JP6340825B2 - 有機無機ハイブリッド膜の製造方法、有機無機ハイブリッド膜 - Google Patents

有機無機ハイブリッド膜の製造方法、有機無機ハイブリッド膜 Download PDF

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Description

本発明は、有機無機ハイブリッド膜の製造方法、有機無機ハイブリッド膜に関する。更に詳しくは、無機ナノ粒子の高分子膜内部における分散状態を高めるための有機無機ハイブリッド膜の製造方法、及び分散状態を高めた有機無機ハイブリッド膜に関する。
無機材料及び有機材料のそれぞれの性質を併せ持った高性能の機能材料を作製するためには、両者をハイブリッド化(複合化)することが不可欠である。ナノメートルサイズの無機粒子を有機膜の内部に均一に分散させることができれば、ナノ粒子が有する極めて大きい比表面積により、無機材料と有機材料の接触面積が大きい複合状態を形成できる。
これまでにも、高分子と金属ナノ粒子を複合する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、この従来技術では以下の課題があった。すなわち、この技術では、高分子膜内部における金属ナノ粒子の均一分散化は不十分であった。
特開2010−95688号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、無機ナノ粒子の高分子膜内部における分散状態を高めるための有機無機ハイブリッド膜の製造方法、及び分散状態を高めた有機無機ハイブリッド膜を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、
高分子の酸性分散液と、
高分子電解質としてのポリスチレンスルホン酸ナトリウムで被覆した無機ナノ粒子の分散液と、
を、混合した混合液を乾燥させて、有機無機ハイブリッド膜を製造する有機無機ハイブリッド膜の製造方法であって、
前記無機ナノ粒子が、BiTe、BiSe、他の元素をドーピングしたBiTe、及び他の元素をドーピングしたBiSeからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、前記高分子が、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法であることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、高分子電解質としてのポリスチレンスルホン酸ナトリウムで被覆した無機ナノ粒子が、高分子の膜の中に分散されている有機無機ハイブリッド膜であって、
前記無機ナノ粒子が、BiTe、BiSe、他の元素をドーピングしたBiTe、及び他の元素をドーピングしたBiSeからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、前記高分子が、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の有機無機ハイブリッド膜であることを要旨とする。
本発明の有機無機ハイブリッド膜の製造方法は、高分子の酸性分散液と、高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子の分散液と、を、混合した混合液を乾燥させて、有機無機ハイブリッド膜を製造している。
すなわち、無機ナノ粒子を高分子電解質で被覆した後に、有機膜の原料となる高分子の酸性分散液と混合している。通常の無機ナノ粒子は酸性条件において不安定であるため分散状態を保つことが困難である。一方、本発明では、無機ナノ粒子が高分子電解質で被覆されているから、高分子の酸性分散液と混合した後でも、無機ナノ粒子の分散状態を保つことができる。その結果、原料液体の乾燥による膜化後においても無機ナノ粒子は、有機膜内部に均一に分散した状態となる。
無機ナノ粒子が、BiTe、BiSe、他の元素をドーピングしたBiTe、及び他の元素をドーピングしたBiSeからなる群より選ばれる少なくとも1種であるので、無機ナノ粒子が有機膜内部に高度に分散した状態となる。
高分子が、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)からなる群より選ばれる少なくとも1種である場合には、成膜が容易であり、大気下での安定性に優れた有機無機ハイブリッド膜が得られる。
高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子が、高分子膜の中に分散されている有機無機ハイブリッド膜である場合には、無機ナノ粒子が有機膜内部に高度に分散しているので、高性能の機能材料にできる。
有機無機ハイブリッド膜における無機ナノ粒子が、BiTe、BiSe、他の元素をドーピングしたBiTe、及び他の元素をドーピングしたBiSeからなる群より選ばれる少なくとも1種であるので、高性能な機能材料にできる。
