JP6335843B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Description
さらに、魚釣用スピニングリールには、ベールが釣糸放出位置にある状態で、ハンドルの巻き取り操作によりロータが回転すると、ベールが反転(釣糸巻取位置に復帰)する反転機構が設けられている(下記特許文献1を参照)。
また、復帰用衝接部との接触による復帰用移動部材の移動量、言い換えると、反転機構によるベールの戻し角度は、付勢機構によるデッドポイントを超えてベールが釣糸巻取位置寄りとなるように構成されている。これにより、反転機構によりデッドポイントを超えたベールは、付勢機構の付勢力により釣糸巻取位置に自動的に移動(復帰)する。
ここで、ベールの戻し角度を大きくするためには、リール本体の前部に形成される復帰用衝接部による変位量(カム面の高さ)を増加させるとともにアーム部の案内部を従来よりも長く形成し、案内部に沿って移動する復帰用移動部材の移動量を増加させる必要がある。
前記従来の反転機構において、復帰用移動部材は、復帰用衝接部のカム面に略直交するように当接しながら移動するように構成されている。これによれば、ロータの巻取操作時に復帰用移動部材のスライド方向に関する分力を大きく作用させて、軽いハンドル巻取り操作でのベール反転復帰が可能となるが、ロータのアーム部の基部に貫通形成された案内部と復帰用移動部材の長手方向(本体部)とが同方向となるように配設されるため、アーム部の前後方向の長さが必然的に長くなって大型、重量化を招いて好ましくない。
また、反転機構を構成する部材の加工及び組立誤差等の影響により、デッドポイントの位置が変化してデッドポイントが釣糸巻取位置側にずれた場合、巻取り方向のロータ回転でベールを確実に巻取位置に反転復帰出来難い問題がある。
一端部が前記ベール支持部材に連結され、他端部が前記アーム部の基部に形成された長孔状の案内部に挿通され、前記案内部に沿って移動する復帰用移動部材と、前記リール本体に設けられ、前記復帰用移動部材の他端部に接触して前記復帰用移動部材を押圧する復帰用衝接部と、を備え、前記復帰用移動部材は、前記ロータの回転軸に対して前記案内部の傾斜角度と異なる角度を有しながら前記ベール支持部材を釣糸放出位置から釣糸巻取位置に反転復帰させることを特徴とする。
つまり、ロータの基部(案内部)における前後方向の長さが従来と同じであっても、復帰用移動部材の移動距離(ベール支持部材の回動量)が増加するため、前記発明によれば、アーム部の小型化、軽量化を確保しつつ、ベールの戻し角度を増加させることができ、付勢機構によってベールが確実に釣糸巻取位置に復帰するようになる。
上記構成によれば、ハンドル6の巻き取り操作が行われると、ハンドル6操作の駆動力がスプール往復動装置に伝達されてスプール4が前後動し、図示しない釣糸がスプール4の釣糸巻回胴部4aに均等に巻き付けられる。
各アーム部3A,3Bの前端部には、ベール18及びラインローラ19を支持するベール支持部材12A,12Bが回動自在に取り付けられている。そして、ベール支持部材12A,12Bを回動すると、釣糸巻取位置にあるベール18を釣糸放出位置(図4参照)に移動させることができる。
なお、釣糸放出位置は、図6に示すように、釣糸巻取位置に対して例えば約120度回動した位置に設定されている。
図1に示すように、アーム部3Aは、円筒部30の後端からスプール4のスカート部4bを超えて外側に延びてさらに前方に延びる断面視略L字状のアーム本体部31と、そのアーム本体部31の外周面側を覆うカバー部材32とを備えている。
そして、アーム本体部31とカバー部材32との間には空間が形成され、その空間内に反転機構40の復帰用移動部材50が収容されている。
反転機構40は、ベール18が釣糸放出位置にあり、かつ、ハンドル6の巻き取り操作によりロータ3が回転した場合、ベール支持部材12Aを反転させてベール18を釣糸巻取位置に移動させる機構である。なお、反転機構40の詳細については後述する。
また、アーム本体部31の後端側には、前後方向に向けて長孔状の案内部38が形成されている。
第1軸部34の内周面には、ねじ溝が形成されており、第1軸部34内にボルトBが螺合している(図1参照)。これにより、第1軸部34からベール支持部材12Aの基部13が脱落しないようになっている。
第1位置決め壁部35は、移動部14に対して第1軸部34の左回り方向に配置され、移動部14が当接した場合にベール18が釣糸巻取位置となるように形成されている。
第2位置決め壁部36は、移動部14に対して第1軸部34の右回り方向に配置され、移動部14が当接した場合にベール18が釣糸放出位置となるように形成されている(図4参照)。
図2に示すように、ベール18(ベール支持部材12A)が釣糸巻取位置にある場合、復帰用移動部材50の本体部51は、前後線LOに対して(θ−α)度分だけ右側(ロータ3の巻取方向と反対側)に傾斜し、本体部51の中心線51aと案内部38の中心線38aとが成す角度がα度となっている。つまり、復帰用移動部材50の本体部51と案内部38は、本体部51の中心線51aと案内部38の中心線38aとが前後方向に対して異なる角度を有するように連結している。
また、被接触部53は、リール本体2の筒部2aの外周面近傍まで延び、復帰用衝接部60と接触可能になっている(図1参照)。
図2に示すように、ベール18が釣糸巻取位置にある場合、溝部15は、第1軸部34の略右側に位置している。また、図4に示すように、ベール18が釣糸放出位置にある場合、溝部15は、第1軸部34の略後側に位置している。
