JP6338946B2 - 研磨装置、及び研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、研磨装置、研磨方法、及び研磨パッドに関する。
半導体装置の素子の高密度化及び小型化の実現のために、半導体ウェーハ等の研磨対象物を高精度で平坦化する必要がある。そのため、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing/CMP)は、半導体装置の製造において欠くことのできない技術である。
従来、CMPに使用される研磨パッドには、主に硬質の樹脂で形成された研磨層と、クッション性を有するクッション層と、を積層して構成したものがある。クッション層は、例えばウェーハからの荷重に応じて変形することで、長周期のウェーハ形状に追従する機能を有している。この場合、クッション層が硬くクッション層の変形量が小さいと、ウェーハ形状に追従し難くなるため、研磨における平坦化性能が高くなるという長所を有する一方で、面内均一性が低下し、いわゆる下地うねりによる膜残りが生じ易くなるという短所を有する。これに対し、クッション層が柔らかくクッション層の変形量が大きいと、ウェーハ形状に追従し易くなるため、面内均一性が向上し、いわゆる下地うねりによる膜残りが低減されるという長所を有する一方で、研磨における平坦化性能が低くなるという短所を有する。
そのため、従来、研磨による平坦化性能と面内均一性能の両立を図ることは困難であった。
特開2009−45736号公報
そこで、研磨による平坦化性能と面内均一性能の両立を図ることができる研磨装置、研磨方法、及び研磨パッドを提供する。
実施形態の研磨装置は、研磨パッドが設けられる回転可能なテーブルであって、ガラス状態からゴム状態に転移するガラス転移温度を有し前記ガラス転移温度より低い温度でガラス状態となり前記ガラス転移温度より高い温度でゴム状態になるポリマー材料を含んでいるクッション層を有する研磨パッドが設けられるテーブル、又は、前記ポリマー材料を含んだクッション層であって前記研磨パッド側に設けられたクッション層を有するテーブルと、研磨対象物を保持した状態でその研磨対象物を前記研磨パッドの研磨層に接触させることが可能な研磨ヘッドと、前記クッション層の温度を前記ガラス転移温度を跨いで制御することが可能な温度制御部と、を備える。前記クッション層は、前記研磨層と前記テーブルとの間に設けられている。
実施形態の研磨方法は、研磨パッドが設けられる回転可能なテーブルであって、ガラス状態からゴム状態に転移するガラス転移温度を有し前記ガラス転移温度より低い温度でガラス状態となり前記ガラス転移温度より高い温度でゴム状態になるポリマー材料を含んで構成されたクッション層を有するテーブル、又は、前記ポリマー材料を含んで構成されたクッション層を有する研磨パッドが設けられるテーブルと、前記クッション層の温度を前記ガラス転移温度よりも高くなるように又は前記ガラス転移温度よりも低くなるように制御することが可能な温度制御部と、前記温度制御部による温度制御を実行するとともに、研磨対象物を前記研磨パッドの研磨層に接触させて研磨する研磨工程と、を備える。前記クッション層は、前記研磨層と前記テーブルとの間に設けられている。前記研磨工程は、前記クッション層を前記ガラス転移温度よりも低い温度にして前記研磨対象物を研磨する低温研磨工程と前記クッション層を前記ガラス転移温度よりも高い温度にして前記研磨対象物を研磨する高温研磨工程とを含んでいる。
実施形態の研磨パッドは、研磨対象物に接して当該研磨対象物を研磨することが可能な研磨層と、前記研磨層に対して前記研磨対象物と反対側に積層されガラス状態からゴム状態に転移するガラス転移温度を有し前記ガラス転移温度より低い温度でガラス状態となり前記ガラス転移温度より高い温度でゴム状態になるポリマー材料を含んでいるクッション層と、を備え、前記ガラス転移温度は、−40℃〜120℃の範囲内で設定されている。
第1実施形態による研磨装置の概略構成の一例を示す図 研磨パッドの概略構成の一例を示す断面図 半導体装置の製造工程の一例を(A)〜(D)の順に示す半導体装置の断面図 研磨工程の一例を示すもので、半導体装置のある1つの3Dメモリ素子構造部分を拡大して示す半導体装置及び研磨パッドの断面図であって、(A)はクッション層の硬度が高い場合を示し、(B)はクッション層の硬度が低い場合を示す図 研磨工程の一例を示すもので、半導体装置の複数の3Dメモリ素子構造部分に亘って示す半導体装置及び研磨パッドの断面図であって、(A)はクッション層の硬度が高い場合を示し、(B)はクッション層の硬度が低い場合を示す図 第2実施形態による図1相当図 第2実施形態による図2相当図 第3実施形態による図1相当図 第1温度制御部による第1温度領域及び第2温度制御部による第2温度領域の配置を示す図
