JP6332696B2 - にんにくの栽培方法 - Google Patents

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Description

本発明は、にんにくの栽培方法に関する。詳しくは、植物の生存率を高め、生育効率を向上させることが可能なにんにくの栽培方法に係るものである。
植物の生長に必要な養分や水分を液体肥料として与える養液栽培法が行われている。養液栽培法では、室内環境等に設置した栽培槽に対象となる植物を載置して、液体肥料を与える方法が一般的である。
近年では、内部環境をコントロールした閉鎖的または反閉鎖的な空間で植物を計画的に栽培する植物工場のシステムが登場し、植物工場でも養液栽培が利用されている。
養液栽培の一例として、例えば、特許文献1には、にんにくの水耕栽培の技術が提案されている。水耕栽培は、養液栽培の1つの方法であり、固形培地を用いずに植物の根を常時水に浸して栽培を行うものである。
ここで、特許文献1には、にんにくのりん片を発泡スチロールの育苗トレイ上にのせ、水槽に浮かせ水耕栽培する栽培方法が記載されている。本方法では、夏季90%、冬季60%程度の条件で温室を遮光している。また、水槽温度を一定範囲に保つ方法となっている。
特開2006−174744号公報
養液栽培と環境制御を組み合わせることで、植物を適切に管理しながら栽培することが可能であるが、植物の種類によっては、必ずしも充分に栽培できないものも存在する。
特許文献1に記載のにんにくの栽培方法では、水につけた根元から根腐れが生じ、食用にできなくなることがある。また、収穫可能な大きさにまで生長するのに時間を要するものである。
また、従来のにんにくの養液栽培では、水耕栽培ではなく、固形培地を用いて行う方法も行われているが、環境温度を制御しても大部分が枯死してしまい、安定的な生産が難しいものとなっている。また、やはり、充分に生長して収穫可能な大きさになるまで、一ヶ月程度と長い時間を要するものである。
また、にんにくだけでなく、水耕栽培に適さない種類の植物は多数存在する。例えば、過剰な水分の供給を嫌う樹木や乾燥を好む植物や、土で支持することが好ましい根菜類等は水耕栽培では充分な栽培が難しいものとなっている。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、植物の生存率を高め、生育効率を向上させることが可能なにんにくの栽培方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の植物栽培方法は、底面に孔を有する容器に栽培前植物体を収容し、前記孔の部分から前記栽培前植物体の根元に液体肥料をかけ、または、孔から露出した同栽培前植物体の根元に液体肥料をかける施肥工程を備える。
ここで、底面に孔を有する容器に栽培前植物体を収容することによって、植物を容器で支持しながら、孔の位置に植物の根が生える領域を合わせて置くことができる。また、底面の孔から植物の根元や根が生える領域を露出させることができる。なお、ここでいう栽培前植物体とは、対象となる植物の葉や茎、根等が伸長する前の未成長の植物を意味するものである。
また、孔の部分から栽培前植物体の根元に液体肥料をかけ、または、孔から露出した栽培前植物体の根元に液体肥料をかけることによって、根の伸長部分に集中的に液体肥料を施し、根の伸長を促すことが可能となる。なお、ここでいう根元とは、既に根が伸びはじめたものだけでなく、外観上は根が生えておらず、根が未成長で時間の経過と共に根が出てくる根が生える領域を含むものである。
また、施肥工程で、液体肥料を霧状にして吹きかける場合には、液体肥料の施肥量を調整しやすいものとなる。また、過剰な水分の供給を抑え、植物体の種類に適した湿潤状態を創出しやすいものとなる。
また、施肥工程が、0分から15分間隔の幅で間を空けて液体肥料をかける場合には、植物の根が乾燥しない程度の湿潤状態を保ちながら施肥することが可能となる。
また、孔が栽培前植物体の根が出る領域と略同等の大きさで形成された場合には、より一層根の伸長部分に集中的に液体肥料を施し、根の伸長を促すことが可能となる。
また、栽培する植物の生育至適温度範囲の高温側の温度帯で栽培する際には液体肥料の肥料濃度を大きくし、低温側の温度帯で栽培する際には、液体肥料の肥料濃度を小さくする場合には、環境温度に対応した植物の液体肥料の摂取量に併せた施肥が可能となる。即ち、生育至適温度の高温側の温度では、植物が取り込み可能な液体肥料の量が増え、低温側では量が減るものとなる。これに併せて液体肥料の濃度を変えることで、植物が適切に消費可能な範囲での施肥を行うことができる。
