JP6340314B2 - 巻上機及びエレベータ - Google Patents

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Description

本発明は、乗りカゴを乗降動作させる巻上機及び、この巻上機を備えたエレベータに関するものである。
従来、エレベータは、乗りカゴと、釣合錘と、乗りカゴと釣合錘とを連結する主索と、この主索が巻回される巻上機とを備えている。巻上機は、主軸と、主軸に回転可能に支持され、主索が巻回される綱車と、綱車に接続されるブレーキドラムとを有している。また、安全のために、巻上機には、ブレーキドラムの駆動を制動する電磁ブレーキが設けられている。
特許文献1に記載された技術には、電磁ブレーキのブレーキライニングをブレーキドラムの外周面に圧接させることで、ブレーキドラムの駆動を制動する巻上機が記載されている。さらに、この特許文献1に記載された技術では、ブレーキドラムの周縁部の軸回転方向と直交する断面形状は、略T字状に形成されている。また、周縁部において綱車側の突合せ部の開口角は、略鋭角に形成されている。この開口角は、ブレーキドラムの回転運動によってブレーキドラムの側面を伝わってくる油を溜める油溝となる。
特開2013−100175号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ブレーキドラムの外周面と筐体の内壁との間には隙間があり、この隙間の綱車側が開放されている。そして、ブレーキドラムの外周面におけるブレーキライニングが圧接する接触面は、この隙間によって露出されている。そのため、例えば、エレベータを駆動させると、主索や綱車等に付着している油が、巻上機の上面や側面に飛散し、綱車側の隙間から接触面に直接侵入してくる場合がある。したがって、特許文献1に記載された技術では、ブレーキドラムの外周面におけるブレーキライニングが圧接する接触面に直接侵入してくる油の対策が十分ではなく、電磁ブレーキの制動力が低下するおそれがあった。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、ブレーキドラムの外周面におけるブレーキライニングが圧接する接触面への油の侵入を抑制することができる巻上機及びエレベータを提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の巻上機は、主軸と、筐体と、ブレーキドラムと、綱車と、電磁ブレーキと、遮蔽体と、を有する。筐体は、主軸に固定され、主軸の軸方向の一方が開口した凹部を有する。ブレーキドラムは、主軸に回転可能に支持され、凹部に挿入される。綱車は、ブレーキドラムにおける軸方向の一側に配置され、ブレーキドラムと一体的に回転する。電磁ブレーキは、ブレーキドラムの外周面に対向して配置され、ブレーキドラム及び綱車の回転を制動する。遮蔽体は、外周面と、外周面と対向する凹部の内壁面との間の隙間を軸方向の一側から遮蔽する。遮蔽体には、主軸の軸方向に対して鉛直方向の下方に向けて傾斜した傾斜部が接続されている。そして、電磁ブレーキには、電磁ブレーキの全体を覆うカバー部材が設けられ、カバー部材と傾斜部とは、一体に形成されている。
また、本発明のエレベータは、昇降路内を昇降する乗りかごと、乗りかごと主索を介して連結される釣合錘と、主索を巻き掛けることにより乗りかごを昇降させる巻上機と、を備えている。また、巻上機は、上述した巻上機が用いられる。
本発明の巻上機及びエレベータによれば、ブレーキドラムの外周面におけるブレーキライニングが圧接する接触面への油の侵入を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態例にかかるエレベータを模式的に示す概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかるエレベータの水平断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機の正面図である。 図3に示すS−S線断面図である。 図3に示すT−T線断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機の遮蔽体を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機の要部を拡大して示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機における第1電磁ブレーキの第1カバー部材を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機における第1電磁ブレーキに第1カバー部材が装着された状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機における第1電磁ブレーキに第1カバー部材が装着された状態を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機における第2電磁ブレーキの第2カバー部材を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる巻上機における第2電磁ブレーキに第2カバー部材が装着された状態を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態例にかかる巻上機の要部を拡大して示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態例にかかる巻上機の要部を拡大して示す説明図である。
以下、本発明のエレベータの実施の形態例について、図1〜図14を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
<1.第1の実施の形態例>
[1−1.エレベータの構成]
