JP6475023B2 - 燃料電池システム、その運転方法及びその構成方法 - Google Patents

燃料電池システム、その運転方法及びその構成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6475023B2
JP6475023B2 JP2015008155A JP2015008155A JP6475023B2 JP 6475023 B2 JP6475023 B2 JP 6475023B2 JP 2015008155 A JP2015008155 A JP 2015008155A JP 2015008155 A JP2015008155 A JP 2015008155A JP 6475023 B2 JP6475023 B2 JP 6475023B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fuel cell
fuel cells
cells
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015008155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016134287A (ja
Inventor
吉田 英樹
英樹 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP2015008155A priority Critical patent/JP6475023B2/ja
Publication of JP2016134287A publication Critical patent/JP2016134287A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6475023B2 publication Critical patent/JP6475023B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は燃料電池システム、燃料電池システムの運転方法及び燃料電池システムの構成方法に関する。
燃料電池システムを高出力化する手法としては、例えば、燃料電池セルの1枚当たりの電極面積を大きくして燃料電池セルを流れる電流を増やす手法と、燃料電池セルの積層数を増やして高電圧化する手法と、がある。
しかし、燃料電池セルの電極面積を大面積化すると、一般に、燃料電池セルが反り易くなってガスシールや電気的接触が悪化したり、内部のガスや電流の偏りが生じて性能に悪影響を与えたり、燃料電池セルを収納する容器の形状や配置に制約が生じたり、と多くの課題が生じる。製造上も大型の設備が必要になる等の欠点があるので、燃料電池セルの電極面積の大面積化には或る程度の限界がある。
このため、燃料電池セルの電極面積を或る程度大面積化した上で、燃料電池システムの一層の高出力化を実現するには、燃料電池セルの積層数を増やす必要が生じる。また、燃料電池セルの電極面積の大面積化で電流を増やした大電流型よりも、燃料電池セルを流れる電流を小さくし多数枚積層することで出力を稼ぐ小電流高電圧型の方が、電流抵抗による損失を小さくでき、燃料電池の性能の面で有利なことが多い。
一方、燃料電池セルの積層数の増加による高電圧化に関しても、電気配線や各種電力機器の耐電圧性能から、一般的な機器で対応できる範囲に限界がある。それ以上の高電圧化には、特殊な絶縁部材、或いは絶縁部材の厚肉化等が必要となり、燃料電池システムのサイズ及びコストが嵩むという課題が生ずる。
このため、燃料電池システムの高出力化に際しては、燃料電池セルを複数枚積層したスタック同士を電気的に並列に接続するか、複数枚の燃料電池セルを並列に接続したものを複数個直列に接続するつなぐ手法が考えられる。このような構成を採ることで、燃料電池セルの1枚当たりの電極面積を一定レベル以下に抑えつつ、複数枚の燃料電池セルを並列接続にすることで全体の電流を増やすことができ、多数枚の燃料電池セルを積層することなくスタック全体としての高出力化を実現できる。
上記に関連して特許文献1には、複数の燃料電池セルを有する燃料電池スタックシステムにおいて、電解液流路及び燃料流路を燃料電池セルの全部について直列に接続した構成が開示されている。
また、特許文献2には、1ないし複数の燃料電池セルから構成されるスタックと、スタックの温度を計測する温度計測装置と、スタックと電気的に直列接続されてスタックの温度を調節するためのスタック温度調節装置とを備える系統を複数設定し、各系統を電気的に並列接続すると共に、各系統のスタックを相互に間隔を空けて配置し、前記温度計測装置の計測結果に基づいてスタック温度調節装置を制御する技術が開示されている。
特開2009−37915号公報 特開2007−250287号公報
一般に燃料電池セルは、一例として図1に示すように、電流が大きくなるに従って内部抵抗により電圧が低下してくる特性を有している。電流の増加に対する電圧の低下の傾き(以下、これを燃料電池の「性能」と称する)は、燃料電池セルの温度等の環境や、燃料電池セルの製造ばらつき、燃料電池セルの経時劣化の程度等によって変わってくるため、燃料電池セル毎に個体差があり、また常に一定ではない。燃料電池セルを電気的に並列に接続する場合、個々の燃料電池セルに性能のばらつきがあると、一例として図2に示すように、電圧は全ての燃料電池セルで同じになる一方で、電流は燃料電池セル毎に相違することになる。また、燃料電池セル毎の電流の差異は燃料電池セル毎の性能のばらつき具合により変化するため、経時的にも変化する。
燃料電池セルは電流に比例した量の燃料を消費する特性を有しており、個々の燃料電池セルに電流のばらつきがあるということは、各燃料電池セルにおける燃料消費量にもばらつきがあることを意味する。また、一般に燃料電池セルでは、燃料供給量と燃料消費量とのバランスが耐久性や効率に多大な影響を与える。具体的には、燃料供給量に対して燃料消費量が多過ぎると耐久性が低下し、燃料供給量に対して燃料消費量が少な過ぎると、燃料電池セルの排ガスに含まれる燃料の割合が高くなることで効率が低下する。よって、燃料電池セルの耐久性が担保できる範囲で、燃料供給量に対する燃料消費量の割合を高く保つことが理想である。しかし、図2に示すように個々の燃料電池セルの電流がばらつくことで、個々の燃料電池セルにおける燃料消費量がばらつくと、個々の燃料電池セルにおける燃料供給量と燃料消費量の割合にもばらつきが生じることになる。
ここで、燃料電池セルの耐久性の低下を問題視し、全体の燃料供給量に余裕を持たせることが考えられるが、この場合、個々の燃料電池セルに性能のばらつきがあっても、何れの燃料電池セルでも燃料供給量に対して燃料消費量が過多になることは防止できるが、効率の低下を招く。また、各燃料電池セルを流れる電流を計測し、各燃料電池セルへの燃料供給量を逐次制御する技術や、燃料は各燃料電池セルへ一定割合で常に分配させながら、各燃料電池セルの電流をその割合に合うように各々制御する技術(特許文献2に開示の技術)も考えられるが、何れの技術もシステムの構成の複雑化を招く。
従って、簡易な構成で、各燃料電池セルにおける燃料供給量に対する燃料消費量の割合が過多になることを防ぎ、かつ高い効率を得られる燃料電池システムが求められている。なお、特許文献1に記載の技術は、複数の燃料電池を電気的に並列に接続する場合に、個々の燃料電池の性能のばらつきの影響を抑制することについては考慮されていない。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響を抑制できる燃料電池システム、燃料電池システムの運転方法及び燃料電池システムの構成方法を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る燃料電池システムは、供給された燃料により発電する複数の燃料電池と、前記複数の燃料電池を並列に接続する電気配線と、前記複数の燃料電池に直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を直列に接続する流路と、前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流(個々の前記燃料電池を流れる電流の和)Iを、要求出力を出力電圧で除して求めた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を、
I/F=最適値 …(1)
上記(1)式(但し、上記最適値は、I/Fの値が大きくなる程、前記燃料電池の効率が高くなる一方で、前記燃料電池の耐久性が低下し、I/Fの値が小さくなる程、前記効率が低下する、という前記複数の燃料電池の耐久性と効率のバランスから定まる)に前記複数の燃料電池全体の電流Iを代入して求めた、個々の前記燃料電池における燃料消費量の和に相当する燃料量Fに制御する制御部と、を含んでいる。
請求項1記載の発明では、供給された燃料により発電する複数の燃料電池を含み、当該複数の燃料電池は電気配線によって並列に接続されている。なお、請求項1記載の発明において、上記の複数の燃料電池の各々は、燃料電池セルであってもよいし、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであっても構わない。ここで、請求項1記載の発明では、複数の燃料電池に直列に燃料が供給されるように、複数の燃料電池を流路によって直列に接続し、制御部は、電気配線に流れる複数の燃料電池全体の電流要求出力を出力電圧で除して求めた大きさに制御し、かつ、複数の燃料電池のうち流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記(1)式に前記複数の燃料電池全体の電流Iを代入して求めた燃料量Fに制御する。
上記のように、複数の燃料電池を電気的に並列に接続した場合、電圧は個々の燃料電池毎に一定になるものの、電流は個々の燃料電池の性能に応じてばらつくことになる(図2も参照)。しかし、請求項1記載の発明では、電気配線に流れる複数の燃料電池全体の電流要求出力を出力電圧で除して求めた大きさに制御するので、電気的に並列に接続された複数の燃料電池全体としては、要求出力に応じた出力(電圧・電流)が得られる。
また、上記のように個々の燃料電池の性能に応じて個々の燃料電池毎の電流がばらつくことに伴い、燃料消費量についても個々の燃料電池毎にばらつくことになる。しかし、請求項1記載の発明では、複数の燃料電池に流路によって直列に燃料を供給し、かつ複数の燃料電池のうち流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記(1)式に前記複数の燃料電池全体の電流Iを代入して求めた燃料量Fに制御する。これにより、流路の最上流の燃料電池への燃料供給量が、複数の燃料電池の各々における燃料消費量の和に応じた燃料量となるので、個々の燃料電池毎に燃料消費量がばらついていても、流路の最下流の燃料電池への燃料供給量が、当該燃料電池における燃料消費量に対して過少となることで耐久性が低下したり、過多となることで効率が低下することも防止できる。
