JP5468028B2 - エレベータ用薄型巻上機 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータ装置に使用するエレベータ装置用薄型巻上機に関するものである。
一般に、エレベータ装置の乗りかごを上下に昇降させるための巻上機やモータの制御装置、あるいは乗りかごが過速した際の非常制動に使われる調速機などは、建物最上部に設けられた機械室に設置されている。しかし、乗りかごの昇降速度が比較的遅いエレベータ装置においては、機械室のない、いわゆる機械室レスエレベータ装置が普及している。この機械室レスエレベータ装置の場合、従来は機械室に設置していた全機器を昇降路内に設置することになり、巻上機も昇降路内に設置される。巻上機を昇降路内に設置する構成は種々あり、例えば昇降路の最下部または最上部で乗りかご断面に一部が重なるように巻上機を設置するもの、あるいは昇降路の高さ方向の中間部で、乗りかごと昇降路壁の隙間に巻上機を設置するものなどがある。通常、乗りかごと昇降路壁の隙間は数百mm程度であるため、その隙間に巻上機を設置するためには、薄型の巻上機が必要となる。
薄型巻上機は昇降路と乗りかごの間にある数百mm程度の隙間に、昇降路壁に対面する形で設置されるのが一般的であり、さらに巻上機の横側には釣合いおもりが配置されるケースが多い。すなわち薄型巻上機は昇降路壁と乗りかご、釣合いおもりに四方を囲まれた形で設置される。従って、薄型巻上機を小型化することができれば、昇降路2の断面を縮小することが可能となり、昇降路内に設置する機器のレイアウト自由度を拡大することができる。このため、機械室レスエレベータ装置で使用する薄型巻上機の小型化、特に巻上機全体の軸長寸法の縮小、すなわち薄形化が重要な技術課題となっている。
また、巻上機の回転機構部には軸受が使用され、潤滑剤としてグリースが多用されている。グリース格納部にはラビリンスシールやオイルシールなどの各種シール構造を備えることが多いが、グリース格納部の圧力が予期せず上昇した際や、経年劣化などによってシール構造の機能が低下した際などに、グリースがシール構造部から漏洩することがある。漏洩したグリースは巻上機や他のエレベータ機器の汚損原因となるため、巻上機には漏洩グリースの回収機能を持たせることが多く、一般には油受けが設置されることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2009−280380号公報
しかしながら、従来のエレベータ装置用薄型巻上機は、単に漏洩したグリースを回収するための油受けに関するものであり、油受けに溜まるグリース量が異常に多い場合は、シール構造部に何らかの故障が発生した可能性が高いため、いち早い対応が求められるが、これを実現することができず、また機械室レスエレベータ用薄形巻上機に最も重要な薄形化を成し得るものではなかった。
本発明の目的は、シール構造部に何らかの故障が発生した場合に漏洩したグリースを蓄えることができ、また、この漏洩に対していち早く対応することが可能であり、しかも、軸長を縮小可能なエレベータ装置用薄型巻上機を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、固定子と固定子巻線を収納した筐体と、この筐体に片持ち固定支持された主軸と、上記主軸の端に軸受を介して回転自在に取付けた軸受ハウジングと、この軸受ハウジングと一体に形成された綱車と、この綱車と一体に形成されて上記固定子に対向した複数の永久磁石を有するモータの回転子とを備えたエレベータ装置用薄型巻上機において、上筐体と上記軸受ハウジング間の対向部隙間の下方に油落とし空間部を形成し、上記筐体の上記綱車と反対側の端面に上記油落とし空間部の下部に位置して連通した油溜めを形成し、上記油溜めの上部に、上記筐体の上記綱車と反対側の側面側から上記油溜めを目視可能な窓部を形成し、上記軸受ハウジングの外周側に上記筐体と一体にした円環状突起を設け、上記筐体と上記軸受ハウジング間の対向部隙間よりも上記綱車側に位置する円環状の油受けカバーを上記円環状突起に取り付け、上記円環状突起の内側に位置する上記油受けカバーと上記筐体間に上記油落とし空間部を形成し、上記円環状突起の外側に位置する上記油受けカバーと上記筐体間に固定子巻線を相互に接続するための接続電線を配置したことを特徴とする。
