ここで、弾球遊技機や回胴式遊技機での遊技で獲得した遊技媒体(遊技球や遊技メダル)を景品に交換する際の交換レートは、一般的に1遊技媒体あたりの交換時の単価が貸出時の単価以下に設定されており、遊技媒体の貸出時には、同数の遊技媒体を交換した際に得られる景品の金額以上の料金を支払う必要がある。
この交換レートは主に地域によって異なっているが、中には、1遊技媒体あたりの交換時の単価と貸出時の単価が同じである等価交換が主流となっている地域もあり、等価交換の場合、同じ出玉でより多くの景品を獲得できるため遊技者に有利な面もある。
しかしながら、パチンコ店としては、経営上、遊技媒体の貸出により徴収した料金の総額以上の金額分の景品を遊技者に還元することはできない。このため、交換レートを等価交換とした場合、パチンコ店全体としての出玉率(賞球の総数を遊技にて発射された遊技球の総数で除算した値)を100%未満とする必要があり、実体的には該出玉率はおよそ80%以下に抑えられていると考えられる。
その結果、遊技者に多くの遊技球を獲得できたという満足感(出玉感)を与えることができず、遊技者が遊技の面白さを味わうことができないという弊害が生じており、これにより客離れが生じるおそれがある。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、遊技者に十分な出玉感を与えることができるカード式の遊技機を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みてなされた請求項1に係る発明は、記憶媒体に保存された残高情報により貸し出された遊技媒体を用いて遊技を行うカード式の遊技機であって、
遊技者の操作に応じて前記遊技を進行させる遊技制御手段と、
前記遊技の進行に伴い、遊技者が前記遊技に用いることができる前記遊技媒体の数である手持数をカウントする手持数カウント手段と、
予め定められた時点から現在までの遊技期間内における前記遊技に用いられた前記遊技媒体の数であり、払出金額の算出に用いられる使用数をカウントする使用数カウント手段と、
前記貸し出された遊技媒体の数に応じた貸出金額と、前記カウントされた手持数とに基づき算出された遊技者の利益が一定水準に達したとき前記遊技を終了させる遊技終了手段と、
を備えることを特徴とする。
このカード式の遊技機は、貸し出された遊技媒体の数に応じた貸出金額と、カウントされた手持数とに基づき算出された遊技者の利益が一定水準に達したとき遊技を終了させ、カウントされた手持数と使用数とに基づき払出金額を算出し前記記憶媒体に記憶保存することが可能となる。
このようなカード式に遊技機によれば、記憶媒体に保存された残高情報に基づき球貸し(遊技媒体の貸し出し)がなされると共に、遊技終了時には、その時点の遊技者の手持数(手持遊技媒体の数)に応じた払出金額が算出され、記憶媒体に保存される。なお、例えば、遊技者が記憶媒体をパチンコ店の店員等に提示し、これを提示された店員が記憶媒体に保存された払出金額の範囲内で景品を提供することで、手持遊技媒体が景品に交換される。
そして、該払出金額は、例えば、遊技終了時の手持数に応じた原払出金額から、遊技期間における使用数(遊技に使用された手持遊技媒体の数)に応じた金額を減じて算出される。このため、パチンコ店は、払出金額を算出する段階で、遊技がどの程度行われたか(換言すれば、遊技機が減価償却された度合い)に応じて施設使用料等の付加料金を徴収することができる。
したがって、パチンコ店の経営上必要となる料金を確実に徴収しつつ、カード式の遊技機の出玉率を100%以上とすることができ、遊技者に十分な出玉感を与えることが可能となる。
なお、出玉率とは、遊技者が遊技によりどの程度の遊技媒体を獲得できるかを示す指標であり、具体的には、例えば、弾球遊技機の場合であれば、賞球の総数を遊技にて発射された遊技球の総数で除算した値を出球率と捉えても良いし、回胴式遊技機の場合であれば、賞メダルの総数をベットされた遊技メダルの総数で除算した値を出球率と捉えても良い。
また、払出金額を記憶媒体に保存させるとは、単に払出金額を示すデータを記憶媒体に保存することであっても良いし、例えば、記憶媒体に保存されている残高情報を更新して残高に払出金額を加算し、払出金額を残高として保存することであっても良い。
さらに、請求項1に記載の構成によれば、終了条件が満たされると遊技を終了させ、その時点で遊技者が有するカウントされた手持数が精算され、付加料金が徴収された後に払出金額が記憶媒体に保存することが可能となる。このため、例えば、手持数や遊技の状況等に基づき終了条件を設定することで、遊技で獲得した手持遊技媒体を用いて行われる持たせ遊技を自動的に終了させることができ、これにより持たせ遊技に制限を課すことが可能となる。これにより、遊技者に過剰に遊技媒体が付与されるのを防ぐことができ、パチンコ店の損失を抑えることができる。
また、何らかのトラブルにより、手持遊技媒体の消失や、正常な遊技が行われない等の事態が生じると、遊技者が損害を被り、出玉感が損なわれてしまうおそれがある。しかし、このようなトラブルの発生を終了条件として手持遊技媒体の精算を行うことで、遊技者の手持遊技媒体を保護し、出玉感が損なわれることを防ぐことができる。
したがって、請求項1に係るカード式の遊技機によれば、パチンコ店は、損失を被ること無く出玉率を向上させることができると共に、遊技者の手持遊技媒体を確実に保護することができ、遊技者に十分な出玉感を与えることが可能となる。
さらに、請求項1に記載の発明によれば、遊技者に一定の利益が得られた時点で遊技を終了させ、施設使用料等を徴収することができるため、施設使用料等を支払うことへの遊技者の不満を抑えることができると共に、遊技者に過剰な利益を与えてしまうことを防ぐことができる。
関連発明として、記憶媒体に保存された残高情報により貸し出された遊技媒体である手持遊技媒体を用いて遊技を行うカード式の遊技機であって、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる遊技制御手段と、遊技の進行に伴い、遊技者が遊技に用いることができる手持遊技媒体の数である手持数をカウントする手持数カウント手段と、予め定められた時点から現在までの遊技期間内における遊技に用いられた手持遊技媒体の数である使用数をカウントする使用数カウント手段と、遊技の終了時に、手持数と使用数とに基づき払出金額を算出し、記憶媒体に保存させる払出処理を行う払出手段と、を備える発明が考えられる。
また、カード式の遊技機は、当該遊技機への電力供給の停止を検出する検出手段と、当該遊技機への電力供給の停止後、一定期間にわたり当該遊技機の各部位に電力を供給する供給手段と、をさらに備え、終了条件とは、検出手段により、当該遊技機への電力供給の停止が検出されたという条件であっても良い。
このようなカード式に遊技機によれば、記憶媒体に保存された残高情報に基づき球貸し(遊技媒体の貸し出し)がなされると共に、遊技終了時には、その時点の遊技者の手持数(手持遊技媒体の数)に応じた払出金額が算出され、記憶媒体に保存される。なお、例えば、遊技者が記憶媒体をパチンコ店の店員等に提示し、これを提示された店員が記憶媒体に保存された払出金額の範囲内で景品を提供することで、手持遊技媒体が景品に交換される。
そして、該払出金額は、例えば、遊技終了時の手持数に応じた原払出金額から、遊技期間における使用数(遊技に使用された手持遊技媒体の数)に応じた金額を減じて算出される。このため、パチンコ店は、払出金額を算出する段階で、遊技がどの程度行われたか(換言すれば、遊技機が減価償却された度合い)に応じて施設使用料等の付加料金を徴収することができる。
したがって、パチンコ店の経営上必要となる料金を確実に徴収しつつ、カード式の遊技機の出玉率を100%以上とすることができ、遊技者に十分な出玉感を与えることが可能となる。
関連発明によれば、終了条件が満たされると遊技が終了となり、その時点で遊技者が有する手持遊技媒体が精算され、付加料金が徴収された後に払出金額が記憶媒体に保存される。このため、例えば、手持数や遊技の状況等に基づき終了条件を設定することで、遊技で獲得した手持遊技媒体を用いて行われる持たせ遊技を自動的に終了させることができ、これにより持たせ遊技に制限を課すことが可能となる。これにより、遊技者に過剰に遊技媒体が付与されるのを防ぐことができ、パチンコ店の損失を抑えることができる。
また、何らかのトラブルにより、手持遊技媒体の消失や、正常な遊技が行われない等の事態が生じると、遊技者が損害を被り、出玉感が損なわれてしまうおそれがある。しかし、このようなトラブルの発生を終了条件として手持遊技媒体の精算を行うことで、遊技者の手持遊技媒体を保護し、出玉感が損なわれることを防ぐことができる。
したがって、関連発明によれば、パチンコ店は、損失を被ること無く出玉率を向上させることができると共に、遊技者の手持遊技媒体を確実に保護することができ、遊技者に十分な出玉感を与えることが可能となる。
さらに、遊技中に瞬間停電等が発生すると、手持数を示すデータが消失したり、電源状態が不安定になることにより正常な遊技が行われず、遊技を継続していた遊技者に損害を与えてしまうおそれがある。
ところで、上記課題に鑑みてなされた第1の参考発明は、記憶媒体に保存された残高情報により貸し出された遊技媒体である手持遊技媒体を用いて遊技を行うカード式の遊技機であって、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる遊技制御手段と、遊技の進行に伴い、遊技者が遊技に用いることができる手持遊技媒体の数である手持数をカウントする手持数カウント手段と、予め定められた時点から現在までの遊技期間内における遊技に用いられた手持遊技媒体の数である使用数をカウントする使用数カウント手段と、遊技の終了時に、手持数と使用数とに基づき払出金額を算出し、記憶媒体に保存させる払出処理を行う払出手段と、を備えることを特徴とする。
このようなカード式に遊技機によれば、記憶媒体に保存された残高情報に基づき球貸し(遊技媒体の貸し出し)がなされると共に、遊技終了時には、その時点の遊技者の手持数(手持遊技媒体の数)に応じた払出金額が算出され、記憶媒体に保存される。なお、例えば、遊技者が記憶媒体をパチンコ店の店員等に提示し、これを提示された店員が記憶媒体に保存された払出金額の範囲内で景品を提供することで、手持遊技媒体が景品に交換される。
そして、該払出金額は、例えば、遊技終了時の手持数に応じた原払出金額から、遊技期間における使用数(遊技に使用された手持遊技媒体の数)に応じた金額を減じて算出される。このため、パチンコ店は、払出金額を算出する段階で、遊技がどの程度行われたか(換言すれば、遊技機が減価償却された度合い)に応じて施設使用料等の付加料金を徴収することができる。