高分子が、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)からなる群より選ばれる少なくとも1種である場合には、大気下での安定性に優れた有機無機ハイブリッド膜にできる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
本発明の製造方法の模式図である。 本発明の有機無機ハイブリッド膜の模式図である。 従来技術の製造方法の模式図である。 従来技術の有機無機ハイブリッド膜の模式図である。 実施例1の有機無機ハイブリッド膜の走査型電子顕微鏡像である。 比較例1の有機無機ハイブリッド膜の走査型電子顕微鏡像である。 実施例2の有機無機ハイブリッド膜の走査型電子顕微鏡像である。 比較例2の有機無機ハイブリッド膜の走査型電子顕微鏡像である。 実施例3の有機無機ハイブリッド膜の走査型電子顕微鏡像である。 比較例3の有機無機ハイブリッド膜の走査型電子顕微鏡像である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
〔1〕有機無機ハイブリッド膜の製造方法
本発明の有機無機ハイブリッド膜の製造方法では、高分子の酸性分散液(A液)と、高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子の分散液(B液)と、を、混合した混合液(C液)を乾燥させて、有機無機ハイブリッド膜を製造する。
図1〜図2に本発明の製造方法を模式的に示す。図1のA液では、高分子が液中に存在している様子が示されている。図1のB液では、高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子が液中に存在している様子が示されている。そして、図1では、A液とB液とを混合したC液においても、高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子が液中に分散している様子が示されている。また、図2には、C液を乾燥させた有機無機ハイブリッド膜が示されているが、この膜においても、高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子が高分子膜中に分散している様子が示されている。
一方、比較のために、図3〜図4には、従来技術の製造方法を模式的に示す。図3のA液では、高分子が液中に存在している様子が示されている。図3のB液では、高分子電解質で被覆されていない無機ナノ粒子が液中に存在している様子が示されている。そして、図3では、A液とB液とを混合したC液においては、無機ナノ粒子が液中で凝集している様子が示されている。また、図4には、C液を乾燥させた有機無機ハイブリッド膜が示されているが、この膜においては、無機ナノ粒子が高分子膜中で凝集している様子が示されている。
<高分子の酸性分散液(A液)>
「高分子」としては、導電性を有する高分子を用いてもよいし、導電性を有しない高分子を用いてもよい。
導電性を有しない高分子としては、特に限定されず、用途に応じて幅広い樹脂が用いられる。その代表例としては、ポリビニルアルコールや、ポリスチレンが挙げられるが、これらの樹脂に限定されず、他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂も用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリイミド、及びこれらの誘導体等を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、及びこれらの誘導体等を用いることができる。
導電性高分子としては、特に限定されず、例えば、ポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)〔PEDOT/PSS;Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/poly(styrenesulfonate)〕、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、及びこれらの誘導体等を用いることができる。
導電性高分子は、ドーピングにより絶縁体−金属転移を起こして導電性を発現する。p型半導体として用いる場合、アクセプタと呼ばれるドーパントを用い、導電性高分子の共役系からπ電子を奪うことで、正孔が主鎖に沿って移動可能になる。このようなアクセプタ・ドーパントとして、公知のハロゲン類、ルイス酸、プロトン酸、および遷移金属ハライドなどが挙げられる。
なお、ポリアニリンの場合、塩酸等の酸化能力のないプロトン酸によってもセミキノンラジカルが生成し導電性を示すようになる。アクセプタ・ドーパントとして、プロトン酸が用いられることが多い。このようなものとして、例えば、公知のp−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、蟻酸等の有機酸、及び塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機プロトン酸が挙げられる。
