅延時間を経過した時点(時刻t42)にて、貯湯水循環ポンプ15aの操作量を、フィードバック操作量Duty_Aにフィードフォワード操作量Duty_Bを加えて得た値に切り替える。これにより、電気ヒータ13bの投入熱による燃料電池熱媒体の温度の挙動より先行して貯湯水循環ポンプ15aを制御することができる。すなわち、電気ヒータ13bの熱投入開始による燃料電池熱媒体の急激な温度上昇を、加算したフィードフォワード操作量に相当する貯湯水の循環流量の増量でできるだけ回収することができる。これにより、燃料電池熱媒体の最初の温度変化を小さく抑制することができる。したがって、その切り替え後のフィードバック制御において、燃料電池熱媒体の温度変化が小さいのでフィードバック操作量Duty_Aも小さく抑制できる。その結果、燃料電池熱媒体の温度、ひいては燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2を上述した許容温度範囲内に収めることができ、燃料電池11の信頼性を低下させることなく高く維持することができる。なお、本実施の形態では、燃料電池熱媒体の入口温度T2は、電気ヒータ13bの起動(オン)から遅れて立ち上がり(時刻t42)正のピーク値(66.3℃;許容温度範囲の上限値(67.5℃)より1.2℃低い温度である。)を取りその後目標温度に収束する。
なお、遅延時間は、実験で得たデータまたはシミュレーションにより決定することができる。遅延時間は、フィードフォワード制御の効果を十分発揮させることにより、電気ヒータ13bからの熱投入による燃料電池熱媒体の温度の変動をできるだけ抑制するように設定されている。遅延時間が短いと、貯湯水循環ポンプ15aによる流量の増大または減少の開始が早くなり、フィードフォワード制御の効果を十分に得ることができない。また、遅延時間が長いと、貯湯水循環ポンプ15aによる流量の増大または減少の開始が早くなり、フィードバック制御による影響が発生し燃料電池熱媒体の温度の変動が大きくなってしまい、フィードフォワード制御の効果を十分に得ることができない。
その後、停電が終了し(復電し)再連系され、電気ヒータ13bへの電力供給が終了されると(時刻t51)、燃料電池熱媒体循環経路13に対して熱投入が終了される。本ケースにおいては、熱投入開始から10分後に終了されるとする。この熱投入の終了により、燃料電池熱媒体に熱が投入されなくなり、その結果燃料電池熱媒体の温度は下降し始める。
ところで、電力変換制御装置17dにより電気ヒータ13bへの熱投入が終了されると(時刻t51)、電力変換制御装置17dは電気ヒータ13bに熱投入を終了した制御内容(熱投入の終了・終了前後の熱投入量(供給電力量))が通信ライン19を介してシステム制御装置18に通知する。これにより、システム制御装置18は、電気ヒータ13bへの供給電力量すなわち熱投入量(熱投入電力量)を認識することができる。本実施の形態では、時刻t51にて、投入電力量が1000Wから0Wに減少することを認識する。
システム制御装置18は、この投入電力量の減少(熱投入の終了)を認識すると、第2制御部22の第1演算器22aによって投入電力の変化量に基づいてフィードフォワード操作量Duty_Bを算出するとともに、第2演算器22bによって遅延処理を実行する。
本実施の形態では、熱投入(投入電力量の1000Wから0Wへの減少)を認識した時点(時刻t51)の貯湯水循環ポンプ15aの操作量は上述したように例えば33%である。この操作量は、フィードフォワード操作量を含んでいないフィードバック操作量Duty_Aのみを含むものである。
投入電力量は1000Wから0Wに減少しているので、第1演算器22aは、図7に示す第2関係f2を使用してフィードフォワード操作量Duty_Bが−10%(=−10%−0%)であることを算出する。さらに、第2演算器22bは、熱投入開始時の遅延時間を20秒に設定しており、熱投入が終了された時点から遅延時間が経過するまではフィードフォワード操作量Duty_Bの出力を抑制する(フィードバック制御のみが実行される)。すなわち、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2に変動がなければ、貯湯水循環ポンプ15aの操作量は33%のままである。
そして、遅延時間経過した時点(時刻t52)に、熱投入が終了された時点(時刻t51)に第1演算器22aで演算されたフィードフォワード操作量Duty_B(負の値)が出力される。このとき、フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を行うこととなる。すなわち、貯湯水循環ポンプ15aの操作量は、熱投入終了直前のフィードバック操作量Duty_Aである33%に、先に算出して記憶しておいたフィードフォワード操作量Duty_Bである−10%を加算した値(23%)である。これにより、システム制御装置18は、遅延時間経過した時点(時刻t52)に貯湯水循環ポンプ15aの操作量を23%に強制的に切り替える。
