図1を参照し、発明を実施するための形態1に係るマットレス1について説明する。図1において、1はマットレス、2は上部不織布層、3は中間層、4は下部不織布層、5は中間不織布層、6は支持部材、7は横片部、8は縦片部である。
マットレス1は、上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とから成る三層構造であり、耐圧分散性を維持した洗浄可能な静止型マットレスになっている。上部不織布層2、下部不織布層4、中間不織布層5、支持部材6の材料等の物性については、図6の図表に記載した。支持部材6は、例えば、押し出し成形により長尺形状に形成されたものを所定の長さに切断した棒状であり、例えば、金太郎飴のように、その長さ方向のどの部分を横方向に切断した断面が同じ形状になる造形である。
中間層3は、複数本の支持部材6を互いにマットレス1の横方向に離して並列になるように中間不織布層5で例えば接着又は熱溶着又は縫製等により連結した構造である。マットレス1に人が仰臥位となった場合において、仰臥位となった人の頭部と足部とにわたる方向をマットレス1の長手方向とし、仰臥位となった人の頭部と足部とにわたる方向と交差する横方向をマットレス1の短手方向とすると、マットレス1の横方向はマットレス1の短手方向と同じ方向である。支持部材6の夫々は、横片部7と縦片部8とから構成される。
図示は省略したが、図1の各支持部材6に連結部を設け、支持部材6を並列に配置した場合において、隣接する一方の支持部材6の連結部と他方の支持部材6の連結部とを互いに連結することにより、複数本の支持部材6を互いにマットレス1の横方向に離して並列になるように連結すれば、複数本の支持部材6を中間不織布層5で連結する時に複数本の支持部材6の並んだ形を保つことができる。又、各支持部材6に設けられた連結部の相互の連結により、複数本の支持部材6をマットレス1の横方向に離して並列になるように連結しただけで、中間不織布層5を使用しない構造も適用可能である。
図2を参照し、発明を実施するための形態1に係る中間層3の中間不織布層5と支持部材6との接合について説明する。図2において、3は中間層、5は中間不織布層、6は支持部材、7は横片部、8は縦片部、11は押し出し成形機、12;13は型ロール、14は横片形成溝、15は縦片形成溝、16;17はローラ、18は逃げ溝、19はガイドローラ、20は支持部材6の一次成形部である。図2に示す矢印は、中間不織布層5の移動方向、中間層3の移動方向、型ロール12;13とローラ16;17及びガイドローラ19の回転方向である。
中間不織布層5と支持部材6との接合について説明すると、押し出し成形機11が一次成形部20を板状に押し出す。この一次成形部20は押し出された先で型ロール12;13の間に通される。型ロール12の表面は、平坦になっている。型ロール13の表面には、横片形成溝14及び縦片形成溝15が型ロール13を一周するように設けられる。
又、横片形成溝14及び縦片形成溝15は型ロール13の中心線と平行する方向に複数本並列して型ロール13の表面に設けられることにより、一次成形部20が型ロール12;13の間を通過する過程において横片形成溝14及び縦片形成溝15の本数分の横片部7と縦片部8とから成る支持部材6として成形される。
そして、型ロール12;13から押し出された支持部材6がローラ16;17の間に通される。ローラ16の表面は、平坦になっている。ローラ17の表面には、逃げ溝18がローラ17を一周するように設けられる。よって、支持部材6がローラ16;17の間を通過する過程において縦片部8が逃げ溝18に収容され、横片部7がローラ16の表面に接触するように、又、中間不織布層5がローラ16の表面に接触するように、中間不織布層5と横片部7とが互いに重ね合わされながら、中間不織布層5と支持部材6とがローラ16;17の間を通過してローラ16;17から伝わる熱と圧力とにより中間不織布層5と横片部7とが熱溶着され、中間不織布層5と支持部材6が一体となって中間層3になる。