一方、導電性高分子をn型半導体として用いる場合、ドナーと呼ばれるドーパントを用い、導電性高分子の共役系に電子を与えることにより、電子が主鎖に沿って移動可能になる。このようなドナー・ドーパントとして、アルカリ金属、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。
「酸性分散液」とは、pHが7未満の分散液であれば特に限定されない。「酸性分散液」のpHの下限値は、通常−1.1である。
例えば、ポリアニリンを用いた場合には、酸性とするためにはプロトン酸を用いることが好ましい。プロトン酸は、無機プロトン酸又は有機プロトン酸のいずれであってもよい。
無機プロトン酸としては、塩酸、硫酸及び過塩素酸からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
有機プロトン酸としては、例えば、スルホン酸、クエン酸が用いられる。スルホン酸としては、例えば、カンフルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、スルホサリチル酸、p−スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸及びスルファニル酸からなる群より選ばれる少なくとも1つが用いられる。
酸性分散液の酸濃度は特に限定されない。導電性高分子及び酸の種類に応じて適宜調節される。例えば、0.01〜500mMであることが好ましく、より好ましくは0.5〜300mM、更に好ましくは0.5〜100mMである。
高分子の酸性分散液(A液)における高分子の固形分濃度は、特に限定されない。
高分子及び酸の種類に応じて適宜調節される。例えば、高分子がポリアニリンであり、酸として塩酸を用いる場合には、塩酸1mLに対して、ポリアニリンが、0.01〜300mgであることが好ましく、より好ましくは1〜100mg、更に好ましくは3〜30mgである。
次に、高分子の酸性分散液がPEDOT/PSS溶液の場合について説明する。PEDOT/PSS溶液は、PEDOT/PSSの混合物が分散している溶液である。PEDOT/PSSでは高分子ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸(PSS)が機能している。
PEDOT/PSS液中のPEDOTの固形分濃度は、特に限定されない。通常、0.05〜10質量%である。PEDOTに対するPSSの含有量は、通常、PEDOTのモノマー単位1モルに対して0.001〜1000モルであり、PSSの重合度は、通常、モノマー単位で10〜100000個の範囲内であるが、これらに限定されない。PEDOT/PSS溶液には、例えばヘレウス株式会社(Heraeus)のClevios PH 1000(商品名)、Clevios FE−T(商品名)が例示されるが、本発明では、これらに限定されない。
PEDOT/PSS溶液には、導電性向上剤として、スルホキシド系溶剤、プロトン型溶剤、アミン系溶剤および糖類のうちの少なくとも1つを添加することができる。導電性向上剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)やエチレングリコール等が挙げられる。これらの導電性向上剤は、有機無機ハイブリッド膜の抵抗率を下げるための添加物である。導電性向上剤の添加量は特に限定されない。導電性向上剤は、通常、PEDOT/PSS水溶液100質量部に対して、1〜50質量部添加されるが、これらに限定されない。
<高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子の分散液(B液)>
「高分子電解質」としては、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムが用いられる。
高分子電解質の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、通常500〜5000000であり、1000〜300000であることが好ましく、より好ましくは10000〜100000である。また、Mw/Mnは、特に限定されないが、1〜30であることが好ましい。なお、Mnは数平均分子量である。
高分子電解質のMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定することができる。
本発明の「無機ナノ粒子」は、Bi Te 、Bi Se 、他の元素をドーピングしたBi Te 、及び他の元素をドーピングしたBi Se からなる群より選ばれる少なくとも1種である
また、他の元素をドーピングしたBiTeの場合におけるドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、Se、Sn等が用いられる。