このように、請求項1記載の発明は、電気配線に流れる複数の燃料電池全体の電流を制御し、かつ、流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を制御する、という簡易な構成により、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響で、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
請求項2記載の発明に係る燃料電池システムは、供給された燃料により発電する複数の燃料電池と、前記複数の燃料電池を並列に接続する電気配線と、前記複数の燃料電池に直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を直列に接続し、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切替可能とされた流路と、前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方を検知する検知部と、前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御する制御部と、前記検知部によって検知された前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方に基づいて、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切り替える切替部と、を含んでいる。
これにより、後述する請求項10の発明と同様に、複数の燃料電池の各々の経時劣化の度合いの相違等に起因して、複数の燃料電池の各々の出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値(燃料電池の性能)が相違した場合に、この相違が複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方のばらつきとして検知され、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が所定値以上小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、複数の燃料電池を直列に接続する順番が切り替わるので、複数の燃料電池の各々の経時劣化の度合いの相違等に起因して、複数の燃料電池の性能のばらつきが生じた場合にも、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
なお、請求項1又は請求項2記載の発明において、電気配線により並列に接続され、流路により直列に燃料が供給される複数の燃料電池を含む燃料電池群を複数備えた構成であってもよい。この場合、複数の燃料電池群は、例えば請求項に記載したように、電気的に直列に接続され、並列に燃料が供給される構成であってもよいし、例えば請求項に記載したように、電気的に直列に接続され、直列に燃料が供給される構成であってもよい。
請求項記載の発明に係る燃料電池システムは、供給された燃料により発電する複数の燃料電池と、前記複数の燃料電池を並列に接続する電気配線と、前記複数の燃料電池のうち、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が、前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置する順序で直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を直列に接続する流路と、を含んでいる。
請求項記載の発明では、請求項1又は請求項2記載の発明と同様に、供給された燃料により発電する複数の燃料電池が電気配線によって並列に接続され、複数の燃料電池に直列に燃料が供給されるように、複数の燃料電池が流路によって直列に接続されている。なお、請求項記載の発明においても、上記の複数の燃料電池の各々は、燃料電池セルであってもよいし、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであっても構わない。
上記構成の燃料電池システムでは、複数の燃料電池に直列に燃料を供給することで、燃料の流通方向の上流側に位置している燃料電池への燃料供給量が、燃料の流通方向の下流側に位置している燃料電池への燃料供給量よりも多く(リッチに)なり、これに伴い、燃料の流通方向の上流側に位置している燃料電池が、燃料の流通方向の下流側に位置している燃料電池よりも性能が高くなり、性能が高い燃料電池には性能が低い燃料電池よりも大電流が流れる、という燃料電池毎の性能及び電流の差異が生じる。個々の燃料電池は電流と電圧に応じた発熱をするが、電気的に並列に接続された燃料電池は電圧が等しいため、電流に応じて発熱量が決まる。従って、燃料の流通方向の上流側に位置している燃料電池は、燃料の流通方向の下流側に位置している燃料電池よりも発熱量が多く温度が高くなる。
一般に燃料電池は、一例として図3に示すように、温度が高い方が内部抵抗が低くて効率が高く、温度が低くなるに従い内部抵抗が高くなって効率も低下する傾向にある。しかしながら、燃料電池の温度が過度に高くなると、燃料電池の構成部材やその他周囲の部材に悪影響を及ぼし、耐久性が低下する恐れがある。
請求項記載の発明は、上記に基づき、複数の燃料電池のうち、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池(すなわち性能が高い燃料電池)が、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の絶対値が大きい燃料電池(すなわち性能が低い燃料電池)よりも燃料の流通方向の下流側に位置する順序で直列に燃料が供給されるように、複数の燃料電池を流路によって直列に接続している。これにより、複数の燃料電池の各々の性能のばらつきが、個々の燃料電池への燃料供給量の相違によって減じられる順序で、複数の燃料電池に直列に燃料が供給されることになり、複数の燃料電池の温度のばらつきも均されることになる。従って、請求項記載の発明によれば、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響で、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
なお、請求項記載の発明において、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池は、例えば請求項に記載したように、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも高温となる環境に設置された燃料電池であってもよい。複数の燃料電池が設置された環境温度が互いに相違している場合、複数の燃料電池の各々の性能は設置環境の温度の相違に起因してばらつくことになるが、請求項5記載の発明では、複数の燃料電池が設置環境の温度の相違に起因する性能のばらつき、個々の燃料電池への燃料供給量の相違によって減じられる順序で、複数の燃料電池に直列に燃料が供給されることになるので、複数の燃料電池の性能や温度のばらつきを均すことができる。
また、請求項記載の発明において、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池は、例えば請求項に記載したように、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも電極の面積が大きくされた燃料電池であってもよい。
一般に燃料電池は、電極面積を大きくすると、単位電流量に対して電流密度が下がるため内部抵抗が低下し、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さくなる傾向にある。一方、燃料電池の電極面積を小さくすると、単位電流量に対して電流密度が上がるため内部抵抗が増加し、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が大きくなる傾向にある。
上記に基づき請求項記載の発明では、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも電極の面積が大きくされた燃料電池を、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池として用い、当該燃料電池を、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置する順序で直列に燃料が供給されるように、複数の燃料電池を流路によって直列に接続する。これにより、個々の燃料電池への燃料供給量の相違に起因する複数の燃料電池の性能のばらつきが、個々の燃料電池の電極の面積の相違によって減じられる順序で、複数の燃料電池に直列に燃料が供給されることになり、個々の燃料電池への燃料供給量の相違に起因する複数の燃料電池の性能や温度のばらつきを均すことができる。
また、請求項記載の発明において、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池は、例えば請求項に記載したように、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料電池セルの積層数が多くされた燃料電池であってもよい。
燃料電池が燃料電池セルを複数積層した構成の場合、燃料電池セルの積層数が多くなるに従って燃料電池の電圧が高くなる。上記に基づき請求項記載の発明では、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料電池セルの積層数が多くされた燃料電池を、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池として用い、当該燃料電池を、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置する順序で直列に燃料が供給されるように、複数の燃料電池を流路によって直列に接続している。
これにより、個々の燃料電池への燃料供給量の相違に起因する複数の燃料電池の性能のばらつきが、個々の燃料電池における燃料電池セルの積層数の相違によって減じられる順序で、複数の燃料電池に直列に燃料が供給されることになり、個々の燃料電池への燃料供給量の相違に起因する複数の燃料電池の性能や温度のばらつきを均すことができる。
また、請求項〜請求項の何れか1項記載の発明において、例えば請求項に記載したように、前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御する制御部を更に含んでいてもよい。これにより、請求項1記載の発明と同様に、簡易な構成により、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響で、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