まず、本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベータの構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本例のエレベータ1を模式的に示す概略構成図である。また、図2は、本例のエレベータの水平断面図である。
本例のエレベータ1は、建物構造物内に形成された昇降路100の上方に機械室を有しない、いわゆる機械室レスエレベータである。図1に示すように、エレベータ1は、昇降路100内を昇降する乗りかご110と、釣合錘120と、主索130と、2つの従動プーリ140,150と、巻上機10と、を備えている。
乗りかご110の下部には、せり上げ用プーリ111が設けられている。また、乗りかご110は、一対のかご用ガイドレール112(図2参照)に案内されて、昇降路100内を昇降する。一対のかご用ガイドレール112は、昇降路100内に設けられており、昇降路100内の上下方向に延びている。
釣合錘120には、錘側プーリ121が設けられている。また、釣合錘120は、一対の錘用ガイドレール122(図2参照)に案内されて、昇降路100内を昇降する。一対の錘用ガイドレール122は、昇降路100内に設けられており、昇降路100内の上下方向に延びている。
主索130の一端と他端は、昇降路100の最上部に固定されている。この主索130は、釣合錘120の錘側プーリ121から第1の従動プーリ140に装架され、そして巻上機10、第2の従動プーリ150、乗りかご110のせり上げ用プーリ111の順に巻き掛けられている。また、2つの従動プーリ140,150は、昇降路100の上部に固定されている。
巻上機10は、昇降路100の最下部に配置されており、主索130を介して乗りかご110及び釣合錘120をつるべ式に昇降させるものである。この巻上機10は、筐体12と、綱車14と、一対の電磁ブレーキ16a,16bと、を有している。また、図2に示すように、巻上機10は、乗りかご110側に筐体12が位置し、昇降路100の壁面側に綱車14が位置するように配置されている。
綱車14は、略円筒状に形成され、主索130が巻き掛けられている。そして、綱車14がモータによって回転することで主索130が駆動し、乗りかご110及び釣合錘120が昇降路内を昇降する。なお、巻上機10の詳細な構成は、後述する。
[1−2.巻上機の構成]
次に、図3〜図5を参照して本例の巻上機10について説明する。
図3は、本例の巻上機10の正面図である。また、図4は、図3に示すS−S線断面図、図5は、図3に示すT−T線断面図である。
図3に示すように、巻上機10は、主軸11と、筐体12と、ブレーキドラム13と、綱車14と、遮蔽体15と、一対の電磁ブレーキ16a,16bと、一対のカバー部材17a,17bと、を有する。また、図4及び図5に示すように、巻上機10は、モータ固定子18と、モータ回転子19と、を有する。そして、本例の巻上機10は、モータ固定子18の半径方向の外側にモータ回転子19が配置されるアウターロータ式の巻上機である。
下記の説明においては、主軸11の軸方向をX方向とする。また、主軸11の軸方向に対して鉛直方向をZ方向とする。さらに、X方向、及びZ方向に直交する方向をY方向とする。すなわち、X方向、及びY方向で形成される平面は、Z方向に対する水平面となる。
なお、ブレーキドラム13、及び綱車14は、X方向の一側に配置され、筐体12は、X方向の他側に配置されている。
図4及び図5に示すように、筐体12は、主軸11に固定されている。筐体12は、主軸11が取り付けられるボス部21と、モータ固定子18が固定される取付部22と、ボス部21と取付部22とを連結する連結部23と、を有している。
ボス部21には、主軸11のX方向の他端部が嵌合している。また、ボス部21の半径方向の外側には、連結部23を介して取付部22が設けられている。取付部22は、X方向の他側が閉塞し、X方向の一側が略円筒状の凹部24となっている。すなわち、凹部24は、X方向の一方が開口している。この凹部24には、鉄芯とこの鉄芯に巻回された複数のコイルからなるモータ固定子18が固定されている。
取付部22における半径方向の外側には、X方向の一側に向けて突出する外壁部25が設けられている。また、外壁部25における半径方向の内側は、内壁面25aとなっている。この内壁面25aは、後述するブレーキドラム13の外周面13aと対向する面である。なお、内壁面25aは、取付部22における凹部24の一部である。また、外壁部25のX方向の一端部は、遮蔽体15と接続される端部25bとなっている。
図4に示すように、Z方向の一側に配置される外壁部25には、第1開口部26aが形成されている。Z方向の他側に配置される外壁部25には、第2開口部26bが形成されている。
図3に示すように、筐体12におけるZ方向の一端面である上面12aには、第1膨出部27aが設けられている。第1膨出部27aは、上面12aにおけるY方向の中央部に配置されている。また、第1膨出部27aは、Z方向の一側に向かって膨出する凸形状である。すなわち、第1膨出部27aは、Z方向に沿って、上面12aよりも一段高い段差形状となっている。
また、第1膨出部27aは、上面12aのY方向に所定の幅を有しており、上面12aのX方向に延設されている(図9参照)。第1膨出部27aの幅は、上面12aのY方向において、少なくとも第1開口部26aの幅よりも大きく形成される。そして、第1膨出部27aは、第1開口部26aを囲むように配置される(図9参照)。また、第1膨出部27aのZ方向の厚みは、目的・用途に応じて適宜設定されているものとする。
また、図4に示すように、筐体12の上面12aには、第1設置部28aが第1開口部26aよりもX方向の他側に設けられている。第1設置部28aには、後述の第1カバー部材17aが載置される。第1設置部28aは、Z方向に沿って、上面12aよりも一段低い段差形状となっている。また、第1設置部28aは、上面12aのY方向に延設されている(図9参照)。
