JP2020061268A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】適正な燃料利用率を保つことができる固体酸化物形燃料電池システムを提供する。【解決手段】水素ガス及び空気中の酸素によって発電を行うセルスタック6と、セルスタック6での発電反応後の燃料オフガスと空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器46とを備えた固体酸化物形燃料電池システム2Aであって、燃料オフガスを冷却するための熱交換器60及び燃料オフガスの一部をリサイクルするためのリサイクル流路66Aが更に設けられる。セルスタック6からの燃料オフガスは、熱交換器60にて冷却された後に燃焼器46に送給され、熱交換器60から燃焼器46に送給される燃料オフガスの一部は、燃料ガスポンプ24の作動により発生する負圧によりリサイクル流路66Aを通して燃料ガス供給流路14に戻される。【選択図】図2

Description

本発明は、水素ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池システムに関する。
従来より、酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた固体酸化物形のセルスタックを収納容器内に収納した固体酸化物形燃料電池システムが知られている。この固体酸化物形燃料電池システムにおいては、セルスタックは複数の燃料電池セルを積層して構成され、各燃料電池セルにおける固体電解質の片面側に燃料ガスを酸化するための燃料極が設けられ、その他面側に空気中の酸素(酸化材ガス)を還元するための酸素極が設けられている。この燃料電池セルの作動温度は約700〜1000℃と比較的高く、このような高温下において、燃料ガス中の水素などと空気中の酸素とが電気化学反応を起こすことによって発電が行われる。
家庭用の小型燃料電池システムとしては、代表的なものとして固体酸化物形燃料電池システム(所謂、SOFC)、固体高分子形燃料電池システム(所謂、PEFC)などがある。この固体高分子形燃料電池システム(PEFC)では、家庭の温水需要に対して、燃料電池システムからの回収熱(換言すると、貯湯タンクに蓄えられる温水)のバランスを監視して、燃料電池システムの運転を停止させたり、その発電出力を絞ったりする運転制御が行われる。また、固体酸化物形燃料電池システム(SOFC)では、システムの発電効率が高く、熱と発電出力との比が小さいことから、熱需要の多寡にかかわらず電気需要に追従するように運転制御が行われる。そして、このような運転制御は、セルスタックの発電温度(所謂、作動温度)が高いために、頻繁な起動停止に向いていないことにも起因している。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、基本的に昼夜連続運転が行われ、熱利用に関しては、貯湯タンクが活用され、貯湯タンクに貯湯された温水を熱需要に対応させることにより、高い運転効率を保っている。現状の固体酸化物形燃料電池システムにおいては、700W程度の発電出力規模でも高い発電効率を得ることができ、2018年時点で市販されている家庭用の固体酸化物形燃料電池システムでは、定格発電効率が52%程度(AC送電端、低位発熱量基準)となっている。発電効率が高いと、熱需要の少ない住宅に設置しても設置者は経済的メリットが得られ対象市場の拡大が見込めるので、発電効率の向上が貯湯タンクの小型化とセットで市場拡大策として推進されている。今後、さらに発電向上が向上すれば、熱利用なし、もしくは貯湯タンクなしの簡易な熱利用形態で、設置者は経済的メリット、環境性が得られることになり、発電効率の一層の向上が重要となっている。
家庭用システムとしても適した固体酸化物形燃料電池システムとして、原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材ガスの酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、セルスタックの酸素極(空気極)側に酸化材ガスとしての空気を供給するための空気供給手段と、改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段とを備え、セルスタック及び改質器が高温状態に保たれる高温空間に収容されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの上側に燃焼域が設けられ、この燃焼域の上方に改質器が配設されている。そして、改質器からの改質燃料ガスがセルスタックの燃料極側に送給され、空気供給手段からの空気がセルスタックの空気極側に送給され、このセルスタックにおける電気化学反応により発電が行われる。セルスタックの燃料極側からの燃料オフガス(即ち、アノードオフガス)及び空気極側からの空気オフガス(即ち、カソードオフガス)は燃焼域に送給されて燃焼され、この燃焼熱を利用して高温空間が高温状態に保たれるとともに、改質器などが加熱される。
固体酸化物形燃料電池システムとして、セルスタックの上側に燃焼域を設けることに代えて、専用の燃焼器を備えたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの燃料極側からの燃料オフガス(アノードオフガス)が燃料オフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、またセルスタックの空気極側からの空気オフガス(カソードオフガス)が空気オフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、この燃焼器において燃料オフガスが空気オフガスにより燃焼され、この燃焼熱を利用して高温空間が高温状態に保たれるとともに、改質器などが加熱される。