さらに、他の元素をドーピングしたBiSeの場合におけるドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、Te、Sn等が用いられる。
これらの無機ナノ粒子は、1種用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
「無機ナノ粒子」の平均粒径は、1〜1000nmであることが好ましく、より好ましくは10〜700nm、更に好ましくは20〜500nmである。粒径が好ましい範囲内にある場合には、無機ナノ粒子が、有機膜内部で均一によく分散した状態になりやすいからである。
「無機ナノ粒子」の形状は特に限定されないが、フレーク状、板状、シート状であることが好ましい。このような形状であると、無機ナノ粒子と、導電性高分子との接触面積が大きくなり、良好な複合状態を形成できるからである。
「無機ナノ粒子」がフレーク状、板状、シート状の場合、その厚みは特に限定されない。例えば、厚みは、1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは2〜60nm、更に好ましくは5〜30nmである。厚みが好ましい範囲内にある場合には、薄いデバイスを作製しやすいからである。
「無機ナノ粒子」の平面形状は特に限定されない。円形、矩形、不定形であってもよい。
なお、無機ナノ粒子の平均粒径及び厚みは、例えば、電子顕微鏡観察(SEM、TEM)等により測定することができる。
無機ナノ粒子をコアとして、その周りに形成された高分子電解質被覆の厚みは、特に限定されない。例えば、0.1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜80nm、更に好ましくは0.5〜30nmである。厚みが好ましい範囲内にある場合には、無機ナノ粒子が、有機膜内部で均一によく分散した状態となりやすいからである。
高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子の分散液(B液)の固形分濃度は、特に限定されない。通常、0.001〜50質量%であり、好ましくは0.1〜20質量%であり、更に好ましくは0.3〜10質量%である。B液の固形分濃度が好ましい範囲にあるときには、B液と、A液とを混合しやすいからである。
<混合液(C液)の調製>
混合液(C液)は、高分子の酸性分散液(A液)と、高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子の分散液(B液)と、を混合することにより調製することができる。
混合方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、マグネチックスターラー、プロペラ型攪拌機、タービン型攪拌機等のミキサーを用いる攪拌法を挙げることができる。また、ホモジナイザー法、超音波照射法等が挙げられる。本発明では、これらの方法を適宜、組み合わせて使用しても良い。
<混合液(C液)の乾燥>
本発明では、混合した混合液(C液)を乾燥させて、有機無機ハイブリッド膜を製造する。
一般的には、基材上に、コーティング液を塗布して塗膜を形成した後、これを乾燥する。基材としては、特に限定されず、有機物、無機物であってもよく、例えば、ガラス板、樹脂フィルム、金属板が用いられる。
乾燥は、特に限定されず、公知の方法が用いられる。例えば、自然乾燥(常温常圧での乾燥)、強制的な乾燥が用いられる。強制的な乾燥としては、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥等が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、溶媒の種類によって、適宜、選択される。通常、5〜200℃であり、好ましくは20〜150℃、更に好ましくは30〜120℃である。この温度範囲であれば、良好な複合状態の有機無機ハイブリッド膜が形成される。乾燥時間は、乾燥温度や溶媒の種類によって、適宜、選択され得る。厚みバラツキの小さい乾燥塗膜を得るためには、乾燥時間は、例えば、1分間〜120時間であり、好ましくは10分間〜80時間であり、更に好ましくは30分間〜50時間である。
有機無機ハイブリッド膜の厚みは、その用途等によって適宜選択される。例えば、通常、0.002〜10000μmであり、好ましくは0.05〜1000μm、更に好ましくは0.1〜500μmである。
本発明の有機無機ハイブリッド膜の製造方法によれば、無機ナノ粒子を高分子電解質で被覆した後に、有機膜の原料となる高分子の酸性分散液と混合している。通常の無機ナノ粒子は酸性条件において不安定であるため分散状態を保つことが困難である。一方、本発明では、無機ナノ粒子が高分子電解質で被覆されているから、高分子の酸性分散液と混合した後でも、無機ナノ粒子の分散状態を保つことができる。その結果、原料液体の乾燥による膜化後においても無機ナノ粒子は、有機膜内部に均一に分散した状態となる。従って、本発明の有機無機ハイブリッド膜の製造方法によれば、無機ナノ材料及び有機ナノ材料の両者の利点を兼ね備えた高性能な機能材料を作製可能である。例えば、熱電変換素子等に応用することができる。