したがって、パチンコ店の経営上必要となる料金を確実に徴収しつつ、カード式の遊技機の出玉率を100%以上とすることができ、遊技者に十分な出玉感を与えることが可能となる。
なお、出玉率とは、遊技者が遊技によりどの程度の遊技媒体を獲得できるかを示す指標であり、具体的には、例えば、弾球遊技機の場合であれば、賞球の総数を遊技にて発射された遊技球の総数で除算した値を出球率と捉えても良いし、回胴式遊技機の場合であれば、賞メダルの総数をベットされた遊技メダルの総数で除算した値を出球率と捉えても良い。
また、払出金額を記憶媒体に保存させるとは、単に払出金額を示すデータを記憶媒体に保存することであっても良いし、例えば、記憶媒体に保存されている残高情報を更新して残高に払出金額を加算し、払出金額を残高として保存することであっても良い。
なお、第2の参考発明のように、カード式の遊技機は、発射装置により遊技盤に発射された遊技媒体である遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置により再度発射することで、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式の弾球遊技機として構成されていても良い。
このような構成によれば、セキュリティ性が向上する等といった封入式の弾球遊技機の利点を享受しつつ、遊技者に十分な出玉感を与えることができる。
また、第3の参考発明に係るカード式の遊技機では、払出手段は、予め定められた終了条件が満たされた場合に、遊技を終了させて払出処理を行う。
このような構成によれば、終了条件が満たされると遊技が終了となり、その時点で遊技者が有する手持遊技媒体が精算され、付加料金が徴収された後に払出金額が記憶媒体に保存される。このため、例えば、手持数や遊技の状況等に基づき終了条件を設定することで、遊技で獲得した手持遊技媒体を用いて行われる持たせ遊技を自動的に終了させることができ、これにより持たせ遊技に制限を課すことが可能となる。これにより、遊技者に過剰に遊技媒体が付与されるのを防ぐことができ、パチンコ店の損失を抑えることができる。
また、何らかのトラブルにより、手持遊技媒体の消失や、正常な遊技が行われない等の事態が生じると、遊技者が損害を被り、出玉感が損なわれてしまうおそれがある。しかし、このようなトラブルの発生を終了条件として手持遊技媒体の精算を行うことで、遊技者の手持遊技媒体を保護し、出玉感が損なわれることを防ぐことができる。
したがって、第3の参考発明に係るカード式の遊技機によれば、パチンコ店は、損失を被ること無く出玉率を向上させることができると共に、遊技者の手持遊技媒体を確実に保護することができ、遊技者に十分な出玉感を与えることが可能となる。
なお、終了条件とは、具体的には、以下のようなものであっても良い。
すなわち、遊技制御手段は、予め定められた条件が満たされると、大量の遊技媒体を獲得可能な大当り遊技を行い、終了条件とは、大当り遊技が終了するという条件であっても良い(第4の参考発明)。
このような構成によれば、遊技者が大当り遊技により一定の利益を得た時点で遊技を終了させ、施設使用料等を徴収することができるため、施設使用料等を支払うことへの遊技者の不満を抑えることができる。
また、従来、例えば、弾球遊技機での大当り遊技の終了後に持球を全て交換するというルールを設け、持たせ遊技を禁止しているパチンコ店が存在する。そして、このようなパチンコ店では、店員が各弾球遊技機での遊技の状況を監視し、大当り遊技が終了した際に店員が弾球遊技機のもとを訪れて遊技者の持球を交換していた。
これに対し、第4の参考発明に係るカード式の遊技機によれば、大当り遊技の終了により自動的に精算がなされるため、店員が各遊技機を監視したり、大当り遊技が終了した際に持球を交換する等の必要が無くなり、パチンコ店の運営コストを大幅に低下させることができる。
また、第5の参考発明に係るカード式の遊技機は、遊技媒体として遊技球が用いられる弾球遊技機として構成されており、遊技制御手段は、始動口への入球に起因して乱数を抽出すると共に、該乱数に基づき大当り抽選を行い、該大当り抽選に当選すると、大入賞口の開放を伴う大当り遊技を行い、大当り抽選に伴い、表示部を介して複数の種類の図柄を用いて変動表示を行い、いずれかの図柄を停止表示させることで該大当り抽選の結果を報知し、大当り抽選に当選した際には、表示部を介して、該大当り抽選に係る乱数に応じた図柄を停止表示させ、終了条件とは、予め定められた図柄が停止表示されて大当り抽選に当選した後、該当選により開始された大当り遊技が終了するという条件であっても良い。
このような弾球遊技機によれば、予め定められた図柄(交換図柄)での大当りにより開始された大当り遊技が終了した場合には、遊技が終了され、持球の精算がなされる。
一方、交換図柄以外の他の図柄で大当りとなった場合には、少なくとも次回の大当りまでは持たせ遊技を行うことが可能となる。これにより、遊技者は持球を多く有した状態で遊技を行い、更なる賞球の獲得にチャレンジすることができるため、遊技者に対しより一層出玉感を与えることができる。
また、終了条件とは、手持数が予め定められた上限数に達したという条件であっても良い(第6の参考発明)。
このような構成によれば、遊技者が遊技により手持遊技媒体を獲得し、ある程度の利益を得た時点や、遊技を楽しむことができた時点で遊技を終了させ、施設使用料等を徴収することができるため、施設使用料等を支払うことへの遊技者の不満を抑えることができる。
また、従来、例えば弾球遊技機での遊技に関して、持球が一定の量(例えば、所定数のドル箱分)に達した時点で持球を全て交換するルールを設け、持たせ遊技に一定の制限を課しているパチンコ店が存在する。そして、このようなパチンコ店では、店員が各弾球遊技機における持球を監視し、持球が一定の量に達した際に店員が弾球遊技機のもとを訪れて持球を交換していた。
しかしながら、第6の参考発明に係るカード式の遊技機によれば、手持数が上限数に達した時点で自動的に精算がなされるため、店員が各遊技機を監視したり、手持遊技媒体を交換する必要が無くなり、パチンコ店の運営コストを大幅に低下させることができる。
また、弾球遊技機の遊技状態として、大当り抽選の当選確率が上昇する確変状態や、始動口への入球確率が増加する時短状態が知られている。確変状態や時短状態の継続中は大当りに当選し易くなり、該状態への移行により遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。
そこで、第7の参考発明に係るカード式の遊技機は、遊技媒体として遊技球が用いられる弾球遊技機として構成されており、遊技制御手段は、始動口への入球に起因して乱数を抽出すると共に、該乱数に基づき大当り抽選を行い、該大当り抽選に当選すると、大入賞口の開放を伴う大当り遊技を行い、大当り抽選の当選に起因して、大当り抽選の当選確率と、始動口への入球確率とのうちの少なくとも一方が上昇する特典状態に移行すると共に、予め定められた条件が満たされると、該特典状態を終了させ、終了条件とは、特典状態が終了するという条件となっている。
このような構成によれば、確変状態や時短状態が終了し、遊技者がある程度の利益を得た時点や、遊技を楽しむことができた時点で遊技を終了させ、施設使用料等を徴収することができるため、施設使用料等を支払うことへの遊技者の不満を抑えることができる。
また、従来、確変状態等が終了した時点で持球を全て交換するルールを設け、持たせ遊技に一定の制限を課しているパチンコ店が存在する。そして、このようなパチンコ店では、店員が各弾球遊技機の遊技状態を監視し、確変状態等が終了した際に店員が弾球遊技機のもとを訪れて持球を交換していた。
しかしながら、第7の参考発明に係るカード式の遊技機によれば、確変状態等が終了した時点で自動的に精算がなされるため、店員が各弾球遊技機を監視したり、持球を交換する必要が無くなり、パチンコ店の運営コストを大幅に低下させることができる。
また、終了条件とは、使用数が予め定められた上限数に達したという条件であっても良い(第8の参考発明)。
このような構成によれば、長時間にわたり遊技が行われることを防ぐことができ、遊技者が遊技に過大な金額を投入してしまうことや、遊技者に過剰な利益が付与されてしまうことを防ぐことができる。
また、遊技に投入した金額が少ないのに長時間にわたり遊技が行われた場合には、遊技者は遊技によりある程度の手持遊技媒体を獲得していると考えられ、最終的に得られた利益が少なかったとしても、遊技者はある程度の満足感を得ていると考えられる。
そこで、第9の参考発明に係るカード式遊技機は、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額の総額を算出する総額算出手段と、をさらに備え、終了条件とは、総額算出手段により算出された貸出金額の総額が、予め定められた下限金額に達しておらず、且つ、使用数が予め定められた上限数に達したという条件であること、を特徴とする。
このような構成によれば、遊技者が、投入金額が少ないのに長時間にわたり遊技が行われた(使用数が上限数に達した)という場合に、遊技を終了させて施設使用料等を徴収することができる。このため、遊技者がある程度の満足感を得た段階で施設使用料等を徴収することができ、施設使用料等を支払うことへの遊技者の不満を抑えることができる。また、投入金額が少ない場合には、遊技者は長時間にわたり該遊技を継続することができず、遊技者に過剰な利益を与えてしまうことを防ぐことができる。
一方、遊技者が多くの金額を遊技に投入した場合や、十分な手持遊技媒体を獲得できていないという場合には、長時間にわたり遊技を継続することができ、該遊技者に対し投入金額に応じた景品を獲得するチャンスを与えることができる。
また、第10の参考発明に係るカード式の遊技機のように、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額の総額を算出する総額算出手段と、をさらに備え、終了条件とは、総額算出手段により算出された貸出金額の総額が、予め定められた上限金額に達しており、且つ、使用数が予め定められた上限数に達したという条件であること、を特徴としても良い。
このような構成によれば、遊技者が長時間にわたり遊技を継続し、投入金額が高額になってしまった場合には、遊技を終了させることができ、遊技者に過大な損失が生じるのを防ぐことができる。
また、第11の参考発明に係るカード式の遊技機のように、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額と、手持数とに基づき、遊技者の利益を算出する利益算出手段と、をさらに備え、終了条件とは、遊技者の利益が一定の水準に達したという条件であること、を特徴としても良い。
