JP2014089920A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】制御を単純化することが可能な固体酸化物形燃料電池システムを提供する。
【解決手段】それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタック10を備え、アノードへ供給される燃料ガス24とカソードへ供給される空気20とを用いて発電する固体酸化物形燃料電池12と、セルスタックの温度を調整する温度調整機構14と、予め設定した電流密度において、前記セルスタックの出力する電圧が一定となるように、温度調整機構を用いてセルスタックの温度を調整する制御器18とを備え、セルスタックの温度が、固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される、固体酸化物形燃料電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池システムに関する。
特許文献1は、積算稼働時間が長くなるにつれて制限温度が高くなるように設定し、固体酸化物形燃料電池の作動温度が該制限温度を超えないように送風手段及び/又は燃料供給弁を制御する、固体酸化物形燃料電池システムを開示する。
特開2010−114000号公報
従来の固体酸化物形燃料電池システムでは、作動温度、空気供給量、燃料供給量といった多数のパラメータを制御対象とすることから、制御が複雑化するという課題があった。
本発明は、上記従来の課題に対応するもので、固体酸化物形燃料電池システムにおいて、制御を単純化することを課題とする。
本発明の固体酸化物形燃料電池システムの一態様(aspect)は、それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタックを備え、前記アノードへ供給される燃料ガスと前記カソードへ供給される空気とを用いて発電する固体酸化物形燃料電池と、前記セルスタックの温度を調整する温度調整機構と、予め設定した電流密度において、前記セルスタックの出力する電圧が一定となるように、前記温度調整機構を用いて前記セルスタックの温度を調整する制御器とを備え、前記セルスタックの温度が、前記固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される。
本発明の固体酸化物形燃料電池システムの運転方法の一態様(aspect)は、それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタックを備える固体酸化物形燃料電池を有する固体酸化物形燃料電池システムの運転方法であって、前記アノードへ燃料ガスを供給し、前記カソードへ空気を供給することで発電するステップと、予め設定した電流密度において、前記セルスタックの出力する電圧が一定となるように、前記セルスタックの温度を調整するステップとを備え、前記セルスタックの温度が、前記固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される。
本発明の一態様によれば、固体酸化物形燃料電池システムにおいて、制御を単純化することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの運転方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、固体酸化物形燃料電池システムにおける累積運転時間と電流電圧曲線との関係を示す図である。 図4は、固体酸化物形燃料電池システムにおけるセルスタックの温度と電圧電流曲線との関係を示す図である。 図5は、第1実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムにおける累積運転時間に応じたセルスタックの温度制御の具体例を示す図である。 図6は、第2実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 図7は、第3実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 図8は、第4実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 図9は、第5実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 図10は、第6実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
発明者らは、固体酸化物形燃料電池システムにおいて、制御を単純化すべく、鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
よって、累積運転時間が増加するのに伴って生じる電圧の低下を、セルスタックの温度の上昇による電圧の上昇によって補償することで、同じ電流密度においてセルスタックから取り出される電圧を一定に保つことができる。これにより、セルスタックが劣化した場合においても、同じ発電出力を得るために必要な燃料流量が一定となり、アノードに供給される燃料の制御を単純化することができる。
セルスタックの温度を調整するためには、例えば、カソードに供給される空気の温度や流量を変化させたり、アノードに供給される燃料の温度を変化させたり、これらを適宜に組合せることが考えられる。
(第1実施形態)
第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタックを備え、アノードへ供給される燃料ガスとカソードへ供給される空気とを用いて発電する固体酸化物形燃料電池と、セルスタックの温度を調整する温度調整機構と、予め設定した電流密度において、セルスタックの出力する電圧が一定となるように、温度調整機構を用いてセルスタックの温度を調整する制御器とを備え、セルスタックの温度が、固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される。
かかる構成では、セルスタックの出力する電圧および電流が一定となるため、セルスタックに供給する燃料の流量等を一定にすることができる。よって、制御を簡潔化することができる。
上記固体酸化物形燃料電池システムにおいて、温度調整機構は、カソードに空気を供給する空気供給器を備え、温度調整機構は、カソードへの空気の供給量に基づいてセルスタックの温度を調整するように構成されていてもよい。
上記固体酸化物形燃料電池システムにおいて、制御器は、予め設定した電流密度において、セルスタックの出力する電圧が第1の値の95%以上105%以下となるように、セルスタックの温度を調整してもよい。
上記固体酸化物形燃料電池システムにおいて、制御器は、予め設定した電流密度において、セルスタックの出力する電圧が第1の値の97.5%以上102.5%以下となるように、セルスタックの温度を調整してもよい。
第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの運転方法は、それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタックを備える固体酸化物形燃料電池を有する固体酸化物形燃料電池システムの運転方法であって、アノードへ燃料ガスを供給し、カソードへ空気を供給することで発電するステップと、予め設定した電流密度において、セルスタックの出力する電圧が一定となるように、セルスタックの温度を調整するステップとを備え、セルスタックの温度が、固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される。
[装置構成]
図1は、第1実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図1を参照しつつ、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システム100について説明する。
図1に示す例において、固体酸化物形燃料電池システム100は、固体酸化物形燃料電池12と、温度調整機構14と、制御器18とを備えている。
固体酸化物形燃料電池12は、それぞれアノード(図示せず)とカソード(図示せず)とを備える複数のセル(図示せず)を直列に接続したセルスタック10を備え、アノードへ供給される燃料とカソードへ供給される空気とを用いて発電する。
セルには、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を電解質等に用いた公知の構成を採用しうる。セルの材料としては、イットリビウムやスカンジウムをドープしたジルコニア、あるいはランタンガレート系の固体電解質を用いることもできる。イットリア安定化ジルコニアを用いたセルでは、電解質の厚みにも依存するが、例えば、摂氏600度から摂氏1000度程度の温度範囲で発電反応が行われる。
セルスタック10としては、例えば、平板型セルおよびインターコネクタ等の部材を積層した平板型スタックを用いてもよいし、円筒型セルおよびインターコネクタ等の部材をバンドル(束にして固定)した円筒型スタックであってもよい。
固体酸化物形燃料電池12の発電により得られた電力は、セルスタック10に設けられた図示されない2つの端子を介して外部負荷へと供給される。該端子と外部負荷との間に、DC/DCコンバータやDC/ACインバータが設けられてもよい。
電流密度は、セルを流れる電流値をセルの反応面積で割った値である。ある実施例において、セルスタックに含まれる全セルが同じ反応面積を持ち、それらのセルを電気的に直列接続している場合、セルスタックを流れる電流値を各セルの反応面積で割った値が電流密度となる。該実施例においては、各セルの反応面積を100cmとし、電流密度が0.20A/cmの時、スタックを流れる電流値は20Aである。なお、同じセルスタック形状であれば、電流密度が一定ならばスタックを流れる電流値も一定となる。