このような固体酸化物燃料電池システムの発電効率は、燃料電池セルの平均発電電圧と燃料利用率との積にほぼ比例しており、この燃料利用率を高めていくと、燃料電池セルの燃料極側ガス中の水素(H)が消費されて水(HO)が生成されていく。一般的に、固体酸化物形の燃料電池セルの燃料極は、金属ニッケル粒子がセラミックス粒子とともに存在するサーメット(金属ニッケルとセラミックスの混合物)が用いられており、それ故に、燃料利用率を高めて水に対する水素の比率(H/HO)が高まっていくと、金属ニッケル粒子が酸化しはじめることになる。燃料電池セルの燃料極側の金属ニッケル粒子が酸化すると、その電気抵抗が増大するので、燃料電池セルの燃料極側出口付近では発電が行われなくなり、これにより、燃料電池セルの燃料極側のニッケル粒子が酸化する領域が広がり、発電が困難な領域が拡大していくことになる。
一方、このように酸化した燃料極は、発電時の他の条件(部分負荷運転状態、起動状態、停止状態など)において還元されて再びニッケル状態に戻り、このニッケル粒子の酸化及び還元が繰り返し行われ、この繰返し回数が多くなると、燃料電池セルの燃料極側材料に寸法変化が生じるおそれがある。この燃料極側材料に寸法変化が生じると、この燃料極と接合されている固体電解質に割れが生じ、その割れが原因となって剥離が起こり、セルスタックが破損に至るおそれが生じる。このようなことから、固体酸化物燃料電池システムの燃料利用率を高めることは、システムの発電効率を高めるためには必要であるが、高すぎるとセルスタックのダメージを招くおそれが生じる。
また、反応平衡上、固体酸化物形の燃料電池セル(セルスタック)の作動温度範囲においては、水素(H):水(H0)が5:95より水素(H)が少ないと酸化することが知られている。実際には、燃料電池セルの電解質/燃料極界面で発電によって水蒸気が生成されるので、バルク(ガス流路)よりも電解質/燃料極界面ではH/H0の値が下がる傾向にある。更に、燃料ガスの各燃料電池セルへの分配状態、燃料電池セル内での燃料ガス分配状態といったものも加わって、実際に使える燃料利用率の上限は、水素(H):水(H0)が5:95になるよりもかなり低い燃料利用率に制限されている。
固体酸化物形燃料電池システムの燃料利用率を向上させる方法としては、セルスタックで発電に使われた燃料オフガス(即ち、アノードオフガス)の一部をセルスタックの供給側に戻し、この戻した燃料オフガスを燃料ガスに混合させて再びセルスタックに供給することがよく知られている。この場合、燃料オフガスに含まれる二酸化炭素(CO2)や水(H2O)を除去することにより、更に燃料電池システムの燃料利用率を高くすることができることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−285340号公報 特開2008−21596号公報 特許第2981571号公報
しかしながら、特許文献3の燃料電池システムは、数十KW以上の発電出力を想定した構成であって、家庭用コージェネレーションシステムなどに用いる数百W程度の燃料電池システムでは、どのようにして燃料オフガス(アノードオフガス)を燃料ガスの供給側に戻すか、燃料オフガスのリサイクル率をどのように把握するかなどが課題となる。尚、この明細書全体を通して、リサイクル率とは、セルスタックの燃料極側から流出する燃料オフガスのうち燃料ガスの供給側に戻される比率であり、例えば、セルスタックから流出するアノードオフガスの30%が燃料供給側に戻され、残りの70%が下流に流れるように配分される場合、リサイクル率30%と表現している。
このリサイクル率は、リサイクル流路、気化器・改質器からセルスタックまでの流路及びセルスタックから大気排出に至る流路などの流路の圧力損失特性並びに燃料ガス供給手段(例えば、燃料ガスポンプ)の作動により生じる上流側の負圧などによって決定され、このリサイクル率が高いと燃料利用率を高く設定することが可能となる。しかし、リサイクル率が低い状態であるのに、セルスタックの燃料利用率を高く設定すると、燃料利用率が高くなり過ぎ、このことが原因となって、セルスタックの寿命短縮につながるおそれがある。
このような固体酸化物形燃料電池システムにおいては、燃料ガスとして水素ガスを用いて発電を行うことができる。一般的に、燃料電池システムにおける直流発電効率は、燃料電池セルのセル平均電圧と燃料利用率との積に比例するが、燃料ガスとして水素ガスを用いて発電した場合におけるこの直流発電効率は、同一のセル平均電圧及び同一の燃料利用率としたとしても燃料ガスとして天然ガスで代表される炭化水素燃料ガスを用いて発電をした場合に比して7〜10ポイント低下するというデメリットがある。
燃料ガスとして水素ガスを用いた場合におけるこのデメリットを少しでも解消するために、セルスタックからの燃料オフガスの一部を燃料ガス供給手段に戻すようにすることも考えられるが、燃料オフガスをリサイクルして発電効率を高めるようにしたときにはセルスタックのダメージを抑えるために適正な燃料利用率を保つことが望まれる。
本発明の目的は、燃料オフガスをリサイクルしても適正な燃料利用率を保つことができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1記載の固体酸化物形燃料電池システムは、燃料ガスとしての水素ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記セルスタックの燃料極側に水素ガスを導くための燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス供給流路を通して水素ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、水素ガスの圧力を調整するための燃料ガス圧力調整手段と、前記セルスタックの空気極側に空気を導くための空気供給流路と、前記空気供給流路を通して空気を供給するための空気供給手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスと前記セルスタックの発電反応後の空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記セルスタックからの燃料オフガスを前記燃焼器に導くための燃焼オフガス送給流路と、前記セルスタックからの空気オフガスを前記燃焼器に導くための空気オフガス送給流路と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するためのコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