また、栽培前植物体に特定の波長の光を照射する場合には、より一層、植物の健全な生長を促し、歩留まりを向上させることができる。例えば、自然光を利用する栽培では生存率が低くなる植物でも、特定の波長の光を照射することで生存率を高めることができる。
また、栽培前植物体が球根植物である場合には、球根植物の根の伸長を促し、生育効率を向上させることができる。なお、ここでいう球根植物とは、鱗茎、球茎、塊茎、根茎、塊根及び担根体を含むものである。
また、栽培前植物体がにんにくである場合には、にんにくの根の伸長を促し、生育効率を向上させることができる。なお、ここでいうにんにくとは、下処理したにんにくのりん片を生長させ、葉、茎及び根を有する状態のにんにくを含むものである。
また、液体肥料の肥料濃度が、EC(電気誘導率)が0.6〜1.5mS/cmの範囲内である場合には、より一層、にんにくの生育効率を向上させることができる。なお、EC(電気誘導率)は液体肥料の濃度を表す指標であり、ECの値1.0mS/cmは、500ppmに相当する。
ここで、液体肥料の肥料濃度がEC0.6mS/cm未満の場合には、にんにくの生育速度が遅くなってしまう。また、葉の色の黄ばみ、茎の徒長、にんにくの鱗茎のしわ、萎れ、変色が生じやすいものとなる。また、液体肥料の肥料濃度がEC1.5mS/cmを超える場合には、にんにくのえぐみや苦味が強くなり、食味に悪影響を与えるものとなってしまう。
本発明に係るにんにくの栽培方法は、植物の生存率を高め、生育効率を向上させることが可能なものとなっている。
栽培槽とプラグトレイの構造を示す概略図である。 プラグトレイ中で伸長したにんにくを示す概略図である。 栽培後のにんにくを示す概略図である。 栽培開始後2日目の状況を示す図(a)、栽培開始後3日目の状況を示す図(b)、栽培開始後4日目の状況を示す図(c)及び栽培開始後5日目の状況を示す図(d)である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、本発明の内容は以下に示す実施の形態の内容に限定されるものではなく、ここに示すものはあくまで本発明の内容を一例である。
本発明を適用した植物栽培方法の一例であるにんにくの栽培方法では、図1に示すような栽培槽1を利用する。
栽培槽1は、栽培槽本体2と、養液供給管3と、架台4を有している。また、栽培槽1の上部には、プラグトレイ5が配置可能となっている。また、栽培槽1は、温度や湿度等の内部環境が調整可能な室内に設置されている。
栽培槽本体2は、上部が開口した断面略コの字型の形状であり、その上部にプラグトレイ5を配置することで、内部が半密閉の状態となるものである。また、底面側は架台4で支持され、架台4の内部には循環経路6が設けられている。
循環経路6は、栽培槽本体2の底を通る経路であり、後述する液肥原液タンクに繋がったポンプ8とも連結され、養液供給管3から噴霧された液体肥料が循環する経路となっている。循環した液体肥料は再度、養液供給管3から噴霧することができるものとなっている。
また、循環経路6を循環する液体肥料はポンプ8から外部に排水可能となっている。これは、循環する液体肥料を、液肥原液タンク等から新たに供給される液体肥料に交換するために設けられているものである。
プラグトレイ5は、128個のマス目状に仕切りが設けられた栽培用プレートであり、1つのマスに、栽培前の下処理を行った1つのにんにくのりん片7を載置して、栽培を行うものである。また、プラグトレイ5は底面に孔が形成されており、孔の部分から、にんにくのりん片7の根元に向けて、液体肥料を施肥可能となっている。また、にんにくのりん片で既に根が出ているものは、孔の部分から根を露出させて、その根に向けて液体肥料を施肥可能となっている。
また、プラグトレイ5の孔は、にんにくの根が出る領域に併せて直径1〜2cm程の大きさにプラグトレイ5を部分的に切って形成したものである。なお、にんにくのりん片7は、既に根が出て見えるものや、外観上は根が確認できないが、時間の経過と共に根が出てくるものも含んでいる。
ここで、必ずしも、プラグトレイ5が128個のマス目状に仕切りが設けられたものに限定される必要はない。栽培する植物の種類や大きさ、栽培する量に応じて、適宜変更することが可能である。
