JP6339413B2 - ヒータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、流体加熱用ヒータ、粉体加熱用ヒータまたは気体加熱用ヒータ等に利用されるヒータに関するものである。
流体加熱用ヒータ、粉体加熱用ヒータまたは気体加熱用ヒータ等に利用されるヒータとして、例えば特許文献1に記載のセラミックシーズヒータが知られている。特許文献1に記載のセラミックシーズヒータは、金属製の有底筒状体と、有底筒状体の内部に設けられたセラミックヒータとを備えており、有底筒状体とセラミックヒータとの間には高熱伝導性を有する絶縁粉体が充填されている。
特開平9−46791号公報
特許文献1に記載のセラミックシーズヒータを用いた際に、有底筒状体の外周面のみを流体等の被加熱物に接触させて被加熱物を加熱した場合には、セラミックヒータから有底筒状体の端面に伝わった熱は被加熱物の加熱に寄与せずに、放熱等によって逃げてしまうことになる。そのため、被加熱物の加熱に用いる有底筒状体の外周面の温度上昇に時間がかかる可能性があった。その結果、セラミックシーズヒータにおいて電力の無駄が生じる可能性があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、セラミックシーズヒータにおいて電力の無駄が生じる可能性を低減することにある。
本発明の一態様のヒータは、一端および他端を有する棒状または筒状のセラミック体と、該セラミック体の内部に設けられた発熱抵抗体と、該発熱抵抗体と接続するとともに前記一端側に設けられ外部に引き出されているリードと、前記セラミック体のうち少なくとも前記発熱抵抗体が設けられた部分の全体が挿入された金属筒と、前記セラミック体の外周面および前記金属筒の内周面の間に充填された充填剤と、前記セラミック体の他端面に接するようにして前記金属筒内に長さ方向に直交するように設けられた板部材と、前記セラミック体との間に前記板部材を挟むようにして前記金属筒に設けられた金属蓋とを備えており、該板部材は、熱伝導率が前記金属筒の熱伝導率および前記充填剤の熱伝導率よりも小さく、前記金属蓋側の面が凹状に形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様のヒータによれば、熱伝導率が金属筒の熱伝導率および充填剤の熱伝導率よりも小さい板部材がセラミック体の端面に接するようにして設けられていることによって、ヒータの端面に熱が到達しにくくなる。そのため、被加熱物の加熱に寄与せずに放熱等によって逃げてしまう熱の発生を抑制できる。その結果、ヒータにおいて電力の無駄が生じる可能性を低減することができる。
本発明のヒータの一実施形態の断面図である。 図1に示すヒータの変形例1を示す断面図である。 図1に示すヒータの変形例2のうち板部材および金属筒を金属筒の長さ方向に直交する断面で見た断面図である。 図1に示すヒータの変形例3を示す断面図である。 図1に示すヒータの変形例4を示す断面図である。 図1に示すヒータの変形例5を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るヒータ10について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のヒータ10の実施形態の一例を示す断面図である。図1に示すように、このヒータ10は、セラミック体1と、セラミック体1の内部に設けられた発熱抵抗体2と、セラミック体1のうち少なくとも発熱抵抗体2が設けられた部分が挿入された金属筒3と、セラミック体1と金属筒3との間に設けられた充填剤4と、セラミック体1の端面に設けられた板部材5と、金属筒3の端部を塞ぐ金属蓋6とを備えている。
<セラミック体の構成>
セラミック体1は、発熱抵抗体2を保護するために設けられる部材である。セラミック体1の形状は、棒状または筒状である。棒状としては、例えば円柱状または角柱状等が挙げられる。なお、ここでいう棒状とは、例えば、特定の方向に長く伸びた板状も含んでいる。筒状としては、例えば円筒状または角筒状が挙げられる。図1に示すヒータ10においては、セラミック体1は円筒状である。
セラミック体1は、絶縁性のセラミック材料から成る。絶縁性のセラミック材料としては、例えばアルミナ、窒化珪素または窒化アルミニウムが挙げられる。特に、製造のしやすさの観点から、アルミナを用いることが好ましい。アルミナを用いた場合には、セラミック体1の熱伝導率は、例えば30W/(m・K)程度になる。セラミック体1が円筒状の場合には、セラミック体1の寸法は、例えば長さを100mmに、外径を20mmに、内径を14mmに設定することができる。