燃料オフガスを冷却するための冷却器及び燃料オフガスの一部をリサイクルするためのリサイクル流路が更に設けられ、前記冷却器は前記燃料オフガス送給流路に配設され、また前記燃料ガス圧力調整手段は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス供給手段の配設部位より上流側に配設され、前記リサイクル流路の上流側は、前記燃料オフガス送給流路における前記冷却器の配設部位より下流側に接続され、その下流側は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス圧力調整手段の配設部位と前記燃料ガス供給手段の配設部位との間に接続されており、
前記セルスタックからの燃料オフガスは、前記冷却器にて冷却された後に前記燃焼器に送給され、前記冷却器から前記燃焼器に送給される燃料オフガスの一部は、前記燃料ガス供給手段の作動により発生する負圧により前記リサイクル流路を通して前記燃料ガス供給流路に戻されることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムは、燃料ガスとしての水素ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記セルスタックの燃料極側に水素ガスを導くための燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス供給流路を通して水素ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、水素ガスの圧力を調整するための燃料ガス圧力調整手段と、前記セルスタックの空気極側に空気を導くための空気供給流路と、前記空気供給流路を通して空気を供給するための空気供給手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスと前記セルスタックの発電反応後の空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記セルスタックからの燃料オフガスを前記燃焼器に導くための燃焼オフガス送給流路と、前記セルスタックからの空気オフガスを前記燃焼器に導くための空気オフガス送給流路と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するためのコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
燃料オフガスを冷却するための冷却器及び燃料オフガスの一部をリサイクルするためのリサイクル流路が更に設けられ、前記冷却器は前記リサイクル流路に配設され、また前記燃料ガス圧力調整手段は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス供給手段の配設部位より上流側に配設され、前記リサイクル流路の上流側は、前記燃料オフガス送給流路に接続され、その下流側は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス圧力調整手段の配設部位と前記燃料ガス供給手段の配設部位との間に接続されており、
前記セルスタックからの燃料オフガスの一部は、前記燃料ガス供給手段の作動により発生する負圧によって前記リサイクル流路を通して前記燃料ガス供給流路に流れ、前記リサイクル流路を流れる燃料オフガスは、前記冷却器にて冷却された後に前記燃料ガス供給流路に戻されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃料オフガス送給流路に酸素濃度を検知するための酸素イオン導電性の酸素濃度検知手段が設けられ、前記コントローラは、前記酸素濃度検知手段の検知濃度に基づいて前記燃料ガス供給手段を作動制御することを特徴とする。
更に、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃料ガス供給手段に関連して温度検知手段が配設されるとともに、前記リサイクル流路にリサイクル弁が配設されており、前記温度検知手段の検知温度が所定設定温度を超えると、前記コントローラは、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記リサイクル弁を開状態にすることを特徴とする。
本発明の請求項1及び2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料ガスとしての水素ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、セルスタックの燃料極側に燃料ガス供給流路を通して水素ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、セルスタックの空気極側に空気供給流路を通して空気を供給するための空気供給手段と、セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスとセルスタックの発電反応後の空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器とを備え、更に、燃料オフガスを冷却するための冷却器及び燃料オフガスの一部をリサイクルするためのリサイクル流路が設けられているので、燃料オフガスが冷却器にて冷却されてこの燃料オフガスに含まれる水蒸気が凝縮されて除去され、水蒸気が除去された燃料オフガス(ほとんど水素ガスのみとなる)が燃料ガス供給流路に戻され、これによって、システムの発電効率を高めることができる。