そして、その切り替え後、システム制御装置18は、電気ヒータ13bによる熱投入量に変化がある場合を除き、フィードフォワード制御を行うことなく、フィードバック制御のみを実行する。換言すると、システム制御装置18は、切り替え後、フィードバック制御のみを実行しているが、電気ヒータ13bによる熱投入量に変化があると、変化があったときにはその時点から遅延時間経過時点のみにフィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を実行する。
本実施の形態では、前述した切り替え後、貯湯水循環ポンプ15aの操作量は、フィードバック制御により所定の第4操作量(例えば23%)に収束される。
このように、電気ヒータ13bのオフ時点(時刻t51)から遅延時間を経過した時点(時刻t52)にて、貯湯水循環ポンプ15aの操作量を、フィードバック操作量Duty_Aにフィードフォワード操作量Duty_Bを加えて得た値に切り替える。これにより、電気ヒータ13bの投入熱による燃料電池熱媒体の温度の挙動より先行して貯湯水循環ポンプ15aを制御することができる。すなわち、電気ヒータ13bの熱投入終了により燃料電池熱媒体が温度下降しても、算出した(加算した)フィードフォワード操作量に相当する貯湯水の循環流量で、必要以上に燃料電池熱媒体から貯湯水へ熱を回収しないようにすることができる。これにより、燃料電池熱媒体の最初の温度変化を小さく抑制することができる。したがって、その切り替え後のフィードバック制御において、燃料電池熱媒体の温度変化が小さいのでフィードバック操作量Duty_Aも小さく抑制できる。その結果、燃料電池熱媒体の温度、ひいては燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2を上述した許容温度範囲内に収めることができ、燃料電池11の信頼性を低下させることなく高く維持することができる。なお、本実施の形態では、燃料電池熱媒体の入口温度T2は、電気ヒータ13bのオフから遅れて立ち下がり(時刻t52)負のピーク値(64.2℃;許容温度範囲の下限値(63.5℃)より0.8℃高い温度である。)を取りその後目標温度に収束する。
また、燃料電池11の最大発電量である1000Wの発電電力全てが余剰電力分として電気ヒータ13bに投入された場合、燃料電池11の入口温度T2の温度変動は許容範囲内に抑制される。そして、燃料電池11の信頼性を高く維持することができる。したがって、0Wから1000Wに最大変化量にて変化した場合でさえ、温度変動を許容範囲内に収めることができるので、変化量が最大変化量より小さい場合でも、温度変動を許容範囲内に収めることができる。
さらに、停電が所定時間より長いときに燃料電池10の出力電力を減少させるように制御する場合について図11を参照して説明する。図11は、電気ヒータへの電力の供給量をg31で示し、貯湯水循環ポンプ15aの吐出量(回転数;Duty)をg32で示し、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2および出口温度T1をg33およびg34でそれぞれ示している。
この場合、システム制御装置18は、上述したステップ118の処理を行って燃料電池10の出力を減少させ、最終的に最低出力に維持する。例えば、停電時の出力が最高出力1000Wである場合、最高出力1000Wから段階的に最低出力300Wに低下される。これに伴って、電気ヒータ13bでの消費電力は低下していく(例えば、段階的に1000W、750W、500W、250W)。時刻t61に電気ヒータ13bへの投入電力が1000Wから750Wになり、時刻t62に投入電力が750Wから500Wになり、時刻t63に投入電力が500Wから250Wになり、時刻t64に投入電力が250Wから0Wになっている。なお、時刻t60から時刻t65の間に燃料電池出力を最低出力1000Wから最高出力300Wに低下させている。換言すると、時刻t60から出力低下が開始し、時刻55に出力低下が終了する。
この場合においても、各時刻t61〜t64において投入電力が減少しても、図7に示す第2関係f2からその減少量に応じてフィードフォワード操作量を適切に算出することができる。その算出したフィードフォワード操作量とこれと並行して算出されるフィードバック操作量とから総操作量を適切に算出することができる。そして、その総操作量で貯湯水循環ポンプ15aを制御するので、燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2を許容温度範囲内に制御することができる。