<発熱抵抗体の構成>
発熱抵抗体2は、発熱するための抵抗体であって、電流が流れることによって発熱する。発熱抵抗体2はセラミック体1の内部に設けられている。すなわち、発熱抵抗体2はセラミック体1に埋設されている。また、発熱抵抗体2の形状は線状である。本例のヒータ10における発熱抵抗体2は、一端側と他端側との間で繰り返し折り返した折返し形状を有しており、それぞれの端部がリード7に接続されている。リード7は、セラミック体1の一端側に設けられており、外部に引き出されている。本実施形態においては、発熱抵抗体2の折り返し部がセラミック体1の他端側に設けられている。すなわち、リード7は、セラミック体1のうち発熱抵抗体2の折り返し部とは反対側の領域に設けられている。なお、図1においては、発熱抵抗体2が2本あるように見えるが、実際にはセラミック体1の内部をセラミック体1の外周に沿ってほぼ全周に設けられた1本の線である。
発熱抵抗体2は金属材料から成る。金属材料としては、例えばタングステン、モリブデンまたはレニウムが挙げられる。発熱抵抗体2の寸法は、例えば幅を1mmに、全長を3000mmに、厚みを0.02mmに設定することができる。
<金属筒の構成>
金属筒3は、被加熱物に接触させて用いられる部材である。金属筒3は、筒状の部材である。筒状としては、例えば円筒状または角筒状が挙げられる。図1に示すヒータ10においては、金属筒3は円筒状である。金属筒3には、セラミック体1のうち少なくとも発熱抵抗体2が設けられた部分の全体が挿入されている。本実施形態のヒータ10においては、セラミック体1の全体が金属筒3に挿入されている。すなわち、金属筒3の内径はセラミック体1の外径よりも大きく、金属筒3の内周面とセラミック体1の外周面との間に
は、充填剤4を充填することができる程度の隙間が形成されている。
金属筒3は、一端側に突出部31を備えている。突出部31は金属筒3の内周面の全周から中心軸に向かって垂直方向に突出している。このように突出部31が設けられていることによって、金属筒3の内部に挿入されたセラミック体1が一端側から抜け落ちてしまうことを防止できる。
金属筒3は、金属材料から成る。金属材料としては、例えばステンレス、アルミニウム、銅またはチタン等が挙げられる。特に加工性、強度および耐熱性の点から、ステンレスを用いることが好ましい。ステンレスを用いた場合には、金属筒3の熱伝導率は、例えば16W/(m・K)程度になる。金属筒3が円筒状の場合には、金属筒3の寸法は、例えば長さを120mmに、外径を25mmに、内径を23mmに設定することができる。
<充填剤の構成>
充填剤4はセラミック体1と金属筒3との間の熱伝導を良好にするための部材である。充填剤4はセラミック体1の外周面および金属筒3の内周面の間に充填されている。充填剤4としては、例えば酸化マグネシウム等の酸化物あるいは銅またはアルミニウム等の金属粉を用いることができる。特に絶縁性、熱伝導性の点から、酸化マグネシウムを用いることが好ましい。酸化マグネシウムを用いた場合には、充填剤4の熱伝導率は、例えば54W/(m・K)程度になる。
また、充填剤4として、金属粉以外の金属も用いることができる。具体的には、充填剤4として、例えば、アルミニウム、亜鉛または錫等の金属を鋳込みで充填したものを用いてもよい。また、これらの金属に対してさらに、銅、マグネシウムまたはケイ素等を添加したものを鋳込みで充填したものを充填剤4として用いてもよい。充填剤4として鋳込みで充填したものを用いることによって、金属粉を用いた場合と比較して、充填剤4の充填率を高めることができる。そのため、充填剤4を介して金属筒3に熱を伝えやすくすることができるので、金属筒3の外周面の温度上昇にかかる時間を短くできる。
<板部材の構成>
板部材5は、セラミック体1の端面から外部に熱が逃げることを抑制するための部材である。板部材5は、板状の部材である。図1に示すヒータ10においては、板部材5は円板状である。板部材5はセラミック体1の端面に接するようにして設けられている。また、板部材5は金属筒3の長さ方向に直交するように設けられている。図1に示すヒータ10においては、板部材5は、セラミック体1の両端面に対応させて設けられている。板部材5のうち一端側に設けられた板部材5は、金属筒3の突出部31とセラミック体1とに挟まれている。ここで、板部材5は、必ずしもセラミック体1の両端面に対応させて設けられる必要はなく、セラミック体1の一端面および他端面の少なくとも一方に設けられていればよい。特に、発熱抵抗体2における最高発熱部となる部位から見て、近い方のセラミック体1の端面に板部材5が設けられていることが好ましい。なお、板部材5をセラミック体1のうちリード7が引き出されている側に設ける際には、板部材5にリード7を通すための貫通孔を設けておく。