また、必ずしも、プラグトレイ5の孔が、にんにくの根が出る領域に併せて直径1〜2cm程の大きさにプラグトレイ5を部分的に切って形成される必要はない。但し、液体肥料がまんべんなくにんにくの根が出る領域に吹きかかるようにする点から、プラグトレイ5の孔が、にんにくの根が出る領域に併せて直径1〜2cm程の大きさにプラグトレイ5を部分的に切って形成されることが好ましい。また、にんにく以外の植物を栽培する際には、その植物の種類に応じて、孔を形成することが可能である。
図1に示すように、栽培槽本体2の架台4の上方には、養液供給管3が配置されている。養液供給管3は、配管経路を介して、栽培槽1の外側に設置された液肥原液タンク(図示せず)と、上水道または真水タンク(図示せず)に連結されている。配管経路の内部で、液肥原液と水が混ざったものが液体肥料として、養液供給管3に流れるものとなっている。
養液供給管3は栽培槽本体2の長手方向に沿って位置している。また、栽培槽本体2を上部から見た平面視では、その中央部分に養液供給管3が配置されている。また、プラグトレイ5が配置された状態で、プラグトレイ5と溶液供給管3の間には、数十センチの距離が空くものとなる。
養液供給管3では、ポンプ8を動力源として、プラグトレイ5側、即ち、図1における上方に向けて、管に設けられた孔を介して霧状の液体肥料が噴出される。液体肥料は、プラグトレイ5の底面に噴霧され、にんにくのりん片7の根元にまんべんなくあたるものとなっている。また、液体肥料は、栽培槽本体2の半密閉の内部空間に充満するものとなる。
ポンプ8にはタイマー9が取付けられ、養液供給管3からの液体肥料の噴霧時間を制御可能となっている。また、ポンプ8は流量調節機能を備え、養液供給管3から噴出させる液体肥料の流量を調節可能となっている。
ここで、養液供給管3の配置箇所は特に限定されるものではなく、栽培する植物の根が出る領域に、液体肥料をかけることができれば充分である。但し、栽培槽1の大きさに併せて栽培可能な量を増やすことができる点から、養液供給管3が栽培槽本体2の長手方向、かつ、その中央部分に養液供給管3が配置されることが好ましい。
また、必ずしも、プラグトレイ5と溶液供給管3の間には、数十センチの距離が空くものに限定されるものではない。例えば、噴霧する霧の液滴の細かさを調整して、プラグトレイ5と溶液供給管3の間を近づける構造や、噴霧の勢いを強めて、プラグトレイ5と溶液供給管3の間の距離を広げた構造も採用しうる。
また、必ずしも、養液供給管3からの液体肥料の噴霧時間を制御可能とする必要はない。但し、連続的な噴霧や、所定時間の間隔での噴霧が可能となり、植物の種類に併せた噴霧条件を採用することができる点から、養液供給管3からの液体肥料の噴霧時間を制御可能とすることが好ましい。
また、必ずしも、ポンプ8が流量調節機能を備え、養液供給管3から噴出させる液体肥料の流量を調節可能とする必要はない。但し、前述したように、植物の種類に併せた噴霧条件を採用することができる点から、ポンプ8が流量調節機能を備え、養液供給管3から噴出させる液体肥料の流量を調節可能とすることが好ましい。
液体肥料は、窒素、カリウム及びリン酸を含む一般的な液体肥料を使用することができる。液体肥料の肥料原液には、大量要素として、窒素、カリウム及びリン酸、中量要素として、カルシウム、マグネシウム、硫黄、少量要素として、鉄、マンガン、ほう素、亜鉛、モリブデン、銅及び塩素が含まれている。
また、液体肥料の肥料原液の組成は、栽培する植物に応じて、適宜変更可能となっている。例えば、にんにくの場合には、葉や根を大きくするために、花や実に必要なリン酸の量を減らした組成にすることもできる。
肥料原液に水を混合し、濃度が、EC(電気誘導率)が0.2〜2.0mS/cmの液体肥料とする。また、液体肥料は、pHが4.0〜8.0の範囲内になるものとする。
また、照明装置(図示せず)を用いて、プラグトレイ5上のにんにくに光が照射されるものとなっている。照明装置では、照射光の波長を調整可能となっており、にんにくの栽培に適した波長範囲の光を照射可能となっている。
ここで、必ずしも、噴霧する液体肥料の濃度が、EC(電気誘導率)が0.2〜2.0mS/cmの範囲内とされる必要はなく、栽培する植物の種類に応じて適宜変更することができる。但し、にんにくの栽培においては、その生育効率を高める点から、噴霧する液体肥料の濃度が、EC(電気誘導率)が0.2〜2.0mS/cmの範囲内とされることが好ましい。また、にんにくの栽培においては、噴霧する液体肥料の濃度が、EC(電気誘導率)が0.6〜1.5mS/cmの範囲内とされることが更に好ましい。