また、系統電源31の停電の継続中であって燃料電池の発電中において(図12に示すステップ302で「YES」と判定する場合において)、システム制御装置18は、燃料電池熱媒体の検出温度と燃料電池熱媒体の目標温度の差が所定状態となったときに(ステップ306で「YES」と判定し)、燃料電池の発電運転を中止すると判断する(ステップ308)。所定状態は、例えばその差が3℃の状態が2分継続した場合である。なお、所定状態は、温度差と時間あるいは温度差によって検出する。このとき、温度差と時間によって検出する場合には、温度差が小さいときには時間を長く設定する。また、温度差が所定より大きいときには温度差のみを使用する。これにより、別の検出部材を設けることなく簡単な構成かつ低コストで、発電運転の中止時期を確実に判断することができ、ひいては停電中の発電運転をできるだけ長時間継続することができる。
なお、電力変換制御装置17dは、電気ヒータ13bへの電力供給量を制御して燃料電池熱媒体に投入される熱量を制御する熱投入制御手段であり、システム制御装置18は、貯湯水循環ポンプ15aの吐出量(回転数)を制御して貯湯水循環回路15を循環する貯湯水流量を制御する貯湯水流量制御手段である。制御手段は、電力変換制御装置17dおよびシステム制御装置18から構成され、または電力変換制御装置17dおよびシステム制御装置18のいずれかから構成される。
上述した説明から明らかなように、本実施の形態においては、発電した電力を系統電源31に接続された外部電力負荷33に供給する燃料電池10の排熱を回収蓄熱する回収蓄熱手段20が、燃料電池10と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路13を少なくとも備え、かつ、その燃料電池熱媒体循環回路13上に、供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器(電気ヒータ)13bが設けられている。制御手段(電力変換制御装置17d、システム制御装置18)が、系統電源31の停電時に、燃料電池10の出力電力を電力熱変換器13bに供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路13への熱投入を行うことで燃料電池10の発電エネルギーを回収する。これにより、燃料電池10の発電中に系統電源31の停電が発生したとき、燃料電池10の出力電力エネルギーを電力熱変換器13bで熱エネルギーに変換して回収蓄熱手段20により回収することにより、システムのエネルギー効率を高く維持することができる。
また、本実施の形態においては、発電した電力を系統電源31に接続された外部電力負荷33に供給する燃料電池10から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して外部電力負荷33に出力する機能を少なくとも有する電力変換器17cが備えられている。電力変換器17cと外部電力負荷33との間に、開閉可能な系統開閉器17kが設けられている。燃料電池10の排熱を燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段20が、燃料電池10と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路13を少なくとも備えている。その燃料電池熱媒体循環回路13上に、供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器(電気ヒータ)13bが設けられている。その電力熱変換器13bは、電力変換器内17cにまたは該電力変換器17cと系統開閉器17kとの間に接続されている。そして、制御手段(電力変換制御装置17d、システム制御装置18)は、系統電源31の停電時に、系統開閉器17kを開状態とし、燃料電池10の出力電力を電力変換器17cを介して電力熱変換器13bに供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路13への熱投入を行うことで燃料電池10の発電エネルギーを回収する。これにより、燃料電池10の発電中に系統電源31の停電が発生したとき、燃料電池10の出力電力エネルギーを電力熱変換器13bで熱エネルギーに変換して回収蓄熱手段20により回収することにより、システムのエネルギー効率を高く維持することができる。これに加えて、電力熱変換器13bが電力変換器17c内にまたは該電力変換器17cと系統開閉器17kとの間に接続されているので、電力変換器17cと外部電力負荷33との間に設けられた開閉可能な系統開閉器17kを制御することで、燃料電池10の運転を停止することなく、システムを適切に運転した上でエネルギー効率を高く維持することができる。