図3に示すように、筐体12におけるZ方向の他端面である下面12bには、第2膨出部27bが設けられている。第2膨出部27bは、下面12bにおけるY方向の中央部に配置されている。また、第2膨出部27bは、Z方向の一側に向かって膨出する凸形状である。すなわち、第2膨出部27bは、Z方向に沿って、下面12bよりも一段低い段差形状となっている。
また、第2膨出部27bは、第1膨出部27aと同様に、下面12bのY方向に所定の幅を有しており、下面12bのX方向に延設されている。第2膨出部27bの幅は、下面12bのY方向において、少なくとも第2開口部26bの幅よりも大きく形成される。そして、第2膨出部27bは、第2開口部26bを囲むように配置される。また、第2膨出部27bのZ方向の厚みは、目的・用途に応じて適宜設定されているものとする。
また、図4に示すように、筐体12の下面12bには、第2設置部28bが、第2開口部26bよりもX方向の他側に設けられている。第2設置部28bには、後述の第2カバー部材17bが載置される。第2設置部28bは、Z方向に沿って、下面12bよりも一段高い段差形状となっている。また、第2設置部28bは、第1膨出部27aと同様に、下面12bのY方向に延設されている。
筐体12のZ方向の上方には、第1電磁ブレーキ16aが配置されている。また、筐体12のZ方向の下方には、第2電磁ブレーキ16bが配置されている。
第1電磁ブレーキ16aは、第1ブレーキライニング61aを有している。第1ブレーキライニング61aは、ブレーキドラム13の外周面13aを圧接するためのものである。また、第1ブレーキライニング61aは、第1開口部26aに挿入される。そして、第1電磁ブレーキ16aは、第1カバー部材17aによって覆われている。
第2電磁ブレーキ16bは、第2ブレーキライニング61bを有している。第2ブレーキライニング61bは、ブレーキドラム13の外周面13aを圧接するためのものである。また、第2ブレーキライニング61bは、第2開口部26bに挿入される。そして、第2電磁ブレーキ16bは、第2カバー部材17bによって覆われている。なお、第1カバー部材17a、及び第2カバー部材17bの詳細な構成は、後述する。
また、図4及び図5に示すように、主軸11のX方向の一側には、ブレーキドラム13と綱車14が接続部31を介して一体に構成されている。
綱車14は、略円筒状に形成されている。綱車14の半径方向の中心には、円筒状の軸受ハウジング41が設けられている。軸受ハウジング41の筒孔の内壁には、軸受42が設けられている。軸受ハウジング41は、主軸11のX方向の一側に、軸受42を介して回転可能に支持されている。
また、軸受ハウジング41におけるX方向の一側の開口には、その開口を閉じるようにして軸受カバー43が設けられている。この軸受カバー43には、例えば、液体ガスケットやシール剤、あるいはOリング等が配置されており、軸受ハウジング41の開口を密閉している。
接続部31は、綱車14におけるX方向の他端部から半径方向の外側に向けて略垂直に連続している。また、接続部31における半径方向の外側には、ブレーキドラム13が設けられている。
ブレーキドラム13は、接続部31の端部から、綱車14と反対方向に向けて突出している。ブレーキドラム13は、略円筒状に形成されている。また、ブレーキドラム13は、筐体12の取付部22に固定されたモータ固定子18と筐体12の内壁面25aの間に挿入される。すなわち、ブレーキドラム13は、凹部24に挿入される。
ブレーキドラム13は、その半径方向の外側に、第1ブレーキライニング61a、及び第2ブレーキライニング61bが押しつけられる外周面13aを有する。また、ブレーキドラム13は、その半径方向の内側に、モータ回転子19を固定するための内周面13bを有する。
モータ回転子19は、磁性体からなる部材で構成されている。そして、モータ回転子19は、モータ固定子18の半径方向の外側に所定の間隔をあけて対向するように配置されている。
本例においては、例えば、モータ固定子18に交流電流を流すと、ブレーキドラム13の周方向に回転する磁界が発生するため、モータ回転子19に電磁力が作用する。これにより、ブレーキドラム13及び綱車14は、一体的に回転する。そして、綱車14が回転することで、図1に示す主索130が綱車14に巻き取られる。
一方、巻上機10の制動時においては、第1電磁ブレーキ16a、及び第2電磁ブレーキ16bが駆動することで、第1ブレーキライニング61a、及び第2ブレーキライニング61bがブレーキドラム13の外周面13aに押しつけられる。これにより、ブレーキドラム13及び綱車14の回転が制動される。
また、ブレーキドラム13には、外周面13aの周方向に沿って溝部13cが形成されている。溝部13cは、外周面13aにおける第1ブレーキライニング61a、及び第2ブレーキライニング61bが圧接する接触面よりもX方向の一側に形成されている。また、溝部13cは、ブレーキドラム13の半径方向に沿って切断した際の断面形状において、外周面13aから半径方向の内側に一定の深さを有する。この溝部13cには、後述する遮蔽体15の端部15fが挿入される。
[遮蔽体]
次に、図6及び図7を参照して本例の巻上機10の遮蔽体15について説明する。図6は、本例の巻上機10の遮蔽体15を示す斜視図である。また、図7は、本例の巻上機10の要部を拡大して示す説明図である。
図6に示すように、遮蔽体15は、略リング状の平板である。遮蔽体15は、円形の開口部を有している。また、遮蔽体15は、4つの遮蔽片15a,15b,15c,15dにより構成されている。
4つの遮蔽片15a,15b,15c,15dは、周方向に等角度間隔で分割された円弧状の平板として形成されている。そして、4つの遮蔽片15a,15b,15c,15dをそれぞれつなぎ合わせることにより、略リング状の平板が形成される。遮蔽片15a,15cには、筐体12と接続するための接続孔15eが形成されている。