セルスタックの出力する電流および電圧は、該2つの端子の間の電流および電圧とすることができる。なお、固体酸化物形燃料電池12から取り出される電力は、固体酸化物形燃料電池12から取り出される電流と、固体酸化物形燃料電池12から取り出される電圧との積である。
空気は、カソード空気供給流路20を介して、カソードへと供給される。燃料は、燃料供給流路24を介して、アノードへと供給される。
燃料は、例えば、LPGガス、プロパンガス、ブタンガス、メタンを主成分とする都市ガス等の少なくとも炭素及び水素から構成される有機化合物を含むガス、灯油、アルコール、あるいはこれらを原料として改質反応により生成される水素含有ガス等とすることができる。すなわち、燃料は燃料供給流路24上に設けられた改質器(図示せず)において改質されて水素含有ガス等として固体酸化物形燃料電池12に供給されてもよい。灯油、アルコール等の液体燃料を用いる場合には、改質器に供給される前に、加熱されて気化されてもよい。
アノードに供給される前の燃料を所定温度(例えば摂氏700度)に加熱するための燃料予熱器(図示せず)が燃料供給流路24に設けられてもよい。アノードに供給される燃料の温度を予め高くしておくことで、例えば、スタック内の温度勾配が小さくなり、熱応力により生じるクラッキング等の問題が低減される。燃料予熱器としては、プレート積層熱交換器やマイクロチューブ熱交換器を用いて、カソードオフガス等で加熱する構成としてもよい。または、電気ヒータで加熱する構成としてもよい。
改質器では、例えば、原料に含まれる炭化水素と、加湿された空気に含まれる水と酸素とを用いて、酸化的水蒸気改質反応(Oxidative Steam Reforming)が行われてもよい。酸化的水蒸気改質反応を利用した場合、熱収支の点で改質反応が進行しやすくなり、水蒸気改質を利用する場合よりも改質器を小型化できる。また、原料中に硫黄化合物が含まれていても、SOに変換されやすくなり、スタック内の触媒が被毒されにくくなる。なお、改質方式としては、部分酸化改質であってもよいし、水蒸気改質であってもよいし、酸化的水蒸気改質であってもよい。水素含有ガスを生成できれば、いかなる改質方式であってもよい。
セルスタック10のカソードガス流路の出口には、カソードオフガス排出流路22が接続されており、カソードから排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス排出流路22を介して固体酸化物形燃料電池システム100の外部へと排出される。
セルスタック10のアノードガス流路の出口には、アノードオフガス排出流路26が接続されており、アノードから排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス排出流路26を介して固体酸化物形燃料電池システム100の外部へと排出される。
また、アノードオフガスをカソードオフガスと混合して燃焼させる、アフターバーナを設置してもよい。
また、カソードオフガスではなく空気(例えば燃料電池システム外部から取り込んだ空気をブロワで供給する)と、アノードオフガスを混合して燃焼させる、アフターバーナを設置してもよい。
本実施形態において、温度調整機構14は、図1に例示するように、カソードに空気を供給する空気供給器16としうる。空気供給器16は、カソード空気供給流路20に設けられ、カソード空気供給流路20を通じてカソードへと空気を供給する。空気供給器16としては、例えばブロワおよびポンプ等を用いることができる。空気供給器16は、例えば、固体酸化物形燃料電池システム100の外部から取り込んだ空気を供給する構成としうる。空気供給器16の出口は、カソード空気供給流路20を介して、セルスタック10のカソードガス流路の入口と接続されている。
制御器18は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、温度調整機構14を用いてセルスタック10の温度を調整する。かかる制御により、セルスタック10の温度は、固体酸化物形燃料電池12の累積運転時間が長くなるにつれて上昇する。
具体的には、制御器18は、例えば、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、空気供給器16を制御する。セルスタック10の出力する電流と電圧とが基準値よりも小さい場合には、空気供給器16からの空気供給量を減少させることで、セルスタック10の冷却量を減少させ、セルスタック10の温度を上昇させることができる。セルスタック10の出力する電流と電圧とが基準値よりも大きい場合には、空気供給器16からの空気供給量を増加させることで、セルスタック10の冷却量を増加させ、セルスタック10の温度を減少させることができる。
「予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定」とは、アノードへ供給する燃料流量の制御を効果的に単純化できる程度に、電圧が一定の範囲に収まることを言う。
具体的には例えば、制御器18は、セルスタック10の出力する電圧が第1の値の95%以上105%以下となるように、セルスタック10の温度を調整してもよい。
制御器18は、セルスタック10の出力する電圧が第1の値の97.5%以上102.5%以下となるように、セルスタック10の温度を調整してもよい。
「セルスタック10の温度」とは、具体的には例えば、セルスタック10の内部において最も温度が高い部位の温度とすることができる。より具体的には例えば、セルスタック10において、中央よりもやや下流側、すなわちセルスタック10の入口からセルスタック10の全長の3/4ないし4/5の距離の位置にあるセルの中心部の温度とすることができる。
制御器18は、空気供給器16と通信可能に接続されていてもよい。制御器18は、制御機能を有するものであればよく、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備えている。演算処理部としては、MPU、CPUが例示される。記憶部としては、メモリーが例示される。制御器は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
セルスタック10に温度検出器(図示せず)が設けられてもよい。制御器18は、該温度検出器からセルスタック10の検出温度を受け取り、該検出温度が所定の上限以下となるように監視してもよい。該検出温度が所定の上限に達した場合には、固体酸化物形燃料電池システム100の運転が停止されてもよい。セルスタック10の出力電圧が予め設定した値よりも小さくなることを許容して、固体酸化物形燃料電池システム100の運転が継続されてもよい。
セルスタック10内では、電気化学発電反応(H+0.5O→HO+2e+Q)に伴って、熱が発生する。発生する熱を、カソードを通流する空気によって除去することにより、セルスタック10の温度を調整する。
空気供給器16は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が低い場合には、空気供給量を減らす。これにより、固体酸化物形燃料電池システム100の外部から取り込んだ空気(例えば、摂氏20度、以下同様)によるセルスタック10の冷却効果が小さくなり、セルスタック10の温度が上昇し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も上昇する。
空気供給器16は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が高い場合には、空気供給量を増やす。これにより、固体酸化物形燃料電池システム100の外部から取り込んだ空気によるセルスタック10の冷却効果が大きくなり、セルスタック10の温度が低下し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も低下する。
具体的には、例えば、運転の初期において、カソードへの空気供給量を100SLMとし、セルスタック10の出力する電圧が34.5Vに低下したことを検知した際に、カソードへの空気供給量を95SLMに低下させ、カソードを通流する空気によるセルスタック10の冷却量を低減させる。その結果、セルスタック10の温度が、例えば摂氏810度から摂氏815度に上昇し、セルスタック10の出力する電圧が35Vに回復する。なお、上記の制御は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が所定量(例えば、電圧0.5V)だけ低くなった場合に、空気供給量を所定量(例えば、5SLM)だけ減らすというように一方向的に行われてもよい。上記の制御は、PID制御などのフィードバック制御を用いて行われてもよい。
かかる構成により、温度調整機構14は、カソードへの空気の供給量に基づいてセルスタック10の温度を調整する。
本実施形態では、燃料電池システムの外部から空気を取り込むと共に、空気供給器から供給される該空気の流量を制御することで、該空気によるセルスタックの冷却量を制御し、セルスタックの温度を制御することができる。
セルスタックの温度は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように制御されるから、セルスタックが劣化した場合でも、アノードに供給される燃料の流量等を一定にすることができ、制御を単純化することができる。
[運転方法]
図2は、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの運転方法の一例を示すフローチャートである。