液体肥料の濃度については、濃度が大きいほど生長が早くなる反面、えぐみや苦味が強くなり、食味に悪影響を与えるものとなるが、濃度を大きくして早く生長させ、収穫後にえぐみを取り除くといった対応をすることもできる。
また、必ずしも、噴霧する液体肥料のpHが4.0〜8.0の範囲内とされる必要はなく、栽培する植物の種類に応じて適宜変更することができる。但し、にんにくの栽培においては、その生育効率を高める点から、噴霧する液体肥料のpHが4.0〜8.0の範囲内とされることが好ましい。
また、必ずしも、照明装置(図示せず)を用いて、プラグトレイ5上のにんにくに光が照射される必要はなく、室内灯や自然光を照射する構成を採用することもできる。
また、必ずしも、照明装置を照射光の波長を調整可能なものとし、にんにくの栽培に適した波長範囲の光を照射する必要はない。但し、特定の波長の光を照射することで、にんにくの生育を促すことができる点から、照明装置を照射光の波長を調整可能なものとし、にんにくの栽培に適した波長範囲の光を照射することが好ましい。
また、本発明を適用した植物の栽培方法では、にんにく以外にも適用可能である。例えば、根菜類、茎菜類、葉菜類、果菜類、花菜類等で構成される野菜や、花卉や観葉植物等にも採用しうる。
以下、表1に、前述したにんにくの栽培方法と同様の方法で栽培する際の、他の植物種に適した液体肥料の濃度(EC)と、pHを記載する。その他の植物においても、栽培前の植物の根が出る領域に、所定の濃度及びpHの範囲内とした液体肥料をかけることで、生育効率を高めることができる。
Figure 0006332696
また、液体肥料の濃度は、栽培時の温度条件に併せて変化させることができる。具体的には、栽培する植物の生育至適温度範囲で、高温側の温度で栽培する際には、液体肥料の濃度範囲の高濃度側の肥料を施肥し、低温側の温度で栽培する際には、液体肥料の濃度範囲の低濃度側の肥料を施肥するというものである。これによって、栽培温度で異なる植物の液体肥料の摂取量に併せた施肥となり、より一層、生長を促すことができる。
例えば、にんにくでは、一般的に、15〜25℃の範囲が最適温度環境と言われている。ここで、栽培温度を20〜25℃に設定した際には、噴霧する液体肥料の濃度が、ECが1.1〜2.0mS/cmとなるようにする。また、栽培温度を15〜20℃に設定した際には、噴霧する液体肥料の濃度が、ECが0.2〜1.1mS/cmとなるようにする。
以上までで説明した、本発明を適用した植物栽培方法の一例であるにんにくの栽培方法の流れについて説明する。
まず、栽培前のにんにくのりん片7を準備する。一般に食用とされる栽培後のにんにくの塊をばらして、真水に数日間つけて薄皮をむく。また、薄皮をむいたものを更に数日間真水につけ、これを栽培に用いるにんにくのりん片7とする。
下処理後のにんにくのりん片7を1つずつプラグトレイ5のマス目に入れる。また、この際に、根の出る領域がプラグトレイ5の底面の孔にくるように載置する。にんにくを置いたプラグトレイ5を栽培槽本体2に乗せる。栽培槽1の大きさは適宜選択可能であるが、複数枚のプラグトレイ5を並べて、同時に栽培をすることも可能である。
プラグトレイ5の設置後は、栽培槽本体2の内部空間は半密閉状態となる。そして、ポンプ8を起動し、養液供給管3から液体肥料を噴霧する。霧状の液体肥料は、プラグトレイ5の底面側に吹きかけられ、にんにくの根が出る領域にまんべんなくかかるものとなる。
また、液体肥料の噴霧は連続的な噴霧(0分)から15分間欠の範囲で行い、にんにくの根が出る領域が乾燥しないようにする。
また、照明装置で特定波長の光をにんにくにむけて照射する。また、栽培槽1を設置した室内の温度や湿度は、一定範囲に保たれるように制御する。
この状態で、プラグトレイ5の設置後、5日間から10日間栽培を行う。栽培に伴い、にんにくのりん片7からは、上方に向けて葉が伸長し、孔の部分から下方に向けて根が伸長していく。
上記の流れで、プラグトレイ5の中でにんにくが大きくなる様子を図2に示す。図2に示すにんにく10では、5日間から10日間という短期間で、根11及び葉12が大きく伸長していく。また、図3では、栽培後のにんにく10の形状を示している。
以下、本発明の実施例を説明する。
以上までで説明した本発明を適用した植物栽培方法の一例であるにんにくの栽培方法によって栽培したものを実施例1として、栽培開始から5日後のにんにくのりん片、葉、根及び枯死率について確認を行った。また、下記に記載する方法でにんにくの栽培を行い、比較例1とした。