図7に示すように、遮蔽体15は、ねじ51aにより、第1カバー部材17aと共に、筐体12の端部25bに固定されている。ねじ51aは、X方向の一側から第1カバー部材17a及び遮蔽体15を貫通する。そして、ねじ51aの先端部は、筐体12の端部25bのねじ穴に挿入される。そのため、遮蔽体15の接続孔15eは、筐体12の端部25bのねじ穴に合わせて形成されている。
また、図6に示すように、遮蔽体15の半径方向の内側の開口端は、溝部13cに挿入される端部15fである。そのため、遮蔽体15の開口部の半径は、ブレーキドラム13の外径よりも小さく設定されている。
図7に示すように、遮蔽体15の端部15fと溝部13cの底部の間隔L1は、ブレーキドラム13の半径方向に沿って切断した際の断面形状において、その周方向に沿って一定に保たれている。そのため、遮蔽体15がブレーキドラム13と干渉することがない。したがって、遮蔽体15は、ブレーキドラム13の回転駆動を妨げることがない。
なお、遮蔽体15は、略リング状として説明したが、間隔L1を一定に保つことができれば、これに限られない。遮蔽体15の形状としては、略リング状の平板に限られず、平板状の部材に円形の開口が形成されていればよい。すなわち、遮蔽体15としては、例えば、四角形状の平板に円形の開口が形成された形状であってもよい。
また、溝部13cの側壁と遮蔽体15の側面の間隔L2は、例えば、0.5〜1mmとなるように設定されている。また、遮蔽体15のX方向の厚みは、溝部13cの大きさ等を考慮して、適宜設定されるものとする。
ここで、巻上機10の回転時においては、ブレーキドラム13及び綱車14の遠心力によって、主軸11の軸方向の一側が高圧側となる。そのため、外周面13aと筐体12の内壁面25aとの間の隙間には、巻上機10の上面や側面等に飛散した油が侵入してくる場合がある。
図7に示すように、本例の遮蔽体15は、外周面13aと筐体12の内壁面25aとの間の隙間を、X方向の一側から遮蔽している。さらに、遮蔽体15の端部15fが溝部13cに挿入されることにより、隙間のX方向の一側にラビリンス構造(ラビリンスシール)が形成される。本例では、溝部13cと、遮蔽体15によってラビリンス構造を有する非接触式シール機構50が構成されている。
非接触式シール機構50は、隙間のX方向の一側から他側に油が流れ込む際の抵抗となる。したがって、ブレーキドラム13の外周面13aにおける第1ブレーキライニング61a及び第2ブレーキライニング61bが圧接する接触面への油の侵入を抑制することができる。
また、ブレーキドラム13の外周面13aにおける第1ブレーキライニング61a及び第2ブレーキライニング61bが圧接する接触面への油の侵入を抑制する観点から、間隔L1及び間隔L2は、小さく設定されていることが好ましい。
なお、図6に示すように、遮蔽体15は、4つの遮蔽片15a,15b,15c,15dにより構成される例を説明したが、これに限られない。例えば、遮蔽体15は、分割されていないものであってもよい。この場合、焼き嵌めにより、遮蔽体15の端部15fを溝部13cに挿入する。しかしながら、本例では分割された遮蔽片により遮蔽体15が構成されることにより、焼き嵌めに比べて、溝部13cに端部15fを挿入する際の寸法合わせが容易となる。また、遮蔽体15は、例えば、2つ、または3つの遮蔽片により構成されていてもよいし、5つ以上の遮蔽片により構成されていてもよい。
また、遮蔽片15a,15b,15c,15dの円周方向の分割する角度間隔は、等角度間隔に限られず、それぞれ異なる角度間隔であってもよい。この間隔は、その用途・目的に合わせて適宜設定されるものとする。
[第1カバー部材]
次に、図8〜図10を参照して本例の巻上機10における第1カバー部材17aの詳細な構成について説明する。
図8は、本例の巻上機10における第1カバー部材17aを示す斜視図、図9は、第1電磁ブレーキ16aに第1カバー部材17aが装着された状態を示す斜視図、図10は、第1電磁ブレーキ16aに第1カバー部材17aが装着された状態を示す正面図である。
図8に示すように、第1カバー部材17aは、一面が開口された箱状に形成されている。また、第1カバー部材17aは、第1電磁ブレーキ16aの全体を覆うためのものである(図4参照)。
第1カバー部材17aは、正面部71aと、2つの側面部72a,72aと、上面部73aと、背面部74aと、を有している。また、第1カバー部材17aは、第1傾斜部75aと、接続片76aと、を有している。第1カバー部材17aは、例えば、板状の部材を折り曲げ加工することで形成される。
正面部71a、側面部72a,72a、上面部73a、背面部74a、及び第1傾斜部75aは、それぞれ略長方形状に形成されている。
第1カバー部材17aの正面部71aと、背面部74aとは、X方向に所定の間隔を空けて、平行に対向する。2つの側面部72aは、Y方向に所定の間隔を空けて、平行に対向する。正面部71aにおけるY方向の両端には、2つの側面部72a,72aにおけるX方向の一端が接続されている。背面部74aにおけるY方向の両端には、2つの側面部72a,72aにおけるX方向の他端が接続されている。また、正面部71a、2つの側面部72a,72a、及び背面部74aのそれぞれZ方向の一端には、上面部73aが接続されている。そして、上面部73aと対向する面が開口されている。
正面部71aのZ方向の他端部には、第1傾斜部75aが接続されている。第1傾斜部75aは、X方向の一端部から他端部にかけて、Z方向の他側に向けて傾斜している。第1傾斜部75aにおけるX方向の他端部には、接続片76aが接続されている。すなわち、正面部71aは、第1傾斜部75aを介して、接続片76aに接続されている。
接続片76aには、筐体12と接続するための2つの接続孔77a,77aが形成されている。また、背面部74aにおけるZ方向の他端部には、筐体12と接続するための接続孔77aが形成されている。
