JP6340450B2 - 薬液注入装置 - Google Patents

薬液注入装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6340450B2
JP6340450B2 JP2017064603A JP2017064603A JP6340450B2 JP 6340450 B2 JP6340450 B2 JP 6340450B2 JP 2017064603 A JP2017064603 A JP 2017064603A JP 2017064603 A JP2017064603 A JP 2017064603A JP 6340450 B2 JP6340450 B2 JP 6340450B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
pressing portion
piston pressing
distance
injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017064603A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017136411A5 (ja
JP2017136411A (ja
Inventor
根本 茂
茂 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nemoto Kyorindo Co Ltd
Original Assignee
Nemoto Kyorindo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nemoto Kyorindo Co Ltd filed Critical Nemoto Kyorindo Co Ltd
Publication of JP2017136411A publication Critical patent/JP2017136411A/ja
Publication of JP2017136411A5 publication Critical patent/JP2017136411A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6340450B2 publication Critical patent/JP6340450B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/142Pressure infusion, e.g. using pumps
    • A61M5/145Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons
    • A61M5/1452Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons pressurised by means of pistons
    • A61M5/14546Front-loading type injectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2205/00General characteristics of the apparatus
    • A61M2205/33Controlling, regulating or measuring
    • A61M2205/3306Optical measuring means
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2205/00General characteristics of the apparatus
    • A61M2205/60General characteristics of the apparatus with identification means
    • A61M2205/6054Magnetic identification systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/007Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests for contrast media
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/142Pressure infusion, e.g. using pumps
    • A61M5/145Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons
    • A61M5/1452Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons pressurised by means of pistons
    • A61M5/1458Means for capture of the plunger flange

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、シリンジ内の薬液を被験者に注入する薬液注入装置に関し、特に、薬液の注入のためにシリンジのピストンをシリンダに押し込むピストン駆動機構を有する薬液注入装置に関する。
医療用の画像診断装置としては、CT装置、MRI装置、PET装置、アンギオ装置およびMRA装置などがある。これらの装置を使用する際は、被験者に造影剤や生理食塩水などの薬液を注入することが多い。
通常、薬液はシリンジに充填されている。シリンジは、薬液を収容するシリンダと、シリンダ内に進退移動可能に挿入されたピストンとを有している。シリンダの先端には、延長チューブを介して注入針またはカテーテルが接続され、この注入針またはカテーテルを被験者の血管に穿刺し、その状態でピストンを前進させることで、シリンジ内の薬液を被験者に注入することができる。
画像診断においては、良好な画像を得るために、薬液を所定の時間、速度および注入量で注入することが求められる。そのため、薬液の注入には薬液注入装置が用いられることが多い。
従来の薬液注入装置の一例として、特許文献1に開示された装置が挙げられる。特許文献1に開示された薬液注入装置は、薬液注入装置に装着されたシリンジのピストンの末端を押圧するピストン押圧部を備えたピストン駆動機構と、このピストン駆動機構の動作を制御する制御部とを有している。シリンジには、ICタグや二次元コードなどのデータキャリアが装着されている。データキャリアには、シリンジに関するデータおよび薬液に関するデータが記録されている。