図2に例示するように、本実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの運転方法は、それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタック10を備える固体酸化物形燃料電池12を有する固体酸化物形燃料電池システム100の運転方法であって、アノードへ燃料ガスを供給し、カソードへ空気を供給することで発電するステップ(S101)と、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、セルスタック10の温度を調整するステップ(S102)とを備え、セルスタック10の温度が、固体酸化物形燃料電池12の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される。
図3は、固体酸化物形燃料電池システムにおける累積運転時間と電流電圧曲線との関係を示す図である。電流電圧曲線とは、個々のセルの電圧と、個々のセルにおける電流密度との関係を示す曲線としうる(以下同様)。
使用開始後初期の固体酸化物形燃料電池システム(A)と、累積運転時間が10000時間となった状態の固体酸化物形燃料電池システム(B)と、累積運転時間が30000時間となった状態の固体酸化物形燃料電池システム(C)とを比較すると、使用開始後初期における同じ電流密度における電圧は相対的に大きく、累積運転時間が長くなるにしたがって電圧は減少していく。
すなわち、同一の電流密度では、使用開始後初期の電圧が最も高く、累積運転時間が長くなるにしたがって電圧は減少していく。かかる現象は、劣化を伴う固体酸化物形燃料電池システムにおける一般的な特徴である。
かかる現象が生じる理由としては、例えば、高温酸化により、インターコネクタ表面に酸化膜が形成され、該酸化膜によってセルスタックの内部抵抗が増大することが考えられる。
図4は、固体酸化物形燃料電池システムにおけるセルスタックの温度と電圧電流曲線との関係を示す図である。
使用開始後初期の固体酸化物形燃料電池システムについて、セルスタックの温度が摂氏850度となるように運転した場合(X)と、セルスタックの温度が摂氏830度となるように運転した場合(Y)と、セルスタックの温度が摂氏810度となるように運転した場合(Z)とを比較すると、電流密度が同じであれば、セルスタックの温度が摂氏850度の場合における電圧は相対的に大きく、セルスタックの温度が低下するにしたがって電圧は減少していく。
すなわち、同一の電流密度では、セルスタックの温度が高い程、電圧も高く、セルスタックの温度が低くなるにしたがって電圧は減少していく。かかる現象は、劣化を伴う固体酸化物形燃料電池システムにおける一般的な特徴である。
累積運転時間の増加と共に電圧が低下する具体的なメカニズムとして考えられるものは、例えば、以下ものが挙げられる。金属製インターコネクタの表面に酸化膜が形成され、酸化膜により電気抵抗が増大して、電圧が低下(劣化)する。アノードに含有しているNi粒子がシンタリングによって凝集(粒子径が増大)し、Ni粒子の表面積が減少し、反応抵抗が増大して、電圧が低下(劣化)する。以上の点は、例えばECS Transactions,35(1)207−216(2011)に記載されている。
温度上昇によりイオン伝導抵抗が低下することを具体的に示す文献として、Solid State Ionics,vol.174,issues1−4,p.135−149(29 October 2004)が挙げられる。同文献には、各種電解質について、温度とイオン電導率の関係が記載されており、いずれの材料についても、温度上昇と共に、イオン伝導抵抗が低下している。
かかる現象が生じる理由としては、例えば、セルスタックの温度が低くなるとセルが備える電解質、すなわち固体酸化物、のイオン伝導抵抗が大きくなり、セルスタックの温度が高くなると該電解質のイオン伝導抵抗が小さくなることが考えられる。
図3および図4から明らかなように、累積運転時間の増大による電圧の低下の態様と、セルスタックの温度の低下による電圧の減少の態様とは類似する。よって、累積運転時間の増大による電圧の低下をセルスタックの温度の上昇によって補償することができる。すなわち、累積運転時間の増大によって電圧が低下した分だけ、セルスタックの温度を上昇させることで、電圧を一定に保つことができる。
図5は、第1実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムにおける累積運転時間に応じたセルスタックの温度制御の具体例を示す図である。
本実施形態では、燃料電池システムの稼働に際して、予めスタックの運転電圧を設定する。稼働初期のスタック温度は摂氏810度に設定する。例えば、50個のセルを直列接続したスタックを用いる場合に、1セル当り平均0.70Vの電圧で運転すると設定する。この場合、設定スタック電圧は35V[DC](=50セル×0.70V)となる。
図5に例示するように、使用開始後初期(使用開始直後)においては、セルスタックの温度を低く(摂氏810度)して運転し、固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなる(10000時間後)と、セルスタックの温度を高く(摂氏830度)して運転し、固体酸化物形燃料電池の累積運転時間がさらに長くなる(30000時間後)と、セルスタックの温度をさらに高く(摂氏850度)して運転する。
具体的には例えば、予め設定したスタック電圧35Vからのスタック電圧の低下を、電圧測定器(図示せず)が検知する。例えば、スタック電圧が34.5V(1セル当り平均0.69V)と検知された場合、スタック電圧が35Vとなるように、カソードへの空気供給量を、空気供給器16を用いて、調整する。
かかる制御を行うことで、予め設定した電流密度においてセルスタックが出力する電圧をほぼ一定に保つことができる。
セルスタックの出力する電圧が一定であると、セルスタックに供給される燃料の流量も一定となることから、制御が単純化される。これにより、具体的には例えば、燃料供給器の構成を単純化することができる。
また、使用開始後初期の段階では、セルスタックの温度が低く維持される。セルスタックの温度が低いと、インターコネクタ金属材料等の酸化が抑制されることから、セルスタックの劣化速度が小さくなる。よって、セルスタックの寿命を長くすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、第1実施形態およびその変形例のいずれかの固体酸化物形燃料電池システムであって、温度調整機構は、カソードに供給される空気とカソードから排出されるカソードオフガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、カソードガス熱交換器をバイパスして空気をカソードへと供給するカソードガス熱交換器バイパス流路と、カソードに供給される空気のうちのカソードガス熱交換器を通じてカソードに供給される空気の割合とカソードガス熱交換器バイパス流路を通じてカソードに供給される空気の割合とを調整するカソード空気調整機構と、を備え、温度調整機構は、カソード空気調整機構によりカソードに供給される空気のうちのカソードガス熱交換器を通じてカソードに供給される空気の割合とカソードガス熱交換器バイパス流路を通じてカソードに供給される空気の割合とを調整することでセルスタックの温度を調整するように構成されている。
[装置構成]
図6は、第2実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図6を参照しつつ、第2実施形態の固体酸化物形燃料電池システム200について説明する。
図6に示す例において、固体酸化物形燃料電池システム200は、温度調整機構14として、カソードガス熱交換器28と、カソードガス熱交換器バイパス流路30と、カソード空気調整機構32とを備えている。
カソードガス熱交換器28は、カソードに供給される空気(例えば摂氏650度)とカソードから排出されるカソードオフガス(例えば摂氏800度)とを熱交換させる。カソードガス熱交換器28としては、例えば、積層プレート式熱交換器を用いることができる。
カソードガス熱交換器28のカソードオフガス流路の入口は、カソードオフガス排出流路を介して、セルスタック10のカソードガス流路の出口に接続されている。カソードガス熱交換器28の空気流路の出口は、カソード空気供給流路を介して、セルスタック10のカソードガス流路の入口に接続されている。
該空気が固体酸化物形燃料電池システム200の外部から取り込まれる場合等において、カソードオフガスは、カソードに供給される空気に比べて温度が高いため、カソードガス熱交換器28において、カソードオフガスは空気により冷却される。
カソードガス熱交換器バイパス流路30は、カソードガス熱交換器28をバイパスして空気をカソードへと供給するための流路である。カソードガス熱交換器バイパス流路30は、例えば、カソードガス熱交換器28の上流側のカソード空気供給流路20から分岐し、カソードガス熱交換器28の下流側のカソード空気供給流路20へと合流する。
カソード空気調整機構32は、カソードに供給される空気のうちのカソードガス熱交換器を通じてカソードに供給される空気の割合とカソードガス熱交換器バイパス流路を通じてカソードに供給される空気の割合とを調整する。図6に示す例では、カソード空気調整機構32は、第1弁34と、第2弁36とを備えている。