図4に示すように、接続片76aは、ねじ51aにより、遮蔽体15と共に、筐体12の端部25bに固定される。また、背面部74aは、ねじ51aにより筐体12に固定されている。これにより、第1カバー部材17aは、筐体12に固定される。
図9に示すように、第1カバー部材17aは、筐体12に固定されている。そして、第1カバー部材17aは、第1開口部25a、及びここでの図示を省略した第1電磁ブレーキ16aをZ方向の一側から覆っている。これにより、飛散してきた油が第1電磁ブレーキ16aに付着することを防ぐことができる。さらに、第1開口部25aからブレーキドラム13の外周面13aへ油が侵入することを抑制することができる。
また、遮蔽体15には、接続片76aを介して、X方向に対してZ方向の他側に向けて傾斜した第1傾斜部75aが接続される。また、第1傾斜部75aにおけるX方向の一端部は、ブレーキドラム13におけるX方向の一端面よりもX方向の一側に突出する。これにより、例えば、遮蔽体15の表面や第1傾斜部75aに油が付着した場合に、この油が第1傾斜部75aに沿ってX方向の一側に案内されるため、ブレーキドラム13から離れた位置で落とすことができる。
また、正面部71aは、ブレーキドラム13におけるX方向の一端面よりもX方向の一側に突出するように配置されている。これにより、例えば、正面部71aに油が付着した場合に、この油が正面部71aにおけるX方向の一端面に沿ってZ方向の他側に案内されるため、ブレーキドラム13から離れた位置で落とすことができる。
図8に示すように、2つの側面部72a,72aにおけるX方向の他側で、かつ、Z方向の他側には、第1接続部79a,79aがそれぞれ設けられている。第1接続部79a,79aは、2つの側面部72a,72aのZ方向の他端部から、それぞれ第1カバー部材17aの内側にむけて突出するように形成されている。そして、図4に示すように、第1接続部79a,79aは、筐体12の第1設置部28aに載置される。
また、2つの側面部72a,72aにおけるZ方向の他端には、開口78a,78aがそれぞれ形成されている。図9に示すように、開口78a,78aは、筐体12の上面12aにおけるX方向の一端部から第1設置部28aまでの段差と嵌合できるように形成されている。これにより、第1カバー部材17aは、筐体12に対してX方向の位置合わせを行うことができる。
なお、開口78a,78aの大きさは、筐体12及び第1電磁ブレーキ16aの大きさとの設計上の寸法公差を考慮して、広めに設定されているものとする。
図10に示すように、筐体12の上面12aと側面部72a,72aにおけるZ方向の他端の間隔が第1膨出部27aのZ方向の高さよりも小さくなるように、開口78a,78aが形成されている。第1膨出部27aは、上述したようにZ方向に沿って、上面12aよりも一段高い段差形状である。
これにより、例えば、第1カバー部材17aや筐体12の上面12a等に油が飛散してきた場合に、この油が上面12aを伝って第1カバー部材17a内へ侵入してくるのを抑制することができる。また、この油が上面12aを伝って第1膨出部27aに到達した場合に、この油は第1膨出部27aを乗り越えて第1開口部26aに侵入し難い。したがって、ブレーキドラム13と第1ブレーキライニング61aの接触面への油の侵入を抑制することができる。
なお、第1カバー部材17aは、第1膨出部27aのY方向の両端部と側面部72a,72aの間隔が小さくなるように構成されていることが好ましい。これにより、筐体12の上面12aと側面部72a,72aにおけるZ方向の他端との間の隙間への油の侵入をより効果的に抑制することができる。
また、筐体12の上面12aと側面部72a,72aにおけるZ方向の他端との間の隙間には、オイルシール等の接触型シール機構が設けられていてもよい。
[第2カバー部材]
次に、図11及び図12を参照して本例の巻上機10における第2カバー部材17bの詳細な構成について説明する。
図11は、本例の巻上機10における第2カバー部材17bを示す斜視図、図12は、第2電磁ブレーキ16bに第2カバー部材17bが装着された状態を示す斜視図である。
図11に示すように、第2カバー部材17bは、第1カバー部材17aと同様に、一面が開口された箱状に形成されている。また、第2カバー部材17bは、第2電磁ブレーキ16bの全体を覆うためのものである(図4参照)。
第2カバー部材17bは、正面部71bと、2つの側面部72b,72bと、下面部73bと、背面部74bと、を有している。また、第2カバー部材17bは、第2傾斜部75bと、接続片76bと、を有している。第2カバー部材17bは、例えば、板状の部材を折り曲げ加工することで形成される。
正面部71b、側面部72b,72b、下面部73b、背面部74b、及び第2傾斜部75bは、それぞれ略長方形状に形成されている。
第2カバー部材17bの正面部71bと、背面部74bとは、X方向に所定の間隔を空けて、平行に対向する。2つの側面部72bは、Y方向に所定の間隔を空けて、平行に対向する。正面部71bにおけるY方向の両端には、2つの側面部72b,72bにおけるX方向の一端が接続されている。背面部74bにおけるY方向の両端には、2つの側面部72b,72bにおけるX方向の他端が接続されている。また、正面部71b、2つの側面部72b,72b、及び背面部74bのそれぞれZ方向の他端には、下面部73bが接続されている。そして、下面部73bと対向する面が開口されている。
正面部71bのZ方向の他端部には、第2傾斜部75bが接続されている。第2傾斜部75bは、X方向の一端部から他端部にかけて、Z方向の他側に向けて傾斜している。第2傾斜部75bにおけるX方向の他端部には、接続片76bが接続されている。すなわち、正面部71bは、第2傾斜部75bを介して、接続片76bに接続されている。
接続片76bには、筐体12と接続するための2つの接続孔77b,77bが形成されている。また、背面部74bにおけるZ方向の他端部には、筐体12と接続するための2つの接続孔77bが形成されている。