このようなエレベータ用薄型巻上機によれば、筐体の厚みを抑えて薄型巻上機を一層薄型にしながら、筐体と軸受ハウジング間の対向部隙間からグリースが万一漏洩しても油溜めに溜めておくことができる。この油溜めは筐体の反綱車側に形成しているため、保守時に乗りかご側から簡単に点検し、必要に応じて回収することができる。また、このようなエレベータ用薄型巻上機によれば、保守時に作業員はこの窓部を通して油溜め内を目視することができ、漏れの発生の有無や回収の必要性を目視判断することができる。さらに、このようなエレベータ用薄型巻上機によれば、上述した油落とし空間部は筐体を切削加工等による形状によって軸受ハウジング側に漏洩しないように形成することもできるが、筐体の軸受ハウジング側に形成した円環状突起に油受けカバーを固定し、しかも筐体と軸受ハウジングの対向部隙間よりも綱車側に位置するようにしているため、この油受けカバーを利用して、筐体との対向部に油落とし空間部を形成すると、筐体と軸受ハウジングの対向部隙間から漏洩し滴下したグリースを油落とし空間部で受けることができるようになる。また油落とし空間部の形成のための筐体の加工も容易になる。また、このようなエレベータ用薄型巻上機によれば、油受けカバーを円環状突起の外周側まで外径部を伸ばして配置し、伸ばした部分の筐体側に形成した空間部に利用して固定子巻線を相互に接続する接続電線を配置することができるようになり、しかも、油落とし空間部を形成するための円環状突起および油受けカバーを利用して、接続電線を配置する空間部を形成することができるので、回転する綱車によって接続電線を損傷することなく、接続電線を簡単に収納することができる。しかも、固定子および固定子巻線の綱車側に接続電線を配置した場合に比べて、筐体と綱車を近接して配置することができるので、薄型巻上機を一層薄型にすることができる。
さらに本発明は、上記綱車と反対側の上記筐体の側面中央部に、上記主軸の固定部を除いてへこんだ凹み部を形成し、上記凹み部には、上記筐体を強度補強するために一体に形成されたリブを複数設け、上記リブの近傍の上記筐体に上記油溜めを形成するように密封して固定した油受けカバーを設けたことを特徴とする。
このようなエレベータ用薄型巻上機によれば、切削加工等によって筐体の乗りかご側に油溜めを容易に形成することができ、その前面部を油受けカバーによって密封して適当な容積を持たせることができ、また油受けカバーの上部に開放窓を形成することによって油落とし空間部を通して油溜め内に蓄積された油量を目視確認できるようになる。
本発明のエレベータ装置用薄型巻上機によれば、筐体の厚みを抑えて薄型巻上機を一層薄型にしながら、筐体と軸受ハウジング間の対向部隙間からグリースが万一漏洩しても油溜めに溜めておくことができる。この油溜めは筐体の反綱車側に形成しているため、保守時に乗りかご側から簡単に点検し、必要に応じて回収することができる。
本発明の一実施の形態によるエレベータ装置用薄型巻上機の断面図である。 図1に示したエレベータ装置用薄型巻上機の正面図である。 図1に示したエレベータ装置用薄型巻上機の側面図である。 図1に示したエレベータ装置用薄型巻上機 を使用したエレベータ装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図4は、本発明の一実施の形態に係るエレベータ装置用薄型巻上機を使用したエレベータ装置の断面図である。昇降路1内には、図示しない主索によって連結した乗りかご2と釣合おもり3が昇降可能に配置されている。昇降路1と乗りかご2の間にある数百mm程度の隙間に、昇降路壁に対面する形で薄型巻上機4が設置されている。この薄型巻上機4は、モータを構成する固定子を収納した筐体5と、固定子に対向して配置したモータの回転子コアと一体的に構成すると共に主索を巻回した綱車6とを有し、モータの回転子コアと共に綱車6を回転し、主索を介して乗りかご2を上下動するように構成している。この薄型巻上機4の点検は、通常、乗りかご2側から行うため、筐体5を乗りかご2側に向けて配置している。
薄型巻上機4は、断面図である図1に示すように、中心部に主軸7を挿入したボス部8には筐体5が一体的に形成され、この筐体5内にモータの固定子9および固定子巻線12などの固定部分が収納されている。これに対して主軸7の挿入先端側には、軸受17を介して一体的に構成した軸受ハウジング18やモータの回転子コア10や綱車6などの回転部分が主軸7に対して可回転的に支持されている。
