(本開示の基礎となった知見)
直流電力を発電し、直流電力をインバータで交流電力に変換し、交流電力を系統電源に逆潮流させることと負荷に供給することとが可能な電力システムであって、燃料電池発電システムを含むシステムを考える。そのような電力システムでは、系統電源の停電時には燃料電池発電システムからインバータを介して負荷に電力を供給し、系統電源の非停電時には別の発電システムからインバータを介して系統電源に電力を逆潮流させることができる。そのようにする場合、停電時にはインバータと負荷とを接続する電気経路が確立され、非停電時にはインバータと系統電源とを接続する電気経路が確立されるように、電力システムを構成することが考えられる。上記別の発電システムとして、例えば、太陽光発電システムを採用できる。
このように構成された電力システムにおいては、系統電源の停電時には、天候に左右されずに発電できるという燃料電池発電システムの長所を活かして負荷に電力を供給できる。一方、系統電源の非停電時には、上記別の発電システムの発電電力を系統電源に逆潮流させることにより、電力システムのユーザは金銭的なメリットを享受できる。
上記のように構成された電力システムにおいて、停電発生から復電まで燃料電池発電システムから負荷に継続して電力を供給すると、ユーザにとって便利である。ただし、復電に伴いインバータと系統電源とを接続する電気経路が確立されたにも関わらず燃料電池発電システムからインバータへの直流電力供給が継続されていると、燃料電池発電システムから系統電源への電力の逆潮流が生じるおそれがある。そこで、本発明者らは、燃料電池発電システムからインバータへの直流電力供給を系統電源が復電したときに終了させるのに適した技術を検討した。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る電力システムは、
系統電源と連系する電力システムであって、
燃料電池と、受電部と、前記受電部に接続された交流負荷と、を有する燃料電池発電システムと、
直流電力を交流電力に変換するインバータと、
電流検出部であって、該電流検出部の測定値を表す信号を前記燃料電池発電システムに送信する電流検出部と、
複数の分岐ブレーカーを含む第1分岐部と、二次連系ブレーカーと、を有する第1分電盤と、
複数の分岐ブレーカーを含む第2分岐部を有する第2分電盤と、
系統電力入力部および自立電力入力部を含む複数の入力部と、電力出力部と、を有し、
前記複数の入力部のいずれを前記電力出力部に接続するかを切り替える電力切替ユニットと、を備え、
前記燃料電池発電システムから前記インバータに直流電力を導く直流出力経路と、
前記インバータから前記自立電力入力部に交流電力を導く自立運転時用経路と、
前記系統電源から接続点、前記電流検出部および前記第1分岐部をこの順に介して前記系統電力入力部に交流電力を導く系統電力供給経路と、
前記電力出力部から前記第2分岐部を介して前記受電部に交流電力を導く受電部行き経路と、
前記インバータから前記接続点を介して前記系統電源に交流電力を導く逆潮流経路と、
前記燃料電池発電システムから前記二次連系ブレーカーを介して前記第1分岐部に交流電力を導く交流出力経路と、が設けられ、
前記系統電源の停電時に、前記燃料電池発電システムから前記直流出力経路を介した前記インバータへの直流電力供給と、前記インバータによるDC−AC変換と、前記インバータから前記自立運転時用経路および前記電力切替ユニットを介した前記第2分電盤への交流電力給電と、が行われ、
前記交流負荷で電力を消費させているときに前記電流検出部の前記測定値が前記系統電源が復電していることを示す値であるという条件を第1条件と定義したとき、
前記第1条件が成立していることのM1回の検出がなされた場合に、前記直流電力供給を終了させる。
ここで、M1は、1以上の自然数である。
第1態様に係る技術は、系統電源が復電したときに燃料電池発電システムからインバータへの直流電力供給を終了するのに適している。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る電力システムでは、
前記M1回の検出は、複数回の連続検出であってもよい。
第2態様によれば、系統電源が復電している蓋然性が高いときに、直流電力供給を終了させることができる。
本開示の第3態様において、例えば、第1態様または第2態様に係る電力システムは、
前記交流負荷で電力を消費させていないときに前記電流検出部の測定値が前記系統電源が復電していることを示す値であるという条件を第2条件と定義したとき、
前記第2条件が成立していることのM2回の連続検出がなされた場合にも、前記直流電力供給を終了させてもよく、
前記第2条件の1回の検出はなされたものの前記M2回の連続検出はなされなかった場合に、前記交流負荷で電力を消費させてもよい。
ここで、M2は、2以上の自然数である。
第3態様によれば、系統電源が復電している蓋然性が高いことを第2条件を用いて確認できたときに、燃料電池発電システムの交流負荷で電力を消費させることなく直流電力供給を終了させることができる。
本開示の第4態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係る電力システムは、
前記交流出力経路を通じて前記燃料電池発電システムに入力される電圧が前記系統電源が復電していることを示す値であるという条件を第3条件と定義したとき、
前記第3条件が成立していることのM3回の連続検出がなされた場合にも、前記直流電力供給を終了させてもよく、
前記第3条件の1回の検出はなされたものの前記M3回の連続検出はなされなかった場合に、前記交流負荷で電力を消費させてもよい。
ここで、M3は、2以上の自然数である。
第4態様によれば、系統電源が復電している蓋然性が高いことを第3条件を用いて確認できたときに、燃料電池発電システムの交流負荷で電力を消費させることなく直流電力供給を終了させることができる。
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る電力システムは、
太陽光発電パネルを有する太陽光発電システムをさらに備えていてもよく、
前記太陽光発電システムから前記インバータに直流電力を導く経路が設けられていてもよい。
第5態様の電力システムは、電力システムの具体例である。
本開示の第6態様において、例えば、第1から第5態様のいずれか1つに係る電力システムは、
蓄電装置をさらに備えていてもよく、
前記蓄電装置から前記インバータに直流電力を導く経路が設けられていてもよい。
第6態様の電力システムは、電力システムの具体例である。
本開示の第7態様において、例えば、第1から第6態様のいずれか1つに係る電力システムは、
太陽光発電パネルを有する太陽光発電システムと、
蓄電装置と、をさらに備えていてもよく、
前記太陽光発電システムから前記蓄電装置に直流電力を導く経路と、
前記燃料電池発電システムから前記蓄電装置に直流電力を導く経路と、
が設けられていてもよい。
第7態様によれば、太陽光発電システムからのみならず、燃料電池発電システムからも、蓄電装置を充電することができる。
本開示の第8態様において、例えば、第1から第7態様のいずれか1つに係る電力システムは、
太陽光発電パネルを有する太陽光発電システムと、
蓄電装置と、
コンセントと、をさらに備えていてもよく、
前記太陽光発電システムから前記インバータ、前記自立運転時用経路、前記電力切替ユニットおよび前記第2分岐部をこの順に介して前記コンセントに電力を導く経路と、
前記燃料電池発電システムから前記インバータ、前記自立運転時用経路、前記電力切替ユニットおよび前記第2分岐部をこの順に介して前記コンセントに電力を導く経路と、
前記蓄電装置から前記インバータ、前記自立運転時用経路、前記電力切替ユニットおよび前記第2分岐部をこの順に介して前記コンセントに電力を導く経路と、が設けられていてもよい。
第8態様によれば、太陽光発電システムおよび蓄電装置から電力が供給されるコンセントに、燃料電池発電システムからも電力を供給できる。このことは、以下の理由で、停電時に便利である。すなわち、夜、雨天時などには、太陽光発電システムは発電できない。仮に上記コンセントに燃料電池発電システムから電力を供給できないとすると、夜、雨天時などに停電が続く場合において、上記コンセントから電力を取り出し可能な期間は蓄電装置のみに基づく限られたものとなる。これに対し、第8態様では、上記コンセントに燃料電池発電システムから電力を供給できるため、上記期間を延ばすことができる。夜、雨天時などに停電が続く場合において、別のコンセントへの差し替えなしで1つのコンセントから長時間電力を取り出せることは、ユーザにとって便利である。
本開示の第9態様において、例えば、第8態様に係る電力システムでは、
前記蓄電装置から前記インバータ、前記自立運転時用経路、前記電力切替ユニットおよび前記第2分岐部をこの順に介して前記受電部に電力を導く経路が設けられていてもよい。
第8態様に関する上述の説明から理解されるように、第8態様の蓄電装置は、停電時にコンセントに電力を供給可能な非常用電源として機能する。第9態様の蓄電装置は、さらに、停電時に燃料電池発電システムの受電部に電力を供給可能な非常用電源としても機能
する。第9態様によれば、停電時に燃料電池発電システムを起動させるための専用電源を省略することができる。
本開示の第10態様に係る制御方法は、
燃料電池と、受電部と、前記受電部に接続された交流負荷と、を有する燃料電池発電システムと、
直流電力を交流電力に変換するインバータと、
電流検出部であって、該電流検出部の測定値を表す信号を前記燃料電池発電システムに送信する電流検出部と、
複数の分岐ブレーカーを含む第1分岐部と、二次連系ブレーカーと、を有する第1分電盤と、
複数の分岐ブレーカーを含む第2分岐部を有する第2分電盤と、
系統電力入力部および自立電力入力部を含む複数の入力部と、電力出力部と、を有し、
前記複数の入力部のいずれを前記電力出力部に接続するかを切り替える電力切替ユニットと、を備え、
前記燃料電池発電システムから前記インバータに直流電力を導く直流出力経路と、
前記インバータから前記自立電力入力部に交流電力を導く自立運転時用経路と、
系統電源から接続点、前記電流検出部および前記第1分岐部をこの順に介して前記系統電力入力部に交流電力を導く系統電力供給経路と、
前記電力出力部から前記第2分岐部を介して前記受電部に交流電力を導く受電部行き経路と、
前記インバータから前記接続点を介して前記系統電源に交流電力を導く逆潮流経路と、
前記燃料電池発電システムから前記二次連系ブレーカーを介して前記第1分岐部に交流電力を導く交流出力経路と、が設けられ、
前記系統電源の停電時に、前記燃料電池発電システムから前記直流出力経路を介した前記インバータへの直流電力供給と、前記インバータによるDC−AC変換と、前記インバータから前記自立運転時用経路および前記電力切替ユニットを介した前記第2分電盤への交流電力給電と、が行われる、電力システムの制御方法であって、
前記交流負荷で電力を消費させているときに前記電流検出部の前記測定値が前記系統電源が復電していることを示す値であるという条件を第1条件と定義したとき、
前記第1条件が成立していることのM1回の検出がなされた場合に、前記直流電力供給を終了させることを含む。
ここで、M1は、1以上の自然数である。
第10態様に係る技術は、系統電源が復電したときに燃料電池発電システムからインバータへの直流電力供給を終了するのに適している。