薬液注入装置は、データキャリアに記録されたデータを取得するためのリーダをさらに有しており、データキャリアから取得したデータおよび操作者によって入力されたデータに基づいて、ピストンの末端の位置を算出し、以下の各段階でのピストン押圧部の移動距離および移動速度を決定し、その決定した条件に従ってピストン駆動機構の動作が制御される。すなわち、ピストン押圧部が初期位置からピストンの末端に当接する位置まで前進する準備段階では、ピストン押圧部の移動行程中の最後の所定の区間での移動速度が他の区間よりも遅くなるようにピストン駆動機構が制御され、ピストン押圧部がピストンの末端と当接した位置から予定量の薬液の注入が完了する位置まで移動される注入段階では、上記のデータに基づいて算出された注入速度で薬液が注入されるようにピストン駆動機構が制御される。
特許文献1:国際公開第2008/123524号
しかしながら、特許文献1に開示された薬液注入装置は、準備段階でのピストン押圧部の移動の終端を決定するためのデータの少なくとも一部を、シリンジに装着されたデータキャリアから取得するので、データキャリアが装着されていないシリンジでは、準備段階での上述のような動作を行なうことができなかった。例えば、MR装置による断層画像の撮像に薬液注入装置が使用される場合、薬液注入装置は強い磁場に晒されるため、RFID技術を利用したICタグをデータキャリアとして利用することはできない。準備段階での動作に必要なすべてのデータを操作者が入力するようにすることもできるが、その場合は、操作者が入力するデータの数が増え、操作者の負担が増えるとともに、データ入力ミスが発生する可能性が高くなる。
また、実際のシリンジにおいてピストン末端の位置には多少のバラツキがあり、データから求めた位置との間でズレが生じる場合がある。実際のピストン末端の位置とデータから求めたピストン末端の位置との間にズレが生じると、準備段階でピストン押圧部が前進し過ぎて薬液が注入されてしまったり、準備段階でピストン押圧部がピストン末端に当接せず、次の注入段階においてピストン押圧部がピストン末端に当接するまでピストンが押圧されないため、予定量よりも少ない量しか薬液が注入されなくなったりする。
本発明は、データキャリアが装着されていないシリンジが用いられる場合であってもピストン末端の位置をより正確に求め、それによって所望の動作を可能とする薬液注入装置を提供することを目的とする。
本発明の薬液注入装置は、
シリンダと該シリンダに進退移動可能に挿入されているピストンとを有するシリンジを着脱自在に保持するシリンジ保持部と、
前記シリンジ保持部に保持されたシリンジのピストンを少なくとも前進させるための、前記ピストンの末端を押圧するように動作されるピストン押圧部を備えたピストン駆動機構と、
前記ピストン押圧部の前端面に配置され、前記ピストン押圧部の前進方向で前記ピストン押圧部と対向する物体と前記ピストン押圧部との距離に応じた検出結果を出力する検出器と、
前記ピストン押圧部の移動を手動で操作するためのデバイスと、
を有し、
前記ピストン押圧部を初期位置から前記ピストンの末端に当接する位置まで前進させる準備動作での前記ピストン押圧部の動作が、前記検出器による検出結果に基づいて制御され、かつ、前記準備動作の最後の所定の区間で前記ピストン押圧部のさらなる前進を促進するような前記デバイスからの入力操作が無効にされるように構成されている。
本発明の薬液注入装置において、検出器は、準備動作中のピストン押圧部の前進方向における、検出器と物体との間の距離を検出することができる。この場合、準備動作の間、検出器による検出が行なわれ、検出器によって検出された距離が所定の距離以下になると、ピストン押圧部の移動速度が低下するようにピストン押圧部の動作が制御されてもよい。さらに、検出器によって検出された距離がゼロとなる位置でピストン押圧部の前進が停止するようにピストン押圧部の動作が制御されるようにしてもよい。あるいは、ピストン押圧部の移動を手動で操作するためのデバイスを薬液注入装置がさらに有している場合は、検出器によって検出された距離が上記所定の距離よりも小さい第2の距離となる位置でピストン押圧部の前進が停止するようにピストン押圧部の動作が制御されるようにしてもよい。あるいは、ピストン押圧部の移動を手動で操作するためのデバイスを薬液注入装置がさらに有し、かつ、検出器による距離の検出可能範囲が10mm以下である場合は、検出器が物体を検出した時点でピストン押圧部の前進を停止させてもよい。
本発明の一態様では、検出器は、ピストン押圧部に設けられた近接センサである。この場合、近接センサは、光学式近接センサであることが好ましい。
本発明の薬液注入装置によれば、ピストンとピストン押圧部との間に指が挟まれそうになった場合でも容易に回避することができるようになる。また、準備動作におけるピストン押圧部の移動の制御を、ピストン押圧部と、その前進方向でピストン押圧部と対向する物体との距離に応じて行なうので、データキャリアが搭載されていないシリンジであっても、ピストン位置のバラツキおよびシリンジの種類に関係なく確実に、ピストン押圧部をピストンの末端に当接する位置で停止させることができる。
本発明が適用される画像診断システムの一例の斜視図である。 図1に示す薬液注入装置の斜視図である。 図2示す注入ヘッドを、それに装着されるシリンジとともに示す斜視図である。 図2に示す薬液注入装置を機能的に表したブロック図である。 本発明の薬液注入装置が備えることができる第2の表示デバイスの配置の一例を示す斜視図である。 本発明の薬液注入装置が備えることができる第2の表示デバイスの配置の他の例を示す斜視図である。 本発明で用いることのできる、天井に固定される多関節の支持アームアセンブリの一例を示す斜視図である。 本発明で用いることのできるシリンジの平面図である。
図1を参照すると、薬液注入装置100と、例えばMRI装置であることができる透視撮像装置300とを有する、本発明が適用される画像診断システム1000の一例が示される。透視撮像装置300と薬液注入装置100とは、相互間で情報の送受信を行なえるように、互いに接続されている。
透視撮像装置300は、撮像動作を実行するスキャナ301と、スキャナ301の動作を制御する撮像制御ユニット302とを有している。図1では画像診断システム1000のすべての構成要素が同一の室内に配置されているように示されているが、実際に被験者の透視画像を撮像する際は、スキャナ301および薬液注入装置100が同じ室内に配置され、撮像制御ユニット302はこれらと別室に配置される。
薬液注入装置100は、例えば図2に示すように、スタンド111の上部に旋回アーム112を介して取り付けられた注入ヘッド110と、ケーブル102を介して注入ヘッド110と接続された注入制御ユニット101とを有している。注入制御ユニット101は、メイン操作パネル103、表示デバイスと入力デバイスとを兼ねたタッチパネル104、およびケーブル108で接続された補助的な入力デバイスであるハンドユニット107を備えている。
注入ヘッド110は、図3に示すように、ケーシング120を有し、その上面にシリンジ保持部として2つの凹部114が形成されている。各凹部114にそれぞれシリンジ200が着脱可能に装着される。各シリンジ200にはそれぞれ異なる薬液を充填することができ、例えば、一方には造影剤が充填され、他方には生理食塩水が充填されてもよい。