筐体5は、鋳鉄などで大凡の形状に成形した後、寸法精度が必要な部分のみを機械加工して製作しており、その中心部には一体的に成形した中空状のボス部8を有し、その外周部には固定子9や後述する回転子コア10などを内部に位置させることができるように有底の略円筒形状に成された収納凹部11を有している。この収納凹部11内に固定子9を嵌め合い固定しているが、ボルトなどの他の方法で固定しても良い。この固定子9は、電磁鋼板を積層した固定子鉄心や、U相、V相、W相から成る三相の固定子巻線12や、絶縁部材などを有している。また収納凹部11よりもボス部8側に位置する筐体5には、綱車6側に延びた円環状突起13が一体的に形成されており、この円環状突起13における綱車6側の頂部には円環状の油受けカバー14がボルトで取り付けられている。
この油受けカバー14は、筐体5のボス部8と軸受ハウジング18の対向部よりも綱車6側に位置するように円環状突起13の高さや形状が選ばれている。油受けカバー14と、これに対向する筐体5間には、円環状突起13の下方となる内側には油落とし空間部15が形成され、また円環状突起13の外側には接続電線16を配置するための空間部が形成されており、これら空間部形成のために筐体5を積極的に切削加工しても良い。この油受けカバー14の厚さは1mm程度で、その外径は後述する固定子巻線12を相互に接続する接続電線16を収納できるように例えば固定子9の内径よりも大きくし、また油受けカバー14の内径は、軸受ハウジング18と接触することはないがその近傍まで伸ばされている。
尚、筐体5に設けた円環状突起13は筐体5と一体に成形しているが、分割可能な別部材としてボルト固定でも良い。この場合、筐体5との接触面は液体ガスケットのようなシール剤、またはOリングを入れるのが望ましい。また油受けカバー14と円環状突起13の接触面も同様である。
円環状突起13の固定子9側で油受けカバー14で囲まれた空間部に配置した接続電線16は、固定子巻線12を相互に接続するもので、U相コイル、V相コイル、W相コイルをそれぞれ相互に電気回路的に直列あるいは並列接続で、全体の接続回路をスター結線とするものであり、その数は中性点の1本を含めて、U相、V相、W相で各1本の合計4本である。なお全体の接続回路はデルタ結線でも良く、この場合は中性点の接続電線は不要である。
筐体5のボス部8には主軸7が片持ちで支持固定されており、この主軸7の挿入した先端部側には複数個の軸受17を介して鋳鉄製の軸受ハウジング18が可回転的に取り付けられている。この軸受ハウジング18には、綱車6と、さらにその外周部に位置するモータの回転子コア10とが一体的に形成されており、回転子コア10は筐体5の収納凹部11内に固定子9と対向して配置されている。回転子コア10の内周面には複数の永久磁石19が貼り付け固定されており、これによって表面磁石式モータの回転子が構成されている。この場合、回転子コア10は磁性体である必要があり、軸受ハウジング18および綱車6と共に磁性体で一体成形する。
しかし、軸受ハウジング18と綱車6および回転子コア10は一体品ではなく分割可能な別部品で製作した後、それぞれをボルトあるいは嵌め合いなどで固定しても良いので、回転子コア10を軸受ハウジング18および綱車6とは分割可能な別部材で構成し、材質がステンレス鋼のような非磁性体である場合や、磁性体ではあるものの回転子コアとしての機能を十分に果たせない場合、例えば回転子コアの厚さが薄いためにモータとして必要な磁路断面を確保できない場合や、磁化特性が悪い材質などの場合は、回転子コア10の内周面に回転子コア10とは別部材の磁性体を取付け、その回転子コア10とは別部材の磁性体の内周面に、永久磁石19を貼り付けても良い。尚、回転子コア10とは別部材の磁性体は、鉄損を抑制するために積層電磁鋼板で構成するのが望ましい。また回転子コア10とは別部材の磁性体を積層電磁鋼板で構成する場合、永久磁石19を電磁鋼板内部に埋め込み、いわゆる埋め込み式モータの回転子としても良い。積層電磁鋼板は打ち抜きプレスなどで加工するのが一般的であり、この場合、永久磁石19を埋め込むための穴加工が容易である。