実施形態では、第1、第2、第3・・・という序数詞を用いることがある。ある要素に序数詞が付されている場合に、より若番の同種類の要素が存在することは必須ではない。例えば、第3接続点という用語は、第3接続点とともに第1接続点および第2接続点が必ず存在することを意として使用されているわけではない。
実施形態では、経路という用語を用いることがある。経路は、複数の線路を有し得るものである。接続点等についても同様である。例えば、単相3線式の経路は、2本の非接地線路と1本の接地線路を有する。単相3線式の経路どうしの接続点は、経路における各線路の接続がなされている箇所を含むある範囲の領域を示す意で使用されていると理解するべきである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態)
図1および図2は、本実施の形態に係る電力システム300のブロック図である。具体的には、図1は、系統連系時の電力の流れの例を示している。図2は、停電時の電力の流れの例を示している。これらの図において、実線は、電力が電路を流れていることを表す。点線は、電力が電路を流れていないことを表す。また、VAC1およびVAC2は、交流電圧を表す。交流電圧VAC1の実効値は、交流電圧VAC2の実効値よりも小さい。交流電圧VAC1の実効値は、例えば100Vである。交流電圧VAC2の実効値は、例えば200Vである。この例では、交流電圧VAC1の電路または経路は、単相2線式の2本の電線により実現されている。また、交流電圧VAC2の電路または経路は、単相3線式の3本の電線のうちの2本の非接地線路により実現されている。
電力システム300は、系統電源200と連系する。電力システム300には、系統電源200から電力が供給され得る。また、電力システム300は、系統電源200に電力を逆潮流させ得る。電力システム300は、パワーステーション10と、燃料電池発電システム40と、基板60と、太陽光発電システム31および32と、蓄電装置25と、電力切替ユニット28と、第1分電盤80と、第2分電盤90と、負荷251,252および253と、コンセント260と、電流検出部27と、を有する。以下では、第1分電盤80を主分電盤80と称することがある。また、第2分電盤90を自立分電盤90と称することがある。
[パワーステーション10]
パワーステーション10は、直流電力変換装置20と、第1DCバス11と、第4DCDCコンバータ12と、第1インバータ13と、を有する。
直流電力変換装置20は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システム対して最大電力点追従制御を実行できるように設計されている。太陽光発電システムは、太陽光発電パネルを用いて発電するシステムである。以下では、最大電力点追従制御を、MPPT制御と称することがある。
直流電力変換装置20には、太陽光発電システム31および32ならびに燃料電池発電システム40から直流電力が入力される。直流電力変換装置20から出力された直流電力は、第1DCバス11に供給される。
具体的には、直流電力変換装置20は、第1DCDCコンバータ21と、第2DCDCコンバータ22と、第3DCDCコンバータ23と、を有する。第1DCDCコンバータ21には、燃料電池発電システム40から直流電力が入力される。第2DCDCコンバータ22には、第1太陽光発電システム31から直流電力が入力される。第3DCDCコンバータ23には、第2太陽光発電システム32から直流電力が入力される。これらのDCDCコンバータ21,22および23から出力された直流電力は、第1DCバス11に供給される。
第4DCDCコンバータ12は、第1DCバス11から入力された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。第4DCDCコンバータ12で変換された直流電力は、蓄電装置25に供給される。また、第4DCDCコンバータ12は、蓄電装置25から入力された電力を、電圧の異なる直流電力に変換し、第1DCバス11に供給する。つまり、第4DCDCコンバータ12は、双方向DCDCコンバータである。第4DCDCコンバータ12は、蓄電装置25の端子電圧が定格範囲となるように動作する。
第1インバータ13は、直流電力を交流電力に変換する。具体的には、第1インバータ13は、第1DCバス11から入力された直流電力を、電圧VAC1または電圧VAC2の交流電力に変換する。第1インバータ13で電圧VAC1の交流電力が得られる場合、その電力は電力切替ユニット28に供給される。第1インバータ13で電圧VAC2の交流電力が得られる場合、その電力は、主分電盤80に供給される。
第1インバータ13は、系統電源200から主分電盤80を介して入力された電圧VAC2の交流電力を、直流電力に変換することもできる。こうして得られた直流電力は、第1DCバス11および第4DCDCコンバータ12を介して蓄電装置25に供給される。
[太陽光発電システム31および32]
本実施形態では、電力システム300は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムを少なくとも1つ備える。当該少なくとも1つの太陽光発電システムで生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給される。
具体的に、太陽光発電システム31および32は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに該当する。第1太陽光発電システム31は、少なくとも1つの太陽光発電パネル36を有する。第1太陽光発電システム31は、該少なくとも1つの太陽光発電パネル36を用いて発電する。第2太陽光発電システム32は、少なくとも1つの太陽光発電パネル37を有する。第2太陽光発電システム32は、該少なくとも1つの太陽光発電パネル37を用いて発電する。太陽光発電システム31および32で生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給される。
[燃料電池発電システム40]
燃料電池発電システム40は、燃料電池41を用いて発電するシステムである。燃料電池発電システム40で生成された直流電力は、直流電力変換装置20に供給され得る。燃料電池発電システム40で生成された交流電力は、主分電盤80に供給され得る。
燃料電池発電システム40は、燃料電池41と、第5DCDCコンバータ42と、第2DCバス43と、第2インバータ44と、第6DCDCコンバータ45と、ヒーター46と、貯湯ユニット47と、制御部51と、低圧電源52と、補機用電源55と、交流負荷56と、電圧検出回路57と、電流検出回路58と、受電部59と、を有する。以下では、補機用電源55を、D1電源55と称することがある。本実施形態では、制御部51は、マイクロコントロールユニット(MCU)である。
燃料電池41は、直流電力を発電する。具体的には、燃料電池41はスタックを含む。そして、スタックが、酸素および水素から直流電力を生成する。
第5DCDCコンバータ42は、燃料電池41で生成された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。この例では、第5DCDCコンバータ42は、燃料電池41で生成された直流電力を昇圧する。昇圧された直流電力は、第2DCバス43に供給される。
第2インバータ44は、第2DCバス43から入力された直流電力を、電圧VAC2の交流電力に変換する。第2インバータ44で得られた交流電力は、主分電盤80に供給される。
第6DCDCコンバータ45は、第2DCバス43から入力された直流電力を、電圧の異なる直流電力に変換する。この例では、第6DCDCコンバータ45は、第2DCバス43から入力された直流電力を降圧する。
ヒーター46は、第6DCDCコンバータ45で変換された直流電力を用いて、水を温める。温められた水(以下、湯と称することがある)は、貯湯ユニット47に貯められる。
仮に、燃料電池41の発電電力が第2インバータ44の出力先の要求負荷よりも大きいときに、燃料電池発電システム40が燃料電池41の発電電力の全てを第2インバータ44から出力したとする。その場合、第2インバータ44から出力された電力のうち要求負荷を超える分(以下、余剰電力と称することがある)が系統電源200に逆潮流されてしまう。逆潮流を避けるために、この例では、余剰電力に所定マージンを加えた電力がゼロよりも大きい場合、その電力を、第2DCバス43から第6DCDCコンバータ45を介してヒーター46に供給する。つまり、第6DCDCコンバータ45は、余剰電力用である。また、ヒーター46は、水を温めつつ、逆潮流を防止する。
交流負荷56は、交流電圧VAC1で駆動する負荷である。この例では、交流負荷56は、燃料電池発電システム40の補機であり、具体的にはヒーターである。
制御部51は、DCDCコンバータ42および45と、第2インバータ44と、後述の保護リレー62とを制御する。低圧電源52は、制御部51と、保護リレー62と、後述の特性変換回路100とに、制御用の電力を供給する。D1電源55は、ポンプ、ブロワ、弁などの、燃料電池発電システム40の補機を動かすのに用いられる。また、制御部51は、電圧検出回路57および電流検出回路58からの信号を受信する。
[基板60]
基板60は、燃料電池発電システム40とパワーステーション10とを接続する経路上に設けられている。基板60には、燃料電池発電システム40から、具体的には第2DCバス43から、直流電力が供給される。基板60は、特性変換回路100と、LCフィルタ61と、保護リレー62と、を有する。
上述の説明から明らかであるように、特性変換回路100は、燃料電池発電システム40と直流電力変換装置20とを接続する経路上、詳細には直流電力の経路上、に設けられている。本実施形態の特性変換回路100は、第1フィードバック回路110と、第2フィードバック回路120と、を有する。第1フィードバック回路110は、特性変換回路100の出力電圧の上限の目標値を規定するのに用いられる。第2フィードバック回路120は、特性変換回路100の出力電力がピークになるときにおける特性変換回路100の出力電圧(以下、最大電力点における出力電圧と称することがある)を所定範囲内の値に調整するのに用いられる。このピークは、具体的には、単一ピークである。
第1フィードバック回路110によれば、特性変換回路100の出力電圧が過度に大きくなることを防止できる。このため、第1フィードバック回路110によれば、燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20に過電圧が入力され直流電力変換装置20が壊れるのを防止できる。
直流電力変換装置20は、出力電圧が所定範囲内にあるときに出力電力が最大になる太陽光発電システムに対して、MPPT制御を実行できるように設計されている。第2フィードバック回路120によれば、その所定範囲内の値へと、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧を調整できる。このため、特性変換回路100のMPPT制御が可能となる。また、特性変換回路100の出力電圧が上記の値となった時点で、特性変換回路100から直流電力変換装置20に送られる電力の増加が停止される。このため、特性変換回路100から直流電力変換装置20に送られる電力が過度に増加することを防止できる。燃料電池発電システム40から特性変換回路100に送られる電力が過度に増加することも防止できる。このため、燃料電池発電システム40の出力電力の増加に伴って燃料電池発電システム40の出力電流が過度に増加することを防止できる。このため、保護機能が働いて燃料電池41の発電が停止され燃料電池発電システム40から直流電力変換装置20への電力供給が停止されることを防止できる。
