WO2014006932A1 - 熱電変換材料及び熱電変換素子 - Google Patents
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Definitions
- the water-soluble conductive polymer used in the present invention is not particularly limited, and conventionally known ones can be used.
- the water-soluble means that it is water-soluble or that it is finely dispersed in water and apparently becomes an aqueous solution.
- the water-soluble conductive polymer there are a water-soluble polymer obtained by introducing a substituent into the conductive polymer, and a water-soluble polymer doped in the conductive polymer. Any of them may be used.
- the content of the gold nanoparticles with respect to the water-soluble conductive polymer is preferably 0.001 to 10% by mass, and more preferably 0.01 to 1.0% by mass.
- thermoelectric conversion material of the present invention can be produced by mixing the above water-soluble conductive polymer aqueous solution and the metal nanoparticles protected with the above-mentioned dispersant, and after applying this, it is dried and used as a sheet. It is preferable. In order to increase the dispersibility of the metal nanoparticles, an organic solvent may be added when the water-soluble conductive polymer and the metal nanoparticles are mixed. Furthermore, in order to improve the orientation of the conductive polymer, it may be applied after adding a known conductivity improver to form a sheet.
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Abstract
環境安全性の高い材料を用いて、高い熱電性能を有する熱電変換材料を提供する。 分散剤で保護された金属ナノ粒子が水溶性導電性高分子中に分散した熱電変換材料において、分散剤として金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基と親水性の官能基とを有するものを用いることにより、金属ナノ粒子の分散性を向上させ、熱電性能指数を上げる。金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基としてはメルカプト基等が挙げられ、親水性の官能基としては、カルボキシ基等が挙げられる。
Description
本発明は、熱電変換材料及び熱電変換素子に関する。
近年、環境問題やエネルギー問題を解決する方法の1つとして、未利用熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換材料が注目されている。熱電変換材料において、その物性を評価する値として、以下の式(I)で表される熱電性能指数(ZT)が使用される。ここで、、Sはゼーベック係数、σは電気伝導度(導電率)、κは熱伝導度、Tは絶対温度、をそれぞれ示す。
熱電変換材料には高い変換効率が求められるが、式(I)から、ゼーベック係数や電気伝導度を高くし、熱伝導度を低くすればよいことがわかる。しかし、一般に無機熱電変換材料では、ゼーベック係数や電気伝導度が高いが、熱伝導度も高く、有機熱電変換材料では、熱伝導度は低いが、ゼーベック係数や電気伝導度も低いため、十分な性能をもつ熱電変換材料が得られていなかった。
この課題を解決する方法として、無機熱電変換材料と有機熱電変換材料とをハイブリッド化することにより、有機熱電変換材料及び無機熱電変換材料のそれぞれの良好な性質を同時に発現させ、低い熱伝導度を持ち、高いゼーベック係数や電気伝導度を持つ高い熱電変換機能を有する熱電変換材料とすることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、無機材料に熱電特性の高いテルル化ビスマス等を用いたため、ZT値は0.01~0.1を示していたが、希少・毒性金属が含まれている。
また、別の方法として、導電性高分子と金属ナノ粒子とからなる有機熱電変換材料が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1では、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)にリガンドで保護した金ナノ粒子を分散させたフィルムを作製しており、リガンドにドデカンチオールを用いると、金ナノ粒子の分散性が良くなり、電気伝導度σを上げて熱電性能を向上させたことが記載されている。しかし、ZT値としては、0.011~0.016程度であり、実用には不十分だった。
Toshima,N et al,Journal of Electronic Materials,[online],11 April 2012.
