JP6151174B2 - 燃料電池システムの停止方法および燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムの停止方法および燃料電池システム、特に固体酸化物形燃料電池システムの停止方法および固体酸化物形燃料電池システムに関するものである。
燃料電池の一例として固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)がある。SOFCは、燃料極、固体電解質および空気極からなる燃料電池セルを備えている。
SOFCは、燃料極に燃料ガス(Hガス、CHガス等)を供給するとともに、空気極に酸化剤ガス(空気等)を供給し、燃料ガスに含まれる燃料と酸化剤ガスに含まれる酸素とを固体電解質を介して化学反応させることによって電力を発生させるものである。
SOFCにおいて、燃料極側に酸素が侵入したり、空気極側に燃料ガスが侵入したりすると、各々の電池構成材料が反応し体積変化することで燃料電池が劣化してしまう。特に、固体酸化物形燃料電池では、燃料極中で燃料が失われ、燃料極周囲が酸化雰囲気になると、燃料極の材料(Ni)の酸化が進行する。NiがNiOになる反応は、大きな体積変化を生じるため、燃料電池セルが破損することがある。
よって、SOFCシステムを停止する際には、燃料電池セルの破損および劣化を防ぎつつ停止することが必要となる。特許文献1は、緊急停止事態が発生した際の燃料電池システムの制御方法を開示している。特許文献1では、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を停止し、その後、酸化剤流路および燃料流路に不活性ガスを供給することで、燃料極および酸化剤極(空気極)の双方の劣化を抑制している。
特開2006−66244号公報(請求項18)
特許文献1では、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を停止した後、COやNのような不活性ガスを供給している。このような方法では、酸化剤電極(空気極)が還元雰囲気に曝されて還元されてしまう。空気極が還元されると、空気極のイオン導電性が失われて劣化するという問題がある。
また、高温で運転されるSOFCにおいて、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を停止した直後は、燃料電池セルが高温であるため、燃料ガスのリーク量が多く、燃料極側に残存する燃料ガスが空気極側に拡散し、空気極の材料が還元される。空気極の材料が還元されると、空気極のイオン導電性が失われる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、空気極のイオン導電性を損なわず、燃料極および空気極の体積変化による燃料電池セルの破損および劣化を防止できる燃料電池システムの停止方法および燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムの停止方法および燃料電池システムは以下の手段を採用する。
本発明は、燃料極、固体電解質、および空気極が順に形成された燃料電池セルを複数備えたセルスタックを有し、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて前記固体電解質で発電する燃料電池システムの停止方法であって、燃料極側への前記燃料ガスの供給、および、空気極側への前記酸化剤ガスの供給を停止する工程と、該工程の後、前記燃料極側に不活性ガスを供給する工程と、前記空気極側に酸素を含む冷却ガスを供給する工程と、を備え、前記燃料極側へ前記不活性ガスを供給するとともに、前記空気極へ前記冷却ガスを供給し、前記燃料電池セルの温度に応じて前記空気極側の雰囲気に含まれる酸素量および前記空気極側の雰囲気の酸素分圧を制御する燃料電池システムの停止方法を提供する。
また、本発明は、燃料極と固体電解質と空気極とが順に形成された燃料電池セルを複数有するセルスタックと、前記燃料極側に、燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路と、前記空気極側に、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給経路と、前記燃料極側に、不活性ガスを供給する燃料極不活性ガス供給経路と、前記空気極側に、冷却ガスを供給する冷却ガス供給経路と、前記燃料極側への燃料ガスの供給、およびを前記空気極側への酸化剤ガスの供給を停止した後、前記燃料極側へ前記不活性ガスを供給するとともに、前記空気極へ前記冷却ガスを供給し、前記燃料電池セルの温度に応じて前記空気極側の雰囲気に含まれる酸素量および前記空気極側の雰囲気の酸素分圧を制御する制御部と、を備えた燃料電池システムを提供する。