この例の特性変換回路100について、図3を用いてさらに説明する。図3において、実線は、特性変換回路100の出力電圧と特性変換回路100の出力電力との関係すなわちV−P特性を表す。点線は、特性変換回路100の出力電圧と特性変換回路100の出力電流との関係すなわちV−I特性を表す。一点鎖線は、第1フィードバック回路110の寄与を表す。二点鎖線は、第2フィードバック回路120の寄与を表す。
図3から理解されるように、第1フィードバック回路110により、特性変換回路100のV−I特性は、出力電流が小さい領域において出力電圧が目標値に追従するものとなる。第2フィードバック回路120により、特性変換回路100のV−I特性は、出力電流が大きい領域において出力電流が増加するにつれて出力電圧が低下するものとなる。これらの回路110および120の作用が相俟って、特性変換回路100のV−I特性は、図3の点線に示すものとなる。結果として、特性変換回路100のV−P特性は、図3の実線に示すような、単一ピークを有する上に凸のものとなる。このため、特性変換回路100のMPPT制御が可能となる。
なお、上記の所定範囲内の値は、目標値よりも低い。このため、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧は、目標値よりも低い。また、この例では、特性変換回路100の入力電圧(この例では第2DCバス43における電圧)は、目標値よりも大きい。ただし、入力電圧が目標値よりも小さい場合であっても、図3に示すV−P特性を得ることは可能である。
この例では、上記の所定範囲は、太陽光発電システム31または32の出力電力がピークになるときにおける太陽光発電システム31または32の出力電圧の±20V以内の範囲である実機基準範囲を含む。そして、第2フィードバック回路120は、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧を実機基準範囲内の値に調整するのに用いられる。電力システム300で用いられる太陽光発電システム31または32が分かっている場合、その太陽光発電システムに対するMPPT制御を実施できるように電力システム300を設計することができる。つまり、実機基準範囲を含むように、上記の所定範囲を設定できる。さらに、特性変換回路100の最大電力点における出力電圧が実機基準範囲内の値に調整されるように、特性変換回路100を設計できる。この例の電力システム300は、設計のし易さの観点から有利である。
この例では、直流電力変換装置20は、第1DCDCコンバータ21、第2DCDCコンバータ22および第3DCDCコンバータ23を有する。第1DCDCコンバータ21は、MPPT制御によって、特性変換回路100の出力電圧を変化させる。第2DCDCコンバータ22は、MPPT制御によって、第1太陽光発電システム31の出力電圧を変化させる。第3DCDCコンバータ23は、MPPT制御によって、第2太陽光発電システム32の出力電圧を変化させる。このように、この例では、太陽光発電システム31および32ならびに特性変換回路100を個別にMPPT制御するマルチストリング型の直流電力変換装置20が実現されている。ただし、直流電力変換装置は、これらを一括してMPPT制御する集中型のものであってもよい。
図4に、特性変換回路100の一例を示す。図4の特性変換回路100は、第1フィードバック回路110と、第2フィードバック回路120と、フィードバック電流供給部130と、電圧電流制御回路160と、を有する。
第1フィードバック回路110は、第1抵抗111と、第2抵抗112と、第1シャントレギュレータ115と、を有する。第2フィードバック回路120は、第3抵抗121と、第4抵抗122と、第5抵抗123と、第2シャントレギュレータ125と、電流センサ128と、を有する。フィードバック電流供給部130は、定電圧源131と、第6抵抗132と、を有する。
電流センサ128は、特性変換回路100の出力電流の検出を行う。電流センサ128は、その検出の結果を表すセンサ出力を出力する。本実施形態では、電流センサ128は、その検出の結果を表すセンサ電圧Vsを出力する。電流センサ128は、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほどセンサ電圧Vsを大きく出力する。つまり、センサ電圧Vsは、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほど大きくなる。そのような電流センサ128は、例えば、シャント抵抗を用いて実現できる。
図5に、具体例に係る電流センサ128を示す。電流センサ128は、シャント抵抗128rと、電流センスアンプ128sと、を含む。シャント抵抗128rの抵抗値は、Rsenseである。シャント抵抗128rに電流Iloadが流れると、シャント抵抗128rに電圧RsenseIloadがかかる。電流センスアンプ128sは、電圧RsenseIloadにゲインGを乗じた電圧と、バイアス電圧Vbiasと、の合計電圧を、センサ電圧Vsとして出力する。つまり、本実施形態の電流センサ128が生成するセンサ電圧Vsは、数式1で与えられる。ただし、電流センサ128としてホール素子方式の電流センサ等の他の電流センサを用い、その電流センサの出力をセンサ電圧Vsとして用いてもよい。なお、電流Iloadは、特性変換回路100の出力電流に対応する。「*」は、乗算を表す記号である。
数式1:Vs=Rsense*Iload*G+Vbias
第1フィードバック回路110では、第1抵抗111および第2抵抗112により、特性変換回路100の出力電圧が分圧される。分圧された電圧が、第1抵抗111および第2抵抗112の接続点p1に現れる。以下、第1接続点p1に現れる電圧を、第1参照電圧Vref1と称することがある。第1参照電圧Vref1が、第1シャントレギュレータ115の第1参照電圧端子に入力される。第1参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第6抵抗132、第1シャントレギュレータ115および基準電位をこの順に流れる電流(以下、第1電流と称することがある)i1は、大きくなる。図4において、第1電流i1は、第1シャントレギュレータ115を図示下向きに流れる電流である。
第2フィードバック回路120では、第3抵抗121および第4抵抗122により、特性変換回路100の出力電圧が分圧される。また、電流センサ128が、特性変換回路100の出力電流が大きくなるほど大きくなるセンサ電圧Vsを生成する。第5抵抗123および第4抵抗122により、このセンサ電圧Vsが分圧される。抵抗121および122に由来する分圧電圧に抵抗123および122に由来する分圧電圧が加算された電圧が、3つの抵抗121,122および123の接続点p2に現れる。以下、第2接続点p2に現れる電圧を、第2参照電圧Vref2と称することがある。第2参照電圧Vref2が、第2シャントレギュレータ125の第2参照電圧端子に入力される。第2参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第6抵抗132、第2シャントレギュレータ125および基準電位をこの順に流れる電流(以下、第2電流と称することがある)i2は、大きくなる。図4において、第2電流i2は、第2シャントレギュレータ125を図示下向きに流れる電流である。
特性変換回路100の出力電流が小さい領域では、第2電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第1電流である。一方、特性変換回路100の出力電流が大きい領域では、第1電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第2電流である。つまり、特性変換回路100の出力電流が小さい領域では第1フィードバック回路110によって、特性変換回路100の出力電流が大きい領域では第2フィードバック回路120によって、特性変換回路100における特性変換が行われると言える。そのように回路110および120が動作するように、抵抗111,112,121,122および123ならびにシャントレギュレータ115および125のパラメータが選定されている。
電圧電流制御回路160は、DCDCコンバータである。電圧電流制御回路160の変圧比は、特性変換回路100の出力電圧が上記所定範囲内の値であるときに特性変換回路100の出力電力が最大となるように、センサ出力に応じて変更される。本実施形態では、電圧電流制御回路160は、定電圧源131から流出する電流が大きいほど、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率を小さくする。このように、特性変換回路100は、定電圧源131から流出する電流に応じて上記比率が調整されるようになっている。このような特性変換回路100は、適宜設計可能である。
図6を参照して、本実施形態の第1シャントレギュレータ115についてさらに説明する。第1シャントレギュレータ115は、第1参照電圧端子115aと、第1カソード115Kと、第1アノード115Aと、第1基準電圧源115sと、第1オペアンプ115оと、第1トランジスタ115tと、を含む。第1オペアンプ115оは、非反転増幅端子115оaと、反転増幅端子115оbと、出力端子115оcと、を含む。第1トランジスタ115tは、カソード側端子115taと、アノード側端子115tbと、制御端子115tcと、を含む。非反転増幅端子115оaには、第1参照電圧端子115aに入力された電圧が供給される。反転増幅端子115оbの電圧は、第1基準電圧源115sによって、第1アノード115Aの電圧よりも第1基準電圧Vs1だけ高い電圧に設定されている。第1参照電圧端子115aに第1基準電圧Vs1よりも大きい電圧が入力されることによって非反転増幅端子115оaの電圧が反転増幅端子115оbよりも電圧が大きくなると、出力端子115оcから制御端子115tcに電流が流れ、第1カソード115Kからカソード側端子115taおよびアノード側端子115tbをこの順に介して第1アノード115Aへと第1電流i1が流れる。図6の例では、第1トランジスタ115tは、バイポーラトランジスタであり、具体的にはNPNトランジスタである。カソード側端子115taは、コレクタである。アノード側端子115tbは、エミッタである。制御端子115tcは、ベースである。なお、この説明では、出力端子115оcと制御端子115tcの間で流れる電流、具体的にはベース電流、は十分に小さいものとして無視している。
