JP5711166B2 - 固体酸化物型燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、平板型の固体酸化物型燃料電池セルを複数枚直列に接続した固体酸化物型燃料電池スタックが複数台設置された固体酸化物型燃料電池システムに関するものであり、各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧に差分が生じた場合に、純水流量のみで制御が可能な固体酸化物型燃料電池システムを提供するものである。
近年、規模の大小にかかわらず高い効率が得られることから、次世代のコジェネレーションシステムに用いられる発電手段として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、酸素などの酸化剤ガスと水素などの燃料ガスとの化学反応を利用した電池であり、空気極と呼ばれる陽極と、燃料極と呼ばれる陰極とで電解質の層を挟んだ単セルを、複数重ね合わせて用いている。一組のセル(単セル)で得られる電気の電圧は、約0.7V程度であるが、複数の単セルを重ね合わせて用いることで、所望とする電圧の供給が可能である。このような燃料電池には、高分子材料を電解質層に用いる固体高分子型や、セラミックスなどの酸化物を電解質層に用いる固体酸化物型がある。
固体高分子型燃料電池では、作動温度が高々90℃程度であり、自動車用や家庭用コジェネレーションシステムに適用可能とされている。これに対し、固体酸化物型燃料電池は、作動温度が600℃以上と高温であり、発電効率が45%以上と高いという特徴を備えている。このため、複数の単セルを組み合わせたスタック構造の固体酸化物型燃料電池は、タービン発電などを組み合わせてより高い効率のコジェネレーションシステムが構築できるという利点を有し、発電所としての用途などが期待されている。
ところで、固体酸化物型燃料電池において実用的な出力を得るためには、固体酸化物型燃料電池のセル(以降、単セル)を複数個直列に、または並列に接続する必要がある。このとき、各単セルの燃料極側に供給される燃料ガスと空気極側に供給される酸化剤ガスとが混合しない状態で、各単セルを電気的に接続する必要がある。このようにガスの混合を防いだ状態で各単セルを電気的に接続するために、セパレータやインターコネクターなどと呼ばれ、ガスが透過せず、電気伝導度が高い材料からなる部材が用いられている。
近年、発電温度の低温動作化により、金属材料をインターコネクターに使用できるようになった。金属製のインターコネクターは、セラミックス製のインターコネクターに比べると加工性が良く、電気伝導度や熱伝導度が高いが、高温酸化雰囲気化において表面に電気伝導度の低い酸化被膜が形成されるという問題がある。そこで、最近ではインターコネクターとして、Crが16〜24%程度含まれたフェライト系の耐熱性ステンレス鋼が用いられる傾向にある(非特許文献1参照)。
田川博章 著,「固体酸化物燃料電池と地球環境」,アグネ承風社,1998年,p.247−P289
耐熱性ステンレス鋼のインターコネクターはセルに比べると平坦に製作することが可能であるが、固体酸化物などで構成されているセルは平坦に製作することが困難であり、反りや厚みにばらつきが生じやすい。このように反りや厚みにばらつきがある平板型のセルとインターコネクターとを直列に積層して作成したスタックは、ガス供給時に生じる圧力損失にばらつきが生じる。そのため、各スタックに供給する燃料ガス流量を個別に制御する必要がある。しかし、個別に燃料ガス流量を制御すると、炭化水素系ガスを燃料ガスとして供給する場合には、炭化水素系ガスの水蒸気改質用の純水ポンプもスタック毎に制御する必要があり、制御系統が複雑になるだけでなく高コストになってしまう。また、燃料ガス供給系統を一つにすると、各スタックの圧力損失のばらつきにより各スタックの電圧がばらついてしまう。この結果、システムの耐久性が低下するといった問題が生じる。
各スタックの電圧のばらつきと電圧のばらつきに起因するシステムの耐久性低下は、以下のような原因によると考えられる。スタック間の圧力損失のばらつきは、各スタックに供給されるガス流量のばらつきを生み出す。あるスタックには十分燃料ガスが供給され、別のスタックには不十分である状態が続くと、スタックの中でも特にガス供給路の圧力損失が大きなセルの燃料極に供給される還元性ガスが特に少なくなるため、燃料極のニッケルが酸化膨張し、電解質に亀裂が生じる。一旦電解質に亀裂が生じると、酸化剤ガスと燃料ガスとが直接反応して大量の水蒸気を発生し、この水蒸気が原因で、スタックを構成している他のセルに供給される燃料ガス濃度が低下し、この結果として、スタック全体として起電力が低下する。電圧の異なる複数のスタックを接続して燃料電池システムを構成すると、負荷が一部のスタックに集中してシステムの耐久性が低下すると考えられる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、固体酸化物型燃料電池スタックが複数台設置された固体酸化物型燃料電池システムにおいて、各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧のばらつきを抑制してシステムの耐久性を向上させることを目的とする。