また、請求項10記載の発明は、請求項1、請求項3〜請求項9の何れか1項記載の発明において、前記流路は、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切替可能とされ、前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方を検知する検知部と、前記検知部によって検知された前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方に基づいて、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切り替える切替部と、を更に含んでいる。
請求項10記載の発明では、複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方を検知部によって検知し、切替部が、検知部によって検知された複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方に基づいて、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が所定値以上小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、複数の燃料電池を直列に接続する順番を切り替える。
これにより、複数の燃料電池の各々の経時劣化の度合いの相違等に起因して、複数の燃料電池の各々の出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値(燃料電池の性能)が相違した場合に、この相違が複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方のばらつきとして検知され、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が所定値以上小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、複数の燃料電池を直列に接続する順番が切り替わるので、複数の燃料電池の各々の経時劣化の度合いの相違等に起因して、複数の燃料電池の性能のばらつきが生じた場合にも、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
請求項11記載の発明に係る燃料電池システムの運転方法は、供給された燃料により発電する複数の燃料電池を、電気配線によって並列に接続すると共に、前記複数の燃料電池に流路によって直列に燃料を供給し、前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流(個々の前記燃料電池を流れる電流の和)Iを、要求出力を出力電圧で除して求めた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を、
I/F=最適値 …(1)
上記(1)式(但し、上記最適値は、I/Fの値が大きくなる程、前記燃料電池の効率が高くなる一方で、前記燃料電池の耐久性が低下し、I/Fの値が小さくなる程、前記効率が低下する、という前記複数の燃料電池の耐久性と効率のバランスから定まる)に前記複数の燃料電池全体の電流Iを代入して求めた、個々の前記燃料電池における燃料消費量の和に相当する燃料量Fに制御することを含んでいるので、請求項1記載の発明と同様に、簡易な構成により、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響で、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
請求項12記載の発明に係る燃料電池システムの運転方法は、供給された燃料により発電する複数の燃料電池を、電気配線によって並列に接続すると共に、前記複数の燃料電池に流路によって直列に燃料を供給し、前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御し、前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方を検知し、検知した前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方に基づいて、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切り替えることを含んでいるので、請求項2記載の発明と同様に、複数の燃料電池の各々の経時劣化の度合いの相違等に起因して、複数の燃料電池の性能のばらつきが生じた場合にも、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
請求項1記載の発明に係る燃料電池システムの構成方法は、供給された燃料により発電する複数の燃料電池を電気配線によって並列に接続すると共に、前記複数の燃料電池のうち、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が、前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置する順序で直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を流路によって直列に接続することを含んでいるので、請求項記載の発明と同様に、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響で、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御するので、請求項9記載の発明と同様に、簡易な構成により、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響で、耐久性や効率が低下することを抑制することができる。
本発明は、電気的に並列に接続された複数の燃料電池の各々の性能のばらつきの影響を抑制できる、という効果を有する。
燃料電池セルの電流−電圧特性の一例を示す線図である。 燃料電池セルの電流−電圧特性の性能に応じた変化の一例を示す線図である。 燃料電池セルの電流−電圧特性の温度に応じた変化の一例を示す線図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態における燃料電池システム運転制御処理を示すフローチャートである。 燃料電池システムの他の構成を示す概略構成図である。 燃料電池システムの他の構成を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第5実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第5実施形態における燃料電池システム運転制御処理を示すフローチャートである。 本発明の比較例としての燃料電池システムの概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図4には、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aが示されている。燃料電池システム10Aは、主要な構成として、改質器12、バーナ14、燃料制御器16、3個の燃料電池セル18A〜18C、パワーコンディショナ20及び運転制御部22を備えている。
改質器12には、一端が燃料制御器16に接続された原料ガス管28の他端が接続されている。また、改質器12には改質水供給管24の一端が接続されており、改質水供給管24の途中にはポンプ26が設けられている。改質水供給管24には改質水が供給され、供給された改質水はポンプ26によって下流側(改質器12側)へ送出され、改質器12へ供給される。ポンプ26は運転制御部22と電気的に接続されており、ポンプ26の駆動は運転制御部22によって制御される。
改質器12は、バーナ14によって加熱され、原料ガス管を介して供給された原料ガスを、改質水供給管24を介して供給された改質水(水蒸気)を利用して水蒸気改質し、水素ガスを含む燃料ガスを生成する。改質器12で生成された燃料ガスは、燃料ガス管30を介して燃料ガスの流通方向の最上流に位置している燃料電池セル18Aに供給される。
燃料制御器16は、原料ガス管23を介して図示しないガス源に接続されている。燃料制御器16には、脱硫器によって硫黄化合物が吸着除去された原料ガス(炭化水素燃料)がガス源から原料ガス管23を介して供給される。燃料制御器16は、上記の通り原料ガス管28を介して改質器12に接続されている。すなわち、燃料制御器16は、原料ガス管28、改質器12及び燃料ガス管30を介して、燃料電池セル18Aに接続されている。また、燃料制御器16は、運転制御部22と電気的に接続されている。燃料制御器16は、改質器12から燃料ガス管30を介して燃料電池セル18Aの燃料極へ供給される燃料ガスの量(燃料供給量)を制御可能とされ、燃料制御器16から改質器12を介した燃料電池セル18Aの燃料極への燃料供給量は運転制御部22によって制御される。具体的には、運転制御部22は、燃料制御器16から改質器12へ供給される原料ガスの量(原料ガス供給量)を制御することで燃料電池セル18Aの燃料極への燃料供給量を制御する。なお、運転制御部22は、ポンプ26による改質器12への改質水供給量については、燃料供給量に応じて、改質器12での水蒸気改質に不足のない量に制御する。
また、燃料電池セル18Aには酸化ガス供給管32の一端が接続され、酸化ガス供給管32の途中にはブロア34が設けられている。酸化ガス供給管32には酸化ガス(空気)が供給され、供給された酸化ガスはブロア34によって燃料電池セル18A側へ送出され、燃料電池セル18Aの空気極に供給される。ブロア34は運転制御部22と電気的に接続されており、ブロア34の駆動は運転制御部22によって制御される。
燃料電池セル18A〜18Cは、互いに同一の構成とされており、電解質層と、当該電解質層の表裏面にそれぞれ積層された燃料極及び空気極と、を有している。空気極(カソード極)には酸化ガス(空気)が供給される。空気極では、下記(1)式で示されるように、酸化ガス中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。生成された酸素イオンは電解質層を通って燃料極に到達する。
(空気極反応)
1/2O+2e →O2− …(1)
一方、燃料極では、下記(2)式及び(3)式で示されるように、電解質層を通ってきた酸素イオンが燃料ガス中の水素及び一酸化炭素と反応し、水(水蒸気)及び二酸化炭素と電子が生成される。燃料極で生成された電子が燃料極から外部回路を通って空気極に移動することで、各燃料電池セル18A〜18Cにおいて発電される。また、各燃料電池セルは、発電時に上記反応に伴って発熱する。
(燃料極反応)
+O2− →HO+2e …(2)
CO+O2−→CO+2e …(3)
燃料電池セル18Aには燃料極排ガス管36及び空気極排ガス管38の一端が接続されており、燃料極排ガス管36及び空気極排ガス管38の他端は燃料電池セル18Bに接続されている。燃料電池セル18Aの燃料極から排出された、未反応の水素ガス、水、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む燃料極排ガスは、燃料極排ガス管36を介して燃料電池セル18Bの燃料極に供給され、燃料電池セル18Aの空気極から排出された酸化ガスは、空気極排ガス管38を介して燃料電池セル18Bの空気極に供給される。