シリンジ200は、薬液を保持するシリンダ210およびピストン220を有している。ピストン220は、シリンダ210内に進退移動可能に挿入され、ピストン220を前進させることによって、薬液をシリンダ210から押し出すことができる。シリンダ210の先端には分岐チューブ250が接続される。分岐チューブ250の先端には注入針またはカテーテルが接続されており、注入針またはカテーテルを被験者の血管に穿刺した状態でピストン220を前進させることによって、シリンジ200内の薬液が被験者に注入される。シリンダ210の末端およびピストン220の末端にはそれぞれフランジが形成されている。
注入ヘッド110は、凹部114に装着されたシリンジ200のピストン220を動作させるための2つのピストン駆動機構130を有している。ピストン駆動機構130は、それぞれ先端にピストン押圧部131を備えたロッドを有する。ピストン押圧部131の前端面には、ピストン220とピストン押圧部131との間の距離、特に、ピストン220の末端面とピストン押圧部131の前端面との間の距離を検出することができるように、準備動作中のピストン押圧部131の前進方向における物体との距離を検出することができる検出器として近接センサ132が配置されている。
各ロッドは、ロッドごとに設けられたモータ145(図4参照)を駆動源として進退移動され、そのロッドの移動に伴ってピストン押圧部131も進退移動する。ピストン押圧部131は、前進することによって、ピストン220の末端(フランジ)に当接し、さらにはピストン220の末端を押圧してピストン220を前進させることができる。各ロッドは互いに独立して動作することができ、これによって、シリンジ200内の薬液を別々に、または同時に注入させることができる。
ピストン押圧部131は、後退することによってピストン220の末端から離れることができるが、ピストン220の末端を保持するチャックをピストン押圧部131が備えている場合は、ピストン押圧部131を後退させることによってピストン220を後退させることもできる。この際、延長チューブ250に薬液容器(不図示)が接続されていれば、ピストン220を後退させて薬液容器からシリンジ200内に薬液を吸引することができる。
図4に、上述した薬液注入装置100の機能的な構成を表したブロック図を示す。なお、図4に示す各ブロックは、ハードウェアとして構成されていてもよいし、論理回路として構成されていてもよい。
図4において、注入ヘッド110は、ピストン駆動機構130を有し、ピストン駆動機構130は、近接センサ132およびモータ145を含んでいる。本実施形態では2つのピストン駆動機構130を有しているが、図4では簡略化のため1つのみを示している。
近接センサ132には、誘導型、静電容量型、超音波型、電磁波型および光学式など種々の方式があるが、本発明においては、ピストン押圧部131の前端面とピストン220の末端面との間の距離を検出することができるものであれば任意の方式のセンサを用いることができる。
これらの中でも好ましいのは、光学式の近接センサ132である。光学式の近接センサ132は、特定の波長の光を発する発光素子と、発光素子が発する光と同じ波長の光を受光して電気信号に変換する受光素子とを有し、発光素子から発せられ、対象物(本実施形態ではピストン220の末端面)で反射されて受光素子によって受光された光の強度に基づいて、対象物までの距離を測ることができる。光学式の近接センサ132は、構造が単純であり制御もシンプルである。また、光学式の近接センサ132は、磁場の影響も受けないので、薬液注入装置100がMRI装置と一緒に使用される場合には特に適している。
光学式の近接センサ132のなかには、赤外線を利用するもの、赤色光を利用するもの、および青色光を利用するものがあり、また、光源としても、LED光源を有するもの、およびレーザ光源を有するものがある。本発明では任意の種類の近接センサ132を用いることができ、それの中でも例えば赤色LED型の近接センサ132は、取り扱いが比較的簡単であり、かつ入手し易いことから好ましく使用することができる。
注入制御ユニット101は、制御部141、入力デバイス142および表示デバイス143を有している。入力デバイス142は、図2に示したメイン操作パネル103およびタッチパネル104に相当し、この薬液注入装置100の設定に関する情報、薬液の注入条件を決定するに必要なデータの入力を受け付け、制御部141へ送るデバイスである。表示デバイス143は、図2に示したタッチパネル104に相当し、制御部141からの指令によって、薬液注入装置100の設定および動作などに関する様々な情報およびデータを表示するデバイスである。
制御部141は、例えばマイクロプロセッサを含んでおり、入力デバイス142から入力されたデータおよび情報などに基づいて、薬液の注入条件を決定したり、表示デバイス143の動作を制御したり、注入ヘッド110の動作を制御したりするように構成される。制御部141による注入ヘッド110の制御は、ピストン駆動機構130の制御が主であり、そのために、制御部141は、モータ145の動作を制御するモータ制御部144を含んでいる。本実施形態のように注入ヘッド110が複数のピストン駆動機構130を有している場合、モータ制御部144は、それら複数のピストン駆動機構130のモータ145を個々に制御できるように構成されている。
モータ制御部144は、ピストン駆動機構130の動作全般を制御するものであり、例えば、薬液の注入時に、決定した注入条件に従って薬液が注入されるようにモータ145の駆動速度および時間を制御するだけでなく、注入動作に先立って行なわれる準備動作におけるピストン駆動機構130の動作を制御することもできる。モータ制御部144には、近接センサ132による距離の検出結果が入力され、準備動作におけるピストン駆動機構130の制御に際しては、モータ制御部144は、近接センサ132から入力された検出結果を利用する。
次に、本実施形態の薬液注入装置100の動作について説明する。
薬液注入装置100に電源が投入されると、薬液注入装置100の機能チェックが実行される。この機能チェックではピストン押圧部131の位置が確認され、ピストン押圧部131は、その移動範囲のピストン220から最も離れた後端位置である初期位置に位置していなければ、初期位置へ移動される。
注入ヘッド110にシリンジ200が装着されると、薬液注入装置100は準備動作を実行する。準備動作への切り換えは、シリンジ200が装着されたことを検出する適宜のセンサを注入ヘッド110に設け、そのセンサからの検出信号をトリガとして自動的に行なうこともできるし、入力デバイス142を通じた操作者の操作によって行なうこともできる。
準備動作では、モータ制御部144は、ピストン押圧部131の前端面が、装着されたシリンジ200のピストン220の末端面に当接するまでピストン押圧部131が前進移動するようにモータ145の動作を制御する。また、準備動作の間、近接センサ132によるピストン220の末端面との間の距離が継続的に検出されている。モータ制御部144の制御によって、近接センサ132により検出された距離がゼロになったとき、すなわちピストン押圧部131がピストン220の末端面に当接したときに、ピストン押圧部131の移動が停止される。このとき、操作者へ注意を促すために、薬液注入装置は、ピストン押圧部131の移動の停止を音声によって報知するようにしてもよい。