また、本実施の形態においては、発電した電力を系統電源31に接続された外部電力負荷33に供給する燃料電池10の排熱を回収蓄熱する回収蓄熱手段20が、燃料電池10と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路13を少なくとも備え、かつ、その燃料電池熱媒体循環回路13上に、供給された電力を熱に変換して燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器(電気ヒータ)13bが設けられている。制御手段(電力変換制御装置17d、システム制御装置18)が、系統電源31の停電時に、燃料電池10の出力電力を電力熱変換器13bに供給するように制御して燃料電池熱媒体循環回路13への熱投入を行うことで燃料電池10の発電エネルギーを回収するとともに、停電の種類に応じて該停電時の燃料電池10の発電を制御する。これにより、燃料電池10の発電中に系統電源31の停電が発生したとき、燃料電池10の出力電力エネルギーを電力熱変換器13bで熱エネルギーに変換して回収蓄熱手段20により回収することにより、システムのエネルギー効率を高く維持することができる。これに加えて、停電に伴って外部電力負荷33の電源がオフされて外部電力負荷33での消費電力が低下する場合など要求電力が低下したときにおいて、停電の種類に応じて該停電時の燃料電池の発電運転が制御されるため、要求電力の低下を想定して燃料電池10の出力電力を制御できるので、燃料電池10に投入される燃料ガスを抑制し、不要なエネルギー消費を抑制することができる。
また、貯湯水流量制御手段(システム制御装置18)が、電力熱変換器13bからの熱投入の状態を考慮して、燃料電池熱媒体の温度を所定の温度または所定の温度範囲とするように貯湯水循環手段(貯湯水循環ポンプ15a)を制御する。これにより、電力熱変換器13bからの熱投入の開始、終了、および熱投入中の熱投入量の変化があっても、これらの状況に応じて貯湯水循環手段15aを制御して、燃料電池熱媒体の温度を的確に所定の温度または所定の温度範囲とする。したがって、停電が発生したとき、燃料電池熱媒体の温度を所定の温度または所定の温度範囲となるように適切に制御して、燃料電池11の信頼性を高く維持することができる。
また、電力熱変換器13bを貯湯水循環回路15に設ける場合と比較して、本実施の形態では水道水の比較的高い給水圧がかからないので耐圧性が低い構造とすることができ、停電発生時の熱回収を低コストで達成することが可能となる。
また、熱投入の状態を検知する熱投入状態検知手段(電流センサ17h)をさらに備え、貯湯水流量制御手段(システム制御装置18)は、熱投入状態検知手段17hによって検知された熱投入の状態に応じて貯湯水循環手段(貯湯水循環ポンプ15a)による貯湯水の流量を制御する。これにより、電力熱変換器(電気ヒータ13b)からの熱投入を確実に検知することができ、貯湯水の流量を適切に制御し、ひいては燃料電池熱媒体の温度を適切に制御することができる。
また、貯湯水流量制御手段(システム制御装置18)は、燃料電池熱媒体の検出温度(燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2)と燃料電池熱媒体の目標温度(燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2の目標温度)とに基づいて貯湯水循環手段(貯湯水循環ポンプ15a)のフィードバック制御を行い(第1制御部21)、これに加えて、熱投入の状態変化に基づいて貯湯水循環手段15aのフィードフォワード制御を行う(第2制御部22、図6に示すフローチャート)。これにより、貯湯水循環手段15aの制御は、基本的には燃料電池熱媒体の温度をフィードバック制御し、熱投入の状態が変化してこれに起因して燃料電池熱媒体の温度が変化する際には、熱投入の状態変化によるフィードフォワード制御を加える。したがって、電力熱変換器(電気ヒータ13b)からの熱投入の開始、終了、および熱投入中の熱投入量の変化がある場合、これらの状況に応じて貯湯水循環手段15aを適切に制御して、燃料電池熱媒体の温度を的確に所定の温度または所定の温度範囲とすることができる。