なお、燃料電池には、電解質の種類等に応じて、固体高分子型燃料電池(PEFC)、りん酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)及び固体酸化物型燃料電池(SOFC)等、幾つかの型式があるが、本第1実施形態において、燃料電池セル18A〜18Cは上記の何れの型式の燃料電池であってもよい。
また、燃料電池セル18Bには燃料極排ガス管40及び空気極排ガス管42の一端が接続されており、燃料極排ガス管40及び空気極排ガス管42の他端は燃料電池セル18Cに接続されている。燃料電池セル18Bの燃料極から排出された、未反応の水素ガス、水、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む燃料極排ガスは、燃料極排ガス管40を介して燃料電池セル18Cの燃料極に供給され、燃料電池セル18Bの空気極から排出された酸化ガスは空気極排ガス管42を介して燃料電池セル18Cの空気極に供給される。
このように、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aは、燃料電池セル18A〜18Cに、燃料電池セル18A,18B,18Cの順に直列に燃料が供給されるように、燃料ガス管30、燃料極排ガス管36,40によって直列に接続されている。なお、燃料電池セル18A〜18Cは本発明における複数の燃料電池の一例であり、燃料ガス管30、燃料極排ガス管36,40は本発明における流路の一例である。
また、燃料電池セル18Cには燃料極排ガス管44の一端が接続されており、燃料極排ガス管44の他端はバーナ14に接続されている。燃料電池セル18Bの燃料極から排出された、未反応の水素ガス、水、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む燃料極排ガスは、燃料極排ガス管44を介してバーナ14に供給される。なお、燃料電池セル18Cの空気極から排出された酸化ガスは、燃料電池セル18Cに一端が接続された空気極排ガス管46を介して系外へ排出される。
バーナ14は、燃料極排ガス管44を介して燃料電池セル18Cから供給された燃料極排ガスを空気と混合して燃焼させ、改質器12を加熱する。また、バーナ14における燃焼によって生じた排ガスは、バーナ14に一端が接続されたバーナ排ガス管48を介して系外へ排出される。
燃料電池セル18A〜18Cは、各々の燃料極が電気配線50を介して互いに接続されており、各々の空気極が電気配線52を介して互いに接続されていることで、電気的に並列に接続されている。燃料電池セル18A〜18Cで発電が行われている場合、電気配線50,52には各燃料電池セル18A〜18Cを流れる電流を足し合わせた電流(この電流は本発明における「複数の燃料電池全体の電流」の一例であり、以下、全体電流という)が流れる。電気配線50,52は本発明における電気配線の一例である。
電気配線50,52はパワーコンディショナ20に各々接続されており、パワーコンディショナ20は運転制御部22と電気的に接続されている。パワーコンディショナ20は電気配線50,52を流れる全体電流の大きさを制御可能とされ、電気配線50,52を流れる全体電流の大きさはパワーコンディショナ20を介して運転制御部22によって制御される。また、電気配線50,52は図示しない変電機器を介して図示しない電力負荷に接続されており、燃料電池セル18A〜18Cによって発電された電力(電圧・電流)は、直流→交流変換や電圧変換等の変電処理を経て電力負荷に供給されて消費される。
なお、パワーコンディショナ20及び運転制御部22は、先に説明した燃料制御器16と共に、本発明における制御部の一例である。
次に本第1実施形態の作用を説明する。運転制御部22は、燃料電池システム10Aの電源が投入されて燃料電池システム10Aの運転開始が指示されると、図5に示す燃料電池システム運転制御処理を行う。
燃料電池システム運転制御処理のステップ200において、運転制御部22は、電力負荷の消費電力を検知し、検知した消費電力に基づいて、燃料電池システム10Aに対して要求されている出力電力を算出する。次のステップ202において、運転制御部22は、ステップ200で算出した出力電力から出力電流(電気配線50,52を流れる全体電流)を算出する。燃料電池システム10Aでは燃料電池セル18A〜18Cが電気的に並列に接続されているので、燃料電池システム10Aから出力される直流電力の電圧は一定であり、出力電流は出力電力を出力電圧で除すことで算出される。
次のステップ204において、運転制御部22は、ステップ202で算出した出力電流に基づいて、燃料ガスの流通方向の最上流に位置している燃料電池セル18Aへの燃料供給量及び空気供給量、改質器12への改質水供給量を算出する。
燃料供給量は、供給した燃料が反応可能な電子の総量をF、電流によって生み出され燃料と反応する電子の量をIとし、燃料電池セル18A〜18Cの耐久性と効率のバランスから、I/Fの最適値を例えばI/F=80%と仮定したときに、I/F=80%のIに出力電流を代入し、Fを燃料供給量として算出することで求めることができる。この演算で算出される燃料供給量は、Iに出力電流(個々の燃料電池セル18A〜18Cを流れる電流の和)を代入しているので、出力電流に応じた燃料量、すなわち個々の燃料電池セル18A〜18Cにおける燃料消費量の和に相当する燃料供給量となる。なお、空気供給量及び改質水供給量は、算出した燃料供給量から求めることができる。
次のステップ206において、運転制御部22は、電気配線50,52を流れる全体電流をステップ202で算出した出力電流に制御する制御信号をパワーコンディショナ20へ出力し、最上流の燃料電池セル18Aへの燃料供給量をステップ204で算出した燃料供給量に制御する制御信号を燃料制御器16へ出力し、燃料電池セル18Aへの空気供給量をステップ204で算出した空気供給量に制御する制御信号をブロア34へ出力し、改質器12への改質水の供給量をステップ204で算出した改質水供給量に制御する制御信号をポンプ26へ出力する。
次のステップ208において、運転制御部22は、燃料電池システム10Aの運転終了が指示されたか否か判定する。判定が否定された場合はステップ200に戻り、ステップ208の判定が肯定される迄、ステップ200〜208を繰り返す。燃料電池システム10Aの運転終了が指示されると、ステップ208の判定が肯定されて燃料電池システム運転制御処理を終了する。
上記のように、燃料電池システム10Aでは、3つの燃料電池セル18A〜18Cを電気的に並列に接続しているので、個々の燃料電池セル18A〜18Cを流れる電流は個々の燃料電池セル18A〜18Cの性能に応じてばらつくことになる。しかし、燃料電池システム10Aでは、電気配線50,52に流れる全体電流を要求出力に応じた大きさに制御するので、3つの燃料電池セル18A〜18C全体としては、要求出力に応じた出力(電圧・電流)が得られる。
また、個々の燃料電池セル18A〜18Cの性能に応じて個々の燃料電池セル18A〜18Cを流れる電流がばらつくことに伴い、燃料消費量についても個々の燃料電池セル18A〜18C毎にばらつくことになる。しかし、燃料電池システム10Aでは、燃料ガス管30、燃料極排ガス管36,40によって燃料電池セル18A〜18Cに直列に燃料を供給し、かつ最上流の燃料電池セル18Aに供給される燃料量を全体電流に応じた燃料量に制御している。これにより、最上流の燃料電池セル18Aへの燃料供給量が、燃料電池セル18A〜18Cの各々における燃料消費量の和に応じた燃料量となるので、個々の燃料電池セル18A〜18C毎に燃料消費量がばらついていても、最下流の燃料電池セル18Cへの燃料供給量が、当該燃料電池セル18Cにおける燃料消費量に対して過少となることで耐久性が低下したり、過多となることで効率が低下することも防止できる。
本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aの作用について更に説明する。なお、以下の説明では、図13に示すように、燃料制御器16から燃料電池セル18A〜18Cへ並列に燃料を供給する構成の燃料電池システム300を比較例とする。なお、図13では改質器12、バーナ14、運転制御部22等は図示を省略している。
比較例に係る燃料電池システム300は、燃料ガス管302が燃料制御器16の下流側で3本に分岐され、燃料電池セル18A〜18Cに各々接続されており、燃料電池セル18A〜18Cへ並列に燃料が供給される構成となっている。この場合、燃料制御器16は燃料電池セル18A〜18Cへの燃料供給量の合計値を調整し、個々の燃料電池セル18A〜18Cへの燃料供給量は、燃料電池セル18A〜18Cにおける圧力損失等によりほぼ一定割合(例えば等分)で分配される。一方、燃料電池セル18A〜18Cは電気的に並列に接続されているため、個々の燃料電池セル18A〜18Cを流れる電流は個々の燃料電池セル18A〜18Cの性能に応じて定まる。
比較例に係る燃料電池システム300は、個々の燃料電池セル18A〜18Cでの燃料消費量がばらつくと、個々の燃料電池セル18A〜18Cでの燃料供給量と燃料消費量との割合にもばらつきが生じる。
具体的には、燃料電池システム300では、燃料電池セル18A〜18Cを流れる電流の合計値(全体電流)と燃料電池セル18A〜18Cへの燃料供給量の合計値は制御できるものの、電流及び燃料供給量を個々の燃料電池セル18A〜18C毎には制御できない。ここで、例えばI/F=80%になるように全体電流と燃料供給量の合計値を制御した場合、F1:F2:F3=I1:I2:I3を満たす状況であれば、I1/F1=I2/F2=I3/F3=I/F=80%となり、燃料電池セル18A〜18Cの燃料供給量と燃料消費量との割合は目標通りの値となる。
しかしながら、燃料電池セル18A〜18Cの電流の比率が燃料供給量の比率とずれてしまうと(F1:F2:F3≠I1:I2:I3)、I1/F1、I2/F2、I3/F3の何れか1つ以上は目標値I/F=80%を上回ることになり、I/Fが閾値以上になった1つ以上の燃料電池セル18では燃料極の酸化等による破損が生ずる可能性がある。また、1つ以上の燃料電池セル18で必ず燃料供給量に対する燃料消費量の割合が過多になることで、耐久性が低下する虞もある。
一例として、比較例に係る燃料電池システム300において、燃料電池セル18A〜18Cの電流の比率がI1:I2:I3=9:8:7、燃料電池セル18A〜18Cへの燃料の配分が等分(つまりF1:F2:F3=1:1:1)であり、燃料電池セルの耐久性と効率のバランスからI/F=80%が理想と仮定する。燃料電池システム300において、上記の条件の下で全体電流と燃料供給量の合計値の比率I/F=80%に制御すると、I1/F1=90%、I2/F2=80%、I3/F3=70%となり、燃料電池セル18Aで燃料消費量が過多となる。また、燃料消費量が過多の状態を抑制し、全ての燃料電池セルにおいてIn/Fn≦80%とするためにはI/F=71%とする必要があり、燃料電池システム300全体としての効率の大幅な低下を招くことになる。