「カソードに供給される空気のうちのカソードガス熱交換器を通じてカソードに供給される空気の割合とカソードガス熱交換器バイパス流路を通じてカソードに供給される空気の割合とを調整する」とは、カソードガス熱交換器を通じてカソードに供給される空気の流量とカソードガス熱交換器バイパス流路を通じてカソードに供給される空気の流量との両者をいずれもゼロとせずに両者の比を変化させる場合のみならず、完全にいずれか一方のみに切り替える場合を含んでもよい。
カソードガス熱交換器バイパス流路30は、カソードガス熱交換器28の上流側のカソード空気供給流路20に設けられた分岐部から分岐する。第1弁34は、該分岐部からカソードガス熱交換器28に至る流路に設けられている。第2弁36は、カソードガス熱交換器バイパス流路30に設けられている。第1弁34および第2弁36は、ニードル弁および電磁弁等により構成されうる。
カソード空気調整機構32は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が低い場合には、第1弁34の開度を増加させ、第2弁36の開度を減少させることで、カソードガス熱交換器バイパス流路30を経由してカソードへと供給される空気の量を減らし、カソードガス熱交換器28を経由してカソードへと供給される空気の量を増やす。これにより、カソードガス熱交換器28においてカソードオフガスにより加熱される空気の割合が増加し、従前よりも高温の空気(例えば、摂氏700度)がカソードへと供給される。よって、セルスタック10の温度が上昇し、セルスタック10の出力する電圧も上昇する。
カソード空気調整機構32は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が高い場合には、第1弁34の開度を減少させ、第2弁36の開度を増加させることで、カソードガス熱交換器28を経由してカソードへと供給される空気の量を減らし、カソードガス熱交換器バイパス流路30を経由してカソードへと供給される空気の量を増やす。これにより、空気はカソードガス熱交換器28においてカソードオフガスにより加熱される空気の割合が減少し、従前よりも低温の空気(例えば、摂氏600度)がカソードへと供給される。よって、セルスタック10の温度が低下し、セルスタック10の出力する電圧も低下する。
第1弁34および第2弁36は、例えば開度を連続的に調整できる流量調整弁により構成されうる。
なお、上記の制御は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が所定量(例えば、電圧0.5V)だけ低くなった場合に、カソードガス熱交換器バイパス流路30を経由してカソードへ供給される空気に対するカソードガス熱交換器28を経由してカソードへ供給される空気の比率を所定量(例えば、5%)だけ増やすというように一方向的に行われてもよい。上記の制御は、PID制御などのフィードバック制御を用いて行われてもよい。
カソード空気調整機構32は、必ずしも第1弁34と第2弁36とを備えている必要はなく、例えば三方弁で構成されていてもよい。
カソード空気調整機構32は、例えば、制御器18により制御されうる。この場合、制御器18は、例えば、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、カソード空気調整機構32を制御してもよい。
かかる構成により、温度調整機構14は、カソードに供給される空気がカソードガス熱交換器28を通じてカソードに供給されるかカソードガス熱交換器バイパス流路30を通じてカソードに供給されるかを切り替えることでセルスタック10の温度を調整する。
以上の点を除けば、第2実施形態の固体酸化物形燃料電池システム200の装置構成および動作は、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システム100と同様とすることができる。よって、図1と図6とで共通する構成要素については、同一の符号および名称を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、カソードガス熱交換器においてカソードオフガスで空気を加熱すると共に、カソードガス熱交換器バイパス流路を設けることで、空気がカソードガス熱交換器を経由してカソードに供給されるか否かを切り替えることができる。かかる構成では、空気の供給流路を切り替えることで、セルスタックに供給される空気の温度を制御し、セルスタックの温度を制御することができる。
セルスタックの温度は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように制御されるから、電流および電流密度が一定である限りアノードに供給される燃料の流量等を一定にすることができ、制御を単純化することができる。また、使用開始後初期の段階では、セルスタックの温度が低く維持されるから、セルスタックの寿命を長くすることができる。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の変形が可能である。
(第3実施形態)
第3実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、第1実施形態および第2実施形態およびそれらの変形例のいずれかの固体酸化物形燃料電池システムであって、温度調整機構は、カソードに供給される空気とカソードから排出されるカソードオフガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、カソードから排出された後、かつ、カソードガス熱交換器へと供給される前のカソードオフガスに対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第1外部空気供給器と、を備え、温度調整機構は、カソードから排出された後、かつ、カソードガス熱交換器へと供給される前のカソードオフガスに対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタックの温度を調整するように構成されている。
[装置構成]
図7は、第3実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図7を参照しつつ、第3実施形態の固体酸化物形燃料電池システム300について説明する。
図7に示す例において、固体酸化物形燃料電池システム300は、温度調整機構14として、カソードガス熱交換器28と、第1外部空気供給器38とを備えている。
カソードガス熱交換器28は、カソードに供給される空気とカソードから排出されるカソードオフガスとを熱交換させる。カソードガス熱交換器28は第2実施形態と同様の構成としうるので、詳細な説明を省略する。
第1外部空気供給器38は、カソードから排出された後、かつ、カソードガス熱交換器28へと供給される前のカソードオフガスに対し、固体酸化物形燃料電池システム300の外部から取り込んだ空気(例えば、摂氏20度)を供給する。第1外部空気供給器38としては、例えば、ブロワおよびファン等を利用することができる。第1外部空気供給器38の出口は、第1外部空気流路40を介して、セルスタック10からカソードガス熱交換器28に至るカソードオフガス排出流路22に接続されている。
第1外部空気供給器38は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が低い場合には、第1外部空気供給器38の空気供給量を減少させる。これにより、カソードガス熱交換器28に供給されるカソードオフガスの温度が、例えば摂氏800度へと、上昇する。空気はカソードガス熱交換器28において、カソードオフガスにより従前よりも加熱されるようになり、従前よりも高温の空気(例えば、摂氏650度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が上昇し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も上昇する。
第1外部空気供給器38は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が高い場合には、第1外部空気供給器38の空気供給量を増加させる。これにより、カソードガス熱交換器28に供給されるカソードオフガスの温度が、例えば摂氏750度へと、低下する。空気はカソードガス熱交換器28において、カソードオフガスにより従前よりも加熱されにくくなり、従前よりも低温の空気(例えば、摂氏600度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が低下し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も低下する。
なお、上記の制御は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が所定量(例えば、電圧0.5V)だけ低くなった場合に、第1外部空気供給器38の空気供給量を所定量(例えば、5SLM)だけ減少させるというように一方向的に行われてもよい。上記の制御は、PID制御などのフィードバック制御を用いて行われてもよい。
第1外部空気供給器38は、例えば、制御器18により制御されうる。この場合、制御器18は、例えば、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、第1外部空気供給器38を制御してもよい。
かかる構成により、温度調整機構14は、カソードから排出された後、かつ、カソードガス熱交換器28へと供給される前のカソードオフガスに対する、固体酸化物形燃料電池システム300の外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタック10の温度を調整する。