板部材5は、例えば樹脂またはセラミック材料(セラミックス)から成る。樹脂の材料としては、例えばフッ素樹脂を主成分とする熱伝導率の低い樹脂材料を用いることが好ましい。また、その他の樹脂材料としては、シリコーンまたはポリイミドを用いることができる。特に、250℃以上350℃未満で発熱させて発熱抵抗体2を用いる場合には、樹脂材料としてフッ素樹脂を用いることが好ましい。また、さらに発熱抵抗体2を高温に発熱させる場合には、板部材5としてセラミックスからなるものが好ましい。セラミック材料としては、アルミナまたは窒化珪素等を用いることができる。フッ素樹脂を主成分とす
る樹脂材料を用いた場合には、板部材5の熱伝導率は、例えば0.25W/(m・K)程度になる。また、フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料を用いた場合には、板部材5の耐熱性は350℃程度である。この場合には、例えば、被加熱物として水等を金属筒3の外周面に接触させるようにしてヒータ10を用いることができる。
本実施形態のヒータ10においては、板部材5は、熱伝導率が金属筒3の熱伝導率および充填剤4の熱伝導率よりも小さい。熱伝導率が金属筒3の熱伝導率および充填剤4の熱伝導率よりも小さい板部材5がセラミック体1の端面に接するようにして設けられていることによって、セラミック体1の端面に伝わった熱が、板部材5によって熱伝導が妨げられることによって、外部に放熱されてしまうことを抑制できる。その結果、金属筒3の外周面を用いて被加熱物を加熱する場合に、より効率良く加熱することができるので、ヒータ10において電力の無駄が生じる可能性を低減することができる。金属筒3の外周面を用いて被加熱物を加熱する具体例としては、ヒータ10のうち金属筒3の外周面のみを外部の流路の内部に露出するように設けるとともに、流路に水等の液体を被加熱物として流して、この被加熱物をヒータ10によって加熱する場合等が挙げられる。
板部材5の寸法は、例えば厚みを1〜10mmに設定することができる。板部材5として、フッ素樹脂を主成分とする樹脂材料を用いるとともに、発熱抵抗体2の温度が300℃程度にまで上昇する場合には、厚みを3mm程度にしておくことが好ましい。これにより、セラミック体1の端面から熱が逃げてしまうことを抑制できる。
また、板部材5は、ヤング率がセラミック体1のヤング率および金属筒3のヤング率よりも小さいことが好ましい。これにより、ヒートサイクル下において、セラミック体1と板部材5との境界または金属筒3と板部材5との境界で熱応力が生じたとしても、この熱応力を板部材5において吸収することができる。これにより、セラミック体1または金属筒3に変形等が生じる可能性を低減できる。その結果、ヒートサイクル下におけるヒータ10の信頼性を向上させることができる。
<金属蓋の構成>
金属蓋6は、セラミック体1の他端側に設けられた板部材5をセラミック体1に押し当てるように固定するための部材である。金属蓋6は、金属筒3の他端側に、金属筒3の中心軸に対して主面が垂直になるように、設けられている。金属蓋6は、例えば板状の部材である。金属蓋6はセラミック体1との間に板部材5を挟むようにして設けられている。金属蓋6の外周面の形状は金属筒3の内周面の形状に対応している。すなわち、金属筒3が円筒状の場合には、金属蓋6は円板状である。すなわち、金属蓋6は、金属筒3に嵌め込まれている。金属蓋6の外周面と金属筒3の内周面とはねじ止めによって固定されている。さらに、ねじ止めが緩むことを防止するために溶接によっても固定されている。これにより、金属蓋6を金属筒3に強固に固定できる。その結果、金属蓋6が金属筒3から外れてしまう可能性を低減できるので、セラミック体1が金属筒3内から外れてしまう可能性を低減できる。
金属蓋6は、金属材料から成る。金属材料としては、例えばステンレス、アルミニウム、銅またはチタン等が挙げられる。ここで、金属蓋6は金属筒3と同一の材料から成ることが好ましい。これにより、ヒートサイクル下において、金属蓋6および金属筒3に熱応力が生じることを抑制できる。金属蓋6をねじ止めによって金属筒3に固定する場合には、ねじ止めによって発生する応力に耐えうる程度の厚みが必要となることから、少なくとも金属蓋6が3mm以上の厚みであることが望ましい。好ましくは、金属蓋6の厚みが5mm程度であればよい。