本発明の固体酸化物型燃料電池システムは、平板型の固体酸化物型燃料電池セルとセパレータとを交互に積層した複数の固体酸化物型燃料電池スタックと、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、燃料ガスを水蒸気改質して対応する固体酸化物型燃料電池スタックに供給する水蒸気改質器と、全ての水蒸気改質器に供給される燃料ガスの流量を調整する燃料ガス流量コントローラーと、各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧が等しくなるように、前記水蒸気改質に使用する純水の流量を固体酸化物型燃料電池スタック毎に調整する制御部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の固体酸化物型燃料電池システムの1構成例は、さらに、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、各水蒸気改質器に供給される純水の流量を個別に調整する純水ポンプを備え、前記制御部は、各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧が等しくなるように各純水ポンプの吐出量を調節することにより、前記水蒸気改質に使用する純水の流量を固体酸化物型燃料電池スタック毎に調整することを特徴とするものである。
また、本発明の固体酸化物型燃料電池システムの1構成例は、さらに、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、各純水ポンプから供給される純水を気化して対応する固体酸化物型燃料電池スタックの水蒸気改質器に供給する気化器を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の固体酸化物型燃料電池システムの1構成例において、前記水蒸気改質器は、各固体酸化物型燃料電池スタックの燃料ガス供給口に設置されることを特徴とするものである。
また、本発明の固体酸化物型燃料電池システムの1構成例において、前記水蒸気改質器は、アルミナ表面に金属ニッケルまたは金属ルテニウムが担持された触媒を格納しているものである。
本発明によれば、各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧が等しくなるように、水蒸気改質に使用する純水の流量を固体酸化物型燃料電池スタック毎に調整することにより、各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧をほぼ同等にすることができるので、固体酸化物型燃料電池システムの耐久性の低下を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。複数の固体酸化物型燃料電池スタックにより構成されているシステムにおいて、全ての固体酸化物型燃料電池スタックに供給される燃料ガスが1台の燃料ガス流量コントローラーで制御されている場合、配管や固体酸化物型燃料電池スタックで生じる圧力損失のわずかな違いで、個々の固体酸化物型燃料電池スタックに供給される燃料ガスの分配が均等でなくなるが、各固体酸化物型燃料電池スタックのラインに個別に設置された純水のラインの流量を調整することで各固体酸化物型燃料電池スタックに供給されるガス分配を調整して固体酸化物型燃料電池スタック間の燃料ガス供給量の違いを補正することができる。純水は液体で供給され、供給量も少ないことから、燃料ガスよりも制御が容易である。したがって、本発明では、スタック毎に燃料ガス供給量を調整する場合と比較して、制御が容易であり、また燃料ガス流量コントローラーの台数を削減することができるので、固体酸化物型燃料電池システムのコストを削減することができる。また、水蒸気改質器を設けることにより、固体酸化物型燃料電池セルだけでなく水蒸気改質器でも炭化水素系ガスの改質が可能となり、未改質ガスの濃度を低減することが可能となる。また、水蒸気改質器の一つに不備・不調があったとしても、全てのスタックが劣化することがなく、リスクを分散することが可能となる。また、各水蒸気改質器に対して純水を個別に供給することにより、各水蒸気改質器からそれぞれの固体酸化物型燃料電池スタックへ異なった改質ガス組成やガス流量で燃料ガスを供給することが可能となる。