このような構成によれば、遊技者に一定の利益が得られた時点で遊技を終了させ、施設使用料等を徴収することができるため、施設使用料等を支払うことへの遊技者の不満を抑えることができると共に、遊技者に過剰な利益を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、遊技中に瞬間停電等が発生すると、手持数を示すデータが消失したり、電源状態が不安定になることにより正常な遊技が行われず、遊技を継続していた遊技者に損害を与えてしまうおそれがある。
そこで、第12の参考発明に係るカード式の遊技機は、当該遊技機への電力供給の停止を検出する検出手段と、当該遊技機への電力供給の停止後、一定期間にわたり当該遊技機の各部位に電力を供給する供給手段と、をさらに備え、終了条件とは、検出手段により、当該遊技機への電力供給の停止が検出されたという条件であること、を特徴とする。
このような構成によれば、遊技機への電力供給が停止した際に手持遊技媒体の精算がなされるため、瞬間停電等の影響により手持数を示すデータの消失等が生じたとしても、遊技者が損害を被ることが無くなる。
さらに、払出手段は、終了条件が満たされると、さらに、その時点における手持数を記憶媒体に保存し、カード式の遊技機は、当該遊技機への電力供給が開始されると、払出手段により記憶媒体に保存された手持数を取得する取得手段をさらに備え、遊技制御手段は、当該遊技機への電力供給が開始されると、取得手段により取得された手持数の手持遊技媒体を用いて遊技を進行させても良い(第13の参考発明)。
このような封入式の弾球遊技機によれば、電力供給が停止すると、持球数を示すデータが記憶媒体に退避され、その後、電力供給が回復すると、記憶媒体から該データが読み出され、該データが示す持球数に基づき遊技が再開される。このため、瞬間停電等による電力供給の停止から復帰した際、電力供給の停止前と同様にして遊技を行うことが可能となる。
また、遊技者がパチンコ店の閉店時間になっても遊技をやめようとしない場合があり、従来は、このような場合、店員は強制的に遊技者に遊技を終了させていた。
そこで、第14の参考発明に係るカード式の遊技機は、現在の時刻を特定する特定手段をさらに備え、終了条件とは、特定手段により、予め定められた時刻が特定されるという条件であること、を特徴とする。
このような構成によれば、閉店時間となった際に、パチンコ店の店員を煩わすこと無く遊技を終了させることができ、店員の手間を省くことができる。
ところで、遊技者が遊技により利益を得ていないにも関らず、大当り遊技の終了等により終了条件が満たされ、強制的に遊技が終了されて施設使用料等が徴収されてしまうとなると、遊技者に不満を与えてしまうおそれがある。
そこで、第15の参考発明に係るカード式の遊技機は、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額と、手持数とに基づき、遊技者の利益を算出する利益算出手段と、をさらに備え、払出手段は、利益算出手段により算出された遊技者の利益が一定の水準に達している場合には、予め定められた終了条件が満たされると、遊技を終了させて払出処理を行う。
このような構成によれば、遊技者に損失が生じている場合や、十分な利益を得ていない場合等には、終了条件が充足されても遊技を継続することができ、遊技者に不満を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、カード式の遊技機は、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額の総額を算出する総額算出手段と、をさらに備え、払出手段は、総額算出手段により算出された貸出金額の総額が、予め定められた上限金額に達していない場合には、予め定められた終了条件が満たされると、遊技を終了させて払出処理を行っても良い(第16の参考発明)。
このような構成によれば、遊技への投入金額が大きく、遊技者に損失が生じている可能性が高い場合には、終了条件が充足されても遊技を継続することができ、遊技者に不満を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、カード式の遊技機は、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額の総額を算出する総額算出手段と、をさらに備え、払出手段は、総額算出手段により算出された貸出金額の総額が、予め定められた上限金額に達していない場合、或いは、使用数が予め定められた上限数に達していない場合には、予め定められた終了条件が満たされると、遊技を終了させて払出処理を行っても良い(第17の参考発明)。
このような構成によれば、遊技への投入金額が大きいと共に使用数が多く、遊技者に大きな損失が生じている可能性が高い場合には、終了条件が充足されても遊技を継続することができ、遊技者に不満を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、遊技者が遊技により利益を得ていないにも関らず、払出金額の算出時に施設使用料等が徴収されてしまうとなると、遊技者に不満を与えてしまうおそれがある。
そこで、第18の参考発明に係るカード式の遊技機は、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額と、手持数とに基づき、遊技者の利益を算出する利益算出手段と、をさらに備え、払出手段は、利益算出手段により算出された遊技者の利益が一定の水準に達していない場合には、払出処理において、手持数に応じて算出された原払出金額を払出金額として記憶媒体に保存させる。
このような構成によれば、遊技者に損失が生じている場合や、遊技者が一定以上の利益を得ていない場合等には、払出金額の算出時に施設使用料等が徴収されないため、遊技者に不満を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、第19の参考発明に係るカード式の遊技機のように、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額の総額を算出する総額算出手段と、をさらに備え、払出手段は、総額算出手段により算出された貸出金額の総額が、予め定められた上限金額に達している場合には、払出処理において、手持数に応じて算出された原払出金額を払出金額として記憶媒体に保存させても良い。
このような構成によれば、遊技への投入金額が大きく、遊技者に損失が生じている可能性が高い場合には、払出金額の算出時に施設使用料等が徴収されないため、遊技者に不満を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、第20の参考発明に係るカード式の遊技機のように、遊技媒体を貸し出す際の貸出金額の設定を受け付ける貸出受付手段と、遊技媒体の貸し出しに用いられる記憶媒体に保存された残高情報により、貸出受付手段を介して設定された貸出金額に応じた遊技媒体の貸し出しが可能か否かを判定する判定手段と、判定手段により肯定判定がなされると、該判定に係る貸出金額に応じた数の遊技媒体を手持遊技媒体として遊技者に貸し出す貸出手段と、遊技期間内に貸し出された手持遊技媒体に応じた貸出金額の総額を算出する総額算出手段と、をさらに備え、払出手段は、総額算出手段により算出された貸出金額の総額が、予め定められた上限金額に達しており、且つ、使用数が予め定められた上限数に達している場合には、払出処理において、手持数に応じて算出された原払出金額を払出金額として記憶媒体に保存させても良い。
このような構成によれば、遊技への投入金額が大きいと共に使用数が多く、遊技者に大きな損失が生じている可能性が高い場合には、払出金額の算出時に施設使用料等が徴収されないため、遊技者に不満を与えてしまうことを防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
本発明を適用した本実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。本パチンコ機は、機台内に所定数の遊技球が封入されており、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、入賞した遊技球(入賞球)、入賞しなかったアウト球に関わらず発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の遊技球を循環的に使用して遊技を行う構成(封入式)となっている。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11および前記内枠は、シリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には、前記内枠に保持された遊技盤2が設けてある。
前枠11の下部の左右両側位置には、それぞれ、スピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠11には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部の右側には、発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより、前枠11の上部左端に設けられた発射装置31が作動し、左斜め上方から遊技盤2に向けて遊技球が発射される。
本パチンコ機1には、記憶媒体(例えばICカード)にアクセスするカードユニット(CRユニット)60が併設されており、このICカードには、遊技球を貸出し可能な金額(残高)を示す残高情報や、遊技者の持球の数を示す持球情報や、遊技者の持球数から算出された払出金額を示す払出金額情報が保存される。
そして、パチンコ機1は、CRユニット60を介してICカードにアクセスし、読み出した残高情報が示す残高に基づき遊技者に持球を貸し出すと共に、遊技終了時等に払出金額を算出してICカードに保存するカード式のパチンコ機として構成されている。
なお、パチンコ機1にICカードを挿入する挿入部を設け、CRユニット60を経由すること無く、パチンコ機1から直接ICカードにアクセスする構成としても良い。
CRユニット60に関連して、パチンコ機1には、前枠11の下半部の左側に貸出SW171、返却SW172および残高表示装置173が設けてある。
また、貸出SW171、返却SW172、および残高表示装置173に隣接して、遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