以上の点を除けば、第3実施形態の固体酸化物形燃料電池システム300の装置構成および動作は、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システム100と同様とすることができる。よって、図1と図7とで共通する構成要素については、同一の符号および名称を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、カソードガス熱交換器においてカソードオフガスで空気を加熱すると共に、該カソードオフガスにシステム外部から取り込んだ空気を混入させることで、該カソードオフガスの温度を調整する。かかる構成では、カソードオフガスへの空気混入量を制御することで、セルスタックに供給される空気の温度を制御し、セルスタックの温度を制御することができる。
セルスタックの温度は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように制御されるから、アノードに供給される燃料の流量等を一定にすることができ、制御を単純化することができる。また、使用開始後初期の段階では、セルスタックの温度が低く維持されるから、セルスタックの寿命を長くすることができる。
第3実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態と同様の変形が可能である。
(第4実施形態)
第4実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、第1実施形態および第2実施形態および第3実施形態およびそれらの変形例のいずれかの固体酸化物形燃料電池システムであって、温度調整機構は、カソードから排出されるカソードオフガスと、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気とを熱交換させる第1外部空気熱交換器と、カソードに供給される空気と第1外部空気熱交換器から排出されるカソードオフガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、第1外部空気熱交換器に対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第2外部空気供給器と、を備え、温度調整機構は、第1外部空気熱交換器に対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタックの温度を調整するように構成されている。
[装置構成]
図8は、第4実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図8を参照しつつ、第4実施形態の固体酸化物形燃料電池システム400について説明する。
図8に示す例において、固体酸化物形燃料電池システム400は、温度調整機構14として、カソードガス熱交換器28と、第2外部空気供給器44と、第1外部空気熱交換器42とを備えている。
第1外部空気熱交換器42は、カソードから排出されるカソードオフガス(例えば、摂氏800度)と、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気(例えば、摂氏20度)とを熱交換させる。第1外部空気熱交換器42としては、例えば、積層プレート式熱交換器やフィンアンドチューブ熱交換器を用いることができる。カソードから排出されるカソードオフガスは固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気よりも温度が高いため、第1外部空気熱交換器42において、カソードオフガスは空気により冷却される。
第1外部空気熱交換器42は、セルスタック10からカソードガス熱交換器28に至るカソードオフガス排出流路22に設けられる。すなわち、第1外部空気熱交換器42のカソードオフガス流路の入口は、カソードオフガス排出流路22を介して、セルスタック10のカソードガス流路の出口と接続されている。第1外部空気熱交換器42のカソードオフガス流路の出口は、カソードオフガス排出流路22を介して、カソードガス熱交換器28のカソードオフガス流路の入口と接続されている。第1外部空気熱交換器42の空気流路の入口は、第2外部空気流路46を介して、第2外部空気供給器44の出口に接続されている。第1外部空気熱交換器42の空気流路の出口は、第1空気排出流路48に接続されている。第1空気排出流路48は、第1外部空気熱交換器42から排出された空気を、固体酸化物形燃料電池システム400の外部へと排出する。
カソードガス熱交換器28は、カソードに供給される空気と第1外部空気熱交換器42から排出されるカソードオフガスとを熱交換させる。カソードガス熱交換器28は、カソードに供給される空気と熱交換する対象が、第1外部空気熱交換器42から排出されたカソードオフガスである点を除き、第2実施形態と同様の構成としうるので、詳細な説明を省略する。
第2外部空気供給器44は、第1外部空気熱交換器42に対し、固体酸化物形燃料電池システム400の外部から取り込んだ空気(例えば、摂氏20度)を供給する。第2外部空気供給器44としては、例えば、ブロワおよびファン等を利用することができる。第2外部空気供給器44の出口は、第2外部空気流路46を介して、第1外部空気熱交換器42の空気流路の入口に接続されている。
第2外部空気供給器44は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が低い場合には、第2外部空気供給器44の空気供給量を減少させる。これにより、第1外部空気熱交換器42でのカソードオフガスの冷却量が低下し、カソードガス熱交換器28に供給されるカソードオフガスの温度が、例えば摂氏800度へと、上昇する。空気はカソードガス熱交換器28において、カソードオフガスにより従前よりも加熱されるようになり、従前よりも高温の空気(例えば、摂氏650度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が上昇し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も上昇する。
第2外部空気供給器44は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が高い場合には、第2外部空気供給器44の空気供給量を増加させる。これにより、第1外部空気熱交換器42でのカソードオフガスの冷却量が増加し、カソードガス熱交換器28に供給されるカソードオフガスの温度が、例えば摂氏750度へと、低下する。空気はカソードガス熱交換器28において、カソードオフガスにより従前よりも加熱されにくくなり、従前よりも低温の空気(例えば、摂氏600度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が低下し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も低下する。
なお、上記の制御は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が所定量(例えば、電圧0.5V)だけ低くなった場合に、第2外部空気供給器44の空気供給量を所定量(例えば、5SLM)だけ減少させるというように一方向的に行われてもよい。上記の制御は、PID制御などのフィードバック制御を用いて行われてもよい。
第2外部空気供給器44は、例えば、制御器18により制御されうる。この場合、制御器18は、例えば、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、第2外部空気供給器44を制御してもよい。
かかる構成により、温度調整機構14は、第1外部空気熱交換器42に対する、固体酸化物形燃料電池システム400の外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタック10の温度を調整する。
以上の点を除けば、第4実施形態の固体酸化物形燃料電池システム400の装置構成および動作は、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システム100と同様とすることができる。よって、図1と図8とで共通する構成要素については、同一の符号および名称を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、カソードガス熱交換器においてカソードオフガスで空気を加熱すると共に、第1外部空気熱交換器において、システム外部から取り込んだ空気により該カソードオフガスを冷却することで、該カソードオフガスの温度を調整する。かかる構成では、カソードオフガスの冷却量を制御することで、セルスタックに供給される空気の温度を制御し、セルスタックの温度を制御することができる。
セルスタックの温度は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧がいずれも一定となるように制御されるから、アノードに供給される燃料の流量等を一定にすることができ、制御を単純化することができる。また、使用開始後初期の段階では、セルスタックの温度が低く維持されるから、セルスタックの寿命を長くすることができる。
第4実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態および第3実施形態と同様の変形が可能である。
(第5実施形態)