さらに、モータ制御部144は、近接センサ132による検出結果に基づいて、準備動作の最後の所定の区間でピストン押圧部131の移動速度が他の区間と比べて低下するようにピストン駆動機構130の動作を制御する。例えば、ピストン押圧部131の移動範囲を、初期位置から所定の中間位置までの第1区間と、この所定の中間位置から移動終端位置(ピストン押圧部131がピストン220の末端面と当接する位置)までの第2区間とに分けたとき、第2区間でのピストン押圧部131の移動速度が、第1区間でのピストン押圧部131の移動速度よりも遅くなるように、モータ145の動作を制御する。ピストン押圧部131が第1区間から第2区間に移動したことは、近接センサ132が検出したピストン220の末端面までの距離から知ることができ、実際には、近接センサ132によって検出された距離が所定の距離以下になると、ピストン押圧部131の移動速度を低下させるように、モータ145の動作が制御される。このとき、操作者へ注意を促すために、薬液注入装置は、ピストン押圧部131の移動速度を低下させたことを音声によって報知するようにしてもよい。
以上のように、第2区間でのピストン押圧部131の移動速度を第1区間での移動速度よりも遅くすることで、準備動作中に例えば操作者がピストン220とピストン押圧部131との間に誤って指を差し入れていたような場合であっても、操作者の指がピストン220とピストン押圧部131との間に挟まれるのを回避し易くなる。
このような観点からいえば、第2区間は、操作者の不注意によって指が挟まれる可能性のある区間であり、その長さは、例えば8〜50mm、好ましくは8〜30mmとすることができる。ピストン押圧部131の移動速度を低下させる第2区間の長さは、操作者の指の太さや薬液注入装置100の動作効率などを考慮して適宜設定することができる。
第2区間でのピストン押圧部131の移動速度は、ピストン220とピストン押圧部131との間に操作者の指が挟まれるのを回避し易くするという観点からは、好ましくは0.05〜5mm/sec、より好ましくは0.5〜3mm/secとすることができる。また、第2区間でのピストン押圧部131の移動速度は、一定であってもよいし、移動終端においてゼロとなるように徐々に低下させてもよい。
上述のように、本発明においては、準備動作におけるピストン押圧部131の位置を、ピストン押圧部131の初期位置からの移動量ではなく、ピストン220の末端とピストン押圧部131との間の距離として検出している。つまり、本発明では、従来のようにデータキャリアから取得したデータに基づいて初期位置からピストン220の末端面までの距離を求めて、その距離だけピストン押圧部131を移動させるのではなく、ピストン220の末端面までの実際の距離に基づいて、その距離がゼロになるまでピストン押圧部131を移動させている。
その結果、ピストン220の位置のバラツキに依存することなく、ピストン押圧部131がピストン220の末端面と当接する位置で確実にピストン押圧部131を停止させることができる。また、注入する薬液の種類および注入量などによっては、直径が共通であるが内容量が異なる複数種のシリンジが使用される場合もある。このような場合であっても、本発明によれば、ピストン押圧部131がピストン220の末端面と当接する位置で確実にピストン押圧部131を停止させることができる。
さらに、シリンジ200がデータキャリアを備えている必要がないので、あらゆるシリンジに対しても準備動作が実行可能である。このことは、薬液注入装置100がMRI装置とともに用いられる場合に特に有効である。一般に、データキャリアとしてはRFID技術を利用したICタグが用いられることが多く、強磁場を発生するMRI装置の近傍ではこのようなRFID技術を利用したデータの取得が困難であるからである。
なお、ピストン220の末端とピストン押圧部131の先端との間の距離を検出する検出器として、ピストン押圧部131に配置された近接センサ132を用いる場合において、準備動作の最中、ピストン220とピストン押圧部131との間に操作者の指などの障害物が介在していると、近接センサ132は、ピストン220とピストン押圧部131との間の距離を検出できなくなる。その代わり、近接センサ132が実際に検出するのは、障害物が排除されない限り、その障害物とピストン押圧部131との間の距離となる。
したがって、ピストン押圧部131の移動終端位置は、ピストン押圧部131が障害物と当接する位置となり、この位置を基準として、モータ制御部144は、ピストン押圧部131の動作を制御する。詳しくは、ピストン押圧部131が障害物と当接する位置を基準として第2区間が決定され、第2区間においてピストン押圧部131の移動速度が低下され、最終的には、障害物と当接する位置でピストン押圧部131の移動が停止される。その結果、準備動作の間、例えば、ピストン220とピストン押圧部131との間に操作者が指を差し入れたままの状態であったとしても、ピストン押圧部131は指と当接する位置で停止されるので、操作者の指が挟み付けられるのを防止することができる。
このように、検出器は、「ピストン220の末端面とピストン押圧部131の前端面との距離」を検出することを意図するものであるが、検出器が検出する距離は、「ピストン押圧部131の前進方向でピストン押圧部131と対向する物体の末端とピストン押圧部131の前端面との間の距離」ということができる。ここで、「ピストン押圧部131の前進方向でピストン押圧部131と対向する物体」とは、ピストン220とピストン押圧部131との間に何も介在していなければ、「ピストン220」であり、介在していれば、その介在している操作者の指などの「物体」である。
準備動作の終了後、薬液の注入条件を決定するための幾つかのデータが操作者によって入力される。制御部141は、決定した注入条件に従ってピストン押圧部131が動作するように、ピストン駆動機構130のモータ145の駆動条件を決定する。
その後、薬液の注入動作を実行するための所定の操作が操作者によってなされることで、モータ制御部144は、決定された駆動条件に従ってモータ130を駆動する。これによって、ピストン押圧部131によりピストン220が前進し、シリンジ200内の薬液がシリンジ200から押し出される。すなわち、薬液の注入動作が実行される。この注入動作によって、所定の注入条件で薬液が注入される。
準備動作でのピストン押圧部131の停止位置は、ピストン押圧部131がピストン220の末端面に当接した位置であるので、その位置を基準位置としてピストン押圧部131を前進させれば、その基準位置からのピストン押圧部131の移動量は、薬液の注入量と正確に比例する。従って、注入動作に先立ってピストン押圧部131の位置を微調整あるいは補正することなく、準備動作から注入動作へ移行させることができる。