そして、ナノ粒子が有する極めて大きい比表面積により、無機材料及び有機材料の接触面積が非常に大きな複合状態を形成できる。
また、ナノ粒子のその他の特性、例えば、表面原子の割合が大きく反応性が高いという特性、量子サイズ効果、局在表面プラズモン共鳴等の特性をハイブリッド膜に付与することが可能となる。
〔2〕有機無機ハイブリッド膜
本発明の有機無機ハイブリッド膜は、高分子電解質で被覆した無機ナノ粒子が、導電性高分子膜の中に分散されていることを特徴とする。
「高分子電解質」としては、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムが用いられる。

高分子電解質の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、通常500〜5000000であり、1000〜300000であることが好ましく、より好ましくは10000〜100000である。また、Mw/Mnは、特に限定されないが、1〜30であることが好ましい。なお、Mnは数平均分子量である。
高分子電解質のMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定することができる。
「無機ナノ粒子」は、Bi Te 、Bi Se 、他の元素をドーピングしたBi Te 、及び他の元素をドーピングしたBi Se からなる群より選ばれる少なくとも1種である
また、他の元素をドーピングしたBiTeの場合におけるドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、Se、Sn等が用いられる。
さらに、他の元素をドーピングしたBiSeの場合におけるドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、Te、Sn等が用いられる。
これらの無機ナノ粒子は、1種用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
「無機ナノ粒子」の平均粒径は、1〜1000nmであることが好ましく、より好ましくは10〜700nm、更に好ましくは20〜500nmである。粒径が好ましい範囲内にある場合には、無機ナノ粒子が、有機膜内部で均一によく分散した状態となりやすいからである。
「無機ナノ粒子」の形状は特に限定されないが、フレーク状、板状、シート状であることが好ましい。このような形状であると、無機ナノ粒子と、導電性高分子との接触面積が大きくなり、良好な複合状態を形成できるからである。
「無機ナノ粒子」がフレーク状、板状、シート状の場合、その厚みは特に限定されない。例えば、厚みは、1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは2〜60nm、更に好ましくは5〜30nmである。厚みが好ましい範囲内にある場合には、薄いデバイスを作製しやすいからである。
「無機ナノ粒子」の平面形状は特に限定されない。円形、矩形、不定形であってもよい。
なお、無機ナノ粒子の平均粒径及び厚みは、例えば、電子顕微鏡観察(SEM、TEM)等により測定することができる。
無機ナノ粒子をコアとして、その周りに形成された高分子電解質被覆の厚みは、特に限定されない。例えば、0.1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜80nm、更に好ましくは0.5〜30nmである。厚みが好ましい範囲内にある場合には、無機ナノ粒子が、有機膜内部で均一によく分散した状態となりやすいからである。
「高分子」としては、導電性を有する高分子を用いてもよいし、導電性を有しない高分子を用いてもよい。
導電性を有しない高分子としては、特に限定されず、用途に応じて幅広い樹脂が用いられる。その代表例としては、ポリビニルアルコールや、ポリスチレンが挙げられるが、これらの樹脂に限定されず、他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂も用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリイミド、及びこれらの誘導体等を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、及びこれらの誘導体等を用いることができる。
導電性高分子としては、特に限定されず、例えば、ポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)〔PEDOT/PSS;Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/poly(styrenesulfonate)〕、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、及びこれらの誘導体等を用いることができる。