ローラ16;17の間から出た中間層3はローラ17の表面に接触したままガイドローラ19の側に送られた後、中間不織布層5がガイドローラ19の表面に接触するように、中間層3がガイドローラ19で送られる。
図示は省略したが、図2の押し出し成形機11から押し出された一次成形部20が型ロール12;13の間に通されて横片部7と縦片部8とから成る支持部材6として成形され、この成形された支持部材6を渦巻状に巻いてロール材を構成する。又、中間不織布層5も渦巻状に巻いたロール材を構成する。そして、ロール材として構成された支持部材6とロール材として構成された中間不織布層5とを図2のローラ16;17の間に通してローラ16;17から伝わる熱と圧力とにより中間不織布層5と横片部7とを熱溶着しても適用可能である。
図3を参照し、発明を実施するための形態1に係る型ロール13の一部について説明する。図3において、13は型ロール、14は横片形成溝、15は縦片形成溝である。型ロール13の一部として図1の1本の支持部材6を形成する部分を例示して説明すると、横片形成溝14が型ロール13の表面に開口しかつ型ロール13の表面から内部に窪む溝になっており、縦片形成溝15が横片形成溝14の底面に開口しかつ横片形成溝14の底面から型ロール13の内部に窪む溝になっている。
よって、図2の型ロール12の表面が図3の型ロール13の表面に接触して横片形成溝14の開口を塞ぐ造形になり、図2の一次成形部20が型ロール12;13の間を通過する過程で、図3の横片形成溝14が図2の横片部7を形成し、図3の縦片形成溝15が図2の縦片部8を形成する。即ち、図3に示す型ロール13の1つの横片形成溝14及び1つの縦片形成溝15が、図1の1本の支持部材6を形成する。
図4を参照し、発明を実施するための形態1に係る中間層3について説明する。図4は、中間層3を図2に示す長手方向の一方から見た正面図である。図4において、3は中間層、5は中間不織布層、6は支持部材、7は横片部、8は縦片部である。中間層3の支持部材6は、中間不織布層5の接合された横片部7と横片部7の中央部から突出する縦片部8とを備えた構造である。
中間不織布層5と支持部材6とが互いに熱溶着可能な合成樹脂からなりかつ熱溶着により連結されたので、中間不織布層5と横片部7とが接着又は縫製等により連結された場合よりも接合強度のばらつきがない。
例えば、中間不織布層5と支持部材6とを接着剤で接合する場合は、接着剤の塗布量、空気に触れる開放時間、乾燥時間等で接着力にばらつき、溶剤タイプの接着剤を使用した場合は、有機溶剤や水等の溶媒を乾燥する時間が必要になり、乾燥時間が長く、ホットメルトタイプの接着剤を使用した場合は、設備が必要になる。これに対し、発明を実施するための形態1のように、中間不織布層5と横片部7とが熱溶着により接合されれば、接合強度のばらつきがなく、接合時間が短縮する。
図5を参照し、発明を実施するための形態1に係るマットレス1がインナーメッシュ21及びアウターカバー23に収容された構造について説明する。図5において、1はマットレス、2は上部不織布層、3は中間層、4は下部不織布層、5は中間不織布層、6は支持部材、7は横片部、8は縦片部、21はインナーメッシュ、22はジッパー、23はアウターカバーである。
縦片部8が下部不織布層4の上に接触するように、中間層3が下部不織布層4の上に重ね合わされ、上部不織布層2が中間不織布層5の上に接触するように、上部不織布層2が中間層3の上に重ね合わされる。中間層3は複数本の支持部材6を中間不織布層5で連結した構造であるので、複数本の支持部材6が互いにばらばらにならず、中間層3と下部不織布層4との隙間形状が安定する。
インナーメッシュ21は、ポリエステル等の合成樹脂の糸を網目状に織ったメッシュ形状になっているので、使用時の蒸れを防止できる。インナーメッシュ21は、マットレス1を収容する大きさの長方形に2つ折りされ、例えば、2つ折りされた折り曲げ線の部分を除く3辺にジッパー22を設けるか、又は、2つ折りされた折り曲げ線の部分と他の3辺のうちの2辺又は1辺を縫製して残りの2辺又は2辺にジッパー22を設けた造形に構成される。