また、燃料ガスとしての水素ガスの圧力を調整するための燃料ガス圧力調整手段が燃料ガス供給流路における燃料ガス供給手段の配設部位より上流側に配設され、リサイクル流路の下流側が燃料ガス供給流路における燃料ガス圧力調整手段の配設部位と燃料ガス供給手段の配設部位との間に接続されているので、燃焼器に送給される燃料オフガスの一部を燃料ガス供給手段の作動により発生する負圧を利用してリサイクル流路を通して燃料ガス供給流路に戻すことができる。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料オフガス送給流路に酸素濃度を検知するための酸素イオン導電性の酸素濃度検知手段が設けられているので、この酸素濃度検知手段の検知濃度に基づいて燃料ガス供給手段を作動制御することにより、セルスタックからの燃料オフガスにおけるHO/H比を所定値を超えないようにすることができ、その結果、燃料オフガスのリサイクル率が経時的にずれたとしても燃料利用率が大きく変動することがなく、長期にわたって適正な燃料利用率に保って運転することができる。
更に、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料ガス供給手段に関連して温度検知手段が配設され、この温度検知手段の検知温度が所定設定温度を超えると、リサイクル弁が開状態となって燃料オフガスの一部が燃料ガス供給手段の上流側にリサイクルされるので、燃料ガス供給手段の温度状態が低いときに燃料オフガスがリサイクル流路を通して燃料ガス供給手段の上流側に流れることはなく、その結果、燃料ガス供給手段における結露発生を抑えることができる。
本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第1の実施形態の全体を示す簡略図。 本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態の全体を示す簡略図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物桁燃料電池システムの実施形態について説明する。まず、図1を参照して、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。
図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2は、燃料ガスとして低圧(例えば、約2kPa)の水素ガスを消費して発電を行うものであり、燃料ガスとしての水素ガス及び酸化材としての空気の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形のセルスタック6を備えている。
セルスタック6は、燃料電池反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形の燃料電池セルを集電部材を介して積層して構成されており、図示していないが、酸素イオンを伝導する固体電解質と、この固体電解質の一方側に設けられた燃料極と、固体電解質の他方側に設けられた空気極とを備え、固体電解質として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
このセルスタック6の燃料極側8は、燃料ガス供給流路14を介して水素ガスを供給するための燃料ガス供給源(図示せず)(例えば、水素ガスタンクなどから構成される)に接続され、燃料ガス供給源からの水素ガスが燃料ガス供給流路14を通してセルスタック6の燃料極側8に供給される。
この燃料ガス供給流路14には、セルスタック6から上流側に向けて順に第1絞り部材22、燃料ガスポンプ24(燃料ガス供給手段を構成する)、第2絞り部材26、圧力調整部材としてのゼロガバナ28、燃料流量センサ30(燃料流量計測手段を構成する)及び遮断弁32が配設されている。燃料ガスポンプ24は、燃料ガス供給流路14を流れる水素ガスを昇圧してセルスタック6の燃料極側8に供給する。また、ゼロガバナ28は、燃料ガス供給源(図示せず)から燃料ガス供給流路14を通して供給される水素ガスを大気圧付近の所定圧力に調整し、燃料ガス流量センサ30は、燃料ガス供給流路14を通して供給される水素ガスの流量を測定し、遮断弁32は、閉状態になると燃料ガス供給流路14を遮断して水素ガスの供給を停止する。
また、燃料ガスポンプ24の両側に位置する第1及び第2絞り部材22,26は、燃料ガス供給流路14を流れる水素ガスの流量を安定させるために設けられ、第1絞り部材22は例えばキャピラリー管から構成され、第2絞り部材26は、例えば小さいオリフィスを有する絞り部材から構成される。また、燃料ガス流量センサ30は、例えば熱式流量センサから構成することができ、この熱式流量センサを用いることにより、水素ガスの流量を瞬時に計測することができる。尚、水素ガスを安定的して供給することができるときには、第1絞り部材22を省略するようにしてもよく、また第2絞り部材26に代えてバッファ−タンクを用いるようにしてもよい。
このセルスタック6の空気極側36は、空気供給流路38を介して空気供給手段としての空気ブロア40に接続され、この空気供給流路38に空気流量センサ42(空気流量計測手段を構成する)が配設されている。空気ブロア40は、空気(酸化材)を空気供給流路38を通してセルスタック6の空気極側36に供給し、空気流量センサ42は、空気供給流路38を流れる空気の流量を計測する。
この実施形態では、燃料ガスポンプ24及び空気ブロア40は、例えば、システム全体を制御するためのコントローラ(例えば、マイクロプロセッサから構成される)(図示せず)により制御される。燃料ガスポンプ24(及び空気ブロア40)の回転制御は、駆動電流のデューティ比(所謂、駆動デューティ比)でもって制御され、駆動デューティ比が大きくなると、燃料ガスポンプ24(及び空気ブロア40)の回転数が大きくなって水素ガス(及び空気)の供給流量が増え、一方駆動デューティ比が小さくなると、燃料ガスポンプ24(及び空気ブロア40)の回転数が小さくなって水素ガス(及び空気)の供給流量が減少し、このようにして水素ガス(及び空気)の供給流量が制御される。
セルスタック6の燃料極側8から排出される燃料オフガス(即ち、アノードオフガス)は、後に詳述するように、燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給され、またセルスタック6の空気極側36から排出される空気オフガス(即ち、カソードオフガス)は、空気オフガス送給流路48を通して燃焼器46に送給され、この燃焼器46において、セルスタック6の燃料極側8からの燃料オフガス(水素ガスを含んでいる)と空気極側36からの空気オフガス(酸素を含んでいる)とが燃焼され、この燃料オフガスの燃焼熱を利用して高温ハウジング54(後述する)内が加熱される。燃焼器46からの燃焼排気ガスは排気ガス排出流路50を通して大気に排出される。