<変形例1>
本発明のヒータ10の変形例1について説明する。前述の実施形態のヒータ10においては、板部材5の主面が平坦であったが、これに限られない。変形例1のヒータ10においては、図2に示すように、板部材5のうち金属蓋6側の面の全体が凹んだ凹状に形成されている。これにより、板部材5と金属蓋6との間に部分的に隙間が生じることから、金属蓋6によって板部材5を固定しつつも板部材5から金属蓋6への熱伝導を低減することができる。その結果、ヒータ10において電力の無駄が生じる可能性をさらに低減することができる。
板部材5のうち金属蓋6側の面を凹状にする際には、特に断面で見たときの形状を弧状にしておくことが好ましい。板部材5の表面を断面で見たときの形状を弧状にすることによって、板部材5において熱応力が集中する可能性を低減できる。
<変形例2>
本発明のヒータ10の変形例2について説明する。前述の実施形態のヒータ10においては、板部材5の外周面の形状が金属筒3の内周面の形状と一致していたが、これに限られない。変形例2のヒータ10においては、金属筒3の長さ方向に直交する断面で見たときに、板部材5の外周面と金属筒3の内周面とが部分的に形状が一致している。そして、図3に示すように、板部材5が外周面に板部材5の中心に向って凹んだ切欠き部50を有している。切欠き部50が設けられることによって、板部材5の外周面の切欠き部50と金属筒3との間には隙間が形成されている。これにより、ヒートサイクル下において、板部材5に熱応力が生じたとしても、板部材5が切欠き部50の内側に撓むように変形することによって、板部材5に生じた熱応力を吸収することができる。これにより、ヒートサイクル下における板部材5の信頼性を向上させることができるので、ヒートサイクル下におけるヒータ10の信頼性を向上させることができる。本変形例においては、切欠き部50は板部材5の両主面に貫通している。
また、切欠き部50に充填剤4が充填されていてもよい。これにより、金属筒3のうち板部材5を囲む領域に充填剤4を介して熱を伝えることができる。そのため、板部材5によってヒータ10の端面側から熱が逃げることを抑制しつつ、金属筒3の全体に熱を伝えることができる。その結果、金属筒3における熱分布の偏りを低減することができる。
また、板部材5は、発熱抵抗体2の発熱によってセラミック体1に温度分布が生じた際に、セラミック体1の端面のうち最も高温になる領域に対応するように切欠き部50が設けられており、この切欠き部50に充填剤4が充填されていることが好ましい。セラミック体1の温度が高い領域に対応させるように、充填剤4が充填された切欠き部50を設けることによって、セラミック体1のうち温度が高い領域から選択的に熱をヒータ10の端面側から逃がすことができる。これにより、セラミック体1に生じた温度分布の偏りを低減することができるので、セラミック体1に熱応力が生じることを抑制できる。セラミック体1における温度分布は以下の方法で確認する。具体的には、セラミック体1を充填剤4、金属筒3および金属蓋6から分離させた状態で、発熱抵抗体2に電流を流すことによって発熱させる。この状態で赤外線カメラを用いてセラミック体1の温度分布を確認すればよい。
<変形例3>
本発明のヒータ10の変形例3について説明する。前述の実施形態のヒータ10においては、板部材5のうちセラミック体1側の面が平坦であったが、これに限られない。図4に示すように、板部材5が、セラミック体1側の面に凹部51を有するとともに、凹部51にセラミック体1の他端が挿入されていてもよい。これにより、セラミック体1と板部材5との位置合わせを容易に行なうことができる。凹部51の寸法は、内径がセラミック体1の外径と等しくなるように設定されるとともに、深さが例えば0.5〜5mmに設定
される。
<変形例4>
本発明のヒータ10の変形例4について説明する。前述の実施形態のヒータ10においては、板部材5のうちセラミック体1側の面が平坦であったが、これに限られない。図5に示すように、セラミック体1が筒状であって、板部材5は、セラミック体1側の面に凸部52を有しており、この凸部52がセラミック体1に嵌っていてもよい。すなわち、セラミック体1が円筒状の場合には、凸部52は円柱状に形成される。なお、図5においては、凸部52を透視して示している。これにより、セラミック体1の位置を凸部52を利用して確実に固定することができるので、ヒータ10を振動環境下において用いたときに、振動によってセラミック体1の位置がずれてしまうおそれを低減できる。