以下、複数の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して研磨装置10の概略について説明する。研磨装置10は、CMP工程において用いられる研磨装置であって、テーブル11、テーブル駆動部12、研磨ヘッド13、スラリー供給部14、ドレッシング機構15、及び温度制御部16を備えている。テーブル11は、全体として円板状に構成されている。テーブル11の研磨ヘッド13側つまり上面側には、研磨パッド20が着脱可能に設けられる。テーブル11は、テーブル駆動部12によって駆動され、上側に設けられる研磨パッド20とともに回転する。
研磨ヘッド13は、テーブル11に設けられる研磨パッド20と対向して設けられている。すなわち、研磨ヘッド13は、テーブル11の上方に設けられている。また、研磨ヘッド13は、テーブル11の回転中心に対して一方側寄りに設けられている。研磨ヘッド13は、テーブル11側つまり下側に研磨対象物としてのウェーハ30を保持する。なお、図1では、ウェーハ30の厚みを、研磨パッド20等との寸法関係において実際よりも誇張して表現している。
研磨ヘッド13は、例えば空圧の増減によって伸縮可能なエアバッグ131と、研磨中のウェーハ30の脱落を防止するためのリテーナリング132を有している。研磨ヘッド13は、エアバッグ131を膨張させることで、ウェーハ30を保持した状態でウェーハ30に圧力を加える。これにより、ウェーハ30は、研磨ヘッド13に保持されるとともに、研磨パッド20の研磨面211に上方から所定の圧力で押し付けられる。研磨ヘッド13は、研磨ヘッド駆動部17によって駆動され、回転する。これにより、ウェーハ30は、研磨ヘッド13とともに回転する。
スラリー供給部14は、水に添加剤を含ませたスラリー141を、研磨パッド20の研磨面211に供給する。ウェーハ30を研磨する際、スラリー供給部14から供給されたスラリー141は、研磨ヘッド13に保持されたウェーハ30と研磨パッド20の研磨面211との間に侵入する。研磨ヘッド13に保持されているウェーハ30は、適切な圧力で研磨パッド20に押し付けられる。これにより、ウェーハ30は、研磨パッド20の研磨面211と接し、表面が研磨される。
ドレッシング機構15は、例えば研磨対象物であるウェーハ30の研磨中又は研磨の前後に、研磨パッド20の表面のドレッシングすなわち目立てを行うものである。ドレッシング機構15は、テーブル11に設けられる研磨パッド20と対向して、すなわちテーブル11の上方に設けられている。また、ドレッシング機構15は、テーブル11の回転中心に対して他方側寄り、すなわち研磨ヘッド13と反対側寄りに設けられている。ドレッシング機構15は、例えば表面に多数のダイヤモンド砥粒が設けられたドレッサー151を有している。ドレッサー151は、ドレッシング機構15によって駆動される。この場合、ドレッシング機構15は、ドレッサー151を研磨パッド20に上方から押し付けた状態で回転しながら揺動する。これにより、ドレッサー151は、研磨パッド20の表面を研削する。その結果、研磨対象物となるウェーハ30が通過する領域がまんべんなく目立てされる。
温度制御部16は、テーブル11に装着された研磨パッド20の温度制御、主には研磨パッド20のテーブル11側部分の温度制御を行うものである。温度制御部16は、テーブル11に内蔵されており、テーブル11の上面側すなわち研磨パッド20が装着される面側に設けられている。温度制御部16は、加熱又は冷却若しくはこれらの組み合わせによって研磨パッド20の温度制御が可能な温度制御機能と、研磨パッド20の温度を検出可能な温度センサ等の温度検出機能と、を有している。温度制御部16は、制御装置19に接続されている。温度制御部16は、制御装置19からの制御を受けて、テーブル11に設けられた研磨パッド20の略全域、少なくとも研磨対象物であるウェーハ30が通過する領域に亘って温度制御が可能になっている。
温度制御の方式には、例えばテーブル11の内部に熱媒体を還流させてその熱媒体を高温又は低温にすることで加熱及び冷却する方式、ペルチェ素子を使用して加熱及び冷却する方式、電熱器を使用して加熱する方式、マイクロ波を研磨パッド20に照射して加熱する方式、冷媒の気化熱を利用して冷却する方式等が考えられる。そして、温度制御部16による温度制御は、上述した方式に限定されない。本実施形態では、温度制御部16は、電熱器を使用して加熱する方式を採用しており、その温度の制御範囲は、25℃〜120℃の範囲に設定されている。
研磨パッド20は、研磨対象物に接して研磨するために用いられる。研磨パッド20は、研磨装置10のテーブル11の上面に着脱可能に装着される。研磨パッド20は、消耗品であるため、必要に応じて交換される。研磨パッド20は、全体として円板状に構成されている。研磨パッド20は、異なる硬さの層を積層して構成されている。すなわち、実施形態の研磨パッド20は、図2に示すように研磨層21とクッション層22とを積層して2層構造に構成されている。研磨パッド20は、研磨層21側が研磨ヘッド13側すなわち上方となるように設けられる。研磨パッド20は、研磨層21の研磨ヘッド13側の面、すなわち重力方向において上端面に研磨面211を有している。研磨層21及びクッション層22は、その厚みを任意に設定することができる。本実施形態において、研磨層21の厚みは1.25mm、クッション層の厚みは0.8mmに設定されている。