遊技盤2には、レール体201によって囲まれた遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、その中央部にセンターケースが装着され、センターケースには、演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。また、センターケースには、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋(遊技球通路)、ステージなどが設けられている。
演出図柄表示装置21の左右両側位置には、遊技球が通過可能な通過ゲート22がそれぞれ設置されている。また、演出図柄表示装置21の中央下方位置には、常時上方へ向かって開口し、遊技球の入球が可能な第1特別図柄始動口(以下、第1特図始動口という)23と、その直下位置には、普通電動役物(普電役物)により開閉可能であり、開放時にのみ入球可能の第2特別図柄始動口(以下、第2特図始動口という)24が設けられている。
前記第1特図始動口23及び第2特図始動口24は、特別図柄(以下、単に特図という)の大当り抽選(当否判定)を実行する始動口である。各第1及び第2の特図始動口23,24は、遊技球が入球すると複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は特図の保留記憶として記憶される。
第2特図始動口24は、前記通過ゲート22への遊技球の通過に起因して実行される普通図柄(以下、単に普図という)の抽選で当りとなることにより前記普電役物が所定の時間開放する。
第1及び第2特図始動口23,24の左右両側位置には、複数の普通入賞口26が配されている。また、第2特図始動口24の下方には、開閉板にて開閉される大入賞口25が配され、盤面最下部にはアウト口29が設けられている。
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘が植設されている。
図2に示すように、発射装置31は、中央に発射台310が設けられ、該発射台310へは球送り機構312の作動により開口部313を経て遊技球Bが一球ずつ送り出される。そして、発射モータ314により駆動する発射槌311の作動により遊技球Bを打ち出して、遊技盤2の遊技領域20へ向けて発射する。
図3に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され、開閉可能に設置されている。
そして、前枠11の裏面および内枠30には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射装置31、電源基板(図略)が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、発射装置31および演出図柄制御装置43は遊技盤2の裏面に設けられ、払出制御装置41、電源基板は内枠30に設けられている。
なお、電源基板には、例えば、大容量のコンデンサ等から構成された補助電源(特許請求の範囲における供給手段に相当)が設けられており、パチンコ機1の稼動中に該補助電源に電力が充電されると共に、パチンコ機1への電力供給が停止されると、該補助電源から各部位に電力が供給される構成となっている。これにより、パチンコ機1は、電力供給が停止した場合であっても一定期間にわたり動作を継続することができ、瞬間停電が発生しても遊技を継続することができる。
また、パチンコ機の裏面には下部に、遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を研磨する研磨装置45が設置されており、更に、研磨した遊技球をパチンコ機の下部から上部の前記発射装置31へ送る揚送装置33が、内枠30の裏面右側に沿って上下方向に設置されている。
図4は、本パチンコ機1の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、副制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備え、これら制御装置は、何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
主制御装置40は、前枠(ガラス枠)11、内枠30が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501および内枠開放SW502と電気的に接続され、遊技盤中継端子板541を介して、第1特図始動口23への入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検出する第2始動口SW504、普図通過ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、左右の各普通入賞口26への入球を検出する左入賞口SW506及び右入賞口SW507、大入賞口25への入球を検出するカウントSW508、第1,第2特図始動口23,24や大入賞口25ないし普通入賞口26等の各入賞口へ入賞した入賞球を検出する入賞球センサ509、入賞することなくアウトとなったアウト球を検出するアウト球センサ510、不正行為を検出するための磁石センサ511及び電波センサ512等と電気的に接続され、各SW,センサからの検出信号が入力される。
尚、前記入賞球センサ509は、第1,第2特図始動口23,24や、大入賞口25ないし普通入賞口26等の各入賞口へ入賞した入賞球を回収し、前記研磨装置45へ送るため、遊技盤の裏面に設けられた球通路の下流部に設置され、各入賞口への入賞球を一括して検出するように構成されている。
前記アウト球センサ510は、アウト口29から研磨装置45へアウト球を送る球通路に設けられている。
主制御装置40は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41,サブ統合制御装置42,演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板542を介して特図表示装置27、特図保留数表示装置271、普通図柄表示装置28及び普図保留数表示装置281の表示制御を行う。尚、これら表示装置27,271,28,281は、遊技盤2の前面の遊技領域20の外部に設けてある。
また、主制御装置40は、遊技盤中継端子板541を介して大入賞口ソレノイド513を駆動して大入賞口25を開放作動せしめ、普電役物ソレノイド514を駆動して第2特図始動口24の普電役物を開閉する。
主制御装置40は、払出制御装置41と双方向通信が可能に接続されている。
また、主制御装置40には、時計機能が設けられている。なお、払出制御装置41,CRユニット60を経由してホールコンピュータ500から現在の時刻を示す時刻情報を取得する構成としても良い。
払出制御装置41は、CRユニット端子板548を介してCRユニット60と通信可能に接続されている。また、残高表示装置173を介して、貸出SW171,返却SW172による貸出要求,返却要求の操作信号を受付けるように構成されている。払出制御装置41は、前記貸出要求,返却要求の操作信号に基づいて、CRユニット60との間で通信を行い、CRユニット60に挿入されたICカードに関する残高情報の把握や、貸出要求信号に応じた貸出し球数の設定や、返却要求信号に応じて残高情報の返却処理等を行う。
CRユニット60は、遊技施設のホールコンピュータ500と通信可能に設続され、払出制御装置41との通信内容に基づいてパチンコ機1の遊技情報をホールコンピュータ500へ送信するように構成されている。
また、払出制御装置41は、発射操作部中継端子板543を介して、持球数を計数する操作を行なう計数SW174の操作信号や、前記発射ハンドル14の操作量を検出するハンドルボリューム520の操作量検出信号や、発射停止SW522の停止検出信号や、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW521等の検出信号が入力される。
更に、払出制御装置41は、発射装置中継端子板544を介して、前記発射装置31の入口での遊技球の有無を検出する発射入口センサ524や、発射モータ314や、前記球送り機構312を駆動する球送りソレノイド526が接続されている。そして、払出制御装置41は、主制御装置40から送られてくる遊技状況が反映されたコマンドや、前記ハンドルボリューム520,タッチSW521,発射停止SW522,発射入口センサ524の信号等に基づいて、発射モータ314,球送りソレノイド526を駆動制御し、遊技球を発射および停止させる。
更にまた、払出制御装置41は、前記CRユニット60との通信処理や、遊技球の発射に関する制御の他、研磨装置中継端子板545を介してカセットスイッチ527と研磨モータセンサ528の検出信号が入力され、これら検出信号に応じて、カセットモータ529および研磨モータ530を駆動し、前記研磨装置45を制御せしめる構成である。
また、研磨装置45の制御の他に、払出制御装置41は、揚上中継端子板546を介して揚上入口センサ532と揚上モータ監視センサ533の検出信号が入力され、これら検出信号に応じて揚上モータ531を駆動し、前記揚送装置33を制御せしめる。
更に、払出制御装置41には、内枠中継端子板547を介して、パチンコ機1内の遊技球の適正量を検出する適正量検出センサ534、満タンセンサ535、および夜間監視スイッチ536等の検出信号が入力される構成である。
サブ統合制御装置42には、ジョグダイヤル16および遊技ボタン15の操作を検出する検出信号が入力される。
そして、サブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に、演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
本パチンコ機1において遊技を開始する場合、ICカードの残高情報の範囲内で遊技球の貸出しを行い、これを遊技に使用することが可能な持球として遊技を開始する。また、これ以外にも、CRユニット60へのICカード挿入時に、該ICカードに持球数の記憶がある場合には、これを読み取り、持球として遊技を開始する。
パチンコ機1の遊技は、第1,第2特図始動口23,24への入球があると、これに起因して特図当否判定用の乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて当否判定を行い、特図表示装置27において特図の図柄変動を開始すると共に、演出図柄表示装置21において特図に対応する擬似演出図柄の図柄変動を開始する。