本発明では、燃料極側への燃料ガスの供給を停止した後、不活性ガスを供給することにより、燃料極側の雰囲気を不活性ガスに置換して還元雰囲気とする。そうすることで、燃料極側に燃料ガスが残存し、該残存した燃料ガスが空気極へと拡散することによって空気極が還元されることを防止できる。
本発明によれば、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を停止した後、冷却ガスを供給することで、燃料電池セルの温度を下げることができる。冷却ガスは、酸化剤ガスよりも低温にできるため、燃料電池セル、およびセルスタックを速やかに冷却できるようになる。
燃料極の酸化反応は、高温で進みやすい。そのため、燃料電池セルが高温である間は、燃料極側への酸素の拡散を考慮しつつ、速やかに燃料電池セルの温度を下げることが重要となる。空気極側の雰囲気の酸素量が多すぎると、燃料極側へ拡散する酸素が増える。一方、酸素量を低くするため冷却ガスの流量を下げすぎると、セルスタックの降温速度が遅くなる。本発明では、燃料電池セルが所定温度以上の高温である間、空気極側の雰囲気に含まれる酸素量を調整する。酸素量を上記範囲とすることで、燃料極側へ酸素が拡散するのを抑えつつ、冷却ガスの流量を確保できる。それにより、セルスタックを速やかに冷却できるため、燃料極での酸化反応を抑制できる。
また、燃料電池システムが停止した時には、燃料極側への酸素の拡散を抑えつつ、空気極側を酸化雰囲気に保つことが重要となる。本発明では、燃料電池セルの温度が所定温度まで下がった後、空気極側の雰囲気の酸素分圧を調整する。酸素分圧を上記範囲とすることで、空気極のイオン導電性を損なうことなく、燃料極中への酸素の侵入を防ぐことができる。
上記発明の参考態様において、前記空気極側に前記冷却ガスとともに不活性ガスを供給し、前記酸素量をセルスタックの出力1kWあたり1.0×10−6mol/s以上1.0×10−4mol/s以下としてもよい。
上記発明の一態様において、前記空気極側に前記冷却ガスとともに不活性ガスを供給し、前記酸素分圧を1.0×10−15atm以上1.0×10−13atm以下としてもよい。
不活性ガスを用いることで、空気極側に供給されるガスの酸素濃度を調整できる。それにより、空気極側に供給する冷却ガスの流量を大きくできるため、冷却ガスのみを供給した場合と比較して、燃料電池セルの降温速度を上げられる。
本発明によれば、燃料極側に不活性ガスを供給することで、運転停止後に燃料ガスが空気極側に拡散することを防止できる。本発明によれば、冷却ガスを空気極側に供給することで、速やかに燃料電池セルの温度を下げることができるため、燃料極の材料の酸化反応を抑制できる。本発明によれば、燃料電池セルの温度を下げてから、空気極側の雰囲気の酸素分圧を所定範囲にすることで、空気極のイオン導電性を損なわず、且つ、燃料極中への酸素の侵入を防止できる。本発明によれば、燃料極および空気極の体積変化を抑制し、燃料電池セルの破損および劣化を防止できる。
セルスタックの一態様を示す部分縦断面図である。 第1実施形態の空気極側雰囲気における冷却ガス流量および酸素量・酸素分圧のプロファイルの一例を示す図である。 第2実施形態の空気極側雰囲気における冷却ガス流量および酸素量・酸素分圧のプロファイルの一例を示す図である。
以下においては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のセルスタックとして円筒形を例として説明するが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。
本発明は以降で説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。本発明は、マイクロガスタービンシステムおよび燃料再循環システムなどと組み合わせた複合発電システムに適用できる。
〔第1実施形態〕
本実施形態に係る燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムが適用されている。SOFCシステムは、1つまたは複数の円筒形状のセルスタックと、燃料ガス供給経路と、酸化剤ガス供給経路と、燃料極不活性ガス供給経路と、冷却ガス供給経路と、制御部とを備えている。複数のセルスタックがある場合は、各セルスタックが電気的に並列に接続されている。
図1に、SOFCのセルスタックの一態様を示す。
セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを有する。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質111と空気極113とが順に積層して形成されている。セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の軸方向において最も端に形成された燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を有する。セルスタック101は、両端に被支持部位を有する。燃料電池セル105は、発電室(不図示)内に収納されている。
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlとされる。基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持する。基体管は、押し出し成形法により成形される。
燃料極109は、Niを含む材料から形成される。燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを有するYSZが主として用いられる。
空気極113は、La1−xSrMnOで表される導電性ペロブスカイト型酸化物とジルコニア系電解質材料とを混合した材料で構成される。空気極113に含まれるMnは、酸化触媒として作用する。例えば、空気極は、LaCaMnO、SmSrMnO,SmCaMnO、PrSrMnO、PrCaMnOなどとされる。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成され、燃料極側に供給されるガスと空気極側に供給されるガスとが混合しないように緻密な膜となっている。インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した電気導電性を有する。インターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極109とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。
リード膜115は、電子伝導性を有すること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出すものである。
燃料極109、固体電解質111、空気極113、インターコネクタ107およびリード膜115は、それぞれ材料となる粉末から作製したスラリーを適宜基体管103上に成膜し、焼成させることで形成される。
燃料ガス供給経路は、基体管内部(燃料極側)に燃料ガスを供給できるよう設けられている。酸化剤ガス供給経路は、基体管外周(空気極側)に酸化剤ガスを供給できるよう設けられている。
燃料極不活性ガス供給経路は、燃料極側に不活性ガスを供給できるよう設けられている。冷却ガス供給経路は、空気極側に冷却ガスを供給できるよう設けられている。
制御部は、SOFCシステムを停止する際に、燃料極側への燃料ガスの供給および空気極側への酸化剤ガスの供給を停止できるよう設けられている。制御部は、空気極側の雰囲気に含まれる酸素量および空気極側の雰囲気の酸素分圧を制御できるよう設けられている。
上記のようなSOFCシステムは、燃料ガス供給経路に燃料ガスが供給され、酸化剤ガス供給経路に酸化剤ガスが供給され、これを受けて固体電解質で発電できる。SOFCシステムの運転温度は900℃〜1000℃程度である。燃料ガスとしては、天然ガス、LPG、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどが使用できる。酸化剤ガスとは、酸素を略15体積%〜30体積%含むガスである。酸化剤ガスとしては、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃料排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用されてもよい。
このようなSOFCシステムの運転を停止する方法は、ステップ1〜ステップ3を含む。
(ステップ1)
SOFCシステムの通常停止時または緊急停止時には、まず、燃料極側への燃料ガスの供給および空気極側への酸化剤ガスの供給を停止する。
(ステップ2)
ステップ1の後、燃料極側に不活性ガスを供給する。不活性ガスは、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス、He(ヘリウム)ガス、または燃焼排ガスなどである。不活性ガスは、NガスおよびHガスの混合ガスであってもよい。不活性ガスに含まれるHガスは、空気極側から拡散してきた酸素(O)と反応する。よって、不活性ガスにHガスを含ませることで、拡散してきた酸素が燃料極の材料と反応するのを防止できる。一方、不活性ガスにHガスを含ませた場合、SOFC停止時に燃料極側に供給する不活性ガスが大量になると、コストが高くなる。よって、コストを低く抑えたい場合には、Hガスを含ませなくてもよい。