また、ヒータ10の製造工程において、金属筒3の内部に凸部52を有する板部材5を入れておくとともに、この板部材5の凸部52に筒状のセラミック体1または端部に凹みを有するセラミック体1を嵌めることによって、セラミック体1の位置決めを容易に行なうことができる。凸部52の寸法は、セラミック体1が円筒状の場合には、セラミック体1の内径よりも凸部52の外径のほうが僅かに小さくなるように設定される。なお、ここでいう「僅かに小さく」とは、凸部52をセラミック体1に嵌めることができる程度に、凸部52が小さいことを意味している。凸部52の高さは例えば0.5〜10mmに設定される。また、端部に凹みを有するセラミック体1を凸部52に嵌めこむ場合には、セラミック体1の凹みの内径よりも凸部52の外径の方が僅かに小さくなるように設定される。なお、ここでいう「僅かに小さく」とは、凸部52をセラミック体1の凹みに嵌めることができる程度に凸部52が小さいことを意味している。
さらに、凸部52がフッ素樹脂またはシリコーン樹脂から成ることが好ましい。フッ素樹脂またはシリコーン樹脂等の白色材料を用いることによって、セラミック体1から発せられる放射熱を凸部で反射することができる。これにより、熱が凸部52を伝わって端部から逃げてしまうおそれを低減できる。
<変形例5>
また、図6に示すように、板部材5が、セラミック体1側の面に凹部51を有し、この凹部51の内側に凸部52を有しており、この凹部51に筒状のセラミック体1の他端が挿入されるとともにセラミック体1が凸部52に嵌っていることが好ましい。これにより、セラミック体1をより強固に固定することができるので、ヒータ10を振動環境下で用いたときの信頼性をさらに向上させることができる。凸部52の高さは、凹部51の深さと異なっていても良いが、略同一とすることが好ましい。これにより、セラミック体1を保持する際に、板部材5の凹部51からセラミック体1の内周面に働く力と板部材5の凸部52から外周面に働く力とを略均等にすることができるので、セラミック体1の長期信頼性を向上できる。
<変形例6>
本発明のヒータ10の変形例6について説明する。前述の実施形態のヒータ10においては、板部材5として、例えば、成型した後に硬化させた樹脂から成る板部材5を金属筒3に挿入したものを用いていたことから、板部材5と充填剤4との境界が明確な面状になっていたが、これに限られない。すなわち、硬化前の板部材5を金属筒3に設けるとともに、粉末状の充填剤4を板部材5に接するように充填した後に、板部材5を硬化させてもよい。この場合には、板部材5の一部が充填剤4に入り込んだ構成にすることができる。
板部材5として、例えばシリコーンまたはエポキシ等の樹脂材料を用いた場合には、粉末状の充填剤4に樹脂からなる板部材5の一部が入り込んだ構成にすることができる。こ
れにより、充填剤4のうち板部材5の近傍に位置する部分が板部材5と金属筒3との隙間から外部に漏れてしまう可能性を低減できる。
また、板部材5として、例えばアルミナ等のセラミックスと無機ポリマーを主成分とするセラミック材料を用いた場合には、粉末状の充填剤4にセラミックスからなる板部材5の一部が入り込んだ構成にすることができる。これにより、充填剤4のうち板部材5の近傍に位置する部分が板部材5と金属筒3との隙間から外部に漏れてしまう可能性を低減できる。なお、ここでいうセラミックスとは、いわゆるファインセラミックス、セメントまたはガラス等を含む広義の意味のセラミックスである。
<ヒータの製造方法>
次に、本実施形態のヒータ10の製造方法について説明する。
まず、Alを主成分として、SiO、CaO、MgOおよびZrOが合計で10質量%以内になるように調製したアルミナ質セラミックグリーンシートを作製する。
そして、このアルミナ質セラミックグリーンシートの表面に、発熱抵抗体2と成る所定のパターンを導体ペーストを用いて形成する。導体ペーストを用いた発熱抵抗体2と成るパターンの形成方法としては、スクリーン印刷法等を用いることができる。発熱抵抗体2に用いる導体ペーストとしては、例えば、タングステン、モリブデンまたはレニウム等の高融点金属を主成分とする導電性ペーストを用いることができる。
一方、押出成型によって円筒状のアルミナ質セラミック成型体を成型する。そして、この円筒状のアルミナ質セラミック成型体に前述のパターン等を形成したアルミナ質セラミックグリーンシートをパターン等を形成した面を円筒状のアルミナ質セラミック成型体の表面に密着させるようにして巻き付けるとともに、同様の組成のアルミナ質セラミックスを分散させた密着液を塗布して密着させることによって、セラミック体1と成る成型体を得ることができる。