また、本発明では、各純水ポンプから供給された純水を水蒸気改質器よりも上流で気化することにより、水蒸気改質器の改質温度を低下することなく、安定したガス組成の燃料ガスをそれぞれの固体酸化物型燃料電池スタックへ供給することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る固体酸化物型燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 固体酸化物型燃料電池の単セルの構成を示す断面図である。 固体酸化物型燃料電池スタックの構成を示す断面図である。 固体酸化物型燃料電池モジュールの構成を示すブロック図である。 ガス供給系の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る固体酸化物型燃料電池システムの効果を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る固体酸化物型燃料電池システムの効果を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る固体酸化物型燃料電池システムの効果を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る固体酸化物型燃料電池システムの効果を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る固体酸化物型燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態の固体酸化物型燃料電池システムは、それぞれ平板型の固体酸化物型燃料電池セルとセパレータとを交互に積層した複数の固体酸化物型燃料電池スタック1(1−A,1−B,1−C,1−D)と、各固体酸化物型燃料電池スタック1に供給される燃料ガスの流量を調整する燃料ガス流量コントローラーであるマスフローコントローラー2と、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、燃料ガスを水蒸気改質して固体酸化物型燃料電池スタック1に供給する水蒸気改質器3(3−A,3−B,3−C,3−D)と、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、各水蒸気改質器3に供給する純水の流量を個別に調整する純水ポンプ4(4−A,4−B,4−C,4−D)と、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、各純水ポンプ4から供給される純水を気化して水蒸気改質器3に供給する気化器5(5−A,5−B,5−C,5−D)と、各固体酸化物型燃料電池スタック1が発生する起電力(スタック電圧)に基づいて、各純水ポンプ4を制御する制御部6とを有する。なお、図1では、酸化剤ガスの供給経路の記載を省略している。
図2は固体酸化物型燃料電池の単セルの構成を示す断面図である。固体酸化物型燃料電池の単セルは、平板型の燃料極100と平板型の空気極101で平板型の酸化物からなる電解質102を狭持し、空気極101上に集電層103が配置された構造となっている。
電解質102の材料としては、例えばスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、サマリア安定化ジルコニア(SSZ)、コバルト添加ランタンガレート系酸化物(LSGMC)などがある。
空気極101の材料としては、例えばランタンニッケルフェライト(LNF)、ランタンマンガネート(LSM)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)、ランタンストロンチウムコバルタイトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムフェライト(LSF)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)などがある。
燃料極100の材料としては、金属Niと前記電解質102を構成する材料との混合物などがある。これらの混合物としては、例えばニッケル添加イットリア安定化ジルコニア(Ni−YSZ)、ニッケル添加サマリア安定化ジルコニア(Ni−SSZ)、ニッケル添加スカンジア安定化ジルコニア(Ni−ScSZ)などがある。
図3(A)は固体酸化物型燃料電池スタック1の構成を示す断面図である。図3(B)は単セルの部分を拡大した断面図であり、図3(C)は図3(B)の117の部分を更に拡大した断面図である。図2に示した単セルから高い発電出力を得るために、図3(A)に示すように燃料極側セパレータ104および空気極側セパレータ105を介して単セルを積層する。
燃料極側セパレータ104には、燃料ガス供給用のガス供給配管106と、ガス供給配管106と接続されたガス供給配管107と、ガス供給配管107と接続されたガス流路108と、酸化剤ガス供給用のガス供給配管109とが形成されている。
空気極側セパレータ105には、酸化剤ガス供給用のガス供給配管109と、ガス供給配管109と接続されたガス供給配管110と、ガス供給配管110と接続されたガス流路111と、燃料ガス供給用のガス供給配管106とが形成されている。