上述したように回転子コア10の内側に配置した永久磁石19は、周方向にN極とS極を交互に配置し、N極とS極の数は同一であり、その数は極数の半分である。このような回転子は、筐体5に固定された固定子9の外側に、エアギャップを挟んで径方向に対向する形となり、いわゆるアウタロータ型のモータを構成している。このモータ部で発生した回転トルクは、回転子コア10を介して綱車6に伝達し、綱車6に巻き掛けられた図示しない複数本のロープなどの主索を駆動する。
軸受17を介して主軸7と連結した軸受ハウジング18は、軸受部にグリースなどの潤滑剤を充填した円筒状であり、その一方の端部は液体ガスケットのようなシール剤あるいはOリングなどを配置した軸受カバー20によって封じられ、その他方の端部は主軸7と軸受ハウジング18間に配置したオイルシール21によって封じられている。このオイルシール21から漏洩したグリースは、ボス部8と軸受ハウジング18の対向端面部から下方に滴下するが、その後、上述した筐体5に取り付けた円板形状の油受カバー14および筐体5を切削加工して形成した油落とし空間部15に回収される。この油落とし空間部15は、軸受ハウジング18の筐体5側端面と接触することのない位置に設けた上述の円板形状の油受カバー14によって密封しており、やがて連通部22を通してその下方部に位
置する油溜め23に流入する。
この油溜め23は、切削加工によって筐体5の乗りかご側に形成され、その前面部を油受けカバー24によって密封して適当な容積を持たせており、また油受けカバー24の上部に開放窓25を形成することによって油落とし空間部15および連通部22を通して油溜め23内に蓄積された油量を目視確認できるようにしている。
図2は、筐体5を乗りかご側から見た正面図である。中央部に主軸7を挿入したボス部8の外周部に、切削加工等によってリブ26,27を残しながら油溜め23のための凹部28を形成し、その凹部28の前面にボルトなどによって油受けカバー24を取り付けて油溜め23を形成している。筐体5の乗りかご側面を切削加工して凹部28を形成しているため、筐体5の厚みを抑えながら油溜め23を構成することができる。油溜め23には、図1に示した油落とし空間部15から連通部22を介して漏洩したグリースが溜められる。
ところで、綱車6と反対側の筐体5の側面中央部は、主軸7を固定するためのボス部8を除いて凹状にへこんだ形状としている。ただし薄型巻上機4を使用する機械室レスエレベータ装置の場合、通常、綱車6に巻きかけられるロープの接触角度は約180°であり、綱車6に巻きかけられたロープは、巻上機から見て上方または下方に向かってほぼ垂直に走るのが一般的である。すなわち綱車6には上方向または下方向に、乗りかご2や釣合おもり3の荷重、いわゆる懸垂荷重が作用し、その荷重は主軸7を介して筐体5に伝達するため、筐体5は懸垂荷重による上方向または下方向の荷重に耐えられる必要があり、さらに懸垂荷重によって綱車6あるいは回転子コア10が大きく傾くことを防止するための剛性が必要である。
この剛性に関して、綱車6と反対側の筐体5の側面中央部を主軸を固定するためのボス部8を除いて凹状にへこんだ形状とするのではなく中実構造とした方が、強度および剛性を容易に確保できる。しかし、ここでは同部に凹み部30,31を設けて、この凹み部30,31の近傍に筐体5の強度補強あるいは剛性を増す目的で筐体5と一体の複数のリブ26,27を成形している。リブ26,27の端面は筐体5における乗りかご側の外表面とほぼ同一平面となるように成形し、かつ筐体5に作用する上向きまたは下向きの荷重に対して主軸7を固定するためのボス部8を中心にリブ26,27を上下各2本、合計4本配形成している。
下側のリブ27の端部には厚さ1mm程度の油受けカバー24を筐体5に接触するようにボルトで固定し、リブ27と筐体5および油受けカバー24によって、油溜め23を形成している。この油溜め23は油落とし空間部15の下方に位置し、ボス部8の円環状端面の外側に形成した連通孔22によって接続されている。油受けカバー24の固定に際しては、液体ガスケットのようなシール剤、またはゴムパッキンのようなシール材を入れるのが望ましい。