一方、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aでは、上記の条件下で全体電流と燃料供給量の合計値(最上流の燃料電池セル18Aへの燃料供給量)の比率をI/F=80%に制御した場合、燃料電池セル18A単体ではI1/F=30%、燃料電池セル18A,18Bでは(I1+I2)/F=57%、燃料電池セル18A〜18Cnの総計では(I1+I2+I3)/F=80%となり、燃料消費量が過多の状態の燃料電池セルは存在しない。また、燃料電池セル18A〜18Cの総計では燃料供給量の80%が消費されているため、理想通りの高い効率も得られる。これは、燃料電池セルの数や、複数の燃料電池セルにおける電流のばらつき具合に拘わらず、普遍的に成り立つ。
また、電気的に並列に接続した燃料電池セル18A〜18Cのうちの一部の燃料電池セルに、破損等により大幅な性能低下が生じた場合を想定すると、大幅な性能低下が生じた燃料電池セル18には殆ど電流が流れず、残りの燃料電池セルでその分を補償することになる。比較例に係る燃料電池システム300は、上記の想定条件下で、大幅な性能低下が生じた燃料電池セル18にも他の燃料電池セル18と同様に燃料が供給されるため、その燃料は消費されることなく無駄に放出されてしまう。また、正常な他の燃料電池セル18では、大幅な性能低下が生じた燃料電池セル18の分まで電流を増やす必要があるにも拘わらず、燃料供給量は増えないので燃料不足に陥る。
これに対し、本第1実施形態に係る燃料電池システム10Aは、最上流の燃料電池セル18Aに全ての燃料が供給され、燃料電池セル18Aに供給された燃料は、燃料電池セル18B,18Cへ順次供給されるので、燃料電池セル18A〜18Cの中に電流が流れない燃料電池セル18が発生したとしても、当該燃料電池セル18で消費されなかった燃料は後段の燃料電池セル18へ供給され、後段の燃料電池セル18で有効に消費されるので、後段の燃料電池セル18で燃料不足になったり、燃料が無駄に放出されてしまうことも防止できる。
次に本発明に係る燃料電池システムの他の構成を説明する。図6には燃料電池システム10Bを、図7には燃料電池システム10Cを示している。なお、図6,7では改質器12、バーナ14、運転制御部22等の図示を省略している。
図6に示す燃料電池システム10B及び図7に示す燃料電池システム10Cは、共に、p個(p≧2)の燃料電池セル18が電気配線60によって電気的に並列に接続され、p個の燃料電池セル18を並列接続したs個(s≧2)のユニットが電気配線60によって電気的に直列に接続されている。個々の燃料電池セル18への燃料の供給の基本的な考え方は、燃料電池システム10Aと同様であり、電気的に並列に接続されたp個の燃料電池セルには燃料供給管62(又は燃料供給管64)によって燃料が直列に供給される。但し、電気的に直列に接続されたs個の各ユニット間については、図6に示す燃料電池システム10Bのように、燃料供給管62によって燃料が並列に供給されてもよいし、図7に示す燃料電池システム10Cのように、燃料供給管62によって燃料が直列に供給されてもよいし、或いは、燃料が並列に供給される部分と直列に供給される部分とを混在させることも可能である。
前述の通り、電気的に並列接続されているp個の燃料電池セルには電流分布(電流のばらつき、或いは電流の勾配)が生じ得るため、燃料を直列に供給することで効率と耐久性の両立を実現する。一方、電気的に直列に接続されているs個の各ユニットは、全体電流が全てのユニットで等しくなるため、図6に示す燃料電池システム10Bのように、各ユニットに燃料を一定の割合で分配する構成(図6の構成では、分配割合の変動を抑制するためにオリフィスを設け、例えば等分配などに固定することが好ましい)でも、燃料供給量と燃料消費量の割合にばらつきが生ずることはなく、燃料の有効利用が可能である。勿論、図7に示す燃料電池システム10Cのようにs個の各ユニットに直列に燃料を供給する構成でも燃料の有効利用が可能である。
なお、図6は請求項に記載の燃料電池システムの一例であり、図7は請求項に記載の燃料電池システムの一例である。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
図8には本第2実施形態に係る燃料電池システム10Dが示されている。なお、図8では改質器12、バーナ14、運転制御部22等の図示を省略している。燃料電池システム10Dは6個の燃料電池セル18A〜18Fを備えている。燃料電池セル18A〜18Fはセル収容容器70の内部に、一端部から順に配置されている。燃料電池セル18A〜18Fは、パワーコンディショナ20に接続された電気配線72により、3個の燃料電池セル18A〜18Cが電気的に並列に接続されていると共に、3個の燃料電池セル18D〜18Fが電気的に並列に接続されており、燃料電池セル18A〜18Cのユニットと燃料電池セル18D〜18Fのユニットとが直列に接続されている。
また、燃料電池セル18A〜18Fは、一端が燃料制御器16に接続された燃料供給管74により、燃料電池セル18A〜18Cのユニットと燃料電池セル18D〜18Fのユニットに燃料が並列に供給される。また燃料供給管74は、燃料電池セル18A〜18Cのユニット内については、燃料電池セル18A, 18B,18Cの順(セル収容容器70の一端部から中央部へ向かう順)に直列に燃料が供給されるように接続され、燃料電池セル18D〜18Fのユニット内については、燃料電池セル18F, 18E,18Dの順(セル収容容器70の他端部から中央部へ向かう順)に直列に燃料が供給されるように接続されている。
本第2実施形態の作用を説明する。複数の燃料電池セル18に直列に燃料を供給した場合、上流側の燃料電池セル18への燃料供給量が下流側の燃料電池セル18への燃料供給量よりも多く(リッチに)なる。これに伴い、上流側の燃料電池セル18が下流側の燃料電池セル18よりも性能が高くなり、よりも大きな電流が流れる。電気的に並列に接続された燃料電池セル18は電圧が等しいため、電流に応じて発熱量が決まり、上流側の燃料電池セル18は下流側の燃料電池セル18よりも発熱量が多く温度が高くなる。
一方、本第2実施形態のように、セル収容容器70内に複数の燃料電池セル18が配置されている場合、一般に、セル収容容器70内における燃料電池セル18の配置位置がセル収容容器70の側壁面に近くなるに従って、燃料電池セル18の放熱が増加して温度が低下する傾向にあり、逆に側壁面から離れるに従って、燃料電池セル18の放熱が減少して温度が上昇する傾向にある。
本第2実施形態は、上記のように、セル収容容器70内における燃料電池セル18の配置位置に応じて燃料電池セル18の温度が相違することを利用し、燃料電池セル18A〜18Cのユニットについては、燃料電池セル18A, 18B,18Cの順、すなわちセル収容容器70の側壁面からに近い順に直列に燃料が供給されるように燃料供給管74を接続している。また、燃料電池セル18D〜18Fのユニットについては、燃料電池セル18F, 18E,18Dの順、すなわちセル収容容器70の側壁面からに近い順に直列に燃料が供給されるように燃料供給管74を接続している。
上記構成により、容器70内の温度が低くなる位置に配置された燃料電池セル18A,18Fについては燃料供給量が多くなることで発熱量が増加する一方、容器70内の温度が高くなる位置に配置された燃料電池セル18C,18Dについては燃料供給量が少なくなることで発熱量が低減するため、セル収容容器70内の燃料電池セル18A〜18Fの温度分布及び電流分布を平準化することができ、燃料電池システム10Dの効率及び耐久性を改善することができる。
また、第2実施形態では、セル収容容器70内における燃料電池セル18の配置位置とセル収容容器70の側壁面との距離に応じて燃料電池セル18の温度が相違することを前提にして、燃料電池セル18への燃料の供給順序を決定していたが、これに限定されるものではない。例えばセル収容容器70の中で、放熱面近辺や空気投入経路周囲からの距離が小さい燃料電池セルは温度が低くなり、バーナ14からの距離が小さい燃料電池セルは温度が高くなる傾向がある等のように、セル収容容器70内における燃料電池セル18の温度分布が側壁面からの距離との相関が小さい場合には、セル収容容器70内における燃料電池セル18の実際の温度分布に応じて燃料電池セル18への燃料の供給順序を決定すればよいことは言うまでもない。
また、燃料電池セル18を複数用意した場合、用意した複数の燃料電池セル18には製造ばらつき等に起因する性能(電流−電圧特性の傾き:図1〜3参照)のばらつきがあることが多い。このため、第2実施形態において、セル収容容器70内に6個の燃料電池セル18A〜18Fを配置するにあたり、無作為に燃料電池セル18A〜18Fを配置することに代えて、事前に個々の燃料電池セル18A〜18Fの性能を各々測定し、製造ばらつき等に起因する個々の燃料電池セル18A〜18Fの性能のばらつき、セル収容容器70内の温度分布に起因して生ずるセル収容容器70内の配置位置に応じた燃料電池セル18の性能の変化(図3参照)、及び、個々の燃料電池セル18への燃料供給量の差に起因して生ずる燃料供給順序に応じた燃料電池セル18性能の変化を総合的に勘案し、燃料電池システム10の運転状態で個々の燃料電池セルの性能のばらつきが最小となるように、各燃料電池セル18のセル収容容器70内の配置位置を選択し、各燃料電池セル18への燃料の供給順序を選択するようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
図9には本第3実施形態に係る燃料電池システム10Eが示されている。なお、図9では改質器12、バーナ14、運転制御部22等の図示を省略している。前述のように、複数の燃料電池セル18に直列に燃料を供給した場合、上流側の燃料電池セル18は下流側の燃料電池セル18よりも発熱量が多く温度が高くなる。
本第3実施形態に係る燃料電池システム10Eは、複数の燃料電池セル18への燃料の供給順序に依存する燃料電池セル18の温度のばらつきを軽減するために、図9に示すように、最上流の燃料電池セル18Aの電極面積を燃料電池セル18B,18Cの電極面積よりも小さくし、最下流の燃料電池セル18Cの電極面積を燃料電池セル18A,18Bの電極面積よりも大きくしている。
一般に、燃料電池セル18の電極面積が大きい方が、単位電流量に対して電流密度が下がるため内部抵抗が低下し、燃料電池セル18の電極面積が小さい方が、単位電流量に対して電流密度が上がるため内部抵抗が増加する傾向にある。このため、電気的に並列に接続した燃料電池セル18に燃料を直列に供給する場合、上記のように、下流側の燃料電池セル18の電極面積をより大きくし、上流側の燃料電池セル18の電極面積をより小さくすることで、上流側の燃料電池セル18に対して下流側の燃料電池セル18の内部抵抗を相対的に低下させることができるので、燃料電池セル18A〜18Cの電流分布及び温度分布を均一化することができ、燃料電池システム10Eの効率及び耐久性を改善することができる。