本発明の課題は、環境安全性の高い材料を用いて、高い熱電性能を有する熱電変換材料を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、分散剤で保護された金属ナノ粒子が水溶性導電性高分子中に分散した熱電変換材料において、分散剤として金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基と親水性の官能基とを持つものを用いると、金属ナノ粒子が導電性高分子中に均一に分散するようになり、熱電性能が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下に示される通りのものである。
(1)分散剤で保護された金属ナノ粒子が水溶性導電性高分子中に分散した熱電変換材料であって、上記分散剤が、上記金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基と親水性の官能基とを有する化合物である熱電変換材料。
(2)上記金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基が、メルカプト基、ジスルフィド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、及びリン酸基からなる群より選択される少なくとも1種である(1)記載の熱電変換材料。
(3)上記親水性の官能基がヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の熱電変換材料。
(4)上記分散剤が、メルカプトカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトアルコール、メルカプトアミノ酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である(1)~(3)のいずれかに記載の熱電変換材料。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の熱電変換材料を用いることを特徴とする熱電変換素子。
(2)上記金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基が、メルカプト基、ジスルフィド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、及びリン酸基からなる群より選択される少なくとも1種である(1)記載の熱電変換材料。
(3)上記親水性の官能基がヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の熱電変換材料。
(4)上記分散剤が、メルカプトカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトアルコール、メルカプトアミノ酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である(1)~(3)のいずれかに記載の熱電変換材料。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の熱電変換材料を用いることを特徴とする熱電変換素子。
本発明によれば、環境安全性の高い材料を用いて、高い熱電性能を有する熱電変換材料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の熱電変換材料は、分散剤で保護された金属ナノ粒子が水溶性導電性高分子中に分散したものである。
<水溶性導電性高分子>
本発明で用いる水溶性導電性高分子は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。ここで、水溶性とは、水溶解性があること、又は、水に微分散して見かけ上水溶液になること、を意味する。水溶性導電性高分子としては、導電性高分子に置換基を導入して水溶性になったものと、導電性高分子に水溶性高分子をドーピングしたものとがあるが、本発明においてはいずれを用いてもよい。
本発明で用いる水溶性導電性高分子は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。ここで、水溶性とは、水溶解性があること、又は、水に微分散して見かけ上水溶液になること、を意味する。水溶性導電性高分子としては、導電性高分子に置換基を導入して水溶性になったものと、導電性高分子に水溶性高分子をドーピングしたものとがあるが、本発明においてはいずれを用いてもよい。
導電性高分子としては、π共役系高分子が挙げられ、具体的には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリアセン、ポリピロール、及びこれらの誘導体、並びにこれらの共重合体等を挙げることができる。