図4に示すように、接続片76bは、ねじ51bにより、遮蔽体15と共に、筐体12の端部25bに固定される。また、背面部74bは、ねじ51bにより筐体12に固定されている。これにより、第2カバー部材17bは、筐体12に固定される。
図9に示すように、第2カバー部材17bは、筐体12に固定されている。そして、第2カバー部材17bは、第2開口部25b、及びここでの図示を省略した第2電磁ブレーキ16bをZ方向の他側から覆っている。これにより、飛散してきた油が第2電磁ブレーキ16bに付着することを防ぐことができる。さらに、第2開口部25bからブレーキドラム13の外周面13aへ油が侵入することを抑制することができる。
また、遮蔽体15には、接続片76bを介して、X方向に対してZ方向の他側に向けて傾斜した第2傾斜部75bが接続される。なお、第2傾斜部75bにおけるX方向の一端部、及び、正面部71bは、第1カバー部材17bと同様に、ブレーキドラム13におけるX方向の一端面よりもX方向の一側に突出されていてもよい。
図11に示すように、2つの側面部72b,72bにおけるX方向の他側で、かつ、Z方向の一側には、第2接続部79b,79bがそれぞれ設けられている。第2接続部79b,79bは、2つの側面部72b,72bのZ方向の一端部から、それぞれ第2カバー部材17bの内側にむけて突出するように形成されている。そして、図4に示すように、第2接続部79b,79bは、筐体12の第2設置部28bに載置される。
また、2つの側面部72b,72bにおけるZ方向の他端には、開口78b,78bがそれぞれ形成されている。図12に示すように、開口78b,78bは、筐体12の下面12bにおけるX方向の一端部から第2設置部28bまでの段差と嵌合できるように形成されている。これにより、第2カバー部材17bは、筐体12に対してX方向の位置合わせを行うことができる。
なお、開口78b,78bの大きさは、筐体12及び第2電磁ブレーキ16bの大きさとの設計上の寸法公差を考慮して、広めに設定されているものとする。
また、開口78b,78bは、上述の第1カバー部材17aの開口78a,78aと同様に、筐体12の下面12bと側面部72b,72bにおけるZ方向の一端の間隔が、第2膨出部27bのZ方向の高さよりも小さくなるように形成されている。第2膨出部27bは、上述したようにZ方向に沿って、上面12aよりも一段低い段差形状である。
これにより、例えば、筐体12等に油が飛散してきた場合に、この油が下面12bを伝って第2カバー部材17b内へ侵入してくるのを抑制することができる。また、この油が下面12bを伝って第2膨出部27bに到達した場合に、この油は、重力等によってZ方向の他側に落ちるため、第2膨出部27bを乗り越えて第2開口部26bに侵入し難い。したがって、ブレーキドラム13と第2ブレーキライニング61bの接触面への油の侵入を抑制することができる。
なお、第2膨出部27bにおけるY方向の両端部と側面部72a,72aの間隔が小さくなるように、第2カバー部材17bが構成されている。これにより、筐体12の下面12bと側面部72b,72bにおけるZ方向の一端との間の隙間への油の侵入をより効果的に抑制することができる。
また、第1カバー部材17aと同様に、筐体12の下面12bと側面部72b,72bにおけるZ方向の一端との間の隙間には、オイルシール等の接触型シール機構が設けられていてもよい。
なお、本例の巻上機10においては、筐体12のZ方向の上方及び下方に、それぞれ第1電磁ブレーキ16a、第2電磁ブレーキ16bが設けられる例を説明したが、これに限られない。第1電磁ブレーキ16a及び第2電磁ブレーキ16bは、第1ブレーキライニング61a及び第2ブレーキライニング61bがブレーキドラム13の外周面13aを圧接できるような位置に配置されていればよい。
すなわち、第1電磁ブレーキ16a及び第2電磁ブレーキ16bは、例えば、筐体12におけるY方向の両側に対向して配置されていてもよいし、筐体12に対してY方向及びZ方向に傾斜して配置されていてもよい。また、第1電磁ブレーキ16a及び第2電磁ブレーキ16bは、互いに対向する位置に配置されていなくてもよい。
また、本例の巻上機10においては、第1カバー部材17a、及び第2カバー部材17bが、それぞれ第1傾斜部75a、及び第2傾斜部75bを有する例を説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、第1カバー部材17a及び第2カバー部材17bと第1傾斜部75a及び第2傾斜部75bとは、別々に形成されていてもよい。
また、第1カバー部材17a及び第2カバー部材17bが主軸11よりもZ方向の一側に配置される場合、第1傾斜部75a及び第2傾斜部75bのX方向の一端部は、ブレーキドラム13におけるX方向の一端面よりもX方向の一側に突出することが好ましい。これにより、例えば、カバー部材に油が飛散してきた場合に、この油をブレーキドラム13から離れた位置で落とすことができる。
また、本例の巻上機10においては、溝部13cと、遮蔽体15によって、ラビリンス構造を有する非接触式シール機構50が構成されている例を説明したが、これに限られない。例えば、外周面13aと筐体12の内壁面25aとの間の隙間には、すきまシール、油溝シール等の非接触式シール機構、Vリングシール、オイルシール等の接触式シール等のその他のシール機構が設けられていてもよい。また、これらのシール機構を組み合わせてもよい。
本例では、ラビリンス構造を有する非接触式シール機構50であることにより、遮蔽体15がブレーキドラム13と干渉することがない。したがって、非接触式シール機構50は、ブレーキドラム13及び綱車の回転動作を妨げることがない。