図6を参照した説明を踏まえて、第1フィードバック回路110の動作を以下のように説明できる。特性変換回路100の出力電圧Voutが大きくなると、第1参照電圧Vref1は大きくなる。第1シャントレギュレータ115では、第1参照電圧Vref1が大きくなることにより第1参照電圧Vref1の第1基準電圧Vs1からの乖離が大きくなればなるほど、第1電流i1が大きくなる。第1電流i1が大きくなると、電流供給電源131から流出する電流が大きくなる。この流出電流が大きくなると、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率は小さくなる。このようにして、第1フィードバック回路110は、電圧電流制御回路160と協働して、特性変換回路100の出力電圧Voutを制御する。具体的には、第1フィードバック回路110は、電圧電流制御回路160と協働して、第1参照電圧Vref1が第1基準電圧Vs1に追従するように、特性変換回路100の変圧比を調節する。結果として、特性変換回路100の出力電圧Voutは目標値に追従する。
図7を参照して、本実施形態の第2シャントレギュレータ125についてさらに説明する。第2シャントレギュレータ125は、第2参照電圧端子125aと、第2カソード125Kと、第2アノード125Aと、第2基準電圧源125sと、第2オペアンプ125оと、第2トランジスタ125tと、を含む。第2オペアンプ125оは、非反転増幅端子125оaと、反転増幅端子125оbと、出力端子125оcと、を含む。第2トランジスタ125tは、カソード側端子125taと、アノード側端子125tbと、制御端子125tcと、を含む。非反転増幅端子125оaには、第2参照電圧端子125aに入力された電圧が供給される。反転増幅端子125оbの電圧は、第2基準電圧源125sによって、第2アノード125Aの電圧よりも第2基準電圧Vs2だけ高い電圧に設定されている。第2参照電圧端子125aに第2基準電圧Vs2よりも大きい電圧が入力されることによって非反転増幅端子125оaの電圧が反転増幅端子125оbよりも電圧が大きくなると、出力端子125оcから制御端子125tcに電流が流れ、第2カソード125Kからカソード側端子125taおよびアノード側端子125tbをこの順に介して第2アノード125Aへと第2電流i2が流れる。図7の例では、第2トランジスタ125tは、バイポーラトランジスタであり、具体的にはNPNトランジスタである。カソード側端子125taは、コレクタである。アノード側端子125tbは、エミッタである。制御端子125tcは、ベースである。なお、この説明では、出力端子125оcと制御端子125tcの間で流れる電流、具体的にはベース電流、は十分に小さいものとして無視している。
図7を参照した説明を踏まえて、第2フィードバック回路120の動作を以下のように説明できる。特性変換回路100の出力電圧Voutが大きくなると、また、特性変換回路100の出力電流が大きくなってセンサ電圧Vsが大きくなると、第2参照電圧Vref2は大きくなる。第2シャントレギュレータ125では、第2参照電圧Vref2が大きくなることにより第2参照電圧Vref2の第2基準電圧Vs2からの乖離が大きくなればなるほど、第2電流i2が大きくなる。第2電流i2が大きくなると、電流供給電源131から流出する電流が大きくなる。この流出電流が大きくなると、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率は小さくなる。このようにして、第2フィードバック回路120は、電圧電流制御回路160と協働して、特性変換回路100の出力電圧Voutを制御する。具体的には、第2フィードバック回路120は、電圧電流制御回路160と協働して、第2参照電圧Vref2が第2基準電圧Vs2に追従するように、特性変換回路100の変圧比を調節する。
第2フィードバック回路120による第2フィードバック制御において、特性変換回路100の出力電流が大きくなりセンサ電圧Vsが大きくなると、電流センサ128から第5抵抗123を介して第2接続点p2に流れる電流が大きくなる。第2シャントレギュレータ125により、第2参照電圧Vref2は、一定の第2基準電圧Vs2に追従する。この追従を実現するために、第4抵抗122には、一定の電流が流れる。このことは、第5抵抗123を第2接続点p2に向かって流れる上記電流が大きくなると、第3抵抗121を第2接続点p2に向かって流れる電流が小さくなることを意味する。この電流が小さくなると、第3抵抗121で生じる電圧が小さくなる。このような理由で、特性変換回路100の出力電流が大きくなると、第2接続点p2の電圧が第2参照電圧Vref2に追従した状態で第3抵抗121で生じる電圧が小さくなる。その結果、特性変換回路100の出力電圧Voutが小さくなる。このようにして、第2フィードバック制御により、図3に示すような、特性変換回路100の出力電圧が大きくなるほど特性変換回路100の出力電流が小さくなる出力電圧−出力電流特性が得られる。
以上の説明から理解されるように、特性変換回路100では、特性変換回路100の出力電流および出力電圧がその後の特性変換回路100の出力電流および出力電圧に反映されるという、フィードバック制御ループが構成されている。フィードバック制御ループは、フィードバック回路110または120を用いて構成されている。
図1および図2に戻って、特性変換回路100の出力電力は、LCフィルタ61および保護リレー62を介して、直流電力変換装置20に、具体的には第1DCDCコンバータ21に、供給される。
[蓄電装置25]
上述のように、蓄電装置25には、第4DCDCコンバータ12から電力が供給される。また、蓄電装置25は、第4DCDCコンバータ12に電力を供給する。
蓄電装置25は、例えば、リチウム電池である。ただし、蓄電装置25として、リチウム電池以外の電池を用いてもよい。蓄電装置25として、キャパシタを用いてもよい。
[電流検出部27]
電流検出部27は、少なくとも1つの電流センサを有している。具体的には、電流検出部27は、少なくとも1つの電流センサによって構成されている。電流センサは、例えば、カレントトランスである。電流検出部27は、系統電源200の停電検出および復電検出に利用可能である。電流検出部27は、電流検出部27の測定値を表す信号を、燃料電池発電システム40に送信する。具体的には、電流検出部27は、上記信号を、電流検出回路58に送信する。図示の例では、電流検出部27と燃料電池発電システム40(具体的には電流検出回路58)とは有線により接続されている。ただし、これらは無線により接続されていてもよい。
[主分電盤80]
主分電盤80は、連系ブレーカー81と、主幹ブレーカー82と、二次連系ブレーカー83と、第1分岐部85と、を有する。第1分岐部85は、複数の分岐ブレーカーを含む。この例では、第1分岐部85は、分岐ブレーカー85a,85bおよび85cを含む。
主幹ブレーカー82は、上流側電路88により、系統電源200と接続されている。上流側電路88は、主幹ブレーカー82を介して下流側電路89に接続されている。
下流側電路89には、二次連系ブレーカー83が接続されている。二次連系ブレーカー83は、主幹ブレーカー82と第2インバータ44とを接続する経路上に設けられている。二次連系ブレーカー83は、第1分岐部85と電気的に接続されている。
下流側電路89には、第1分岐部85も接続されている。第1分岐部85の分岐ブレーカー85aは、主幹ブレーカー82と電力切替ユニット28の系統電力入力部28aとを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー85bは、主幹ブレーカー82と第2負荷252とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー85cは、主幹ブレーカー82と第3負荷253とを接続する経路上に設けられている。
上流側電路88には、第3接続点p3がある。連系ブレーカー81は、第3接続点p3と第1インバータ13とを接続する経路上に設けられている。上流側電路88における第3接続点p3と主幹ブレーカー82との間の位置には、電流検出部27が設けられている。
この例では、系統電源200から第3接続点p3を介して主幹ブレーカー82に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。系統電源200から第3接続点p3および連系ブレーカー81をこの順に介して第1インバータ13に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。第1インバータ13から連系ブレーカー81および第3接続点p3をこの順に介して系統電源200に電圧VAC2の交流電力が逆潮流され得る。第1インバータ13から連系ブレーカー81および第3接続点p3をこの順に介して主幹ブレーカー82に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。二次連系ブレーカー83には、第2インバータ44から電圧VAC2の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85aから電力切替ユニット28に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85bから第2負荷252に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー85cから第3負荷253に電圧VAC2の交流電力が供給され得る。
[電力切替ユニット28]
電力切替ユニット28は、複数の入力部と、電力出力部28cと、を有する。複数の入力部は、系統電力入力部28aおよび自立電力入力部28bを含む。電力切替ユニット28は、複数の入力部のいずれを電力出力部28cに接続するかを切り替える。この例では、電力切替ユニット28は、系統電力入力部28aおよび自立電力入力部28bのいずれを電力出力部28cに接続するかを切り替える。この例では、こうして、電力切替ユニット28は、第1インバータ13と分岐ブレーカー85aとのいずれかを、選択的に、自立分電盤90に、具体的には主幹ブレーカー92に、接続する。
[自立分電盤90]
自立分電盤90は、主幹ブレーカー92と、第2分岐部95を有する。第2分岐部95は、複数の分岐ブレーカーを含む。この例では、第2分岐部95は、分岐ブレーカー95a,95bおよび95cを含む。
主幹ブレーカー92は、上流側電路98により、電力切替ユニット28と接続されている。上流側電路98は、主幹ブレーカー92を介して下流側電路99に接続されている。
下流側電路99には、第2分岐部95が接続されている。第2分岐部95の分岐ブレーカー95aは、主幹ブレーカー92とD1電源55および交流負荷56とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー95bは、主幹ブレーカー92と貯湯ユニット47とを接続する経路上に設けられている。分岐ブレーカー95cは、主幹ブレーカー92と第1負荷251とを接続する経路上に設けられている。
この例では、電力切替ユニット28から主幹ブレーカー92を介して下流側電路99に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95aからD1電源55および交流負荷56に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95bから貯湯ユニット47に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。分岐ブレーカー95cからコンセント260を介して第1負荷251に電圧VAC1の交流電力が供給され得る。