注入動作の終了後、制御部141はピストン押圧部131を初期位置へ後退させてもよい。このとき、ピストン押圧部131が、ピストン220の末端を保持するチャックを有していない場合はピストン押圧部131のみが後退するが、チャックを有している場合は、ピストン押圧部131と一緒にピストン220も後退する。
ここで、図4に示すように、注入ヘッド110は、ピストン駆動機構130をマニュアルでも操作できるようにするために入力デバイス134を有することもできる。注入ヘッド110に備えられる入力デバイス134としては、ボタン、スライドスイッチ、ジョグダイヤルなどを用いることができる。入力デバイス134により、制御部141による制御とは別に、この入力デバイス134からの入力操作に応じてモータ145を任意に動作させることができる。あるいは、入力デバイス134として、モータ145の動作を介さずにピストン押圧部131を直接移動させることのできる機械的な機構を用いることもできる。
ただし、この入力デバイス134からの指令によるモータ145の動作を本発明に適用するにあたっては、準備動作の間の、ピストン押圧部131の移動速度を低下させる区間では、ピストン押圧部131のさらなる前進を促進するような入力デバイス134からの入力操作は、制御部141からの指令により無効とされることが好ましい。それ以外の区間では、入力デバイス134からの入力操作による動作を、モータ制御部144の制御による動作に優先させて構わない。
また、ピストン駆動機構130をマニュアルで操作できるようにするための入力デバイス134を有する場合、制御部141は、近接センサ132で検出した距離が、上記第2区間の距離よりも小さい第2の距離となったときに、ピストン押圧部131の前進を停止するように、ピストン駆動機構130すなわちピストン押圧部131の動作を制御するようにしてもよい。これにより、準備動作においてピストンピストン押圧部131が前進し過ぎてピストン220を前進させることによる薬液の誤注入を防止することができる。ピストン押圧部131の前進が停止された後は、操作者が入力デバイス134を用いて、ピストン押圧部131がピストン220に当接するまでピストン押圧部131をマニュアルで前進させることができる。ピストン押圧部131がピストン220に当接したかどうかの判断は目視でよい。上記第2の距離は、例えば2〜10mm、好ましくは3〜8mmとすることができる。
以上、本発明について、ピストン押圧部131の前進方向での物体との間の距離を検出する検出器が近接センサ132である場合を説明したが、検出器は近接センサ132である必要はなく、任意の測距センサを用いることができる。また、検出器の取り付け位置についても、ピストン押圧部131に限らず、用いる検出器に応じた適宜位置とすることができる。
検出器が光学式の近接センサ132である場合は、前述したように近接センサ132をピストン押圧部131の前端面に配置することが好ましい。光学式の近接センサ132は、受光素子が受光した光の強度に基づいてピストン220の末端面との距離を検出するため、検出精度を向上させるためには、近接センサ132を、その発光素子から出射する光の光軸がピストン押圧部131の移動方向と平行になるように配置することができる。しかし、発光素子の光源がLEDなど、出射した光が拡がりをもって進行するものである場合、光の指向性やピストン押圧部131の反射特性などによっては、ピストン220の末端面だけでなくピストン押圧部131で反射した光も受光してしまい、結果的に正確な距離を検出できないことがある。
そこで、ピストン押圧部131で反射して近接センサ132の受光素子に到達する光の強度が、近接センサ132による距離の検出に影響を与えない程度に、近接センサ132を、発光素子から出射する光の光軸をピストン押圧部131の進行方向に対して傾けて配置することが好ましい。
また、上述した実施形態では、準備動作の間、ピストン押圧部131とピストン220の末端面との間の距離がゼロになるまで検出器による検出が継続的に行われる場合を説明したが、ピストン押圧部131の移動速度を低下させる準備動作の最後の所定の区間(前述の第2区間)では、検出器による検出結果ではなく、あるいは検出器による検出結果と照合しながら、モータ145が備えるエンコーダ(不図示)のカウント数とピストン押圧部131の移動距離との関係に基づいて、所定の区間でのピストン押圧部131の移動速度が制御されるようにすることもできる。
さらに、ピストン駆動機構130をマニュアルで操作できるようにするための入力デバイス134を有し、かつ、検出器による検出可能距離が10mm以下である場合は、所定の区間でのピストン押圧部131の移動速度は、ゼロであってもよい。つまり、制御部141は、検出器が物体を検出した時点でピストン押圧部131の前進を停止させてもよい。この意味では、本発明における、所定の区間でのピストン押圧部の移動速度の低下は、ピストン押圧部の移動速度がゼロであること、すなわちピストン押圧部を停止させることも含む。
検出器が物体を検出した時点でピストン押圧部131の前進を停止させることによって、ピストン220とピストン押圧部131との間に物体として障害物が存在していた場合に、障害物をピストン220とピストン押圧部131とで挟み付けることを確実に防止できる。ピストン220とピストン押圧部131との間に障害物が存在しない場合は、ピストン押圧部131はピストン220に当接する前に動作が停止するが、その後、操作者が入力デバイス134を用いて、ピストン押圧部131がピストン220に当接するまでピストン押圧部131をマニュアルで前進させることができる。なお、ピストン押圧部131の前進を停止させたとき、操作者へ注意を促すために、薬液注入装置は、ピストン押圧部131の移動の停止を音声によって報知するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、注入制御ユニット101のみが表示デバイス143を備えた場合を示したが、薬液注入装置は、注入制御ユニット101に備えられた表示デバイス143とは別に第2の表示デバイスを備えることもできる。
通常、注入ヘッド110は、透視撮像装置300(図1参照)とともに、検査室に配置され、注入制御ユニット101は、検査室に隣接する操作室に配置される。検査室と操作室とは、操作室から検査室を観察できるようにガラス窓を介して隔てられている。薬液の注入に関する各種設定は、操作室内に配置された注入制御ユニット101を操作者が適宜操作することによって行われるが、注入の準備段階では、被験者への注入針の穿刺あるいはカテーテルの挿入、チューブ内のエア抜き、および注入ヘッド110の動作確認などのため、操作者は検査室内で様々な作業を行う。この準備段階で、操作者が操作室に移動することなく注入条件などを確認することができるようにするために、第2の表示デバイスは、検査室内に配置されることが好ましい。