(1)比較例1の栽培方法
比較例1の栽培方法では、実施例1の栽培に用いたものと同じプラグトレイに培地を敷き詰め、下処理したにんにくのりん片を植えた。プラグトレイを水槽に設置し、水槽に液体肥料を入れ、にんにくのりん片と液体肥料が常時接触するようにして水耕栽培を行った。使用した液体肥料の組成及び濃度は、実施例1の方法で使用した液体肥料と同一のものとした。また、水槽は、実施例1の方法で使用する栽培槽と同じ室内に設置し、温度及び湿度の条件も同一とした。また、実施例1と比較例1で、栽培は同時に開始した。
(2)栽培開始後2日目から5日目までの栽培状況
図4(a)〜図4(d)に実施例1と比較例1の栽培開始後2日目から5日目までの栽培状況を示している。図4(a)は栽培開始後2日目、図4(b)は栽培開始後3日目、図4(c)は栽培開始後4日目、図4(d)は栽培開始後5日目であり、符号13が実施例、符号14が比較例1のにんにくを示している。なお、参考までに、図4に相当する写真を参考図1に掲載する。参考図1は、左から栽培開始2日目〜5日目の順番となっており、上段が実施例1、下段が比較例1に相当するものである。
図4(a)〜図4(d)から明らかなように、実施例1では栽培開始2日目から葉が伸長していった。栽培5日目では、一般的に葉と根のついた状態のにんにくとして取引される、食用にんにくとして出荷可能な程度の大きさにまで生長した。一方、比較例1では、葉の伸長がほとんど確認できず、栽培開始後5日目において、葉が伸びたものがまばらに確認できる程度であった。
(3)りん片、葉、根及び枯死率の確認
実施例1及び比較例2について、栽培開始後5日目での、りん片、葉、根の長さと、枯死率の確認を行った。1枚のプラグトレイで栽培したにんにく(最大で128個)について、りん片、葉、根の長さを測定した。また、枯死率は、1枚のプラグトレイに置いたにんにくのりん片の数を母数とし、栽培開始後5日目に根腐れや、りん片の変色等が生じていないものの数から算出した。
Figure 0006332696
表2は、実施例1及び比較例1におけるりん片、葉、根の長さと、枯死率の割合を示した結果である。
実施例1のにんにくは、栽培開始後5日で葉及び根が大きく伸長していた。また、枯死率は10%と低いものとなっていた。比較例1では、栽培開始後5日で葉及び根の伸長がほとんど確認できず、伸長したものは実施例1に比べかなり短いものとなっていた。また、比較例1では、枯死率が40%を超える高いものとなっていた。
以上のように、本発明のにんにくの栽培方法は、植物の生存率を高め、生育効率を向上させることが可能なものとなっている。
1 栽培槽
2 栽培槽本体
3 養液供給管
4 架台
5 プラグトレイ
6 循環経路
7 にんにくのりん片
8 ポンプ
9 タイマー
10 にんにく
11 根
12 葉
13 実施例1のにんにく
14 比較例1のにんにく

Claims (4)

  1. にんにくの栽培方法であって、
    底面に孔を有すると共にマス目状の仕切りが設けられた容器に栽培前のにんにくのりん片を収容して支持し、霧状の液体肥料が前記孔の部分を通るようにして、にんにくのりん片の根元に同液体肥料を吹きかける、または、前記孔から露出したにんにくのりん片の根元に液体肥料を霧状にして吹きかける施肥工程を備え
    前記液体肥料のpHは、4.0〜8.0の範囲内であり、
    前記施肥工程は、
    栽培温度が20〜25℃である際には、噴霧する液体肥料の濃度を、ECが1.1〜2.0mS/cmの範囲内に設定し、
    栽培温度を15〜20℃である際には、噴霧する液体肥料の濃度を、ECが0.2〜1.1mS/cmの範囲内に設定するものであり、
    前記容器ににんにくのりん片を収容してから5日間栽培を行う
    にんにくの栽培方法
  2. 前記施肥工程は、
    前記液体肥料を間隔を空けずに連続的に吹きかける連続的な噴霧、または前記液体肥料を0分超え15分以下の所定間隔で吹きかける間欠的な噴霧を行う
    請求項1に記載のにんにくの栽培方法
  3. 前記孔がにんにくのりん片の根が出る領域と略同等の大きさで形成された
    請求項1または請求項2に記載のにんにくの栽培方法
  4. にんにくのりん片に特定の波長の光を照射する
    請求項1、請求項2または請求項3に記載のにんにくの栽培方法
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