研磨層21は、研磨対象物と接して研磨対象物を研磨する。研磨層21は、例えばポリウレタン等の硬質の発泡樹脂で形成されている。研磨層21は、複数の小孔212及び複数の溝213を有している。小孔212は、例えば非貫通の孔であって、研磨層21に供給されたスラリー141を研磨層21の表面側に保持するためのものである。溝213は、例えば格子状に設けられており、スラリー141を研磨層21の表面全体へ供給を補助するための補助作用を有する。なお、研磨層21は、必ずしも小孔212及び溝213を有している必要はなく、また、小孔212又は溝213のいずれか一方のみを有する構成であっても良い。
クッション層22は、研磨層21よりも密度が小さい材料、例えば樹脂材料のスポンジフォームや不織布の材料によって構成されて、研磨層21よりも軟質な構造になっている。クッション層22を形成する樹脂材料は、温度制御部16の制御温度の範囲内に、ガラス転移温度Tgを有している。すなわち、温度制御部16は、クッション層22を形成する樹脂材料のガラス転移温度Tgを跨って温度制御が可能になっている。つまり、温度制御部16は、そのガラス転移温度Tgの低温領域から高温領域にかけて、クッション層22の温度を制御することが可能になっている。
クッション層22を形成する樹脂材料は、ガラス転移温度Tgより低い温度でガラス状態としての挙動を示し、ガラス転移温度Tgより高い温度でゴム状態としての挙動を示すポリマーである。このようなポリマー材料としては、いわゆる形状記憶ポリマーと称される材料群がある。このクッション層22を形成するポリマー材料は、硬質セグメントと軟質セグメントとを有するブロックコポリマーで構成されている。
このようなポリマー材料には、例えばジイソシアネートとポリオールと短鎖ジオールとからなるポリウレタンや、スチレン‐ブタジエン系コポリマー等がある。このポリマー材料は、原料成分の種類、分子構造や分子量、配合などを制御することにより、具体的には硬質セグメントと軟質セグメントの比率及び架橋構造を変えることにより、ガラス転移温度Tgを任意に設定することができる。例えば、ジイソシアネートとポリオールと短鎖ジオールとからなるポリウレタンの場合、そのガラス転移温度Tgを−40℃〜120℃の範囲内で任意に設定することができる。
本実施形態の場合、クッション層22は、ガラス転移温度Tgよりも高温の温度領域となるゴム状態において、ASKER−C硬度80以下である。この場合、クッション層22は、ガラス転移温度Tgよりも高温領域となってゴム状態になると、その変形性が高くなり、ガラス状態の場合に比べて変形量が十分に大きくなる。なお、ASKER−C硬度とは、SRIS0101規格に基づくものである。クッション層22は、原料成分の種類や配合、スポンジフォーム又は不織布の空孔率を制御することで、その硬度を容易に制御することが可能である。本実施形態において、クッション層22は、ジイソシアネートとポリオールと短鎖ジオールとからなるガラス転移温度Tg=65℃のポリウレタンを材料としたスポンジフォームによって構成されている。
次に、研磨装置10を用いた研磨方法及び半導体装置の製造方法について図3〜図5も参照して説明する。なお、以下の説明では、シリコン基板41に対して層を積み上げる方向を上側とする。まず、図(A)に示すように、シリコン基板41上に多数のメモリ素子層を積層することで、3Dメモリ素子構造42が形成される。そして、3Dメモリ素子構造42の上部に、例えば窒化シリコン膜等のストッパー層43が形成される。次に、ストッパー層43の上部に、例えば酸化シリコン膜等の絶縁層44が形成される。
この場合、絶縁層44の上面には、絶縁層44が3Dメモリ素子構造42を覆うことによって、3Dメモリ素子構造42に沿った大きな凸部45が形成される。この凸部45は、3Dメモリ素子構造42の上部に配線構造を形成する際のリソグラフィ工程においてフォーカスのずれを生じさせたり、その後のCMP工程で配線金属残りを生じさせたりする。したがって、この凸部45を平坦化する必要がある。
凸部45の平坦化は次のようにして行われる。まず、図3(B)に示すように、ドライエッチング工程を実施して、凸部45の内側の領域を除去する。すると、凸部45の周囲の端部には、凸部45よりも狭小となる狭小凸部46が形成される。そして、狭小凸部46の内側には、凸部45を除いた部分に凹部47が形成される。
次に、絶縁層44の研磨工程が行われる。絶縁層44の研磨工程では、温度制御部16による研磨パッド20の温度制御が実行されるとともに、研磨対象物である絶縁層44が研磨パッド20の研磨層21によって研磨される。絶縁層44の研磨工程は、低温磨工程と高温研磨工程との2つの工程に分けて行われる。低温研磨工程では、図3(C)に示すように、狭小凸部46の平坦化を行う。高温研磨工程では、図3(D)に示すように、3Dメモリ素子構造42の上部に設けられたストッパー層43が露出するまで研磨を行う。これにより、図4(D)に示すような、平坦化された半導体装置40が得られる。