燃料極側の雰囲気を不活性ガスで置換することで、残存した燃料ガスが空気極へと拡散することによって空気極の材料が還元されることを防止できる。
(ステップ3)
ステップ1の後、ステップ2と並行して、空気極側に冷却ガスを供給する。冷却ガスは、酸素を含む。冷却ガスの温度は、発電に用いられる酸化剤ガスよりも低い。冷却ガスは、外気(常温の空気)などが好適である。常温とは、15℃〜25℃程度の温度を指す。
図2に、本実施形態の空気極側雰囲気における冷却ガス流量および酸素量・酸素分圧のプロファイルを示す。同図において、横軸が時間(t)、縦軸がセルスタックの出力1kWあたりの酸素量(mol/s)および酸素分圧(atm)、実線がp(O)酸素量・濃度、破線が冷却ガス流量である。
本実施形態では、空気極側の雰囲気が所望の環境となるよう、空気極側に供給する冷却ガスの流量を制御する。詳細には、燃料電池セルの温度が所定温度以上である間、空気極側の雰囲気に含まれる酸素量Mがセルスタックの出力1kWあたり1.0×10−6mol/s以上1.0×10−4mol/s以下、好ましくは1.0×10−5mol/s程度となるよう冷却ガス流量を制御する。酸素量Mは、還元ガス流量から算出され得る。空気極側に流入してくる還元ガス量は、リーク燃料流量(計測値)から求めることができる。
冷却ガス流量は、冷却ガスの酸素濃度および温度、空気極側雰囲気の体積(燃料電池セルを収容している空間の体積)から算出すればよい。
空気極側の雰囲気に含まれる酸素量Mを上記範囲とすることで、燃料極へ酸素が拡散するのを抑えつつ、冷却ガスの流量を確保して、燃料電池セルを速やかに降温させることができる。酸素量Mが1.0×10−6mol/sよりも低いと、冷却ガスの流量が小さくなりすぎるため、降温速度が遅くなる。それにより、燃料極での酸化反応を抑制できず、燃料極を破損・劣化させる。また、冷却ガス流量を制御することで酸素量Mを調整した場合は、冷却速度が低下する。そのため、酸素量Mが1.0×10−6mol/sよりも低い場合、空気極側が還元され劣化してしまう可能性が高くなる。酸素量Mが1.0×10−4mol/sよりも多いと、燃料極への酸素の拡散量が増え、燃料極を破損・劣化させる。
また、ステップ3では、燃料電池セルの温度が所定温度未満の時、空気極側の雰囲気の酸素分圧Pが1.0×10−15atm以上1.0×10−13atm以下となるよう冷却ガス流量を制御する。
空気極側の雰囲気の酸素分圧を上記範囲(1.0×10−13atm〜1.0×10−15atm)とすることで、空気極のイオン導電性を損なうことなく、燃料極中への酸素の侵入を防ぐことができる。
燃料電池セルの温度は、最も高温になる領域にある燃料電池セルの温度を計測して得るとよい。例えば、セルスタックの軸方向中央に位置する燃料電池セルの温度を、温度計などにより計測する。燃料電池セルの温度は、燃料電池セルの周辺の雰囲気温度(例えば、燃料電池セルが収納された空間内の温度)で代用されてもよい。その場合には、燃料電池セルの温度との差分を考慮する。
所定温度は、燃料電池セルが高温であるときの温度である。例えば、高温は、500℃以上である。
本実施形態によれば、空気極側の雰囲気に含まれる酸素量を、空気極が必要とする最小限の量に抑えることで、空気極が還元されてイオン導電性が損なわれることなく、燃料極中への酸素の侵入を防ぐことができる。
〔第2実施形態〕
本実施形態に係るSOFCシステムは、空気極側に冷却ガスとともに不活性ガスを供給する空気極不活性ガス供給経路を備えていることを特徴とする。それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態に係るSOFCシステムの停止方法は、ステップ3において、空気極側に冷却ガスとともに不活性ガスを供給する点が、第1実施形態と異なる。不活性ガスは、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、または燃焼排ガスなどである。不活性ガスの温度は、冷却ガスの温度に近似していることが好ましい。
図3に、本実施形態の空気極側雰囲気における冷却ガス流量および酸素量・酸素分圧のプロファイルを示す。同図において、横軸が時間(t)、縦軸がセルスタックの出力1kWあたりの酸素量(mol/s)および酸素分圧(atm)、実線がp(O)酸素量・濃度、破線が冷却ガス流量である。
本実施形態では、空気極側に、冷却ガスとともに不活性ガスを供給して、燃料電池セルの温度が所定温度以上である間、空気極側の雰囲気に含まれる酸素量Mがセルスタックの出力1kWあたり1.0×10−6mol/s以上1.0×10−4mol/s以下、好ましくは1.0×10−5mol/sとなるよう制御する。