前記特図の判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21,27に大当り図柄を確定表示し、大当り遊技(特別遊技)を実行する。大当り遊技は、大入賞口25を開放し、所定の時間または入球数が所定数に達して閉じるまでの動作を1ラウンドとして、所定数のラウンドを継続することを基本遊技としている。
尚、第2特図始動口24の普電役物は、通過ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選が実施され、当否抽選の結果が当りであれば開放される。
また、本パチンコ機1は、大当り遊技後に、遊技状態が特別図柄の当選確率が高確率となる「確変」機能が付与された遊技状態(確変状態)や、第2特図始動口24の普電役物の開放時間が延長される「開放延長」機能が付与された遊技状態(時短状態)へと移行可能な構成である。
なお、パチンコ機1は、特定の図柄で大当りとなった際に確変状態や時短状態に移行する構成となっていても良いし、大当りとなった後に必ず確変状態等に移行する構成となっていても良い。また、大当りとなった際の図柄(当り図柄)に応じて確変状態等の継続期間が定められる構成としても良いし、当り図柄に関らず、確変状態等が所定期間にわたり継続する構成としても良い。
そして、本パチンコ機1は、演出図柄表示装置21において、遊技に応じて特図の変動に伴う演出表示を実施するとともに、遊技に使用することが可能な遊技球としての持球数の表示と、賞球数を表示する構成とされている。
[動作の説明]
以下、主制御装置40および払出制御装置41で実行される本発明に関わりの深いプログラム処理について説明する。
(1)メインルーチンについて
図5は、主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101),特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数の更新処理(S102),特図の大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103),普図の当り判定用乱数の更新処理(S104),特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S105),特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S106),入賞確認処理(S107),当否判定処理(S108),各出力処理(S109),不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
次に、前記の入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)および各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
(2)始動入賞確認処理について
図6に示す「始動入賞確認処理」は、前記入賞確認処理(S107)のサブルーチンで、第1特図始動口23および第2特図始動口24への入球があれば(S200:yes)、入球に対応する特図の保留記憶が満杯か確認する(S201)。本実施形態における記憶可能な保留記憶数は4個である。
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入球に起因して抽出した複数の乱数値(大当り決定用乱数,大当り図柄決定用乱数,リーチ判定用乱数,変動パターン決定用乱数等)を保留記憶として記憶する。また、この処理では、第1又は第2特図保留数表示装置271,272の点灯数を1つ増加させるとともに、サブ統合制御装置42へ現在の保留記憶数を送信するコマンドの送信処理を行う。その後、リターンする。
(3)当否判定処理について
図7ないし図10は、「当否判定処理」のフローチャートを示す。図7に示すように「当否判定処理」は、先ず、役物連続作動装置の作動を確認して大当り遊技中であるか否かを確認し(S300)、大当り遊技中でなければ(S300:no)、第1、第2特図が変動中であるか否かを確認し(S301)、変動中でなければ(S301:no)、第1、第2特図の確定図柄が表示中であるか否かを確認する(S302)。尚、前記役物連続作動装置が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
前記S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、図8に示すように、特図の保留記憶があるか否かを確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
次に、S312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が確変状態(高確率)であるか否かを確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、および大入賞口25の開放態様の設定がなされる。更に、大当り遊技終了後の特典遊技状態として確変と時短が付与されるか否かの設定、確変の継続期間を制限する確変カウンタの設定、時短の継続期間を制限する時短カウンタ設定等の処理がなされる。
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶のハズレ図柄決定用乱数に基づいてハズレ図柄を決定し、続いて、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する(S320)。続くハズレ設定処理(S321)では、遊技状態が確変,時短であれば、これらの継続期間をカウントする確変回数と時短回数を減算する。
S318又はS321の各設定処理の後、S322の処理では、特図表示装置27の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド,図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行し大当り時には大入賞口25を開放する大当り遊技が実施される。
前記図7のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、図9に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置27の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
前記図7のS302の処理で確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、図10のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置27の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
続いて、特図の図柄が大当りになる組合せであるか否かを確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により、大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
S347の処理では条件装置の作動を開始させ、S348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして、大当り開始演出処理(S349)により、サブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを確認し(S350)、確変フラグが「1」であり(S350:yes)、確変カウンタ(回数)が「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であり(S353:yes)、時短カウンタ(回数)が「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。
S357の処理では、今回の当否判定後の保留記憶数が「0」であるか確認し(保留記憶が有るか無いか確認)、保留記憶が無ければ(S357:yes)、サブ統合制御装置42へ向けて、次に前記特図変動開始コマンドが出力されるまで特図の図柄変動を待機するように指示する待機状態指定コマンドを送信する(S358)。その後、「特別遊技処理」に移行する。
(4)持球数加減算処理について
次に、演出図柄表示装置21の持球数の表示に関して、主制御装置40で実行されるプログラム処理について説明する。図11に示す「持球数加減算処理」は、前記「メインルーチン」の「各出力処理」のサブルーチンであり、「持球数加減算処理」では先ず、主制御装置40において遊技に使用可能な遊技球である持球情報(持球の数を示す情報)の記憶が無いか否かを確認する(S400)。持球情報が無ければ(S400:yes)、続くS401の処理において、CRユニット60へのICカード挿入時にカードに持球数の記憶がある場合にカードから読み出された持球情報、又はカードに持球数の記憶がなく遊技者により新規ないし追加により持球として遊技球の貸出しがなされた持球情報を、払出制御装置41を介して受信したか否かを確認し、持球情報の受信を待つ。
持球情報の受信があれば(S401:yes)、主制御装置40内のRAMなどの記憶媒体に受信した持球情報を保存する(S402)。
また、主制御装置40は、持球情報の記憶の有無に関らず、球貸し等に応じた持球情報の受信があればこれを保存するか、或いは、既に保存されている持球情報が示す持球数に新たに受信した持球情報が示す持球数を加算し、該持球情報を更新する構成としても良い。
また、S402において、主制御装置40は、球貸しにより貸し出された持球(貸球)の数を示す持球情報を受信した際には、該持球情報に基づき、後述する遊技期間中の貸球の総数を算出する。なお、該貸球の総数は、後述する終了処理等で、遊技期間中に球貸しの際に支払われた貸出金額の総額(投入金額)の算出に用いられる。
また、球貸しの際、持球情報と共に貸出金額を受信するという構成である場合には、該貸出金額に基づき投入金額を算出しても良い。
S400の処理で持球情報の記憶があれば(S400:no)、続くS403の処理において、第1,第2始動口SW503,504、左,右入賞口SW506,507、カウントSW508の検出信号により第1,第2特図始動口23,24や、大入賞口25ないし普通入賞口26への入賞があったか否かを確認する。入賞が検出されれば(S403:yes)、入賞に応じて付与される賞球の数を持球数に加算し、持球情報を更新する(S404)。次に、前記賞球数を演出図柄表示装置21に表示させる準備(処理)を行う(S405)。