なお、本実施形態では、低温研磨工程及び高温研磨工程において、例えば酸化セリウムを砥粒としたスラリーが用いられるが、これに限られない。また、高温研磨工程及び低温研磨工程における「高温」及び「低温」の語句は、クッション層22のガラス転移温度Tgに対する、クッション層22の温度の高低を意味する。この場合、低温研磨工程及び高温研磨構成の実行順序は問わない。また、低温研磨工程と高温研磨工程との間に、他の工程が実行されても良い。
本実施形態の研磨パッド20は、研磨層21の裏面に、ガラス転移温度Tgを有するクッション層22が設けられている。そのため、クッション層22の温度を、ガラス転移温度Tgを跨いで制御することで、クッション層22の硬度を制御することができる。すなわち、研磨パッド20は、クッション層22の温度を制御することによって、クッション層22のクッション硬度を制御することができる。低温研磨工程において、クッション層22の硬度は、高いことが望ましい。その理由について、図4を参照して説明する。
図4(A)は、低温研磨工程において、クッション層22の硬度が高い場合の態様を示している。この場合、クッション層22が硬いため、クッション層22の変形が小さい。そのため、研磨層21は、ウェーハ30上の小さな凹凸に追従し難くなる。したがって、絶縁層44の狭小凸部46が研磨パッド20の研磨層21に接触しても、凹部47が研磨層21に接触し難い。これにより、狭小凸部46に荷重が集中して、狭小凸部46部分の研磨レートが高くなる。一方、凹部47には荷重が加わりにくく、したがって凹部47部分の研磨レートが低くなる。すなわち、クッション層22の硬度が高い場合、狭小凸部46部分での研磨速度は速くなり、凹部47部分での研磨速度は遅くなる。その結果、狭小凸部46が効果的に平坦化され、研磨後の局所的な平坦性が高くなる。
図4(B)は、低温研磨工程において、クッション層22の硬度が低い場合の態様を示している。この場合、クッション層22が柔らかいことから、クッション層22の変形が大きい。そのため、クッション層22は、絶縁層44表面の小さな凹凸に沿って変形し、これにより、研磨層21は、ウェーハ30上の小さな凹凸に追従し易くなる。この場合、ウェーハ30上の凹部47にも研磨層21が接触し易くなり、ウェーハ30に加わる荷重が、狭小凸部46のみならず凹部47にも分散される。したがって、クッション層22が柔らかい場合、クッション層22が硬い場合に比べて、狭小凸部46部分の研磨レートが低くなる一方、凹部47部分の研磨レートが高くなる。その結果、狭小凸部46と凹部47との研磨レートの差が小さくなり、狭小凸部46部分の平坦化効率が低下するため、研磨後の平坦性が低くなる。以上の理由から、狭小凸部46を効果的に平坦化する必要ある低温研磨工程においては、クッション層22の硬度は、高い状態であることが望ましい。
そこで、本実施形態の低温研磨工程は、クッション層22をガラス転移温度Tgよりも低い温度にして絶縁層44を研磨する工程となっている。すなわち、低温研磨工程では、温度制御部16によるクッション層22の温度制御が行われることなく、ウェーハ30の研磨が実行される。この場合、研磨パッド20の研磨層21の表面温度は、研磨中の摩擦熱によって50℃程度まで上昇する。しかしながら、本実施形態では、クッション層22のガラス転移温度Tgは、65℃に設定されている。そのため、研磨中の摩擦熱によって、クッション層22の温度がガラス転移温度Tgを超えることがない。したがって、低温研磨工程中、クッション層22は、ガラス転移温度Tgより低い温度状態、つまり硬度の高いガラス状態に維持される。すなわち、低温研磨工程では、クッション層22を硬い状態に維持することができる。そのため、低温研磨工程では、図4(A)で示したように、狭小凸部46部分での研磨速度を速くすることができる一方、凹部47部分での研磨速度を遅くすることができる。その結果、低温研磨工程によれば、図4(A)で示したような、高い局所的な高い平坦性を得ることができる。
研磨装置10は、研磨対象となるウェーハ30の状態に応じて変化するパラメータを利用して終点検知を行い、低温研磨工程の終了を判断する。例えば、研磨の初期では、狭小凸部46のみが研磨層21と接触するため、研磨パッド20が摩擦により受ける抵抗が小さい。研磨が進行して狭小凸部46が小さくなると、研磨パッドが凹部47にも接触し、接触面積が大きくなるため研磨パッド20が受ける抵抗が大きくなる。狭小凸部46が平坦化されると、接触面積の拡大が終了し抵抗は一定となる。そのため、研磨装置10は、研磨中に、テーブル11を一定速度で回転させた際のテーブル駆動部12の電流値の変化を測定することで、狭小凸部46の研磨の終点検知を行うことができる。また、研磨対象物であるウェーハ30の状態に応じて変化するパラメータとしては、テーブル11の駆動電流値以外にも、例えば研磨対象物の表面に照射した光の反射強度やスペクトル、研磨ヘッド13を駆動する研磨ヘッド駆動部17の回転駆動電流値、研磨対象物に磁力線を照射して発生させた渦電流による磁力線、研磨層21の表面温度等を使用することもできる。