[系統連系時の電力システム300の動作]
図1に示すように、系統連系時には、制御部51からの解列指令に基づき、保護リレー62が開状態となっている。ここで、開状態は、自身を電流が流れることを禁止する状態を指す。また、電力切替ユニット28では、系統電力入力部28aと電力出力部28cとが接続されている。こうして、電力切替ユニット28は、分岐ブレーカー85aと自立分電盤90とを接続している。
燃料電池41で発電された電力は、第5DCDCコンバータ42を経由して第2DCバス43に供給される。第2DCバス43に供給された電力の一部または全部は、第2インバータ44を経由して二次連系ブレーカー83に供給される。
二次連系ブレーカー83に供給された電力の一部は、分岐ブレーカー85aと電力切替ユニット28とをこの順に経由して、主幹ブレーカー92に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力の一部は、分岐ブレーカー95aを経由して、D1電源55および交流負荷56に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力の別の一部は、分岐ブレーカー95bを経由して、貯湯ユニット47に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力のさらに別の一部は、分岐ブレーカー95cとコンセント260とをこの順に経由して、第1負荷251に供給される。
二次連系ブレーカー83に供給された電力の別の一部は、分岐ブレーカー85bを経由して、第2負荷252に供給される。二次連系ブレーカー83に供給された電力のさらに別の一部は、分岐ブレーカー85cを経由して、第3負荷253に供給される。
余剰電力に所定マージンを加えた電力がゼロよりも大きい場合、その電力は、第2DCバス43から第6DCDCコンバータ45を経由してヒーター46に供給される。
直流電力変換装置20は、具体的には第2DCDCコンバータ22は、MPPT制御により、第1太陽光発電システム31から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。直流電力変換装置20は、具体的には第3DCDCコンバータ23は、MPPT制御により、第2太陽光発電システム32から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
蓄電装置25が満充電状態にない場合、第1DCバス11に供給された電力の一部が蓄電装置25に供給され、該電力の残部が第1インバータ13に供給される。蓄電装置25が満充電状態にある場合、第1DCバス11に供給された電力の全部が第1インバータ13に供給される。第1インバータ13に供給された電力は、連系ブレーカー81に供給される。
上記の説明から理解されるように、この例の電力システム300は、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給される電力が、少なくとも上記マージンの分だけ、負荷251から253、D1電源55、交流負荷56および貯湯ユニット47の合計要求負荷に対して不足するように構成されている。この不足分に相当する電力が、連系ブレーカー81から主幹ブレーカー82を経由して下流側電路89へと供給され、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給された電力とともに、第1分岐部85に供給される。連系ブレーカー81に供給された電力の残部は、系統電源200に逆潮流される。
太陽光発電システム31および32での発電が不十分な場合、上記の不足分の電力が、系統電源200から主幹ブレーカー82を経由して下流側電路89へと供給され、第2インバータ44から二次連系ブレーカー83へと供給された電力とともに、第1分岐部85に供給される。また、蓄電装置25が満充電状態でなくかつ太陽光発電システム31および32での発電が蓄電装置25を充電するのに不十分な場合、系統電源200から、第1インバータ13、第1DCバス11および第4DCDCコンバータ12を経由して、蓄電装置25に電力が供給される。
[停電時の電力システム300の動作]
図2に示すように、停電時には、制御部51からの並列指令に基づき、保護リレー62が閉状態となっている。ここで、閉状態は、自身を電流が流れることを許可する状態を指す。また、電力切替ユニット28は、第1インバータ13と自立分電盤90とを接続している。
燃料電池41で発電された電力は、DCDCコンバータ42を経由して第2DCバス43に供給される。第2DCバス43に供給された直流電力の一部または全部は、特性変換回路100に供給される。直流電力変換装置20は、具体的には第1DCDCコンバータ21は、MPPT制御により特性変換回路100から(厳密にはLCフィルタ61を介して)電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
また、直流電力変換装置20は、系統連系時と同様に、太陽光発電システム31および32から電力を取り出し、取り出した電力を第1DCバス11に供給する。
直流電力変換装置20によって太陽光発電システム31および32ならびに特性変換回路100から取り出された合計電力が第1負荷251、D1電源55、交流負荷56および貯湯ユニット47の要求負荷よりも小さい場合、不足分に相当する電力が、蓄電装置25から第4DCDCコンバータ12を経由して第1DCバス11にさらに供給される。取り出された電力が要求負荷よりも大きい場合、過剰分の電力が第4DCDCコンバータ12を介して蓄電装置25に充電され、この充電を行っても過剰分の電力が余る場合は、第2DCバス43の電力の一部が第6DCDCコンバータ45を介してヒーター46に供給される。
このようにして、上記要求負荷に追従させられたあるいは近づけられた電力が、第1DCバス11から第1インバータ13および電力切替ユニット28を経由して主幹ブレーカー92に供給される。主幹ブレーカー92に供給された電力は、系統連系時と同様に、D1電源55、交流負荷56、貯湯ユニット47および第1負荷251に供給される。
[電力システム300で設けられている経路]
上述の説明ならびに図1および図2から理解されるように、電力システム300では、系統電力供給経路351と、逆潮流経路352と、自立運転時用経路353と、直流出力経路354と、交流出力経路355と、受電部行き経路356と、が設けられている。系統電力供給経路351は、系統電源200から、第3接続点p3、電流検出部27および第1分岐部85をこの順に介して、電力切替ユニット28の系統電力入力部28aに交流電力を導く経路である。逆潮流経路352は、インバータ13から第3接続点p3を介して系統電源200に交流電力を導く経路である。自立運転時用経路353は、インバータ13から電力切替ユニット28の自立電力入力部28bに交流電力を導く経路である。直流出力経路354は、燃料電池発電システム40からインバータ13に直流電力を導く経路である。交流出力経路355は、燃料電池発電システム40から二次連系ブレーカー83を介して第1分岐部85に交流電力を導く経路である。受電部行き経路356は、電力切替ユニット28の電力出力部28cから第2分岐部95を介して燃料電池発電システム40の受電部59に交流電力を導く経路である。なお、この例では、系統電力供給経路351および逆潮流経路352は、第3接続点p3から見て系統電源200側の部分において重複している。
電圧検出回路57は、交流出力経路355に接続されている。電流検出回路58は、電流検出部27からの信号を取得する。受電部59は、分岐ブレーカー95aから電力が供給される第1部分と、分岐ブレーカー95bから電力が供給される第2部分と、を有する。第1部分は、D1電源55および交流負荷56に接続されている。第2部分は、貯湯ユニット47に接続されている。
この例では、電力システム300は、太陽光発電パネルを有する太陽光発電システム31および32を備える。電力システム300では、太陽光発電システム31からインバータ13に直流電力を導く経路が設けられている。また、太陽光発電システム32からインバータ13に直流電力を導く経路が設けられている。
この例では、電力システム300は、蓄電装置25を備える。電力システム300では、蓄電装置25からインバータ13に直流電力を導く経路が設けられている。
この例では、電力システム300は、太陽光発電パネルを有する太陽光発電システム31および32と、蓄電装置25と、を備える。電力システム300では、太陽光発電システム31から蓄電装置25に直流電力を導く経路が設けられている。太陽光発電システム32から蓄電装置25に直流電力を導く経路が設けられている。また、燃料電池発電システム40から蓄電装置25に直流電力を導く経路が設けられている。このため、太陽光発電システム31および32からのみならず、燃料電池発電システム40からも、蓄電装置25を充電することができる。
この例では、電力システム300は、太陽光発電パネルを有する太陽光発電システム31および32と、蓄電装置25と、コンセント260と、を備える。電力システム300では、太陽光発電システム31からインバータ13、自立運転時用経路353、電力切替ユニット28および第2分岐部95をこの順に介してコンセント260に電力を導く経路が設けられている。太陽光発電システム32からインバータ13、自立運転時用経路353、電力切替ユニット28および第2分岐部95をこの順に介してコンセント260に電力を導く経路が設けられている。燃料電池発電システム40からインバータ13、自立運転時用経路353、電力切替ユニット28および第2分岐部95をこの順に介してコンセント260に電力を導く経路が設けられている。蓄電装置25からインバータ13、自立運転時用経路353、電力切替ユニット28および第2分岐部95をこの順に介してコンセント260に電力を導く経路が設けられている。このため、この例では、太陽光発電システム31および32ならびに蓄電装置25から電力が供給されるコンセント260に、燃料電池発電システム40からも電力を供給できる。このことは、以下の理由で、停電時に便利である。すなわち、夜、雨天時などには、太陽光発電システム31および32は発電できない。仮にコンセント260に燃料電池発電システム40から電力を供給できないとすると、夜、雨天時などに停電が続く場合において、コンセント260から電力を取り出し可能な期間は蓄電装置25のみに基づく限られたものとなる。これに対し、この例では、コンセント260に燃料電池発電システム40から電力を供給できるため、上記期間を延ばすことができる。夜、雨天時などに停電が続く場合において、別のコンセントへの差し替えなしで1つのコンセントから長時間電力を取り出せることは、ユーザにとって便利である。
また、この例では、コンセント260に対する上記接続と同様の接続が、貯湯ユニット47にもなされている。このため、夜、雨天時などに停電が続く場合において、貯湯ユニット47へとその動作に必要な電力を長時間供給することができる。