前記S403の処理において入賞の検出が無ければ(S403:no)、入賞球センサ509による入賞球の検出、又はアウト球センサ510によるアウト球の検出があったか否かを確認する(S406)。入賞球又はアウト球の検出があれば(S406:yes)、持球数から1を減算して持球情報を更新する(S407)。
また、S407では、主制御装置40は、入賞球又はアウト球の検出に応じて、予め定められた遊技期間内に発射された遊技球の数(発射球数)をインクリメントする。
この遊技期間内とは、例えば、同一のICカードがCRユニット60に挿入された状態で遊技が行われた期間であっても良い。このような場合には、払出制御装置41が、CRユニット60からの信号によりICカードの挿入を検知すると、その旨を主制御装置40に通知することが考えられる。そして、該通知を受け取った主制御装置40は、これに応じて発射球数をクリアし、以後、入賞球又はアウト球の検出に応じて発射球数をインクリメントすることが考えられる。
また、これに限らず、例えば、継続的に遊技が行われている期間を、同一遊技者により遊技が行われているとみなして遊技期間としても良い。このような場合には、例えば、一定時間にわたり入賞球又はアウト球が検出されない場合には、発射球数をクリアすることが考えられる。
そして、続くS408の処理において、前記S402で記憶した持球情報、又はS407で更新された持球情報、S404での賞球数の情報がサブ統合制御装置42を介して演出図柄制御装置43へ送信され、演出図柄制御装置43の制御により現在の遊技状態の前記持球数と前記賞球数とを演出図柄表示装置21に表示させる。
図12に示すように演出図柄表示装置21の表示画面には、特図に関する擬似図柄表示(3桁の数字)210の右下部において上下二段に持球情報を表示せしめる。下部には持球数211を、上部には賞球表示212を表示せしめる。尚、該表示態様は一表示例であり、これに限らず他の表示態様でもよい。
(5)終了処理について
次に、計数SW174の操作に応じて遊技を終了させる終了処理について、図13に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、主制御装置40にて実行される処理であり、「メインルーチン」の「各出力処理」のサブルーチンとして構成されている。
S600では、主制御装置40は、払出制御装置41から、計数SW174の操作に応じて出力される計数信号を受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S600:Yes)、S601に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S600:No)、本処理を終了する。
S601では、主制御装置40は、払出制御装置41を介して発射モータ314を停止させ、遊技球の発射を停止させると共に、各入賞口への入賞を無効として遊技を終了する。そして、持球数を正確にカウントするため、遊技盤を流下中の遊技球が全て回収されるよう一定期間にわたり待機し、S602に処理を移行する。
S602では、主制御装置40は、後述する免除条件が充足されたか否かに応じて、払出金額の算出時に付加料金を徴収するか否かを決定する。そして、付加料金を徴収する場合(免除条件が充足されていない場合)には(S602:Yes)、S603に処理を移行すると共に、付加料金を徴収しない場合(免除条件が充足された場合)には(S602:No)、S604に処理を移行する。
なお、免除条件の充足の有無に関らず、払出金額の算出時に付加料金を徴収する構成としても良い。
S603では、主制御装置40は、払出制御装置41に対し、払出金額の算出の際に、付加料金を徴収することを指示すると共に、遊技期間における発射球数を送信し、S604に処理を移行する。
S604では、主制御装置40は、払出制御装置41に持球情報を送信し、S605に処理を移行する。
S605では、主制御装置40は、持球情報をクリアし、本処理を終了する。
次に、上述した免除条件について説明する。主制御装置40は、以下の免除条件のうちのいずれかを用いることが考えられる。
(a)遊技期間における遊技者の利益が一定の水準に達していない。
(b)遊技者の遊技期間における投入金額が上限金額(例えば10,000円)に達している。
(c)遊技者の遊技期間における投入金額が上限金額(例えば10,000円)に達しており、且つ、発射球数が上限数(3,000発)に達している。なお、上限数とは、上限金額により貸し出される貸球数に所定の遊技球数を加算或いは減算した球数であっても良い。
ここで、主制御装置40は、免除条件(a)を用いる場合であれば、現時点における持球数から払出金額を算出すると共に、遊技期間中、球貸しの際に払出制御装置41から受信した貸球数の総数に基づき投入金額を算出し、払出金額から投入金額を減じた差額を遊技者の利益として算出することが考えられる。そして、利益が0円以下の場合や、利益が所定金額(例えば1,000円)に達していない場合には、免除条件(a)が充足されたとすることが考えられる。
また、免除条件(b)或いは(c)を用いる場合であれば、主制御装置40は、同様にして投入金額を算出し、投入金額、或いは、投入金額及び発射球数に基づき、免除条件が充足されたか否かを判定することが考えられる。
(6)強制終了処理について
次に、例えば、大当り遊技や確変,時短の終了等といった、予め定められた終了条件が満たされた場合に強制的に遊技を終了させ、持球を精算して払出金額を算出する強制終了処理について説明する。
なお、本処理は、主制御装置40にて実行される処理であり、「メインルーチン」の「各出力処理」のサブルーチンとして構成されている。また、本処理として3種類の具体例(強制終了処理1〜3)が考えられ、主制御装置40は、いずれかの強制終了処理を実行することが考えられる。
(6−1)強制終了処理1について
まず、強制終了処理1について、図14に記載のフローチャートを用いて説明する。
S610では、主制御装置40は、終了条件(詳細は後述する)が充足されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S610:Yes)、S611に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S610:No)、本処理を終了する。
S611では、主制御装置40は、S601と同様にして、遊技を終了させた後、一定期間にわたり待機し、S612に処理を移行する。
S612では、主制御装置40は、免除条件が充足されたか否かに応じて、払出金額の算出時に付加料金を徴収するか否かを決定する。そして、付加料金を徴収する場合(免除条件が充足されていない場合)には(S612:Yes)、S613に処理を移行すると共に、付加料金を徴収しない場合(免除条件が充足された場合)には(S612:No)、S614に処理を移行する。
なお、主制御装置40は、免除条件として、終了処理における免除条件(a)〜(c)のうちのいずれかを用いることが考えられる。また、免除条件の充足の有無に関らず、払出金額の算出時に付加料金を徴収する構成としても良い。
S613〜S615は、終了処理のS603〜S605と同様であるため、説明を省略する。
次に、上述した終了条件について説明する。主制御装置40は、以下の終了条件のうちの1つまたは複数を用いることが考えられ、複数の終了条件を用いる場合には、これらのうちのいずれかが充足された際に遊技を終了させ、持球を精算することが考えられる。
(a)大当り遊技が終了した。
(b)予め定められた特別図柄或いは擬似図柄(交換図柄)が停止表示された大当りによる大当り遊技が終了した。
(c)持球数が上限数(例えば10,000発)に達している。
(d)特典状態(確変状態、時短状態、或いは、確変且つ時短状態)が終了した。
(e)発射球数が上限数(例えば5,000発)に達している。
(f)遊技期間における投入金額が下限金額(例えば5,000円)に達しておらず、且つ、発射球数が上限数(例えば5,000発)に達している。なお、該下限金額とは、該上限数の遊技球の球貸しに必要な貸出金額から所定の金額を加算或いは減算した金額であっても良い。
(g)遊技期間における投入金額が上限金額(例えば20,000円)に達しており、且つ、発射球数が上限数(例えば5,000発)に達している。なお、該上限数とは、該上限金額により貸し出される貸球数に所定の遊技球数を加算或いは減算した球数であっても良い。
(h)遊技期間における遊技者の利益が一定の水準(例えば20,000円)に達した。
(i)停電が生じた。
(j)閉店時刻となった。
なお、主制御装置40は、終了条件(a),(b),(d)が用いられる場合であれば、遊技の進行状態等を参照して終了条件が充足されたか否かを判定すると考えられる。
また、終了条件(b)が用いられる場合、主制御装置40は、図示しないディップスイッチ等の操作部を介して、交換図柄を設定する操作を受け付けても良い。こうすることにより、パチンコ店にて交換図柄を自由に設定することができ、出玉率を柔軟に調整することが可能となる。なお、このような操作部は、パチンコ機1の内部に配置することが考えられる。
また、終了条件(d)が用いられる場合、主制御装置40は、特典状態中に大当りとなり、大当り遊技が開始された場合は、該大当り遊技中は特典状態が継続しているものとみなしても良い。このとき、該大当り遊技の終了後も特典状態が継続するという可能性もあり、このような場合には、大当りを跨いで特典状態が継続することになる。
また、主制御装置40は、終了条件(f),(g),(h)が用いられる場合であれば、終了処理にて免除条件の充足を判定する際と同様にして、投入金額や利益を算出することが考えられる。
また、終了条件(i)が用いられる場合であれば、主制御装置40は、電源基板からの信号に基づき、パチンコ機1への電力供給が停止したか否かを判定することで、該終了条件(i)の充足の有無を判定することが考えられる。
また、この場合、終了条件(i)が充足されると、主制御装置40は、払出制御装置41に対し、CRユニット60に挿入されているICカードに、払出金額の算出に用いられる持球情報を退避させる退避指示を行っても良い。
さらに、この場合、主制御装置40は、S612において、免除条件の充足の有無に関らず、付加料金を徴収しないことを決定しても良い。
また、終了条件(j)が用いられる場合であれば、主制御装置40は、時計機能により閉店時刻となったか否かを判定することが考えられる。