高温研磨工程において、クッション層22の硬度は、低いことが望ましい。その理由について、図5を参照して説明する。この場合、図5は、図4に比べて小縮尺であり、図4よりも広い範囲を示している。
図5(A)は、高温研磨工程中において、クッション層22の硬度が高い場合の態様を示している。シリコン基板41上には、シリコン基板41の全体的なうねり等によって、複数の3Dメモリ素子構造42に亘って数mm程度に及ぶなだらかな長周期の凹凸、この場合凹部48と凸部49とが存在することがある。クッション層22の硬度が高い場合、クッション層22の変形が小さいため、研磨層21の研磨面211は、凸部49部分の絶縁層44の表面には接触し易いが、凹部48部分の絶縁層44の表面に接触し難くなる。すると、凹部48上の絶縁層44と凸部49上の絶縁層44とで、研磨レートに大きな差が生じる。その結果、研磨の終了後に、凹部48上でストッパー層43上に絶縁層44が残存したり、複数の3Dメモリ素子構造42間の絶縁層44の残膜量のばらつきが大きくなったりするといった問題が生じ易くなる。
図5(B)は、高温研磨工程中において、クッション層22の硬度が低い場合の態様を示している。この場合、クッション層22の変形が大きいため、研磨層21の研磨面211は、凹部48部分の絶縁層44の表面に接触し易くなる。そのため、凹部48部分の絶縁層44の研磨レートが高くなり、したがって、凹部48部分と凸部49部分との研磨レートの差が小さくなる。その結果、上述したような、例えば凹部48上でストッパー層43上に絶縁層44が残存したり、複数の3Dメモリ素子構造42間の絶縁層44の残膜量のばらつきが大きくなったりするといった問題を抑制することができる。以上の理由から、高温研磨工程においては、クッション層22の硬度は、低温研磨工程の場合に比べて低い状態であることが望ましい。
そこで、本実施形態の高温研磨工程は、クッション層22をガラス転移温度Tgよりも高い温度にして絶縁層44を研磨する工程となっている。すなわち、高温研磨工程では、温度制御部16によりクッション層22が、ガラス転移温度Tgを超えるまで加熱される。例えば、温度制御部16は、クッション層22を75℃程度まで加熱する。この場合、クッション層22のガラス転移温度Tgを超えた温度領域は、ゴム領域である。そのため、クッション層22は、ゴム状態となって硬度が低下する。すなわち、高温研磨工程では、クッション層22を柔軟な状態に維持することができる。そのため、高温研磨工程において、研磨層21の研磨面211は、図5(B)で示したように、凹部48部分に追従し絶縁層44の表面全体に接触し易くなる。その結果、高温研磨工程によれば、上述したように、例えば凹部48部分のストッパー層43上の絶縁層44の残存を低減し面内均一性を高めることができる。
このように、実施形態の研磨パッド20は、研磨層21とクッション層22とを備えている。そして、クッション層22は、ガラス状態からゴム状態に転移するガラス転移温度Tgを有し、ガラス転移温度Tgより低い温度でガラス状態となりガラス転移温度Tgより高い温度でゴム状態になるポリマー材料を含んでいる。また、実施形態の研磨装置10は、クッション層22の温度を、ガラス転移温度Tgを跨いで制御することが可能な温度制御部16を備えている。そして、実施形態の研磨方法は、研磨工程である高温研磨工程において、温度制御部16による温度制御を実行するとともに、研磨対象物であるウェーハ30を研磨パッド20の研磨面211で研磨する。以上より、高い局所平坦性を実現しつつ、ストッパー層43上の絶縁層44の残存を低減するとともに、複数の3Dメモリ素子構造42間の絶縁層44の残存量のばらつきを低減することができる。
ここで、研磨対象物の研磨の面内均一性を向上させるためには、本願の研磨パッド20のように、研磨層21とテーブル11との間にクッション層22を有していることが好ましい。すなわち、本願のクッション層22は、例えば研磨層21よりも密度の低いスポンジフォームや不織布で構成されている。そのため、クッション層22は、研磨層21に比べて柔軟性があって変形量が大きく、その結果、研磨対象物の長周期の大きなうねりに対して研磨面211が追従し易くなるからである。このような研磨層21とクッション層22とを有する研磨パッド20において、研磨パッド20の硬度を制御することで研磨対象物の長周期の大きなうねりに対する研磨面211の追従性を制御するには、変形量の小さい研磨層21の硬度を制御するよりも、変形量の大きいクッション層22の硬度を制御する方が効果的である。
また、研磨工程中に研磨層21の硬度を変化させると、例えば研磨対象物への砥粒の押し付け力や、スラリー141中の砥粒の保持力、研磨層21と研磨対象物との摩擦力などの特性が大きく変化し、これにより研磨レートも大きく変化する。すると、例えば研磨層21の硬度が低下して研磨レートが低下した場合には、図3(D)に示すストッパー層43が露出した後の絶縁層44の残量が大きくなるなどの問題が生じる。更に、研磨パッド20のように、研磨層21と温度制御部16との間にクッション層22を有するものにおいて、温度制御部16から離れた位置にある研磨層21の温度を制御することは難しい。