第2の表示デバイスA151には、薬液の注入に関する種々のデータ、例えば、撮像対象部位、被験者の体重、薬液の注入速度、薬液の注入量、注入する薬液の種類、薬液の注入プロトコルなどを表示することができる。併せて、準備動作および注入動作において、ピストン押圧部の動作を停止させたとき、その旨をメッセージやアイコンなどで表示表示させるようにすることもできる。
第2の表示デバイスは、検査室内でも特に、注入ヘッドの近傍に配置することが好ましく、例えば、注入ヘッドに一体に設けたり、注入ヘッドを支持する部材に設けたりすることができる。図5を参照すると、注入ヘッド110に一体に設けられた第2の表示デバイスA151の一例が示される。一方、図6に示す例では、ヘッド支持構造A158に、注入ヘッド110と第2の表示デバイスA151とが支持されている。ヘッド支持構造A158は、公知の可動式スタンドの一部であってもよいし、天井に固定される多関節の支持アームアセンブリの一部であってもよい。図7に示すように、支持アームアセンブリ160は、例えば、天井に固定されるベース部161と、ベース部161から延びる多関節のアーム部163を有するものとすることができる。図7に示す例では、第2の表示デバイスA151は、アーム部163の、鉛直方向に延びて下端部に注入ヘッド110が取り付けられるアームの中間部に取り付けられている。
第2の表示デバイスA151は、連結機構A155を介してヘッド支持構造A158に接続されている。特に限定されるものではないが、第2の表示デバイスA151が、注入ヘッド110と間隔をあけて、注入ヘッド110の上方に位置してもよい。連結機構A155は、例えば、鉛直軸周りおよび/または水平軸周りに注入ヘッド110が回動できるように注入ヘッド110を保持するものであってもよい。第2の表示デバイスA151と注入ヘッド110および/または注入制御ユニット101(図2等参照)との接続は、ケーブルを介した有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
上述のような構成によれば、第2の表示デバイスA151の向きを、注入ヘッド110の向きとは無関係に、上下方向および左右方向に広範囲で調整できるので、操作者が第2の表示デバイスA151をより視認しやすいものとなる。また、第2の表示デバイスA151を注入ヘッド110と間隔をあけて配置することにより、第2の表示デバイスA151を、注入ヘッド110やその他の装置にノイズの影響を与えにくい最適位置に配置することができる。さらに、第2の表示デバイスA151を無線接続とすることにより、ケーブルを介してのノイズの伝播を防止することができる。
ノイズとしては、検出器が受け取るかもしれない外部からのノイズもある。ノイズの影響で検出器が誤検出する場合もある。また、検査室には、電波、電磁波、X線、蛍光灯、無線を含め、様々なノイズが存在している。これらのノイズの影響を最小限とすることは、本発明にとって重要である。
第2の表示デバイスA151は、タッチパネルであることが好ましい。第2の表示デバイスA151をタッチパネルとし、注入条件等の設定のためのデータ入力、注入ヘッド110の動作の開始および停止の操作などを第2の表示デバイスA151からも行えるようにすることで、準備段階および注入の初期段階において注入条件を変更したり注入を停止したりする場合が生じたときに、操作者は操作室に戻ることなくその場で注入条件を変更することができるようになる。注入条件を変更したり注入を停止したりする場合としては、例えば、被験者の体調が思わしくなく、正規の注入条件よりも注入条件を緩和したほうが良いと判断される場合や、血管からの薬液の漏れが生じた場合などが挙げられる。
また、上述した実施形態は、MRI装置に適合する薬液注入装置100を例に挙げて説明したが、本発明は、それに限らず、CT装置、PET装置、アンギオ装置およびMRA装置など、任意の透視撮像装置に適合するものとすることができる。
なお、本発明は、準備動作におけるピストン駆動機構の動作を、検出器による検出結果に基づいて制御するものであるが、万が一検出器が故障等して検出器からの検出結果が得られなかった場合には、準備動作においてピストン押圧部がシリンジのピストンを押し込んでしまい、薬液の誤注入が生じることがある。そこで、このような事態が生じないようにするため、薬液注入装置は、ピストン駆動機構のための安全装置をさらに備えていることが好ましい。
ピストン駆動機構のための安全装置としては、ピストン押圧部の先端が他の物体に接触したことを検出することができる種々の手段を用いることができ、例えば、スイッチを、その作動体をピストン押圧部の先端面から突出させて設置し、準備動作中にシリンジのピストンや他の物体が作動体に接触してスイッチが動作する(オンになる)ことにより、ピストン押圧部の先端面への物体の接触を検出するようにしたものが挙げられる。あるいは、ピストン押圧部の先端面に歪みゲージを設置し、ピストン押圧部の先端面にシリンジのピストンや他の物体が接触することによる歪みゲージの出力変化によってピストン押圧部の先端面への物体の検出を検出するようにしたものも用いることができる。
さらに、ピストン駆動機構のための安全装置の他の例として、ピストン押圧部に物体が接触し、その状態でさらにピストン押圧部を前進させようとしたときにピストン駆動機構を駆動するモータに作用する負荷が増加することを利用したシステムを用いることもできる。このようなシステムとしては、例えば、モータに流れる電流の変化に基づいてピストン押圧部の先端面への物体の接触を検出するようにしたもの、あるいは、モータの回転数の変化に基づいてピストン押圧部の先端面への物体の接触を検出するようにしたものなどが挙げられる。このように、モータの電流あるいは回転数の変化に基づいてピストン押圧部の先端面への物体の接触を検出するようにすることによって、ピストン押圧部の先端面への物体の接触を検出するためのスイッチなどが不要であるため、構造を簡単にすることができる。
これらピストン駆動機構のための安全装置は、ピストン押圧部の先端面への物体の接触を検出した後、直ちにピストン押圧部の前進を停止させてもよいし、接触の検出後、ピストン押圧部を少しだけ前進させ、その前進分だけ後退させるようにしてもよい。
また、本発明は、データキャリアが搭載されていないシリンジが使用される場合に特に有効であるが、もちろん、図7に示すように、ICタグ(例えばRFIDタグ)などのデータキャリア230が搭載されたシリンジ200が用いられ、そのデータキャリア230に記録されたデータを読み出すことのできるリーダ160を備えた薬液注入装置においても本発明は有効である。リーダ160は、シリンジ200が注入ヘッド101に正常に装着されることによってデータキャリア230を読み出すことのできる位置、例えば、注入ヘッド110が、シリンジ200を注入ヘッド110の所定位置に装着した後、さらに90度回転させることによって正常に保持される構造である場合、その90度回転させた状態でデータキャリア230と対向する位置に搭載されることが好ましい。