そして、上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4との重ね合わされた3層構造のマットレス1がインナーメッシュ21のジッパー22の開けられた部分から内部に収容された後、ジッパー22が閉じられて、インナーメッシュ21が袋状となってマットレス1を全体的に覆い隠す態様となる。尚、ジッパー22以外の紐や安全ピン等の留め具で開閉可能に閉じても適用可能である。
アウターカバー23は、ポリエステル等の合成樹脂の糸からなる織布により構成されたので、使用時の蒸れを防止できる。アウターカバー23は、布状に展開された形状でも適用可能であるが、袋状のインナーメッシュ21を収容する大きさの長方形に2つ折りされ、例えば、2つ折りされた折り曲げ線の部分を除く3辺に図外の留め具を設けるか、又は、2つ折りされた折り曲げ線の部分と他の3辺のうちの2辺又は1辺を縫製して残りの2辺又は2辺に図外の留め具を設けた造形に構成される。
そして、マットレス1を収容したインナーメッシュ21がアウターカバー23の留め具の開けられた部分から内部に収容された後、留め具が閉じられて、インナーメッシュ21の外側をアウターカバー23で覆った状態において、マットレス1が使用されるため、上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とを互いに連結しなくても、上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とを相互に重ね合わせるだけで各々が抵抗によりずれ難い。尚、重ね合わされた上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とを接合ピン等の固定具で固定しても適用可能である。
発明を実施するための形態1に係るインナーメッシュ21及びアウターカバー23に収容されたマットレス1を介護用マットレスとして使用することにより、次のような利便性がある。マットレス1の中間層3が複数本の支持部材6を互いにマットレス1の横方向に離して配置された構成であるので、マットレス1又は中間層3を、洗浄後に、乾燥機で乾燥することにより、水及び空気が複数本の支持部材6の間を経由してマットレス1又は中間層3よりも外部に出るので、水切れ及び通気性が良く、マットレス1又は中間層3の洗浄後の乾燥時間が短くなり、臭いや黴の発生が抑えられる。
支持部材6が横片部7と縦片部8とを備えたので、横片部7の横幅を大きくするでき、横片部7の横幅を大きくすることにより、横片部7が上部不織布層2を支持する部分が板状で広くなり、マットレス1の使用者に支持部材6による違和感を与え難くすることができる。
中間不織布層5と支持部材6とが互いに連結されたので、中間層3と下部不織布層4との隙間形状が安定し、マットレス1の使用者に支持部材6の存在を感じさせないようにすることができる。又、中間不織布層5と横片部7とが互いに重ね合わされて連結されたので、中間不織布層5を縦片部8に連結した場合よりも、中間不織布層5と横片部7と連結面積が広くなり、横片部7と中間不織布層との結合強度が均一になる。又、縦片部8が下部不織布層4に入り込んで滑り止め効果が出る。更に、複数本の支持部材6が存在することにより、マットレス1の全体に靱性が生じ、例えば、マットレス1を用いたベッドの背上げ時にベッドの動きが緩和されながら使用者に伝えられる。又、中間不織布層5と支持部材6とが互いに連結されずに重ね合わされただけでも、マットレス1の使用者に支持部材6による違和感を与え難い。
図6を参照し、発明を実施するための形態1に係る上部不織布層2と下部不織布層4、中間不織布層5の物性について説明する。上部不織布層2と下部不織布層4とを対比すると、目付量が同じであるものの、下部不織布層4の繊維径が上部不織布層2よりも太い。このことにより、下部不織布層4を上になるように使用した場合でも、マットレス1の使用者は違和感を持たない。
図7を参照し、発明を実施するための形態1に係る支持部材6の寸法について説明する。図7のA図では、支持部材6の形を正面図として図示している。横片部7の上下方向の寸法=A、横片部7の上面と縦片部8の下面との間の寸法=B、横片部7の横方向の寸法=E、縦片部8の左側面と横片部7の左側面との間の寸法=C、縦片部8の右側面と横片部7の右側面との間の寸法=C、縦片部8の横方向の寸法=Dとする。これらA乃至Dは、一例として、図7のB図に示す数値になっている。