置換基を導入して水溶性となった水溶性導電性高分子としては、例えば、ブレンステッド酸基又はその塩を有するπ共役系導電性高分子が挙げられる。ブレンステッド酸基は、π電子共役主鎖に直接結合していてもよいし、アルキレン側鎖あるいはオキシアルキレン側鎖等のスペーサーを介して結合していてもよい。ブレンステッド酸基としては、スルホン酸基、カルボン酸基等が挙げられ、スルホン酸基が好ましい。このような水溶性導電性高分子としては、ポリアルキルスルホン酸チオフェン、ポリアルキルスルホン酸イソチアナフテン、ポリアルキルスルホン酸アニリン、ポリアルキルスルホン酸ピロール等、あるいはこれらの重合体のスルホン酸基又は塩を有する繰り返し単位を含む共重合体、又はこれらの各種塩構造体及び置換誘導体等が挙げられる。具体的には、ポリ-3-エチルスルホン酸チオフェン、ポリスルホン酸アニリン等が挙げられる。
ドーパント兼水分散剤として用いる水溶性高分子は、遊離の酸又は中和された形態の酸性ポリマーであり、主鎖に電荷を有していても、イオン化が可能な側鎖基を有するものであってもよい。酸性ポリマーとしては、ポリマー性カルボン酸又はスルホン酸アニオン(ポリ酸)及びその混合物を挙げることができる。より具体的には、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸(PVS)、ポリアクリルアミドスルホン酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマレイン酸エステル、ポリ(チオフェン-3-アセテート)、フルオロポリマー酸アニオン、又は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸のような酸性モノマー1種以上とスチレンやアクリル酸エステル等の酸性ではない別のモノマー1種以上とを共重合することによって得られる共重合体のアニオンが挙げられる。これらの中で、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸(PVS)、ポリアクリルアミドスルホン酸等が好ましい。
上記の水溶性高分子の水溶液中で、導電性高分子を構成させるモノマーを酸化重合させると、水溶性高分子が持つ酸性基の一部が導電性高分子にドーピングするとともに水溶性高分子と導電性高分子とを一体化させ、残りの酸性基によって水溶性を与えることで、水中に導電性高分子が数十nmレベルで微分散した溶液が得られる。このような水溶性導電性高分子としては、ポリ(3,4-エチレンジオキシシオフェン)/PSS(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/PSS、ポリ(3,4-エチレンジオキシピロール)/PSS、PEDOT/PVS等が挙げられる。中でも、導電性の高いPEDOT/PSSが好適に用いられる。
これらの水溶性導電性高分子は、必要に応じて、更にリン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のドーパントをドーピングして用いてもよい。
水溶性導電性高分子の分子量は、シートを作製できる程度に高いことが好ましく、質量平均分子量で10,000~1,000,000が好ましい。
<金属ナノ粒子>
本発明で用いる金属ナノ粒子の金属種は特に限定されるものではないが、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅から選択された1種又は2種以上の成分を含むものが好ましい。特には、酸化されにくく取り扱いやすいことから、金又は白金を含むものが好ましい。水溶性導電性高分子には、1種類の金属ナノ粒子を分散させても、2種類以上混合して分散させてもよい。
本発明で用いる金属ナノ粒子の金属種は特に限定されるものではないが、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅から選択された1種又は2種以上の成分を含むものが好ましい。特には、酸化されにくく取り扱いやすいことから、金又は白金を含むものが好ましい。水溶性導電性高分子には、1種類の金属ナノ粒子を分散させても、2種類以上混合して分散させてもよい。
金属ナノ粒子の粒径は、0.7~100nmが好ましく、2~10nmがより好ましい。
金属ナノ粒子は、既知の方法によって製造すればよいが、水溶性導電性高分子に高分散させるために、分散剤で保護する必要がある。そのため、分散剤を添加した水又は水溶性のアルコール、エチレングリコール等の液相中で金属塩を還元する湿式還元法で製造することが好ましい。
金属塩としては、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、金属錯化合物等が挙げられ、これらを単独で用いても混合して用いてもよい。金属塩としては、具体的には、テトラクロロ金(III)酸(HAuCl4)、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム(NaAuCl4)、酢酸金(III)、ジメチルアセチルアセトナート金(III)、ヘキサクロロ白金(IV)酸(H2PtCl6)、白金(II)硝酸(Pt(NO3)2)、銀(I)硝酸塩(AgNO3),銀(I)アンモニア錯体[Ag(NH3)]+、銀(I)ヒドロキシ錯体[Ag(OH)2]、パラジウム(II)硝酸塩(Pd(NO3)2)、パラジウム(II)硫酸塩(PdSO4)、ロジウム(III)硝酸塩(Rh(NO3)3)、塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3・xH2O)等が挙げられる。