データキャリアには、シリンジに充填されている薬液に関する、製造メーカ、薬液の種類、品番、含有成分(特に、薬液が造影剤の場合はヨード含有濃度など)、充填量、ロット番号、消費期限など種々のデータの他に、シリンジに関する、製造メーカ、品番といった固有識別番号、耐圧値、シリンジの容量、ピストンストローク、必要な各部の寸法、ロット番号などのデータが記録されている。薬液注入装置は、データキャリアに記録されているデータをリーダによって読み出し、読み出したデータに基づいて、ピストンの末端位置、さらにはピストン押圧部の位置に基づいてピストン押圧部からピストン末端までの距離を求めることができる。したがって、薬液注入装置は、準備動作において、データキャリアから読み出したデータに基づいて求められたピストン末端位置と、検出器によって検出されたピストン末端までの距離を照合しながらピストン押圧部を前進させることによって、ピストン押圧部の動作をより高い精度で制御することができる。
本発明において、薬液注入装置を構成する、注入ヘッド、注入制御ユニット、第2の表示デバイスなどの各ユニットが無線接続される場合、これらは無線中継ボックス(AC電源含む)で中継することができる。無線中継ボックスは、各ユニットの無線通信の制御機能を有する場合もあるし有しない場合もある。また、無線中継ボックスは、検査室に設置されてもよいし、操作室に設置されてもよいし、検査室および操作室の両方に設置されてもよい。検査室に設置された無線中継ボックスから、操作室に設置された注入制御ユニットに無線で信号を送信する場合もある。また、薬液注入装置は、ピストン駆動機構の動作の開始および停止を制御する操作リモコンをさらに含み、この操作リモコンによって、無線中継ボックスを介した無線通信を利用してピストン駆動機構を動作および停止させることもできる。
さらに、本発明が適用可能な薬液注入装置としては、注入制御ユニットおよび注入ヘッドが一体式のものもある。このような一体式の薬液注入装置は、検査室に設置され、上記の操作リモコンを使用して、操作室から動作を制御することができる。
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
シリンダと該シリンダに進退移動可能に挿入されているピストンとを有するシリンジを着脱自在に保持するシリンジ保持部と、
前記シリンジ保持部に保持されたシリンジのピストンを少なくとも前進させるための、前記ピストンの末端を押圧するように動作されるピストン押圧部を備えたピストン駆動機構と、
を有し、
前記ピストン押圧部を初期位置から前記ピストンの末端に当接する位置まで前進させる準備動作の最後の所定の区間で前記ピストン押圧部の移動速度が低下するように前記ピストン駆動機構の動作が制御される薬液注入装置であって、
前記ピストンと前記ピストン押圧部との距離を検出するように配置された検出器をさらに有し、
前記準備動作での前記ピストン押圧部の動作が、前記検出器による検出結果に基づいて制御されるように構成された薬液注入装置。
(付記2)
前記検出器は、前記準備動作中の前記ピストン押圧部の前進方向における、前記検出器と物体との間の距離を検出することができる付記1に記載の薬液注入装置。
(付記3)
前記準備動作の間、前記検出器による検出が行なわれ、
前記検出器によって検出された距離が所定の距離以下になると、前記ピストン押圧部の移動速度が低下するように前記ピストン押圧部の動作が制御される付記1または2に記載の薬液注入装置。
(付記4)
前記検出器によって検出された距離がゼロとなる位置で前記ピストン押圧部の前進が停止するように前記ピストン押圧部の動作が制御される付記3に記載の薬液注入装置。
(付記5)
前記ピストン押圧部の移動を手動で操作するためのデバイスをさらに有し、
前記検出器によって検出された距離が前記所定の距離よりも小さい第2の距離となる位置で前記ピストン押圧部の前進が停止するように前記ピストン押圧部の動作が制御される付記3に記載の薬液注入装置。
(付記6)
前記ピストン押圧部の移動を手動で操作するためのデバイスをさらに有し、
前記検出器は、距離の検出可能範囲が10mm以下であり、前記ピストン押圧部は、前記検出器が物体を検出した時点で前進が停止される付記3に記載の薬液注入装置。
(付記7)
前記検出器は、前記ピストン押圧部に設けられた近接センサである付記1から6のいずれか1項に記載の薬液注入装置。
(付記8)
前記近接センサは、光学式近接センサである付記7に記載の薬液注入装置。
100 薬液注入装置
101 注入制御ユニット
110 注入ヘッド
120 ケーシング
130 ピストン駆動機構
131 ピストン押圧部
132 近接センサ
141 制御部
142 入力デバイス
143 表示デバイス
144 モータ制御部
145 モータ
200 シリンジ
210 シリンダ
220 ピストン
250 延長チューブ
300 透視撮像装置
301 スキャナ
302 撮像制御ユニット
1000 画像診断システム
A151 第2の表示デバイス

Claims (7)

  1. シリンダと該シリンダに進退移動可能に挿入されているピストンとを有するシリンジを着脱自在に保持するシリンジ保持部と、
    前記シリンジ保持部に保持されたシリンジのピストンを少なくとも前進させるための、前記ピストンの末端を押圧するように動作されるピストン押圧部を備えたピストン駆動機構と、
    前記ピストン押圧部の前端面に配置され、前記ピストン押圧部の前進方向で前記ピストン押圧部と対向する物体と前記ピストン押圧部との距離に応じた検出結果を出力する検出器と、
    前記ピストン押圧部の移動を手動で操作するためのデバイスと、
    を有し、
    前記ピストン押圧部を初期位置から前記ピストンの末端に当接する位置まで前進させる準備動作での前記ピストン押圧部の動作が、前記検出器による検出結果に基づいて制御され、かつ、前記準備動作の最後の所定の区間で前記ピストン押圧部のさらなる前進を促進するような前記デバイスからの入力操作が無効にされるように構成された薬液注入装置。
  2. 前記距離が所定の距離以下になると、移動速度が低下するように前記ピストン押圧部の動作が制御される請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 記距離がゼロとなる位置で前記ピストン押圧部の前進が停止するように前記ピストン押圧部の動作が制御される請求項に記載の薬液注入装置。
  4. 前記距離が所定の距離よりも小さい第2の距離となる位置で前記ピストン押圧部の前進が停止するように前記ピストン押圧部の動作が制御される請求項1に記載の薬液注入装置。
  5. 記検出器は、距離の検出可能範囲が10mm以下であり、前記ピストン押圧部は、前記検出器が前記物体を検出した時点で前進が停止される請求項に記載の薬液注入装置。
  6. 前記検出器は、発光素子および受光素子を有する光学式センサである請求項1からのいずれか1項に記載の薬液注入装置。
  7. 前記光学式センサは、前記発光素子から出射する光の光軸が前記ピストン押圧部の進行方向に対して傾けて配置されている請求項に記載の薬液注入装置。