本実施形態の研磨パッド20は、研磨層21と、研磨層21よりも柔軟性があるクッション層22とを有している。そのため、クッション層22の柔軟性によって、研磨対象物の研磨の面内均一性を向上させることができる。そして、研磨装置10は、温度制御部16によってクッション層22のガラス転移温度Tgを跨いで温度制御することにより、クッション層22を硬度が高いガラス状態と硬度の低いゴム状態とに任意に切り替えることができる。これにより、研磨装置10は、研磨層21を、局所的な研磨レートが高く局所的な平坦性が高い状態と、全体的な追従性が高く面内均一性の高い状態とに、任意に切り替えて研磨を行うことができる。よって、研磨による平坦化性能と面内均一性能の両立を図ることができる。
研磨装置10は、研磨対象物に接して研磨する研磨層21ではなく、研磨対象物に直接接しないクッション層22の温度を制御する。したがって、研磨装置10は、研磨工程中に研磨層21の硬度が変化することによって研磨層21自体の特性が大きく変化することを防ぐことができる。
研磨装置10は、温度制御部16から離れた位置にある研磨層21ではなく、温度制御部16に接するクッション層22の温度を制御する。したがって、研磨装置10は、温度制御部16によって、クッション層22の温度を比較的容易かつ精度良く制御することができる。その結果、研磨装置10は、研磨工程中にクッション層22の硬度を比較的容易かつ精度良く制御することができる。
クッション層22を構成するポリマー材は、比較的入手が容易なポリウレタンを用いることができる。そのため、研磨パッド20の製造コストを抑制することができる。
クッション層22のガラス転移温度Tgは、−40℃〜120℃の範囲内の任意の温度に設定することができる。このように、クッション層22のガラス転移温度Tgの選択の幅が比較的広いため、温度制御部16の温度制御の方式の選択の幅も広がる。したがって、研磨装置10は、多様な研磨対象物の加工に対応することができる。
クッション層22は、ゴム状態における硬度がASKER−C硬度で80以下である。これによれば、クッション層22がゴム状態である場合、研磨層21は、研磨対象物の凹凸に精度良く追従することができ、その結果、面内均一性が更に向上する。
本実施形態において、温度制御部16は、例えばアンモニア等の冷媒の気化熱を利用して冷却する方式を採用することもできる。この場合、温度制御部16の温度制御の範囲は、例えば−10℃〜25℃程度となる。また、クッション層22は、例えばジイソシアネートとポリオールと短鎖ジオールからなるポリウレタンを材料としたスポンジフォームで構成される。そして、クッション層22のガラス転移温度Tgは、例えば10℃に設定される。
この場合、低温研磨工程では、温度制御部16によって研磨パッド20のクッション層22を、ガラス転移温度Tgよりも低くなるように例えば−10℃程度まで冷却する。これにより、低温研磨工程において、クッション層22の温度が、研磨による摩擦熱によってガラス転移温度Tgを超えることが抑制される。これにより、クッション層22は、ガラス転移温度Tgよりも低い温度領域であるガラス領域に維持されるため、硬度の高いガラス状態としての挙動を示す。その結果、研磨パッド20は、上記実施形態と同様に、低温研磨工程において局所的な平坦性を高くすることができる。
一方、高温研磨工程では、温度制御部16によるクッション層22の冷却を停止して、研磨を行う。これにより、高温研磨工程において、クッション層22の温度が、研磨による摩擦熱によってガラス転移温度Tgを超える。これにより、クッション層22は、ガラス転移温度Tgを超えた温度領域であるゴム領域に維持されるため、硬度の低いゴム状態としての挙動を示す。その結果、研磨パッド20は、上記実施形態と同様に、高温研磨工程におけるウェーハ30全体について面内均一性を高くすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。上記第1実施形態において、クッション層は、研磨パッド20に設けられていた。これに対し、本実施形態において、クッション層は、研磨装置10のテーブル11に設けられている。
すなわち、第2実施形態の研磨装置10は、クッション層111を備えている。クッション層111は、テーブル11の上面つまり研磨ヘッド13側の面に設けられている。クッション層111は、第1実施形態のクッション層22と同様の構成である。すなわち、クッション層111は、ガラス転移温度Tgを有し、ガラス転移温度Tgより低い温度でガラス状態、ガラス転移温度Tgより高い温度でゴム状態として挙動するポリマー材料で構成されている。一方、第2実施形態の研磨装置10に用いられる研磨パッド25は、クッション層22を有しておらず、図7に示すように研磨層21の単層で構成されている。
また、研磨装置10は、図6に示すように、クッション層111の上面に設けられた薄層シート112を備えている。薄層シート112は、例えばポリエチレンテレフタレート等の樹脂性の薄層シートである。薄層シート112を、研磨装置10のクッション層111と研磨パッド25との間に設けることにより、クッション層111と研磨パッド25との密着性が向上する。なお、薄層シート112は、本実施形態の実施に必須の要素ではなく、その有無については適宜選択することができる。