(6−2)強制終了処理2について
次に、強制終了処理2について、図15に記載のフローチャートを用いて説明する。
S620では、主制御装置40は、終了条件が充足されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S620:Yes)、S621に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S620:No)、本処理を終了する。
なお、主制御装置40は、終了条件として、強制終了処理1における終了条件(a)〜(h)のうちの1つ或いは複数を用いることが考えられ、複数の終了条件を用いる場合には、これらのうちのいずれかが充足された際にS621に処理を移行することが考えられる。
S621では、主制御装置40は、終了条件の充足に応じた遊技の強制終了が可能な状態であるか否かを判定する。具体的には、強制終了可能条件(詳細は後述する)が充足されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S621:Yes)、S622に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S621:No)、本処理を終了する。
なお、本ステップを省略し、強制終了可能条件の充足の有無に関らず、S622以降の処理を行う構成としても良い。
S622〜S625は、終了処理のS601,S603〜S605と同様であるため、説明を省略する。
次に、上述した強制終了可能条件について説明する。主制御装置40は、以下の強制終了可能条件のうちのいずれかを用いることが考えられる。
(a)遊技期間における遊技者の利益が一定の水準に達している。
(b)遊技者の遊技期間における投入金額が上限金額(例えば10,000円)に達していない。
(c)遊技者の遊技期間における投入金額が上限金額(例えば10,000円)に達していない、或いは、発射球数が上限数(3,000発)に達していない。なお、上限数とは、上限金額により貸し出される貸球数に所定の遊技球数を加算或いは減算した球数であっても良い。
なお、主制御装置40は、終了処理にて免除条件の充足を判定する際と同様にして、投入金額や利益を算出し、強制終了可能条件の充足の有無を判定することが考えられる。
(6−3)強制終了処理3について
次に、強制終了処理3について、図16に記載のフローチャートを用いて説明する。
S630では、主制御装置40は、終了条件が充足されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S630:Yes)、S631に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S630:No)、本処理を終了する。
なお、主制御装置40は、終了条件として、強制終了処理1における終了条件(a)〜(h)のうちの1つ或いは複数を用いることが考えられ、複数の終了条件を用いる場合には、これらのうちのいずれかが充足された際にS631に処理を移行することが考えられる。
S631では、主制御装置40は、終了条件の充足に応じた遊技の強制終了が可能な状態であるか否かを判定する。具体的には、強制終了可能条件が充足されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S631:Yes)、S632に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S631:No)、本処理を終了する。
なお、主制御装置40は、強制終了可能条件として、強制終了処理2における強制終了可能条件(a)〜(c)のうちのいずれかを用いることが考えられる。また、本ステップを省略し、強制終了可能条件の充足の有無に関らず、S632以降の処理を行う構成としても良い。
S632では、主制御装置40は、S601と同様にして、遊技を終了させた後、一定期間にわたり待機し、S633に処理を移行する。
S633では、主制御装置40は、免除条件が充足されたか否かに応じて、払出金額の算出時に付加料金を徴収するか否かを決定する。そして、付加料金を徴収する場合(免除条件が充足されていない場合)には(S633:Yes)、S634に処理を移行すると共に、付加料金を徴収しない場合(免除条件が充足された場合)には(S633:No)、S635に処理を移行する。
なお、主制御装置40は、免除条件として、終了処理における免除条件(a)〜(c)のうちのいずれかを用いることが考えられる。また、免除条件の充足の有無に関らず、払出金額の算出時に付加料金を徴収する構成としても良い。
S634〜S636は、終了処理のS603〜S605と同様であるため、説明を省略する。
(7)持球情報処理について
次に、持球情報に関して払出制御装置41で実行されるプログラム処理である「持球情報処理」について、図17を用いて説明する。なお、本処理は、払出制御装置41にて定期的に実行される。
S700では、払出制御装置41は、パチンコ機1への電力供給の開始時か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S700:Yes)、S701に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S700:No)、S702に処理を移行する。
S701では、払出制御装置41は、終了条件(i)が用いられた場合に、CRユニット60に対し、終了条件(i)の充足(パチンコ機1への電力供給停止)により、後述する払出処理によりICカードに退避された持球情報の送信を要求し、S702に処理を移行する。
なお、強制終了処理1〜3において終了条件(i)が用いられない場合には、S700,S701の処理を省略しても良い。
S702では、払出制御装置41は、CRユニット60から、ICカード挿入時にICカードから読み出された持球情報や、S701での送信要求に応じて送信された持球情報を受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S702:Yes)、S703に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S702:No)、S704に処理を移行する。
S703では、払出制御装置41は、主制御装置40に受信した持球情報を送信し、本処理を終了する。なお、持球情報を受信した主制御装置40では、「持球数加減算処理」のS402,S408の処理が行われる。
一方、S704では、払出制御装置41は、主制御装置40から持球情報を受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S704:Yes)、S705に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S704:No)、S706に処理を移行する。
S705では、払出制御装置41は、後述する「払出処理」を実行することで、払出金額を算出してICカードに保存し、本処理を終了する。
一方、S706では、払出制御装置41は、遊技を終了するために計数SW174が操作されたか否を判定し、肯定判定が得られた場合には(S706:Yes)、S707に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S706:No)、本処理を終了する。
S707では、払出制御装置41は、主制御装置40に対し、計数SW174が操作されたことを示す計数信号を送信し、本処理を終了する。なお、計数信号を受信した主制御装置40は、上述した「終了処理」により、持球情報の払出制御装置41への送信等を実行する。
(8)払出処理について
次に、持球数に応じた払出金額を算出するプログラム処理である「払出処理」について、図18を用いて説明する。なお、本処理は、「持球情報処理」のサブルーチンとして構成されており、主制御装置40から持球情報を受信した払出制御装置41にて実行される。
S800では、払出制御装置41は、持球情報が示す持球数に応じて原払出金額を算出する。なお、払出制御装置41は、球貸し時における貸球1球あたりの貸出単価と同じ払出単価に持球数を乗算することで原払出金額を算出しても良いし、貸出単価よりも低い払出単価により原払出金額を算出しても良い。
S801では、払出制御装置41は、主制御装置40から、持球情報と共に、付加料金の徴収指示と遊技期間における発射球数とを受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S801:Yes)、S802に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S801:No)、S804に処理を移行する。
S802では、払出制御装置41は、受信した発射球数に応じた付加料金を算出する。具体的には、例えば、発射球数に所定の単価(例えば0.1円)を乗算した金額を、付加料金としても良い。また、例えば、発射球数が1,000発未満は100円,1,000〜2,000発は200円といった具合に、発射球数の範囲に応じて付加料金を定めておき、受信した発射球数が属する範囲に応じて付加料金を算出しても良い。なお、原払出金額に応じて付加料金の限度額(例えば、原払出金額の20%)を定めておき、該限度額の範囲内で付加料金を算出しても良い。
S803では、払出制御装置41は、原払出金額から付加料金を減額して払出金額を算出し、S805に処理を移行する。
一方、S804では、払出制御装置41は、原払出金額を払出金額とし、S805に処理を移行する。
S805では、払出制御装置41は、算出した払出金額をCRユニット60に送信すると共に、CRユニット60に対し該払出金額をICカードに保存することを指示し、本処理を終了する。
なお、払出金額を受信したCRユニット60は、該払出金額を示す払出金額情報をICカードに保存し、遊技者は、例えば、該ICカードをパチンコ店の店員に提示することで、該ICカードに保存されている払出金額分の景品を取得する。
また、終了条件(i)が用いられており、パチンコ機1への電力供給停止により払出処理が行われる場合には、払出制御装置41は、主制御装置40からの退避指示に応じてさらに持球情報をCRユニット60に送信し、該持球情報をICカードに保存させる。
(9)貸出処理について
次に、遊技球を持球として貸し出すプログラム処理である「貸出処理」について、図19を用いて説明する。なお、本処理は、払出制御装置41にて定期的に実行される。