また、貯湯水流量制御手段(システム制御装置18)は、燃料電池熱媒体の検出温度(燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2)と燃料電池熱媒体の目標温度(燃料電池熱媒体の燃料電池11の入口温度T2の目標温度)とに基づいてフィードバック操作量Duty_Aを算出し(第1制御部21)、熱投入量が変化したときに、その変化量に応じたフィードフォワード操作量Duty_Bを算出し(第2制御部22)、そして、フィードバック操作量Duty_Aとフィードフォワード操作量Duty_Bとを加算した総操作量Dutyで貯湯水循環手段(貯湯水循環ポンプ15a)を制御するので、貯湯水循環手段15aの操作量を適切かつ的確に算出し、ひいては貯湯水循環手段15aを適切かつ的確に制御することができる。
また、貯湯水流量制御手段(システム制御装置18)は、電力熱変換器(電気ヒータ13b)による熱投入が開始または終了されたときには、その開始または終了に伴う貯湯水循環手段(貯湯水循環ポンプ15a)の制御の変更に係る遅延要素(遅延時間)を設定する。これにより、電力熱変換器13bからの熱投入の開始時または終了時に、その時点に貯湯水循環手段15aの制御をすぐに変更させるのではなく、所定の遅延時間をおいて貯湯水循環手段15aの制御を変更させたり、または所定の遅延方法において、貯湯水循環手段15aの制御を変更させたりすることができる。したがって、電力熱変換器13bからの熱投入から燃料電池熱媒体の温度変化開始までに時間のずれ(タイムラグ)が生じるが、これに起因して燃料電池熱媒体の急激な温度変化が生じた場合にも、貯湯水循環手段15aをより適切に制御して、燃料電池熱媒体の温度をより的確に所定の温度または所定の温度範囲とすることができる。
また、貯湯水流量制御手段(システム制御装置18)は、熱投入量が変化したときには、変化直後の熱投入量に応じて算出された第1フィードフォワード操作量(今回値_Duty)から変化直前の熱投入量に応じて算出された第2フィードフォワード操作量(前回値_Duty)を減算して得た値をフィードフォワード操作量(Duty_B)として算出する(ステップ216,220)。これにより、熱投入量が変化しても、その変化に応じてフィードフォワード操作量(Duty_Bを適切に算出することができる。
なお、上記実施の形態においては、図7の第1および第2関係f1,f2に示すように、f1(x)の絶対値とf2(x)の絶対値は等しい関係にある。xは任意の投入電力である。すなわち、電気ヒータ13bによる一定の投入電力(例えば1000W)が開始されその後終了される場合、熱投入開始および終了の操作量(フィードフォワード操作量)の絶対値は同一である。これに対し、電力熱変換器(電気ヒータ13b)による熱投入が開始および終了されたときには、それぞれの前記フィードフォワード操作量の絶対値は異なる値に設定されるようにしてもよい。
これによれば、熱投入の開始時の燃料電池熱媒体温度の高くなる側のピークと、熱投入の終了時の低くなる側のピークとでピーク値に相違がある場合でも、それぞれに対してフィードフォワード操作量を適切に設定することが可能となり、貯湯水循環手段(貯湯水循環ポンプ15a)をより適切に制御して、燃料電池熱媒体の温度をより的確に所定の温度または所定の温度範囲とすることができる。
また、上記実施の形態において、遅延処理としては、入力した信号(値)を遅延時間だけ遅らせて入力信号をそのままの値で出力する処理(すなわちステップ状に変化させる処理)を採用したが、これに代えて、一次遅れ処理を採用するようにしてもよい。
また、燃料電池11へ燃料を供給する燃料供給元として、改質器12でなく、水素タンクや水素吸蔵部材を採用した燃料電池システムも本発明を適用することができる。
なお、上述した実施の形態においては、電流センサ(熱投入状態検知手段)17hはインバータシステム17に設けられ、その検出結果(電気ヒータ13bの消費電力)が電力変換制御装置(熱投入制御手段)17dに入力され、さらに通信ライン19を介してシステム制御装置18に入力されるようになっていたが、電流センサ17hをシステム制御装置18に直接接続し、その検出結果(電気ヒータ13bの消費電力)が直接システム制御装置18に入力されるようにしてもよい。これによれば、電力変換制御装置17dとシステム制御装置18と間が通信異常となっても、システム制御装置18のみの判断で上記フィードフォワード制御を実行することができる。
なお、上述した実施の形態においては、系統電源31の周波数や電圧が所定の規格範囲外になっても、系統電源31から直接電力供給を受けて作動するインバータシステム17がその影響を受けることを有効に回避できる。また、系統電源31からインバータシステム17を経ないで、直接電力供給を受ける補機が存在する場合においても、その補機が系統電源31の周波数や電圧が所定の規格範囲外になった場合による影響を受けることを有効に回避できる。