この例の電力システム300では、蓄電装置25からインバータ13、自立運転時用経路353、電力切替ユニット28および第2分岐部95をこの順に介して受電部59に電力を導く経路が設けられている。また、コンセント260に対する上記接続と同様の接続が、受電部59にもなされている。上述の説明から理解されるように、この例の蓄電装置25は、停電時にコンセント260に電力を供給可能な非常用電源として機能する。この例では、さらに、蓄電装置25は、停電時に受電部59に電力を供給可能な非常用電源としても機能する。このようにすれば、停電時に燃料電池発電システム40を起動させるための専用電源、例えば該システム40の補機に電力を供給するための専用電源、を省略することができる。
[系統電源への逆潮流および燃料電池発電システムからインバータへの直流電力供給について]
電力システム300は、直流電力を発電し、直流電力をインバータ13で交流電力に変換し、交流電力を系統電源200に逆潮流させることと負荷に供給することとが可能なシステムである。また、電力システム300では、燃料電池発電システム40が適用されており、該燃料電池発電システム40からインバータ13に直流電力を供給できるようになっている。電力システム300は、燃料電池発電システム40から系統電源200への電力の逆潮流が回避されるようになっている。
具体的には、電力システム300では、系統連系時に、燃料電池発電システム40とは別の発電システムから系統電源200への電力の逆潮流が行われる。この例では、当該別の発電システムは、太陽光発電システム31および32である。逆潮流電力に燃料電池発電システム40で発電された電力が混じり込まないようにするために、燃料電池発電システム40からインバータ13への直流電力供給は、系統電源200の停電時に限定される。
電力システム300は、系統電源200の停電を検知することができる。電力システム300の一例では、停電検知は、能動型方式等の公知の方式を利用して実現される。停電が検知されると、電力システム300は、電気的な接続状態を図1の状態から図2の状態に変化させる。
図2の状態においては、インバータ13から逆潮流経路352を介して系統電源200へと電力が逆潮流されることはない。一方、図2の状態においては、インバータ13から、自立運転時用経路353、電力切替ユニット28および第2分岐部95を介して、受電部59、D1電源55、交流負荷56、貯湯ユニット47および第1負荷251へと電力を供給できる。つまり、図2の状態では、インバータ13に供給される電力は、受電部59、D1電源55、交流負荷56、貯湯ユニット47および第1負荷251に供給可能であり、一方、系統電源200には逆潮流されない。
このように、発電システム300では、停電検知が行われると、燃料電池発電システム40からインバータ13への直流電力供給が行われ、燃料電池発電システム40の発電電力を第2分岐部95に供給できる。こうして、系統電源200が停電している状況において、燃料電池発電システム40により、第2分岐部95の接続先に長時間電力を供給することが可能となる。例えば、負荷251が電化製品である場合、その電化製品を長時間使用できる。また、受電部59への電力供給が可能である。
[燃料電池発電システムからインバータへの直流電力供給を終了させるタイミングについて]
上述の説明から理解されるように、電力システム300では、系統電源200の停電時には燃料電池発電システム40からインバータ13を介して負荷251に電力を供給し、系統電源200の非停電時には別の発電システムからインバータ13を介して系統電源200に電力を逆潮流させることができる。具体的には、系統電源200の停電時に、燃料電池発電システム40から直流出力経路354を介したインバータ13への直流電力供給と、インバータ13によるDC−AC変換と、インバータ13から自立運転時用経路353および電力切替ユニット28を介した第2分電盤90への交流電力給電と、が行われる。また、系統電源200の非停電時に、上記別の発電システムからインバータ13への直流電力供給と、インバータ13によるDC−AC変換と、インバータ13から逆潮流経路352を介した系統電源200への交流電力の逆潮流と、が行われる。本実施形態では、上記別の発電システムは、太陽光発電システム31および32である。
電力システム300では、系統電源200の停電時には、天候に左右されずに発電できるという燃料電池発電システム40の長所を活かして負荷251に電力を供給できる。一方、系統電源200の非停電時には、上記別の発電システムの発電電力を系統電源200に逆潮流させることにより、電力システム300のユーザは金銭的なメリットを享受できる。
電力システム300では、停電時には、燃料電池発電システム40と、インバータ13と、電力切替ユニット28と、負荷251と、をこの順に接続する電気経路が確立される。具体的には、停電時には、図2に示すように、保護リレー62が閉状態(つまり、投入状態)であり、インバータ13は自身に入力された直流電力を交流電力VAC1に変換して電力切替ユニット28へと出力する第1状態をとり、かつ、電力切替ユニット28では電力出力部28cの接続先が自立電力入力部28bに設定される。
一方、非停電時には、太陽光発電システム31,32と、インバータ13と、系統電源200と、をこの順に接続する電気経路が確立される。燃料電池発電システム40とインバータ13との間の電気的接続は遮断される。系統電源200と、電力切替ユニット28と、負荷251と、をこの順に接続する電気経路が確立される。具体的には、非停電時には、図1に示すように、保護リレー62が開状態(つまり、開放状態)であり、インバータ13は自身に入力された直流電力を交流電力VAC2に変換して主分電盤80へと出力する第2状態をとり、かつ、電力切替ユニット28では電力出力部28cの接続先が系統電力入力部28aに設定される。
系統電源200が復電すると、インバータ13が第1状態から第2状態に切り替わり、電力出力部28cの接続先が自立電力入力部28bから系統電力入力部28aに切り替わる。これらの切り替えは、互いに連動して、あるいは、互いに独立して、行われる。例えば、復電に伴うインバータ13の第1状態から第2状態への切り替えは、パワーステーション10によって行われる。一例では、第3接続点p3と系統電源200の間に第2電流検出部が設けられている。パワーステーション10は、第2電流検出部からの信号を有線または無線で受信し、その信号に基づいて復電を検出する。一具体例では、第2電流検出部は、電流検出部27と同様の構成を有し得る。また、第2電流検出部がパワーステーション10に送信する信号は、電流検出部27が燃料電池発電システム40に送信する信号と同様である。パワーステーション10は、電流検出回路58と同様の第2電流検出回路を有し、第2電流検出回路を用いて復電を検出する。
本実施形態では、系統電源200が復電したときに燃料電池発電システム40から直流出力経路354を介したインバータ13への直流電力供給を終了させるのは、燃料電池発電システム40である。具体例には、系統電源200が復電したとき、燃料電池発電システム40は、保護リレー62に解列指令を送信することによって、保護リレー62を閉状態から開状態に切り替える。
電力システム300では、停電発生から復電まで燃料電池発電システム40から負荷251に継続して電力が供給される。このようにすることは、ユーザにとって便利である。一方、電力システム300は、燃料電池発電システム40からインバータ13への直流電力供給を系統電源200が復電したときに終了させるのに適した構成を有している。これにより、復電に伴いインバータ13と系統電源200とを接続する電気経路が確立されたにも関わらず燃料電池発電システム40からインバータ13への直流電力供給が継続され、燃料電池発電システム40から系統電源200への電力の逆潮流が生じる事態が回避され得る。以下、この点について説明する。
以下の説明では、第1条件、第2条件および第3条件という用語を用いることがある。第1条件は、交流負荷56で電力を消費させているときに電流検出部27の測定値が系統電源200が復電していることを示す値であるという条件である。第2条件は、交流負荷56で電力を消費させていないときに電流検出部27の測定値が系統電源200が復電していることを示す値であるという条件である。第3条件は、交流出力経路355を通じて燃料電池発電システム40に入力される電圧が系統電源200が復電していることを示す値であるという条件である。
第1条件の成立は、電流検出回路58によって検出され得る。また、制御部51は、電流検出回路58からの信号を受信することによって、第1条件の成立が検出されたと判断し得る。
第2条件の成立は、電流検出回路58によって検出され得る。また、制御部51は、電流検出回路58からの信号を受信することによって、第2条件の成立が検出されたと判断し得る。
第3条件の成立は、電圧検出回路57によって検出され得る。また、制御部51は、電圧検出回路57からの信号を受信することによって、第3条件の成立が検出されたと判断し得る。
電力システム300は、第1条件が成立していることのM1回の検出がなされた場合に、燃料電池発電システム40から直流出力経路354を介したインバータ13への直流電力供給を停止する。このようにすることは、燃料電池発電システム40からインバータ13への直流電力供給を系統電源200が復電したときに終了させるのに適している。ここで、M1は、1以上の自然数である。
本実施形態では、上記M1回の検出は、複数回の連続検出である。このようにすれば、系統電源200が復電している蓋然性が高いときに、直流電力供給を終了させることができる。複数であるM1は、例えば2以上20以下の値であり、5以上15以下の値であってもよい。
なお、以下の説明から理解されるように、「第1条件が成立していることのM1回の検出がなされた場合に、直流電力供給を停止する」という表現は、他の場合にも直流電力供給を停止することを排除しないことを意とした表現である。
具体的には、本実施形態では、第2条件が成立していることのM2回の連続検出がなされた場合にも、直流電力供給を終了させる。第2条件の1回の検出はなされたもののM2回の連続検出はなされなかった場合に、交流負荷56で電力を消費させる。ここで、M2は、2以上の自然数である。このようにすれば、系統電源200が復電している蓋然性が高いことを第2条件を用いて確認できたときに、交流負荷56で電力を消費させることなく直流電力供給を終了させることができる。M2は、例えば2以上20以下の値であり、5以上15以下の値であってもよい。
また、本実施形態では、第3条件が成立していることのM3回の連続検出がなされた場合にも、直流電力供給を終了させる。第3条件の1回の検出はなされたもののM3回の連続検出はなされなかった場合に、交流負荷56で電力を消費させる。ここで、M3は、2以上の自然数である。このようにすれば、系統電源が復電している蓋然性が高いことを第3条件を用いて確認できたときに、交流負荷56で電力を消費させることなく直流電力供給を終了させることができる。M3は、例えば2以上20以下の値であり、3以上10以下の値であってもよい。
以下、図8のフローチャートを参照しつつ、第1から第3条件に基づく上述した制御の一具体例をさらに説明する。
ステップS101において、制御部51は、電圧検出回路57によって第3条件の成立が1回検出されたかどうかを判断する。この検出がなされた場合は、フローはステップS102に進む。この検出がなされなかった場合は、フローはステップS103に進む。
ステップS102において、制御部51は、電圧検出回路57によって第3条件の成立がM3回連続検出されたかどうかを判断する。この連続検出がなされた場合は、フローはステップS107に進む。この連続検出がなされなかった場合は、フローはステップS105に進む。なお、M3回は、ステップS101で検出された1回分を含む回数であってもよく、これを含まない回数であってもよい。