燃料極側セパレータ104のガス流路108が配置された面に、燃料極100と燃料極側セパレータ104との電気的接続を良くするための集電体112を配置し、この集電体112の上に図2に示したような単セルを搭載する。図3(B)における114は単セルを収納するためのセルホルダである。燃料極側セパレータ104と単セルの周辺部との隙間、およびセルホルダ114と単セルの周辺部との隙間には、シール材115が配置されている。このシール材115によって燃料ガスおよび排ガスの漏れを防ぐことができる。シール材115の材料としては、ホウ珪酸ガラスなどの、軟化点が固体酸化物型燃料電池の動作温度付近であるガラス材料がある。
一方、空気極側に関しては、ペースト材料からなる空気極側接続材料113を集電層103と空気極側セパレータ105との間に配置することで、集電層103と空気極側セパレータ105との電気的接続を良好にすることができる。このペースト材料は固体酸化物型燃料電池スタックの初回動作前に予め集電層103の上に塗布され、このペースト材料の上に空気極側セパレータ105が配置される。こうして、初回動作時の昇温過程でペースト材料を加熱することにより、より良好な電気的接続を実現することができる。また、各固体酸化物型燃料電池スタック1の上下から圧力を加えることによって、燃料極100と燃料極側セパレータ104との更に良好な電気的接続、および集電層103と空気極側セパレータ105との更に良好な電気的接続を実現することができる。
さらに、シール材115の上に絶縁体116を配置することで空気極側セパレータ105と燃料極側セパレータ104との短絡を防止することができる。この絶縁材116の材料としては、たとえばアルミナなどの高温でも絶縁性のあるセラミックスや、マイカなどの絶縁材料がある。
図1、図3(A)に示した固体酸化物型燃料電池スタック1で発電するためには、燃料極100に燃料ガスを供給し、空気極101に酸化剤ガスを供給する必要がある。また、固体酸化物型燃料電池スタック1を運転温度まで昇温し、運転温度を維持する必要がある。そのために、図4に示すように固体酸化物型燃料電池スタック1を断熱材9で覆われたモジュール内部に設置する必要がある。
燃料ガスとして都市ガスなどの炭化水素系燃料を使用する場合には、固体酸化物型燃料電池スタック1よりも上流側で炭化水素系燃料を水蒸気改質器3によって水蒸気改質してから固体酸化物型燃料電池スタック1に供給する必要がある。すなわち、燃料ガスは、燃料ガスライン10から水蒸気改質器3を通って固体酸化物型燃料電池スタック1に供給される。水蒸気改質器3を設けることにより、固体酸化物型燃料電池セルだけでなく水蒸気改質器3でも炭化水素系ガスの改質が可能となり、未改質ガスの濃度を低減することが可能となる。また、水蒸気改質器3の一つに不備・不調があったとしても、全てのスタックが劣化することがなく、リスクを分散することが可能となる。水蒸気改質器3は、アルミナ表面に金属ニッケルまたは金属ルテニウムが担持された触媒を格納しているものである。
水蒸気改質に使用するための水蒸気を得るために、モジュール内部には純水を気化する気化器5が設置されている。純水は、純水ライン11から気化器5に供給され、気化器5で気化された上で水蒸気改質器3に供給される。
また、未使用の燃料ガスなどを直接外気に放出すると安全面で問題があるため、モジュール内部で燃焼させてから排気する必要がある。そのために、固体酸化物型燃料電池スタック1からの排ガスを回収して燃やす燃焼器7がモジュール内部に設置されている。
さらにまた、発電で生じた熱や未使用燃料ガスの燃焼により生じた熱を効率よく酸化剤ガスに伝えることにより、容易に固体酸化物型燃料電池スタック1の温度を維持することが可能となる。そのために、固体酸化物型燃料電池スタック1よりも上流側に排ガスの熱を酸化剤ガスに伝えるための熱交換器8が設置されている。つまり、酸化剤ガスは、酸化剤ガスライン12から熱交換器8に供給され、熱交換器8で加熱された上で固体酸化物型燃料電池スタック1に供給される。
ところで、モジュール内部で使用されている金属部分は、モジュールの内部温度が数百度に達することから、例えばSUS310、SUS430、Inconel600などの耐熱性ステンレス鋼が使用されている。断熱性能が高い場合にはモジュールの内部温度が金属部分の耐熱温度を超える可能性がある。そこで、熱交換器8を介さずにモジュール内部に酸化剤ガスを供給して、モジュール内部を冷却するための酸化剤ガスバイパスライン13が設置されている。
なお、モジュール内部には、複数の固体酸化物型燃料電池スタック1と複数の水蒸気改質器3と複数の気化器5とが配置されるが、図4では記載を簡略化するため、固体酸化物型燃料電池スタック1と水蒸気改質器3と気化器5とをそれぞれ1台ずつとしている。
図4に示したモジュールにガスを供給するためのガス供給系の構成を図5に示す。酸化剤ガスは、室内又は室外から集塵フィルター21を介して取り込まれ、空気ブロアー22によって酸化剤ガスライン12に供給される。この酸化剤ガスの流量の調整には流量計23が使用される。図示しない酸化剤ガス流量制御手段は、流量計指示値を基に空気ブロアー22の出力を調整することにより、酸化剤ガスの流量が適正になるように制御する。また、酸化剤ガスライン12から比例制御弁24を介して前記酸化剤ガスバイパスライン13が設置されている。比例制御弁24を開けることで、熱交換器8を介さずにモジュール内部に酸化剤ガスを供給することができる。