このため、ベール18が釣糸巻取位置から釣糸放出位置に移動した場合、係合部52が溝部15の内面に押圧されて復帰用移動部材50が後方に移動する。そして、復帰用移動部材50の被接触部53も案内部38の後端側に移動する。
また、復帰用衝接部60には、被接触部53を前方に押し出すためのカム面61が形成され、ハンドル6の巻き取り操作によりロータ3が巻き取り方向に回転した場合、被接触部53がカム面61に乗り上げて復帰用移動部材50が前方に移動するようになっている。
このため、釣糸放出位置におけるベール支持部材12A、つまり、ベール支持部材12Aに連結されて左右に揺動する復帰用移動部材50の本体部51は、アーム本体部31の底部に形成した第2当接部材(位置規制部)39に当接して姿勢位置が規制される。
これによってベール支持部材12Aの釣糸巻取位置に向けた反転始動位置が特定されることになり、ロータ3の巻取り回転において安定したスムーズな自動反転復帰操作が可能となる。
以上から、復帰用衝接部60との接触により係合部52(復帰用移動部材50)が前方に移動すると、ベール支持部材12Aが中心軸O1の左回り方向に回動するように構成されている(図4の矢印C参照)。
一方で、復帰用移動部材50の係合部52は、基準線L2よりも右側に位置するように構成されている。
以上から、本実施形態の本体部51(復帰用移動部材50)は、常時、被接触部53を中心として右側に傾斜するように配置されている(図2、図4、図5参照)。
そして、本実施形態の配置構造によれば、本体部51(復帰用移動部材50)が基準線L2に平行に延びるように配置された場合よりも前後方向に対応する長さが短くなり、アーム部3A内の小さい空間内に収容することができる。
そして、復帰用移動部材50の移動量の増加に伴い、反転機構40によるベール支持部材12Aの回動量(ベール18の戻し角度)L3は、図6に示すように、釣糸放出位置からデッドポイントを超え、さらに従来の回動量を超え、70度に回動するように設定されている。このため、ベール支持部材12Aの従来の回動量を大きく超えて釣糸巻取位置に近づくように回動し、付勢機構70の付勢力によってベール18を釣糸巻取位置に確実に移動(復帰)する。
つまり、案内部38と本体部51(復帰用移動部材50)とを前後方向に異なる角度とすることで復帰用移動部材50を案内部38に係り合いながら移動させ、アーム部3A内の限られたスペースの中で復帰用移動部材50の移動量を効果的に大きくでき(係合案内作用)、ベール支持部材12Aの釣糸放出位置から釣糸巻取位置に向けての戻し角度が増加されて、ベール18の釣糸巻取位置への確実な復帰が可能となる。
なお、本実施形態の案内部38は、前後方向に対する傾斜角度が45度であるが、本発明は、復帰用移動部材50の被接触部53が長孔状で傾斜した案内部38を介して本体部51が右方向に移動しながら前方に移動(2方向移動)するように右斜め前方に傾斜案内すればよい。つまり、案内部38の傾斜角度は、本体部51が延びる方向に対して異なる角度となるように傾斜していればよく、これに限定さない。
また、本実施形態では、復帰用移動部材50の本体部51が基準線L2に対して傾斜している場合に適用した例を挙げているが、本体部51が基準線L2に平行に延びるように配置されている場合に適用してもよい。
2 リール本体
3 ロータ
3A,3B アーム部
4 スプール
8 スプール軸
10 駆動軸筒
12A,12B ベール支持部材
15 溝部
18 ベール
30 円筒部
31 アーム本体部
32 カバー部材
34 第1軸部
38 案内部
39 第2当接部材(位置規制部)
40 反転機構
50 復帰用移動部材
51 本体部
52 係合部(一端部)
53 被接触部(他端部)
60 復帰用衝接部
61 斜面
70 付勢機構
Claims (3)
- リール本体に設けられたロータと、
前記ロータに設けられたアーム部と、
前記アーム部に回転自在に取り付けられ、釣糸巻取位置又は釣糸放出位置に移動自在なベール支持部材と、
前記ベール支持部材を釣糸巻取位置又は釣糸放出位置に付勢保持する付勢機構と、
前記ベール支持部材を釣糸放出位置から釣糸巻取位置に復帰させる反転機構と、
を備え、
前記反転機構は、
一端部が前記ベール支持部材に連結され、他端部が前記アーム部の基部に形成された長孔状の案内部に挿通され、前記案内部に沿って移動する復帰用移動部材と、
前記リール本体に設けられ、前記復帰用移動部材の他端部に接触して前記復帰用移動部材を押圧する復帰用衝接部と、
を備え、
前記復帰用移動部材は、前記ロータの回転軸に対して前記案内部の傾斜角度と異なる角度を有しながら前記ベール支持部材を釣糸放出位置から釣糸巻取位置に反転復帰させることを特徴とする魚釣用スピンングリール。 - 前記アーム部の底部には、前記ベール支持部材が前記釣糸放出位置に移動した場合に前記復帰用移動部材の本体部に当接して姿勢位置を規制する位置規制部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピンングリール。
- 前記アーム部と前記復帰用移動部材との間に前記復帰用移動部材を前方側に付勢するばね部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の魚釣用スピンングリール。
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