冷却ガス流量は、第1実施形態よりも多くする。不活性ガス流量は、空気極側の酸素量が上記範囲となるよう、冷却ガス流量に基づき設定する。
図3では、燃料電池セルの所定温度以上である間、冷却ガス流量の約2倍の流量で不活性ガスを供給する。図3では、冷却ガスの燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を停止した後、冷却ガス流量を短時間で上昇させて燃料電池セルを速やかに冷却する。燃料電池セルの温度が700℃程度となったところで、冷却ガス流量を中間値程度まで小さくしている。
不活性ガスを用いることで、空気極側に供給されるガスの総流量、酸素濃度を調整できる。それにより、空気極側に供給する冷却ガスの流量を大きくできるため、冷却ガスのみを供給した場合と比較して、燃料電池セルの降温速度を上げられる。燃料電池システムの大きさなどによって異なるが、不活性ガスを用いた場合、例えば、第1実施形態と比較して500〜1000倍程度、冷却ガスの流量を大きくすることができる。また、不活性ガスを用いることで、供給できる冷却ガス流量に幅を持たせることができる。それによって、空気極側雰囲気の酸素量を所定範囲に維持した状態で、冷却速度を変化させることができる。
また、本実施形態のステップ3では、空気極側に、冷却ガスとともに不活性ガスを供給して、燃料電池セルの温度が所定温度未満の時、空気極側の雰囲気の酸素分圧Pが1.0×10−15atm以上1.0×10−13atm以下となるよう制御する。
冷却ガス流量は、第1実施形態よりも多くする。不活性ガス流量は、空気極側の酸素分圧が上記範囲となるよう、冷却ガス流量に基づき設定する。それにより、燃料電池セルの温度を400℃程度まで速やかに冷却できる。
不活性ガスを用いることで、空気極側の雰囲気の酸素分圧を上記範囲としながらも、冷却ガスのみを供給した場合と比較して、燃料電池セルの降温速度を上げられる。それにより、空気極のイオン導電性を損なうことなく、燃料極中への酸素の侵入を防ぐという効果をより顕著にすることができる。
本実施形態において、燃料電池セルの温度が所定温度以上である間、および燃料電池セルの温度が所定温度未満の時のいずれか一方でのみ、空気極側に不活性ガスを供給してもよい。そうすることで、コストを低減できる。
101 セルスタック
103 基体管
105 燃料電池セル
107 インターコネクタ
109 燃料極
111 固体電解質
113 空気極
115 リード膜

Claims (4)

  1. 燃料極、固体電解質、および空気極が順に形成された燃料電池セルを複数備えたセルスタックを有し、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて前記固体電解質で発電する燃料電池システムの停止方法であって、
    燃料極側への前記燃料ガスの供給、および、空気極側への前記酸化剤ガスの供給を停止する工程と、該工程の後、
    前記燃料極側に不活性ガスを供給する工程と、
    前記空気極側に酸素を含む冷却ガスを供給する工程と、
    を備え、
    前記燃料極側へ前記不活性ガスを供給するとともに、前記空気極へ前記冷却ガスを供給し、前記燃料電池セルの温度に応じて前記空気極側の雰囲気に含まれる酸素量および前記空気極側の雰囲気の酸素分圧を制御する燃料電池システムの停止方法。
  2. 前記空気極側に前記冷却ガスとともに不活性ガスを供給し、
    前記酸素分圧を1.0×10−15atm以上1.0×10−13atm以下とする請求項1に記載の燃料電池システムの停止方法。
  3. 燃料極と固体電解質と空気極とが順に形成された燃料電池セルを複数有するセルスタックと、
    前記燃料極側に、燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路と、
    前記空気極側に、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給経路と、
    前記燃料極側に、不活性ガスを供給する燃料極不活性ガス供給経路と、
    前記空気極側に、冷却ガスを供給する冷却ガス供給経路と、
    前記燃料極側への燃料ガスの供給、および前記空気極側への酸化剤ガスの供給を停止した後、前記燃料極側へ前記不活性ガスを供給するとともに、前記空気極へ前記冷却ガスを供給し、前記燃料電池セルの温度に応じて前記空気極側の雰囲気に含まれる酸素量および前記空気極側の雰囲気の酸素分圧を制御する制御部と、
    を備えた燃料電池システム。
  4. 前記空気極側に前記冷却ガスとともに不活性ガスを供給する空気極不活性ガス供給経路を備えている請求項に記載の燃料電池システム。
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