JP2017064603A 2012-02-29 2017-03-29 薬液注入装置 Active JP6340450B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012044099 2012-02-29
JP2012044099 2012-02-29

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014502366A Division JP6121399B2 (ja) 2012-02-29 2013-02-28 薬液注入装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017136411A JP2017136411A (ja) 2017-08-10
JP2017136411A5 JP2017136411A5 (ja) 2018-03-08
JP6340450B2 true JP6340450B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=49082761

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014502366A Active JP6121399B2 (ja) 2012-02-29 2013-02-28 薬液注入装置
JP2017064603A Active JP6340450B2 (ja) 2012-02-29 2017-03-29 薬液注入装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014502366A Active JP6121399B2 (ja) 2012-02-29 2013-02-28 薬液注入装置

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP6121399B2 (ja)
WO (1) WO2013129570A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11020532B2 (en) 2014-02-28 2021-06-01 Nemoto Kyorindo Co., Ltd. Injecting apparatus and rear end detection device
JP6510490B2 (ja) * 2014-03-17 2019-05-08 株式会社根本杏林堂 注入装置及び注入装置の制御装置
AU2015277462A1 (en) * 2014-06-16 2017-01-05 Bayer Healthcare Llc Syringe identification using photochromic ink
WO2018060822A1 (en) * 2016-09-29 2018-04-05 Koninklijke Philips N.V. System and method for a syringe infusion pump that prevents an accidental bolus upon installation of the syringe
JP7067447B2 (ja) * 2018-12-06 2022-05-16 株式会社島津製作所 試料注入装置
DE102021118221A1 (de) 2021-07-14 2023-01-19 B. Braun Melsungen Aktiengesellschaft Spritzenpumpe und Verfahren zum verbesserten Einlegen einer Spritze

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56104606U (ja) * 1980-01-16 1981-08-15
JPH06241206A (ja) * 1993-02-19 1994-08-30 Toyota Motor Corp ピストン速度制御装置
JP4286019B2 (ja) * 2003-02-04 2009-06-24 株式会社根本杏林堂 薬液注入システム
US7771389B2 (en) * 2004-02-17 2010-08-10 Mallinckrodt Inc. Injector auto purge
JP5178709B2 (ja) * 2007-04-02 2013-04-10 株式会社根本杏林堂 薬液注入装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6121399B2 (ja) 2017-04-26
JPWO2013129570A1 (ja) 2015-07-30
WO2013129570A1 (ja) 2013-09-06
JP2017136411A (ja) 2017-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6340450B2 (ja) 薬液注入装置
CN110621366B (zh) 智能可穿戴式注射和/或输注装置
US8282595B2 (en) Powerhead of a power injection system
JP6839853B2 (ja) 薬液注入回路、該薬液注入回路を備えた薬液注入システムおよび医用画像撮像システム
JP6392418B2 (ja) 薬液注入装置および薬液注入システム
CN104203309B (zh) 具有活塞接近感测的药物输送装置
JP6723160B2 (ja) 薬液注入装置
JP6804977B2 (ja) 薬液吸引装置、薬液注入システムおよび透視撮像システム
WO2008004670A1 (fr) Système de remplissage et d'injection de liquide chimique, et dispositif de remplissage associé
WO2006054650A1 (ja) コントローラ装置
CN113713202B (zh) 高压造影剂注射系统
JP5511409B2 (ja) 薬液注入システム
WO2011087059A1 (ja) 漏出検出ユニットおよび漏出検出システム
JP6316618B2 (ja) 注入装置及びアダプタ検出装置
JPWO2008126854A1 (ja) 薬液注入装置
JP2014176710A (ja) 薬液注入システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180403

TRDD Decision of grant or rejection written
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180411

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6340450

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250