S900では、払出制御装置41は、貸出SW171の操作の有無を判定し、肯定判定が得られた場合には(S900:Yes)、S901に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S900:No)、本処理を終了する。
S901では、払出制御装置41は、貸出SW171の操作に対応する貸出金額を特定し、CRユニット60に貸出金額を送信する。貸出金額を受信したCRユニット60は、ICカードに保存されている残高情報が示す残高から貸出金額を減額し、残高情報を更新すると共に、球貸しが可能である旨を払出制御装置41に送信する。なお、残高が貸出金額に満たない場合には、球貸しが不可能である旨を払出制御装置41に送信する。
S902では、払出制御装置41は、CRユニット60から、球貸しが可能である旨を受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S902:Yes)、S903に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S902:No)、本処理を終了する。
S903では、払出制御装置41は、例えば、貸出金額を貸出単価で除算することで、貸出金額に応じた遊技球の数(貸球数)を算出し、S904に処理を移行する。
S904では、払出制御装置41は、主制御装置40に対し、球貸しがなされた旨と、算出した貸球数分の持球数を示す持球情報と、貸出金額とを送信し、本処理を終了する。なお、持球情報を受信した主制御装置40では、「持球数加減算処理」のS402,S408の処理が行われ、主制御装置40が保持している持球数に貸球数が加算される。
[効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、ICカードに保存された残高情報に基づき球貸しがなされると共に、遊技終了時には、その時点の遊技者の持球数に応じた払出金額が算出され、ICカードに保存される。このため、例えば、遊技者がICカードをパチンコ店の店員等に提示し、これを提示された店員がICカードに保存された払出金額の範囲内で景品を提供することで、持球が景品に交換される。
そして、この払出金額は、遊技終了時の持球数に応じた原払出金額から、遊技期間における発射球数に応じた金額を減じて算出される。このため、パチンコ店は、払出金額を算出する段階で、遊技がどの程度行われたか(換言すれば、パチンコ機1が減価償却された度合い)に応じて施設使用料等の付加料金を徴収することができる。
したがって、パチンコ店の経営上必要となる料金を確実に徴収しつつ、パチンコ機1の出玉率を100%以上とすることができ、遊技者に十分な出玉感を与えることが可能となる。
[他の実施形態]
(1)本実施形態ではパチンコ機1を例に挙げて説明を行ったが、本発明は、封入式として構成されていないカード式のパチンコ機にも適用できる。
本発明が適用されたカード式のパチンコ機は、本実施形態のパチンコ機1と同様に主制御装置40や払出制御装置41等を備え、パチンコ機1と同様にして貸球数や持球情報が管理されるものの、球貸しの際には島設備から供給される遊技球を上皿等に払い出し、該遊技球を用いて遊技が行われる構成とすることが考えられる。
ただし、該パチンコ機は、外部から遊技球を投入できないよう上皿等が密封された構造となっているのが好ましい。このような場合、該パチンコ機は、島設備から供給された遊技球が用いられるという点で、1台のパチンコ機内に遊技球が封入された封入式と相違することになる。
該パチンコ機の払出制御装置41は、「貸出処理」を実行し、貸出SW171が操作された場合には、貸出金額に応じた遊技球の数(貸球数)を算出し、島設備から供給される遊技球のうち、貸球数分の遊技球を上皿に排出する。
一方、主制御装置40は、「持球数加減算処理」のS403〜S407と同様にして、各種入賞口への入賞や、入賞球センサ509やアウト球センサ510からの信号により持球数をカウントし、持球情報を随時更新すると共に、発射球数をカウントする。
また、主制御装置40は、「終了処理」を実行し、計数SW174が操作された場合には遊技を終了させる。そして、払出制御装置41に対し、持球情報を送信して払出金額の算出を指示すると共に、免除条件が充足されない場合等には、払出制御装置41に対し付加料金の徴収を指示する。
また、主制御装置40は、「強制終了処理1〜3」のうちのいずれかを実行し、終了条件等が充足された場合には遊技を終了させる。そして、払出制御装置41に対し、持球情報を送信して払出金額の算出を指示すると共に、免除条件が充足されない場合等には、払出制御装置41に対し付加料金の徴収を指示する。
一方、払出制御装置41は、主制御装置40から持球情報等を受信すると、「払出処理」により持球数に応じた原払出金額を算出し、付加料金の徴収が指示されている場合には、原払出金額から付加料金を減算して払出金額を算出すると共に、該指示が無い場合には、原払出金額を払出金額とする。さらに、該払出金額をCRユニット60に送信し、ICカードに保存させる。
なお、パチンコ機が封入式でない場合には、電力供給停止時に持球情報をICカードに退避させる必要性は低いと考えられる。このため、終了条件(i)が用いられている場合、主制御装置40は、終了条件(i)が充足されても払出制御装置41に退避指示を行わない構成としても良い。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(2)さらに、本発明は、本実施形態と同様に、ICカードに保存された残高情報に基づき遊技メダルの貸し出しを行うと共に、遊技者の遊技メダルの枚数から払出金額を算出して該ICカードに保存するカード式の回胴式遊技機にも適用することができる。このような場合、パチンコ機1の主制御装置40や払出制御装置41に替わって、回胴式遊技機を統括制御する主制御基板が各種処理を行うことになる。
主制御基板は、本実施形態と同様の「貸出処理」を実行し、遊技者からの指示に応じて、貸出金額に応じた遊技メダルの枚数(貸出枚数)を算出する。
そして、貸出枚数の遊技メダルを上皿に排出するか、或いは、貸出枚数をクレジット数(遊技に用いることができる遊技メダルの枚数)に加算し、該クレジット数をクレジット情報として保存する。
なお、本発明が適用された回胴式遊技機では、遊技者の手元にある遊技メダルの枚数(遊技者が遊技に用いることができる遊技メダルの枚数)を、全てクレジット数として管理するのが好適であると考えられる。このため、一般的な回胴式遊技機はクレジット数の上限が50となっているが、本発明が適用された回胴式遊技機では、遊技者による獲得が想定される遊技メダルの最大枚数を考慮してクレジット数の上限を設定するのが好適であると考えられる。
また、主制御基板は、遊技メダルのベットや入賞役の成立等に応じてクレジット数をカウントし、クレジット情報を更新すると共に、遊技期間中にベットされた遊技メダルの総数(使用数)をカウントする。
また、主制御基板は、本実施形態と同様の「終了処理」を実行し、遊技者の操作に応じて遊技を終了させ、クレジット数に応じて原払出金額を算出する。そして、免除条件が充足されない場合等には、使用数に応じて付加料金を算出し、原払出金額から付加料金を減算して払出金額を算出すると共に、それ以外の場合には、原払出金額を払出金額とし、ICカードに払出金額を保存する。
また、主制御基板は、本実施形態と同様の「強制終了処理1〜3」のうちのいずれかを実行し、終了条件等が充足された場合には遊技を終了させ、クレジット数に応じて原払出金額を算出する。そして、免除条件が充足されない場合等には、使用数に応じて付加料金を算出し、原払出金額から付加料金を減算して払出金額を算出すると共に、それ以外の場合には、原払出金額を払出金額とし、ICカードに払出金額を保存する。
なお、本発明を回胴式遊技機に適用した場合においては、遊技球が遊技メダルに、貸球が貸しメダル(回胴式遊技機により貸し出された遊技メダル)に、持球数がクレジット数に、持球情報がクレジット情報に、大当り遊技がボーナスゲームに、確変状態或いは時短状態がATやRT等に相当する。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(3)また、本実施形態のパチンコ機1では、遊技中に計数SW174が押されると、持球数に応じた払出金額が算出され、該払出金額がCRユニット60に挿入されているICカードに保存される。しかし、持球のICカードへの保存を指示する持球保存SWをさらに設け、主制御装置40は、遊技中に持球保存SWが押されると、その時点の持球情報を払出制御装置41に送信すると共に、該持球情報をクリアしてもよい。そして、持球情報を受信した払出制御装置41は、CRユニット60に該持球情報を送信し、ICカードに該持球情報を保存させても良い。
さらに、持球保存SWの操作信号をCRユニット60にも送信する構成とし、CRユニット60は、持球保存SWの操作を検出すると、払出制御装置41からの指示に応じて持球情報をICカードに保存した後、該ICカードを排出しても良い。
こうすることにより、遊技で獲得した持球を用いて他のパチンコ機で遊技を行うことが可能となる。
(4)本実施形態のパチンコ機1では、主制御装置40にて持球数や発射球数をカウントする構成となっているが、払出制御装置41にてこれらをカウントする構成としても良い。また、本実施形態のパチンコ機1では、払出制御装置41にて払出金額を算出する構成となっているが、主制御装置40にて払出金額を算出しても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
パチンコ機1がカード式の遊技機に、主制御装置40が遊技制御手段,手持数カウント手段に、演出図柄表示装置21,特図表示装置27が表示部に、貸出SW171が貸出受付手段に相当する。
また、遊技球が遊技媒体に、持球が手持遊技媒体に、持球数が手持数に、発射球数が使用数に相当する。
また、終了処理,強制終了処理1〜3,払出処理が払出手段に相当する。
また、持球数加減算処理のS407が使用数カウント手段に相当する。
また、終了処理のS602が利益算出手段,総額算出手段に、強制終了処理1のS610が総額算出手段,利益算出手段,検出手段,特定手段に、S612が利益算出手段,総額算出手段に相当する。
また、強制終了処理2のS620が総額算出手段,利益算出手段,検出手段,特定手段に、S621が利益算出手段,総額算出手段に、強制終了処理3のS630が総額算出手段,利益算出手段,検出手段,特定手段に、S631,S633が利益算出手段,総額算出手段に相当する。
また、持球情報処理のS700,S701が取得手段に相当する。
また、貸出処理のS902が判定手段に、S903,S904が貸出手段に相当する。