導電性高分子は、ドーピングにより絶縁体−金属転移を起こして導電性を発現する。p型半導体として用いる場合、アクセプタと呼ばれるドーパントを用い、導電性高分子の共役系からπ電子を奪うことで、正孔が主鎖に沿って移動可能になる。このようなアクセプタ・ドーパントとして、公知のハロゲン類、ルイス酸、プロトン酸、および遷移金属ハライド等が挙げられる。
なお、ポリアニリンの場合、塩酸などの酸化能力のないプロトン酸によってもセミキノンラジカルが生成し導電性を示すようになる。アクセプタ・ドーパントとして、プロトン酸が用いられることが多い。このようなものとして、例えば、公知のp−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、蟻酸などの有機酸、及び塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機プロトン酸が挙げられる。
一方、導電性高分子をn型半導体として用いる場合、ドナーと呼ばれるドーパントを用い、導電性高分子の共役系に電子を与えることにより、電子が主鎖に沿って移動可能になる。このようなドナー・ドーパントとして、アルカリ金属、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。
有機無機ハイブリッド膜における高分子と、無機ナノ粒子との質量比(導電性高分子:無機ナノ粒子)は、10000:1〜1:1000であり、好ましくは1000:1〜1:100、更に好ましくは50:1〜1:5である。質量比がこの範囲である場合、無機ナノ粒子が有機膜内部に高度に分散しやすいからである。
有機無機ハイブリッド膜の厚みは、その用途等によって適宜選択される。例えば、通常、0.002〜10000μmであり、好ましくは0.05〜1000μm、更に好ましくは0.1〜500μmである。
本発明の有機無機ハイブリッド膜は、無機ナノ粒子が有機膜内部に高度に分散しているので、高性能の機能材料となる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
<実施例1>
(1)ポリアニリンナノ粒子の分散液(A液)の調製
ポリアニリン(PAni)のナノ粒子を塩酸に分散した分散液(A液)を用意した。この分散液ではポリアニリンのナノ粒子4mgが塩酸(1mM、0.5mL)に分散している。
(2)PSS被覆BiTeナノフレークの分散液(B液)の調製
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS、平均分子量70000)の水溶液を用意した。この水溶液では、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム250mgが水10mLに溶解している。
BiTe(テルル化ビスマス)のナノフレーク分散液を用意した。この分散液ではBiTeのナノフレーク50mgが水5mLに分散している。
上記ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液に、上記BiTe(テルル化ビスマス)のナノフレーク分散液を加え、終夜撹拌した後、水による洗浄を行った。そして、PSS被覆BiTeナノフレークを得た。
そして、PSS被覆BiTeナノフレークを水に分散して、PSS被覆BiTeナノフレークの分散液(B液)を調製した。このB液では、PSS被覆BiTeナノフレーク3mgが水0.3mLに分散している。
(3)混合液C液の調製、及び乾燥
A液とB液とを混合して、1時間撹拌後、混合液Cをスライドガラス上にのせ、室温・常圧にて自然乾燥し、有機無機ハイブリッド膜を調製した。
(4)走査型電子顕微鏡(SEM)像
図5に、実施例1の有機無機ハイブリッド膜(BiTe/PAniハイブリッド膜)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡では、反射電子検出器を使用している。
この図5の比較的明るい部分がBiTeである。BiTeがポリアニリン膜内部でよく分散していることが分かる。
<比較例1>
(1)ポリアニリンナノ粒子の分散液(A液)の調製
ポリアニリン(PAni)のナノ粒子を塩酸に分散した分散液(A液)を用意した。この分散液ではポリアニリンのナノ粒子4mgが塩酸(1mM、0.5mL)に分散している。
(2)BiTeナノフレークの分散液(B液)の調製
BiTeナノフレークを水に分散して、BiTeナノフレークの分散液(B液)を調製した。このB液では、BiTeナノフレーク3mgが水0.3mLに分散している。
(3)混合液C液の調製、及び乾燥
A液とB液とを混合して、1時間撹拌後、混合液Cをスライドガラス上にのせ、室温・常圧にて自然乾燥し、有機無機ハイブリッド膜を調製した。
(4)走査型電子顕微鏡(SEM)像
図6に、比較例1の有機無機ハイブリッド膜(BiTe/PAniハイブリッド膜)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡では、反射電子検出器を使用している。