燃料ガスとして都市ガスを使用する場合、燃料ガスは脱硫器17を介して燃料ガスライン10に供給される。燃料ガスライン10には電磁弁15,18が設置されており、燃料ガスが漏洩した場合には上流側の電磁弁15を閉止し、燃料ガスの供給を停止することができる。燃料ガスの漏洩を検出するために、ガス供給系には可燃ガスセンサー25が設けられている。また、燃料ガスの流量の調整にはマスフローコントローラー2が使用される。マスフローコントローラー2は、燃料ガスの流量が適正になるように調整を行う。
純水は、水道水から図示しない純水製造装置を介して供給され、ガス供給系内部に設置された純水タンク20を介して純水ライン11に供給される。純水の流量の調整には純水ポンプ4が使用されており、純水流量の微調整が可能となっている。なお、純水ポンプ4は固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられるが、図5では記載を簡略化するため、純水ポンプ4を1台だけ記載している。
モジュールに4台の固体酸化物型燃料電池スタック1を搭載した場合、ガス供給系には1つの燃料ガスライン10と1台のマスフローコントローラー2が設置され、また4つの純水ライン11と4台の純水ポンプ4が設置される。モジュールの内部温度を発電可能温度まで昇温した後に、各固体酸化物型燃料電池スタック1の水蒸気改質器3に純水の供給を開始し、燃料ガスとして都市ガスを供給して開回路状態で発電が可能な状態にした。負荷の増加に応じて発電電流が増加し、燃料利用率が一定となるように都市ガスの流量と純水の流量を増加した。モジュールの出力電流値が50Aに到達した段階で、燃料利用率が75%、スチームカーボン比が3.0となるように都市ガスと純水を供給した。このとき、都市ガスを1つのマスフローコントローラー2から4台の固体酸化物型燃料電池スタック1に分岐して供給しているため、各固体酸化物型燃料電池スタック1が同一寸法であっても、各固体酸化物型燃料電池スタック1に圧力損失のばらつきがあると、都市ガスの供給量が均等ではなくなり、スタック電圧もばらついてしまう。
そこで、本実施の形態の固体酸化物型燃料電池システムの制御部6は、各固体酸化物型燃料電池スタック1の電圧が等しくなるように、各純水ポンプ4の回転数を制御して各純水ポンプ4の吐出量を制御し、各固体酸化物型燃料電池スタック1の水蒸気改質器3への純水の供給量をスタック毎に(水蒸気改質器毎に)調整する。このように、本実施の形態では、燃料ガス供給量のスタック毎の調整は行わずに、気体と比較して制御が容易な純水の供給量のみをスタック毎に調整することにより、各固体酸化物型燃料電池スタック1の電圧をほぼ同等にすることができるので、固体酸化物型燃料電池システムの耐久性の低下を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。また、スタック毎に燃料ガス供給量を調整する場合と比較して、マスフローコントローラーの台数を削減することができるので、固体酸化物型燃料電池システムのコストを削減することができる。
図6〜図9は、本実施の形態の効果を説明する図であり、モジュール内部温度を800℃、モジュール出力電流を50A、スチームカーボン比を3.0に固定した状態、およびスタック電圧を調整するために純水供給量を個別に調整した状態で、都市ガス流量を変更したときの4台の固体酸化物型燃料電池スタック1の電圧を示す図である。図6〜図9の横軸は燃料利用率、縦軸はスタック電圧である。
図6の60はスチームカーボン比を3.0に固定したときの固体酸化物型燃料電池スタック1−Aの電圧を示し、61は本実施の形態の固体酸化物型燃料電池システムにより純水供給量を調整したときのスタック1−Aの電圧を示している。図7の70はスチームカーボン比を3.0に固定したときの固体酸化物型燃料電池スタック1−Bの電圧を示し、71は純水供給量を調整したときのスタック1−Bの電圧を示している。図8の80はスチームカーボン比を3.0に固定したときの固体酸化物型燃料電池スタック1−Cの電圧を示し、81は純水供給量を調整したときのスタック1−Cの電圧を示している。図9の90はスチームカーボン比を3.0に固定したときの固体酸化物型燃料電池スタック1−Dの電圧を示し、91は純水供給量を調整したときのスタック1−Dの電圧を示している。
図6〜図9から明らかなように、燃料ガス供給量が比較的大きく、燃料利用率が少ない、言い換えれば余分な燃料が多く供給されている状態では各固体酸化物型燃料電池スタック1−A〜1−Dの電圧は比較的近い値を示しているが、燃料利用率を上げると各固体酸化物型燃料電池スタック1−A〜1−Dの電圧にバラつきが生じることが分かる。特に図7に示した固体酸化物型燃料電池スタック1−Bでは、スチームカーボン比を3.0に固定した場合、都市ガス流量が少なくなる(燃料利用率が増加)に従い、電圧の低下が顕著になる。この電圧の低下は、ガス配管やスタック1−Bで生じる圧力損失が他のスタックに比べて大きく、電圧を維持するために必要な都市ガスが供給されなくなったことを示している。