還元剤には、無機還元剤を用いても有機還元剤を用いてもよい。還元剤として、具体的には、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、没食子酸、蟻酸、シュウ酸、コハク酸、アスコルビン酸、クエン酸、ハイドロキノン、シラン等が挙げられる。
湿式還元法による金属ナノ粒子の製造においては、金属塩に還元剤と分散剤とを加え、加熱撹拌すればよい。加熱の温度は、40~200℃が好ましい。必要に応じてpHを調整してもよい。
水溶性導電性高分子に対する金ナノ粒子の含有量は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1.0質量%がより好ましい。
<分散剤>
本発明で用いる分散剤は、金属に吸着又は結合する官能基と親水性の官能基との両方を有する。金属に吸着又は結合する官能基としては、メルカプト基、ジスルフィド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、リン酸基等が挙げられる。特に、金属ナノ粒子に金を用いた場合には、メルカプト基が好ましい。また、金属ナノ粒子に白金を用いた場合には、メルカプト基、カルボキシ基が好ましい。親水性の官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、及びそれらの塩等が挙げられる。これらの官能基を組み合わせて有する分散剤としては、メルカプトカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトアルコール、メルカプトアミノ酸、メルカプトカルボン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。より具体的には、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸ナトリウム、メルカプトブタン酸、メルカプトペンタン酸、メルカプトヘキサン酸、メルカプトヘプタン酸、メルカプトオクタン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトヘキサノール、メルカプトオクタノール、システイン、メルカプトプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。これらのうち、金属ナノ粒子の分散性を特に向上させる分散剤として、メルカプト基とカルボキシ基とを両末端に有する炭素数2~8のメルカプトカルボン酸を用いることが好ましい。更に好ましくは、メルカプト基とカルボキシ基とを両末端に有する炭素数3~6のメルカプトカルボン酸を用いるのがよい。具体的には、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、4-メルカプトブタン酸、5-メルカプトペンタン酸、6-メルカプトヘキサン酸、7-メルカプトヘプタン酸、8-メルカプトオクタン酸が挙げられる。これらの分散剤は、1種類用いても、2種以上混合して用いてもよい。
本発明で用いる分散剤は、金属に吸着又は結合する官能基と親水性の官能基との両方を有する。金属に吸着又は結合する官能基としては、メルカプト基、ジスルフィド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、リン酸基等が挙げられる。特に、金属ナノ粒子に金を用いた場合には、メルカプト基が好ましい。また、金属ナノ粒子に白金を用いた場合には、メルカプト基、カルボキシ基が好ましい。親水性の官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、及びそれらの塩等が挙げられる。これらの官能基を組み合わせて有する分散剤としては、メルカプトカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトアルコール、メルカプトアミノ酸、メルカプトカルボン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。より具体的には、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸ナトリウム、メルカプトブタン酸、メルカプトペンタン酸、メルカプトヘキサン酸、メルカプトヘプタン酸、メルカプトオクタン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトヘキサノール、メルカプトオクタノール、システイン、メルカプトプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。これらのうち、金属ナノ粒子の分散性を特に向上させる分散剤として、メルカプト基とカルボキシ基とを両末端に有する炭素数2~8のメルカプトカルボン酸を用いることが好ましい。更に好ましくは、メルカプト基とカルボキシ基とを両末端に有する炭素数3~6のメルカプトカルボン酸を用いるのがよい。具体的には、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、4-メルカプトブタン酸、5-メルカプトペンタン酸、6-メルカプトヘキサン酸、7-メルカプトヘプタン酸、8-メルカプトオクタン酸が挙げられる。これらの分散剤は、1種類用いても、2種以上混合して用いてもよい。