また、本例の巻上機10においては、遮蔽体15が筐体12の端部25bに接続されている例を説明したが、これに限られない。遮蔽体15は、外周面13aと筐体12の内壁面25aとの間の隙間を、X方向の一側から遮蔽できるような位置に設けられていればよい。すなわち、遮蔽体15は、例えば、筐体の内壁面25aに接続されていてもよいし、第1カバー部材17a及び第2カバー部材17bの正面部71a,71bに接続されていてもよい。また、遮蔽体15は、第1傾斜部75aや第2傾斜部75bに接続されていてもよい。
<2.第2の実施の形態例>
次に、本発明の第2の実施の形態例にかかる巻上機の構成について、図13を参照して説明する。
図13は、本発明の第2の実施の形態例にかかる巻上機の要部を拡大して示す説明図である。
この第2の実施の形態例にかかる巻上機が、第1の実施の形態例の巻上機10と異なる点は、巻上機の非接触式シール機構の構成である。そのため、ここでは、非接触式シール機構80の構成について説明する。
以下、第1の実施の形態例の巻上機10と同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図13に示すように、非接触式シール機構80は、シール部83と、遮蔽体85と、を有する。シール部83は、ブレーキドラム13の外周面13aの周方向に沿って形成されている。また、シール部83は、外周面13aにおける第1ブレーキライニング61a、及び第2ブレーキライニング61bが圧接する接触面よりもX方向の一側に形成されている。
シール部83は、6つの溝部83aを有している。6つの溝部83aは、それぞれX方向にほぼ等間隔に形成されている。なお、6つの溝部83aにおける隣り合う間隔は、等間隔に限られず、それぞれ異なる間隔であってもよい。この間隔は、その用途・目的に合わせて適宜設定されるものとする。
溝部83aは、ブレーキドラム13の半径方向に沿って切断した際の断面形状において、外周面13aから半径方向の内側に一定の深さを有する。6つの溝部83aは、全て同じ深さに設定されている。なお、6つの溝部83aにおける深さは、それぞれ異なる深さに設定してもよい。
遮蔽体85は、ブレーキドラム13の半径方向に沿って切断した際の断面がL字状となっている。また、遮蔽体85は、第1遮蔽片85aと、第2遮蔽片85bと、を有する。
第1遮蔽片85aは、本例の遮蔽体15と同様に、略リング状の平板である(図6参照)。第1遮蔽片85aは、円形の開口部を有している。また、第1遮蔽片85aにおける半径方向の外側の端部には、例えば、接続孔が設けられている。そして、遮蔽体85は、ねじにより、筐体12に固定されている。なお、第1遮蔽片85aにおける半径方向の内側の開口端は、外周面13aに近接している。
また、第1遮蔽片85aにおける半径方向の内側の開口端には、X方向の他側に向けて略垂直に突出する第2遮蔽片85bが設けられている。第2遮蔽片85bは、略円筒状に形成されている。第2遮蔽片85bは、所定の間隔をあけて、外周面13aと対向するように配置されている。すなわち、第2遮蔽片85bの半径方向の内側の面は、シール部83に臨む面となっている。
また、第2遮蔽片85bのX方向の幅は、シール部83のX方向の幅よりも大きい。第2遮蔽片85bのX方向の幅は、少なくとも第2遮蔽片85bの半径方向の内側の面とシール部83が対向するような幅に設定されていればよい。
そして、シール部83と、遮蔽体85によってラビリンス構造が形成される。したがって、非接触式シール機構80においても、第1の実施の形態例の非接触式シール機構50と同様に、外周面13aにおける第1ブレーキライニング61a及び第2ブレーキライニング61bが圧接する接触面への油の侵入を抑制することができる。
ブレーキドラム13の外周面13aにおける第1ブレーキライニング61a及び第2ブレーキライニング61bが圧接する接触面への油の侵入を抑制する観点から、外周面13aと遮蔽体85の第2遮蔽片85bの間隔は、小さく設定されていることが好ましい。
なお、第2の実施の形態例にかかる巻上機のシール部83は、6つの溝部83aを有する例を説明したが、これに限られない。溝部83aの数は、2つ以上であればよく、例えば、2〜5つであってもよいし、7つ以上であってもよい。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる非接触式シール機構50と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する非接触式シール機構80によっても、上述して第1の実施の形態例にかかる非接触式シール機構50と同様の作用効果を得ることができる。
<3.第3の実施の形態例>
次に、本発明の第3の実施の形態例にかかる巻上機の構成について、図14を参照して説明する。
図14は、本発明の第3の実施の形態例にかかる巻上機の要部を拡大して示す説明図である。
この第3の実施の形態例にかかる巻上機が、第1の実施の形態例にかかる巻上機10と異なる点は、非接触式シール機構の構成である。さらに、第2の実施の形態例にかかる巻上機と異なる点は、非接触式シール機構の遮蔽体が第3遮蔽片を有する点である。そのため、ここでは、非接触式シール機構90の構成について説明する。
以下、第1の実施の形態例の巻上機10、及び第2の実施の形態例の巻上機と同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる構成部分のみを説明する。
図14に示すように、非接触式シール機構90は、シール部93と、遮蔽体95と、を有する。シール部93は、4つの溝部93aを有している。また、第3の実施の形態例にかかる溝部93aの構成は、第2の実施の形態例にかかる溝部83aと同様の構成であるため、その説明を省略する。
遮蔽体95は、第1遮蔽片95aと、第2遮蔽片95bと、4つの第3遮蔽片95cと、を有している。なお、第3の実施の形態例にかかる非接触式シール機構90の第1遮蔽片95a、及び第2遮蔽片95bは、第2の実施の形態例にかかる非接触式シール機構80の第1遮蔽片85a、及び第2遮蔽片85bと同様の構成である。そのため、これらの構成の説明を省略する。