こうして、得られた成型体を1500〜1600℃の還元雰囲気中で焼成することによって、セラミック体1と発熱抵抗体2とを備えた焼結体を得ることができる。得られた焼結体に、さらにリード7を接続する。リード7をセラミック体1の一端側のうち内周面に接続する場合には、セラミック体1の一端側の内周面のうちリード7を取り付ける部分を焼成前に切り欠いておき、発熱抵抗体2の端部が露出するようにしておく。そして、焼成後に発熱抵抗体2の端部にめっき等を施した後にろう材等を用いてリード7を接続する。
さらに、リード7を接続した焼結体を金属筒3に挿入する。金属筒3の材料としては、例えばステンレス、アルミニウム、銅またはチタン等を用いることができる。図1に示すヒータ10のように、セラミック体1の両端に板部材5が設けられた構成とする場合には、金属筒3の一端側にあらかじめ板部材5の一方を入れておき、この板部材5とセラミック体1の一端とが接触するように焼結体を挿入する。板部材5としては、例えばフッ素樹脂を主成分とする樹脂材料を用いる。このとき、一方の板部材5には、リード7を通すための貫通孔が設けられた板部材5を用いる。
さらに、セラミック体1の周方向における位置決めを行なうために、セラミック体1と金属筒3との間に、スペーサーを挿入する。スペーサーとしては、φ0.75mm程度、長さが10mm程度の円柱状の棒を4本準備して、セラミック体1の外周に沿って90度の間隔で4か所に挿入する。そして、このスペーサーによって確保されたセラミック体1と金属筒3との間の隙間に充填剤4を充填する。充填剤4としては、例えば酸化マグネシウムを用いることができる。所定の量の充填剤4を充填した後に、スペーサーを除去して
、さらに充填剤4の充填を行なう。充填剤4によってセラミック体1と金属筒3との間の隙間を埋めた後に、他方板部材5を金属筒3に挿入する。さらに、板部材5をセラミック体1に押し付けるようにして、金属蓋6を金属筒3に挿入した後に、金属蓋6と金属筒3とを溶接する。
上記のようにして、上述の本実施形態のヒータ10を得ることができる。
本発明のヒータ10の実施例について説明する。Alを主成分とし、SiO、CaO、MgOおよびZrOが合計で10質量%以内になるように調製したアルミナ質セラミックグリーンシートを準備し、この表面にタングステンとモリブデンとを主成分として成る発熱抵抗体2用の導体ペーストをスクリーン印刷法にて印刷した。具体的には、発熱抵抗体2として、幅1mmの折り返し形状である発熱部とその両端部に接続された幅3mmの引出し部とのパターンを形成した。
次に、アルミナ質セラミックグリーンシートのうち発熱抵抗体2用の導体ペーストを形成した側の面に、同様の組成からなるアルミナ質セラミックスを分散させた密着液を塗布し、別に準備した円筒状のアルミナ質セラミック成型体の周囲に、導体ペーストを形成した側の面を密着させるように巻きつけて成型体を作製した。
このようにして準備した成型体を1500〜1600℃の還元雰囲気中で焼成することで、焼結体を作製した。なお、セラミック体1の内周面のうちリード7を取り付ける部分を焼成前に切り欠いておき、発熱抵抗体2の端部が露出するようにしておいた。そして、発熱抵抗体2の端部に無電解めっきにてニッケルめっきを施した後に、リード7としてφ1.2mmのニッケルワイヤーを、銀ろうを用いてろう付けした。
次に、ステンレスから成る金属筒3に、フッ素樹脂を主成分とする板部材5の一方を挿入する。そして、焼結体を金属筒3に挿入して、板部材5に押し当てた。さらに、スペーサーとしてφ0.75mm程度、長さが10mm程度の円柱状の棒を4本準備して、セラミック体1と金属筒3との間に、セラミック体1の外周に沿って90度の間隔で4カ所に挿入した。このスペーサーによって確保されたセラミック体1と金属筒3との間の隙間に粒径が100μm程度の酸化マグシウム粉を充填剤4として充填した。この時、充填密度を高めるためにタッピングを500回行なった。充填剤4を所定の高さまで充填した後に、4か所のスペーサーを抜いて、さらに充填剤4の充填を行なった。その後、他方の板部材5をセラミック体1の他端側の端面に接するようにセットして、さらに板部材5を押さえ付けるように金属蓋6を取り付けた。金属蓋6と金属筒3との固定は金属蓋6の外周面と金属筒3の内周面に形成したねじ構造によって行ない、さらにねじが緩むことを防止するために金属蓋6と金属筒3との溶接を行なった。以上のようにして得られたヒータ10を試料1とした。ここで、各部材の熱伝導率は、充填剤4(酸化マグシウム)が54W/(m・K)であり、金属筒3(ステンレス)が16W/(m・K)であり、板部材5(フッ素樹脂)が0.25W/(m・K)であった。