主軸7を固定するための筐体5のボス部8は、リブ26,27の端面よりへこみ部30,31によって凹んだ位置に形成し、さらにリブ26,27の一部がボス部8に連続するような構造としているため、リブ26,27の垂直部のみに油受けカバー24となる薄板を貼り付けることができ、さらに油受けカバー24の上部に窓部28を形成することができる。また、この窓部28によって油溜め23を斜め上方から容易に目視かつ洗浄可能な構造とすることができる。また筐体5の中央部をへこませて、そのへこみ部を利用して窓部28と油溜め23を形成することで、油溜め23が筐体5から乗りかご側に大きくはみ出ることが無いため、薄型巻上機4の軸長を一層短縮することが可能であり、または薄型巻上機4の軸長を増大することなく大容量の油溜め23を形成することができる。
またボス部8の乗りかご側には、リブ26,27の近傍を切削加工した凹み部30,31を形成し、同部に筐体5を貫通する孔29を形成している。上述したように固定子巻線12の端末部は絶縁チューブなどで絶縁処理を施し、油受けカバー14と固定子9間の隙間を通して接続電線16と結線しており、接続電線16の他端は、孔29を通して外部に引き出し、その後、制御装置などに接続することでモータを駆動することができる。しかも、筐体5を切削加工して凹ませた部分に孔29を形成しているので、筐体5外に導出した配線によって乗りかご側に突出しない薄型巻上機4となっている。
上述したように図1に示した円環状突起13に固定した油受けカバー14と、これに対向する筐体5間に、軸受17のためのグリースを落とす油落とし空間部15を形成しており、この構成によっても筐体5の厚みを抑えている。しかも、油落とし空間部15と油溜め23間を筐体5に形成した連通部22で連通しているため、筐体5の厚みを抑えながら部品数を増やすことなく、簡単に構成することができる。
平面図である図3に示すように筐体5の四隅には、綱車6の方向に延びた四本の脚部32を設けており、巻上機4を昇降路1内に設置する際、昇降路1内に取り付ける巻上機固定部材に各脚部32を固定する。このとき、振動抑制を目的とする防振ゴムを介して各脚部32を巻上機固定部材に固定する。
このような構成の薄型巻上機4を使用した場合、軸受カバー20とオイルシール21の構成によって、軸受17のためのグリースが外部に漏洩することを防止するが、軸受カバー20側は非常に強固な漏洩防止構造であり、経年的な影響で漏洩防止機能が低下する可能性は低い。しかし、オイルシール21側は、オイルシール21と軸受ハウジング18が相対的に回転接触する構造であるため、オイルシール21あるいは軸受ハウジング18が磨耗して、漏洩防止機能が低下する可能性がある。またオイルシール21の主材料はゴムであるため、経年的な材料特性の劣化あるいは変形などが発生し、漏洩防止機能が低下する可能性がある。
ところでグリースが漏洩する主な原因は、前述の理由によるオイルシール21の経年的な漏洩防止機能の低下、または軸受ハウジング18内部の圧力が何らかの理由で想定以上に高まった時に発生することが多い。軸受ハウジング18内部の圧力上昇は、軸受回転数やグリース充填量を増やすと発生するのが一般的であるが、エレベータ巻上機においては、各種の安全機能により前者が発生することはないが、後者はグリース充填量の人為的ミスあるいは機械的なトラブルにより発生する可能性がある。
このようにして、鋼製の軸受カバー20と比較して、ゴムを主材料とするオイルシール21は圧力に弱く、想定以上の圧力が加わるとゴムが大きく変形してしまうため漏洩防止機能が失なわれる可能性がある。すなわち、グリースは軸受カバー20側ではなく、オイルシール21側から漏洩する可能性が高く、オイルシール21側に油受けを設けるのが望ましい。
この点、本発明におけるエレベータ装置用薄型巻上機によれば、図1に示したように軸受17を内部に配置した軸受ハウジング18における筐体5と反対側を軸受カバー20によって密封し、筐体5のボス部8と軸受ハウジング18との対向部の隙間からグリース等が滴下する位置に油落とし空間部15を形成し、切削加工等によって筐体5の乗りかご側に油溜め23を形成し、油落とし空間部15と油溜め23間を筐体5に形成した連通部22で連通しているため、筐体5の厚みを抑えて薄型巻上機4を一層薄型にしながら、オイルシール21側から漏洩しても油溜め23に溜めておくことができる。この油溜め23は筐体5の乗りかご側に形成しているため、保守時に乗りかご側から簡単に点検し、必要に応じて回収することができる。
また、油溜め23の上方部に窓部25を形成しているため、保守時に作業員はこの窓部25を通して油溜め23内を目視することができ、漏れの発生の有無や回収の必要性を目視判断することができる。