燃料電池セル18A〜18Cの電流分布及び温度分布を均一化するために必要な電極面積の算出の考え方を以下に説明する。燃料電池セル18の内部抵抗は以下の(4)式で示される。
ΔV=η+IR …(4)
但し、ΔVは開放起電力に対する電圧低下量、ηは燃料電池セルの分極抵抗、Rは燃料電池セルのオーム抵抗、Iは電流値である。(4)式より燃料電池セルを流れる電流は以下の(5)式で書き表される。
I=(ΔV−η)/R …(5)
燃料電池セルの分極抵抗ηもオーム抵抗Rも電極面積によって変化する。また分極抵抗ηは燃料の濃度(燃料供給量)によっても変化する。燃料の濃度が高いほど分極抵抗ηは小さくなるため、図9に示す順序で燃料電池セル18A〜18Cに燃料を供給したとすると、η1<η2<η3となる。
一方、燃料電池セル18A〜18Cは電気的に並列に接続されているため、燃料電池セル18A〜18Cの電圧低下量ΔVは等しくなる。従って、燃料電池セル18A〜18Cの電極面積が同じでオーム抵抗Rが等しいとすると、I1>I2>I3となり電流分布が生じる。そこで、燃料電池セル18Aの電極面積は小さめに、燃料電池セル18Cの電極面積は大きめに調整し、R1>R2>R3とすることで、電流分布を低減することが可能となる。具体的には、以下の(6)式を満たすように電極面積を調整するのが好ましいが、(6)式に近づけるだけでも電流分布及び温度分布を低減する効果は得られる。
(ΔV−η1)/R1=(ΔV−η2)/R2=(ΔV−η3)/R3 …(6)
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
図10には本第4実施形態に係る燃料電池システム10Eが示されている。なお、図10では改質器12、バーナ14、運転制御部22等の図示を省略している。これまでに説明した実施形態における燃料電池セル18に代えて、燃料電池セル18を複数積層した燃料電池スタック120(図10参照)を複数用意し、当該複数の燃料電池スタック120を電気的に並列に接続すると共に、直列に燃料を供給した場合についても、燃料の流通方向で上流側の燃料電池スタック120は下流側の燃料電池スタック120よりも発熱量が多く、温度が高くなる。
本第4実施形態に係る燃料電池システム10Fは、複数の燃料電池スタック120への燃料の供給順序に依存する燃料電池スタック120の温度のばらつきを軽減するために、図10に示すように、最上流の燃料電池スタック120Aにおける燃料電池セル18の積層数を燃料電池スタック120B,120Cにおける燃料電池セル18の積層数よりも少なくし、最下流の燃料電池スタック120Cにおける燃料電池セル18の積層数を燃料電池スタック120A,120Bにおける燃料電池セル18の積層数よりも多くしている。
燃料電池スタック120全体の電圧は、燃料電池セル18の積層数が多くなるに従って高くなる。このため、電気的に並列に接続した複数の燃料電池スタック120へ直列に燃料を供給する場合に、上記のように、上流側の燃料電池スタック120における燃料電池セル18の積層数を少なくし、下流側の燃料電池スタック120における燃料電池セル18の積層数を多くすることで、上流側の燃料電池スタック120に対し下流側の燃料電池スタック120の電圧を相対的に上げることができる。従って、燃料電池スタック120A〜120Cの電流分布及び温度分布を均一化することができ、燃料電池システム10Fの効率及び耐久性を改善することができる。
燃料電池スタック120A〜120Cの電流分布及び温度分布を均一化するために必要な、燃料電池セル18の積層数の算出の考え方を以下に説明する。燃料電池セルを複数枚積層した燃料電池スタック全体の電圧は次の(7)式で示される。
V=N(VOCV−η−IR) …(7)
但し、Vは燃料電池セルを複数枚積層した燃料電池スタック全体の電圧、Nは燃料電池セルの積層数、VOCVは燃料電池セルの1枚当たりの開放起電力、ηは燃料電池セルの1枚当たりの分極抵抗、Rは燃料電池セルの1枚当たりのオーム抵抗、Iは電流値である。(7)式より燃料電池セルの電流は次の(8)式で表される。
I=(VOCV−V/N−η)/R …(8)
分極抵抗ηは燃料の濃度によって変化する。分極抵抗ηは燃料が濃くなるに従って小さくなるため、図10に示すように、燃料電池スタック120A〜120Cに直列に燃料を供給したとすると、η1<η2<η3となる。一方、燃料電池スタック120A〜120Cは電気的に並列に接続されているため、電圧Vは燃料電池スタック120A〜120Cとも同じ値になる。従って、燃料電池スタック120A〜120Cにおける燃料電池セルの積層数Nが同一であり、かつ個々の燃料電池セルの特性が同じでオーム抵抗Rが同じ値であるとすると、I1>I2>I3となって電流分布が生じ、これに伴い温度分布も生ずる。そこで、燃料電池スタック120Aの燃料電池セル18の積層数N1を少なくする一方、燃料電池スタック120Cの燃料電池セルの積層数N3を多めに調整し、N1<N2<N3とすることで、電流分布及び温度分布を低減することが可能となる。
具体的には、次の(9)式を満たすように、各スタック毎の燃料電池セルの積層数を調整することが好ましいが、(9)式に近づけるだけでも電流分布及び温度分布の低減効果は得られる。
V/N1+η1 =V/N2+η2 =V/N3+η3 …(9)
上記の(9)式では、個々の燃料電池セルの特性が同じでオーム抵抗Rが同じ値であることを前提としていたが、温度環境の相違等により各スタック毎に燃料電池セルの特性に差異がある場合は、次の(10)式を満たすように各スタック毎の燃料電池セルの積層数Nを調整してもよい。
(VOCV−V/N1−η1)/R1
=(VOCV−V/N2−η2)/R2
=(VOCV−V/N3−η3)/R3 …(10)
なお、第2実施形態では、セル収容容器70内の配置位置に応じた燃料電池セル18の温度分布に応じて燃料の供給順序に応じて変化させることで、燃料電池セル18A〜18Cの電流分布及び温度分布を低減する態様を説明した。また、第3実施形態では、燃料電池セル18A〜18Cの電極面積を燃料の供給順序に応じて変化させることで、燃料電池セル18A〜18Cの電流分布及び温度分布を低減する態様を説明した。更に、第4実施形態では、燃料電池スタック120A〜120Cにおける燃料電池セルの積層数を燃料の供給順序に応じて変化させることで、燃料電池セル18A〜18Cの電流分布及び温度分布を低減する態様を説明した。しかし、本発明は上記で説明した態様に限定されるものではなく、上記の3つの態様のうちの少なくとも2つの態様を組み合わせて用いた態様も本発明の権利範囲に含まれる。
〔第5実施形態〕
次に本発明の第5実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
図11には本第5実施形態に係る燃料電池システム10Gが示されている。なお、図11では改質器12、バーナ14等の図示を省略している。図11に示すように、燃料電池システム10Gは2個の燃料電池セル18A,18Bを備えている。一端が燃料制御器16に接続された配管72の他端は三方弁78に接続されている。三方弁78には配管74,76の一端が各々接続され、配管74の他端は燃料電池セル18Aの燃料供給側に接続されており、配管76の他端は燃料電池セル18Bの燃料供給側に接続されている。三方弁78は、配管72を配管74と連通する状態a又は配管72を配管76と連通する状態bに切り替わる。三方弁78は運転制御部22に接続されており、運転制御部22によって状態a,bの切替えが制御される。
また、燃料電池セル18Aの燃料排出側には配管82の一端が接続され、配管82は途中で配管84と配管86とに分岐されており、配管84の他端は三方弁80に接続されている。また、燃料電池セル18Bの燃料排出側には配管92の一端が接続され、配管92は途中で配管94と配管96とに分岐されており、配管94の他端は三方弁80に接続されている。三方弁80には燃料極排ガス管44の一端が接続されている。三方弁80は、配管94を燃料極排ガス管44と連通する状態a又は配管84を燃料極排ガス管44と連通する状態bに切り替わる。三方弁80は運転制御部22に接続されており、運転制御部22によって状態a,bの切替えが制御される。
また、配管86の他端は三方弁88に接続され、配管96の他端は三方弁88に接続されており、三方弁88には配管98の一端が接続されている。三方弁88は、配管86を配管98と連通する状態a又は配管96を配管98と連通する状態bに切り替わる。三方弁88は運転制御部22に接続されており、運転制御部22によって状態a,bの切替えが制御される。
また、配管98の他端は三方弁90に接続され、三方弁90には配管110,112の一端が各々接続されている。配管110の他端は配管74の中間部に接続され、配管112の他端は配管76の中間部に接続されている。三方弁90は、配管98を配管112と連通する状態a又は配管98を配管110と連通する状態bに切り替わる。三方弁90は運転制御部22に接続されており、運転制御部22によって状態a,bの切替えが制御される。
また、燃料電池セル18A,18Bとパワーコンディショナ20とを接続する電気配線50,52のうち、燃料電池セル18Aの電流を検出可能な位置には電流センサ114が設けられており、燃料電池セル18Bの電流を検出可能な位置には電流センサ116が設けられている。電流センサ114,116は運転制御部22に接続されており、電流センサ114,116によって検出された燃料電池セル18A,18Bの電流は運転制御部22に入力される。
更に、燃料電池セル18A,18Bには温度センサ102,104が設けられている。温度センサ102,104は運転制御部22に接続されており、温度センサ102,104によって検出された燃料電池セル18A,18Bの温度は運転制御部22に入力される。なお、温度センサ102,104及び電流センサ114,116は本発明における検知部の一例である。
運転制御部22は、三方弁78,80,88,90に対し、三方弁78,80,88,90を各々状態aに切替える第1の運転状態、又は、三方弁78,80,88,90を各々状態bに切替える第2の運転状態へ切替える制御を行う。
第1の運転状態では、燃料制御器16から燃料電池セル18Aに燃料が供給された後、燃料電池セル18Aからの燃料極排ガスが燃料電池セル18Bに供給され、燃料電池セル18Bからの燃料極排ガスが燃料極排ガス管44へ排出される。また、第2の運転状態では、燃料制御器16から燃料電池セル18Bに燃料が供給された後、燃料電池セル18Bからの燃料極排ガスが燃料電池セル18Aに供給され、燃料電池セル18Aからの燃料極排ガスが燃料極排ガス管44へ排出される。
なお、本第5実施形態において、配管72,74,76,82,84,86,92,94,98,110,112及び三方弁78,80,88,90は請求項10に記載の流路の一例であり、運転制御部22は請求項10に記載の切替部の一例である。なお、本第5実施形態における燃料電池セル18A,18Bとしては、低温作動型の燃料電池セル、例えば固体高分子型やりん酸型の燃料電池セルが好適である。