また、比較例として、板部材5を備えていないヒータを作製して試料2とした。板部材5を備えていないこと以外は試料1と同じ構成である。試料2のうち試料1において板部材5が設けられている部分には、充填剤4を充填した。
次に、試料1と試料2との比較を行なった。具体的には、試料1および試料2にそれぞれ電流を流して金属筒3における最高発熱部の温度を300℃にまで上昇させて、これにかかる時間を測定した。また、金属蓋6の表面に熱電対を取り付けて、金属蓋6の温度を測定した。その結果、300℃にまで上昇させるのに要した時間は、試料1が14秒であ
り、試料2が17秒であった。また、金属蓋6の温度は試料1においては95℃までしか上昇しなかったのに対して、試料2においては160℃にまで上昇した。このことから、本発明の実施例である試料1においては、板部材5が設けられていることによって、金属蓋6に伝わる熱の量が低減されていることが確認できた。
10:ヒータ
1:セラミック体
2:発熱抵抗体
3:金属筒
31:突出部
4:充填剤
5:板部材
50:切欠き部
51:凹部
52:凸部
6:金属蓋
7:リード

Claims (9)

  1. 一端および他端を有する棒状または筒状のセラミック体と、該セラミック体の内部に設けられた発熱抵抗体と、該発熱抵抗体と接続するとともに前記一端側に設けられ外部に引き出されているリードと、前記セラミック体のうち少なくとも前記発熱抵抗体が設けられた部分の全体が挿入された金属筒と、前記セラミック体の外周面および前記金属筒の内周面の間に充填された充填剤と、前記セラミック体の他端面に接するようにして前記金属筒内に長さ方向に直交するように設けられた板部材と、前記セラミック体との間に前記板部材を挟むようにして前記金属筒に設けられた金属蓋とを備えており、該板部材は、熱伝導率が前記金属筒の熱伝導率および前記充填剤の熱伝導率よりも小さく、前記金属蓋側の面が凹状に形成されていることを特徴とするヒータ。
  2. 前記金属筒の長さ方向に直交する断面で見たときに、前記板部材の外周面と前記金属筒の内周面とは部分的に形状が一致して接しているとともに、前記板部材は、外周面に切欠き部を有していることを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
  3. 前記板部材は、ヤング率が前記セラミック体のヤング率および前記金属筒のヤング率よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項に記載のヒータ。
  4. 前記切欠き部に前記充填剤が充填されていることを特徴とする請求項に記載のヒータ。
  5. 前記板部材は、前記発熱抵抗体の発熱によって前記セラミック体に温度分布が生じた際に、前記セラミック体の前記端面のうち最も高温になる領域に対応するように前記切欠き部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のヒータ。
  6. 前記板部材は、前記セラミック体側の面に凹部を有するとともに、該凹部に前記セラミック体の一部が挿入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータ。
  7. 前記セラミック体が筒状であって、前記板部材は、前記セラミック体側の面に凸部を有するとともに該凸部が前記セラミック体に嵌っていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータ。
  8. 前記充填剤は、粉体からなるとともに前記板部材に接しており、前記板部材は、樹脂か
    らなるとともに一部が前記充填剤に入り込んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータ。
  9. 前記充填剤は、粉体からなるとともに前記板部材に接しており、前記板部材は、セラミックスからなるとともに一部が前記充填剤に入り込んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータ。
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