図8を参照し、発明を実施するための形態1に係る中間不織布層5に対する支持部材6の配置関係について説明する。図8のA図は、中間不織布層5の形及び支持部材6の形を正面図として図示している。図8のA図において、中間不織布層5の横方向の寸法は910mmである。この横幅の中間不織布層5に対し、13本の支持部材6が互いに中間不織布層5の横方向に離れて平行に並んでいる。13本の支持部材6のうちで最も最も外側の1本の支持部材6とそれよりも内側に並んだ1本の支持部材との横方向の中心間の寸法=F、横方向の最も両側の1本ずつを除いた11本の支持部材6の隣同士の横方向の中心間の寸法=G、13本の支持部材6の最も両側の1本ずつの支持部材6の横方向の中心間の寸法=Hとする。これらF乃至Iは、一例として、図8のB図に示す数値を採用した。
図9を参照し、比較サンプルを業務用乾燥機により、70℃で乾燥した時のデータについて説明する。図9のA図に示すように、比較サンプルは、中間層有、中間層無、ウレタンフォームの3種類のマットレスである。それらの比較サンプルを70℃で乾燥した場合の乾燥時間は、中間層有が40分、中間層無が85分、ウレタンフォームが126分であった。夫々の乾燥性データは、図9のB図に示す折れ線グラフになった。この折れ線グラフを考察すると、中間層有の3層構造のマットレスが乾燥開始時の含水率が低く、水切れが良く、乾燥が早いことが判る。なお、業務用乾燥機は80℃乃至120℃に設定されるが、80℃よりも悪い条件である70℃を採用した。
図10を参照し、比較サンプルを90℃で乾燥した時のデータについて説明する。図10のA図に示すように、比較サンプルは、中間層有、中間層無、ウレタンフォームの3種類のマットレスである。それらの比較サンプルを90℃で乾燥した場合の乾燥時間は、中間層有が30分、中間層無が75分、ウレタンフォームが110分であった。夫々の乾燥性データは、図10のB図に示す折れ線グラフになった。この折れ線グラフを考察すると、中間層有の3層構造のマットレスが乾燥開始時の含水率が低く、水切れが良く、乾燥が早いことが判る。
図11を参照し、中間層を支持部材の形状を違えて90℃で乾燥した時のデータについて説明する。図11のA図に示すように、比較サンプルは、支持部材縦片部、支持部材横片部、支持部材格子状の3種類のマットレスである。それらの比較サンプルを90℃で乾燥した場合の乾燥時間は、支持部材縦片部が31分、支持部材横片部が31分、支持部材格子状が30分であった。夫々の乾燥性データは、図11のB図に示す折れ線グラフになった。この折れ線グラフを考察すると、含水率、乾燥時間は類似していることが判る。
図12を参照し、発明を実施するための形態2に係る支持部材6について説明する。図12において、6は支持部材、7は横片部、8は縦片部、24は凹部である。凹部24は、縦片部8の下面及び両側面に開口し、縦片部8の下面から内部に窪む造形である。凹部24が支持部材6の縦片部8に設けられたので、乾燥が早く、黴等の発生が抑えられる。
図13を参照し、発明を実施するための形態3に係る支持部材6について説明する。図13において、6は支持部材、7は横片部、8は縦片部、25は孔部である。孔部25は、縦片部8の両側面に貫通した造形である。孔部25が支持部材6の縦片部8に設けられたので、乾燥が早く、黴等の発生が抑えられる。
図14を参照し、発明を実施するための形態4に係る支持部材6について説明する。図14に示すように、支持部材6を長手方向の一端部から見た場合において、支持部材6の縦片部8は左右の寸法つまり厚みが先端部から横片部7の側に行くに従って厚くなった形状である。
図15を参照し、発明を実施するための形態5に係る支持部材6について説明する。図15に示すように、支持部材6を長手方向の一端部から見た場合において、支持部材6は半円形状又は半楕円である。