この第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。更に、この第2実施形態によれば、研磨パッド25の交換に伴って、クッション層111も交換する必要がなくなる。したがって、クッション層111を再利用することができ、研磨パッド25の構成も簡単になる。その結果、研磨パッド25のコストすなわち消耗部材のコストを下げることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、以下の説明では、上記第1実施形態のように研磨パッド20にクッション層22が設けられた構成について説明するが、第3実施形態は、上記第2実施形態のようにテーブル11にクッション層111が設けられた構成であっても良い。
第3実施形態の研磨装置10は、クッション層22の温度を、複数この場合2つの異なる温度の領域に分けて制御することができる。すなわち、研磨装置10は、温度制御部として第1温度制御部161及び第2温度制御部162を備えている。第1温度制御部161は、クッション層22を、クッション層22のガラス転移温度Tgよりも低い温度に冷却することができる。第2温度制御部162は、クッション層22を、クッション層22のガラス転移温度Tgよりも高い温度に加熱することができる。第1温度制御部161及び第2温度制御部162は、研磨対象物であるウェーハ30の研磨中に、ウェーハ30の全ての点つまり全領域が、第1温度制御部161の領域と第2温度制御部162の領域とを交互に通過するように配置されている。なお、この場合、第1温度制御部161の領域を、第1温度領域と称し、第2温度制御部162の領域を、第2温度領域と称する。
第1温度制御部161と第2温度制御部162との配置方法は、例えば図9(A)〜(C)に示すようなものがある。図9(A)では、テーブル11の領域が扇状に8等分に分割されている。そして、第1温度制御部161の領域つまり第1温度領域と第2温度制御部162の領域つまり第2温度領域とが、テーブル11の周方向に沿って交互に配置されている。図9(B)では、第1温度制御部161の領域を格子状に配置し、残りの部分に第2温度制御部162を配置している。図9(C)では、第2温度制御部162の領域を、テーブル11の中心から径方向の外側へ向かう8本の放射状に配置し、残りの部分に第1温度制御部161を配置している。
第3実施形態における研磨方法は、上記第1実施形態の低温研磨工程及び高温研磨工程を、単一の研磨工程内において同時に実行するような概念である。この場合、研磨装置10は、研磨中に、クッション層22の温度を、第1温度制御部161の領域においてはガラス転移温度Tgを超えないように制御し、第2温度制御部162の領域においてはガラス転移温度Tgを超えるように制御する。すなわち、研磨工程中において、クッション層22は、第1温度領域がガラス転移温度Tgよりも低い温度となるように制御され、第2温度領域がガラス転移温度Tgよりも高い温度となるように制御される。
すると、ウェーハ30の絶縁層44が第1温度制御部161の領域を通過する際、クッション層22の温度がガラス転移温度Tgよりも低い温度となってガラス状態の挙動を示すため、クッション層22の変形が小さくなる。このため、図4(A)に示すように、狭小凸部46部分の絶縁層44の研磨レートが高くなり、この狭小凸部46部分が効率的に平坦化されて、研磨後の平坦性が高くなる。この場合、最終的な研磨後の表面の局所平坦性は、研磨中の最も平坦化能力の高い状態における到達可能な平坦性により決定される。したがって、上記第1実施形態における低温研磨工程の終了時と同等の局所平坦性を達成することができる。
一方、ウェーハ30の絶縁層44が第2温度制御部162の領域を通過する際、クッション層22の温度がガラス転移温度Tgよりも高い温度となってゴム状態の挙動を示すため、クッション層22の変形が大きくなる。このため、図4(B)に示すように、狭小凸部46部分と凹部47部分との絶縁層44の研磨レートの差が小さくなる。これにより、上記第1実施形態における高温研磨工程の終了時と同様に、例えば凹部48部分のストッパー層43上の絶縁層44の残存を低減し、また、複数の3Dメモリ素子構造42間の絶縁層44の残存量のばらつきを小さくし、面内均一性を高めることができる。
このように、第3実施形態では、単一の研磨工程中に、クッション層22をガラス転移温度Tgを跨いで異なる温度領域に同時に制御することで、研磨による平坦化性能と面内均一性能の両立を図ることができる。
なお、この第3実施形態では、第1温度制御部161の領域つまり第1温度領域と、第2温度制御部162の領域つまり第2温度領域との両方を温度制御することができる構成として説明した。しかし、これに限られず、第1温度領域及び第2温度領域のいずれか一方のみ、温度制御が可能な構成であっても良い。この場合、例えば研磨中の摩擦熱によるクッション層22の温度上昇を考慮したうえで、クッション層22のガラス転移温度Tgと、第1温度制御部161又は第2温度制御部162の温度制御範囲を適切に設定することで、上記第1、2実施形態と同様の効果を得ることができる。