これに対して、スチームカーボン比を3.0に固定せず、固体酸化物型燃料電池スタック1−A,1−C,1−Dに供給する純水の供給量を増加させると共に、固体酸化物型燃料電池スタック1−Bへの純水の供給量を減少させると、固体酸化物型燃料電池スタック1−A,1−C,1−Dに供給される水蒸気の分圧が増加し、供給圧力を変更していない都市ガスの供給量が減少する一方、水蒸気の分圧が減少する固体酸化物型燃料電池スタック1−Bにおいては都市ガスの供給量が増加する。その結果、供給される都市ガス流量のスタック間での差異が小さくなり、図6〜図9の61,71,81,91で示したように、スタック間の電圧差も小さくなる。
全体としての都市ガス供給量は80%を超えるような燃料利用率での稼動でもスタック電圧の極端な低下が起こらない程度の供給量であり、また、各セルに対する純水供給量にはある程度の余裕があるため、上記のような純水供給量の調整を行っても、固体酸化物型燃料電池スタック1−A,1−C,1−Dの電圧が低下することは無い。以上の結果から、本実施の形態の固体酸化物型燃料電池システムを採用することにより、少ない燃料ガスの流量制御でもスタック電圧のばらつきを無くすことができることが実証できた。
なお、本実施の形態では、水蒸気改質器3を固体酸化物型燃料電池スタック1の外部に設けているが、これに限るものではなく、各固体酸化物型燃料電池スタック1の内部、例えば燃料ガス供給口に水蒸気改質器3を設けるようにしてもよい。
本発明は、固体酸化物型燃料電池スタックが複数台設置された固体酸化物型燃料電池システムに適用することができる。
1…固体酸化物型燃料電池スタック、2…マスフローコントローラー、3…水蒸気改質器、4…純水ポンプ、5…気化器、6…制御部、7…燃焼器、8…熱交換器、9…断熱材、10…燃料ガスライン、11…純水ライン、12…酸化剤ガスライン、13…酸化剤ガスバイパスライン、14…排ガスライン、15,18,19…電磁弁、16…圧力計、17…脱硫器、20…純水タンク、21…集塵フィルター、22…空気ブロアー、23…流量計、24…比例制御弁、25…可燃ガスセンサー、100…燃料極、101…空気極、102…電解質、103…集電層、104…燃料極側セパレータ、105…空気極側セパレータ、106,107,109,110…ガス供給配管、108,111…ガス流路、112…集電体、113…空気極側接続材料、114…セルホルダ、115…シール材、116…絶縁体。

Claims (5)

  1. 平板型の固体酸化物型燃料電池セルとセパレータとを交互に積層した複数の固体酸化物型燃料電池スタックと、
    固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、燃料ガスを水蒸気改質して対応する固体酸化物型燃料電池スタックに供給する水蒸気改質器と、
    全ての水蒸気改質器に供給される燃料ガスの流量を調整する燃料ガス流量コントローラーと、
    各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧が等しくなるように、前記水蒸気改質に使用する純水の流量を固体酸化物型燃料電池スタック毎に調整する制御部とを備えることを特徴とする固体酸化物型燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の固体酸化物型燃料電池システムにおいて、
    さらに、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、各水蒸気改質器に供給される純水の流量を個別に調整する純水ポンプを備え、
    前記制御部は、各固体酸化物型燃料電池スタックの電圧が等しくなるように各純水ポンプの吐出量を調節することにより、前記水蒸気改質に使用する純水の流量を固体酸化物型燃料電池スタック毎に調整することを特徴とする固体酸化物型燃料電池システム。
  3. 請求項2記載の固体酸化物型燃料電池システムにおいて、
    さらに、固体酸化物型燃料電池スタック毎に設けられ、各純水ポンプから供給される純水を気化して対応する固体酸化物型燃料電池スタックの水蒸気改質器に供給する気化器を備えることを特徴とする固体酸化物型燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池システムにおいて、
    前記水蒸気改質器は、各固体酸化物型燃料電池スタックの燃料ガス供給口に設置されることを特徴とする固体酸化物型燃料電池システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池システムにおいて、
    前記水蒸気改質器は、アルミナ表面に金属ニッケルまたは金属ルテニウムが担持された触媒を格納しているものであることを特徴とする固体酸化物型燃料電池システム。
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