本第5実施形態の作用を説明する。燃料電池システム10Gが設置される際には、運転制御部22に対し、第1の運転状態で運転するか第2の運転状態で運転するかが指示される。このときの運転状態の指示は、デフォルトで予め設定された運転状態でもよいし、第2実施形態で説明したように、より低温の環境に配置された燃料電池セル18に先に燃料が供給される運転状態を選択してもよいし、第3実施形態で説明したように、燃料電池セル18A,18Bの電極面積が相違されているのであれば、電極面積がより大きい燃料電池セル18に後に燃料が供給される運転状態を選択してもよいし、燃料電池セル18A,18Bの性能を予め測定し、性能がより高い(電流−電圧特性の傾きの絶対値がより小さい)燃料電池セル18に後に燃料が供給される運転状態を選択してもよいし、上記の選択方法を組み合わせて運転状態を選択してもよい。
燃料電池システム10Gの設置が完了し、燃料電池システム10Gの電源が投入されて燃料電池システム10Gの運転開始が指示されると、運転制御部22は、図12に示す燃料電池システム運転制御処理を行う。
図12に示す燃料電池システム運転制御処理では、まずステップ210において、運転制御部22は、切替フラグに1が設定されているか否か判定する。なお、切替フラグは運転制御部22の不揮発性メモリに記憶されており、燃料電池システム10Gが設置される際に0が設定される。ステップ210の判定が否定された場合はステップ200へ移行し、ステップ200〜ステップ206の処理を行う。なお、ステップ200〜ステップ206は第1実施形態で説明した処理と同一であるので、説明を省略する。
次のステップ216において、運転制御部22は、温度センサ102,104及び電流センサ114,116から、燃料電池システム10Gの燃料電池セル18A,18Bの温度及び電流を取得し、取得した燃料電池セル18A,18Bの温度及び電流のばらつきから、燃料電池セル18A,18Bへの燃料の供給順序を切替えるか否か判定する。
上記判定は、具体的には、例えば、燃料の流通方向で現在は下流側となっている燃料電池セル18(現在は後に燃料が供給されている燃料電池セル18)の温度が、現在は上流側となっている燃料電池セル18(現在は先に燃料が供給されている燃料電池セル18)の温度よりも、予め定めた閾値以上低いか否か判定することで行うことができる。
また、上記判定は、具体的には、例えば、燃料の流通方向で現在は下流側となっている燃料電池セル18(現在は後に燃料が供給されている燃料電池セル18)の電流が、現在は上流側となっている燃料電池セル18(現在は先に燃料が供給されている燃料電池セル18)の電流よりも、予め定めた閾値以上低いか否か判定することで行うことができる。
ステップ216の判定が否定された場合はステップ208へ移行する。ステップ208の判定は、燃料電池システム10Gの運転終了が指示される迄は否定され、ステップ210に戻る。従って、ステップ216の判定が否定されている間の運転制御部22の処理は、第1実施形態と同じである。
また、燃料電池システム10Gが設置されてから或る程度の期間が経過し、例えば、この間の燃料電池セル18の経時劣化の度合いが燃料電池セル18Aと燃料電池セル18Bとで大きく相違していた等の場合には、現在は下流側となっている燃料電池セル18の温度が、現在は上流側となっている燃料電池セル18の温度よりも閾値以上低い状態、或いは現在は下流側となっている燃料電池セル18の電流が、現在は上流側となっている燃料電池セル18の電流よりも閾値以上低い状態は生じ得る。また、上記のように温度及び電流の少なくとも一方が閾値以上相違している状態では、現在は上流側となっている燃料電池セル18の劣化も懸念される。
このため、現在は下流側となっている燃料電池セル18の温度及び電流の少なくとも一方が、現在は上流側となっている燃料電池セル18の温度よりも閾値以上低い状態になった場合には、ステップ216の判定が肯定されてステップ218へ移行する。ステップ218において、運転制御部22は、切替フラグに1を設定し、ステップ208へ移行する。
ステップ218で切替フラグに1を設定すると、ステップ210の判定が肯定されてステップ212へ移行する。ステップ212において、運転制御部22は、現在の運転状態が第1の運転状態であれば第2の運転状態へ切替え、現在の運転状態が第2の運転状態であれば第1の運転状態へ切替えることで、燃料電池セル18A,18Bのうち先に燃料を供給する燃料電池セル18を入れ替える。また、次のステップ214において、運転制御部22は、切替フラグに0を設定してステップ210に戻る。
上記処理により、燃料電池セル18の経時劣化の度合いが燃料電池セル18Aと燃料電池セル18Bとで大きく相違していた等の場合や、燃料電池セル18A,18Bの性能の高低の順序が経時的に変化した等の場合にも、燃料電池セル18A,18Cの電流及び温度の相違を低減することができ、燃料電池システム10Gの効率及び耐久性の経時的な低下を抑制することができる。
なお、第5実施形態では、燃料電池セル18が2個の場合を説明したが、より多数の燃料電池セル18が設けられた燃料電池システム10にも適用可能であることは言うまでもない。また、第5実施形態では、燃料電池セル18の温度を検出することで、燃料電池セル18の出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値を間接的に検知する態様を説明したが、これに限定されるものではなく、燃料電池セル18毎の出力電流を検知することで、燃料電池セル18の出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値を直接的に検知する構成を採用することも可能である。
また、上述した各実施形態における燃料電池セルは、本発明における燃料電池の一例に過ぎず、第4実施形態を除く各実施形態における燃料電池セルに代えて、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックを用いてもよいことは言うまでもない。
また、上述した各実施形態で説明した燃料電池システムは本発明の一例に過ぎない。例えば、上述した実施形態では改質器及びバーナが設けられた構成の燃料電池システムを説明したが、外部から燃料が供給される燃料電池システムであれば改質器及びバーナは不要である。外部から燃料が供給される燃料電池システムの一例としては車両等の移動体に搭載される燃料電池システムが挙げられる。このように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能であることは言うまでもない。
10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G…燃料電池システム、16…燃料制御器(制御部)、18A,18B,18C,18D,18E,18F…燃料電池セル(燃料電池)、20…パワーコンディショナ(制御部)、22…運転制御部(制御部)、30…燃料ガス管(流路)、36,40…燃料極排ガス管(流路)、50,52,60,72…電気配線、62,64,74…燃料供給管(流路)、72,74,76,82,84,86,92,94,98,110,112…配管(流路)、78,80,88,90…三方弁(流路)、102,104…温度センサ(検知部)

Claims (14)

  1. 供給された燃料により発電する複数の燃料電池と、
    前記複数の燃料電池を並列に接続する電気配線と、
    前記複数の燃料電池に直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を直列に接続する流路と、
    前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流(個々の前記燃料電池を流れる電流の和)Iを、要求出力を出力電圧で除して求めた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を、
    I/F=最適値 …(1)
    上記(1)式(但し、上記最適値は、I/Fの値が大きくなる程、前記燃料電池の効率が高くなる一方で、前記燃料電池の耐久性が低下し、I/Fの値が小さくなる程、前記効率が低下する、という前記複数の燃料電池の耐久性と効率のバランスから定まる)に前記複数の燃料電池全体の電流Iを代入して求めた、個々の前記燃料電池における燃料消費量の和に相当する燃料量Fに制御する制御部と、
    を含む燃料電池システム。
  2. 供給された燃料により発電する複数の燃料電池と、
    前記複数の燃料電池を並列に接続する電気配線と、
    前記複数の燃料電池に直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を直列に接続し、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切替可能とされた流路と、
    前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方を検知する検知部と、
    前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御する制御部と、
    前記検知部によって検知された前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方に基づいて、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切り替える切替部と、
    を含む燃料電池システム。
  3. 前記電気配線により並列に接続され、前記流路により直列に燃料が供給される複数の燃料電池を含む燃料電池群を複数備え、当該複数の燃料電池群が電気的に直列に接続され、並列に燃料が供給される請求項1又は請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記電気配線により並列に接続され、前記流路により直列に燃料が供給される複数の燃料電池を含む燃料電池群を複数備え、当該複数の燃料電池群が電気的に直列に接続され、直列に燃料が供給される請求項1又は請求項2記載の燃料電池システム。
  5. 供給された燃料により発電する複数の燃料電池と、
    前記複数の燃料電池を並列に接続する電気配線と、
    前記複数の燃料電池のうち、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が、前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置する順序で直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を直列に接続する流路と、
    を含む燃料電池システム。
  6. 前記傾きの絶対値が小さい燃料電池は、前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも高温となる環境に設置された燃料電池である請求項5記載の燃料電池システム。
  7. 前記傾きの絶対値が小さい燃料電池は、前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも電極の面積が大きくされた燃料電池である請求項5記載の燃料電池システム。