この実施形態では、排気ガス排出流路50に関連して第1熱交換器56が配設され、この第1熱交換器56は、燃焼器46から排気ガス排出流路50を流れる燃焼排気ガスと空気供給流路38を流れる空気との間で熱交換を行い、この熱交換により加熱された空気がセルスタック6の空気極側36に供給される。
この実施形態では、セルスタック6、燃焼器46及び第1熱交換器56が高温ハウジング54に収容されている。この高温ハウジング54は、金属製(例えば、ステンレス鋼製)であり、その内面は断熱部材(図示せず)で覆われており、その内側に高温空間58を規定し、セルスタック6、燃焼器46及び第1熱交換器56がこの高温空間58内で高温状態に保たれる。
この固体酸化物形燃料電池システム2では、更に、セルスタック6の燃料極側8からの燃料オフガス(アノードオフガス)の一部が燃料ガス供給流路14に戻されるように構成されている。この実施形態では、燃料オフガス送給流路44から分岐してリサイクル流路66が設けられ、このリサイクル流路66に第2熱交換器60が配設されている。リサイクル流路66の一端側は、高温ハウジング54内にて燃料オフガス送給流路44に接続され、その他端側は、高温ハウジング54外に導出されて燃料ガス供給流路14(具体的には、燃料ガスポンプ24と第2絞り部材26との間の部位)に接続され、第2熱交換器60は、リサイクル流路66における高温ハウジング54外に導出された部位に配設されている。
この第2熱交換器60は、例えば、燃料オフガスの熱を温水として貯湯するためのコ−ジェネレーションシステム用の貯湯装置(図示せず)の循環流路62と組み合わせて用いられ、リサイクル流路66を流れる燃料オフガスと貯湯装置からの水との間で熱交換が行われ、この熱交換により加温された温水が貯湯装置の貯湯タンク(図示せず)に貯えられる。この第2熱交換器60は、燃料オフガスを冷却するための冷却器として機能し、冷却された燃料オフガスが燃料ガス供給流路14に戻される。
この第2熱交換器60の下流側にはドレンセパレータ64が配設され、第2熱交換器60による熱交換によって冷却された燃料オフガスに含まれた水蒸気は凝縮されて水となり、この凝縮水がドレンセパレータ64において燃料オフガスから分離されて外部に排水される。
次に、この固体酸化物形燃料電池システム2の発電運転について説明する。発電運転のときには、燃料ガス供給源(図示せず)からの燃料ガスとしての水素ガスが、燃料ガスポンプ24によって燃料ガス供給流路14を通して供給され、かく供給される燃料ガス(水素ガス)には、上述したようにしてリサイクル流路66を通してリサイクルされる燃料オフガス(アノードオフガス)が混合され、混合された混合ガスが燃料ガスポンプ24に送給され、燃料ガスポンプ24により昇圧された混合ガスが燃料ガス供給流路14を通してセルスタック6の燃料極側8に送給される。また、空気ブロア40からの空気が空気供給流路38を通してセルスタック6の空気極側36に送給される。
セルスタック6においては、燃料極側8を流れる水素ガス及び空気極側36を流れる空気(空気中の酸素)の酸化及び還元によって発電が行われ、発電により得られた直流の電力は、図示していないが、パワーコンディショナーを通して交流電力に変換されて家庭用の需要端に供給される。このような固体酸化物形燃料電池システムにおける燃料利用率とは、燃料ガス流量センサ30(燃料ガス流量計測手段)を通過した燃料ガス(水素ガス)のうちセルスタック6の酸素極側8で酸化する割合、換言するとセルスタック6での発電で消費される割合をいう。
セルスタック6の燃料極側8からの燃料オフガス(水素ガスを含んでいる)は燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給され、また空気極側36からの空気オフガス(酸素を含んでいる)は空気オフガス送給流路48を通して燃焼器46に送給され、この燃焼器46にて燃料オフガスが空気オフガスにより燃焼され、燃焼器46からの燃焼排気ガスが排気ガス排出流路50を通して大気に排出される。
この発電運転中においては、第1熱交換器56において、排気ガス排出流路50を流れる燃焼排気ガスと空気供給流路38を流れる空気との間で熱交換が行われ、この熱交換により加熱された空気がセルスタック6の空気極側36に送給される。
また、燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給される燃料オフガスの一部がリサイクル流路66を通して燃料ガス供給流路14に戻される。このとき、第2熱交換器60において、リサイクル流路66を流れる燃料オフガスと例えば貯湯装置の循環流路62を流れる水との間で熱交換が行われ、この熱交換により燃料オフガス中の水蒸気が凝縮され、この凝縮水がドレンセパレータ64にて除去された後に燃料ガス供給流路14(具体的には、燃料ガスポンプ24と第2絞り部材26との間の部位)に戻され、この熱交換により加温された温水が貯湯装置の貯湯タンク(図示せず)に貯えられる。
この実施形態では、リサイクル流路66の下流側が燃料ガス供給流路14における燃料ガスポンプ24と第2絞り部材26との間の部位、換言すると燃料ガスポンプ24とゼロガバナ8(圧力調整部材)との間の部位に接続されているので、燃料ガスポンプ24の作動状態においては燃料ガスポンプ24の上流側に負圧が生成され、かかる負圧により燃料オフガス送給流路44を流れる燃料オフガスの一部がリサイクル流路66を通して燃料ガス供給流路14に流れ、これにより、リサイクルブロア(燃料オフガスの一部をリサイクル流路66を通して送給するためのブロア)やエゼクタ(燃料ガスの流れを利用して燃料オフガスの一部を吸引するための吸引装置)などを用いることなく燃料オフガスの一部を燃料ガス供給流路14に戻すことができる。