4つの第3遮蔽片95cは、第2遮蔽片95bにおける外周面13aと対向する面から、外周面13aに向けて略垂直に突出している。4つの第3遮蔽片95cは、第2遮蔽片95bのX方向にほぼ等間隔に接続されている。また、4つの第3遮蔽片95cの間隔は、外周面13aに形成された溝部93aの間隔に対応している。
4つの第3遮蔽片95cは、略円板状に形成されている。4つの第3遮蔽片95cは、円形の開口部を有している。そして、4つの第3遮蔽片95cは、それぞれ外周面13aに形成された4つの溝部93aに挿入される。
また、4つの第3遮蔽片95cの半径方向の幅は、全て同じ幅に設定されている。なお、4つの第3遮蔽片95cの半径方向の幅は、それぞれが挿入される溝部93aの深さに合わせて設定されていればよい。すなわち、4つの第3遮蔽片95cの半径方向の幅は、例えば、それぞれが異なる幅に設定されていてもよい。
そして、シール部93と、遮蔽体95によってラビリンス構造が形成される。したがって、非接触式シール機構90においても、第1の実施の形態例の非接触式シール機構50と同様に、ブレーキドラム13の外周面13aにおける第1ブレーキライニング61a及び第2ブレーキライニング61bが圧接する接触面への油の侵入を抑制することができる。
なお、4つの第3遮蔽片95cにおける隣り合う間隔は、等間隔に限られず、それぞれ異なる間隔であってもよい。この間隔は、その用途・目的に合わせて適宜設定されるものであり、シール部93の溝部93aの間隔に対応して設定されている。
また、第3の実施の形態例にかかる巻上機の遮蔽体95は、4つの第3遮蔽片95cを有する例を説明したが、これに限られない。第3遮蔽片95cの数は、シール部93における溝部93aの数と同じ数だけ有していればよく、例えば、2〜3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる非接触式シール機構50と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する非接触式シール機構90によっても、上述して第1の実施の形態例にかかる非接触式シール機構50と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、遮蔽体をブレーキドラム側に設け、溝部を筐体の内壁面に形成してもよい。
1…エレベータ、10…巻上機、11…主軸、12…筐体、24…凹部、25…外壁部、25a…内壁面、25b…端部、26a…第1開口部、26b…第2開口部、27a…第1膨出部、27b…第2膨出部、13…ブレーキドラム、13a…外周面、13b…内周面、13c,83,93…溝部、14…綱車、15,85,95…遮蔽体、15a,15b,15c,15d…遮蔽片、15f…端部、16a…第1電磁ブレーキ、16b…第2電磁ブレーキ、61a…第1ブレーキライニング、61b…第2ブレーキライニング、17a…第1カバー部材、17b…第2カバー部材、75a…第1傾斜部、75b…第2傾斜部、76a,76b…接続片、77a,77b…接続孔、50,80,90…非接触式シール機構、85a,95a…第1遮蔽片、85b,95a…第2遮蔽片、95c…第3遮蔽片、L1,L2…間隔

Claims (5)

  1. 主軸と、
    前記主軸に固定され、前記主軸の軸方向の一方が開口した凹部を有する筐体と、
    前記主軸に回転可能に支持され、前記凹部に挿入されたブレーキドラムと、
    前記ブレーキドラムにおける前記軸方向の一側に配置され、前記ブレーキドラムと一体的に回転する綱車と、
    前記ブレーキドラムの外周面に対向して配置され、前記ブレーキドラム及び前記綱車の回転を制動する電磁ブレーキと、
    前記外周面と、前記外周面と対向する前記凹部の内壁面との間の隙間を前記軸方向の一側から遮蔽する遮蔽体と、を有し、
    前記遮蔽体には、前記主軸の軸方向に対して鉛直方向の下方に向けて傾斜した傾斜部が接続され、
    前記電磁ブレーキには、前記電磁ブレーキの全体を覆うカバー部材が設けられ、
    前記カバー部材と前記傾斜部とは、一体に形成されている
    巻上機。
  2. 前記遮蔽体と前記外周面とによって非接触式シール機構が構成されている
    請求項1に記載の巻上機。
  3. 前記非接触式シール機構は、ラビリンスシールである
    請求項2に記載の巻上機。
  4. 前記ブレーキドラムには、前記外周面に沿って溝部が設けられ、
    前記遮蔽体における前記ブレーキドラム側の端部は、前記溝部に挿入される
    請求項3に記載の巻上機。
  5. 昇降路内を昇降する乗りかごと、
    前記乗りかごと主索を介して連結される釣合錘と、
    前記主索を巻き掛けることにより前記乗りかごを昇降させる巻上機と、を備え、
    前記巻上機は、
    主軸と、
    前記主軸に固定され、前記主軸の軸方向の一方が開口した凹部を有する筐体と、
    前記主軸に回転可能に支持され、前記凹部に挿入されたブレーキドラムと、
    前記ブレーキドラムにおける前記軸方向の一側に配置され、前記ブレーキドラムと一体的に回転する綱車と、
    前記ブレーキドラムの外周面に対向して配置され、前記ブレーキドラム及び前記綱車の回転を制動する電磁ブレーキと、
    前記外周面と、前記外周面と対向する前記凹部の内壁面との間の隙間を前記軸方向の一側から遮蔽する遮蔽体と、を有し、
    前記遮蔽体には、前記主軸の軸方向に対して鉛直方向の下方に向けて傾斜した傾斜部が接続され、
    前記電磁ブレーキには、前記電磁ブレーキの全体を覆うカバー部材が設けられ、
    前記カバー部材と前記傾斜部とは、一体に形成されている
    エレベータ。
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