図示は省略したが、図1に示す複数本の支持部材6が互いにマットレス1の縦方向に離して並列になるように中間不織布層5で連結した構造でも適用可能である。マットレス1の縦方向は、図1に示すマットレス1の長手方向と同じ方向である。又、中間不織布層5を除去し、中間層3を複数本の支持部材6により構成しても適用可能である。
図16及び図17を参照し、発明を実施するための形態6に係る支持部材26について説明する。図16及び図17において、3は中間層、26は支持部材、27は横壁部、28は縦壁部、29は空気通路部である。
図16に示すように、中間層3としての支持部材26は、横壁部27と縦壁部28とが互いに交差した格子状になっている。横壁部27と縦壁部28とは、支持部材26の格子状を形成する壁部である。横壁部27と縦壁部28とには、空気通路部29が個別に設けられる。空気通路部29は、横壁部27と縦壁部28との互いに交差した部分を除いた部分の上部に凹部として個別に設けられる。空気通路部29の個数は横壁部27と縦壁部28との互いに交差した部分を除いた部分の上部に対し複数個設けても適用可能である。又、空気通路部29は貫通孔であっても適用可能である。しかしながら、図16に示すように、空気通路部29が横壁部27の上部及び縦壁部28の上部に設けられた構造であれば、横壁部27と縦壁部28とに空気通路部29に相当する貫通孔を形成するよりも、支持部材26が成形しやすい。
図17に示すように、上部不織布層2と中間層3としての支持部材26と下部不織布層4とからマットレス1が構成された場合、上部不織布層2と支持部材26との間には空気通路部29が存在するので、マットレス1を、洗浄後に、乾燥機で乾燥することにより、水及び空気が空気通路部29を経由してマットレスよりも外部に出るので、水切れ及び通気性が良く、マットレス1の洗浄後の乾燥時間が短くなり、臭いや黴の発生が抑えられる。
図示は省略したが、図16の格子状の支持部材26の上に図1の中間不織布層5を設けても適用可能である。つまり、中間不織布層5と支持部材26とが互いに連結されずに重ね合わされただけでも、マットレス1の使用者に支持部材26による違和感を与え難くすることができる。又、その場合、中間不織布層5と支持部材26とを互いに例えば接着又は熱溶着又は縫製等により連結すれば、マットレス1の使用者に違和感を与えないような厚さや高さ或いは硬さを発揮するように支持部材26を構成しても、支持部材26の形状が崩れ難くなる。支持部材26と中間不織布層5とを互いに連結する場合、図16の横壁部27と縦壁部28との交差部分のように空気通路部29の設けられていない部分の全部又は所々を連結することが考えられる。
又、図示は省略したが、図16の格子状の支持部材26の横壁部27と縦壁部28との互いに向かい合う1対又は2対の交差部分に筋交い壁を渡しても適用可能である。その場合、筋交い壁に空気通路部29を設けるか又は筋交い壁の高さを横壁部27又は縦壁部28における空気通路部29に対応する部分のように低くすればよい。
図18を参照し、発明を実施するための形態7に係るマットレス1について説明する。図18において、1はマットレス、2は上部不織布層、3は中間層、4は下部不織布層、5は中間不織布層、6は支持部材、7は横片部、8は縦片部、41は凸部、42は凹部である。
図18に示すように、上部不織布層2の下面がマットレス1の短手方向に延長した複数個の凸部41とマットレス1の短手方向に延長した複数個の凹部42とをマットレス1の長手方向に交互に連続してなる波形に形成され、上部不織布層2が凹部42で曲げ易い構成になっている。凸部41と凹部42とが、上部不織布層2の下面におけるマットレス1の長手方向の全域に又はマットレス1に仰臥位となった人の頭部と足部とにわたる範囲等の特定部分に設けられる。又、凸部41と凹部42との一方又は両方は、マットレス1の短手方向に連続しないで複数個に分かれた構成でも適用可能である。
そして、マットレス1が上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とから成る三層構造に構成された場合、凸部41及び凹部42の延長方向が支持部材6の延長方向に交差する方向で中間不織布層5の上に配置された構成になり、支持部材6が凸部41及び凹部42から斜めになるような外力を抑え、支持部材6の並んだ形を保つことができる。