上述した油落とし空間部15は筐体5を切削加工による形状によって軸受ハウジング18側に漏洩しないように形成することもできるが、筐体5の軸受ハウジング18側に形成した円環状突起13に油受けカバー14を固定し、しかも筐体5のボス部8と軸受ハウジング18の対向部隙間よりも綱車6側に位置するようにしているため、この油受けカバー14を利用して、筐体5との対向部に油落とし空間部15を形成すると、筐体5のボス部8と軸受ハウジング18の対向部隙間から漏洩し滴下したグリースを油落とし空間部15で受けることができるようになり、また油落とし空間部15の形成のための筐体5の切削加工が容易になる。
ここで、油受けカバー14の内径は、オイルシール21と接触する部分の軸受ハウジング18の外径よりも僅かに大きい程度とすると、グリースが軸受ハウジング18の外周部を伝って、油落とし空間部15の外部に漏れることを防止できる。また筐体5と油受けカバー14に挟まれた空間の軸受ハウジング18の外周部に円環状の油溝を設けると、グリースが軸受ハウジング18の外周部を伝って、油落とし空間部15の外部に漏れることを防止する効果を高めることができる。一方、油受けカバー14の外径部を固定子9と綱車6の隙間に位置するように大きくすると、絶縁チューブなどの絶縁処理を施した固定子巻線12の端末部が通る程度の隙間、具体的には10mm程度の隙間を持たせることができる。
また、この油受けカバー14を筐体5と綱車6の対向部、つまり円環状突起13の外周側まで外径部を伸ばして配置し、伸ばした部分の筐体5側に形成した空間部に固定子巻線12を相互に接続する接続電線16を配置しているため、油落とし空間部15を形成するための円環状突起13および油受けカバー14を利用して、回転する綱車6によって接続電線16を損傷することなく、接続電線16を収納することができる。しかも、固定子9および固定子巻線12の綱車6側に接続電線16を配置した場合に比べて、筐体5と綱車6を近接して配置することができるので、薄型巻上機4を一層薄型にすることができる。
1 昇降路
2 乗りかご
3 釣合おもり
4 薄形巻上機
筐体
6 綱車
7 主軸
8 ボス部
9 固定子
10 回転子コア
11 収納凹部
12 固定子巻線
13 円環状突起
14 油受けカバー
15 油落とし空間部
16 接続電線
17 軸受
18 軸受ハウジング
19 永久磁石
20 軸受カバー
21 オイルシール
22 連通部
23 油溜め
24 油受けカバー
25 窓部
26 リブ
27 リブ
28 凹部
29 孔
30 凹み部
31 凹み部
32 脚部

Claims (2)

  1. 固定子と固定子巻線を収納した筐体と、この筐体に片持ち固定支持された主軸と、上記主軸の端に軸受を介して回転自在に取付けた軸受ハウジングと、この軸受ハウジングと一体に形成された綱車と、この綱車と一体に形成されて上記固定子に対向した複数の永久磁石を有するモータの回転子とを備えたエレベータ装置用薄型巻上機において、
    上記筐体と上記軸受ハウジング間の対向部隙間の下方に油落とし空間部を形成し、上記筐体の上記綱車と反対側の端面に上記油落とし空間部の下部に位置して連通した油溜めを形成し、上記油溜めの上部に、上記筐体の上記綱車と反対側の側面側から上記油溜めを目視可能な窓部を形成し、上記軸受ハウジングの外周側に上記筐体と一体にした円環状突起を設け、上記筐体と上記軸受ハウジング間の対向部隙間よりも上記綱車側に位置する円環状の油受けカバーを上記円環状突起に取り付け、上記円環状突起の内側に位置する上記油受けカバーと上記筐体間に上記油落とし空間部を形成し、上記円環状突起の外側に位置する上記油受けカバーと上記筐体間に固定子巻線を相互に接続するための接続電線を配置したことを特徴とするエレベータ装置用薄型巻上機。
  2. 上記綱車と反対側の上記筐体の側面中央部に、上記主軸の固定部を除いてへこんだ凹み部を形成し、上記凹み部には、上記筐体を強度補強するために一体に形成されたリブを複数設け、上記リブの近傍の上記筐体に上記油溜めを形成するように密封して固定した油受けカバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置用薄型巻上機。
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