ステップS103において、制御部51は、電流検出回路58によって第2条件の成立が1回検出されたかどうかを判断する。この検出がなされた場合は、フローはステップS104に進む。この検出がなされなかった場合は、フローはステップS101に進む。
ステップS104において、制御部51は、電流検出回路58によって第2条件の成立がM2回連続検出されたかどうかを判断する。この連続検出がなされた場合は、フローはステップS107に進む。この連続検出がなされなかった場合は、フローはステップS105に進む。なお、M2回は、ステップS103で検出された1回分を含む回数であってもよく、これを含まない回数であってもよい。
ステップS105において、燃料電池発電システム40の交流負荷56で電力を消費させる。ステップS105の後、フローはステップS106に進む。
ステップS106において、制御部51は、電流検出回路58によって第1条件の成立がM1回連続検出されたかどうかを判断する。この連続検出がなされた場合は、フローはステップS107に進む。この連続検出がなされなかった場合は、フローはステップS101に進む。
ステップS107において、燃料電池発電システム40は、燃料電池発電システム40から直流出力経路354を介したインバータ13への直流電力供給を停止させる。具体的には、この停止は、基板60からの直流電力の出力を停止させることによって行われる。より具体的には、この停止は、保護リレー62を開状態にする(すなわち、開放状態にする)ことによって行われる。さらに具体的には、保護リレー62を開状態にすることは、制御部51が保護リレー62に解列指令を送信することによって行われる。制御部51は、電圧検出回路57および電流検出回路58からの信号を受信するように構成されているため、受信信号に応じて(すなわち、ステップS101からS106の結果に応じて)保護リレー62を開状態にすることができる。
ステップS101の検出がなされた場合には、系統電源200の復電の兆候があると言える。ステップS102の連続検出がなされた場合には、系統電源200が復電した蓋然性が高い。このため、この場合、ステップS107において直流電力供給を停止させても、ユーザが負荷251を使用できない等といった問題は発生し難い。一方、ステップS102の連続検出がなされない場合には、系統電源200が復電したか否かの判断が保留され、ステップS106でその判断がなされる。このような保留およびステップS106の実行により、ノイズ等が原因で実際には復電していないのに復電したと判断してしまうリスクを抑えることができる。
また、施工時の設定ミス、断線等が原因で、あるいは、悪意により、二次連系ブレーカー83が遮断状態にある場合があり得る。この場合、実際には系統電源200が復電していても、系統電源200の電圧を交流出力経路355を通じて燃料電池発電システム40に流入させることができないため、電圧検出回路57は復電を検出できない。この点、本実施形態では、ステップS101の検出がなされない場合に、ステップS103に進む。このため、二次連系ブレーカー83が遮断状態にあったとしても、電流検出回路58によって復電検出がなされ得る。
ステップS103の検出がなされた場合には、系統電源200の復電の兆候があると言える。ステップS104の連続検出がなされた場合には、系統電源200が復電した蓋然性が高い。このため、この場合、ステップS107において直流電力供給を停止させても、ユーザが負荷251を使用できない等といった問題は発生し難い。一方、ステップS104の連続検出がなされない場合には、系統電源200が復電したか否かの判断が保留され、ステップS106でその判断がなされる。このような保留およびステップS106の実行により、ノイズ等が原因で実際には復電していないのに復電したと判断してしまうリスクを抑えることができる。
また、第1分岐部85から負荷252,253等の負荷および電力切替ユニット28に流出する電力が小さい場合がある。例えば、家庭内の電化製品の電力消費が小さい場合が、そのような場合に該当する。系統電源200が復電していても、上記流出電力が小さいと、復電したことを認識可能なレベルの測定値を電流検出部27で安定して得られないおそれがある。このような場合に、ステップS103の検出がなされるがステップS104の連続検出はなされないという現象が生じ得る。図8の例では、そのような場合に、ステップS105で燃料電池発電システム40の交流負荷56で電力を消費させる。そのようにすれば、系統電源200が復電しており、かつ、系統電源200から電流検出部27、第1分岐部85、電力切替ユニット28、第2分岐部95および受電部59を介して交流負荷56に至る電気経路が確立されていれば、該電気経路における電流検出部27が設けられた部分に、交流負荷56での電力消費に基づく電流を強制的に流すことができる。そして、復電がなされており上記電気経路が確立されていれば、上記強制電流が反映された大きいレベルの測定値が電流検出部27により得られ、電流検出回路58がその大きいレベルの測定値に基づいて復電を検出し得る状況となる。つまり、ステップS106において、適切な復電検出を実行し易い状況となる。
図8のフローチャートにおいて、ステップS101およびステップS102の組み合わせとステップS103およびステップS104の組み合わせとを入れ替えてもよい。つまり、ステップS101で第2条件の成立が検出されるか否かを判断し、ステップS102でそのM2回連続検出がなされるか否かを判断し、ステップS103で第3条件の成立が検出されるか否かを判断し、ステップS104でそのM3回連続検出がなされるか否かを判断してもよい。
以下、電圧検出回路57、電流検出部27および電流検出回路58の具体例について、説明する。
[電圧検出回路57の具体例]
一例では、電圧検出回路57は、交流出力経路355によって燃料電池発電システム40に入力される電圧をゼロクロスパルスに変換できるように構成されている。具体的には、電圧検出回路57は、交流出力経路355を介して燃料電池発電システム40に交流電圧VAC2が供給されている期間において、ゼロクロスパルスを連続して生成する。1個のゼロクロスパルスが生成された場合、図8のステップS101の検出がなされ得る。M3個以上の連続したゼロクロスパルスが生成された場合、ステップS102のM3回の連続検出がなされ得る。ここで、ゼロクロスパルスは、信号の瞬時値が0Vを跨いで変化するパルスを指す。
[電流検出部27および電流検出回路58の具体例]
先に説明したとおり、本実施形態では、電流検出部27は、少なくとも1つの電流センサを有する。電流検出部27の測定値は、電流検出部27が1つの電流センサによって構成されている場合には、その電流センサの測定値を指す。電流検出部27が複数の電流センサによって構成されている場合には、電流検出部27の測定値は、複数の電流センサの測定値の合計であり得る。一具体例では、系統電力供給経路351における電流検出部27が設けられた部分は単相3線式の線路によって構成されている。電流検出部27は、この単相3線式の第1非接地線路に設けられた第1電流センサと、この単相3線式の第2非接地線路に設けられた第2電流センサと、によって構成されている。そして、電流検出部27の測定値は、第1電流センサの測定値と第2電流センサの測定値の合計である。
電流検出回路58は、一定の時間間隔Tpで電流検出部27の測定値を抽出し、第1閾値電流よりも大きい測定値が連続して抽出された回数Nをカウントする。回数Nが1以上である場合、図8のステップS103の検出がなされ得る。回数NがM2以上である場合、ステップS104のM2回の連続検出がなされ得る。また、回数NがM1以上である場合、ステップS106のM1回の連続検出がなされ得る。時間間隔Tpは、例えば50msec(ミリ秒)以上1000msec以下の間隔であり、100msec以上500msec以下の間隔であってもよい。第1閾値電流は、例えば実効値にして0.1A以上5A以下の電流であり、実効値にして0.2A以上3A以下の電流であってもよい。
図1および2で示す位置に電流検出部27を設けることは系統連系規定により義務付けられている。このため、第1条件および第2条件の成立確認は、電力システム300のコスト増の原因とはなり難い。また、燃料電池発電システム40を用いた電圧確認には、大きなコストはかからない。このため、第3条件の成立確認は、電力システム300のコスト増の原因とはなり難い。以上の理由で、第1条件から第3条件は、低コストで実現され得る。
[特性変換回路の具体例]
上記の説明から理解されるように、この例では、特性変換回路100は、DCDCコンバータである電圧電流制御回路160を有する。特性変換回路100の出力電流が所定値未満のときにおいて、電圧電流制御回路160および第1フィードバック回路110は、協働して、特性変換回路100の出力電圧に応じて特性変換回路100の出力電圧を調整することによって特性変換回路100の出力電圧を目標値に追従させる第1フィードバック制御を行う。また、特性変換回路100の出力電流が所定値以上のときにおいて、電圧電流制御回路100および第2フィードバック回路120は、協働して、特性変換回路100の出力電流が大きいほど特性変換回路100の出力電圧を低下させることによって特性変換回路100の出力電力がピークになるときにおける特性変換回路100の出力電圧を所定範囲内の値に調整する第2フィードバック制御を行う。
このような第1および第2フィードバック制御を実現する特性変換回路100は適宜設計可能であるが、以下では、特性変換回路100の具体例である特性変換回路100Xについて、図9を参照しながら説明する。以下では、図4を参照して既に説明した要素については、同一符号を付し、その説明を省略することがある。
特性変換回路100Xでは、LLCコンバータが構成されている。このLLCコンバータは、定電圧源131から流出する電流が大きいほど高い発振周波数が規定され、発振周波数が高いほど特性変換回路100Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなるように構成されている。
具体的には、特性変換回路100Xは、第1フィードバック回路110と、第2フィードバック回路120と、フィードバック電流供給部130Xと、電流共振制御部140と、電圧電流制御回路160Xと、を有する。電圧電流制御回路160Xが、上記LLCコンバータを構成している。
フィードバック電流供給部130Xは、定電圧源131および第6抵抗132に加え、第1発光ダイオード135を有する。第1発光ダイオード135には、定電圧源131から流出した電流が流れる。
電流共振制御部140は、第7抵抗141と、第1コンデンサ142と、第8抵抗143と、第1フォトトランジスタ145と、制御IC146と、を有する。第7抵抗141と、第1コンデンサ142と、第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145の組み合わせとは、互いに並列に接続されている。第1フォトトランジスタ145は、第1発光ダイオード135と協働して、第1フォトカプラ150を構成している。制御IC146は、定電流源147と、フィードバック端子148と、ハイサイドドライバ出力端子149aと、ローサイドドライバ出力端子149bと、を有する。