この図6の比較的明るい部分がBiTeである。図5の実施例1の場合と比べて、図6の比較例1では、BiTeがポリアニリン膜内部で凝集していることが分かる。
<実施例2>
(1)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)溶液(A液)の調製
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)〔PEDOT/PSS〕溶液(Clevios PH 1000、Heraeus、0.9mL)、及びジメチルスルホキシド(0.07mL)を混合してA液を調製した。
(2)PSS被覆BiTeナノフレークの分散液(B液)の調製
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS、平均分子量70000)の水溶液を用意した。この水溶液では、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム250mgが水10mLに溶解している。
BiTe(テルル化ビスマス)のナノフレーク分散液を用意した。この分散液ではBiTeのナノフレーク50mgが水5mLに分散している。
上記ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液に、上記BiTe(テルル化ビスマス)のナノフレーク分散液を加え、終夜撹拌した後、水による洗浄を行った。そして、PSS被覆BiTeナノフレークを得た。
そして、PSS被覆BiTeナノフレークを水に分散して、PSS被覆BiTeナノフレークの分散液(B液)を調製した。このB液では、PSS被覆BiTeナノフレーク3mgが水0.3mLに分散している。
(3)混合液C液の調製、及び乾燥
A液とB液とを混合して、1時間撹拌後、混合液Cをスライドガラス上にのせ、60℃にて1日間真空乾燥し、有機無機ハイブリッド膜を調製した。
(4)走査型電子顕微鏡(SEM)像
図7に、実施例2の有機無機ハイブリッド膜(BiTe/PEDOT−PSSハイブリッド膜)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡では、反射電子検出器を使用している。
この図7の比較的明るい部分がBiTeである。BiTeがPEDOT−PSS膜内部でよく分散していることが分かる。
<比較例2>
(1)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)溶液(A液)の調製
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)〔PEDOT/PSS〕溶液(Clevios PH 1000、Heraeus、0.9mL)、及びジメチルスルホキシド(0.07mL)を混合してA液を調製した。
(2)BiTeナノフレークの分散液(B液)の調製
BiTeナノフレークを水に分散して、BiTeナノフレークの分散液(B液)を調製した。このB液では、BiTeナノフレーク3mgが水0.3mLに分散している。
(3)混合液C液の調製、及び乾燥
A液とB液とを混合し、1時間撹拌後、混合液Cをスライドガラス上にのせ、60℃にて1日間真空乾燥し、有機無機ハイブリッド膜を調製した。
(4)走査型電子顕微鏡(SEM)像
図8に、比較例2の有機無機ハイブリッド膜(BiTe/PEDOT−PSSハイブリッド膜)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡では、反射電子検出器を使用している。
この図8の比較的明るい部分がBiTeである。図7の実施例2の場合と比べて、図8の比較例2では、BiTeがPEDOT−PSS膜内部で凝集していることが分かる。
<実施例3>
(1)ポリアニリンナノ粒子の分散液(A液)の調製
ポリアニリン(PAni)のナノ粒子を塩酸に分散した分散液(A液)を用意した。この分散液ではポリアニリンのナノ粒子4mgが塩酸(1mM、0.5mL)に分散している。
(2)PSS被覆BiSeナノフレークの分散液(B液)の調製
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS、平均分子量70000)の水溶液を用意した。この水溶液では、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム250mgが水10mLに溶解している。
BiSe(セレン化ビスマス)のナノフレーク分散液を用意した。この分散液ではBiSeのナノフレーク50mgが水5mLに分散している。
上記ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液に、上記BiSe(セレン化ビスマス)のナノフレーク分散液を加え、終夜撹拌した後、水による洗浄を行った。そして、PSS被覆BiSeナノフレークを得た。