第5実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、第1実施形態および第2実施形態および第3実施形態および第4実施形態およびそれらの変形例のいずれかの固体酸化物形燃料電池システムであって、温度調整機構は、カソードから排出されるカソードオフガスとアノードから排出されるアノードオフガスとを燃焼させて燃焼排ガスを排出する燃焼器と、アノードに供給される燃料と燃焼器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるアノードガス熱交換器と、カソードに供給される空気とアノードガス熱交換器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、燃焼器から排出された後、かつ、アノードガス熱交換器へと供給される前の燃焼排ガスに対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第3外部空気供給器と、を備え、温度調整機構は、燃料器から排出された後、かつ、アノードガス熱交換器へと供給される前の燃焼排ガスに対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタックの温度を調整するように構成されている。
[装置構成]
図9は、第5実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図9を参照しつつ、第5実施形態の固体酸化物形燃料電池システム500について説明する。
図9に示す例において、固体酸化物形燃料電池システム500は、燃焼器50を備え、さらに、温度調整機構14として、カソードガス熱交換器28と、アノードガス熱交換器52と、第3外部空気供給器54とを備えている。
燃焼器50は、カソードから排出されるカソードオフガスとアノードから排出されるアノードオフガスとを燃焼させて燃焼排ガス(例えば、摂氏900度)を排出する。燃焼器50としては、例えば、バーナを利用できる。
燃焼器50のカソードオフガス入口は、カソードオフガス排出流路22に接続され、カソードオフガス排出流路22を介してセルスタック10からカソードオフガスを受け取る。燃焼器50のアノードオフガス入口は、アノードオフガス排出流路26に接続され、アノードオフガス排出流路26を介してセルスタック10からアノードオフガスを受け取る。燃焼器50の燃料排ガス出口は、燃焼排ガス排出流路56と接続されている。
燃焼器50は、カソードオフガスとアノードオフガスとを混合して燃焼させることで生じる燃焼排ガスを、燃焼排ガス排出流路56を介してアノードガス熱交換器52へと供給する。
アノードガス熱交換器52は、アノードに供給される燃料(例えば、摂氏700度)と燃焼器50から排出される燃焼排ガスとを熱交換させる。アノードガス熱交換器52としては、例えば、積層プレート式熱交換器を用いることができる。
アノードガス熱交換器52の燃焼排ガス流路の入口は、燃焼排ガス排出流路56を介して燃焼器50に接続されている。アノードガス熱交換器52の燃焼排ガス流路の出口は、燃焼排ガス排出流路56を介してカソードガス熱交換器28に接続されている。アノードガス熱交換器52の燃料流路の出口は、燃料供給流路24を介してセルスタック10のアノード流路の入口に接続されている。燃焼器50から排出される燃焼排ガスは、アノードに供給される燃料よりも温度が高いため、アノードガス熱交換器52において、燃焼排ガスは燃料により冷却される。
カソードガス熱交換器28は、カソードに供給される空気とアノードガス熱交換器52から排出される燃焼排ガスとを熱交換させる。カソードガス熱交換器28は、カソードに供給される空気と熱交換する対象が、カソードオフガスではなく、アノードガス熱交換器52から排出される燃焼排ガスである点を除き、第2実施形態と同様の構成としうるので、詳細な説明を省略する。
第3外部空気供給器54は、燃焼器50から排出された後、かつ、アノードガス熱交換器52へと供給される前の燃焼排ガスに対し、固体酸化物形燃料電池システム500の外部から取り込んだ空気(例えば、摂氏20度)を供給する。第3外部空気供給器54としては、例えば、ブロワおよびファン等を利用することができる。第3外部空気供給器54の出口は、第3外部空気流路60を介して、燃焼器50からアノードガス熱交換器52に至る燃焼排ガス排出流路56に接続されている。
第3外部空気供給器54は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が低い場合には、第3外部空気供給器54の空気供給量を減少させる。これにより、アノードガス熱交換器52に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏900度へと、上昇し、かつ、カソードガス熱交換器28に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏850へと、上昇する。燃料はアノードガス熱交換器52において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されるようになり、従前よりも高温の燃料(例えば、摂氏750)がアノードへと供給されることになる。空気はカソードガス熱交換器28において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されるようになり、従前よりも高温の空気(例えば、摂氏700度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が上昇し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も上昇する。
第3外部空気供給器54は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が高い場合には、第3外部空気供給器54の空気供給量を増加させる。これにより、アノードガス熱交換器52に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏850度へと、低下し、かつ、カソードガス熱交換器28に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏750度へと、低下する。燃料はアノードガス熱交換器52において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されにくくなり、従前よりも低温の燃料(例えば、摂氏700度)がアノードへと供給されることになる。空気はカソードガス熱交換器28において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されにくくなり、従前よりも低温の空気(例えば、摂氏600度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が低下し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も低下する。
なお、上記の制御は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が所定量(例えば、電圧0.5V)だけ低下した場合に、第3外部空気供給器54の空気供給量を所定量(例えば、5SLM)だけ減少させるというように一方向的に行われてもよい。上記の制御は、PID制御などのフィードバック制御を用いて行われてもよい。
第3外部空気供給器54は、例えば、制御器18により制御されうる。この場合、制御器18は、例えば、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、第3外部空気供給器54を制御してもよい。
かかる構成により、温度調整機構14は、燃料器から排出された後、かつ、アノードガス熱交換器52へと供給される前の燃焼排ガスに対する、固体酸化物形燃料電池システム500の外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタック10の温度を調整する。
以上の点を除けば、第5実施形態の固体酸化物形燃料電池システム500の装置構成および動作は、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システム100と同様とすることができる。よって、図1と図9とで共通する構成要素については、同一の符号および名称を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、アノードガス熱交換器において燃焼排ガスで燃料を加熱し、カソードガス熱交換器において燃焼排ガスで空気を加熱すると共に、該燃焼排ガスにシステム外部から取り込んだ空気を混入させることで、該燃焼排ガスの温度を制御する。かかる構成では、燃焼排ガスへの空気混入量を制御することで、セルスタックに供給される燃料および空気の温度を制御し、セルスタックの温度を制御することができる。
セルスタックの温度は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧がいずれも一定となるように制御されるから、アノードに供給される燃料の流量等を一定にすることができ、制御を単純化することができる。また、使用開始後初期の段階では、セルスタックの温度が低く維持されるから、セルスタックの寿命を長くすることができる。
第5実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態および第3実施形態および第4実施形態と同様の変形が可能である。
(第6実施形態)