この固体酸化物形燃料電池システム2においては、燃料ガスとして水素ガスが用いられるので、セルスタック6の燃料極側8では水素ガスが酸化して水が生成されるのみであり、従って、燃料オフガスは水素ガスと水蒸気とが混合した混合ガスとなり、かかる混合ガスが燃焼器46に送給され、またこの混合ガスから水蒸気が除去されたガス(即ち、水素ガス)がリサイクル流路66を通して燃料ガス供給流路14に戻される。
このような固体酸化物形燃料電池システムでは、燃料オフガスのリサイクル率は主として、a)燃料ガス供給流路14とリサイクル流路66との接続部(即ち、燃料オフガスの合流部)からセルスタック6の燃料極側出口までの燃料ガス流路の流路抵抗と、b)セルスタック6の燃料極側出口から排気ガス排出流路50の排出口までの燃料オフガス流路の流路抵抗と、c)リサイクル経路66の流路抵抗と、d)燃料ガスポンプ24の上流側に生成される負圧によって決定される。このリサイクル率とは、燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給される燃料オフガスのうちリサイクル流路66を通して燃料ガス供給流路14に戻される割合をいう。
10年程度のメンテナンスフリーを目指す場合、これらのうちの変化の程度が大きいのは、b)セルスタック6の燃料極側出口から排気ガス排出流路50の排出口までにおける圧力損失への影響の大きい空気流量である。これは、セルスタック6が経時劣化したときに発熱が増えるが、この発熱によるセルスタック6の温度上昇を抑えるために空気の供給流量を多くし、この空気の供給流量によってセルスタック6の温度制御を行うためである。
そこで、かかる流路抵抗などの変化に伴うリサイクル率の変動による影響を抑えるために、燃料オフガス送給流路66に酸素濃度を検知するための酸素濃度検知手段68(酸素濃度検知センサ)が配設されている。この酸素濃度検知手段68は、燃料オフガス送給流路66の上流部(換言すると、セルスタック6の燃料極側8の下流側)に配設され、セルスタック6の燃料極側8から流れる燃料オフガスの酸素濃度を検知する。
酸素濃度検知手段68は、酸素イオン導電性の酸素濃度検知手段、例えばジルコニア式酸素濃度検知センサから構成することができ、このような酸素濃度検知センサを用いることにより、燃料オフガス中の酸素濃度を速い応答速度でもって検知することができる。
この実施形態においては、コントローラ(図示せず)は、酸素濃度検知手段68の検知信号(検知濃度)に基づいて燃料ガスポンプ24を次のように制御する。即ち、酸素濃度検知手段68の検知信号に基づいて燃料ガスポンプ24の回転数が制御され、その検知濃度が所定値(即ち、設定された水(HO)/水素(H)の比率)を越えないように燃料ガスの供給流量が制御され、このように制御することによって、セルスタック6での燃料利用率を適正な値に維持することができる。
例えば、水/水素の比率がこの所定値を超えたときには燃料オフガス中の水素ガスの比率が少なく、このようなときには、燃料ガスポンプ24の回転数を増やして燃料ガス(水素ガス)の供給流量を増加させて燃料利用率を下げるように制御し、また水/水素の比率がこの所定値よりある程度小さくなったときには燃料オフガス中の水素ガスの比率が多く、このようなときには、燃料ガスポンプ24の回転数を減らして燃料ガス(水素ガス)の供給流量を減らして燃料利用率を上げるように制御し、このように燃料ガスポンプ24を制御することにより、リサイクル率が経時的に変化しても長期間にわたって燃料利用率を適正な値に維持し続けることができる。
燃料ガスとして水素ガスを用いた場合、セルスタック6での生成物は水蒸気のみであるために、燃料オフガス(アノードオフガス)の冷却とこの燃料オフガス中の水蒸気除去(即ち、冷却による凝縮水の除去)とを組み合わせた燃料オフガスのリサイクル効果は、発電効率を高める上で極めて有効に働く。また、高発電効率の動作条件では平均セル電圧が例えば0.08V以上の高い領域となるが、水素ガスを用いて発電した場合、天然ガス(例えば、都市ガス)の水蒸気改質での発電条件に比して高い電圧領域での電流−電圧特性が高くなる(例えば、数十mV程度高くなる)ために、燃料オフガスの冷却と燃料オフガス中の水蒸気除去(所謂、凝縮水除去)とを組み合わせた燃料オフガスのリサイクルと、水素ガスを用いることによる高い電流−電圧特性とにより、燃料ガスとして水素ガスを用いた場合にも充分に高い発電効率を得ることができる。
燃料ガスとして水素ガスを用い、燃料オフガスのリサイクルを行ったときの効果を検証するために、次の通りのシミュレーションを行った。例えば、燃料ガスとして水素ガスを用い、リサイクルなしで燃料利用率85%まで安定して発電を行うことができるセルスタックを用いた場合、表1に示すように、DC発電端効率(低位発熱量基準)は56.6%である。
このような固体酸化物形燃料電池システムにおいて、リサイクル率を60%とし、リサイクル流路を通して戻される燃料オフガスの温度を温度20℃まで冷却する(露点20℃まで冷却して水蒸気を除去する)という条件でシミュレーションすると、酸素濃度検知センサ(酸素濃度検知手段)の検知濃度がリサイクルなしのときの条件での検知濃度となるまで燃料ガス(水素ガス)の供給流量を下げたときの燃料利用率は93.3%となり、また、このときのDC発電端効率は62.1%となり、このDC発電端効率の向上は、5.5ポイントとなった(表1参照)。
Figure 2020061268
家庭用の固体酸化物形燃料電池システムにおける補機類、パワーコンディショナーなどの消費電力を考慮すると、DC発電端効率に約0.9を積算した値がAC送電端発電効率(低位発熱量基準)となる。尚、燃料オフガスのリサイクル率は実用構成では直接測定することができないが、リサイクル流路に圧力損失の小さい流量計測センサを挿入することにより、流量計測センサの計測流量を利用してリサイクル率を求めることができる。
このような固体酸化物形燃料電池システムにおいては、セルスタックの経時変化に伴い空気の供給流量を約1.5倍程度まで増加するように空気ブロアの制御が行われる。このように空気の供給流量を約1.5倍まで増加させた場合、燃料オフガスのリサイクル率は成り行きで約63%まで上昇し、このような状態において酸素濃度検知センサ(酸素濃度検知手段)の検知濃度がリサイクルなしのときの条件での検知濃度となるまで燃料ガス(水素ガス)の供給流量を下げたときの燃料利用率は93.8%となり、またこのときのDC発電端効率は62.4%となり、このDC発電端効率の向上は、5.8ポイントとなった。