本発明による燃料電池システムの一実施の形態の概要を示す概要図である。 図1に示した電力変換制御装置にて実行される制御プログラムのフローチャートである。 燃料電池の発電中に系統電源が短い時間停電した際の制御例を示すタイムチャートである。 燃料電池の発電中に系統電源が長い時間停電した際の制御例を示すタイムチャートである。 図1に示したシステム制御装置の制御ブロック図である。 図2に示した第1演算器にて実行される制御プログラムのフローチャートである。 ヒータ投入電力とフィードフォワード操作量の関係を示すマップである。 図5に示した制御ブロック図で第1制御部のみで制御した場合であって、所定の投入電力を開始し終了したもののタイムチャートである。 図5に示した制御ブロック図で第1制御部のみで制御した場合の投入熱量と燃料電池熱媒体温度との関係を示す図である。 図5に示した制御ブロック図で第1および第2制御部の両方を使って制御した場合であって、所定の投入電力を開始し終了したもののタイムチャートである。 図5に示した制御ブロック図で第1および第2制御部の両方を使って制御した場合であって、投入電力を段階的に減少させるもののタイムチャートである。 図1に示したシステム制御装置にて実行される制御プログラムのフローチャートである。
符号の説明
11…燃料電池、12…改質器、13…燃料電池熱媒体循環回路、13a…第1温度センサ、13b…電気ヒータ(電力熱変換器)、13c…燃料電池熱媒体循環ポンプ、13d…第2温度センサ、14…貯湯槽、15…貯湯水循環回路、15a…貯湯水循環ポンプ(貯湯水循環手段)、16…熱交換器、17…インバータシステム、17a…DC/DCコンバータ、17b…DC/ACインバータ、17c…電力変換器、17d…電力変換制御装置(熱投入制御手段、制御手段)、17e…整流回路、17k…系統開閉器、17l…ヒータ開閉器、18…燃料電池システム制御装置(システム制御装置:貯湯水流量制御手段、制御手段)、18a…マイクロプロセッサ、19…通信ライン(通信手段)、20…排熱回収システム(回収蓄熱手段)、21,22…第1および第2制御部、21a…減算器、21b…制御器、21c…加算器、21d…上下限処理器、22a…第1演算器、22b…第2演算器、31…系統電源、32…電源ライン、32a…電流センサ、33…外部電力負荷。

Claims (10)

  1. 発電した電力を、系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池と、
    前記燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、前記燃料電池の排熱を前記燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段と、
    前記燃料電池熱媒体循環回路上に設けられ供給された電力を熱に変換して前記燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器と、
    前記系統電源の異常時に、前記燃料電池の出力電力を前記電力熱変換器に供給するように制御して前記燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで前記燃料電池の発電エネルギーを回収する制御手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 発電した電力を、系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池と、
    前記燃料電池から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して前記外部電力負荷に出力する機能を少なくとも有する電力変換器と、
    前記電力変換器と前記外部電力負荷との間に開閉可能に設けられた系統開閉器と、
    前記燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、前記燃料電池の排熱を前記燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段と、
    前記燃料電池熱媒体循環回路上に設けられ、かつ前記電力変換器内にまたは該電力変換器と前記系統開閉器との間に接続され、前記電力変換器から供給された電力を熱に変換して前記燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器と、