第6実施形態の固体酸化物形燃料電池システムは、第1実施形態および第2実施形態および第3実施形態および第4実施形態および第5実施形態およびそれらの変形例のいずれかの固体酸化物形燃料電池システムであって、温度調整機構は、カソードから排出されるカソードオフガスとアノードから排出されるアノードオフガスとを燃焼させて燃焼排ガスを排出する燃焼器と、燃焼器から排出される燃焼排ガスと、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気とを熱交換させる第2外部空気熱交換器と、アノードに供給される燃料と第2外部空気熱交換器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるアノードガス熱交換器と、カソードに供給される空気とアノードガス熱交換器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、第2外部空気熱交換器に対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第4外部空気供給器と、を備え、温度調整機構は、第2外部空気熱交換器に対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタックの温度を調整するように構成されている。
[装置構成]
図10は、第6実施形態にかかる固体酸化物形燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図10を参照しつつ、第6実施形態の固体酸化物形燃料電池システム600について説明する。
図10に示す例において、固体酸化物形燃料電池システム600は、燃焼器50を備え、さらに、温度調整機構14として、カソードガス熱交換器28と、アノードガス熱交換器52と、第2外部空気熱交換器62と、第4外部空気供給器64とを備えている。
燃焼器50については、燃焼排ガスを、燃焼排ガス排出流路56を介して第2外部空気熱交換器62へと供給する点を除けば、第5実施形態と同様の構成としうるので、詳細な説明を省略する。
第2外部空気熱交換器62は、燃焼器から排出される燃焼排ガス(例えば、摂氏900度)と、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気(例えば、摂氏20度)とを熱交換させる。第2外部空気熱交換器62としては、例えば、積層プレート式熱交換器やフィンアンドチューブ熱交換器を用いることができる。燃焼器から排出される燃焼排ガスは固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気よりも温度が高いため、第2外部空気熱交換器62において、燃焼排ガスは空気により冷却される。
第2外部空気熱交換器62は、燃焼器50からアノードガス熱交換器52に至る燃焼排ガス排出流路56に設けられる。すなわち、第2外部空気熱交換器62の燃焼排ガス流路の入口は、燃焼排ガス排出流路56を介して燃焼器50に接続されている。第2外部空気熱交換器62の燃焼排ガス流路の出口は、燃焼排ガス排出流路56を介してアノードガス熱交換器52に接続されている。第2外部空気熱交換器62の空気流路の入口は、第4外部空気流路72を介して第4外部空気供給器64に接続されている。第2外部空気熱交換器62の空気流路の出口は、第2空気排出流路74に接続されている。第2空気排出流路74は、第2外部空気熱交換器62から排出された空気を、固体酸化物形燃料電池システム600の外部へと排出する。
アノードガス熱交換器52は、アノードに供給される燃料(例えば、摂氏700度)と第2外部空気熱交換器62から排出される燃焼排ガス(例えば、摂氏900度)とを熱交換させる。アノードガス熱交換器52は、燃料と熱交換する対象が、第2外部空気熱交換器62から排出された燃焼排ガスである点を除き、第5実施形態と同様の構成としうるので、詳細な説明を省略する。
カソードガス熱交換器28は、カソードに供給される空気(例えば、摂氏20度)とアノードガス熱交換器52から排出される燃焼排ガス(例えば、摂氏800度)とを熱交換させる。カソードガス熱交換器28は、第5実施形態と同様の構成としうるので、詳細な説明を省略する。
第4外部空気供給器64は、第2外部空気熱交換器62に対し、固体酸化物形燃料電池システム600の外部から取り込んだ空気(例えば、摂氏20度)を供給する。第4外部空気供給器64としては、例えば、ブロワおよびファン等を利用することができる。第4外部空気供給器64の出口は、第4外部空気流路72を介して、第2外部空気熱交換器62の空気流路の入口に接続されている。
第4外部空気供給器64は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が低い場合には、第4外部空気供給器64の空気供給量を減少させる。これにより、アノードガス熱交換器52に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏900度へと、上昇し、かつ、カソードガス熱交換器28に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏800度へと、上昇する。燃料はアノードガス熱交換器52において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されるようになり、従前よりも高温の燃料(例えば、摂氏750度)がアノードへと供給されることになる。空気はカソードガス熱交換器28において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されるようになり、従前よりも高温の空気(例えば、摂氏650度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が上昇し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も上昇する。
第4外部空気供給器64は、例えば予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が高い場合には、第4外部空気供給器64の空気供給量を増加させる。これにより、アノードガス熱交換器52に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏850度へと、低下し、かつ、カソードガス熱交換器28に供給される燃焼排ガスの温度が、例えば摂氏750度へと、低下する。燃料はアノードガス熱交換器52において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されにくくなり、従前よりも低温の燃料(例えば、摂氏650度)がアノードへと供給されることになる。空気はカソードガス熱交換器28において、燃焼排ガスにより従前よりも加熱されにくくなり、従前よりも低温の空気(例えば、摂氏650度)がカソードへと供給されることになる。よって、セルスタック10の温度が低下し、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧も低下する。
なお、上記の制御は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が所定量(例えば、電圧0.5V)だけ低下した場合に、第4外部空気供給器64の空気供給量を所定量(例えば、5SLM)だけ減少させるというように一方向的に行われてもよい。上記の制御は、PID制御などのフィードバック制御を用いて行われてもよい。
第4外部空気供給器64は、例えば、制御器18により制御されうる。この場合、制御器18は、例えば、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように、第4外部空気供給器64を制御してもよい。
かかる構成により、温度調整機構14は、第2外部空気熱交換器62に対する、固体酸化物形燃料電池システム600の外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、セルスタック10の温度を調整する。
以上の点を除けば、第6実施形態の固体酸化物形燃料電池システム600の装置構成および動作は、第1実施形態の固体酸化物形燃料電池システム100と同様とすることができる。よって、図1と図10とで共通する構成要素については、同一の符号および名称を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、アノードガス熱交換器において燃焼排ガスで燃料を加熱し、カソードガス熱交換器において燃焼排ガスで空気を加熱すると共に、第2外部空気熱交換器において、システム外部から取り込んだ空気により該燃焼排ガスを冷却することで、該燃焼排ガスの温度を制御する。かかる構成では、燃焼排ガスの冷却量を制御することで、セルスタックに供給される燃料および空気の温度を制御し、セルスタックの温度を制御することができる。
セルスタックの温度は、予め設定した電流密度において、セルスタック10の出力する電圧が一定となるように制御されるから、アノードに供給される燃料の流量等を一定にすることができ、制御を単純化することができる。また、使用開始後初期の段階では、セルスタックの温度が低く維持されるから、セルスタックの寿命を長くすることができる。
第6実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態および第3実施形態および第4実施形態および第5実施形態と同様の変形が可能である。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の一態様は、制御を単純化することが可能な固体酸化物形燃料電池システムとして有用である。
10 セルスタック
12 固体酸化物形燃焼電池
14 温度調整機構
16 空気供給器
18 制御器
20 カソード空気供給流路
22 カソードオフガス排出流路
24 燃料供給流路
26 アノードオフガス排出流路
28 カソードガス熱交換器
30 カソードガス熱交換器バイパス流路
32 カソード空気調整機構