図1に示す実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2では、セルスタック6からの燃料オフガスを燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給するとともに、燃料オフガス送給流路44を通して流れる燃料オフガスの一部をリサイクル流路66を通して高温ハウジング54外に導き、この高温ハウジング54外にて第2熱交換器60で冷却して水蒸気を凝縮させて除去し、この冷却し且つ水蒸気を除去した燃料オフガスを燃料ガスポンプ24の上流側に戻しているが、次のような形態の固体酸化物形燃料電池システムにも同様に適用することができる。
図2を参照して、固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態について説明する。尚、この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムにおいて、上述の第1の実施形態のものと実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図2において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2Aでは、セルスタック6からの燃料オフガスを燃焼器46に導く燃料オフガス送給流路44Aは、高温ハウジング54外に導かれた後に再び高温ハウジング54内に導入されて燃焼器46に接続されている。そして、このことに関連して、高温ハウジング54内に第3熱交換器72が配設され、この第3熱交換器72において、燃料オフガス送給流路44Aの上流側部位を通して高温ハウジング54外に流れる燃料オフガスと燃料オフガス送給流路44Aの下流側部位を通して燃焼器46に流れる燃料オフガスとの間で熱交換が行われ、高温ハウジング54外で冷却された燃料オフガスが熱交換により加熱された後に燃焼器46に送給される。
また、燃料オフガス送給流路44Aの中間部位(換言すると、高温ハウジング54外に位置する部位)には、第2熱交換器60及びドレンセパレータ64が配設されている。この第2熱交換器60は、上述した第1の実施形態と同様に、例えば、燃料オフガスの熱を温水として貯湯するためのコ−ジェネレーションシステム用の貯湯装置(図示せず)の循環流路62と組み合わせて用いられ、燃料オフガス送給流路44Aを流れる燃料オフガスと貯湯装置から循環流路62を通して流れる水との間で熱交換が行われ、この熱交換により加温された温水が貯湯装置の貯湯タンク(図示せず)に貯えられる。この第2熱交換器60は、燃料オフガスを冷却するための冷却器としても機能し、冷却された燃料オフガス中の水蒸気が凝縮し、この凝縮水がドレンセパレータ64から外部に排水される。
この第2の実施形態においては、燃料オフガス送給流路44Aの中間部位(具体的には、高温ハウジング54外に位置する部位であって、ドレンセパレータ64よりも下流側の部位)から分岐してリサイクル流路66Aが設けられ、このリサイクル流路66Aの下流側が燃料ガス供給流路14(具体的には、燃料ガスポンプ24と第2絞り部材26との間の部位)に接続されている。このように構成されているので、冷却され水蒸気が除去された燃料オフガスがリサイクル流路66Aを通して燃料ガス供給流路14に戻される。
この第2の実施形態においては、更に、リサイクル流路66Aにリサイクル弁74が配設され、このリサイクル弁74を次のように制御するようにしてもよい。例えば、燃料ガスポンプ24(燃料ガス供給手段)に温度検知手段(例えば、温度検知センサ)を設け、この温度検知手段の検知温度が所定温度(例えば、30℃)を超えたときに、この温度検知手段からの検知信号に基づいてリサイクル弁74を開状態にするようにしてもよい。このように構成した場合、燃料ガスポンプ24の温度が低いときには燃料オフガスがリサイクル流路66Aを通して燃料ガスポンプ24の上流側に流れることはなく、これにより、燃料オフガス中に残留する水蒸気が燃料ガスポンプ24で結露することが防止される。
尚、このようなリサイクル弁74を設ける構成は、第1の実施形態にも適用することができ、また温度検知手段による検知温度として、発電システムの庫内温度、燃料オフガスの冷却温度などを検知するようにしてもよく、この温度検知手段を燃料ガスポンプ24に関連して設けることができる。この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2Aのその他の構成は、上述した第1の実施形態のものと実質上同一である。
この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2Aにおいては、セルスタック6の燃料極側からの燃料オフガスは、燃料オフガス送給流路44Aを通して燃焼器46に送給され、かく送給された燃料オフガスは、セルスタック6の空気極側から空気オフガス送給流路48を通して送給される空気オフガスにより燃焼される。また、燃料オフガス送給流路44Aを流れる燃料オフガスの一部はリサイクル流路66Aを通して燃料ガス供給流路14(具体的には、燃料ガスポンプ24の上流側部位)に戻され、燃料ガス供給流路14を流れる燃料ガス(水素ガス)に混合されてセルスタック6に供給される。
リサイクル流路66Aを流れる燃料オフガスは、第2熱交換器60にて熱交換により冷却され、この冷却により燃料オフガス中の水分が凝縮され、ドレンセパレータ64にて凝縮水が燃料オフガスから分離された後に、水蒸気が除去された燃料オフガスが燃料ガス供給流路14に戻される。
この固体酸化物形燃料電池システム2Aにおいても、燃料オフガス送給流路44Aに酸素濃度検知手段68(酸素濃度検知センサ)が配設され、この酸素濃度検知手段68の検知濃度に基づいて燃料ガスポンプ24が制御されるので、リサイクル率が経時的に変わっても燃料ガスポンプ24による燃料ガス(水素ガス)の供給流量を所要の通りに制御することができ、上述の第1の実施形態と同様に、長期にわたって燃料利用率を適正な値に維持することができる。
2,2A 固体酸化物形燃料電池システム