    前記系統電源の異常時に、前記系統開閉器を開状態とし、前記燃料電池の出力電力を前記電力変換器を介して前記電力熱変換器に供給するように制御して前記燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで前記燃料電池の発電エネルギーを回収する制御手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 発電した電力を、系統電源に接続された外部電力負荷に供給する燃料電池と、
    前記燃料電池と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路を少なくとも備え、前記燃料電池の排熱を前記燃料電池熱媒体によって回収蓄熱する回収蓄熱手段と、
    前記燃料電池熱媒体循環回路上に設けられ供給された電力を熱に変換して前記燃料電池熱媒体を加熱する電力熱変換器と、
    前記系統電源の異常時に、前記燃料電池の出力電力を前記電力熱変換器に供給するように制御して前記燃料電池熱媒体循環回路への熱投入を行うことで前記燃料電池の発電エネルギーを回収するとともに、前記異常の種類に応じて該異常時の前記燃料電池の発電を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、
    前記回収蓄熱手段は、貯湯水を貯水可能な貯湯槽と、
    前記貯湯槽に連通され前記貯湯水が循環する貯湯水循環回路と、
    前記燃料電池熱媒体循環回路を循環する前記燃料電池熱媒体と前記貯湯水循環回路を循環する前記貯湯水とが熱交換する熱交換器と、
    前記貯湯水を循環させる貯湯水循環手段と、をさらに備え、
    前記電力熱変換器からの前記熱投入の状態を考慮して、前記燃料電池熱媒体の温度を所定の温度または所定の温度範囲とするように前記貯湯水循環手段を制御する貯湯水流量制御手段、をさらに備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項4において、
    前記熱投入の状態を検知する熱投入状態検知手段をさらに備え、
    前記貯湯水流量制御手段は、前記熱投入状態検知手段によって検知された前記熱投入の状態に応じて前記貯湯水循環手段による前記貯湯水の流量を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項4または請求項5において、
    前記貯湯水流量制御手段は、前記燃料電池熱媒体の検出温度と前記燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいて前記貯湯水循環手段のフィードバック制御を行い、これに加えて、前記熱投入の状態変化に基づいて前記貯湯水循環手段のフィードフォワード制御を行うことを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項6において、前記貯湯水流量制御手段は、前記燃料電池熱媒体の検出温度と前記燃料電池熱媒体の目標温度とに基づいてフィードバック操作量を算出し、前記熱投入量が変化したときに、その変化量に応じたフィードフォワード操作量を算出し、そして、前記フィードバック操作量と前記フィードフォワード操作量とを加算した総操作量で前記貯湯水循環手段を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項7において、前記貯湯水流量制御手段は、前記電力熱変換器による熱投入が開始または終了されたときには、その開始または終了に伴う前記貯湯水循環手段の制御の変更に係る遅延要素を設定することを特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項7または請求項8において、前記貯湯水流量制御手段は、前記熱投入量が変化したときには、変化直後の熱投入量に応じて算出された第1フィードフォワード操作量から変化直前の熱投入量に応じて算出された第2フィードフォワード操作量を減算して得た値を前記フィードフォワード操作量として算出することを特徴とする燃料電池システム。
  10. 請求項6乃至請求項9の何れか一項において、前記系統電源の異常の継続中であって前記燃料電池の発電中において、前記貯湯水流量制御手段は、前記燃料電池熱媒体の検出温度と前記燃料電池熱媒体の目標温度の差が所定状態となったときに、前記燃料電池の発電運転を中止すると判断することを特徴とする燃料電池システム。

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