34 第1弁
36 第2弁
38 第1外部空気供給器
40 第1外部空気流路
42 第1外部空気熱交換器
44 第2外部空気供給器
46 第2外部空気流路
48 第1空気排出流路
50 燃焼器
52 アノードガス熱交換器
54 第3外部空気供給器
56 燃焼排ガス排出流路
60 第3外部空気流路
62 第2外部空気熱交換器
64 第4外部空気供給器
72 第4外部空気流路
74 第2空気排出流路
100、200、300、400、500、600 固体酸化物形燃料電池システム

Claims (10)

  1. それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタックを備え、前記アノードへ供給される燃料ガスと前記カソードへ供給される空気とを用いて発電する固体酸化物形燃料電池と、
    前記セルスタックの温度を調整する温度調整機構と、
    予め設定した電流密度において、前記セルスタックの出力する電圧が一定となるように、前記温度調整機構を用いて前記セルスタックの温度を調整する制御器とを備え、
    前記セルスタックの温度が、前記固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される、
    固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 前記温度調整機構は、前記カソードに空気を供給する空気供給器を備え、
    前記温度調整機構は、前記カソードへの空気の供給量に基づいて前記セルスタックの温度を調整するように構成されている、
    請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記温度調整機構は、
    前記カソードに供給される空気と前記カソードから排出されるカソードオフガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、
    前記カソードガス熱交換器をバイパスして空気をカソードへと供給するカソードガス熱交換器バイパス流路と、
    前記カソードに供給される空気のうちの前記カソードガス熱交換器を通じて前記カソードに供給される空気の割合と前記カソードガス熱交換器バイパス流路を通じて前記カソードに供給される空気の割合とを調整するカソード空気調整機構と、
    を備え、
    前記温度調整機構は、前記カソード空気調整機構により前記カソードに供給される空気のうちの前記カソードガス熱交換器を通じて前記カソードに供給される空気の割合と前記カソードガス熱交換器バイパス流路を通じて前記カソードに供給される空気の割合とを調整することで前記セルスタックの温度を調整するように構成されている、
    請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記温度調整機構は、
    前記カソードに供給される空気と前記カソードから排出されるカソードオフガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、
    前記カソードから排出された後、かつ、前記カソードガス熱交換器へと供給される前のカソードオフガスに対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第1外部空気供給器と、
    を備え、
    前記温度調整機構は、前記カソードから排出された後、かつ、前記カソードガス熱交換器へと供給される前のカソードオフガスに対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、前記セルスタックの温度を調整するように構成されている、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  5. 前記温度調整機構は、
    前記カソードから排出されるカソードオフガスと、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気とを熱交換させる第1外部空気熱交換器と、
    前記カソードに供給される空気と前記第1外部空気熱交換器から排出されるカソードオフガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、
    前記第1外部空気熱交換器に対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第2外部空気供給器と、
    を備え、
    前記温度調整機構は、前記第1外部空気熱交換器に対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、前記セルスタックの温度を調整するように構成されている、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  6. 前記温度調整機構は、
    前記カソードから排出されるカソードオフガスと前記アノードから排出されるアノードオフガスとを燃焼させて燃焼排ガスを排出する燃焼器と、
    前記アノードに供給される燃料と前記燃焼器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるアノードガス熱交換器と、
    前記カソードに供給される空気と前記アノードガス熱交換器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、
    前記燃焼器から排出された後、かつ、前記アノードガス熱交換器へと供給される前の燃焼排ガスに対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第3外部空気供給器と、
    を備え、
    前記温度調整機構は、前記燃料器から排出された後、かつ、前記アノードガス熱交換器へと供給される前の燃焼排ガスに対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、前記セルスタックの温度を調整するように構成されている、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  7. 前記温度調整機構は、
    前記カソードから排出されるカソードオフガスと前記アノードから排出されるアノードオフガスとを燃焼させて燃焼排ガスを排出する燃焼器と、
    前記燃焼器から排出される燃焼排ガスと、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気とを熱交換させる第2外部空気熱交換器と、
    前記アノードに供給される燃料と前記第2外部空気熱交換器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるアノードガス熱交換器と、
    前記カソードに供給される空気と前記アノードガス熱交換器から排出される燃焼排ガスとを熱交換させるカソードガス熱交換器と、
    前記第2外部空気熱交換器に対し、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気を供給する第4外部空気供給器と、
    を備え、
    前記温度調整機構は、前記第2外部空気熱交換器に対する、固体酸化物形燃料電池システムの外部から取り込んだ空気の供給量を調整することで、前記セルスタックの温度を調整するように構成されている、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  8. 前記制御器は、前記予め設定した電流密度において、前記セルスタックの出力する電圧が第1の値の95%以上105%以下となるように、前記セルスタックの温度を調整する、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  9. 前記制御器は、前記予め設定した電流密度において、前記セルスタックの出力する電圧が第1の値の97.5%以上102.5%以下となるように、前記セルスタックの温度を調整する、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  10. それぞれアノードとカソードとを備える複数のセルを直列に接続したセルスタックを備える固体酸化物形燃料電池を有する固体酸化物形燃料電池システムの運転方法であって、
    前記アノードへ燃料ガスを供給し、前記カソードへ空気を供給することで発電するステップと、
    予め設定した電流密度において、前記セルスタックの出力する電圧が一定となるように、前記セルスタックの温度を調整するステップとを備え、
    前記セルスタックの温度が、前記固体酸化物形燃料電池の累積運転時間が長くなるにつれて上昇するように制御される、
    固体酸化物形燃料電池システムの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017183222A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 本田技研工業株式会社 燃料電池システム
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CN109244506A (zh) * 2018-10-11 2019-01-18 广东索特能源科技有限公司 固体氧化物燃料电池的真空绝缘保温箱及燃料电池系统
JP7310613B2 (ja) 2020-01-06 2023-07-19 株式会社Ihi 燃料電池システム

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