6 セルスタック
14 燃料ガス供給流路
24 燃料ガスポンプ
44,44A 燃料オフガス送給流路
46 燃焼器
54 高温ハウジング
66,66A リサイクル流路
74 リサイクル弁















Claims (4)

  1. 燃料ガスとしての水素ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記セルスタックの燃料極側に水素ガスを導くための燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス供給流路を通して水素ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、水素ガスの圧力を調整するための燃料ガス圧力調整手段と、前記セルスタックの空気極側に空気を導くための空気供給流路と、前記空気供給流路を通して空気を供給するための空気供給手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスと前記セルスタックの発電反応後の空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記セルスタックからの燃料オフガスを前記燃焼器に導くための燃焼オフガス送給流路と、前記セルスタックからの空気オフガスを前記燃焼器に導くための空気オフガス送給流路と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するためのコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    燃料オフガスを冷却するための冷却器及び燃料オフガスの一部をリサイクルするためのリサイクル流路が更に設けられ、前記冷却器は前記燃料オフガス送給流路に配設され、また前記燃料ガス圧力調整手段は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス供給手段の配設部位より上流側に配設され、前記リサイクル流路の上流側は、前記燃料オフガス送給流路における前記冷却器の配設部位より下流側に接続され、その下流側は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス圧力調整手段の配設部位と前記燃料ガス供給手段の配設部位との間に接続されており、
    前記セルスタックからの燃料オフガスは、前記冷却器にて冷却された後に前記燃焼器に送給され、前記冷却器から前記燃焼器に送給される燃料オフガスの一部は、前記燃料ガス供給手段の作動により発生する負圧により前記リサイクル流路を通して前記燃料ガス供給流路に戻されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 燃料ガスとしての水素ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記セルスタックの燃料極側に水素ガスを導くための燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス供給流路を通して水素ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、水素ガスの圧力を調整するための燃料ガス圧力調整手段と、前記セルスタックの空気極側に空気を導くための空気供給流路と、前記空気供給流路を通して空気を供給するための空気供給手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスと前記セルスタックの発電反応後の空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記セルスタックからの燃料オフガスを前記燃焼器に導くための燃焼オフガス送給流路と、前記セルスタックからの空気オフガスを前記燃焼器に導くための空気オフガス送給流路と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するためのコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    燃料オフガスを冷却するための冷却器及び燃料オフガスの一部をリサイクルするためのリサイクル流路が更に設けられ、前記冷却器は前記リサイクル流路に配設され、また前記燃料ガス圧力調整手段は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス供給手段の配設部位より上流側に配設され、前記リサイクル流路の上流側は、前記燃料オフガス送給流路に接続され、その下流側は、前記燃料ガス供給流路における前記燃料ガス圧力調整手段の配設部位と前記燃料ガス供給手段の配設部位との間に接続されており、
    前記セルスタックからの燃料オフガスの一部は、前記燃料ガス供給手段の作動により発生する負圧によって前記リサイクル流路を通して前記燃料ガス供給流路に流れ、前記リサイクル流路を流れる燃料オフガスは、前記冷却器にて冷却された後に前記燃料ガス供給流路に戻されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記燃料オフガス送給流路に酸素濃度を検知するための酸素イオン導電性の酸素濃度検知手段が設けられ、前記コントローラは、前記酸素濃度検知手段の検知濃度に基づいて前記燃料ガス供給手段を作動制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記燃料ガス供給手段に関連して温度検知手段が配設されるとともに、前記リサイクル流路にリサイクル弁が配設されており、前記温度検知手段の検知温度が所定設定温度を超えると、前記コントローラは、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記リサイクル弁を開状態にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。

















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