金属ナノ粒子を保護する分散剤は、金属ナノ粒子に対し0.1~100モル当量用いることが好ましく、0.5~20モル当量用いることがより好ましい。
例えば、メルカプトカルボン酸で保護した金ナノ粒子を製造するには、クエン酸還元法によって次のように行えばよい。テトラクロロ金(III)酸を水に溶解させ、還流下メルカプトカルボン酸を水酸化アルカリで中和したものと、クエン酸3ナトリウム2水和物を添加する。金イオンが還元されると、溶液の色が黄色から赤~茶色に変化し、やがてピンク~茶色になって還元が完了する。生成した金ナノ粒子は、酸を加えて沈殿させ、水で洗浄し、水中に分散させて保存することができる。あるいは、洗浄後、乾燥して粉末として保存することもできる。
<熱電変換材料>
本発明の熱電変換材料は、上記の水溶性導電性高分子水溶液と上記の分散剤で保護した金属ナノ粒子とを混合することによって製造でき、これを塗布後、乾燥させてシートにして使用することが好ましい。金属ナノ粒子の分散性を高くするためには、水溶性導電性高分子と金属ナノ粒子との混合時に、有機溶剤を添加してもよい。更に導電性高分子の配向性を高めるために、公知の導電性向上剤を加えてから塗布し、シートにしてもよい。
本発明の熱電変換材料は、上記の水溶性導電性高分子水溶液と上記の分散剤で保護した金属ナノ粒子とを混合することによって製造でき、これを塗布後、乾燥させてシートにして使用することが好ましい。金属ナノ粒子の分散性を高くするためには、水溶性導電性高分子と金属ナノ粒子との混合時に、有機溶剤を添加してもよい。更に導電性高分子の配向性を高めるために、公知の導電性向上剤を加えてから塗布し、シートにしてもよい。
上記の有機溶剤としては、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、エチレングリコール等が挙げられる。
上記のシートの厚さは3μm~0.5mmが好ましく、5μm~50μmがより好ましい。シート形成のための塗布手段としては、キャスティング、スピーンコート、ディッピング、インクジェット等を挙げることができる。塗布後、乾燥して水と有機溶剤を除去すればシート状の熱電変換材料を得ることができる。乾燥処理温度は、添加した有機溶剤の種類に依存するが、30~150℃で行うことが好ましく、30~80℃で行うことがより好ましい。必要に応じて減圧下で行うとよい。
本発明の熱電変換材料のシートは、例えば以下のように製造する。水溶性導電性高分子に、ジメチルスルホキシドを添加し、メルカプトカルボン酸で保護した金ナノ粒子の水分散溶液を添加して撹拌後、ガラス基板上に液滴をのせる。室温で乾燥した後、加熱減圧下乾燥すると10~20μmの厚さのシートを成形できる。
本発明の熱電変換材料は、加工性が良好であることから、良好な熱電特性を具備する熱電変換素子や熱電変換モジュールの製造に用いることができる。加えて、本発明の熱電変換材料は、熱センサー、熱電冷却装置等の熱電変換技術を利用した各種装置等に適用することができる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例になんら限定されるものではない。
[合成例1]
3-メルカプトプロピオン酸で保護した金ナノ粒子Au-MPAの合成:
3-メルカプトプロピオン酸0.15g(1.45mmol)に、水酸化ナトリウムの1.0M水溶液1.45ml、水を添加して撹拌し、3-メルカプトプロピオン酸ナトリウム水溶液25mlを調製した。テトラクロロ金(III)酸・4水和物59.7mg(0.145mmol)を水275mlに溶解させ、還流下、3-メルカプトプロピオン酸ナトリウム水溶液25ml(0.145mmol)とクエン酸3ナトリウム2水和物0.43g(1.45mmol)の混合物を添加した。1時間撹拌すると、溶液の色は黄色から茶色になった。更に室温で1時間撹拌すると、溶液の色はピンク~茶色になって還元が完了し、3-メルカプトプロピオン酸で保護された金ナノ粒子Au-MPAを得た。金の含有量は、島津製作所製自記分光光度計UV2500PCで測定したところ、0.48mMであった。
3-メルカプトプロピオン酸で保護した金ナノ粒子Au-MPAの合成:
3-メルカプトプロピオン酸0.15g(1.45mmol)に、水酸化ナトリウムの1.0M水溶液1.45ml、水を添加して撹拌し、3-メルカプトプロピオン酸ナトリウム水溶液25mlを調製した。テトラクロロ金(III)酸・4水和物59.7mg(0.145mmol)を水275mlに溶解させ、還流下、3-メルカプトプロピオン酸ナトリウム水溶液25ml(0.145mmol)とクエン酸3ナトリウム2水和物0.43g(1.45mmol)の混合物を添加した。1時間撹拌すると、溶液の色は黄色から茶色になった。更に室温で1時間撹拌すると、溶液の色はピンク~茶色になって還元が完了し、3-メルカプトプロピオン酸で保護された金ナノ粒子Au-MPAを得た。金の含有量は、島津製作所製自記分光光度計UV2500PCで測定したところ、0.48mMであった。
この溶液に36%w/wの塩酸を添加し、一晩放置して、金ナノ粒子を沈殿させた。上澄み液を除去し、水で洗浄し、遠心分離した。水洗浄と遠心分離を計4回行った後、金ナノ粒子の濃度が1mg/mlとなるように水中に分散させた。濃度は、一定量の分散液を減圧下40℃で乾燥して金ナノ粒子の重量を求めて調製した。
この分散液を、日立製作所製透過型電子顕微鏡H-7000を用い、加速電圧80kVで観察した様子を図1に示す。平均粒径3.8±1.1nmの金ナノ粒子が分散していることがわかった。
[合成例2]
6-メルカプトヘキサン酸で保護した金ナノ粒子Au-MHAの合成:
3-メルカプトプロピオン酸の代わりに、6-メルカプトヘキサン酸を0.21g用いる他は、合成例1と同様にして6-メルカプトヘキサン酸で保護した金ナノ粒子Au-MHAを得た。金の含有量は、0.96mMであった。
6-メルカプトヘキサン酸で保護した金ナノ粒子Au-MHAの合成:
3-メルカプトプロピオン酸の代わりに、6-メルカプトヘキサン酸を0.21g用いる他は、合成例1と同様にして6-メルカプトヘキサン酸で保護した金ナノ粒子Au-MHAを得た。金の含有量は、0.96mMであった。
塩酸処理、水洗浄、遠心分離を経て、金ナノ粒子の濃度が0.01、0.1、1mg/mlとなるように水中に分散させた分散液を調製した。分散液濃度が0.1mg/mlのものを、透過型電子顕微鏡で観察した様子を図2に示す。平均粒径3.1±0.5nmの金ナノ粒子が分散していることがわかった。
[合成例3]
ドデカンチオールで保護した金ナノ粒子Au-DTの合成:
テトラクロロ金(III)酸・4水和物0.25g(0.6mmol)を水に溶解させ60mlにした。これにテトラオクチルアンモニウムボロマイド0.66g(1.2mmol)をトルエン20mlに溶解させたものと混合した。更にトルエン120mlを加え、24時間激しく撹拌した。黄色の水層は無色になり、トルエン層はオレンジ色になり、[AuCl4]-が形成された。これにフレッシュなドデカンチオール0.12g(0.6mmol)のトルエン溶液20mlを混合した後、室温で10分撹拌した。更に、水素化ホウ素ナトリウム0.23g(6mmol)の水溶液60mlを加え激しく撹拌した。溶液はオレンジ色から黒色に変化したが、そのまま12時間撹拌した。トルエン層を分離して濃縮し、トルエンが30mlとなったところに、メタノール400mlを添加して金属ナノ粒子を沈殿させた。沈殿した粒子をトルエンとメタノールで数回洗浄し、遠心分離にかけた後、THFに分散させた。得られた金ナノ粒子Au-DTのTHF分散液を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図3のように平均粒径6.9±1.6nmの金ナノ粒子が分散していることがわかった。
ドデカンチオールで保護した金ナノ粒子Au-DTの合成:
テトラクロロ金(III)酸・4水和物0.25g(0.6mmol)を水に溶解させ60mlにした。これにテトラオクチルアンモニウムボロマイド0.66g(1.2mmol)をトルエン20mlに溶解させたものと混合した。更にトルエン120mlを加え、24時間激しく撹拌した。黄色の水層は無色になり、トルエン層はオレンジ色になり、[AuCl4]-が形成された。これにフレッシュなドデカンチオール0.12g(0.6mmol)のトルエン溶液20mlを混合した後、室温で10分撹拌した。更に、水素化ホウ素ナトリウム0.23g(6mmol)の水溶液60mlを加え激しく撹拌した。溶液はオレンジ色から黒色に変化したが、そのまま12時間撹拌した。トルエン層を分離して濃縮し、トルエンが30mlとなったところに、メタノール400mlを添加して金属ナノ粒子を沈殿させた。沈殿した粒子をトルエンとメタノールで数回洗浄し、遠心分離にかけた後、THFに分散させた。得られた金ナノ粒子Au-DTのTHF分散液を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図3のように平均粒径6.9±1.6nmの金ナノ粒子が分散していることがわかった。
[合成例4]
Au-MPAを分散させたPEDOT/PSSシート(F1)の製造:
PEDOT/PSS水溶液(H.C. Starck製、Clevios PH 1000)にDMSOを5質量%添加し1時間撹拌した。この溶液400μlと合成例1で調製した金ナノ粒子Au-MPA分散液(1mg/ml)40μlとを混合し、金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度を1質量%にし、10分間撹拌した。この溶液400μlをアセトンで洗浄した1×2.6cm2のスライド上に滴下し、33℃で3時間乾燥し、その後減圧下100℃で20分乾燥した。作製したシートの厚みは、リニアゲージで測定したところ、15μmであった。