例えば第1温度制御部161のみを温度制御可能な構成とした場合について説明する。この場合、第1温度制御部161は、例えばアンモニア等の冷媒の気化熱を利用して冷却する方式を採用し、その温度制御の範囲は、例えば−10℃〜25℃程度に設定する。また、クッション層22のガラス転移温度Tgは、例えば10℃に設定する。そして、研磨工程中に、第1温度制御部161によって研磨パッド20のクッション層22を、ガラス転移温度Tgよりも低くなるように例えば−10℃程度まで冷却する。これにより、クッション層22の温度が、第1温度制御部161の領域つまり第1温度領域ではガラス転移温度Tgを超えることが抑制され、一方、第1温度制御部161以外の領域つまり第2温度領域では、研磨による摩擦熱によってガラス転移温度Tgよりも高くなる。これによっても、上記第3実施形態と同様の作用効果が得られる。
以上実施形態によれば、研磨装置は、温度制御部によって、クッション層の温度を、ガラス転移温度を跨いで温度制御することにより、クッション層を硬度が高いガラス状態と硬度の低いゴム状態とに任意に切り替えることができる。これにより、研磨装置は、研磨層を、局所的な研磨レートが高く局所的な平坦性が高い状態と、全体的な追従性が高く面内均一性の高いとに、任意に切り替えて研磨を行うことができる。よって、研磨による平坦化性能と面内均一性能の両立を図ることができる。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、10は研磨装置、11はテーブル、111はクッション層、13は研磨ヘッド、16は温度制御部、20は研磨パッド、21は研磨層、22はクッション層、25は研磨パッド、30はウェーハ(研磨対象物)を示す。

Claims (4)

  1. 研磨パッドが設けられる回転可能なテーブルであって、ガラス状態からゴム状態に転移するガラス転移温度を有し前記ガラス転移温度より低い温度でガラス状態となり前記ガラス転移温度より高い温度でゴム状態になるポリマー材料を含んでいるクッション層を有する研磨パッドが設けられるテーブル、又は、前記ポリマー材料を含んだクッション層であって前記研磨パッド側に設けられたクッション層を有するテーブルと、
    研磨対象物を保持した状態でその研磨対象物を前記研磨パッドの研磨層に接触させることが可能な研磨ヘッドと、
    前記クッション層の温度を前記ガラス転移温度を跨いで制御することが可能な温度制御部と、
    を備え、
    前記クッション層は、前記研磨層と前記テーブルとの間に設けられている、
    研磨装置。
  2. 前記温度制御部は、前記クッション層の温度を、複数の異なる温度の領域に分けて制御することが可能な請求項1に記載の研磨装置。
  3. 研磨パッドが設けられる回転可能なテーブルであって、ガラス状態からゴム状態に転移するガラス転移温度を有し前記ガラス転移温度より低い温度でガラス状態となり前記ガラス転移温度より高い温度でゴム状態になるポリマー材料を含んで構成されクッション層を有するテーブル、又は、前記ポリマー材料を含んで構成されクッション層を有する研磨パッドが設けられるテーブルと、
    前記クッション層の温度を前記ガラス転移温度よりも高くなるように又は前記ガラス転移温度よりも低くなるように制御することが可能な温度制御部と、
    前記温度制御部による温度制御を実行するとともに、研磨対象物を前記研磨パッドの研磨層に接触させて研磨する研磨工程と、を備え、
    前記クッション層は、前記研磨層と前記テーブルとの間に設けられており、
    前記研磨工程は、前記クッション層を前記ガラス転移温度よりも低い温度にして前記研磨対象物を研磨する低温研磨工程と前記クッション層を前記ガラス転移温度よりも高い温度にして前記研磨対象物を研磨する高温研磨工程とを含んでいる研磨方法。
  4. 研磨パッドが設けられる回転可能なテーブルであって、ガラス状態からゴム状態に転移するガラス転移温度を有し前記ガラス転移温度より低い温度でガラス状態となり前記ガラス転移温度より高い温度でゴム状態になるポリマー材料を含んで構成されたクッション層を有するテーブル、又は、前記ポリマー材料を含んで構成されたクッション層を有する研磨パッドが設けられるテーブルと、
    前記クッション層の温度を前記ガラス転移温度よりも高くなるように又は前記ガラス転移温度よりも低くなるように制御することが可能な温度制御部と、
    前記温度制御部による温度制御を実行するとともに、研磨対象物を前記研磨パッドの研磨層に接触させて研磨する研磨工程と、を備え、
    前記研磨工程は、前記クッション層を前記ガラス転移温度よりも高い温度の領域と前記ガラス転移温度よりも低い温度の領域とに分けた状態で、前記研磨対象物を研磨するものである研磨方法。
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