  8. 前記傾きの絶対値が小さい燃料電池は、前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料電池セルの積層数が多くされた燃料電池である請求項5記載の燃料電池システム。
  9. 前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御する制御部を更に含む請求項5〜請求項8の何れか1項記載の燃料電池システム。
  10. 前記流路は、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切替可能とされ、
    前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方を検知する検知部と、
    前記検知部によって検知された前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方に基づいて、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切り替える切替部と、
    を更に含む請求項1、請求項3〜請求項9の何れか1項記載の燃料電池システム。
  11. 供給された燃料により発電する複数の燃料電池を、電気配線によって並列に接続すると共に、
    前記複数の燃料電池に流路によって直列に燃料を供給し、
    前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流(個々の前記燃料電池を流れる電流の和)Iを、要求出力を出力電圧で除して求めた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を、
    I/F=最適値 …(1)
    上記(1)式(但し、上記最適値は、I/Fの値が大きくなる程、前記燃料電池の効率が高くなる一方で、前記燃料電池の耐久性が低下し、I/Fの値が小さくなる程、前記効率が低下する、という前記複数の燃料電池の耐久性と効率のバランスから定まる)に前記複数の燃料電池全体の電流Iを代入して求めた、個々の前記燃料電池における燃料消費量の和に相当する燃料量Fに制御する
    ことを含む燃料電池システムの運転方法。
  12. 供給された燃料により発電する複数の燃料電池を、電気配線によって並列に接続すると共に、
    前記複数の燃料電池に流路によって直列に燃料を供給し、
    前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御し、
    前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方を検知し、
    検知した前記複数の燃料電池の各々の温度及び出力電流の少なくとも一方に基づいて、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置するように、前記複数の燃料電池を直列に接続する順番を切り替える
    ことを含む燃料電池システムの運転方法。
  13. 供給された燃料により発電する複数の燃料電池を電気配線によって並列に接続すると共に、
    前記複数の燃料電池のうち、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の傾きの絶対値が小さい燃料電池が、前記傾きの絶対値が大きい燃料電池よりも燃料の流通方向の下流側に位置する順序で直列に燃料が供給されるように、前記複数の燃料電池を流路によって直列に接続する
    ことを含む燃料電池システムの構成方法。
  14. 前記電気配線に流れる前記複数の燃料電池全体の電流を要求出力に応じた大きさに制御し、かつ、前記複数の燃料電池のうち前記流路の最上流の燃料電池に供給される燃料量を前記複数の燃料電池全体の電流に応じた燃料量に制御する請求項13記載の燃料電池システムの構成方法。
JP2015008155A 2015-01-19 2015-01-19 燃料電池システム、その運転方法及びその構成方法 Active JP6475023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015008155A JP6475023B2 (ja) 2015-01-19 2015-01-19 燃料電池システム、その運転方法及びその構成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015008155A JP6475023B2 (ja) 2015-01-19 2015-01-19 燃料電池システム、その運転方法及びその構成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016134287A JP2016134287A (ja) 2016-07-25
JP6475023B2 true JP6475023B2 (ja) 2019-02-27

Family

ID=56464454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015008155A Active JP6475023B2 (ja) 2015-01-19 2015-01-19 燃料電池システム、その運転方法及びその構成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6475023B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6412187B2 (ja) * 2017-03-06 2018-10-24 東京瓦斯株式会社 燃料電池システム
JP6381714B1 (ja) 2017-03-10 2018-08-29 東京瓦斯株式会社 燃料電池システム及び燃料電池制御プログラム
JP6912928B2 (ja) * 2017-04-26 2021-08-04 京セラ株式会社 発電装置、制御装置、および制御プログラム
JP6448845B2 (ja) * 2018-09-27 2019-01-09 東京瓦斯株式会社 燃料電池システム
JP7163794B2 (ja) * 2019-01-28 2022-11-01 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
DE102020122081A1 (de) 2020-08-24 2022-02-24 Audi Aktiengesellschaft Festoxid-Brennstoffzellenvorrichtung sowie Brennstoffzellen-Fahrzeug

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04296458A (ja) * 1991-03-27 1992-10-20 Toshiba Corp 燃料電池発電プラント
JP3407311B2 (ja) * 1992-04-01 2003-05-19 石川島播磨重工業株式会社 溶融炭酸塩型燃料電池発電装置
JPH117974A (ja) * 1997-06-18 1999-01-12 Mitsubishi Electric Corp 中、大容量燃料電池発電装置
JP2001216990A (ja) * 2000-02-04 2001-08-10 Fuji Electric Co Ltd 固体高分子型燃料電池発電装置の運転方法およびその装置
JP4176447B2 (ja) * 2002-10-23 2008-11-05 三菱重工業株式会社 燃料電池
JP2004247268A (ja) * 2003-02-17 2004-09-02 Tokyo Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池システム及びその運転方法
WO2010134401A1 (ja) * 2009-05-20 2010-11-25 日産自動車株式会社 燃料電池システム、及びその制御方法
JP2011129396A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固体高分子形燃料電池発電システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016134287A (ja) 2016-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6475023B2 (ja) 燃料電池システム、その運転方法及びその構成方法
KR101133698B1 (ko) 공냉식연료전지시스템
JP5330753B2 (ja) 燃料電池システム
WO2010114043A1 (ja) 固体電解質型燃料電池
US20050233188A1 (en) Fuel cell operation method
JP2011165636A (ja) 並列型燃料電池電力システム
JP2007220538A (ja) 燃料電池システム
CN102439774B (zh) 燃料电池系统及其控制方法
JP6857846B2 (ja) 燃料電池システムおよびその運転方法
JP2011044290A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法
WO2018163964A1 (ja) 燃料電池システム及び燃料電池制御プログラム
CN102986070A (zh) 燃料电池系统
JP6151174B2 (ja) 燃料電池システムの停止方法および燃料電池システム
JP2014089920A (ja) 固体酸化物形燃料電池システム
JP2015220211A (ja) 燃料電池の制御装置及び燃料電池の制御方法
JP2007200771A (ja) 燃料電池発電装置の改質触媒温度制御システムおよびその制御方法
US20020102444A1 (en) Technique and apparatus to control the response of a fuel cell system to load transients
JP2010257751A (ja) 燃料電池システムの制御方法
JP5329291B2 (ja) 燃料電池モジュールの制御プログラム
JP2016134258A (ja) 燃料電池システムの制御装置
US20080152968A1 (en) Controlling oxidant flows in a fuel cell system
JP2012038608A (ja) 燃料電池システム及び燃料電池システムにおける改質用水供給量の制御方法
JP2009117170A (ja) 水素製造発電システム及びその負荷追従発電方法
US20220231316A1 (en) Fuel cell system
JP2006179389A (ja) 燃料電池発電装置およびその停止方法ならびにその停止保管方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6475023

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250