図1に示した表裏面の平面な上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とからなるマットレス1と、図18に示した裏面を波形とした上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とからなるマットレス1とを試作し、洗濯、乾燥を実施したところ、次のようなことが検証できた。
図1に示した表裏面の平面な上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とからなるマットレス1では、上部不織布層2の上面に不規則な皺が発生した。これに対し、図18に示した裏面を波形とした上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とからなるマットレス1では、上部不織布層2の上面への不規則な皺の発生を抑えることができた。
上記皺の発生の相違について考察すると、図1に示した構成のマットレス1では洗濯時にマットレス1に様々な外力が加わり、上部不織布層2の上面に不規則な皺が発生したものと考えられる。これに対し、図18に示した構成のマットレス1では洗濯時にマットレス1に様々な外力が加わっても波形の凹部42で曲がりやすく、上部不織布層2の上面での皺の発生が抑えられたものと考えられる。
又、図18に示したマットレス1では上部不織布層2と中間層3との間に凸部41と凹部42とからなる波形により通気性が高まることによって、図1に示した上部不織布層2と中間層3とが平面で重なり合った構成のマットレス1より、早く乾燥すると考えられる。
尚、図示はしないが、下部不織布層4の上面がマットレス1の短手方向に延長した複数個の凸部とマットレス1の短手方向に延長した複数個の凹部とがマットレス1の長手方向に交互に連続してなる波形に形成され、下部不織布層4が凹部で曲げ易い構成になったとしても適用可能である。凸部と凹部とが、上部不織布層2の下面におけるマットレス1の長手方向の全域に又はマットレス1に仰臥位となった人の頭部と足部とにわたる範囲等の特定部分に設けられる。又、凸部と凹部との一方又は両方は、マットレス1の短手方向に連続しないで複数個に分かれた構成でも適用可能である。
上記のように下部不織布層4の上面が凸部と凹部とからなる波形に形成されたことにより、下部不織布層4の下面への不規則な皺の発生を抑えることができ、又、図1に示した上部不織布層2と中間層3とが平面で重なり合った構成のマットレス1よりも早く乾燥すると考えられる。
又、マットレス1が上部不織布層2と中間層3と下部不織布層4とから成る三層構造に構成された場合、凸部及び凹部の延長方向が支持部材6の延長方向に交差する方向で支持部材6の下に配置された構成になり、支持部材6が凸部及び凹部から斜めになるような外力を抑え、支持部材6の並んだ形を保つことができる。
図19を参照し、発明を実施するための形態7に係る上部不織布層2の寸法について説明する。図19のA図では、凸部41とそれに隣接する2個の凹部42とによる上部不織布層2の長手方向(マットレス1の長手方向に同じ)の寸法=J、上部不織布層2の上面と凸部41の頂点との間の寸法=K、凸部41における上部不織布層2の長手方向の寸法=L、凹部42における上部不織布層2の長手方向の寸法=M、上部不織布層2の上面と凹部42の底面との間の寸法=Nとする。これらJ乃至Nは、一例として、図19のB図に示す数値になっている。
尚、図19のA図において、上部不織布層2を短手方向(マットレス1の短手方向に同じ)から見た場合に、凹部42を上部不織布層2の下面とすると、凸部41は上部不織布層2の下面から下方に突出した曲面を有する山形になっているが台形又は四角形又は三角形等の形状であっても適用可能である。又、凹部42は平面になっているが凸部41の側から上方に窪む山形又は台形又は四角形又は三角形等の形状であっても適用可能である。