Au-MPAを分散させたPEDOT/PSSシート(F1)の製造:
PEDOT/PSS水溶液(H.C. Starck製、Clevios PH 1000)にDMSOを5質量%添加し1時間撹拌した。この溶液400μlと合成例1で調製した金ナノ粒子Au-MPA分散液(1mg/ml)40μlとを混合し、金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度を1質量%にし、10分間撹拌した。この溶液400μlをアセトンで洗浄した1×2.6cm2のスライド上に滴下し、33℃で3時間乾燥し、その後減圧下100℃で20分乾燥した。作製したシートの厚みは、リニアゲージで測定したところ、15μmであった。
[合成例5]
Au-MHAを分散させたPEDOT/PSSシート(F2)の製造:
金ナノ粒子分散液を合成例2で調製したAu-MHA(0.01mg/ml)に代える他は、合成例4と同様にシートを作製した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度は0.01質量%である。作製したシートの厚みは、17μmであった。
Au-MHAを分散させたPEDOT/PSSシート(F2)の製造:
金ナノ粒子分散液を合成例2で調製したAu-MHA(0.01mg/ml)に代える他は、合成例4と同様にシートを作製した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度は0.01質量%である。作製したシートの厚みは、17μmであった。
[合成例6]
Au-MHAを分散させたPEDOT/PSSシート(F3)の製造:
金ナノ粒子分散液をを合成例2で調製したAu-MHA(0.1mg/ml)に代える他は、合成例4と同様にシートを作製した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度は0.1質量%である。作製したシートの厚みは、14μmであった。
Au-MHAを分散させたPEDOT/PSSシート(F3)の製造:
金ナノ粒子分散液をを合成例2で調製したAu-MHA(0.1mg/ml)に代える他は、合成例4と同様にシートを作製した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度は0.1質量%である。作製したシートの厚みは、14μmであった。
[合成例7]
Au-MHAを分散させたPEDOT/PSSシート(F4)の製造:
金ナノ粒子分散液をを合成例2で調製したAu-MHA(1mg/ml)に代える他は、合成例4と同様にシートを作製した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度は1質量%である。作製したシートの厚みは、12μmであった。
Au-MHAを分散させたPEDOT/PSSシート(F4)の製造:
金ナノ粒子分散液をを合成例2で調製したAu-MHA(1mg/ml)に代える他は、合成例4と同様にシートを作製した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度は1質量%である。作製したシートの厚みは、12μmであった。
[合成例8]
Au-DTを分散させたPEDOT/PSSシート(F5)の製造:
PEDOT/PSS水溶液(Aldrich製)200μlと、メタノール100μlと、合成例3で調製した金属ナノ粒子Au-DTのTHF分散液(5μg/ml)10μlと、純水90μlとを混合した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度を0.01質量%にし、10分間撹拌した。この溶液400μlをアセトンで洗浄した1×2.6cm2のスライド上に滴下し、33℃で3時間乾燥し、その後減圧下100℃で20分乾燥した。作製したシートの厚みは、リニアゲージで測定したところ、15μmであった。
Au-DTを分散させたPEDOT/PSSシート(F5)の製造:
PEDOT/PSS水溶液(Aldrich製)200μlと、メタノール100μlと、合成例3で調製した金属ナノ粒子Au-DTのTHF分散液(5μg/ml)10μlと、純水90μlとを混合した。金ナノ粒子のPEDOT/PSS溶液中の高分子成分に対する濃度を0.01質量%にし、10分間撹拌した。この溶液400μlをアセトンで洗浄した1×2.6cm2のスライド上に滴下し、33℃で3時間乾燥し、その後減圧下100℃で20分乾燥した。作製したシートの厚みは、リニアゲージで測定したところ、15μmであった。
[合成例9]
PEDOT/PSSシート(P1、P2)の製造:
PEDOT/PSS水溶液(H.C. Starck製、又はAldrich製)にジメチルスルホキシド(DMSO)を5質量%添加し、1時間撹拌した。この溶液400μlをアセトンで洗浄した1×2.6cm2のスライド上に滴下し、33℃で3時間乾燥し、その後減圧下100℃で20分乾燥した。作製したシートの厚みは、リニアゲージで測定した。H.C. Starck製のPEDOT/PSS水溶液から作製したシートP1の厚みは13μmであった。また、Aldrich製のPEDOT/PSS水溶液から作製したシートP2の厚みは14μmであった。
PEDOT/PSSシート(P1、P2)の製造:
PEDOT/PSS水溶液(H.C. Starck製、又はAldrich製)にジメチルスルホキシド(DMSO)を5質量%添加し、1時間撹拌した。この溶液400μlをアセトンで洗浄した1×2.6cm2のスライド上に滴下し、33℃で3時間乾燥し、その後減圧下100℃で20分乾燥した。作製したシートの厚みは、リニアゲージで測定した。H.C. Starck製のPEDOT/PSS水溶液から作製したシートP1の厚みは13μmであった。また、Aldrich製のPEDOT/PSS水溶液から作製したシートP2の厚みは14μmであった。
[熱電変換効率の測定]
合成例4~9で得られた熱電変換シートから長方形の試験片を作製し、熱電特性の測定を行った。
電気伝導度とゼーベック係数は、自家製装置で四端子法により測定した。
熱伝導率κは、
κ=cδα
の式により算出した。ここで、cは比熱、δは密度、αは熱拡散率である。
比熱cは、-10~200℃の範囲をNetzsch社製DSC 204F1 phoenixにより測定した。
密度δは、アルキメデス法により測定した。。
熱拡散率αは、Netzsch社製Xe Flash Analyzer LGA447/2-4 InSbを用いて、25~170℃の範囲で測定した。
合成例4~9で得られた熱電変換シートから長方形の試験片を作製し、熱電特性の測定を行った。
電気伝導度とゼーベック係数は、自家製装置で四端子法により測定した。
熱伝導率κは、
κ=cδα
の式により算出した。ここで、cは比熱、δは密度、αは熱拡散率である。
比熱cは、-10~200℃の範囲をNetzsch社製DSC 204F1 phoenixにより測定した。
密度δは、アルキメデス法により測定した。。
熱拡散率αは、Netzsch社製Xe Flash Analyzer LGA447/2-4 InSbを用いて、25~170℃の範囲で測定した。
120℃における各試料の熱電特性について表1に示す。本発明の熱電変換材料のシートF1~F4は、金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基と親水性の官能基とを有する分散剤で保護された金属ナノ粒子を分散させたことにより、ゼーベック係数が高くなり、ZT値は0.1近くまで高くなった。特に、分散剤として6-メルカプトヘキサン酸を用いると、ゼーベック係数が高くなりやすかった。しかし、金属ナノ粒子に吸着する官能基しか持たないデカンチールで保護した金属ナノ粒子を分散させたシートF5では、電気伝導度が高くなったが、ゼーベック係数は上がらず、ZT値は変化しなかった。
Claims (5)
- 分散剤で保護された金属ナノ粒子が水溶性導電性高分子中に分散した熱電変換材料であって、
前記分散剤が、前記金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基と親水性の官能基とを有する化合物である熱電変換材料。 - 前記金属ナノ粒子に吸着又は結合する官能基が、メルカプト基、ジスルフィド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、及びリン酸基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の熱電変換材料。
- 前記親水性の官能基がヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の熱電変換材料。
- 前記分散剤が、メルカプトカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトアルコール、メルカプトアミノ酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の熱電変換材料を用いることを特徴とする熱電変換素子。
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JP2010095688A (ja) * | 2008-10-20 | 2010-04-30 | Three M Innovative Properties Co | 導電性高分子複合体及び導電性高分子材料を用いた熱電素子 |
JP2012009462A (ja) * | 2009-09-14 | 2012-01-12 | Tokyo Univ Of Science | 有機−無機ハイブリッド熱電材料、当該熱電材料を用いた熱電変換素子及び有機−無機ハイブリッド熱電材料の製造方法 |
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