そして、PSS被覆BiSeナノフレークを水に分散して、PSS被覆BiSeナノフレークの分散液(B液)を調製した。このB液では、PSS被覆BiSeナノフレーク3mgが水0.3mLに分散している。
(3)混合液C液の調製、及び乾燥
A液とB液とを混合し、1時間撹拌後、混合液Cをスライドガラス上にのせ、室温・常圧にて自然乾燥し、有機無機ハイブリッド膜を調製した。
(4)走査型電子顕微鏡(SEM)像
図9に、実施例3の有機無機ハイブリッド膜(BiSe/PAniハイブリッド膜)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡では、反射電子検出器を使用している。
この図9の比較的明るい部分がBiSeである。BiSeがポリアニリン膜内部でよく分散していることが分かる。
<比較例3>
(1)ポリアニリンナノ粒子の分散液(A液)の調製
ポリアニリン(PAni)のナノ粒子を塩酸に分散した分散液(A液)を用意した。この分散液ではポリアニリンのナノ粒子4mgが塩酸(1mM、0.5mL)に分散している。
(2)BiSeナノフレークの分散液(B液)の調製
BiSeナノフレークを水に分散して、BiSeナノフレークの分散液(B液)を調製した。このB液では、BiSeナノフレーク3mgが水0.3mLに分散している。
(3)混合液C液の調製、及び乾燥
A液とB液とを混合して、1時間撹拌後、混合液Cをスライドガラス上にのせ、室温・常圧にて自然乾燥し、有機無機ハイブリッド膜を調製した。
(4)走査型電子顕微鏡(SEM)像
図10に、比較例3の有機無機ハイブリッド膜(BiSe/PAniハイブリッド膜の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。なお、走査型電子顕微鏡では、反射電子検出器を使用している。
この図10の比較的明るい部分がBiSeである。図9の実施例3の場合と比べて、図10の比較例3では、BiSeがポリアニリン膜内部で凝集していることが分かる。
<実施例の効果>
以上の結果より、実施例1〜3によれば、高分子の酸性分散液と混合した後でも、無機ナノ粒子の分散状態を良好に保つことができる。その結果、原料液体の乾燥による有機無機ハイブリッド膜化後においても、無機ナノ粒子は、有機膜内部に均一に分散した状態となる。従って、実施例1〜3によれば、無機ナノ材料及び有機ナノ材料の両者の利点を兼ね備えた高性能な機能材料を作製可能である。例えば、熱電変換素子等に応用することができる。
そして、ナノ粒子が有する極めて大きい比表面積により、無機材料と有機材料の接触面積が非常に大きい複合状態を形成できる。
また、ナノ粒子のその他の特性、例えば、表面原子の割合が大きく反応性が高いという特性、量子サイズ効果、局在表面プラズモン共鳴等の特性をハイブリッド膜に付与することが可能となる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明の有機無機ハイブリッド膜の製造方法、有機無機ハイブリッド膜は、無機材料と有機材料の接触面積が非常に大きい複合状態という特性、ナノ粒子のその他の特性、例えば、表面原子の割合が大きく反応性が高いという特性、量子サイズ効果、局在表面プラズモン共鳴等の特性を利用した広範な用途において適用することができ、化学のみならず、医学、薬学、生物学等に関わる技術分野で好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 高分子の酸性分散液と、
    高分子電解質としてのポリスチレンスルホン酸ナトリウムで被覆した無機ナノ粒子の分散液と、
    を、混合した混合液を乾燥させて、有機無機ハイブリッド膜を製造する有機無機ハイブリッド膜の製造方法であって、
    前記無機ナノ粒子が、BiTe、BiSe、他の元素をドーピングしたBiTe、及び他の元素をドーピングしたBiSeからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする有機無機ハイブリッド膜の製造方法。
  2. 前記高分子が、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機ハイブリッド膜の製造方法。
  3. 高分子電解質としてのポリスチレンスルホン酸ナトリウムで被覆した無機ナノ粒子が、高分子の膜の中に分散されている有機無機ハイブリッド膜であって、
    前記無機ナノ粒子が、BiTe、BiSe、他の元素をドーピングしたBiTe、及び他の元素をドーピングしたBiSeからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする有機無機ハイブリッド膜。
  4. 前記高分子が、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホナート)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の有機無機ハイブリッド膜。
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