電流共振制御部140では、第1コンデンサ142に電荷が充電される期間(以下、充電期間と称することがある)と、第1コンデンサ142から電荷が放電される期間(以下、放電期間と称することがある)とが、交互に訪れる。放電期間と充電期間とは、フィードバック端子148の電圧に基づいて切り替わる。
具体的には、充電期間において、定電流源147からフィードバック端子148を介して第1コンデンサ142に電荷が充電されていく。充電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が上昇していく。フィードバック端子148の電圧が第1の電圧に達すると、放電期間に切り替わる。放電期間においては、定電流源147から第1コンデンサ142への電荷の充電は停止される。放電期間においては、第1コンデンサ142に充電された電荷は、第7抵抗141を介して放電される。放電期間においては、電荷が第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介してさらに放電される。放電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が低下していく。フィードバック端子148の電圧が第2の電圧に達すると、充電期間に切り替わる。
第1発光ダイオード135を流れる電流が大きいほど、第1フォトトランジスタ145に大きい電流が流れ、放電期間における第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介した電荷の放電が速くなり、放電期間が短くなり、充放電周波数が高くなる。充放電周波数は、上記の発振周波数に対応する。
ある放電期間において、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動信号が出力される。次の放電期間において、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動信号が出力される。これが繰り返され、ドライバ出力端子149aおよび149bから、互いに逆位相の駆動パルス信号が出力される。これらの駆動パルス信号の周波数は、上記の充放電周波数が高くなるほど高くなる。なお、充電期間は、両ドライバ出力端子149aおよび149bのいずれからも駆動信号が出力されないデッドタイムとなる。
電圧電流制御回路160Xは、第2コンデンサ161と、第1スイッチング素子162aと、第2スイッチング素子162bと、第3コンデンサ163aと、第4コンデンサ163bと、第5コンデンサ164と、トランス165と、第1ダイオード166aと、第2ダイオード166bと、第6コンデンサ167と、を有する。
スイッチング素子162aおよび162bは、直列に接続されることにより、直列回路を構成している。この直列回路には、第2コンデンサ161が並列接続されている。第1スイッチング素子162aには第3コンデンサ163aが並列接続されている。第2スイッチング素子162bには第4コンデンサ163bが並列接続されている。
この例では、スイッチング素子162aおよび162bは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。また、第5コンデンサ164は、共振コンデンサである。
トランス165は、1次側の巻線である第1巻線165aと、2次側の巻線である第2巻線165bおよび第3巻線165cと、を有する。
第1巻線165aの一端には、第1スイッチング素子162aの電流流出端子と、第2スイッチング素子162bの電流流入端子と、が接続されている。第1巻線165aの他端と第2スイッチング素子162bの電流流出端子との間には、第5コンデンサ164が接続されている。なお、この例では、電流流出端子はソース端子である。電流流入端子は、ドレイン端子である。
第2巻線165bの一端には、第1ダイオード166aのアノードが接続されている。第1ダイオード166aのカソードには、第6コンデンサ167の一端と、第2ダイオード166bのカソードと、が接続されている。第2巻線165bの他端には、第6コンデンサ167の他端と、基準電位とが接続されている。
第3巻線165cの一端には、第6コンデンサ167の他端と、基準電位とが接続されている。第3巻線165cの他端には、第2ダイオード166bのアノードが接続されている。
第1スイッチング素子162aの制御端子には、ハイサイドドライバ出力端子149aから駆動パルス信号が供給される。第2スイッチング素子162bの制御端子には、ローサイドドライバ出力端子149bから駆動パルス信号が供給される。これにより、スイッチング素子162aおよび162bは、互いに逆位相の駆動パルス信号が供給されることによって、交互にオンオフする。なお、この例では、制御端子は、ゲート端子である。
スイッチング素子162aおよび162bに供給される駆動パルス信号の周波数が高いほど、LLC共振に基づき、電圧電流制御回路160Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が小さくなる。
[特性変換回路の別例]
図10に、特性変換回路の別例を示す。以下では、図4の例と同様の部分については、説明を省略することがある。
図10に示す特性変換回路190は、図4の特性変換回路100のフィードバック電流供給部130に代えて、フィードバック電流供給部195を有する。フィードバック電流供給部195は、定電圧源131および第6抵抗132に加え、第9抵抗191を有する。
特性変換回路190では、特性変換回路100と同様、第1シャントレギュレータ115の第1参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第6抵抗132、第1シャントレギュレータ115および基準電位をこの順に流れる電流すなわち第1電流が大きくなる。一方、特性変換回路190では、特性変換回路100と異なり、第2シャントレギュレータ125の第2参照電圧端子に入力される電圧が大きいほど、定電圧源131、第9抵抗191、第2シャントレギュレータ125および基準電位をこの順に流れる電流すなわち第2電流が大きくなる。
特性変換回路190の出力電流が小さい領域では、第2電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第1電流である。一方、特性変換回路100の出力電流が大きい領域では、第1電流は実質的にゼロとなり、定電圧源131から流出する電流は、実質的に第2電流である。つまり、特性変換回路190の出力電流が小さい領域では第1フィードバック回路110によって、特性変換回路190の出力電流が大きい領域では第2フィードバック回路120によって、特性変換回路190における特性変換が行われると言える。これらの点で、特性変換回路190は、特性変換回路100と共通している。このため、特性変換回路190では、特性変換回路100と同様に、電圧電流制御回路160の入力電圧に対する出力電圧の比率が調整される。
図11に、特性変換回路190の具体例である特性変換回路190Xを示す。以下では、図9の例と同様の部分については、説明を省略することがある。
図11に示す特性変換回路190Xは、図9の特性変換回路100Xのフィードバック電流供給部130Xに代えて、フィードバック電流供給部195Xを有する。また、特性変換回路190Xは、特性変換回路100Xの電流共振制御部140に代えて、電流共振制御部199を有する。
フィードバック電流供給部195Xは、定電圧源131、第6抵抗132および第1発光ダイオード135に加え、第9抵抗191および第2発光ダイオード192を有する。電流共振制御部199は、第7抵抗141、第1コンデンサ142、第8抵抗143、第1フォトトランジスタ145および制御IC146に加え、第10抵抗196および第2フォトトランジスタ197を有する。
第7抵抗141と、第1コンデンサ142と、第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145の組み合わせと、第10抵抗196および第2フォトトランジスタ197の組み合わせとは、互いに並列に接続されている。第2発光ダイオード192および第2フォトトランジスタ197は、協働して、第2フォトカプラ198を構成している。
電流共振制御部199では、電流共振制御部140と同様、第1コンデンサ142に電荷が充電される期間(以下、充電期間と称することがある)と、第1コンデンサ142から電荷が放電される期間(以下、放電期間と称することがある)とが、交互に訪れる。
具体的には、充電期間において、定電流源147からフィードバック端子148を介して第1コンデンサ142に電荷が充電されていく。充電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が上昇していく。フィードバック端子148の電圧が第1の電圧に達すると、放電期間に切り替わる。放電期間においては、定電流源147から第1コンデンサ142への電荷の充電は停止される。放電期間においては、第1コンデンサ142に充電された電荷は、第7抵抗141を介して放電される。放電期間においては、電荷が、第8抵抗143および第1フォトトランジスタ145を介して、または、第10抵抗196および第2フォトトランジスタ197を介して、さらに放電される。放電が進むにつれて、フィードバック端子148の電圧が低下していく。フィードバック端子148の電圧が第2の電圧に達すると、充電期間に切り替わる。
電流共振制御部199における第1コンデンサ142の電荷の充電状態は、電流共振制御部140と同様に変化する。このため、特性変換回路190Xでは、特性変換回路100Xと同様に、電圧電流制御回路160Xの入力電圧に対する出力電圧の比率が調整される。
改めて断っておくが、図4の特性変換回路100の具体例は、図9の特性変換回路100Xには限られない。例えば、定電圧源131から流出する電流が大きいほど小さいデューティ比が規定され、そのデューティ比に基づいて動作するDCDCコンバータを特性変換回路内に構成することもできる。図10の特性変換回路190の具体例についても同様である。
また、図4および図10の第1フィードバック回路110および第2フィードバック回路120の構成も必須ではない。例えば、電圧センサによって電圧電流制御回路160の出力電圧を検出し、電流センサによって電圧電流制御回路160の出力電流を検出し、出力電流が小さい領域では出力電圧が一定の電圧に維持され出力電流が大きい領域では出力電流が出力電流が増えるにつれて出力電圧が下がるような制御信号をマイクロコンピュータにより生成し、該制御信号を用いて電圧電流制御回路160を制御してもよい。
本開示に、その他の種々の変更を適用することもできる。例えば、電力システムにおける太陽光発電システムの数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。電力システムは、太陽光発電システムを有していないくてもよい。直流電力変換装置、第1インバータ等は、パワーステーションに組み込まれていなくてもよい。電力システムは、蓄電装置、貯湯ユニットなどの図示した一部の要素を有していないくてもよい。また、発電部と負荷の接続経路は、図示したものに限られない。例えば、コンセント260を省略して第1負荷251に電力を供給することも可能である。